JP2003109800A - 電子加速装置 - Google Patents
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Abstract
強度の偏向電磁石の利用とにより、大電流を蓄積するこ
とのできる電子加速装置を得る。 【解決手段】 第1の電子ビームを周回させるための高
周波加速空洞を有する蓄積軌道と、蓄積軌道の外部から
蓄積軌道に第2の電子ビームを入射するための入射軌道
と、蓄積軌道を変化させて入射軌道を作成するためのパ
ルス電磁石と、第2の電子ビームを入射軌道に導入する
ためのセプタム電磁石を有する入射手段とを備え、第1
の電子ビームを加速しながら放射光を発生する電子加速
装置であって、パルス電磁石は、第2の電子ビームの入
射軌道への入射時に、入射軌道と蓄積軌道とのずれ量の
最大値が第2の電子ビームのビームサイズの1.25倍
の値とセプタム電磁石の厚さとの加算値以下となるよう
に入射軌道を作成する電子加速装置を備えた。
Description
体の加工などに利用される電子加速施設に関し、特に電
子加速装置に関するものである。
ビームを加速しながら放射光を発生する電子加速施設
は、よく知られている。図11は一般的な電子加速施設
を示す斜視図、図12は図11に示した電子加速施設に
設置させる従来の電子加速装置を概略的に示す概略図で
ある。
速装置11、入射用電子直線加速器(入射器)12、電
子シンクロトロン13、ビーム輸送路14および電源1
5により構成されている。また、電子加速装置11は、
入射装置111を備えている。
1は、セプタム電磁石111A(入射装置111)、加
速電界Eを励振させる高周波加速空洞113、パルス電
磁石201、入射軌道202および蓄積軌道203によ
り構成されている。入射装置111は、電子ビームを取
り込むためのセプタム電磁石111Aを備えている。
向電磁石で電子に円形軌道をとらせ、円形軌道の途中に
置いた高周波加速空洞113で電子を加速させる。そし
て、高速で走る電子が偏向電磁石による磁界で曲げられ
ると、エネルギーの一部が光(放射光)として放出され
る。
子ビーム)が蓄積(貯蔵)されており、高周波加速空洞
113からエネルギーを補給されながら、長時間にわた
って光を放出し続ける。
ら、従来の電子加速装置を備えた電子加速施設の動作に
ついて説明する。
線加速器12で発生し、加速される。次に、電子ビーム
に所定のエネルギーを持たせるために、電子ビームを電
子シンクロトロン13に入射させ、円運動しながら加速
させる。
ビーム輸送路14を経由し、入射装置111のセプタム
電磁石111Aを用いて電子加速装置(貯蔵リング)1
1に入射する。
周回している蓄積軌道203を変化させて、電子ビーム
が入射するための入射軌道202を作成する。このと
き、入射軌道202がセプタム電磁石111Aに最も近
づいた時点で、電子ビーム(入射電子ビーム)は入射軌
道202に入り、その後、電子ビームの蓄積軌道203
に入る。
電子ビーム)は、電子加速装置11の中で蓄積(貯蔵)
され、円形軌道の蓄積軌道203に沿って円運動する。
このように、電子加速装置11の中で円運動している
間、電子ビームは放射光を放出する。なお、電子ビーム
は放射減衰により放射光を放出すると、エネルギーの一
部を失うが、電子加速装置11の高周波加速空洞113
中で運動エネルギーが与えられて、高いエネルギー状態
に復帰されることにより、円運動を続けることができ
る。
のビームサイズが放射減衰によって小さくなるまで行わ
れない。なぜなら、電子ビームはエネルギーを失うと電
子ビームのビームサイズが小さくなるが、電子ビームの
ビームサイズが小さくなっていない状態で次の電子ビー
ムを入射すると、周回(円運動)をしている電子ビーム
がセプタム電磁石111Aに衝突して、電子ビームを失
ってしまうからである。従って、電子ビームのビームサ
イズが小さくなったら次の電子ビームを入射するという
動作を繰り返す。
周期(周波数)は、放射減衰時間の値と同程度に設定さ
れている。
Yoshida,et.al.,Compact sy
nchrotron light source of
