JP2003103858A - 移動印刷装置 - Google Patents

移動印刷装置

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JP2003103858A
JP2003103858A JP2001298823A JP2001298823A JP2003103858A JP 2003103858 A JP2003103858 A JP 2003103858A JP 2001298823 A JP2001298823 A JP 2001298823A JP 2001298823 A JP2001298823 A JP 2001298823A JP 2003103858 A JP2003103858 A JP 2003103858A
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JP
Japan
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recording medium
thin film
cutter
sticking
spatula
Prior art date
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Pending
Application number
JP2001298823A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Taira
比呂志 平
Naohito Asai
直仁 浅井
Hironori Harada
大令 原田
Motoaki Yamanashi
素明 山梨
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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  • Folding Of Thin Sheet-Like Materials, Special Discharging Devices, And Others (AREA)
  • Handling Of Sheets (AREA)
  • Handling Of Continuous Sheets Of Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 煩雑な作業を行わなくても、任意の場所に所
望の文字などを表示できるようにする。 【解決手段】 薄膜30の先端部が貼付対象物に貼付さ
れた状態で、操作者によって筐体5が貼付対象物に対し
て相対的に移動させられると、この移動によって薄膜3
0に付与された搬送力に起因して積層テープ3がローラ
40から引き出される。そして、サーマルヘッド15に
より所望の印刷が施された薄膜30は、ヘラ21の先端
部21aにおいて、その先端部から順次搬送用セパレー
タ31から剥離された後、カッター刃65とカッター台
66との相互作用によって切断される。その後、切断さ
れた薄膜30は、貼付用ヘラ28の先端部28aによっ
て押圧されつつ貼付対象物に貼付される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動しながら記録
媒体に印刷を施し且つ印刷の施された記録媒体を任意の
場所に貼付することができる移動印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】パーソナルコンピュータ(以下、パソコ
ンと称する)のモニタに表示された文字などの情報を書
き留めて保管しておきたい場合がある。かかる場合に
は、モニタに表示された情報が、手書きによってメモ帳
などに書き写されたり、パソコンに接続されたプリンタ
によって印刷されて印刷用紙ごと保管されることが多
い。
【0003】また、用紙などに記載された文字やプリン
タなどで印刷された文字が間違っており正しい文字に訂
正しなければならない場合がある。かかる場合には、白
色インクを塗布、乾燥させることによって既存文字が隠
蔽された後で、その上から正しい文字が記入されたり、
例えば特開2000−219853号公報に開示されて
いるように、白色塗膜を貼付することによって既存文字
が隠蔽された後で、白色塗膜の上から正しい文字が手書
きで記入されて訂正されることが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、モニタ
に表示された情報が多数の文字を含んでいる場合は、メ
モ帳などに手書きによって書き写すためには長時間を費
