JP2003106127A - エンジンのシリンダブロック構造 - Google Patents

エンジンのシリンダブロック構造

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JP2003106127A JP2001304938A JP2001304938A JP2003106127A JP 2003106127 A JP2003106127 A JP 2003106127A JP 2001304938 A JP2001304938 A JP 2001304938A JP 2001304938 A JP2001304938 A JP 2001304938A JP 2003106127 A JP2003106127 A JP 2003106127A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バランサ装置とオイルドレン通路とが干渉し
合う場合でも、オイルの飛散を防止し、且つバランサ装
置をシリンダブロックに安定に取り付けることを課題と
する。 【解決手段】クランクシャフト11と同期して回転駆動
するバランサシャフト21Lをオイルパン16内に備え
るエンジンのシリンダブロック10の構造において、バ
ランサシャフト21Lを収容するハウジング22をクラ
ンクシャフト11及びそのベアリングキャップ14を跨
いでシリンダブロック10の下面10aに取り付け、該
ハウジング22の脚部23の外壁で、シリンダブロック
10の下面10aを越えて下方に延び、オイルパン16
内に開口するオイルドレン通路30の内壁を提供する。
オイルドレン通路30の内壁を除去して、該通路30と
バランサハウジング22との干渉を避けながら、オイル
の無駄な飛散が防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンのシリン
ダブロック構造に関し、エンジン下部構造の改良の技術
分野に属する。
【0002】
【従来の技術】自動車用等のエンジンにおいて、振動・
騒音の発生を抑制するためにバランサ装置が備えられる
ことがある。バランサ装置は、一般に、シリンダブロッ
クに軸支されたクランクシャフトに平行に配置されたバ
ランサシャフトを有する。バランサシャフトはクランク
シャフトにギヤ装置等で連結され、クランクシャフトと
同期して回転駆動される。バランサシャフトの軸心から
オフセットして設けられたウエイト部が回転することに
よりモーメントが生成し、該モーメントが各気筒の爆発
により発生するエンジン全体の振動を抑制し騒音を低減
する。
【0003】本出願人がすでに提案したように(特願2
000−81362号)、上記バランサシャフトをクラ
ンクシャフトの下方でオイルパン内に位置させて備える
ことがある。バランサシャフトはハウジング内に回転可
能に収容され、該ハウジングがシリンダブロックの下面
にボルト等で取り付けられる。バランサシャフトをクラ
ンクシャフトに対して左右均衡に配置する関係上、上記
ハウジングはクランクシャフト及び該クランクシャフト
の軸受部、より具体的にはベアリングキャップ等を跨い
で配置される。その結果、バランサハウジングをシリン
ダブロックに取り付けるタレットと称される脚部がシリ
ンダブロックの側壁に近接する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、シリンダブ
ロックの側壁にオイルドレン通路が形成されることがあ
る。該通路は、一般に、シリンダブロックの内側に膨出
し、上記バランサハウジングの取り付け面であるシリン
ダブロックの下面を越えて下方に延び、そしてオイルパ
ン内に開口してオイルを排出する。よって、このオイル
ドレン通路とバランサハウジングとがシリンダ列方向と
直交する方向に重なり合って配置される場合は、それら
同士の干渉の問題が起こる。
【0005】その場合、オイルドレン通路の壁を除去す
ると、オイルが無駄に飛散し、オイルパンへのオイルの
戻り量が減って好ましくない。一方、バランサハウジン
グの幅を狭くすることも困難である。ハウジング内に収
容したバランサシャフトやウエイト部、あるいはバラン
サシャフトとクランクシャフトとの間のギヤ装置等の大