the HSRC,jounal of Synch
rotron Radiation, Vol.5 P
art3,1998,p345−p347」(吉田他、
HSRCのコンパクト放射光源、放射光ジャーナル)に
示されている。
1に入射する電子ビームのエネルギーの2乗と、電子ビ
ームを円運動させる偏向電磁石の磁場強度(偏向磁場強
度)とに反比例するので、放射減衰時間を短くするに
は、入射電子ビームのエネルギーを上げ、偏向磁場強度
を上げることが必要である。
が150MeV程度で、偏向電磁石の偏向磁場強度が
1.4T程度のコンベンショナルな電子加速装置の場
合、1秒〜2秒の放射減衰時間となる。
ム入射方法について、図13の水平(x軸)方向(軌道
平面方向)の位相平面説明図を用いて説明する。
場合を示し、ある周期での入射の位相平面を時間毎に4
分割して示している。
中を電子ビームが周回(ターン)し、入射軌道202を
蓄積軌道203へ近づけていく過程について説明する。
この過程は、セプタム電磁石111Aの位置を楕円の外
側にずらしていくことに対応(外側から入射を行う場
合)する。
(203)のベータトロン振動数の小数部を0.25ま
たは0.75付近としている。従って、入射された電子
ビームを周回(ターン)毎にプロットすると、ステップ
S1301に示すように、楕円の1/4毎の位置に存在
することとなる。
プタム電磁石111Aの位置付近に到達し、この時点で
電子ビームがセプタム電磁石111Aの位置より外側に
あると、その電子ビームは、セプタム電磁石111Aに
衝突して失なわれてしまう。
に、セプタム電磁石111Aの位置を外側にずらして、
4ターン目の電子ビームがセプタム電磁石111Aより
中に入るようにしておく必要がある。このことは、入射
軌道202を作成するパルス電磁石201(パータベー
タ)を所定の時間で励磁することで達成される。
の入射が終了した時点での電子ビームの位相平面につい
て説明する。
子ビームのアクセプタンスより外側に位置し、電子ビー
ムは、磁石配置によって決まる楕円上を周回し、ステッ
プS1302に示すように、数100μsec程度でア
クセプタンスの楕円内を埋め尽くすと考えることができ
る。
子ビームは、偏向電磁石による磁界中で、円軌道の中心
に向かって力を受け、前述のように放射光(Synch
rotron Radiation)を放射する。放射
光を放射した電子ビームは、エネルギーを失うが、失わ
れたエネルギーは、高周波加速空洞113で高周波電界
により補充される。
持った方向に行われるので、電子ビームのエネルギーの
減少は、電子ビームの進行方向および横方向ともに生じ
る。
ネルギーの補充は、主として電子ビームの進行方向のみ
であるため、電子ビームの横方向の運動量は時間と共に
失われていく。結果的に、位相平面上において、楕円の
面積は縮小していくこととなる。この現象を放射減衰と
呼ぶ。
タンスは減少し、放射減衰と放射励起とがつりあったエ
ミッタンスに収束する。
子ビームのエミッタンスが十分に小さくなった後、次の
入射が開始される。
面上のセプタム電磁石111Aの位置が実効的に内側に
ずれている。入射電子ビームは、セプタム電磁石111
Aの位置に近づき、楕円上の電子ビームが蓄積軌道20
3を回転する。そして、前述のステップS1301の入
射過程に入る。
が大きいと、電子ビームは入射軌道203を作成した時
にセプタム電磁石111Aと衝突して失われてしまう。
以上のように、通常の磁場強度の偏向電磁石を用いて、
100MeV〜150MeV程度の低エネルギーの電子
ビームの入射を行う場合には、放射減衰時間が長くなっ
てしまい、高い周波数(短い周期)での入射ができない
ので、入射と次の入射との間に、残留ガスとの衝突によ
って電子加速装置11内の電子ビームが急速に失われて
しまう。そして、この電子ビームの減衰量と入射による
電流の増加量とがつりあった時間以降は蓄積電流が増加
しないので、大電流の蓄積を実現することができないと
いう問題があった。
eVと低エネルギーであっても、偏向電磁石の磁場強度
が2.7Tと高い磁場強度である場合には、放射減衰時
間が0.5秒と比較的短く、2Hz程度の周波数での入
射を実現することができるが、このような高磁場強度の