やす必要があるとともに、それは非常に面倒な作業であ
る。また、プリンタにより印刷された印刷用紙は、A4
サイズなどの比較的大きいサイズのものが多く、保管し
にくいとともに、その情報を確認するために即座に取り
出すのには大変不便なことが多い。ここで、印刷用紙の
保管しておきたい情報が印刷された部分を切り取ってメ
モ帳などに貼付しておくと、紛失しにくく且つ即座に確
認しやすくなるが、この場合には、印刷用紙の切断およ
び貼付作業が大変煩わしいという問題がある。
【0005】また、白色インクを用いて訂正する場合
は、白色インクを塗布した後、乾燥させるために十分な
時間が必要となり、文字を訂正するために大変長い時間
が必要となる。白色塗膜を用いて訂正する場合は、白色
塗膜の上から正しい文字を手書きで記入する際に、白色
塗膜が破れる可能性がある。さらに、白色インクおよび
白色塗膜を用いて訂正する場合には、既存文字を隠蔽す
るステップおよび正しい文字を手書きで記入するステッ
プの2ステップの作業が必要であり、大変手間がかか
る。また、訂正するために記入される文字は、手書きさ
れるのが一般的であり、場合によっては読みにくいこと
がある。
【0006】そこで、本発明の目的は、煩雑な作業を行
わなくても、任意の場所に所望の文字などを表示できる
ようにする装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の移動印刷装置は、テープ状の記録媒体及
びこれと積層されたテープ状の支持部材が巻回された第
1のローラと、記録媒体の先端部が貼付対象物に貼付さ
れた状態で記録媒体を収容する筐体が貼付対象物に対し
て相対的に移動したときに、この移動によって記録媒体
に付与された搬送力に起因した記録媒体の前記第1のロ
ーラからの引き出し量を検出するための引出量検出手段
と、前記引出量検出手段で検出された引き出し量に基づ
いたタイミングで記録媒体上に印刷を施すための印刷ヘ
ッドと、支持部材を記録媒体から剥離するための剥離部
材と、前記第1のローラと連動して回転して、前記剥離
部材によって記録媒体から剥離させられた支持部材を巻
き取る第2のローラと、前記剥離部材により支持部材が
剥離された記録媒体を切断するためのカッターとを備え
ていることを特徴とするものである。
【0008】請求項1によると、移動しながら記録媒体
に印刷を施し且つ印刷の施された記録媒体を任意の場所
に貼付することができる。従って、煩雑な作業を行わな
くても、任意の場所に所望の文字などを表示することが
可能となる。これにより、文字などを貼付対象物に書き
留める作業または文字などを隠蔽し訂正する作業を1ス
テップ且つ短時間の作業で完了することができる。ま
た、手書きにより文字を記入する必要がないため、文字
を記入する際に文字を隠蔽する機能を有する記録媒体を
破損させることが無くなるとともに、読みやすい書式の
文字によって訂正をすることができる。
【0009】また、記録媒体を切断するためのカッター
が備えられているため、任意の切断位置において確実に
記録媒体を切断することができる。従って、記録媒体と
しては、厚さの薄い膜状部材だけでなく、比較的分厚い
膜状部材を用いることが可能である。
【0010】請求項2の移動印刷装置は、記録媒体を貼
付対象物に対して押圧するための貼付部材をさらに備え
ていることを特徴とするものである。請求項2による
と、貼付部材によって記録媒体を貼付対象物に対して確
実に貼付することができる。特に、記録媒体が薄い膜状
部材である場合には、記録媒体に皺が生じるのを抑制す
ることができる。
【0011】請求項3の移動印刷装置は、前記カッター
が、前記剥離部材により支持部材が剥離された記録媒体
を切断する切断位置と、記録媒体から離れた待機位置と
を選択的に取り得るように設けられており、前記カッタ
ーを待機位置から切断位置に移動させるための作動スイ
ッチをさらに備えていることを特徴とするものである。
請求項3によると、作動スイッチによって、カッターを
待機位置から切断位置に任意のタイミングで移動させる
ことが可能であるため、記録媒体を切断する必要がある
場合に、記録媒体を簡単に切断することができる。
【0012】請求項4の移動印刷装置は、前記カッター
は、前記剥離部材により支持部材が剥離された記録媒体
を切断する切断位置と、記録媒体から離れた待機位置と
を選択的に取り得るように設けられており、前記カッタ
ーを待機位置から切断位置に移動させるための作動スイ
ッチと、前記貼付部材を貼付対象物側に回動付勢するた
めの付勢手段とをさらに備えており、前記作動スイッチ
は、前記貼付部材が前記付勢手段の付勢に抗して前記筐