きさが予め定められているからである。また、タレット
の位置を内側に寄せることも、バランサ装置のシリンダ
ブロックへの取り付け面積が不足して安定な取り付けが
図れなくなり好ましくない。
【0006】本発明は、このような不具合に対処するも
ので、バランサハウジングとオイルドレン通路とが相互
に干渉し合う場合でも、オイルの飛散を防止し、且つバ
ランサ装置をシリンダブロックの下面に安定に取り付け
ることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本願の請求項
1に記載の発明は、クランクシャフトと同期して回転駆
動されるバランサシャフトをオイルパン内に備えるエン
ジンのシリンダブロック構造であって、上記バランサシ
ャフトを収容するハウジングを上記クランクシャフト及
び該クランクシャフトの軸受部を跨いでシリンダブロッ
クの下面に取り付け、該ハウジングに、シリンダブロッ
クの下面を越えて下方に延び、オイルパン内に開口する
オイルドレン通路の一部を構成する部分を設けたことを
特徴とする。
【0008】この発明によれば、バランサシャフトを収
容するハウジングをシリンダブロックの下面に取り付け
るに際し、該ハウジングに、シリンダブロックの下面を
越えてオイルパン内に至るオイルドレン通路の一部を構
成させたから、オイルドレン通路の壁を除去して、該オ
イルドレン通路とバランサハウジングとの干渉を避けな
がらも、該バランサハウジングでオイルドレン通路の本
来通りの形態を確保することができて、オイルの無駄な
飛散を防止することが可能となる。また、バランサハウ
ジングは、オイルドレン通路と干渉しないから、こちら
も本来通り、タレットを例えばシリンダブロックの側壁
等に近接して位置させることができ、バランサ装置をシ
リンダブロックの下面に安定に取り付けることが可能と
なる。
【0009】このように、バランサハウジングをシリン
ダブロックの従来構造の一部として有効利用することに
より、該バランサハウジングとオイルドレン通路との干
渉の問題が起こる場合でも、従来のオイルドレン通路の
一部を切り欠いたり除去するだけで済み、シリンダブロ
ックの設計変更を最小限に抑えることができる。
【0010】次に、請求項2に記載の発明は、上記請求
項1に記載の発明において、シリンダブロックのシリン
ダ列方向に延びる側壁と、該側壁からシリンダブロック
の内側に突出するリブと、該リブの先端に近接するハウ
ジングの外壁とで囲まれる空間をオイルドレン通路とし
たことを特徴とする。
【0011】この発明によれば、バランサハウジングに
オイルドレン通路の一部を構成させる一具体例が示され
る。この場合、オイルドレン通路はシリンダブロックの
シリンダ列方向に延びる側壁に形成される。該側壁から
内側にリブを突設し、該リブの先端にバランサハウジン
グの外壁が近接することにより、シリンダブロックの側
壁と、リブと、ハウジングの外壁とで囲まれる空間が形
成される。その空間をオイルドレン通路とすれば、バラ
ンサハウジングがオイルドレン通路の一部を構成するこ
とになる。
【0012】次に、請求項3に記載の発明は、上記請求
項2に記載の発明において、リブは、シリンダブロック
の鋳造時の型割用リブであることを特徴とする。
【0013】この発明によれば、シリンダブロックの鋳
造時に用いる複数の型の合わせ部で発生するバリを上記
のオイルドレン通路形成用のリブにしてしまうから、バ
リの数を低減でき、且つ上記リブを合理的に無駄なく形
成することができる。この場合、上記型同士の合わせ部
としては、例えば、オイルドレン通路形成用の中子と、
シリンダブロックの内側形成用のコアとの合わせ部等が
挙げられる。
【0014】次に、請求項4に記載の発明は、上記請求
項1から3のいずれかに記載の発明において、ブローバ
イガスをブローバイガス還元装置に導入するための導入
孔を、バランサシャフトの上方を避けてシリンダブロッ
クの下面に開口させたことを特徴とする。
【0015】この発明によれば、オイルパン内のオイル
がブローバイガス導入孔からブローバイガス還元装置
(PCV:positive crankcase ventilation)に導入さ
