JP2003105159A - ビニルピロリドン系樹脂組成物およびその用途 - Google Patents

ビニルピロリドン系樹脂組成物およびその用途

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JP2003105159A
JP2003105159A JP2001302461A JP2001302461A JP2003105159A JP 2003105159 A JP2003105159 A JP 2003105159A JP 2001302461 A JP2001302461 A JP 2001302461A JP 2001302461 A JP2001302461 A JP 2001302461A JP 2003105159 A JP2003105159 A JP 2003105159A
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JP
Japan
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resin composition
vinylpyrrolidone
present
resin
based resin
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JP2001302461A
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Yoshitomo Nakada
善知 中田
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面のタックや寸法安定性等の欠点を改良し
たビニルピロリドン系樹脂組成物、およびこれを用いた
成形体を提供する。 【解決手段】 ビニルピロリドン系樹脂組成物は、N−
ビニルピロリドン系重合体を含んでなる樹脂組成物であ
って、ゴム強化スチレン系樹脂をも含有することを特徴
とする。成形体は、前記ビニルピロリドン系樹脂組成物
を用いて形成されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面のタックや寸
法安定性等の欠点を改良したビニルピロリドン系樹脂組
成物およびこれを用いた成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、N−ビニルピロリドン系重合
体の優れた親水性を各種用途に利用しようとする試みが
なされているが、N−ビニルピロリドン系重合体を含む
樹脂組成物は、親水性が高いという利点を有する一方
で、吸湿性が非常に高いために、例えばフィルムやシー
ト等に成形した場合、べたつきが生じて取り扱いにく
く、寸法安定性が悪いなどの欠点があり、未だ殆ど実用
化されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
しようとする課題は、表面のタックや寸法安定性等の欠
点を改良したビニルピロリドン系樹脂組成物、およびこ
れを用いた成形体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意検討を行った。その結果、ゴム強化スチ
レン系樹脂をビニルピロリドン系樹脂組成物に配合する
ことにより、吸湿性を抑制することができることを見出
した。しかも、通常、均一に相溶しにくい2成分を配合
した樹脂組成物を成形した場合、クラックが生じやすい
等の問題を招くことがあるが、ゴム強化スチレン系樹脂
はN−ビニルピロリドン系重合体に対する相溶性にも優
れるので、成形体とした場合にもクラック等の問題を生
じないことを見いだし、本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明のビニルピロリドン系樹
脂組成物は、N−ビニルピロリドン系重合体を含んでな
る樹脂組成物であって、ゴム強化スチレン系樹脂をも含
有することを特徴とする。また、本発明の成形体は、前
記本発明のビニルピロリドン系樹脂組成物を用いて形成
されてなる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の一形態に
ついて詳しく説明する。本発明のビニルピロリドン系樹
脂組成物は、N−ビニルピロリドン系重合体を含有する
ものである。本発明におけるN−ビニルピロリドン系重
合体は、N−ビニルピロリドンのホモポリマーおよび/
またはコポリマーである。なお、N−ビニルピロリドン
系重合体は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併
用してもよい。前記N−ビニルピロリドンのコポリマー
としては、具体的には、N−ビニルピロリドンを、例え
ば、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、(メ
タ)アクリル酸、マレイン酸エステル、マレイン酸、ア
クリロニトリル、スチレン、アルキルビニルエーテル、
N−ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、アリルアル
コール、オレフィン類等と共重合させて得られるコポリ
マーが挙げられる。なお、前記エステルとしては、炭素
数1〜20のアルキルエステル、ジメチルアミノアルキ
ルエステルおよびその四級塩、ヒドロキシアルキルエス
テル等が挙げられる。
【0007】前記N−ビニルピロリドン系重合体は、フ
ィケンチャー式から求められるK値が15〜120であ
ることが好ましいが、これに限定されるものではない。
本発明のビニルピロリドン系樹脂組成物は、ゴム強化ス
チレン系樹脂をも含有していることが重要である。これ
により、吸湿性を抑制して表面のタックや寸法安定性等
の問題を回避することができる。しかも、ゴム強化スチ
レン系樹脂はN−ビニルピロリドン系重合体に対して優
れた相溶性を有するので、本発明の樹脂組成物により形
成された成形体にクラックが生じることもない。本発明
におけるゴム強化スチレン系樹脂とは、マトリックスを
AS樹脂とし、これにゴム成分を含有した樹脂をさし、
ゴム成分の種類により、例えば、ABS樹脂、AES樹
脂、AAS樹脂等が挙げられる。これらの中でも特に、
ABS樹脂が特に好適である。なお、ゴム強化スチレン
系樹脂における各単量体成分の比率については、特に限
定されるものではない。
【0008】本発明においては、前記ゴム強化スチレン
系樹脂と前記N−ビニルピロリドン系重合体との含有割
合が、ゴム強化スチレン系樹脂/N−ビニルピロリドン
系重合体=95/5〜5/95(重量比)であることが
好ましい。ゴム強化スチレン系樹脂が前記割合よりも少
ないと、吸湿性の抑制効果が充分に発揮できず、表面の
