JP2003109611A - 高分子電解質型燃料電池用ガス拡散電極の製造方法 - Google Patents

高分子電解質型燃料電池用ガス拡散電極の製造方法

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修 酒井
Yoshihiro Hori
堀  喜博
Takeshi Yonamine
毅 与那嶺
Makoto Uchida
誠 内田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 撥水性を付与することで備えられた保湿能力
および余剰な水分を除去する能力を長期間保持し、長寿
命の高分子電解質型燃料電池を与えるガス拡散電極を提
供する。 【解決手段】 乾燥雰囲気中で炭素粉体を流動させると
ともに粉砕する工程と、前記乾燥雰囲気中に撥水性樹脂
の溶液ないし分散液を噴霧する工程とにより、撥水性樹
脂が付着した炭素粉体からなる造粒された複次粒子を得
る。この複次粒子からガス拡散電極の導電性撥水層を形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子電解質型燃
料電池、特にそのガス拡散電極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子電解質型燃料電池は、水素などの
燃料ガスと空気などの酸化ガスを白金などの触媒を配し
た触媒層を有するガス拡散電極によって電気化学的に反
応させて電気と熱とを同時に発生させるものである。こ
のような高分子電解質型燃料電池の一般的な構成を以下
に説明する。水素イオンを選択的に輸送する高分子電解
質膜の両面には白金系の金属触媒を担持したカーボン粉
末を主成分とする触媒層が密着して配置される。この触
媒層の外面には、ガス透過性と導電性を兼ね備えた一対
のガス拡散層が密着して配置される。このガス拡散層と
触媒層により電極が構成される。電極の外側には、電極
と高分子電解質膜とで形成した電解質膜電極接合体(以
下、MEA)を機械的に固定するとともに、隣接するM
EA同士を互いに電気的に直列に接続し、さらに電極に
反応ガスを供給し、かつ反応により発生した水や余剰の
ガスを運び去るためのガス流路を主面に形成した導電性
セパレータ板が配置される。
【0003】多くの燃料電池は、所望の出力を得る為に
上記のような構造の単電池を直列に重ねた積層構造をと
っている。この積層構造体をスタックと呼ぶ。高分子電
解質型燃料電池スタックでは、セパレータ板等の構成部
品の電気的接触抵抗を低減するため、また燃料ガスや酸
化剤ガスのシール性を維持するため、電池全体を恒常的
に締め付けることが必要である。このためには、多数の
単電池を一方向に積み重ねたその両端にそれぞれエンド
プレートを配置し、その両エンドプレートの間を締結用
部材を用いて固定し、締め付け圧を加えることが効果的
である。
【0004】前記のガス拡散層は、ガス透過性と電子伝
導性を有することが必要であり、拡散層基材としてカー
ボンペーパー、カーボンクロス、カーボン不織布等を用
いるのが一般的である。また、高分子電解質型燃料電池
では、高分子電解質膜が含水率の増加に伴ってイオン伝
導度が高くなる物性を有しているため、高分子電解質膜
を湿潤状態に保つ必要がある。しかしながら、過剰な湿
潤状態にすると凝縮水により拡散層の気孔部やセパレー
タ板のガス流路が閉塞され、ガス拡散の阻害により電池
性能は極端に劣化するフラッディング状態に陥る。高分
子電解質を適当な湿潤状態に保ちつつ、過剰な水分を安
全かつ速やかに除去する機能が必要不可欠である。上記
の機能を付与するため、ガス拡散層は撥水処理して用い
ることが多い。また、さらなる撥水性を付与するため
に、炭素粉体と撥水性樹脂を主成分とする導電性撥水層
を前記拡散層の触媒層側に設けることも一般的であり、
高分子電解質の保湿及び電池反応により過剰となった水
分の安全かつ速やかな除去において非常に有効である。
【0005】高分子電解質型燃料電池のMEAの一般的