体に対して所定角度だけ回動させられた場合に前記カッ
ターを待機位置から切断位置に移動させることを特徴と
するものである。請求項4によると、直接作動スイッチ
を操作しなくても貼付部材を回動させるだけで、カッタ
ーを切断位置と待機位置との間で容易に移動させること
ができるため、記録媒体に対する印刷および貼付対象物
に対する記録媒体の貼付動作をしているときに、素早く
記録媒体の切断動作を実行することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明
の第1の実施の形態に係る移動印刷装置の概略構成を描
いた斜視図である。図2は、積層テープが装着されたと
きの移動印刷装置の概略構成を描いた斜視透視図であ
る。図3は、積層テープの断面図である。図4は、図1
の移動印刷装置の簡易ブロック図である。図5は、図1
の移動印刷装置の概略構成を描いた模式図である。図6
は、図1の移動印刷装置がパソコンに接続された場合の
概略構成を描いた図である。図7は、図1の移動印刷装
置の動作を説明するための図である。
【0014】本発明の第1の実施の形態に係る移動印刷
装置1は、カセット容器6と、カセット容器6に対して
ヒンジ(図示しない)で支持され、閉鎖姿勢と開放姿勢
との間で揺動操作可能なカセット蓋7とを有する筐体5
内に、積層テープ3(図2、3参照)が巻回されたロー
ラ40(図2参照)を装着するためのギア10と、搬送
用セパレータ31(図2参照)を巻き取るローラ41
(図2参照)を装着するためのギア11と、搬送用セパ
レータ31を薄膜30(図3参照)から剥離するための
ヘラ21と、薄膜30を貼付対象物に対して押圧するた
めの貼付用ヘラ28と、カッター機構64と、サーマル
ヘッド15と、プラテン22と、エンコーダ16と、電
子基板17と、バッテリー18と、有線通信用インター
フェイスであるUSB(Universal Serial Bus)ポート
20とを備えている。
【0015】また、筐体5内には、板状の支持台60が
カセット容器6の内側面に形成された複数の突起部61
上に配置されて、ネジ止めされている。そして、支持台
60上に、ギア10〜12、サーマルヘッド15、プラ
テン22およびエンコーダ16が配置されており、支持
台60とカセット容器6の内側面との間に、電子基板1
6およびバッテリー17が配置されている。なお、US
Bポート20は、カセット容器6の外周面に設けられて
いる。
【0016】カセット容器6およびカセット蓋7は、い
ずれも略三角形状の椀状の部材である。カセット容器6
の1つの角部近傍にはスリット6aが形成されており、
カセット容器6のスリット6aが形成された角部に対応
するカセット蓋7の角部近傍にはスリット7aが形成さ
れている。従って、カセット蓋7がカセット容器6に対
して閉鎖姿勢になるように配置されると、その内部に略
三角柱状の空間を有し、1つの角部近傍にスリット6a
とスリット7aとが組み合わされて形成された開口を有
する筐体5が形成されることになる。なお、カセット蓋
7の内側面には、棒状部材25が固設されている。
【0017】ギア10は、円形の平板状の部材であっ
て、その中心位置に突起部10aが形成されており、突
起部10aの中心位置には貫通孔10bが形成されてい
る。そして、ギア10は、支持台60の上面に固設され
た軸部材50が貫通孔10bに嵌挿するように配置され
ており、軸部材50の回りを回転することができる。ま
た、突起部10aの外周面には全周にわたって歯が形成
されている。
【0018】また、ギア11は、円形の平板状の部材で
あって、その中心位置に突起部11aが形成されてお
り、突起部11aの中心位置には貫通孔11bが形成さ
れている。そして、ギア11は、支持台60の上面に固
設された軸部材51が貫通孔11bに嵌挿するように配
置されており、軸部材51の回りを回転することができ
る。また、突起部11aの外周面には全周にわたって歯
が形成されている。
【0019】ここで、ギア10およびギア11の外周面
には、いずれも全周にわたって歯が形成されている。そ
して、ギア10の歯は、ギア11の歯と噛合している。
従って、ギア10が回転すると、ギア11もギア10と
連動して回転するようになっている。
【0020】ヘラ21は、略三角柱の部材であって、そ
の一端部21a(以下、ヘラ21の先端部21aと称す
る)は鋭角に形成されている。また、ヘラ21は、その
一端面が積層テープ3の搬送経路に沿うように配置され
ている。従って、ヘラ21の一端面に沿って搬送された
積層テープ3は、搬送用セパレータ31がヘラ21の先