電磁石の消費電力が大きい。さらに、電子ビームのエミ
ッタンスを小さくしなければならない場合には、高磁場
強度が望ましくない。従って、このような高磁場強度の
電磁石を用いた電子加速施設は用途が限定されてしまう
という問題があった。
段の加速器(従来のシンクロトロン)で高エネルギー
(放射減衰時間が十分短くなるエネルギー)になるまで
加速する必要があった。しかしその加速器を加えた分、
電子加速施設が大型となり、産業用装置や医療用装置と
しての普及が難しいという問題があった。
ためになされたもので、低エネルギーの電子ビームを入
射して、低磁場強度の偏向電磁石を利用することによ
り、大電流を蓄積することのできる電子加速装置を得る
ことを目的とする。
置への普及を目指して、コンパクトな電子加速施設にす
るための電子加速装置を得ることを目的とする。
装置は、第1の電子ビームを周回させるための高周波加
速空洞を有する蓄積軌道と、蓄積軌道の外部から蓄積軌
道に第2の電子ビームを入射するための入射軌道と、蓄
積軌道を変化させて入射軌道を作成するためのパルス電
磁石と、第2の電子ビームを入射軌道に導入するための
セプタム電磁石を有する入射手段とを備え、第1の電子
ビームを加速しながら放射光を発生する電子加速装置で
あって、パルス電磁石は、第2の電子ビームの入射軌道
への入射時に、入射軌道と蓄積軌道とのずれ量の最大値
が第2の電子ビームのビームサイズの1.25倍の値と
セプタム電磁石の厚さとの加算値以下となるように入射
軌道を作成するものである。
2の電子ビームの入射周期を、第1の電子ビームの放射
減衰時間の4倍以上に設定したものである。
手段は、蓄積軌道の歪みを補正するための歪み補正手段
を含み、蓄積軌道の歪みをあらかじめ補正して入射軌道
に第2の電子ビームを入射させるものである。
射光を被験者に照射されて被験者の医療診断に用いられ
るものである。
放射光を被加工物に照射されて被加工物の加工に用いら
れるものである。
しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明
する。図1はこの発明の実施の形態1を示す構成図であ
る。
プタム電磁石111A(図2参照)を備え、電子ビーム
を入射する入射装置111と、電子が周回する真空ダク
ト112と、電子を加速する高周波加速空洞113と、
電子を偏向させる(曲げる)偏向電磁石114とから構
成されている。なお、中央に存在するのは、電子加速装
置11Aに電子ビームを入射する入射器(マイクロトロ
ン)12Aである。
図である。図2において、前述(図1参照)と同様のも
のについては、同一符号が付されている。
磁石201と、電子ビームが入射される入射軌道202
と、高エネルギーの電子ビームが蓄積されている蓄積軌
道203とが示されている。
がら、図1および図2に示したこの発明の実施の形態1
による電子加速装置の動作について説明する。
タム電磁石111Aから入射される(ステップS30
1)。
プS302)。
の入射時に、蓄積軌道203の一部または全ての軌道を
パルス電磁石201で変化させることにより、セプタム
電磁石111Aに近づく方向に作成される。
した電子ビーム(蓄積電子ビーム)が周回しており、入
射軌道202は、所定の距離D(図2参照)までしかセ
プタム電磁石111Aに近づくことができない。
になった時に、入射軌道202はセプタム電磁石111
Aに最も近づき、入射軌道202と蓄積軌道203との
ずれが最大となる。
し、入射軌道202が蓄積軌道203に戻っていく時間
の間に、電子ビームはセプタム電磁石111Aから入射
される(ステップS303)。
4)と、蓄積電子ビームは、入射軌道202と蓄積軌道
203との差程度の電子ビーム径(ビームサイズ)とな
り、振動しながら蓄積軌道203を周回する。
作成して次の電子ビームを入射すると、前回入射して蓄
積軌道203を周回している蓄積電子ビームのビームサ
イズが大きすぎるために、セプタム電磁石111Aに衝
突してしまい、蓄積電子ビームを失ってしまう。
より蓄積電子ビームのビームサイズが十分小さくなる
(放射減衰時間が経過する)まで、次の入射を行わない
(ステップS305)。すなわち、放射減衰(ステップ