な作製プロセスの概略を以下に述べる。まず、高分子電
解質膜の両面に触媒層を転写法や直接印刷法等により形
成して触媒層付き電解質膜を作製し、他方で多孔性の拡
散層基材に上記の導電性撥水層を塗布、形成して導電性
撥水層付き拡散層を作製する。これら触媒層付き電解質
膜、撥水層付き拡散層はスタック構成時に個別の部材と
して積層させることも可能であるが、積層前に圧着や熱
圧着などにより接合体として一体化させておくことが多
く、ハンドリング等の面で有利である。このときガスシ
ールの為のガスケットを同時にMEA周縁部に配置する
ことが多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガス拡
散層に撥水性を付与することにより得られた保湿能力や
余剰な水分を除去する能力は、長時間の電池運転により
経時的に劣化しやすく、長時間の電池運転を経た高分子
電解質型燃料電池は保湿能力の不足による高分子電解質
膜や触媒層のドライアップ状態、余剰水分の除去能力の
不足により凝縮水がガス拡散層の気孔部やセパレータ板
のガス流路を閉塞する状態(フラッディングと呼ばれ
る)に陥りやすくなる。さらに、この撥水性の劣化は不
可逆的であり、一旦上記のような状態に陥った高分子電
解質型燃料電池のMEAが再び運転初期における性能を
示すのは不可能である。
【0007】このような撥水性劣化のひとつの要因とし
て、炭素粉体と撥水性樹脂を主成分とする導電性撥水層
において、撥水性樹脂の炭素粉体への付着が均一性に欠
いていることが挙げられる。従来、導電性撥水層の作製
プロセスは、炭素粉体と撥水性樹脂の分散液または撥水
性樹脂溶液と適切な分散媒ないし溶媒とを混練機を用い
てインク化し、これを多孔性の拡散層基材へスクリーン
印刷、スプレー塗工、ブレード塗工などの方法で塗布し
ていた。このような導電性撥水層の形成方法では、撥水
性樹脂が局在化しやすく、撥水性樹脂の添加が不十分な
箇所では電池運転の時間経過とともに炭素粉体が表面官
能基の親水化に伴い撥水性を失いやすくなる。上記のよ
うな課題を鑑みて、撥水性樹脂がより均一に炭素粉体へ
付着した導電性撥水層の製造方法が望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、導電性撥水層を形成する炭素粉末と撥水性樹脂か
らなる粉体の製造方法として、炭素粉体を乾燥雰囲気中
で流動させ、この中に撥水性樹脂を分散させた分散液ま
たは撥水性樹脂溶液を噴霧し、乾燥、粉砕、造粒させ
て、撥水性樹脂がより均一に炭素粉体に付着した粉体を
得る製造方法を提供する。本発明の高分子電解質型燃料
電池用ガス拡散電極の製造方法は、炭素粉体と撥水性樹
脂を主成分とする導電性撥水層と拡散層基材とで構成さ
れるガス拡散層の電解質と接する面に触媒層を具備する
ガス拡散電極の製造方法であって、乾燥雰囲気中で炭素
粉体を流動させるとともに粉砕する工程と、前記乾燥雰
囲気中に撥水性樹脂の溶液ないし分散液を噴霧する工程
とにより、撥水性樹脂が付着した炭素粉体からなる造粒
された複次粒子を得る工程、および前記複次粒子から前
記導電性撥水層を形成する工程を有することを特徴とす
る。前記造粒された複次粒子を得る工程が、撥水性樹脂
を付着した炭素粉体を造粒する工程と造粒された炭素粉
体を粉砕する工程とを繰り返す工程を有することが好ま
しい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、炭素粉体と撥水性樹脂
を主成分とする導電性撥水層を、炭素粉体を乾燥雰囲気
中で流動させて粉砕しつつ、この中に撥水性樹脂の溶液
ないし分散液を噴霧して造粒された複次粒子を製造し、
これを用いてガス拡散電極の導電性撥水層を形成するも
のである。本発明により、撥水性を長時間にわたり維持
するガス拡散電極、ならびに耐久性に優れた固体高分子
電解質型燃料電池を提供することが可能となる。
【0010】以下、本発明の実施の形態について図1を
参照して説明する。図1は、本発明の導電性撥水層を形
成する撥水性樹脂を付着した炭素粉体を調製するのに用
