JP2003109839A - 積層型電子部品の製造方法 - Google Patents

積層型電子部品の製造方法

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JP2003109839A
JP2003109839A JP2001304970A JP2001304970A JP2003109839A JP 2003109839 A JP2003109839 A JP 2003109839A JP 2001304970 A JP2001304970 A JP 2001304970A JP 2001304970 A JP2001304970 A JP 2001304970A JP 2003109839 A JP2003109839 A JP 2003109839A
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manufacturing
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Masaaki Ono
雅章 小野
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】積層工程で内部電極層の位置合わせを行う必要
がなく、段差のない積層体が得られるとともに、積層工
程の簡易化を図れ、生産性を向上できる積層型電子部品
の製造方法を提供する。 【解決手段】セラミック材料層2と内部電極層3とを、
互いの全ての外周辺が積層方向で一致するように交互に
積層して積層体1を作製する積層工程と、前記積層体1
の任意の前記内部電極層3の一部を排除して任意の電極
パターンを形成する電極パターン形成工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばコンデンサ
やバリスタなどの積層電子部品の製造方法に関し、特
に、その積層方法および内部電極層の電極パターンの形
成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の積層型電子部品の製造方法は、特
開平3−124011号公開公報に記載されているよう
に、まず、誘電体シート上に電極パターンを形成した内
部電極層を積層した積層体を、位置合わせしながら複数
層積層することによって積層体を形成していた。
【0003】そして、得られたこの積層体を厚み方向に
プレスして圧着した後、所定の大きさに切断し、この切
断した積層体を脱脂焼成した後、外部電極を形成して積
層型電子部品を製造していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、従来の製
造方法においては、積層方向でセラミック材料層を間に
おいて積層される内部電極層同士が、層を成す面におけ
る中央寄り部分で積層方向に対向し、周辺部分で外部端
子と接続するよう互いに反対の端縁まで延設される状
態、すなわち交互に異なる電極パターンを形成する状態
で内部電極層を積層していた。
【0005】このため、積層されて得られた積層体は、
内部電極層の積層数が中央部分に比して周辺部分では少
なくなるので、内部電極層の厚み分の差による段差が積
層体に生じ、周辺部分より中央部分の厚みが大きくなる
傾向があった。
【0006】積層数が少ないときは特に問題ないが、例
えばコンデンサの容量を増やす等、電気的性能の向上を
図るため積層数がかなり多くなると、誘電体層が薄層化
していることもあって、厚み分の段差が原因で、積層工
程やプレス工程のときに誘電体シートや内部電極層が変
形したり、プレス工程のときに圧力差が生じて接着不良
を起こすおそれが高くなった。また、内部にボイドが発
生するなど、品質不良を招くおそれが高くなった。
【0007】また、電極パターンを形成した内部電極層
を積層するために、内部電極のパターニングをスクリー
ン印刷等で行う場合には、品種ごとに版を作成する必要
があり、パターニングされた内部電極を積層する場合に
は、高精度の位置合わせが必要で積層工程が複雑になっ
た。また、積層工程において内部電極パターンの位置ず
れが生じるため、一つの積層体から切り分けて複数個の
積層型電子部品を製造する場合には、その切断のため
に、内部電極のパターンのずれを許容する余分の寸法を
設定しなければならず、単位体積当たりの容量等の特性
が低下する要因となっている。
【0008】したがって、本発明の主たる目的は、積層
工程で内部電極層の位置合わせを行う必要がなく、段差
のない積層体が得られるとともに、積層工程の簡易化を
図れ、生産性を向上できる積層型電子部品の製造方法を
提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明に係る請求項1の積層型電子部品の製造
方法は、セラミック材料層と内部電極層とを、互いの全
ての外周辺が積層方向で略一致するように交互に積層し
て積層体を作製する積層工程と、前記積層体の任意の前
記内部電極層の一部を排除して任意の電極パターンを形
成する電極パターン形成工程とを有することを特徴とす
る。
【0010】請求項1の積層型電子部品の製造方法によ
れば、セラミック材料層と内部電極層とを、互いの全て
の外周辺が積層方向で略一致するように交互に積層して
積層体を作製し、積層体の任意の内部電極層の一部を排
除して任意の電極パターンを形成するので、積層体を形
成したときの内部電極の厚みによる段差が生じることが
なくなるとともに、内部電極の位置合わせが不要になる
ので、積層工程が簡単になる。また、積層体を切断して
分割するような場合でも、その切断のために、内部電極
のパターンのずれを許容する余分の寸法を設定しておか
なくてもよいので、単位体積当たりの容量等の特性が低
下することも抑制できる。
【0011】本発明に係る請求項2の積層型電子部品の
製造方法は、少なくとも電子部品として使用する有効領
域を有するマザーセラミック材料層と、少なくとも前記
有効領域全域をカバーするマザー内部電極層とを、複数
層積層して有効領域を有するマザー積層体を作製する積
層工程と、前記マザー積層体の任意の前記マザー内部電
極層の一部を排除して任意の電極パターンを形成する電
極パターン形成工程と、前記マザー積層体を切断して、
前記マザー積層体の有効領域から少なくとも1つの積層
体を得る切断工程とを有することを特徴とする。
【0012】請求項2の積層型電子部品の製造方法によ
れば、特別に位置合わせを行うことなく、少なくとも電
子部品として使用する有効領域を有するマザーセラミッ
ク材料層と、少なくとも前記有効領域全域をカバーする