端部21aにおいて進行方向が反転してヘラ21の外周
面に沿って搬送されることによって、薄膜30と搬送用
セパレータ31とが剥離される。なお、剥離された搬送
用セパレータ31は、ローラ40と連動して回転するロ
ーラ41に巻き取られる。
【0021】貼付用ヘラ28は、略三角柱形状の弾性を
有する部材であって、その先端部28aは鋭角に形成さ
れている。貼付用ヘラ28は、筐体5に形成された開口
(スリット6aとスリット7aとが組み合わされたも
の)から外部に突出するように配置されている。また、
貼付用ヘラ28の先端部28aと反対側の根本部28b
には、カセット容器6の内側面に固設された軸部材29
が貫挿されている。従って、貼付用ヘラ28の先端部2
8aは、軸部材29の回りを揺動可能になっている。こ
こで、貼付用ヘラ28と軸部材29との間には、付勢手
段の一例としてのコイルばね27(図に一部のみ図示)
が配置されており、貼付用ヘラ28の先端部28aは貼
付対象物側に近づく方向に(図1において手前側に向か
って)付勢されている。
【0022】なお、本実施の形態においては、貼付用ヘ
ラ28と軸部材29との間に配置されたコイルばね27
が、貼付用ヘラ28を貼付対象物側に回動付勢するため
の付勢手段としての機能を有している。また、本実施の
形態では、貼付用ヘラ28と軸部材29との間にコイル
ばね27が配置されていなくても、後述するカッター機
構64の板ばね69の付勢力によって、保持部材67を
介して、貼付用ヘラ28の先端部28aが貼付対象物側
に回動付勢される。
【0023】また、貼付用ヘラ28の根本部28bから
は、先端部28aと反対の方向に延出するように延出部
28cが形成されている。従って、貼付用ヘラ28の先
端部28aが軸部材29の回りを揺動すると、延出部2
8cも同様に軸部材29の回りを先端部28aと同じ回
転方向に揺動することになる。また、延出部28cの先
端部のカセット容器6の内側に向かう側の面には、突出
部28dが形成されている。なお、突出部28dは、後
述するカッター機構64の保持部材67のカッター刃6
5が配置された面と反対側の面に当接している。
【0024】カッター機構64は、カッター刃65と、
カッター台66と、保持部材67と、軸部材68と、板
ばね69とを有している。カッター刃65は、薄膜30
の幅よりも大きい幅を有する矩形刃であって、薄膜30
を切断するためのものである。カッター台66は、カッ
ター刃65によって切断される薄膜30を支持するため
のものである。保持部材67は、カッター刃65を保持
するためのものである。つまり、保持部材67の一端部
には、その先端が薄膜30の搬送経路に対向するように
カッター刃65が配置されている。また、保持部材67
の他端部には、カセット容器6の内側面に固設された軸
部材68が貫挿されており、保持部材67は軸部材68
の回りを回転可能になっている。従って、カッター刃6
5は、薄膜30の搬送経路を横切ることによって薄膜3
0を切断する位置(切断位置)と、薄膜30の搬送経路
から離れた待機位置との間で移動することができる。
【0025】また、カセット容器6の内側には、保持部
材67の軸部材68が貫挿している側の端部(カッター
刃65が配置された端部と反対側の端部)をその外壁面
との間で囲むように隔壁6bが形成されている。そし
て、隔壁6bの保持部材67と対向する面には、板ばね
69が配置されている。ここで、板ばね69は、「く」
の字形に曲げられた板状の部材であって、その両端部が
隔壁6bに接触し且つその中間部が待機位置にある保持
部材67に当接するように配置されている。
【0026】従って、カッター刃65が待機位置から切
断位置に移動する場合には、保持部材67は、板ばね6
9の付勢に抗して軸部材68の回りを回転することにな
る。なお、薄膜30の切断が終了して、貼付用ヘラ28
の突出部28dから保持部材67に対して力が作用しな
くなると、保持部材67は、板ばね69の付勢によって
軸部材68の回りを回転し、カッター刃65が切断位置
から待機位置に移動することになる。
【0027】ここで、本実施の形態では、ヘラ21およ
びカッター台66は、それぞれの下端部において接続さ
れて一体形成されている。なお、ヘラ21およびカッタ
ー台66は、それぞれ別々の部材であってもよい。
【0028】サーマルヘッド15は、ローラ40とヘラ
21との間を搬送される積層テープ3に対向するように
配置されており、積層テープ3の幅方向に沿って配置さ
れた多数の発熱素子(図示しない)を有している。サー
マルヘッド15は、多数の発熱素子を選択的に発熱させ
ることによって、印刷データに基づく所望の印刷を薄膜