いるスプレードライ式装置の概念図である。下部円筒状
容器1の上方に、上部の径が大きくなるようにテーパー
を付された筒部2および上部円筒状容器3が連結されて
外容器が構成されている。容器1の下部には、ヒータ付
きのガス導入口5が設けてあり、ここから容器内を乾燥
雰囲気とするために一定温度に制御された窒素ガスが導
入される。下部容器1には、造粒プレート6、中央に衝
突ターゲット10を有する攪拌羽根7、衝突ターゲット
10に向けて圧縮ガスを噴射する圧縮ガス噴射ノズル
9、および高圧スプレー11が設けてある。上部容器3
はバグフィルター4およびガス排出口12を有する。
【0011】この装置により撥水性樹脂を付着した炭素
粉体を製造するには、まず、下部円筒状容器1に炭素粉
末を入れ、高圧スプレー11から撥水性樹脂の溶液ない
し分散液を噴霧する。容器1内の炭素粉末は、ガス導入
口5から供給される一定温度の窒素ガスにより容器の上
方へ吹き上げられる。ガス導入口5から導入された窒素
ガスは、ガス流れ方向を示した矢印5a、5bにしたが
って、造粒プレート6から容器内上方へ吹き上がる。造
粒プレート6は、流動風量が外周に向かって大きくなる
ように開孔した通気スリットを有している。この造粒プ
レート6を通過したガスによる流動風により、下部円筒
状容器1に投入された炭素粉末は逆円錐形状に広がった
筒部2から上部円筒状容器3内へ流動し、そこで撥水性
樹脂の溶液ないし分散液を付着され、乾燥される。
【0012】撥水性樹脂を付着されて造粒プレート6の
上部に沈降してきた炭素粉末は、造粒プレート6と撹拌
羽根7の間のギャップ8に応じた粒径に造粒される。撹
拌羽根7は、炭素粉末を撹拌、流動させる役目と、粉砕
する役目を果たす。圧縮ガス噴射ノズル9から衝突ター
ゲット10に向けて間欠的に噴射されるパルスジェット
は、流動状態の炭素粉末をジェット粉砕により一次粒子
まで粉砕する。系内に導入された窒素ガスは、上部円筒
状容器部3内に配置されたバグフィルター4によって、
炭素粉末をフィルトレーションし、窒素ガスのみをガス
排出口12より系外に排出する。
【0013】この装置により、炭素粉末を流動、撹拌、
粉砕しながら、撥水性樹脂の溶液ないし分散液を噴霧し
て炭素粉末に付着、乾燥させるとともに、適度の粒径に
造粒させることができる。このように、炭素粉末を流動
させ、撹拌、粉砕しながら、撥水性樹脂を炭素粉末に付
着させることができ、同時に造粒も乾燥もさせることが
できる。また、粉砕工程と造粒工程を行うことで、必要
以上の厚みで撥水性樹脂が付着すること無く、より均一
性の高い撥水性樹脂を付着させた炭素粉体を得ることが
でき、経時的に撥水性が劣化することのない導電性撥水
層を提供することが可能となる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。 《実施例》まず、ガス拡散層の作製方法について述べ
る。炭素粉末としては平均粒径35nmのアセチレンブ
ラック(電気化学工業(株)製、デンカブラック)を用
いた。撥水性樹脂の分散液としてフッ素樹脂の水性ディ
スパージョン(ダイキン工業(株)製、ポリフロンPT
FE D−1)を水で10倍に希釈したものを用いた。
図1に示した装置を用い、アセチレンブラック40gを
容器内で流動させつつ、希釈したフッ素樹脂の水性ディ
スパージョン120gを噴霧させ、乾燥、粉砕、造粒工
程を経て、フッ素樹脂が表面に付着したアセチレンブラ
ックの複次粒子を得た。装置の稼働条件は次の通りであ
る。高圧スプレー11によるフッ素樹脂の水性ディスパ
ージョンの噴霧速度は2g/分とした。乾燥ガスとして
窒素を用い、窒素ガス入口温度は100℃、窒素ガス風
量は0.06m3/分とした。撹拌羽根7の回転速度は
300rpm、圧縮ガス噴射ノズル9からのパルスジェ
ットのオン/オフ間隔は12秒とした。
【0015】上記のようにして得られた平均粒径約10
μmの複次粒子を水と混合してインク化した。一方、カ
ーボンペーパー(東レ(株)製、TGP−H−060)
をフッ素樹脂の水性ディスパージョン(ダイキン工業