マザー内部電極層とを、複数層積層して電子部品領域を
有するマザー積層体を作製でき、その作製されたマザー
積層体の任意のマザー内部電極層の一部を排除して任意
の電極パターンを形成し、マザー積層体の電子部品領域
から少なくとも1つの積層体を得る切断処理をすること
で、積層体を形成したときの内部電極の厚みによる段差
が生じることがなくなるとともに、内部電極の位置合わ
せが不要になるので、積層工程が簡単になる。
【0013】本発明に係る請求項3の積層型電子部品の
製造方法は、請求項2に記載の積層型電子部品の製造方
法であって、前記積層工程において、前記マザー内部電
極層および該マザー内部電極層に積層されるマザーセラ
ミック材料層については、前記マザー内部電極層の主面
の一部が露出するように、マザーセラミック材料層の外
周辺の一部がそれよりも下層のマザー内部電極層よりも
面方向で内側にあるように積層することを特徴とする。
【0014】請求項3の積層型電子部品の製造方法によ
れば、積層工程において作製された積層体は、マザー内
部電極層の主面の一部が露出する状態で、各層における
大部分の周辺が一致する状態に積層されるものであるか
ら、積層体を形成したときの内部電極の厚みによる段差
が生じることがなくなるとともに、その内部電極層の主
面の一部が露出している部分に対して、例えば電解エッ
チングを行うための印加プローブを接触させることがで
きる。
【0015】本発明に係る請求項4の積層型電子部品の
製造方法は、請求項1から3のいずれかに記載の積層型
電子部品の製造方法において、前記電極パターン形成工
程は、前記積層体を脱脂焼成した後に、任意の前記内部
電極層の一部を排除する工程であることを特徴とする。
【0016】請求項4の積層型電子部品の製造方法によ
れば、積層体を脱脂焼成した後に、任意の内部電極層の
一部を排除するので、内部電極層の電気的抵抗を低くし
た状態で内部電極層の一部を例えば電解エッチングによ
り排除するような場合、比較的短時間で内部電極層の一
部の排除を完了でき、作業時間の短縮が図れる。
【0017】本発明に係る請求項5の積層型電子部品の
製造方法は、請求項1から3のいずれかに記載の積層型
電子部品の製造方法において、前記電極パターン形成工
程は、前記積層体または前記マザー積層体を脱脂焼成す
る前に、任意の前記内部電極層の一部を排除する工程で
あることを特徴とする。
【0018】請求項5の積層型電子部品の製造方法によ
れば、積層体を脱脂焼成する前に、任意の内部電極層の
一部を排除するので、特に化学エッチングを行う場合な
どにおいては、そのエッチング速度が比較的迅速なもの
となり、作業時間の短縮が図れる。
【0019】本発明に係る請求項6の積層型電子部品の
製造方法は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の
積層型電子部品の製造方法において、前記電極パターン
形成工程は、電解エッチングにより任意の前記内部電極
層または前記マザー内部電極層の一部を排除する工程で
あることを特徴とする。
【0020】請求項6の積層型電子部品の製造方法によ
れば、電解エッチングにより任意の内部電極層またはマ
ザー内部電極層の一部を排除するので、内部電極層また
はマザー内部電極層を全て同一の材料で作製することが
できる。
【0021】本発明に係る請求項7の積層型電子部品の
製造方法は、請求項6に記載の積層型電子部品の製造方
法において、前記電極パターン形成工程は、電解エッチ
ング時の電気量を調整して、電極パターン形状を制御す
ることを特徴とする。
【0022】請求項7の積層型電子部品の製造方法によ
れば、電解エッチング時の電気量を調整して、電解量を
制御するので、任意の内部電極層を精度よく排除でき、
従ってパターン形状を精度良く仕上げることができる。
【0023】本発明に係る請求項8の積層型電子部品の
製造方法は、請求項7に記載の積層型電子部品の製造方
法において、前記電極パターン形成工程は、電流とその
印加時間により電解エッチング時の電気量を調整するこ
とを特徴とする。
【0024】請求項8の積層型電子部品の製造方法によ
れば、電流とその印加時間により電解エッチング時の電
気量を調整するので、簡単に電気量を制御することがで
きる。
【0025】本発明に係る請求項9の積層型電子部品の
製造方法は、請求項6から8のいずれかに記載の積層型
電子部品の製造方法において、前記積層工程で得られた
前記マザー積層体を複数個に切断して得られた積層体ブ
ロックに、電解エッチング可能にマザー内部電極層が露
出するように溝を形成する溝形成工程を有することを特
徴とする。
【0026】請求項9の積層型電子部品の製造方法によ
れば、マザー積層体を複数個に切断して得られた積層体
ブロックに電解液が侵入する溝を形成するので、複数の
積層型電子部品の内部電極層の排除を一度の電解エッチ
ングにより行うことができる。
【0027】本発明に係る請求項10の積層型電子部品
の製造方法は、請求項6から9のいずれかに記載の積層
型電子部品の製造方法において、前記内部電極層を含む
前記積層体の一部を所要積層範囲にわたって切除して積
層面に対して斜めに交差する露出面を形成する露出面形
成工程を有するとともに、前記電極パターン形成工程で
は、前記露出面形成工程で形成された前記露出面におけ
る任意の内部電極層に対して電解エッチング用の印加プ
ローブを接触させて電解エッチングすることを特徴とす
る。
【0028】請求項10の積層型電子部品の製造方法に
よれば、内部電極層の露出面積を増幅するように、内部
電極層を含む積層体の一部をテーパ状に加工するので、
印加プローブの内部電極層への接触が容易になる。
【0029】本発明に係る請求項11の積層型電子部品
の製造方法は、請求項6から10のいずれかに記載の積
層型電子部品の製造方法において、前記積層工程で得ら
れた前記積層体の任意の前記内部電極層をマスキングに
より選択して電解エッチングする工程を有することを特
徴とする。
【0030】請求項11の積層型電子部品の製造方法に
よれば、任意の内部電極層をマスキングにより選択して
電解エッチングするので、内部電極層において電解エッ
チングされないよう残しておく部分を確実に選択でき
る。
【0031】本発明に係る請求項12の積層型電子部品
の製造方法は、請求項6から11のいずれかに記載の積
層型電子部品の製造方法において、前記電極パターン形
成工程は、前記積層体の少なくとも一端面に臨む内部電
極層の任意のものを電解エッチングしてその一部を排除
した後、前記一端面に導電体を付設して電解エッチング
されなかった側の任意の内部電極層と電気的に前記導電