S305)の終了後にステップS301に戻る。
くなった時点で、次の入射を開始し、以降この動作を繰
り返す。
について具体的に説明する。
(蓄積軌道203の中心)に向かって力を受けて軌道が
曲げられるときに、放射光が発生することにより、横方
向運動のエネルギーが減衰して、電子ビームのエミッタ
ンスが小さくなっていく現象のことである。この現象
は、蓄積電子ビームのビームサイズが小さくなっていく
ことに相当する。
スは、入射直後の広がった(大きい)蓄積電子ビームの
エミッタンスの1/eになる。ただし、eは、素電荷
(1.602×10-19C)である。
ームを入射すると、蓄積軌道203を周回している蓄積
電子ビームがセプタム電磁石111Aに衝突し、蓄積電
子ビームを失ってしまい、電子加速装置11Aでの蓄積
電流が増加しないと考えられている。
の発明の実施の形態1による電子ビームの入射方法につ
いて、さらに詳しく説明する。
方法を示す説明図であり、前述の図13に対応してい
る。図4において、ステップS401〜S404は、あ
る回の入射について、水平(x軸)方向の位相平面を時
間毎に4分割して示している。
方法を示す説明図であり、図5において、入射する電子
ビーム(入射電子ビーム)の位置501と、入射軌道2
02(入射時の蓄積軌道の変異(ずれ)が最大となる時
間における入射電子ビームの位置)および蓄積軌道20
3の位置202A、203Aとが示されている。
条件を示す(ステップS401)。まず、入射軌道20
2および蓄積軌道203のずれを小さくして、蓄積軌道
203内の電子ビームを蓄積可能な領域(アクセプタン
ス)の一番外側にのみ入射する。ステップS401で
は、セプタム電磁石111Aの位置がアクセプタンスの
外側すれすれに位置していることに対応する。
3のずれの最大値(図2、図5の距離Dに相当)は、セ
プタム電磁石111Aの厚さと入射する電子ビームのビ
ームサイズの1.25倍の値との和(図5における厚さ
B+ビームサイズC×1.25)以下とする。
度が高い正規分布に近い分布をしており、その境界は厳
密ではない。この実施の形態1の場合、正規分布の1σ
の幅の2倍程度をビーム境界(電子ビームサイズC)と
考えている。ただし、電子ビームサイズCの1.25倍
までは、この実施の形態1と同様の効果を有する。
積電子ビームを示す(ステップS402)。セプタム電
磁石111Aの位置は、蓄積電子ビームのアクセプタン
スより外側になる。
振動数として、磁石配置から決まる楕円上を周回し、数
100μsec程度で、ステップS402に示すように、
ある楕円内を埋め尽くすと考えることができる。すなわ
ち、従来の入射手法(図13内のステップ1302)と
比較して、アクセプタンスの外側に集中した密度分布と
なる。
02)すると、電子ビームは放射減衰を開始する(ステ
ップS403)。ただし、次の入射までの時間が短いの
で、蓄積電子ビームは十分に減衰しきらず、かなり大き
なビームサイズのままである。
404)。前述の通り、入射軌道202および蓄積軌道
203のずれが大きくなると、蓄積電子ビームの一部は
セプタム電磁石111Aと衝突して失われてしまう。
周期で振動しているので、異なるターン時に、セプタム
電磁石111Aに衝突した部分の電子ビーム消失部分が
ずれることになり、蓄積電子ビームの楕円は多角形の形
状となる。このような状態で、次の入射を開始して(ス
テップS401)、以降ステップS401〜S404を
繰り返し行う。
する蓄積電子ビームのパワーは、150MeVのエネル
ギーで10Hz入射の場合、約10W程度であり、何ら
問題とならない。
し過程で徐々に減衰していくので、セプタム電磁石11
1Aに衝突して失われる蓄積電子ビームは、入射後のあ
る一定時間の蓄積電子ビームのみである。
プタム電磁石111Aに衝突して一部の蓄積電子ビーム
を失ってしまうが、放射減衰時間より大幅に高い周波数
で電子ビームを入射することができるので、大電流を蓄
積することが実現できる。
ンピュータシミュレーションにより、この入射方法を実
験した結果について説明する。
tition)と最大加速電流(最大蓄積電流)(Cu
rrent)との関係を示す特性図であり、図6はこの