(株)製、ネオフロンFEPND−1)に浸漬すること
により撥水処理を施した。このカーボンペーパーに前記
のインクをブレード塗工した。塗工後、界面活性剤を除
去するために300℃で3時間焼成した。こうして一方
の面に導電性撥水層を有するガス拡散層を得た。これを
ガス拡散層Aとする。このガス拡散層Aを、導電性撥水
層を塗布した面の水の接触角を測定した後、pH3に調
整した硫酸中に浸漬させた。硫酸は常時70℃に保温し
た。その後、約100時間毎にガス拡散層を引き上げ、
洗浄及び乾燥後、同様にして導電性撥水層を塗布した面
の水の撥水角を測定した。この結果を図2に示す。本実
施例によるガス拡散層Aは、ほぼ初期の接触角を維持し
た。
【0016】次に、上記のガス拡散電極Aを用いてME
Aを作製した。作製方法を以下に述べる。まず、触媒層
の作製方法について説明する。平均1次粒子径が30n
mのケッチェンブラックEC(オランダ国、AKZO
Chemie社製)を、塩化白金酸水溶液に浸漬し、還
元処理によりカーボン粉末の表面に白金触媒を担持させ
た。このときのカーボンと担持した白金の重量比は1:
1とした。この白金担持カーボン粉末を高分子電解質の
アルコール溶液(旭硝子(株)製、フレミオン溶液)に
分散させ、スラリー化した。これをカソードの触媒層用
インクとする。上記と同じ平均1次粒子径が30nmの
カーボン粉末ケッチェンブラックECを塩化白金酸と塩
化ルテニウム酸とを等モル溶解した水溶液に浸漬し、還
元処理によってカーボン粉末の表面に白金−ルテニウム
触媒を担持させた。このPt−Ru担持カーボン粉末
を、上記と同様に高分子電解質のアルコール溶液中に分
散させてスラリー化した。これをアノードの触媒層用イ
ンクとする。
【0017】これらの触媒担持カーボン粉末を含むイン
クをフィルム基材に塗布し、乾燥させた後、高分子電解
質膜(デュポン社製、Nafion112)へ転写し
て、一方の面にカソードの触媒層、他方の面にアノード
の触媒層を形成した触媒層付き高分子電解質膜を作製し
た。このとき触媒層は、後に接合するガス拡散層の外周
よりも数mm小さいサイズのものとした。つぎに2枚の
ガス拡散層Aを所定の大きさに切断し、一回り外寸の大
きな触媒層付き高分子電解質膜の両面に、導電性撥水層
を備えた面がそれぞれ高分子電解質膜と向き合うように
し、触媒層をすべてガス拡散層が覆うように重ね合わせ
た。さらに周縁部には、シリコンゴム製のガスケットを
位置合わせした。これらを100℃で5分間プレスし、
電解質膜電極接合体(MEA)とした。このMEAを組
み込んだ電池をAとする。
【0018】以上のように作製した電池を12時間エー
ジング運転した後、寿命特性を評価する為の連続運転を
行った。燃料極側へは露点が70℃となるように加湿・
加温された水素を、空気極側へは露点が70℃となるよ
うに加湿・加温された空気をそれぞれ供給した。電池温
度を75℃に保ち、水素の利用率70%、空気の利用率
40%、電流密度300mA/cm2で連続運転した。
セル電圧の経時変化を図3に示す。運転初期におけるセ
ル電圧は745mVであり、5000時間後におけるセ
ル電圧は741mVであった。
【0019】《比較例》従来のように界面活性剤を添加
した水にアセチレンブラックを分散させた後、フッ素樹
脂の水性ディスパージョンを加え、混練機により混合し
て導電性撥水層用スラリーを調製した。アセチレンブラ
ックとフッ素樹脂の重量比は実施例と同じくした。これ
を実施例と同様にしてあらかじめ撥水処理を施したカー
ボンペーパーに塗布してガス拡散層Bを作製した。さら
に実施例にならって、ガス拡散層Bを用いてMEAを作
製し、これを組み込んだ電池をBとした。実施例と同じ
く、ガス拡散層Bについて硫酸浸漬による水の接触角の
変化を測定した。電池Bは寿命特性を評価するための連
続運転を行った。これらの結果をそれぞれ図2及び図3
に示した。図2より従来の方法で作製したガス拡散層B
は、浸漬時間の経過とともに水との接触角が大きく減少
したことが分かる。約1000時間後の水との接触角は