体を接続し、次いで、前記導電体を介して通電する電解
エッチングを行うことで、前記一端面と対向する端面側
での前記内部電極層のうち後者の内部電極層の一部を排
除する工程を有することを特徴とする。
【0032】請求項12の積層型電子部品の製造方法に
よれば、任意の内部電極層の一部の排除を電解エッチン
グで行った後、それとは別の任意の内部電極層の一部の
排除については、前者の任意の内部電極層の一部が排除
された側の端面に付設した導電体を介しての通電による
電解エッチングで行うから、エッチングを行う任意の電
極を容易かつ確実に選択できるうえ、多数の積層型電子
部品を短時間で製造でき、量産化が図れる。
【0033】本発明に係る請求項13の積層型電子部品
の製造方法は、請求項1から5のいずれかに記載の積層
型電子部品の製造方法において、前記電極パターン形成
工程は、前記積層体における任意の前記内部電極層の一
部を化学エッチングにより排除する工程であることを特
徴とする。
【0034】請求項13の積層型電子部品の製造方法に
よれば、化学エッチングにより内部電極層の一部を排除
するものであるから、電解エッチングのように電気的設
備が必要でなく、生産性の向上を図ることが可能とな
る。
【0035】本発明に係る請求項14の積層型電子部品
の製造方法は、請求項13に記載の積層型電子部品の製
造方法において、前記積層工程は、所定の材質を選択的
に溶解する溶解液に対して溶解可能な前記内部電極層
と、前記溶解液に溶解不能な前記内部電極層とを任意に
積層位置を設定して積層することで積層体を得る工程で
あり、前記電極パターン形成工程は、当該積層体を前記
溶解液に浸漬することにより、その浸漬された溶解液に
対して溶解する内部電極層のみを選択して化学エッチン
グすることを特徴とする。
【0036】請求項14の積層型電子部品の製造方法に
よれば、任意の内部電極層を溶解性の違う材料を用いて
形成して化学エッチングするので、内部電極層を溶解性
に関して異なる材質のバインダーを選択して用いて形成
するだけで化学エッチングが可能になるために装置が簡
単になる。
【0037】本発明に係る請求項15の積層型電子部品
の製造方法は、請求項13または14に記載の積層型電
子部品の製造方法において、前記積層工程で得られた前
記積層体もしくは該積層体を複数個に切断して得られた
積層体ブロックに、化学エッチング可能にマザー内部電
極層が露出するように溝を形成する溝形成工程を有する
ことを特徴とする。
【0038】請求項15の積層型電子部品の製造方法に
よれば、積層体もしくは積層体を複数個に切断して得ら
れた積層体ブロックに化学エッチング液が侵入する溝を
形成するので、複数の積層型電子部品を作製できるよう
マザー内部電極層の一部の排除を一度の化学エッチング
により行うことができる。
【0039】本発明に係る請求項16の積層型電子部品
の製造方法は、請求項13から15のいずれかに記載の
積層型電子部品の製造方法において、前記電極パターン
形成工程は、任意の前記内部電極層をマスキングにより
選択して化学エッチングする工程を有することを特徴と
する。
【0040】請求項16の積層型電子部品の製造方法に
よれば、任意の内部電極層をマスキングにより選択して
化学エッチングするので、内部電極層において化学エッ
チングされないよう残しておく部分を確実に選択でき
る。
【0041】本発明に係る請求項17の積層型電子部品
の製造方法は、請求項1から5のいずれかに記載の積層
型電子部品の製造方法において、前記電極パターン形成
工程は、まず、任意の電極の一部を排除する化学エッチ
ングにより電極パターンを形成加工し、その後の工程で
任意の電極の一部を排除する電解エッチングにより電極
パターンを形成加工することを特徴とする。
【0042】請求項17の積層型電子部品の製造方法に
よれば、化学エッチングした後、電極パターンを形成す
るために、電解エッチングで電極パターンを形成加工す
るものであるから、2度化学エッチングする場合のよう
に、2回目の化学エッチングの有機溶剤などによりセラ
ミック材料層が溶解するおそれもなく、良好な電極パタ
ーン形成が行える。
【0043】本発明に係る請求項18の積層型電子部品
の製造方法は、請求項1から3のいずれかに記載の積層
型電子部品の製造方法において、前記積層工程は、焼成
時の収縮率が互いに異なる複数種類の内部電極層を、そ
れぞれ任意に積層位置を設定して積層することで積層体
を得る工程であり、前記電極パターン形成工程は、当該
積層体を焼成する際に最も収縮する種類の内部電極層が
他の種類の内部電極層よりも収縮されることで、任意の
前記内部電極層の一部を排除する工程であることを特徴
とする。
【0044】請求項18の積層型電子部品の製造方法に
よれば、任意の内部電極層の一部を排除するのに、焼成
時における互いに異なる収縮率の内部電極層同士のその
収縮率の差を利用するので、焼成工程と排除工程を一度
にすることができる。
【0045】本発明に係る請求項19の積層型電子部品
の製造方法は、請求項6、13、17または18に記載
の積層型電子部品の製造方法の製造方法において、電極
パターンを形成した後、前記内部電極層を封止する工程
を有することを特徴とする。
【0046】請求項19の積層型電子部品の製造方法に
よれば、電極パターン形成した後、内部電極層を封止す
るので、内部電極層間の絶縁を確実なものとして、積層
型電子部品の耐候性、寿命が向上する。
【0047】本発明に係る請求項20の積層型電子部品
の製造方法は、請求項19に記載の積層型電子部品の製
造方法において、封止材料としてセラミックスラリーを
用いることを特徴とする。
【0048】請求項20の積層型電子部品の製造方法に
よれば、封止材料としてセラミックスラリーを用いるの
で、耐熱性が向上し、外部電極形成時の高温での焼成時
に対応した封止材として機能する。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図1ないし
図10に記載の一実施の形態の電解エッチングにより積
層型電子部品の電極パターンを形成する製造方法に基づ
いて説明する。図1は本発明の一実施の形態の電解エッ
チングに係るマザー積層体1を示した斜視図、図2は溝
を形成したマザー積層体1aの斜視図、図3はマザー積
層体1aを電解エッチングする図、図4は電解エッチン
グが完了したマザー積層体1bの斜視図、図5はマザー
積層体1cの斜視図、図6はマザー積層体1cを電解エ
ッチングする図、図7は電解エッチングが完了したマザ
ー積層体1dの斜視図、図8はマザー積層体1eの斜視
