JP2003109860A - 電解コンデンサ - Google Patents
電解コンデンサInfo
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- JP2003109860A JP2003109860A JP2001304367A JP2001304367A JP2003109860A JP 2003109860 A JP2003109860 A JP 2003109860A JP 2001304367 A JP2001304367 A JP 2001304367A JP 2001304367 A JP2001304367 A JP 2001304367A JP 2003109860 A JP2003109860 A JP 2003109860A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 150℃の高温使用に耐えうる電解コンデン
サを提供する。 【解決手段】 陽極箔と陰極箔とセパレータを巻回し、
かつ駆動用電解液を含浸させてなるコンデンサ素子と、
このコンデンサ素子を収納する外装ケースと、この外装
ケースの開口部を封口する封口体を備え、前記駆動用電
解液としてエチレングリコールと安息香酸またはその塩
を含み、pHを6.5以下に調整した駆動用電解液を用
い、かつ前記封口体としてイソプレン−イソブチレン−
ジビニルベンゼン共重合体を過酸化物加硫してなるブチ
ルゴムを用いているので、150℃において封口体の劣
化、電気特性の劣化が抑制される。
サを提供する。 【解決手段】 陽極箔と陰極箔とセパレータを巻回し、
かつ駆動用電解液を含浸させてなるコンデンサ素子と、
このコンデンサ素子を収納する外装ケースと、この外装
ケースの開口部を封口する封口体を備え、前記駆動用電
解液としてエチレングリコールと安息香酸またはその塩
を含み、pHを6.5以下に調整した駆動用電解液を用
い、かつ前記封口体としてイソプレン−イソブチレン−
ジビニルベンゼン共重合体を過酸化物加硫してなるブチ
ルゴムを用いているので、150℃において封口体の劣
化、電気特性の劣化が抑制される。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は電解コンデンサ、
特に高温長寿命特性の良好な電解コンデンサに関する。 【0002】 【従来の技術】従来の電解コンデンサは電極引出し手段
であるリード線を備えた電極箔をセパレータを介して巻
回したコンデンサ素子に駆動用電解液が含浸される。そ
して、このコンデンサ素子が有底筒状の外装ケースに収
納され、外装ケースの開口部に封口体が装着される。そ
して、開口部を加締め加工によって封口して、電解コン
デンサが形成される。通常、この電解コンデンサ用封口
体として、ブチルゴムやエチレンプロピレンゴムからな
る封口ゴムが用いられる。 【0003】そして、小型、低インピーダンス、100
WV級の電解コンデンサの、コンデンサ素子に含浸され
る電解液としては、従来より、γ−ブチロラクトンを主
溶媒とし、フタル酸、マレイン酸などの三級塩を溶質と
するもの等が知られている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
自動車の電装品やインバータ照明に用いられる電解コン
デンサの使用環境温度が150℃へと高温化している。
ところが、前記の従来の電解コンデンサでの高温使用は
125℃が限界であり、150℃での特に長時間使用に
は耐えることができない。 【0005】すなわち、前記の電解液が封口ゴムに膨潤
し、150℃の高温下で封口ゴムが熱酸化劣化をおこし
てゴム特性が劣化し、ゴム強度の低下、気密性の低下を
もたらし、電解コンデンサの特性が低下するという問題
点があった。そこで、本発明は150℃の高温長時間使
用に耐えることのできる電解コンデンサを提供すること
をその目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明の電解コンデンサ
は、陽極箔と陰極箔とセパレータを巻回し、かつ駆動用
電解液を含浸させてなるコンデンサ素子と、このコンデ
ンサ素子を収納する外装ケースと、この外装ケースの開
口部を封口する封口体を備え、前記駆動用電解液として
エチレングリコールと安息香酸またはその塩を含み、p
Hを6.5以下に調整した駆動用電解液を用い、かつ前
記封口体としてイソプレン−イソブチレン−ジビニルベ
ンゼン共重合体を過酸化物加硫してなるブチルゴムを用
いたことを特徴としている。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明に用いる封口体としてはイ
ソプレン−イソブチレン−ジビニルベンゼン共重合体を
過酸化物加硫してなるブチルゴムを用いる。過酸化物加
硫に用いる加硫剤としてはケトンパーオキサイド類、パ
ーオキシケタール類、ハイドロパーオキサイド類、ジア
ルキルパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、
パーオキシジカーボネート類、パーオキシエステル類な
どを挙げることができる。具体的には、1,1−ビス−
t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス−t−ブチルパー
オキシバレレート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチ
ルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキサ
イド、ベンゾイルパーオキサイド、1,3−ビス(t−
ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、2,5−
ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシルヘキシ
ン−3、t−ブチルパーオキシクメン、α、α´ビス
(ターシャーリーブチルパーオキシ)ジイソプロピルベ
ンゼンなどを挙げることができる。 【0008】そして、上記のイソプレン−イソブチレン
−ジビニルベンゼン共重合体に加硫剤、そしてマイカ、
クレー、タルクなどの充填材、その他、加工助剤、老化
防止剤、架橋助剤を添加する。そして、密閉型混合機、
オープンロール等で混練し、ゴムシートを形成する。次
いで、加硫成型金型で加圧、加熱して、加硫すると共
に、電解コンデンサ用封口体状のシートに成型する。そ
して、成型後のシートを打ち抜いて本発明の封口体を形
成する。 【0009】そして、以下のような駆動用電解液を用い
る。 【0010】本発明の電解液は、エチレングリコールを
含有するものであるが、この他に、プロトン性極性溶
媒、非プロトン性溶媒、及びこれらの混合物を用いるこ
とができる。プロトン性極性溶媒としては、一価アルコ
ール類(エタノール、プロパノール、ブタノール、ペン
タノール、ヘキサノール、シクロブタノール、シクロペ
ンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール
等)、多価アルコール類およびオキシアルコール化合物
類(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリ
セリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキ
シプロピレングリコール、ジメトキシプロパノール等)
などが挙げられる。また、非プロトン性の極性溶媒とし
ては、アミド系(N−メチルホルムアミド、N,N─ジ
メチルホルムアミド、N─エチルホルムアミド、N,N
─ジエチルホルムアミド、N─メチルアセトアミド、
N,N─ジメチルアセトアミド、N─エチルアセトアミ
ド、N,N−ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホス
ホリックアミド等)、ラクトン類(γ−ブチロラクト
ン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン等)、ス
ルホラン系(3−メチルスルホラン、2,4−ジメチル
スルホラン等)、環状アミド系(N─メチル─2─ピロ
リドン、エチレンカーボネイト、プロピレンカーボネイ
ト、イソブチレンカーボネイト等)、ニトリル系(アセ
トニトリル等)、オキシド系(ジメチルスルホキシド
等)、2−イミダゾリジノン系〔1,3−ジアルキル−
2−イミダゾリジノン(1,3−ジメチル−2−イミダ
ゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノ
ン、1,3−ジ(n−プロピル)−2−イミダゾリジノ
ン等)、1,3,4−トリアルキル−2−イミダゾリジ
ノン(1,3,4−トリメチル−2−イミダゾリジノン
等)〕などが代表として、挙げられる。 【0011】電解液の溶質としては、安息香酸またはそ
の塩を用いる。塩としては、アンモニウム塩、4級アン
モニウム塩、またはアミン塩を用いることができる。第
4級アンモニウム塩を構成する第4級アンモニウムとし
てはテトラアルキルアンモニウム(テトラメチルアンモ
ニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルア
ンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチルトリエ
チルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム
等)、ピリジウム(1−メチルピリジウム、1−エチル
ピリジウム、1,3−ジエチルピリジウム等)が挙げら
れる。また、アミン塩を構成するアミンとしては、一級
アミン(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミ
ン、ブチルアミン、エチレンジアミン、モノエタノール
アミン等)、二級アミン(ジメチルアミン、ジエチルア
ミン、ジプロピルアミン、エチルメチルアミン、ジフェ
ニルアミン、ジエタノールアミン等)、三級アミン(ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミ
ン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセ
ン−7、トリエタノールアミン等)があげられる。 【0012】さらに、四級化環状アミジニウムイオンを
カチオン成分とする塩を用いることができる。 【0013】カチオン成分となる四級化環状アミジニウ
ムイオンは、N,N,N’−置換アミジン基をもつ環状
化合物を四級化したカチオンであり、N,N,N’−置
換アミジン基をもつ環状化合物としては、以下の化合物
が挙げられる。イミダゾール単環化合物(1−メチルイ
ミダゾール、1−フェニルイミダゾール、1,2−ジメ
チルイミダゾール、1−エチル−2−メチルイミダゾー
ル、1,2−ジメチルイミダゾール、1−エチル−2−
メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、
1,2,4−トリメチルイミダゾール等のイミダゾール
同族体、、1−メチル−2−オキシメチルイミダゾー
ル、1−メチル−2−オキシエチルイミダゾール等のオ
キシアルキル誘導体、1−メチル−4(5)−ニトロイ
ミダゾール等のニトロ誘導体、1,2−ジメチル−5
(4)−アミノイミダゾール等のアミノ誘導体等)、ベ
ンゾイミダゾール化合物(1−メチルベンゾイミダゾー
ル、1−メチル−2−ベンゾイミダゾール、1−メチル
−5(6)−ニトロベンゾイミダゾール等)、2−イミ
ダゾリン環を有する化合物(1−メチルイミダゾリン、
1,2−ジメチルイミダゾリン、1,2,4−トリメチ
ルイミダゾリン、1−メチル−2−フェニルイミダゾリ
ン、1−エチル−2−メチル−イミダゾリン、1,4−
ジメチル−2−エチルイミダゾリン、1−メチル−2−
エトキシメチルイミダゾリン等)、テトラヒドロピリミ
ジン環を有する化合物(1−メチル−1,4,5,6−
テトラヒドロピリミジン、1,2−ジメチル−1,4,
5,6−テトラヒドロピリミジン、1,5−ジアザビシ
クロ〔4,3,0〕ノネン−5等)等である。 【0014】さらに、本発明の駆動用電解液に、ほう
酸、マンニット、ノニオン性界面活性剤、コロイダルシ
リカ等を添加することによって、耐電圧の向上をはかる
ことができる。 【0015】ここで、この駆動用電解液のpHを6.5
以下に調整することによって、耐熱特性の良好な駆動用
電解液をえることができる。 【0016】以上のような封口体と駆動用電解液を用い
て、本発明の電解コンデンサが形成される。すなわち、
上記の電解液を含浸したコンデンサ素子を外装ケースに
収納し、この外装ケースの開口部に封口体を装着する。
そして、開口部を加締め加工等によって封口して、本発
明の電解コンデンサが形成される。 【0017】以上のように本発明においては、イソプレ
ン−イソブチレン−ジビニルベンゼン共重合体を過酸化
物加硫してなるブチルゴムからなる封口体を用い、さら
にエチレングリコールと安息香酸またはその塩を含み、
pHを6.5以下に調整した駆動用電解液を用いている
ので、150℃の高温下で電解液が膨潤しても熱酸化劣
化の進行が抑制されてゴム特性の劣化が抑制され、さら
に電解液の封口体を通しての減少が少ない。このような
封口体と電解液の相乗作用によって、本発明の電解コン
デンサは高温長寿命特性が良好である。 【0018】 【実施例】次にこの発明について実施例を示し、詳細に
説明する。セパレータを介して、陽極箔と、陰極箔を巻
回してコンデンサ素子を形成する。陽極電極箔は、純度
99.9%のアルミニウム箔を酸性溶液中で化学的ある
いは電気化学的にエッチングして拡面処理した後、アジ
ピン酸アンモニウムの水溶液中で化成処理を行い、その
表面に陽極酸化皮膜層を形成したものを用いる。陰極箔
として、純度99.9%のアルミニウム箔をエッチング
して拡面処理した箔を用いた。 【0019】上記のように構成したコンデンサ素子に、
電解コンデンサの駆動用の電解液を含浸する。この電解
液を含浸したコンデンサ素子を、有底筒状のアルミニウ
ムよりなる外装ケースに収納し、外装ケースの開口端部
に、前記封口体を挿入し、さらに外装ケースの端部を絞
り加工することにより電解コンデンサの封口を行う。 【0020】ここで、封口体は、以下のようにして作成
した。ゴムポリマーとしてイソプレン−イソブチレン−
ジビニルベンゼン共重合体、XL10000(バイエル
社製)を用い、加硫剤としてジクミルパーオキサイドを
用い、その他の添加剤を配合し、オープンロールで混練
して、過酸化物加硫ブチルゴムからなるゴムシートを形