85°であった。図3より電池Bは、長時間の電池運転
により次第にセル電圧が低下することが分かる。
【0020】以上から明らかなように、従来の製造方法
では導電性撥水層の炭素粉体に付着する撥水性樹脂の均
一性が低いために、炭素粉体表面が親水化しやすい酸浸
漬という条件では、付与された撥水性は次第に失われて
しまう。また、このような導電性撥水層を有する電極を
組み込んだ電池を長時間運転すると、導電性撥水層の撥
水性が次第に失われ、MEAの保湿能力や余剰な水分を
除去する能力が低下し、時間の経過とともに電池の出力
は徐々に低下していく。一方、本発明の方法で作製した
導電性撥水層は、撥水性樹脂がより均一に炭素粉体に付
着しているので、撥水性を長時間にわたり維持するガス
拡散層を提供することができる。また、このガス拡散層
を有する電極を組み込んだ電池は、長時間運転しても発
電特性を維持し、高耐久性を有する。
【0021】実施例においては、燃料として水素を用い
たが、改質水素として炭酸ガスや窒素、一酸化炭素など
の不純物を含む燃料においても同様の効果が得られる。
また、水素の代わりにメタノール、ジメチルエーテルな
どの液体燃料およびその混合物を用いても同様の結果が
得られる。液体燃料は、あらかじめ蒸発させ、蒸気とし
て供給してもよい。ガス拡散層の基材として、実施例で
はカーボンペーパーを用いたが、カーボンクロスやカー
ボン不織布を用いた場合にも同様の効果が得られる。
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、撥水性を
長時間にわたり維持するガス拡散電極を提供することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における撥水性樹脂を付着した
炭素粉体を製造する装置の概略構成を示す縦断面略図で
ある。
【図2】本発明の実施例及び比較例のガス拡散層を硫酸
中に浸漬させたときの水の接触角の経時変化を示した図
である。
【図3】本発明の実施例および比較例の電池の寿命試験
の結果を示した図である。
【符号の説明】
1 下部円筒状容器 2 筒部 3 上部円筒状容器 4 バグフィルター 5 ガス導入口 6 造粒プレート 7 撹拌羽根 8 造粒プレートと撹拌羽根との間のギャップ 9 圧縮ガス噴射ノズル 10 衝突ターゲット 11 高圧スプレー 12 ガス排出口
フロントページの続き (72)発明者 与那嶺 毅 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 内田 誠 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H018 AA06 AS01 BB00 BB06 BB08 BB11 EE05 EE17 5H026 AA06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素粉体と撥水性樹脂を主成分とする導
    電性撥水層と拡散層基材とで構成されるガス拡散層の電
    解質と接する面に触媒層を具備するガス拡散電極の製造
    方法であって、乾燥雰囲気中で炭素粉体を流動させると
    ともに粉砕する工程と、前記乾燥雰囲気中に撥水性樹脂
    の溶液ないし分散液を噴霧する工程とにより、撥水性樹
    脂が付着した炭素粉体からなる造粒された複次粒子を得
    る工程、および前記複次粒子から前記導電性撥水層を形
    成する工程を有することを特徴とする高分子電解質型燃
    料電池用ガス拡散電極の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記造粒された複次粒子を得る工程が、
    撥水性樹脂を付着した炭素粉体を造粒する工程と造粒さ
    れた炭素粉体を粉砕する工程とを繰り返す工程を有する
    請求項1記載の高分子電解質型燃料電池用ガス拡散電極
    の製造方法。
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