れることが抑制される。つまり、このエンジンでは、バ
ランサシャフトをオイルパン内に備えたから、バランサ
シャフトのウエイト部が回転したり、あるいはそれによ
りモーメントが生成したりすることにより、オイルパン
内の油面変動が激しくなる。よって、そのようなバラン
サシャフトの上方にPCVやセパレータに通じるブロー
バイガス導入孔を開口させた場合には、該導入孔を通っ
てオイルパン内のオイルがPCVやセパレータに向う量
(オイル上り量)が多くなり、該オイルが燃焼室に供給
されてしまう可能性が大きくなる。そこで、この発明で
は、上記導入孔をバランサシャフトの上方を避けて配置
したのである。これにより、結果的にオイルの燃焼を可
及的に抑制することができる。以下、発明の実施の形態
を通して本発明をさらに詳しく説明する。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本実施の形態に係るエン
ジン1の下部構造を示す底面図である。ただし、シリン
ダブロック10の下面にはバランサ装置20のみが取り
付けられている。本来は、バランサ装置20の上方にク
ランクシャフト11が配設される。また、シリンダブロ
ック10のフライホイール2側の側面縦壁部12aと、
反フライホイール2側の側面縦壁部12bと、各気筒間
縦壁部13…13とに、図2に示すように、ベアリング
キャップ14…14がボルト15…15で締結されて複
数(この例では5つ)の軸受部が構成される。そして、
クランクシャフト11は該軸受部で回転可能に支持され
る。また、同じく図2に示すように、シリンダブロック
10の下端部10bにはオイルパン16が取り付けられ
る。このエンジン1は、直列4気筒ガソリンエンジンで
あって、シリンダブロック10は例えばアルミニウム合
金製である。
【0017】図3は、バランサ装置20の単体図であ
る。ただし、シリンダブロック10に取り付けた際にお
いてその上方から見た状態を示す(平面図)。よって、
図1に主に表れている面(下面)22Lと反対の面(上
面)22Uが表れている。図4は、図3のイ−イ線に沿
う縦断面図、図5は、ウ−ウ線に沿う縦断面図である。
よって、図4には、フライホイール2側からエンジン1
を見たときの左側のバランサシャフト21Lが表れ、図
5には、右側のバランサシャフト21Rが表れている。
このバランサ装置20は、これらのバランサシャフト2
1L,21Rを回転可能に収容するハウジング22を有
し、該ハウジング22から複数(この例では4つ)の脚
部(タレット)23…23が延びている。
【0018】バランサハウジング22は、上側部材22
Uと下側部材22Lとが複数のボルト24…24で締結
されて構成されている。各バランサシャフト21L,2
1Rは、クランクシャフト11と平行に延び、且つその
軸心L,Rは、クランクシャフト11の軸心Yを通る垂
直面に対して同一水平面内で左右対称に配置されてい
る。バランサシャフト21L,21Rは、重心が軸心
L,Rからオフセットしたウエイト部21a,21aを
有し、該ウエイト部21a,21aを挟んでハウジング
22の軸受部で支持されている。両ウエイト部21a,
21aは、バランサシャフト21L,21Rの回転中、
常に互いに同じ高さに位置する。
【0019】バランサシャフト21L,21Rの一端部
(この例ではフライホイール2側の端部)に連動ギヤ2
1b,21bが設けられ、互いに噛み合っている。ま
た、一方のバランサシャフト(この例では左側のバラン
サシャフト21L)に従動ギヤ21cが設けられ、クラ
ンクシャフト11の駆動ギヤ11aと噛み合っている。
これにより、バランサシャフト21L,21Rはクラン
クシャフト11と同期して回転駆動する。
【0020】タレット23…23は、ハウジング22の
上側部材22Uから前後左右の4隅の部位において上方
に延びている。図2に示すように、各タレット23がそ
れぞれ下方からボルト25でシリンダブロック10の下
面10aに締結されることにより、バランサハウジング
22がクランクシャフト11及び該クランクシャフト1
1の軸受部、より詳しくはベアリングキャップ14を跨
ぐようにしてシリンダブロック10の下面10aに取り
付けられている。このときハウジング22はシリンダブ