成した。 【0021】次に、加硫成型金型で加圧、加熱して、こ
れらのシートをを加硫接合すると共に、電解コンデンサ
用封口体状のシートに成型する。そして、成型後のシー
トを打ち抜いて本発明の封口体を作成した。 【0022】ここで作成した電解コンデンサに用いた本
発明の電解液は、エチレングリコール100部、水3
部、安息香酸15部、パラニトロフェノール1部を配合
し、アンモニアガスでpHを5.9に調整した。また、
従来の電解液はγ−ブチロラクトン100部、フタル酸
10部、マレイン酸5部、パラニトロフェノール1部を
配合し、トリエチルアミンでpHを5.9に調整した。 【0023】そして、これらの実施例、従来例の電解コ
ンデンサの高温寿命試験を行った。電解コンデンサの定
格は、160WV−16μFであり、試験条件は150
℃、定格電圧負荷、1000時間である。その電気特性
とゴム特性(硬度ΔHm)の結果を(表1)に示す。 【0024】 【表1】 Cap(μF)、ESR (mΩ) 、ΔC(%) 、ΔHm (度) 【0025】(表1)からわかるように、実施例の電解
コンデンサは105℃、1000時間後も良好な特性を
維持しており、ゴム硬度の変化もない。これに比べて比
較例の電解コンデンサは特性が低下しており、ゴム硬度
も測定不能にまで劣化している。 【0026】 【発明の効果】本発明の電解コンデンサは、陽極箔と陰
極箔とセパレータを巻回し、かつ駆動用電解液を含浸さ
せてなるコンデンサ素子と、このコンデンサ素子を収納
する外装ケースと、この外装ケースの開口部を封口する
封口体を備え、前記駆動用電解液としてエチレングリコ
ールと安息香酸またはその塩を含み、pHを6.5以下
に調整した駆動用電解液を用い、かつ前記封口体として
イソプレン−イソブチレン−ジビニルベンゼン共重合体
を過酸化物加硫してなるブチルゴムを用いているので、
150℃の高温使用に耐えうる電解コンデンサを提供す
ることができる。
特に高温長寿命特性の良好な電解コンデンサに関する。 【0002】 【従来の技術】従来の電解コンデンサは電極引出し手段
であるリード線を備えた電極箔をセパレータを介して巻
回したコンデンサ素子に駆動用電解液が含浸される。そ
して、このコンデンサ素子が有底筒状の外装ケースに収
納され、外装ケースの開口部に封口体が装着される。そ
して、開口部を加締め加工によって封口して、電解コン
デンサが形成される。通常、この電解コンデンサ用封口
体として、ブチルゴムやエチレンプロピレンゴムからな
る封口ゴムが用いられる。 【0003】そして、小型、低インピーダンス、100
WV級の電解コンデンサの、コンデンサ素子に含浸され
る電解液としては、従来より、γ−ブチロラクトンを主
溶媒とし、フタル酸、マレイン酸などの三級塩を溶質と
するもの等が知られている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
自動車の電装品やインバータ照明に用いられる電解コン
デンサの使用環境温度が150℃へと高温化している。
ところが、前記の従来の電解コンデンサでの高温使用は
125℃が限界であり、150℃での特に長時間使用に
は耐えることができない。 【0005】すなわち、前記の電解液が封口ゴムに膨潤
し、150℃の高温下で封口ゴムが熱酸化劣化をおこし
てゴム特性が劣化し、ゴム強度の低下、気密性の低下を
もたらし、電解コンデンサの特性が低下するという問題
点があった。そこで、本発明は150℃の高温長時間使
用に耐えることのできる電解コンデンサを提供すること
をその目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明の電解コンデンサ
は、陽極箔と陰極箔とセパレータを巻回し、かつ駆動用
電解液を含浸させてなるコンデンサ素子と、このコンデ
ンサ素子を収納する外装ケースと、この外装ケースの開
口部を封口する封口体を備え、前記駆動用電解液として
エチレングリコールと安息香酸またはその塩を含み、p
Hを6.5以下に調整した駆動用電解液を用い、かつ前
記封口体としてイソプレン−イソブチレン−ジビニルベ
ンゼン共重合体を過酸化物加硫してなるブチルゴムを用
いたことを特徴としている。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明に用いる封口体としてはイ
ソプレン−イソブチレン−ジビニルベンゼン共重合体を
過酸化物加硫してなるブチルゴムを用いる。過酸化物加
硫に用いる加硫剤としてはケトンパーオキサイド類、パ
ーオキシケタール類、ハイドロパーオキサイド類、ジア
ルキルパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、
パーオキシジカーボネート類、パーオキシエステル類な
どを挙げることができる。具体的には、1,1−ビス−
t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス−t−ブチルパー