図、図9は積層型電子部品12の斜視図、図10は一層
おきに内部電極層3を少しづつずらして積層するマザー
積層体1の斜視図である。
【0050】積層型電子部品の一例としての積層コンデ
ンサの製造方法の一実施の形態を、その工程に従って説
明する。
【0051】まず、セラミック材料層でなる誘電体層を
形成するため、誘電体材料の調合・分散を行う。この工
程は、チタン酸バリウムを主成分とする粉末材料を有機
溶媒、有機バインダーと共に調合分散し、セラミックス
ラリーを作製する工程である。
【0052】次に、誘電体膜を成形する。この工程は、
上記工程で得られたセラミックスラリーを、ダイコータ
ーなどでキャリアフィルム上に10μm以下の厚さで塗
工して誘電体シートを作製する工程である。
【0053】また、別工程で、内部電極材料の調合・分
散を行う。この工程は、ニッケルの粉末材料を有機溶媒
・有機バインダーとともに調合分散し、内部電極スラリ
ーを作製する工程である。
【0054】次に、内部電極膜を形成する。この工程
は、上記工程で得られた内部電極スラリーを、前記誘電
体シート上に10μm以下の厚さでマザー内部電極層3
として塗工し、乾燥させる。
【0055】次に、誘電体シートにマザー内部電極層3
が塗工されたこのシートを同一形状(矩形)同一面積に
カットしたものを順次積層し、100層積層したマザー
積層体1を作製する。このとき、各シートの全ての外周
辺が積層方向で一致するよう積層していく。前記誘電体
シートを作製する工程からこの工程までが積層工程に相
当する。なお、各誘電体シートからなる誘電体層2は、
少なくとも電子部品として使用する有効領域を有する状
態にマザーセラミック材料層として、マザー内部電極層
3と複数層積層交互に積層され、マザー内部電極層3
は、少なくとも前記有効領域全域をカバーする状態に積
層される。すなわち、後述するように、電極パターンが
形成された後に、個々の電子部品として切断分離された
ときに、マザー内部電極層3のカバーする領域は電子部
品を構成することになる。
【0056】次に、上記マザー積層体1を剛体プレスな
どによってマザー積層体1の層間を熱圧着する。
【0057】次に、圧着したマザー積層体1の端部に、
図2に示すような、傾斜の縦横の比率、すなわちテーパ
量1/200の電極コンタクト用のテーパ部4をダイサ
ーなどにより形成する。すなわち、マザー積層体1の一
部を、積層方向においてマザー内部電極層3がすべて含
まれる所要積層範囲にわたって斜めに切除して積層面に
対して斜めに交差する露出面、テーパ部4を形成してい
る。この工程は露出面形成工程である。このテーパ部4
を形成することによって、その露出面では各内部電極層
3の露出面積が増大されるので、後述の印加プローブを
マザー内部電極層3に対して接触させることが行いやす
くなっている。
【0058】なお、各図においては、積層数が100層
のものを図示すると理解しにくくなるため、図面に示す
マザー積層体1は見やすさを考慮し、数層としている。
【0059】次に、図2に示すように、テーパ部4を有
するマザー積層体1aにダイサーでエッチング用の溝5
を形成するとともに、該マザー積層体1aを単体に分割
するブレイク用のカット溝6を押し切りなどにより形成
する。この溝5を形成する工程が溝形成工程である。こ
の溝5は、後工程で行う電解エッチングにおいて、マザ
ー内部電極を一部排除するために形成されるものであ
る。
【0060】その後、マザー積層体1aを脱脂焼成す
る。尚、マザー内部電極層3の材料に薄膜形成法による
箔などを用いた場合は、焼成しなくても導通があるため
焼成前でも電解エッチングが可能であることもあって、
先に電解エッチングしてから、マザー内部電極層3の一
部の排除完了後に脱脂焼成することも可能である。
【0061】次に、電解エッチングにより任意のマザー
内部電極層3の一部を排除して電極パターンを形成する
電極パターン形成工程について説明する。前記テーパ部
4において露出したマザー内部電極層3に印加プローブ
7を1層おきに接触(コンタクト)させた状態で、マザ
ー積層体1aのテーパ部4以外の部分は、図3に示すよ
うに、陰極Cを浸した電解液Lに浸漬される。ここで、
陰極Cは、Pt(プラチナ)製であり、電解液は、Ni
Cl2(塩化ニッケル)が0.1mol/リットルの割
合で溶解されたものである。
【0062】次いで、室温において、印加プローブ7
と、陰極Cの間に直流電圧を印加して印加プローブ7を
取り付けたマザー内部電極層3のみを電解エッチングす
る。ここで、印加電圧は2Vであり、印加時間は20秒
間である。これによって排除される量は、マザー内部電
極層3の周縁からの深さにおいて30μmである。電解
エッチングが完了すると、図4に示すように、マザー積
層体1aはマザー内部電極層3が1層おきに一部排除さ
れたマザー積層体1bになる。
【0063】次に、図4に示すマザー積層体1bを、エ
ッチング用の溝5と平行なカット溝6に沿って、カット
すると図5に示す積層体ブロック1cになる。この積層
体ブロック1cのマザー内部電極層3の一部を排除した
方の一端面に導電ゴムを付設するあるいはNiをコート
するなどで電極8を設けて、この電極8と電解エッチン
グされていないマザー内部電極層3とを電気的に接続す
る。そして、積層体ブロック1cの電極8以外の部分
は、図6に示すように、陰極Cを浸した電解液Lに浸漬
する。この場合の電解エッチングも先の電解エッチング
と同じ条件で行って、先に電解エッチングしたマザー内
部電極層3とは積層方向で1つおきに配置されたマザー
内部電極3のみを電解エッチングし、そのマザー内部電
極層3の一部を排除する。ここまでが、電極パターン形
成工程である。その結果、図7に示すような、1層ごと
に互い異なった面のマザー内部電極層3の一部を排除さ
れた積層体1dになる。
【0064】電解エッチングによるマザー内部電極層3
の排除量は、電流量と比例関係にあり、その電流量は、
電流(I)と印加時間(T)の積(I×T)、より詳細
にはそれらの積分関係によって制御される。なお、積
(I×T)が大きくなればなるほど排除量は大きくなる
が、ある一定量を超えると排除量の増加率は減少する。
【0065】次いで、マザー内部電極層3の排除された
部分に、セラミックス(ガラスを含む)を主成分とする
スラリーなどの封止材料9を充填および封止して、図7
に示す積層体ブロック1dを得る。
【0066】図7の積層体ブロック1dをカット溝6で
カットし、バレル加工により角を落とすと、図8に示す
ような積層体1eを得る。この積層体1eの外部電極の
形成面以外の側面11に、封止材料として樹脂成分を含