ロック10の下端部10bより下方に突出し、バランサ
シャフト21L,21Rはオイルパン16内に位置す
る。また、タレット23…23は、シリンダブロック1
0の左右の側壁に近接して位置する(図1参照:なお、
図2には、シリンダブロック10の左の側壁に符号10
dを付してある)。
【0021】図4、図5に示すように、各タレット23
…23の上端面からチューブラピン26…26が上方に
突出している。チューブラピン26…26はタレット2
3…23に圧入されている。また、左前側のタレット2
3の前部27にもチューブラピン26が圧入されてい
る。シリンダブロック10の下面10aに各チューブラ
ピン26…26と嵌合する複数の取付孔10c…10c
が設けられている。各取付孔10c…10cは、図2に
示すように、クランクシャフト11の軸受部の近傍に配
置されている。つまり、気筒間縦壁部13及びベアリン
グキャップ14のすぐ側方に位置している。ハウジング
取付用ボルト25…25はこれらのチューブラピン26
…26(左前部27のチューブラピン26を除く)を挿
通している。各チューブラピン26…26が対応する取
付孔10c…10cに嵌合し、その状態でボルト25…
25が取付孔10c…10cと連続するシリンダブロッ
ク10のネジ孔に締め込まれている。
【0022】図2に示すように、シリンダブロック10
の左側壁10dにオイルドレン通路30が形成されてい
る。この通路30は、バランサハウジング22の取り付
け面であるシリンダブロック10の下面10aを越えて
下方に延び、シリンダブロック10の内側に膨出し(よ
り詳しくは、シリンダブロック10の下部のスカート部
における左側壁10dから内側に膨出し)、そしてオイ
ルパン16内に開口してオイルを矢印に示すように排出
する。
【0023】図1に示すように、このオイルドレン通路
30は、クランクシャフト11の複数の軸受部のうち、
最もフライホール2側にある気筒間軸受部のすぐ左側方
にある。また、バランサハウジング22の複数のタレッ
ト23…23のうち、左前側のタレット23及びその前
にある左前部27も、同様に、クランクシャフト11の
複数の軸受部のうち、最もフライホール2側にある気筒
間軸受部のすぐ左側方にある。つまり、オイルドレン通
路30とバランサハウジング22(より具体的には、ハ
ウジング22のタレット等23,27)とが、シリンダ
列方向と直交する方向に重なり合って配置されている。
【0024】図2に示すように、オイルドレン通路30
は、シリンダブロック10の下部のスカート部における
左側壁10dと、該側壁10dからシリンダブロック1
0の内側に突出する2つのリブ31,31(図1参照)
と、該リブ31,31の先端に近接して位置するハウジ
ング22の外壁(より具体的には、ハウジング22の左
前側のタレット23の外壁)とで囲まれて形成された空
間である。すなわち、バランサハウジング22にオイル
ドレン通路30の一部(オイルドレン通路30の内側の
縦壁)を構成させているのである。
【0025】これにより、シリンダブロック10側にオ
イルドレン通路30の内壁を形成する必要がなくなり、
バランサハウジング22とオイルドレン通路30との干
渉が避けられる。その結果、バランサハウジング22に
関しては、左前側のタレット23を、本来通り、シリン
ダブロック10の左側壁10dに近接して位置させるこ
とができ、その結果、バランサ装置20をシリンダブロ
ック10の下面10aに安定に取り付けることが可能と
なる。
【0026】これに対し、オイルドレン通路30との干
渉を避けるために、タレット23の取付位置をシリンダ
ブロック10の内側に寄せたりすると、例えば、バラン
サ装置20全体のシリンダブロック10への取り付け面
積が不足して安定な取り付けが図れない、ベアリングキ
ャップ14との干渉が起こる、シリンダブロック10の
下面10aにタレット23を取り付けるのに相応しい部
位(例えば偏平な部位、タレット23との接触面積を十
分大きくとれる部位等)がなくなる等の問題が起こる。
【0027】また、バランサハウジング22内には、予
め定められたサイズのバランサシャフト21L,21R
やウエイト部21a,21a、あるいは連動ギヤ21