オキシバレレート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチ
ルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキサ
イド、ベンゾイルパーオキサイド、1,3−ビス(t−
ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、2,5−
ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシルヘキシ
ン−3、t−ブチルパーオキシクメン、α、α´ビス
(ターシャーリーブチルパーオキシ)ジイソプロピルベ
ンゼンなどを挙げることができる。 【0008】そして、上記のイソプレン−イソブチレン
−ジビニルベンゼン共重合体に加硫剤、そしてマイカ、
クレー、タルクなどの充填材、その他、加工助剤、老化
防止剤、架橋助剤を添加する。そして、密閉型混合機、
オープンロール等で混練し、ゴムシートを形成する。次
いで、加硫成型金型で加圧、加熱して、加硫すると共
に、電解コンデンサ用封口体状のシートに成型する。そ
して、成型後のシートを打ち抜いて本発明の封口体を形
成する。 【0009】そして、以下のような駆動用電解液を用い
る。 【0010】本発明の電解液は、エチレングリコールを
含有するものであるが、この他に、プロトン性極性溶
媒、非プロトン性溶媒、及びこれらの混合物を用いるこ
とができる。プロトン性極性溶媒としては、一価アルコ
ール類(エタノール、プロパノール、ブタノール、ペン
タノール、ヘキサノール、シクロブタノール、シクロペ
ンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール
等)、多価アルコール類およびオキシアルコール化合物
類(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリ
セリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキ
シプロピレングリコール、ジメトキシプロパノール等)
などが挙げられる。また、非プロトン性の極性溶媒とし
ては、アミド系(N−メチルホルムアミド、N,N─ジ
メチルホルムアミド、N─エチルホルムアミド、N,N
─ジエチルホルムアミド、N─メチルアセトアミド、
N,N─ジメチルアセトアミド、N─エチルアセトアミ
ド、N,N−ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホス
ホリックアミド等)、ラクトン類(γ−ブチロラクト
ン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン等)、ス
ルホラン系(3−メチルスルホラン、2,4−ジメチル
スルホラン等)、環状アミド系(N─メチル─2─ピロ
リドン、エチレンカーボネイト、プロピレンカーボネイ
ト、イソブチレンカーボネイト等)、ニトリル系(アセ
トニトリル等)、オキシド系(ジメチルスルホキシド
等)、2−イミダゾリジノン系〔1,3−ジアルキル−
2−イミダゾリジノン(1,3−ジメチル−2−イミダ
ゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノ
ン、1,3−ジ(n−プロピル)−2−イミダゾリジノ
ン等)、1,3,4−トリアルキル−2−イミダゾリジ
ノン(1,3,4−トリメチル−2−イミダゾリジノン
等)〕などが代表として、挙げられる。 【0011】電解液の溶質としては、安息香酸またはそ
の塩を用いる。塩としては、アンモニウム塩、4級アン
モニウム塩、またはアミン塩を用いることができる。第
4級アンモニウム塩を構成する第4級アンモニウムとし
てはテトラアルキルアンモニウム(テトラメチルアンモ
ニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルア
ンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチルトリエ
チルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム
等)、ピリジウム(1−メチルピリジウム、1−エチル
ピリジウム、1,3−ジエチルピリジウム等)が挙げら
れる。また、アミン塩を構成するアミンとしては、一級
アミン(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミ
ン、ブチルアミン、エチレンジアミン、モノエタノール
アミン等)、二級アミン(ジメチルアミン、ジエチルア
ミン、ジプロピルアミン、エチルメチルアミン、ジフェ
ニルアミン、ジエタノールアミン等)、三級アミン(ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミ
ン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセ
ン−7、トリエタノールアミン等)があげられる。 【0012】さらに、四級化環状アミジニウムイオンを
カチオン成分とする塩を用いることができる。 【0013】カチオン成分となる四級化環状アミジニウ
ムイオンは、N,N,N’−置換アミジン基をもつ環状
化合物を四級化したカチオンであり、N,N,N’−置
換アミジン基をもつ環状化合物としては、以下の化合物
が挙げられる。イミダゾール単環化合物(1−メチルイ
ミダゾール、1−フェニルイミダゾール、1,2−ジメ
チルイミダゾール、1−エチル−2−メチルイミダゾー
ル、1,2−ジメチルイミダゾール、1−エチル−2−
メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、
1,2,4−トリメチルイミダゾール等のイミダゾール
同族体、、1−メチル−2−オキシメチルイミダゾー
ル、1−メチル−2−オキシエチルイミダゾール等のオ
キシアルキル誘導体、1−メチル−4(5)−ニトロイ
ミダゾール等のニトロ誘導体、1,2−ジメチル−5
(4)−アミノイミダゾール等のアミノ誘導体等)、ベ
ンゾイミダゾール化合物(1−メチルベンゾイミダゾー
ル、1−メチル−2−ベンゾイミダゾール、1−メチル
−5(6)−ニトロベンゾイミダゾール等)、2−イミ
ダゾリン環を有する化合物(1−メチルイミダゾリン、
1,2−ジメチルイミダゾリン、1,2,4−トリメチ
ルイミダゾリン、1−メチル−2−フェニルイミダゾリ
ン、1−エチル−2−メチル−イミダゾリン、1,4−
ジメチル−2−エチルイミダゾリン、1−メチル−2−
エトキシメチルイミダゾリン等)、テトラヒドロピリミ
ジン環を有する化合物(1−メチル−1,4,5,6−
テトラヒドロピリミジン、1,2−ジメチル−1,4,
5,6−テトラヒドロピリミジン、1,5−ジアザビシ
クロ〔4,3,0〕ノネン−5等)等である。 【0014】さらに、本発明の駆動用電解液に、ほう
酸、マンニット、ノニオン性界面活性剤、コロイダルシ
リカ等を添加することによって、耐電圧の向上をはかる
ことができる。 【0015】ここで、この駆動用電解液のpHを6.5
以下に調整することによって、耐熱特性の良好な駆動用
電解液をえることができる。 【0016】以上のような封口体と駆動用電解液を用い
て、本発明の電解コンデンサが形成される。すなわち、
上記の電解液を含浸したコンデンサ素子を外装ケースに
収納し、この外装ケースの開口部に封口体を装着する。
そして、開口部を加締め加工等によって封口して、本発
明の電解コンデンサが形成される。 【0017】以上のように本発明においては、イソプレ
ン−イソブチレン−ジビニルベンゼン共重合体を過酸化
物加硫してなるブチルゴムからなる封口体を用い、さら
にエチレングリコールと安息香酸またはその塩を含み、
pHを6.5以下に調整した駆動用電解液を用いている
ので、150℃の高温下で電解液が膨潤しても熱酸化劣
化の進行が抑制されてゴム特性の劣化が抑制され、さら
に電解液の封口体を通しての減少が少ない。このような
封口体と電解液の相乗作用によって、本発明の電解コン
デンサは高温長寿命特性が良好である。 【0018】 【実施例】次にこの発明について実施例を示し、詳細に
説明する。セパレータを介して、陽極箔と、陰極箔を巻
回してコンデンサ素子を形成する。陽極電極箔は、純度
99.9%のアルミニウム箔を酸性溶液中で化学的ある
いは電気化学的にエッチングして拡面処理した後、アジ
ピン酸アンモニウムの水溶液中で化成処理を行い、その
表面に陽極酸化皮膜層を形成したものを用いる。陰極箔
として、純度99.9%のアルミニウム箔をエッチング
して拡面処理した箔を用いた。 【0019】上記のように構成したコンデンサ素子に、
電解コンデンサの駆動用の電解液を含浸する。この電解
液を含浸したコンデンサ素子を、有底筒状のアルミニウ
ムよりなる外装ケースに収納し、外装ケースの開口端部
に、前記封口体を挿入し、さらに外装ケースの端部を絞
り加工することにより電解コンデンサの封口を行う。 【0020】ここで、封口体は、以下のようにして作成
した。ゴムポリマーとしてイソプレン−イソブチレン−
ジビニルベンゼン共重合体、XL10000(バイエル
社製)を用い、加硫剤としてジクミルパーオキサイドを
用い、その他の添加剤を配合し、オープンロールで混練
して、過酸化物加硫ブチルゴムからなるゴムシートを形
成した。 【0021】次に、加硫成型金型で加圧、加熱して、こ
れらのシートをを加硫接合すると共に、電解コンデンサ
用封口体状のシートに成型する。そして、成型後のシー
トを打ち抜いて本発明の封口体を作成した。 【0022】ここで作成した電解コンデンサに用いた本
発明の電解液は、エチレングリコール100部、水3
部、安息香酸15部、パラニトロフェノール1部を配合