まないセラミックス(ガラスを含む)を主成分とする封
止材をディッピングなどにより塗布して、その側面11
で内部電極層3が露出しないよう封止する。
【0067】次いで、すべての内部電極層3が露出され
ている残りの対向面10,10に外部電極12,12を
塗布して、焼き付ける。この焼付けにより内部電極層3
の排除された部分に挿入された封止材料9と側面10に
塗布された封止材料の焼結も行われる。最後に外部電極
表面にニッケル・すずメッキを施して、図9に示すよう
な積層型電子部品の一例としての積層コンデンサ13が
完成する。
【0068】上記実施の形態では、複数個の積層型電子
部品を切断分離して得ることのできるマザー積層体1を
積層形成したものを示し、そのマザー積層体1を構成す
るセラミック材料層、内部電極層をそれぞれマザーセラ
ミック材料層、マザー内部電極層と称したが、積層形成
したもの自体で単独の電子部品を構成するものでも良
く、その場合、積層形成されたものは単に積層体と称
し、誘電体層と内部の電極層は、単にセラミック材料
層、内部電極層と称す。この点は、以下の各別の実施の
形態の製造方法でも同様である。
【0069】次に、積層型電子部品を電解エッチングに
より製造する方法の別の実施の形態について説明する。
【0070】図10に示すように、積層工程において、
一層おきに内部電極層3を少しづつずらして積層し、電
極コンタクト用の端子面14を形成する。詳述すると、
最下層のマザーセラミック材料層2としての誘電体層を
含みそれに順に積層されたマザー内部電極層3、マザー
セラミック材料層2、マザー内部電極層3の4層につい
ては、同一形状同一面積であって、矩形状を成すそれら
の層の周囲の四辺が積層方向で一致するものとなってい
る。さらに、それに積層される4層は、その周囲3辺
は、下層の4層と積層方向で一致するものの、他の1辺
は下層の4層の他の1辺よりも対向する辺側に少し寄っ
た状態で積層されている。さらに、上層では、前記周囲
3辺についてすべて下層のものと積層方向で一致するも
のの、他の1辺は、4層ごとに、その直下の4層の他の
1辺よりも対向する辺側に少し寄った状態で積層される
ようにして積層形成される。これにより、図10に示す
ように、マザー内部電極層3の主面において、2層ごと
に1辺側部分近傍で上方に露出する露出部分14が形成
される。そして、図10に示すように、各露出部分14
に印加プローブ7を接触させた状態で上述と同様に電解
エッチングを行う。このとき、露出部分14となってい
るマザー内部電極層3のみ電解エッチングで一部排除さ
れ、電極パターンが形成される。この電解エッチングの
後、各露出部分14は切断除去され、電極パターンが形
成されていないマザー内部電極層3については、上述実
施の形態の図5以降の工程によって、積層型電子部品を
製造することになる。
【0071】次に、本発明に係る積層型電子部品の製造
方法の別の実施の形態として化学エッチングにより電極
パターンを形成する方法について、詳細を図1、図5、
図7、図11ないし図14に基づいて説明する。図11
はマザー積層体1fの斜視図、図12はマザー積層体1
fを化学エッチングする図、図13は化学エッチングが
完了したマザー積層体1gの斜視図、図14はマザー積
層体1cを化学エッチングする図である。
【0072】この場合のマザー積層体1も、図1に示す
ように、誘電体層2と内部電極層3とを、同一面積同一
形状で周辺全体が積層方向で一致する状態に交互に積層
する積層工程で作成されたものである。ただし、前述電
解エッチングにおける積層工程とは、有機系バインダで
形成した内部電極層3と、水系バインダで形成した内部
電極層3とを、1層おきに交互に変えて積層している点
で積層工程が異なっている。この積層工程を経て作製さ
れたこのマザー積層体1も、剛体プレスによりマザー積
層体1の層間を熱圧着する。
【0073】次いで、図11に示すように、マザー積層
体1にダイサーで化学エッチング用の溝5を形成すると
ともに、単体に分割するブレイク用のカット溝6を押し
切りなどにより形成してマザー積層体1fを得る。この
溝5を形成する工程が溝形成工程である。
【0074】脱脂焼成前の図11のマザー積層体1f
を、図12に示すように、水などの溶解液Wに所定時間
浸漬して水系バインダーで形成された内部電極層3のみ
を化学エッチングする。化学エッチングが完了すると、
図13に示すように、マザー積層体1fは内部電極層3
が1層おきに一部排除されたマザー積層体1gになる。
【0075】次に、図13の化学エッチングしたマザー
積層体1gをエッチング用の溝5と平行なカットキズ6
に沿ってカットすると、例えば図5に示すような積層体
ブロック1cになる。この積層体ブロック1cの内部電
極層3を排除した面と反対側の面を、図14に示すよう
に、有機溶剤の溶解液Sにつけて、化学エッチングす
る。その結果、図7に示すように積層体ブロック1cは
1層ごとに互い異なった面の内部電極層3の一部が排除
された積層体ブロック1dになる。そして、内部電極層
3の排除された部分に、樹脂成分を含まないセラミック
ス(ガラスを含む)を主成分とする封止材料9を充填す
る。
【0076】そして、その積層体ブロック1dを脱脂焼
成し、これ以降、積層型電子部品12が完成するまでの
工程は上述の電解エッチングで説明した工程と同様であ
る。
【0077】なお、化学エッチングとして上述実施の形
態では、溶液中に積層体を浸漬するものを示したが、反
応ガス中に積層体を置くことによって、その反応ガスに
よって内部電極層の化学エッチングを行うようにしても
良い。
【0078】次に、マスキングによりエッチングを防止
する工程について、図15ないし図18により説明す
る。この工程は、積層型電子部品を製造する過程の一部
として行われるものである。図15は請求項1に記載の
積層工程を経て得られた積層体もしくは請求項2の積層
工程を経て得られたマザー積層体を複数に切断分割して
得られる積層体もしくは積層体のブロックにおける一つ
の内部電極層3の外部に臨む一つの面の一部にマスク1
5を被着した積層体等の斜視図、図16は内部電極層3
に対するエッチング処理後マスク15を剥した積層体等
の斜視図、図17は福数層の内部電極層3にマスク15
を被着した積層体等の斜視図、図18は図17に示した
ものの内部電極層3に対するエッチング処理後マスク1
5を剥した積層体等の斜視図である。
【0079】請求項1に記載の積層工程を経て得られた
積層体もしくはマザー積層体を複数に切断分割して得ら
れる積層体ブロックの内部電極層3の外部に臨む一つの
面の所定箇所を、図15や図17に示すように、マスク