b,21bや従動ギヤ21c等が収容されているから、
オイルドレン通路30との干渉を避けるために、バラン
サハウジング22の幅自体を狭くすることも限界があ
り、満足な対策にはならない。
【0028】一方、オイルドレン通路30に関しては、
その内壁がなくても、近接して位置するバランサハウジ
ング22がその役目を肩代わりするから、これも本来通
りにオイルドレン通路の形態が確保できて、オイルが図
2に示した矢印のように良好にオイルパン16に戻さ
れ、オイルの無駄な飛散を防止することが可能となる。
【0029】このように、バランサハウジング22をシ
リンダブロック10の従来構造の一部として有効利用す
ることにより、該バランサハウジング22とオイルドレ
ン通路30との干渉の問題が生じるような場合でも、従
来のオイルドレン通路30の一部を切り欠いたり除去す
るだけで済み、シリンダブロック10全体の設計変更を
最小限に抑制することができる。
【0030】なお、以上の例では、オイルドレン通路3
0の一部を構成するリブ31,31をシリンダブロック
10側に設けたが、これに代えて、あるいはこれと共
に、バランサハウジング22側に設けてもよい。例え
ば、バランサハウジング22の外壁からシリンダブロッ
ク10の側壁に向って突出するリブを形成する。このハ
ウジング22側のリブは、そのままシリンダブロック1
0の側壁まで延びてもよいし、あるいはシリンダブロッ
ク側のリブと突き合わせるようにしてもよい。
【0031】また、以上の例では、バランサハウジング
22のタレット23も、またオイルドレン通路30も、
共に上下に延びる形状であり、且つ両者23,30が近
接して位置しているから、タレット23の外壁がそのま
まオイルドレン通路30の内壁を構成することができた
が、例えば、タレット23がオイルドレン通路30の近
傍になく、オイルドレン通路30の近傍にはハウジング
22の上側部材22Uの側壁しかないような場合は、該
上側部材22Uの側壁に、リブ31,31に沿って上下
に延びる内壁部分を形成するようにしてもよい。
【0032】次に、このシリンダブロック10の他の特
徴点を説明する。図6に示すように、このシリンダブロ
ック10の鋳造時には複数の型M1,M2,M3が用い
られる。1つ(M1)は、シリンダブロック10の内側
形成用のコアである。他の1つ(M2)は、シリンダブ
ロック10の外側形成用の型である。さらに他の1つ
(M3)は、上記のオイルドレン通路30を形成するた
めの中子である。これらの型は、例えば砂で作製され
る。型M2はシリンダブロック10の外側形成用である
から、他の型M1,M3と接触し合うことがない。しか
し、型M1と型M3とは、共にシリンダブロック10の
内側形成用であるから、相互に接触し合い、どうしても
その合わせ部でバリが発生する。
【0033】このシリンダブロック10においては、上
記リブ31,31は、上記の2つの型M1,M3の合わ
せ部における型割用リブである。したがって、バリの数
を低減させることができ、また上記リブ31,31を合
理的に無駄なく形成することができる。
【0034】また、図7に示すように、このシリンダブ
ロック10の左側壁10dの外面にはブローバイガス還
元装置(PCV)41が取り付けられる。PCV41
は、シリンダブロック10の左側壁10dの内側に形成
されたブローバイガス導入孔40を通り、且つセパレー
タ(図示せず)を介して導入されたブローバイガスを吸
気系(図示せず)に戻す。ブローバイガス導入孔40
は、図1に示すように、バランサシャフト21L,21
R(あるいはバランサ装置20)の上方を避けてシリン
ダブロック10の下面10aに開口している。
【0035】つまり、このエンジン1では、バランサシ
ャフト21L,21Rをオイルパン16内に備えたか
ら、バランサシャフト21L,21Rのウエイト部21
a,21aが回転したり、あるいはそれによりモーメン
トが生成したりすることにより、オイルパン16内の油
面変動が激しくなる。よって、そのようなバランサシャ
フト21L,21R、あるいはバランサ装置20の上方
にPCV41に通じるブローバイガス導入孔40を開口
させると、オイルパン16内のオイルが該導入孔40を
通ってPCV41に導入される量が多くなり、オイルが