発明の実施の形態1による入射方法における特性図、図
7は従来の入射方法における特性図を示している。
が1秒の場合と2秒の場合とを計算したときの特性が示
されている。これらの時間値は、偏向磁場強度1.4T
程度の偏向電磁石を用いた電子加速装置11A、11に
エネルギー150MeVの電子ビームを入射した場合の
放射減衰時間に相当する。
放射減衰時間の値にほぼ等しい入射周波数の条件の場合
(放射減衰時間1秒に対して、入射周波数1Hz程度)
が最適であり、入射周波数を高くさせるに従い、最大加
速電流は減少していくことがわかる。
数が高いと、ほとんどの電子ビームがセプタム電磁石1
11Aに衝突して失われてしまうので、最大加速電流が
最適な、放射減衰時間程度の周波数で入射が行われてい
ることを示す。
において、入射周波数が低い場合には、図7(従来の入
射方法)と比べて最大加速電流が小さい。しかし、入射
周波数を高くするに従って、この発明の入射方法の方が
最大加速電流が大きくなることがわかる。
合に、入射周波数が10Hz近傍で最大加速電流が最大
となる。また、放射減衰時間が1秒の場合には、入射周
波数の高い方が最大加速蓄積電流が大きくなっており、
入射周波数が20Hzではまだ飽和していない。
位の放射減衰時間の値よりも高い周波数(10〜20H
z)で電子ビームの入射を行うことにより、最大加速電
流(最大蓄積電流)の増大が可能であることがわかる。
での入射が可能であり、蓄積電流の増大が可能となる。
どの電子加速施設で、この電子加速装置を用いれば、従
来、必要であったブースターシンクロトロンは必要な
く、電子加速施設全体の縮小を図ることができ、電子加
速施設の大きさの原因で普及が難しかった医療用装置や
産業用装置としての普及が望める。
は、電子ビームの入射周期(入射周波数)について言及
しなかったが、放射減衰時間の値の4倍以上に設定して
もよい。
2に係る入射周波数および最大加速電流の関係を従来特
性と対比して示した特性図である。
放射減衰時間が2秒の場合で入射方法の関係を示してい
る。
明の入射方法による効果の相違が顕著となるのは、入射
周波数を秒単位の放射減衰時間の値の4倍程度以上(放
射減衰時間1秒時、入射周波数4Hz、放射減衰時間2
秒時、入射周波数8Hz)とした条件であることがわか
る。
の値の4倍程度以上とすることにより、上記実施の形態
1の入射方法による効果が顕著となり、最大蓄積電流の
増大が可能である。さらに、上記実施の形態1のよう
に、電子加速施設の縮小を図ることができる。
2では、蓄積軌道の歪み(COD)について言及しなか
ったが、歪み(COD)を補正してもよい。
03の歪み(COD)が、蓄積電流(蓄積電子ビーム)
に与える影響について説明する。
付近に電子ビームを入射するので、平衡軌道の歪み(C
OD)が最大加速電流に与える影響が大きい。アクセプ
タンスとは、電子ビームが安定周回可能な位相平面上の
領域のことである。
ミュレーション実験の結果を示す特性図である。図10
において、横軸が水平方向(軌道平面方向)のセプタム
電磁石111Aの位置での歪み(COD)、縦軸が最大
加速電流である。
mm以上になると、急激に最大加速電流が減少すること
がわかる。従って、大電流加速時にはあらかじめ蓄積電
子ビームの歪み(COD)を1.5mm以下に補正して
入射を行うのが望ましい。
ータにより若干の変動があるが、セプタム電磁石111
Aの位置における水平方向の歪み(COD)をミリ(m
m)オーダで制御することは現状技術ではそれほど難し
くなく、実現可能である。
段)や、蓄積軌道203の歪み補正方法(手段)を用い
た電子加速装置を備えれば、低エネルギー入射および低
磁場強度の偏向電磁石の利用でも、大電流の蓄積が可能
である。
医療診断装置や放射光加工装置などの電子加速施設の縮
小を図ることができる。
3では、電子加速装置11Aへ電子ビームを入射する入
射器12Aとしてマイクロトロンを用いたが、線形加速
器を用いてもよい。
2Aと比較して、線形加速器は入射器部分が長くなる。
子ビームの入射方法などは全て上記実施の形態1〜3と
同様であるので省略する。
速器に変えても、上記実施の形態1〜3と同様の効果を
得ることができる。