30上に施すことができる。なお、サーマルヘッド15
において印刷を施すタイミングは、エンコーダ16によ
り検出された積層テープ3の引き出し量に基づいて決定
され、電子基板17上の制御部70により制御される。
【0029】プラテン22は、円柱状の部材であって、
積層テープ3を挟んでサーマルヘッド15に対向するよ
うに配置されている。ここで、プラテン22は、後述す
るように、カセット蓋7がカセット容器6に対して閉鎖
姿勢になるように配置された場合に、積層テープ3をサ
ーマルヘッド15に対して押圧する機能を有している。
【0030】プラテン22の両端面の中心位置には、そ
れぞれ突出部22aが形成されており、支持台60上に
固設された軸部材55の回りを回転可能な保持部材23
の一端部に回転可能に保持されている。ここで、保持部
材23と軸部材55との間には、コイルばね(図示しな
い)が配置されており、保持部材23はプラテン22が
サーマルヘッド15から離隔する方向に付勢されてい
る。そのため、カセット蓋7がカセット容器6に対して
開放姿勢になるように配置されている場合には、保持部
材23はプラテン22をサーマルヘッド15から所定の
距離だけ離隔させる位置(図1に示す位置)に配置され
る。また、プラテン22と保持部材23との間には、コ
イルばね(図示しない)が配置されており、プラテン2
2はサーマルヘッド15に近づく方向に付勢されてい
る。
【0031】保持部材23の側面上端部には、カセット
蓋7に形成された棒状部材25に対応するように凹部2
3aが形成されている。凹部23aは、棒状部材25と
の相互作用によって、カセット蓋7がカセット容器6に
対して閉鎖姿勢になるように配置された場合に、プラテ
ン22がサーマルヘッド15に近づく方向に(図1にお
いて反時計回りに)保持部材23を回転させるような形
状に有している。
【0032】すなわち、凹部23aは、保持部材23の
サーマルヘッド15とは反対側の側面(当接面と称す
る)に沿って伸びるように形成され、その凹部23aの
当接面からの深さは、保持部材23のカセット蓋7に近
い端面部分が最も深く、その端面から支持台60側の端
面に向かうにしたがって順次浅くなるように形成されて
いる。このため、カセット蓋7を開放姿勢から閉鎖姿勢
に移動させると、カセット蓋7に固設された棒状部材2
5が保持部材23の凹部23aに進入し、凹部23aの
底面(深さが徐々に浅くなる)を押さえつつ進入するの
で、保持部材23はコイルばねの付勢力に抗してサーマ
ルヘッド15側に移動する。この移動に伴って、保持部
材23に支持されたプラテン22は、サーマルヘッド1
5から離隔された待機位置からサーマルヘッド15に付
勢する使用位置に移動することになる。
【0033】なお、カセット蓋7がカセット容器6に対
して開放姿勢になるように配置される場合には、上述し
たように、保持部材23はプラテン22がサーマルヘッ
ド15から離隔する方向に(図1において時計回りに)
付勢されているため、保持部材23は元の位置に戻る。
つまり、保持部材23の凹部23aと棒状部材25との
相互作用によって、カセット蓋7がカセット容器6に対
して閉鎖姿勢になるように配置されると、プラテン22
はサーマルヘッド15に近づく方向に移動し、一方、カ
セット蓋7がカセット容器6に対して開放姿勢になるよ
うに配置されると、プラテン22はサーマルヘッド15
と離隔する方向に移動する。
【0034】ここで、上述したプラテン22をサーマル
ヘッド15に対して待機位置と使用位置とに切り替え配
置させる構成は、棒状部材25、保持部材23、コイル
ばねなどを有する構成だけでなく、種々の構成が採用可
能である。例えば、支持台60に切り替えレバーを設
け、その切り替えレバーを手動操作して保持部材23を
移動させるようにすることも可能である。要するに、プ
ラテン22をサーマルヘッド15に対して待機位置と使
用位置とに切り替え配置させる切換配置手段が設けられ
ていればよい。
【0035】エンコーダ16は、多数の開口(図示しな
い)が放射状に配列された回転部16aと、回転部16
aを挟むように配置された発光器(図示しない)および
受光器(図示しない)を含む回転検出部16bとを有し
ている。なお、回転部16aは、プラテン22と一体と
なって回転するように配置されている。そして、回転検
出部16bは、発光器から照射されて回転部16aの開
口を間欠的に通過する光を受光器により受光することに
より回転部16aの回転量を検出することができる。従
って、エンコーダ16は、回転部16aの回転量、つま
り、プラテンの回転量を検出することによって、積層テ