し、アンモニアガスでpHを5.9に調整した。また、
従来の電解液はγ−ブチロラクトン100部、フタル酸
10部、マレイン酸5部、パラニトロフェノール1部を
配合し、トリエチルアミンでpHを5.9に調整した。 【0023】そして、これらの実施例、従来例の電解コ
ンデンサの高温寿命試験を行った。電解コンデンサの定
格は、160WV−16μFであり、試験条件は150
℃、定格電圧負荷、1000時間である。その電気特性
とゴム特性(硬度ΔHm)の結果を(表1)に示す。 【0024】 【表1】 Cap(μF)、ESR (mΩ) 、ΔC(%) 、ΔHm (度) 【0025】(表1)からわかるように、実施例の電解
コンデンサは105℃、1000時間後も良好な特性を
維持しており、ゴム硬度の変化もない。これに比べて比
較例の電解コンデンサは特性が低下しており、ゴム硬度
も測定不能にまで劣化している。 【0026】 【発明の効果】本発明の電解コンデンサは、陽極箔と陰
極箔とセパレータを巻回し、かつ駆動用電解液を含浸さ
せてなるコンデンサ素子と、このコンデンサ素子を収納
する外装ケースと、この外装ケースの開口部を封口する
封口体を備え、前記駆動用電解液としてエチレングリコ
ールと安息香酸またはその塩を含み、pHを6.5以下
に調整した駆動用電解液を用い、かつ前記封口体として
イソプレン−イソブチレン−ジビニルベンゼン共重合体
を過酸化物加硫してなるブチルゴムを用いているので、
150℃の高温使用に耐えうる電解コンデンサを提供す
ることができる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 陽極箔と陰極箔とセパレータを巻回し、
かつ駆動用電解液を含浸させてなるコンデンサ素子と、
このコンデンサ素子を収納する外装ケースと、この外装
ケースの開口部を封口する封口体を備え、前記駆動用電
解液としてエチレングリコールと安息香酸またはその塩
を含み、pHを6.5以下に調整した駆動用電解液を用
い、かつ前記封口体としてイソプレン−イソブチレン−
ジビニルベンゼン共重合体を過酸化物加硫してなるブチ
ルゴムを用いた電解コンデンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001304367A JP2003109860A (ja) | 2001-09-28 | 2001-09-28 | 電解コンデンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001304367A JP2003109860A (ja) | 2001-09-28 | 2001-09-28 | 電解コンデンサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003109860A true JP2003109860A (ja) | 2003-04-11 |
Family
ID=19124302
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001304367A Pending JP2003109860A (ja) | 2001-09-28 | 2001-09-28 | 電解コンデンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003109860A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009111240A (ja) * | 2007-10-31 | 2009-05-21 | Nichicon Corp | 電解コンデンサ |
US8310813B2 (en) | 2007-04-25 | 2012-11-13 | Nippon Chemi-Con Corporation | Sealing material for electrolytic capacitor and electrolytic capacitor employing the sealing material |
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JPH11186108A (ja) * | 1997-12-22 | 1999-07-09 | Elna Co Ltd | アルミニウム電解コンデンサおよびアルミニウム電解コンデンサ駆動用電解液 |
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-
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- 2001-09-28 JP JP2001304367A patent/JP2003109860A/ja active Pending
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