JP2003112019A - 多孔質セラミックス中空糸膜の製造方法 - Google Patents

多孔質セラミックス中空糸膜の製造方法

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JP2003112019A
JP2003112019A JP2001308817A JP2001308817A JP2003112019A JP 2003112019 A JP2003112019 A JP 2003112019A JP 2001308817 A JP2001308817 A JP 2001308817A JP 2001308817 A JP2001308817 A JP 2001308817A JP 2003112019 A JP2003112019 A JP 2003112019A
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fiber membrane
membrane
porous ceramic
ceramic hollow
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Kensuke Watanabe
健祐 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 端部封止部分での気密性が充分に確保され、
かつ作製の容易な多孔質セラミックス中空糸膜の製造方
法を提供する。 【解決手段】 セラミックス粉末または金属粉末を膜形
成性高分子物質の有機溶媒溶液中に高充填した紡糸原液
を乾湿式製膜し、湿潤状態複合膜の端部を押し潰した
後、焼成して多孔質セラミックス中空糸膜を製造する。
この方法により得られた片側封止多孔質セラミックス中
空糸膜は、1本乃至数百本程度、アルミナ、ジルコニ
ア、チタニア、ガラス等からなるセラミックス束着管に
収容され、従来必要とされていた束着管に収容させた後
に必要とされていた封止処理を施すことなく、ガス分離
用中空糸膜モジュールなどとして有効に用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質セラミック
ス中空糸膜の製造方法に関する。更に詳しくは、端部封
止部分での気密性にすぐれた多孔質セラミックス中空糸
膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリスルホン等の膜形成性高分子物質の
有機溶媒溶液中にAl2O3、SiO2、ZrO2等のセラミックス
粉末を高充填した紡糸原液を用いて乾湿式紡糸し、得ら
れた複合中空糸膜を焼成することにより、孔径が約0.1
〜6μm、外径が約0.5〜4mmの多孔質セラミックス中空糸
膜が得られることは周知である(特公平5-66343号公報
等)。
【0003】この多孔質セラミックス中空糸膜は、それ
単体でも水処理などのロ過膜として用いることができる
が、基材の化学的耐久性が高く、またこれを用いて作製
したモジュールの容積当たりの膜表面積が大きいという
特徴を有することから、これを支持体として用い、セラ
ミックス中空糸膜表面にシリカ層などの機能性分離層を
複合、形成させることにより、ガス分離膜としての利用
も図られる。
【0004】中空糸膜の束着管への収容に際しては、中
空糸膜を固定させる以外に、分離媒体が膜機能部分以外
からリークするのを防ぐための気密性の付与も要求され
る。従来の方法により製造された多孔質セラミックス中
空糸膜は、両端解放の管状であるため、片側を封止する
必要があり、このような要求を満足させる中空糸膜の束
着による膜モジュールの製造方法として、無機接着剤、
ガラス、金属ロウ材などを用いて中空糸膜片側を封止す
る方法が一般に行われている。しかし、これらの製造方
法は、工程が複雑であり、また封止状態の信頼性に欠け
るといった問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、端部
封止部分での気密性が充分に確保され、かつ作製の容易
な多孔質セラミックス中空糸膜の製造方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
セラミックス粉末または金属粉末を膜形成性高分子物質
の有機溶媒溶液中に高充填した紡糸原液を乾湿式製膜
し、湿潤状態複合膜の端部を押し潰した後、焼成して多
孔質セラミックス中空糸膜を製造することによって達成
される。
【0007】
【発明の実施の形態】セラミックス粉末または金属粉末
としては、一般に平均粒子径が約0.001〜10μm程度に粉
砕されたAl2O3、Y2O3、MgO、SiO2、Si3N4、ZrO2等が用
いられる。これらのセラミックス粉末または金属粉末
は、膜形成性高分子物質の有機溶媒溶液中に高充填して
用いられる。その充填量は、紡糸原液中約10〜40容量
%、好ましくは約15〜30容量%を占めるような割合で一
般には用いられる。
【0008】膜形成性高分子物質としては、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、芳
香族ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデ
ン、酢酸セルロース等が用いられ、これらはジメチルホ
ルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、ジエチルアセトアミド、トリエチルホスフェー
ト、モルホリン、N-メチル-2-ピロリドン等の非プロト
ン性極性溶媒またはアセトンなどの有機溶媒溶液とし
て、紡糸原液中約3〜20容量%、好ましくは約4〜15容量
%を占めるような割合で一般には用いられる。
【0009】これらの各成分からなる紡糸原液は、必要
に応じて芯液を用い、一般に水が用いられる水性ゲル化
浴を用いて乾湿式紡糸し、そこにセラミックス粉末また
は金属粉末と膜形成性高分子物質とからなる複合膜を形
成させる。
【0010】複合膜の端部を潰す手段としては、圧力で