用絶縁樹脂からなるマスク15によりマスキングして、
電解エッチングまたは化学エッチングを行う。その後、
マスク15を溶解液により除去すると、図16や図18
に示すように、マスクされた部分はエッチングされずに
残り、その残った部分が例えば外部電極との接続箇所と
なる。
【0080】次に、内部電極層3の焼成時の収縮率の差
を利用して内部電極層の一部を排除する工程によって内
部電極層3の電極パターンを形成する製造方法につい
て、図19ないし図21により説明する。図19はマザ
ー積層体1hの焼成時に内部電極層3aが収縮した図、
図20はマザー積層体1hを分割して得られた積層体1
iの図、図21は積層体1jの図である。
【0081】予め、焼成時の収縮率の異なる2種類の内
部電極層材料を用意する。一方の内部電極材料の焼成時
の収縮率は、セラミック材料層としての誘電体層2の焼
成時の収縮率とほぼ同じに設定している。他方の内部電
極材料の焼成時の収縮率はそれよりも一定の割合で大き
く収縮するものとなっている。そして、積層体を得るた
めの積層工程において、収縮率の大きい内部電極層3a
と誘電体層2とほぼ同じ収縮率の内部電極層3bとを、
交互に間に誘電体層2を挟む状態で積層する。この積層
工程では、全ての誘電体層2、内部電極層3a,3bが
互いの全ての外周辺が積層方向で一致するように積層す
る。得られた積層体はプレスにより熱圧着された後、焼
成される。この焼成によって、図19に示すように、誘
電体層2や一方の内部電極層3bより収縮率の大きい内
部電極層3aは、その大きさが誘電体層2より内方にほ
ぼ均等に収縮して小さくなるので、そこでの内部電極層
2では周辺部が排除された構成と同じになる。これに対
して、焼成時の収縮率が誘電体層2とほぼ同じものは誘
電体層2と比して大きさに変化はない。次に、この脱脂
焼成して得られたマザー積層体1hを、図20に示すよ
うに、中央を分割面として左右に分割して、積層体1i
が得られる。次に、この分割された積層体1iの分割し
た面を、電解エッチングまたは化学エッチングすると、
図21に示すように、隣合う内部電極層が交互に左右に
ずれて電極パターンが形成される積層体1jが完成す
る。
【0082】次に、さらに別の実施の形態について、内
部電極層の一部を排除する工程によって内部電極層の電
極パターンを形成する製造方法を、図1,図5〜図9、
図11〜図13基づいて説明する。
【0083】まず、積層工程において、図1に示すよう
に、水系溶解液に溶解可能な水系バインダで結合された
マザー内部電極層3と、水系溶解液には不溶となる有機
系バインダで結合されたマザー内部電極層3とを、積層
方向において、それぞれマザーセラミック材料層2が間
に積層される状態で交互に積層して、マザー積層体1を
得る。
【0084】次いで、図11に示すように、マザー積層
体1にダイサーで化学エッチング用および電解エッチン
グ用の溝5を形成するとともに、単体に分割するブレイ
ク用のカット溝6を押し切りなどにより形成してマザー
積層体1fを得る。
【0085】脱脂焼成前の図11のマザー積層体1f
を、図12に示すように、水などの溶解液Wに所定時間
浸漬して水系バインダーで形成された内部電極層3のみ
を化学エッチングする。
【0086】化学エッチングが完了すると、図13に示
すように、マザー積層体1fは内部電極層3が1層おき
に一部排除されたマザー積層体1gになる。
【0087】次に、このマザー積層体1gを脱脂焼成す
る。
【0088】脱脂焼成した後のマザー積層体1gを、溝
5と同じ方向に沿ったカット溝6にて分離して図5に示
す積層体ブロック1cを得る。
【0089】この積層体ブロック1cのマザー内部電極
層3の一部を排除した方の一端面に電極8を設けて、こ
の電極8と電解エッチングされていないマザー内部電極
層3とを電気的に接続する。そして、積層体ブロック1
cの電極8以外の部分は、図6に示すように、陰極Cを
浸した電解液Lに浸漬する。この場合の電解エッチング
も先の電解エッチングと同じ条件で行って、先に電解エ
ッチングしたマザー内部電極層3とは積層方向で1つお
きに配置されたマザー内部電極3のみを電解エッチング
し、そのマザー内部電極層3の一部を排除する。その結
果、図7に示すような、1層ごとに互い異なった面のマ
ザー内部電極層3の一部を排除された積層体ブロック1
dになる。
【0090】次いで、この積層体ブロック1dのマザー
内部電極層3の排除された部分などに、スラリーなどの
封止材料9を充填および封止して内部電極層3が露出し
ないよう封止し、外部電極12,12を塗布、焼き付
け、最後に外部電極表面にニッケル・すずメッキを施し
て、図9に示すような積層型電子部品の一例としての積
層コンデンサ13が完成する。
【0091】このように、先に化学エッチングを行っ
て、任意のマザー内部電極層もしくは任意の内部電極層
の一部を排除する電極パターン形成した後、電解エッチ
ングを行って、任意のマザー内部電極層もしくは任意の
内部電極層の一部を排除する電極パターン形成する製造
方法には、次の作用効果がある。
【0092】すなわち、2回化学エッチングを行って、
それぞれ電極パターンを形成する場合と比較すると、2
回の化学エッチングのうち一回は通常電極パターンを有
機溶剤有機バインダを溶解させるため、その溶解時にセ
ラミック材料層も溶解するおそれがあり、有機溶剤に溶
解しないバインダでセラミック材料層を形成するなどし
なければならないが、それは一般的でないことから、化
学エッチングでは有機溶剤による溶解を行わないように
して、もう一方の電極パターン形成用のエッチングは有
機溶剤を溶解させることのない電解エッチングを行うこ
とで、電極パターン形成のエッチング時にセラミック材
料層を不当に溶解させてしまう不具合を回避できる積層
型電子部品の製造方法の一例を提供できる。
【0093】なお、上述した各実施の形態では、内部電
極層やマザー内部電極層が1層おきに電極パターンが同
じになるよう内部電極層の一部を排除したが、2層ご
と、3層ごと、4層ごとのように任意の層ごとに内部電
極層を排除しても良く、一定の層ごとに限らず、層数を
変化させて排除しても良い。また、前記実施の形態は一
対の対向する面に臨むところの内部電極層を排除した
が、その対向面の横側の面に臨むところの内部電極層を
も排除するようにしても良く、その電極パターンの形態
は上述実施の形態に限定されるものでなく、内部電極層
を必要な電極パターンに応じて自由に排除して良い。
【0094】また、上記各実施の形態では、一つの積層
体を切断分離して多数個の積層型電子部品を製造する方
法を示したが、一つの積層型電子部品を丸ごと積層工程