タックや寸法安定性等を生じる恐れがあり、一方、前記
割合よりも多いと、ビニルピロリドン系樹脂組成物とし
て本来有する親水性等の特性を損なう恐れがある。した
がって、前記ゴム強化スチレン系樹脂と前記N−ビニル
ピロリドン系重合体との含有割合は、前記範囲内におい
て、所望する程度の吸湿性になるよう用途に応じて適宜
設定すればよい。
【0009】本発明の樹脂組成物は、前記N−ビニルピ
ロリドン系重合体と前記ゴム強化スチレン系樹脂とのほ
かに、さらに必要に応じて、例えば、可塑剤、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、充填剤
等の従来公知の添加物を、本発明の効果を損なわない範
囲で含有していても良い。本発明の樹脂組成物は、前記
N−ビニルピロリドン系重合体と前記ゴム強化スチレン
系樹脂とが均一に完全相溶しているものである。両者が
完全相溶していないと、得られた樹脂組成物を用いて形
成された成形体にクラックが生じやすい等の問題を招く
ことになる。樹脂組成物が均一に完全相溶しているか否
かは、例えば、ガラス転移点(Tg)を測定することに
よって判断することができる。すなわち、樹脂組成物に
ついて測定したときに観測されるマトリックスTg(最
も大きいピーク)が、樹脂組成物に配合したゴム強化ス
チレン系樹脂について単独でガラス転移点を測定したと
きに観測されるマトリックスTgからシフトしている場
合、均一に完全相溶している判断できる。
【0010】本発明の成形体は、前述した本発明の樹脂
組成物を用いて形成されてなるものである。前述したよ
うに、本発明の樹脂組成物は均一に相溶しているものな
ので、本発明の成形体はクラックを生じることがない。
本発明の成形体の形状は、特に制限されるものではな
く、例えば、フィルム、シート、板等の種々の形状であ
ってよい。前記樹脂組成物を成形する方法は、特に制限
されるものではなく、例えば、射出成形、押し出し成
形、ブロー成形、インフレーション成形、Tダイ成形等
の従来公知の方法により行なうことができる。具体的に
は、例えば、本発明の成形体としてフィルムを得る場
合、前記樹脂組成物を溶融混練した後、Tダイ法やイン
フレーション法等の従来公知の方法により成型するか、
あるいは、前記N−ビニルピロリドン系重合体と前記ゴ
ム強化スチレン系樹脂に共通の適当な溶媒を用いて均一
溶液を調製し、キャストフィルムを作成するようにすれ
ばよい。
【0011】本発明の樹脂組成物または成形体は、吸湿
性が低く、表面のタックや寸法安定性等の問題を回避す
ることができるものであるので、例えば、防塵フィル
ム、帯電防止性の家電シャーシ等の用途に好適に使用す
ることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明にかかる実施例および比較例に
ついて説明するが、本発明は該実施例により何ら制限さ
れるものではない。 〔実施例1〕ポリビニルピロリドン(K値30)(PV
P)50重量部とABS樹脂50重量部とを、ドライブ
レンドから単軸押し出し機により溶融混練して、本発明
の樹脂組成物を得た。次いで、得られた樹脂組成物をペ
レット化し、得られたペレットを用いて射出成型により
厚み2mmの平板を作製し、得られた平板について下記
の評価を行った。結果を表1に示す。
【0013】〔比較例1〕ABS樹脂を用いないこと以
外は、実施例1と同様にして、比較樹脂組成物を得た。
次いで、得られた比較樹脂組成物を用い、実施例1と同
様にして平板を作製し、得られた平板について下記の評
価を行った。結果を表1に示す。 〔比較例2〕ABS樹脂の代わりにポリスチレン(P
S)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較
樹脂組成物を得た。
【0014】次いで、得られた比較樹脂組成物を用い、
実施例1と同様にして平板を作製し、得られた平板につ
いて下記の評価を行った。結果を表1に示す。 <ガラス転移点(Tg)> DSC測定により求めた。 <吸湿性> 60%RH、30℃の恒温恒湿機および9
0%RH、30℃の恒温恒湿機に、得られた平板をそれ
ぞれ24時間静置して吸湿させた後、100℃で3時間
減圧乾燥し、乾燥により減少した重量を測定した。そし
て、吸湿させる前の重量に対する百分率で表わした。 <タック性> 70%RH、30℃の恒温恒湿機に得ら
れた平板を24時間静置した後、表面のタックの有無を
指触にて判定した。
【0015】<寸法安定性> 70%RH、30℃の恒
温恒湿機に得られた平板を16時間静置した後、100
℃で8時間減圧乾燥することを1サイクルとし、これを
3サイクル繰り返したときの平板の状態を目視にて観察
し、変形やクラックの有無を判定した。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、吸湿性を抑制し、表面
のタックや寸法安定性等の欠点を改良したビニルピロリ
ドン系樹脂組成物、およびこれを用いた成形体を提供す
ることができる。また、本発明の樹脂組成物は均一に混
合されたものであるので、本発明の成形体はクラックが
生じることもない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA12X AA33X AA34X AA37 AA37X AA77 AF11 AH01 AH04 AH05 AH12 AH16 BA01 BB05 BB06 BB09 BC01 BC07 4J002 BJ00W BN07X BN12X BN15X GA01 GG02 GQ00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N−ビニルピロリドン系重合体を含んでな
    る樹脂組成物であって、ゴム強化スチレン系樹脂をも含
    有する、ことを特徴とするビニルピロリドン系樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のビニルピロリドン系樹脂
    組成物を用いて形成されてなる、成形体。
JP2001302461A 2001-09-28 2001-09-28 ビニルピロリドン系樹脂組成物およびその用途 Pending JP2003105159A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015129270A (ja) * 2013-12-05 2015-07-16 株式会社日本触媒 環状アミド基含有重合体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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