ープ3のローラ40からの引き出し量を検出することが
できる。
【0036】電子基板17は、移動印刷装置1の動作を
制御するためのプリント基板であり、その表面には制御
部70が形成されている。なお、制御部70の構成の詳
細な説明は後述する。
【0037】バッテリー18は、サーマルヘッド15お
よび電子基板17に供給するための電力を貯留するため
のものであり、USBポート20に接続された充電制御
部18a(図4参照)に接続されている。ここで、バッ
テリー18は、充電池であって、移動印刷装置1に接続
されたパソコンなどの外部機器から供給された電力を貯
留することができる。なお、バッテリー18は、移動印
刷装置1の動作に必要な電力があらかじめ貯留された電
池などであってもよい。
【0038】USBポート20は、移動印刷装置1とパ
ソコンなどの外部機器とケーブルを介して接続するため
のものである。なお、USBポート20は、配線(図示
しない)などにより電子基板17上の制御部70および
充電制御部18aにそれぞれ接続されており、外部機器
からの印刷データの送信および電力の供給ができるよう
になっている。なお、外部機器との接続は、USBポー
ト以外にもシリアル通信信号や無線通信方式などを採用
することができる。無線通信方式としては、IRDA
(InfraRed Data Association)、ブルートゥース(blu
etooth )通信カードなどがあげられる。
【0039】次に、積層テープ3が収容されているとき
の移動印刷装置1の概略構成について、図2に基づいて
説明する。
【0040】積層テープ3は、図3に示すように、薄膜
30の片面に搬送用セパレータ31が積層されることに
よって、2層構造となるように形成されている。なお、
薄膜30が記録媒体に相当し、搬送用セパレータ31が
支持部材に相当する。
【0041】薄膜30は、サーマルヘッド15によって
印刷が施された後、貼付対象物に貼付されるものであ
る。薄膜30は、白色の非常に薄い膜状の部材であっ
て、その片面(搬送用セパレータ31が積層されている
面)に粘着性を有している。また、薄膜30には、サー
マルヘッド15によって印刷が施されるように感熱発色
性を有する材料が分散されている。
【0042】なお、薄膜30の色は、貼付対象物の色な
どに対応して任意に変更することができる。つまり、例
えば、貼付対象物が非常にうすい色を有している再生紙
である場合には、この再生紙と同じ色に薄膜30を着色
することによって、貼付された薄膜30が目立たなくな
るようにすることができる。また、薄膜30は、赤色、
青色などの色を有しているものであってもよいし、透明
のものであってもよい。さらに、模様が描かれたもので
あってもよい。また、薄膜30は、比較的分厚い膜状部
材であってもよい。
【0043】搬送用セパレータ31は、薄膜状の部材で
あって、薄膜30を搬送するために必要な厚さを有して
いる。ここで、搬送用セパレータ31の厚さは、薄膜3
0の厚さよりも大きいのが一般的である。つまり、薄膜
30は、非常に薄い膜状部材であって単独で搬送される
のが引張り強度が不足するために困難であるため、薄膜
30はそれに積層された搬送用セパレータ31とともに
搬送される。これにより、薄膜30は、切れることなく
適正に搬送されるようになる。ここで、搬送用セパレー
タ31の材質としては、PETフィルムなどが好適に使
用され、搬送用セパレータ31の引張り強度は薄膜30
よりも大きいものがよい。搬送用セパレータ31の引張
り強度が薄膜30の引張り強度よりも大きければ、搬送
用セパレータ31の厚さは薄膜30の厚さよりも大きく
する必要はない。
【0044】積層テープ3および搬送用セパレータ31
は、それぞれ軸方向中心位置に貫通孔40a、41aを
有するローラ40、41に巻回されている。そして、ロ
ーラ40、41は、支持台60上に固設された軸部材5
0、51が貫通孔40a、41aに貫挿するように、そ
れぞれギア10、11の上に装着される。ここで、ロー
ラ40、41の貫通孔40a、41aの内周面には全周
にわたって歯が形成されており、それらの歯はギア1
0、11の突起部10a、11aの外周面に形成された
歯とそれぞれ噛合するようになっている。従って、ロー
ラ40、41がギア10、11上に装着されると、ロー
ラ40、41とギア10、11とはそれぞれ一体となっ
て回転する。
【0045】次に、図1に示す移動印刷装置1の制御系
について図4を参照して説明する。制御部70には、図
4に示すように、USBポート20と、エンコーダ16
と、筐体5内に配置された室内温度(環境温度)を検出
するためのサーミスタ19と、サーマルヘッド15を制