から作製するものでも良い。
【0095】また、上記実施の形態では、積層工程で得
られたマザー積層体に対して電極パターン形成工程等を
経てそのマザー積層体を切断分離して積層型電子部品を
製造するものを示したが、積層工程で得られた積層体を
電極パターン形成前に予め切断分割した積層体ブロック
にしてから、その積層体ブロックに対して電極パターン
形成するようにしてもよい。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
積層後に電極パターンを形成するので、積層体形成時
は、内部電極層をセラミック材料層に外周辺が積層方向
で略一致するように全面積層することになる。それによ
り、従来のように内部電極層の積層数が周辺部と中央部
とで異なることによる段差がなくなるので、プレス時
に、面全体に均一に圧力がかかり、セラミック材料層と
内部電極層との接着不良が抑制されるとともに、セラミ
ック材料層や内部電極層に変形が発生しない。よって、
積層時の内部電極層の位置ズレやプレス時の内部電極層
の変形による有効面積の減少や容量のバラツキが解消さ
れる。また、このような全面積層により、電極パターン
の位置合わせが不要になり、長尺シートの連続送りによ
る内部電極印刷または積層が可能となり、高速に積層体
を形成することができる。更に、内部電極印刷用の版も
一種類でよいため、生産性を向上できる。さらに、積層
部品の形状において段差による中ぶくれがなくなり、そ
れに起因する実装不良もなくなる。
【0097】脱脂焼成後に内部電極層の排除を行う場合
は、全面積層状態で焼成するために、焼成時の構造欠陥
が発生しにくなるので、内部電極やセラミック材料への
焼結抑制剤や焼結助剤が不要となり、電極として有効に
働く部分の面積も大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の電解エッチングに係る
マザー積層体1のを示した斜視図
【図2】マザー積層体1aの斜視図
【図3】マザー積層体1を電解エッチングする図
【図4】電解エッチングが完了したマザー積層体1bの
斜視図
【図5】マザー積層体1cの斜視図
【図6】マザー積層体1cを電解エッチングする図
【図7】電解エッチングが完了したマザー積層体1dの
斜視図
【図8】マザー積層体1eの斜視図
【図9】積層型電子部品12の斜視図
【図10】一層おきに内部電極層3を少しづつずらして
積層するマザー積層体1の斜視図
【図11】マザー積層体1fの斜視図
【図12】マザー積層体1fを化学エッチングする図
【図13】化学エッチングが完了したマザー積層体1g
の斜視図
【図14】マザー積層体1cを化学エッチングする図
【図15】単層の場合のマスク15をしたマザー積層体
1の斜視図
【図16】単層の場合のマスク15を剥したマザー積層
体1の斜視図
【図17】複数層の場合のマスク15をしたマザー積層
体1の斜視図
【図18】複数層の場合のマスク15を剥したマザー積
層体1の斜視図
【図19】マザー積層体1hの焼成時に内部電極層3a
が収縮した図
【図20】マザー積層体1hを分割したマザー積層体1
iの図
【図21】マザー積層体1jの図
【符号の説明】
1 積層体 2 誘電体層(セラミック材料層) 3 内部電極層 3a 焼成時の収縮率が誘電体シート層より大きい内部
電極層 3b 焼成時の収縮率が誘電体シート層と同じ内部電極
層 4 テーパ面 5 エッチング用の溝 7 印加プローブ 9 封止材料 13 積層型電子部品 15 マスク

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック材料層と内部電極層とを、互
    いの全ての外周辺が積層方向で略一致するように複数層
    積層して積層体を作製する積層工程と、 前記積層体の任意の前記内部電極層の一部を排除して任
    意の電極パターンを形成する電極パターン形成工程とを
    有することを特徴とする積層型電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも電子部品として使用する有効
    領域を有するマザーセラミック材料層と、少なくとも前
    記有効領域全域をカバーするマザー内部電極層とを、複
    数層積層して有効領域を有するマザー積層体を作製する
    積層工程と、 前記マザー積層体の任意の前記マザー内部電極層の一部
    を排除して任意の電極パターンを形成する電極パターン
    形成工程と、 前記マザー積層体を切断して、前記マザー積層体の有効
    領域から少なくとも1つの積層体を得る切断工程とを有
    することを特徴とする積層型電子部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の積層型電子部品の製造
    方法であって、 前記積層工程において、前記マザー内部電極層および該
    マザー内部電極層に積層されるマザーセラミック材料層
    については、前記マザー内部電極層の主面の一部が露出
    するように、マザーセラミック材料層の外周辺の一部が
    それよりも下層のマザー内部電極層よりも面方向で内側
    にあるように積層することを特徴とする積層型電子部品
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載の積層
    型電子部品の製造方法において、 前記電極パターン形成工程は、前記積層体を脱脂焼成し
    た後に、任意の前記内部電極層の一部を排除する工程で
    あることを特徴とする積層型電子部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から3のいずれかに記載の積層
    型電子部品の製造方法において、 前記電極パターン形成工程は、前記積層体または前記マ
    ザー積層体を脱脂焼成する前に、任意の前記内部電極層
    の一部を排除する工程であることを特徴とする積層型電
    子部品の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれかに記載
    の積層型電子部品の製造方法において、 前記電極パターン形成工程は、電解エッチングにより任
    意の前記内部電極層または前記マザー内部電極層の一部
    を排除する工程であることを特徴とする積層型電子部品
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の積層型電子部品の製造
    方法において、 前記電極パターン形成工程は、電解エッチング時の電気