の電子ビームを周回させるための高周波加速空洞を有す
る蓄積軌道と、蓄積軌道の外部から蓄積軌道に第2の電
子ビームを入射するための入射軌道と、蓄積軌道を変化
させて入射軌道を作成するためのパルス電磁石と、第2
の電子ビームを入射軌道に導入するためのセプタム電磁
石を有する入射手段とを備え、第1の電子ビームを加速
しながら放射光を発生する電子加速装置であって、パル
ス電磁石は、第2の電子ビームの入射軌道への入射時
に、入射軌道と蓄積軌道とのずれ量の最大値が第2の電
子ビームのビームサイズの1.25倍の値とセプタム電
磁石の厚さとの加算値以下となるように入射軌道を作成
するので、短い周期(高い周波数)で低エネルギーの電
子ビームを入射して、低磁場強度の偏向電磁石を利用す
ることができ、蓄積電流を増大させることのできる電子
加速装置が得られる効果がある。
ムの入射周期は、第1の電子ビームの放射減衰時間の4
倍以上に設定されたので、低エネルギーの電子ビームの
入射を繰り返すことにより、大電流の電子ビームを加速
することのできる電子加速装置が得られる効果がある。
積軌道の歪みを補正するための歪み補正手段を含み、蓄
積軌道の歪みをあらかじめ補正して入射軌道に第2の電
子ビームを入射させるので、大電流の電子ビームを加速
することのできる電子加速装置が得られる効果がある。
者に照射されて被験者の医療診断に用いられるので、電
子加速施設全体の大きさを縮小する(コンパクトにす
る)ことのできる電子加速装置が得られる効果がある。
加工物に照射されて被加工物の加工に用いられるので、
電子加速施設全体の大きさを縮小する(コンパクトにす
る)ことのできる電子加速装置が得られる効果がある。
る。
る。
ローチャートである。
す説明図である。
す説明図である。
ける特性図である。
よび最大加速電流の関係を従来特性と対比して示した特
性図である。
よび最大加速電流の関係を従来特性と対比して示した特
性図である。
ション実験の結果を示す特性図である。
る。
装置を概略的に示す概略図である。
(入射用電子直線加速器)、13 電子シンクロトロ
ン、14 ビーム輸送路、15 電源、111、111
A 入射装置(セプタム電磁石)、112 真空ダク
ト、113 高周波加速空洞、114 偏向電磁石、2
01 パルス電磁石、202、202A 入射軌道、2
03、203A 蓄積軌道、501 入射電子ビームの
位置。
Claims (5)
- 【請求項1】 第1の電子ビームを周回させるための高
周波加速空洞を有する蓄積軌道と、 前記蓄積軌道の外部から前記蓄積軌道に第2の電子ビー
ムを入射するための入射軌道と、 前記蓄積軌道を変化させて前記入射軌道を作成するため
のパルス電磁石と、 前記第2の電子ビームを前記入射軌道に導入するための
セプタム電磁石を有する入射手段とを備え、 前記第1の電子ビームを加速しながら放射光を発生する
電子加速装置であって、 前記パルス電磁石は、前記第2の電子ビームの前記入射
軌道への入射時に、前記入射軌道と前記蓄積軌道とのず
れ量の最大値が前記第2の電子ビームのビームサイズの
1.25倍の値と前記セプタム電磁石の厚さとの加算値
以下となるように前記入射軌道を作成することを特徴と
する電子加速装置。 - 【請求項2】 前記第2の電子ビームの入射周期は、前
記第1の電子ビームの放射減衰時間の4倍以上に設定さ
れたことを特徴とする請求項1に記載の電子加速装置。 - 【請求項3】 前記入射手段は、前記蓄積軌道の歪みを
補正するための歪み補正手段を含み、前記蓄積軌道の歪
みをあらかじめ補正して前記入射軌道に前記第2の電子
ビームを入射させることを特徴とする請求項1または請
求項2に記載の電子加速装置。 - 【請求項4】 前記放射光は、被験者に照射されて前記
被験者の医療診断に用いられることを特徴とする請求項
1から請求項3までのいずれかに記載の電子加速装置。 - 【請求項5】 前記放射光は、被加工物に照射されて前
記被加工物の加工に用いられることを特徴とする請求項
1から請求項3までのいずれかに記載の電子加速装置。
Priority Applications (1)
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