御するためのドライバ15aとがそれぞれ接続されてい
る。
【0046】制御部70は、移動印刷装置1の各部の動
作を制御する信号を生成するために各種演算を実行する
CPU71と、移動印刷装置1に係る各種動作の制御プ
ログラムやデータなどが格納されたROM72と、パソ
コンなどの外部機器から送信された印刷データなどを一
時保管するRAM73と、文字コードとドットパターン
とを対応させて記憶するCG−ROM(Character Gener
ator Read-Only Memory)74とを有している。なお、印
刷データとしては、文字コードだけでなく、ドットパタ
ーンであってもよい。
【0047】制御部70では、USBポート20を介し
て外部機器から送信された印刷データがRAM73に一
時保管される。ここで、送信される印刷データは文字コ
ードであって、CG−ROM74によりドットパターン
へと変換される。薄膜30の貼付が開始されると、エン
コーダ16により検出された積層テープ3の引き出し量
に基づいて、印刷タイミングが決定される。そして、印
刷データおよび印刷を実行する信号が、決定された印刷
タイミングでドライバ15aに送信される。このように
して、サーマルヘッド15に対向する薄膜30上に所望
の印刷が施される。
【0048】なお、ドライバ15aにおけるサーマルヘ
ッド15の制御には、サーミスタ19により検出された
室内温度が考慮される。つまり、室内温度によって、印
刷データに基づいてドライバ15aからサーマルヘッド
15に供給される電流または印加時間などが適宜調整さ
れる。
【0049】また、USBポート20は、上述したよう
に、充電制御部18aに接続されており、外部機器から
供給された電力を充電制御部18aを介してバッテリー
18に貯留することができる。
【0050】次に、本実施の形態の移動印刷装置1の動
作について、図5〜図7を参照して説明する。なお、こ
こでは、具体例として、モニタ81上に表示された「ホ
テル東京」に関する情報が印刷された薄膜30がメモ帳
90に貼付される場合について説明する。
【0051】移動印刷装置1は、図6に示すように、ケ
ーブル85によって、モニタ81とキーボード82とを
有するパソコン80に接続される。なお、ケーブル85
の一端部は、移動印刷装置1のUSBポート20に接続
されており、他端部はパソコン80に設けられた有線通
信用インターフェイスであるUSBポート(図示しな
い)に接続されている。
【0052】まず、操作者は、モニタ81上に表示され
た「ホテル東京」についての情報を、印刷データとし
て、パソコン80からケーブル85を介して移動印刷装
置1へ送信する。すると、移動印刷装置1へ送信された
印刷データは、RAM73に一時保管される。ここで、
具体例では、「ホテル東京」に関する情報として、その
「住所」および「電話番号」が示されている。
【0053】操作者は、移動印刷装置1に印刷データを
記憶させた後で、移動印刷装置1の貼付用ヘラ28の先
端部28a近傍にある薄膜30(この時点では、既に搬
送用セパレータ31が剥離されている)の先端部を、メ
モ帳90の「ホテル東京」についての情報を貼付すべき
位置に合わせて、貼付用ヘラ28の先端部28aでメモ
帳90に対して押圧することによって貼付する。そし
て、薄膜30の先端部がメモ帳90に貼付された状態
で、操作者によって筐体5がメモ帳90に対して相対的
に移動させられると、この移動によって薄膜30に付与
された搬送力に起因して積層テープ3がローラ40から
引き出される。このとき、薄膜30は、ヘラ21の先端
部21aにおいて、搬送用セパレータ31から剥離され
つつ、メモ帳90に貼付される。
【0054】このように、移動印刷装置1では、操作者
により搬送用セパレータ31を剥離する作業が別途行わ
れる必要はなく、薄膜30の貼付と平行して自動的に行
われる。また、剥離させられた搬送用セパレータ31は
ローラ40と連動して回転するローラ41に巻き取られ
るため、薄膜30を貼付する度に、剥離させられた搬送
用セパレータ31をゴミとして別途処理する必要がな
い。
【0055】また、移動印刷装置1では、筐体5の移動
によって薄膜30に付与された搬送力に起因して積層テ
ープ3がローラ40から引き出されるため、積層テープ
3を送り出すためにローラ40を回転駆動するための別
途の機構を必要としない。これにより、移動印刷装置1
の機構の小型化・軽量化が可能となるとともに、消費電
力を低減することができる。
【0056】そして、ローラ40から引き出された積層
テープ3がサーマルヘッド15に対向する位置に搬送さ