    量を調整して、電極パターン形状を制御することを特徴
    とする積層型電子部品の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の積層型電子部品の製造
    方法において、 前記電極パターン形成工程は、電流とその印加時間によ
    り電解エッチング時の電気量を調整することを特徴とす
    る積層型電子部品の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項6から8のいずれかに記載の積層
    型電子部品の製造方法において、 前記積層工程で得られた前記マザー積層体を複数個に切
    断して得られた積層体ブロックに、電解エッチング可能
    にマザー内部電極層が露出するように溝を形成する溝形
    成工程を有することを特徴とする積層型電子部品の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 請求項6から9のいずれかに記載の積
    層型電子部品の製造方法において、 前記内部電極層を含む前記積層体の一部を所要積層範囲
    にわたって切除して積層面に対して斜めに交差する露出
    面を形成する露出面形成工程を有するとともに、 前記電極パターン形成工程では、前記露出面形成工程で
    形成された前記露出面における任意の内部電極層に対し
    て電解エッチング用の印加プローブを接触させて電解エ
    ッチングすることを特徴とする積層型電子部品の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項6から10のいずれかに記載の
    積層型電子部品の製造方法において、 前記積層工程で得られた前記積層体の任意の前記内部電
    極層をマスキングにより選択して電解エッチングする工
    程を有することを特徴とする積層型電子部品の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 請求項6から11のいずれかに記載の
    積層型電子部品の製造方法において、 前記電極パターン形成工程は、前記積層体の少なくとも
    一端面に臨む内部電極層の任意のものを電解エッチング
    してその一部を排除した後、前記一端面に導電体を付設
    して電解エッチングされなかった側の任意の内部電極層
    と電気的に前記導電体を接続し、次いで、前記導電体を
    介して通電する電解エッチングを行うことで、前記一端
    面と対向する端面側での前記内部電極層のうち後者の内
    部電極層の一部を排除する工程を有することを特徴とす
    る積層型電子部品の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1から5のいずれかに記載の積
    層型電子部品の製造方法において、 前記電極パターン形成工程は、前記積層体における任意
    の前記内部電極層の一部を化学エッチングにより排除す
    る工程であることを特徴とする積層型電子部品の製造方
    法。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の積層型電子部品の
    製造方法において、 前記積層工程は、所定の材質を選択的に溶解する溶解液
    に対して溶解可能な前記内部電極層と、前記溶解液に溶
    解不能な前記内部電極層とを任意に積層位置を設定して
    積層することで積層体を得る工程であり、 前記電極パターン形成工程は、当該積層体を前記溶解液
    に浸漬することにより、その浸漬された溶解液に対して
    溶解する内部電極層のみを選択して化学エッチングする
    ことを特徴とする積層型電子部品の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項13または14に記載の積層型
    電子部品の製造方法において、 前記積層工程で得られた前記積層体もしくは該積層体を
    複数個に切断して得られた積層体ブロックに、化学エッ
    チング可能にマザー内部電極層が露出するように溝を形
    成する溝形成工程を有することを特徴とする積層型電子
    部品の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項13から15のいずれかに記載
    の積層型電子部品の製造方法において、 前記電極パターン形成工程は、任意の前記内部電極層を
    マスキングにより選択して化学エッチングする工程を有
    することを特徴とする積層型電子部品の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項1から5のいずれかに記載の積
    層型電子部品の製造方法において、 前記電極パターン形成工程は、まず、任意の電極の一部
    を排除する化学エッチングにより電極パターンを形成加
    工し、その後の工程で任意の電極の一部を排除する電解
    エッチングにより電極パターンを形成加工することを特
    徴とする積層型電子部品の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項1から3のいずれかに記載の積
    層型電子部品の製造方法において、 前記積層工程は、焼成時の収縮率が互いに異なる複数種
    類の内部電極層を、それぞれ任意に積層位置を設定して
    積層することで積層体を得る工程であり、 前記電極パターン形成工程は、当該積層体を焼成する際
    に最も収縮する種類の内部電極層が他の種類の内部電極
    層よりも収縮されることで、任意の前記内部電極層の一
    部を排除する工程であることを特徴とする積層型電子部
    品の製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項6、13、17または18に記
    載の積層型電子部品の製造方法の製造方法において、 電極パターンを形成した後、前記内部電極層を封止する
    工程を有することを特徴とする積層型電子部品の製造方
    法。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の積層型電子部品の
    製造方法において、 封止材料としてセラミックスラリーを用いることを特徴
    とする積層型電子部品の製造方法。
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