押しつぶす手段であれば特に限定されないが、例えばプ
レス機などが用いられる。ここで、印加する圧力として
は、この圧力が小さいと焼成後の一体化が十分でないた
めに隙間が生じ、大きいと複合膜の破損が生じるので、
複合膜に含まれる高分子種と濃度に応じた値を用いる必
要がある。例えば、ポリスルホンが20容量%含まれる複
合膜の場合には、0.01〜1MPa程度の圧力がかけられる。
また、押し潰す長さとしては、1〜20mmが好ましい。短
すぎる場合には焼成後の封止に関する信頼性が低下し、
一方長すぎる場合には、中空糸1本当りの有効面積が少
なくなる。
【0011】封止性をより確実にするためには、押し潰
す部位の複合膜内表面に前記の如き膜形成性高分子物質
可溶性有機溶媒の水溶液を塗布し、複合膜内表面近傍の
高分子物質を部分的に溶解させることが有効である。そ
の有機溶媒水溶液濃度は10〜60重量%、好ましくは30〜
50重量%のものが用いられる。濃度がこれ以上高いと複
合膜が破損し、一方これよりも低いと複合膜内表面近傍
の高分子の部分的な溶解が生じなくなる。
【0012】このようにして端部を押し潰した複合膜
は、次のようにして焼成される。すなわち、金属粉末、
窒化物粉末、炭化物粉末等の耐酸化性に劣る粉末を含む
複合膜では、約400〜900℃の酸化雰囲気中で一定時間加
熱して複合膜中の高分子物質を脱脂させた後、不活性雰
囲気中または還元雰囲気中で粉末が焼結する温度に加熱
する。また、酸化物粉末等の耐酸化性を有する粉末を含
む複合膜では、酸化雰囲気中で粉末が焼結する温度に加
熱する。この場合、粉末焼結温度の昇温時に高分子物質
が脱脂されるので、高分子物質を脱脂するために一定時
間加熱することは必ずしも必要とされない。例えば、粉
末にα−アルミナを用いた場合には、酸化雰囲気中で約
1200〜1500℃、約0.5〜10時間程度加熱すれば足りる。
【0013】さらに、片側封止ガス透過性をHeリークデ
ィテクタでの検出限界以下とするために、封止部位をさ
らに焼成して緻密なものにすることが好ましい。かかる
焼成は、例えば粉末にα−アルミナを用いた場合には、
1600〜1700℃、0.5〜12時間程度行われる。
【0014】
【発明の効果】本発明によって、ガス漏れが極めて少な
く、かつ作製の容易なガス分離に有効に用いられる片側
封止多孔質セラミックス中空糸膜の製造方法が提供され
る。この方法により得られた片側封止多孔質セラミック
ス中空糸膜は、1本乃至数百本程度、アルミナ、ジルコ
ニア、チタニア、ガラス等からなるセラミックス束着管
に収容され、従来必要とされていた束着管に収容させた
後に必要とされていた封止処理を施すことなく、ガス分
離用中空糸膜モジュールなどとして有効に用いられる。
【0015】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。
【0016】実施例1 ポリスルホン(アモコ社製品ユーデル)20g(4.4容量%)、
アルミナ微粉末(平均粒子径0.3μm)350g(24.1容量%)お
よびジメチルホルムアミド250g(71.5容量%)の混合物か
らなる紡糸原液を、内管径0.8mm、外径3.3mmの二重管式
ノズルを用い、ゲル化浴として水を用いて乾湿式紡糸
し、内径2.2mm、外径2.8mmの複合膜を得た。得られた複
合膜を長さ45cmに切断し、端部6mmをプレス機を用いて
押し潰し、平らとした。これを毎分6℃で1400℃まで昇
温した後、1400℃で2時間焼成した。その後冷却したと
ころ外径2.3mm、内径1.8mm、孔径0.2μm、気孔率38%の
片側封止多孔質セラミックス中空糸が得られた。端部の
封止した部位からの窒素透過量は封止部分以外の中空糸
からの窒素透過量7×10-6 mol/m2・s・Pa(測定温度200
℃)と同じ値を示した。
【0017】実施例2 実施例1において、複合膜を45cmに切断し、端部6mmの
内表面に40重量%ジメチルホルムアルデヒド水溶液を塗
布した後、この部位を押し潰して平らにした。これを毎
分6℃で1400℃まで昇温した後、1400℃で2時間焼成し、
その後冷却すると、外径2.3mm、内径1.8mm、孔径0.2μ
m、気孔率38%の片側封止多孔質セラミックス中空糸が
得られた。端部の封止した部位からの窒素透過量は1×1
0-6 mol/m2・s・Pa(測定温度200℃)であった。
【0018】実施例3 実施例1で得られた片側封止多孔質セラミックス中空糸
膜について、封止した部位をさらに1700℃で12時間焼成
した。封止部分以外の中空糸膜表面にシリコーン接着剤
を塗布して、封止部からのリーク量をHeリークディテク
タで測定した結果、リーク量は検出限界以下であった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス粉末または金属粉末を膜形
    成性高分子物質の有機溶媒溶液中に高充填した紡糸原液
    を乾湿式製膜し、湿潤状態複合膜の端部を押し潰した
    後、焼成することを特徴とする片側封止多孔質セラミッ
    クス中空糸膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 湿潤状態の複合膜端部内表面に膜形成性
    高分子物質可溶性有機溶媒の水溶液を塗布した後押し潰
    す請求項1記載の片側封止多孔質セラミックス中空糸膜
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の方法により製造
    された片側封止多孔質中空糸膜を冷却後、再度焼成を行
    うことを特徴とする片側封止多孔質セラミックス中空糸
    膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3記載の方法により
    製造された片側封止多孔質セラミックス中空糸膜を用い
    た多孔質セラミックス中空糸膜モジュール。
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