燃焼室に供給されてしまう可能性が大きくなる。そこ
で、上記導入孔40をバランサ装置20の上方を避けて
配置したのである。これにより、オイルパン16内のオ
イルがブローバイガス導入孔40からPCV41に導入
されることが抑制され、結果的にオイルの燃焼を可及的
に抑制することが可能となる。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、バラン
サハウジングをシリンダブロックの従来構造の一部とし
て有効利用することにより、該バランサハウジングとオ
イルドレン通路とが干渉し合う場合でも、バランサ装置
をシリンダブロックの下面に安定に取り付けながらオイ
ルの飛散を防止することができる。本発明は、バランサ
シャフトをオイルパン内に備えるエンジン一般への幅広
い利用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るエンジンのシリン
ダブロックの底面図である。
【図2】 図1のア−ア線に沿う部分拡大縦断面図であ
る。
【図3】 上記シリンダブロックに取り付けたバランサ
装置の平面図である。
【図4】 図3のイ−イ線に沿う縦断面図である。
【図5】 図3のウ−ウ線に沿う縦断面図である。
【図6】 上記シリンダブロックの鋳造時の説明図であ
る。
【図7】 上記シリンダブロックの左側面図である。
【符号の説明】
1 エンジン 10 シリンダブロック 10a シリンダブロックの下面 10d シリンダブロックの左側壁 11 クランクシャフト 16 オイルパン 21L,21R バランサシャフト 22 バランサハウジング 23 タレット 30 オイルドレン通路 31 リブ 40 ブローバイガス導入孔 41 ブローバイガス還元装置(PCV)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16J 10/00 F16J 10/00 Z (72)発明者 松江 新 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 広瀬 一郎 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3G013 AA00 BB26 BD04 3G015 AA00 BA01 BA05 BD02 BF03 BF08 CA06 DA01 DA10 EA12 3G024 AA37 AA38 BA23 BA24 DA18 DA26 3J044 AA18 CC30 DA09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランクシャフトと同期して回転駆動さ
    れるバランサシャフトをオイルパン内に備えるエンジン
    のシリンダブロック構造であって、上記バランサシャフ
    トを収容するハウジングを上記クランクシャフト及び該
    クランクシャフトの軸受部を跨いでシリンダブロックの
    下面に取り付け、該ハウジングに、シリンダブロックの
    下面を越えて下方に延び、オイルパン内に開口するオイ
    ルドレン通路の一部を構成する部分を設けたことを特徴
    とするエンジンのシリンダブロック構造。
  2. 【請求項2】 シリンダブロックのシリンダ列方向に延
    びる側壁と、該側壁からシリンダブロックの内側に突出
    するリブと、該リブの先端に近接するハウジングの外壁
    とで囲まれる空間をオイルドレン通路としたことを特徴
    とする請求項1に記載のエンジンのシリンダブロック構
    造。
  3. 【請求項3】 リブは、シリンダブロックの鋳造時の型
    割用リブであることを特徴とする請求項2に記載のエン
    ジンのシリンダブロック構造。
  4. 【請求項4】 ブローバイガスをブローバイガス還元装
    置に導入するための導入孔を、バランサシャフトの上方
    を避けてシリンダブロックの下面に開口させたことを特
    徴とする請求項1から3のいずれかに記載のエンジンの
    シリンダブロック構造。
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