れると、サーマルヘッド15により薄膜30に対して印
刷が開始される。なお、このとき、積層テープ3は、積
層テープ3を挟んでサーマルヘッド15と対向するよう
に配置されたプラテン22によって、サーマルヘッド1
5に近づく方向に押圧されている。
【0057】ここで、操作者によって筐体5がメモ帳9
0に対して相対的に移動させられると、エンコーダ16
によって積層テープ3のローラ40から引き出し量が検
出される。そして、エンコーダ16により検出された引
き出し量に基づいたタイミングで薄膜30に対して印刷
が施される。従って、操作者によって筐体5がメモ帳9
0に対して相対的に移動させられる速度に対応するよう
にサーマルヘッド15により印刷が施されるため、操作
者は必ずしも筐体5を一定の速度で移動させなくても、
薄膜30に対する印刷は適正に施される。
【0058】サーマルヘッド15による印刷は、薄膜3
0に熱が加えられることによって行われる。つまり、印
刷データに基づいて薄膜30に熱が加えられることによ
って、薄膜30に分散された感熱発色性を有する材料が
発色して、所望の文字が形成される。なお、本実施の形
態の具体例では、「ホテル東京」についての情報とし
て、「ホテル名」、「住所」、「電話番号」の順に薄膜
30上に印刷が施される。
【0059】サーマルヘッド15による印刷が終了した
後、薄膜30において所望の印刷が施された範囲の後端
(切断すべき位置)がカッター刃65とカッター台66
との間に搬送されると、操作者によって移動印刷装置1
が貼付用ヘラ28の先端部28aを支点として回転する
ように持ち上げられる。つまり、貼付用ヘラ28が、軸
部材29との間に配置されたコイルばねの付勢に抗して
筐体5に対して所定角度だけ回動させられる。このと
き、貼付用ヘラ28の延出部28cが軸部材29の回り
を保持部材67に近づく方向に揺動する。すると、貼付
用ヘラ28の突出部28dが保持部材67に押圧して、
保持部材67を軸部材68の回りを回転させる。
【0060】このようにして、保持部材67の一端部に
配置されたカッター刃65が、待機位置から切断位置に
移動して、カッター台66との相互作用によって、ヘラ
21の先端部21aにおいて搬送用セパレータ31から
剥離された薄膜30を切断する。なお、本実施の形態で
は、貼付用ヘラ28(さらに詳しくは突出部28d)
が、カッター刃65を待機位置から切断位置に移動させ
るための作動スイッチとしての機能を有していることに
なる。
【0061】カッター機構64によって切断された薄膜
30は、貼付用ヘラ28の先端部28aによってメモ帳
90に押圧されつつ、筐体5の移動に伴ってメモ帳90
に貼付される。
【0062】なお、カッター刃65によって薄膜30の
切断が終了すると、操作者は、貼付用ヘラ28の先端部
28aを支点として回転するように持ち上げていた移動
印刷装置1を元の位置に戻す。すると、上述したよう
に、保持部材67が板ばね69によって付勢されること
によって、カッター刃65は切断位置から待機位置に移
動するようになっている。
【0063】上述したように、操作者は、図7(a)に
示すように、「ホテル名」が印刷された薄膜30a(薄
膜30において、「ホテル名」が印刷された部分を称し
ている)の先端部を貼付されるべき位置に貼付した後、
貼付用ヘラ28の先端部28aによって薄膜30aをメ
モ帳90に対して押圧しつつ、移動印刷装置1を右方向
に移動させることによって、メモ帳90上に「ホテル
名」が印刷された薄膜30aを貼付することができる。
そして、薄膜30aの後端部がカッター刃65とカッタ
ー台66の間に搬送されると、操作者は移動印刷装置1
を貼付用ヘラ28の先端部28aを支点として回転させ
るように持ち上げる(図7(b)参照)。すると、薄膜
30aの後端部は、カッター刃65とカッター台66と
の相互作用によって切断される。そして、薄膜30aの
後端部は、貼付用ヘラ28の先端部28aによってメモ
帳90に押圧されつつ、筐体5の移動に伴ってメモ帳9
0に貼付される。これで、「ホテル名」が印刷された薄
膜30aの貼付が終了する。
【0064】引き続き、操作者は、「ホテル名」が印刷
された薄膜30aが貼付された位置の下方において、
「住所」が印刷された薄膜30b(薄膜30において、
「住所」が印刷された部分を称している)の先端部を貼
付されるべき位置に貼付した後、先と同様にして、貼付
用ヘラ28の先端部28aによって薄膜30bをメモ帳
90に対して押圧しつつ、移動印刷装置1を右方向に移
動させることによって、メモ帳90上に「住所」が印刷
された薄膜30bを貼付することができる。そして、薄
膜30bの後端部がカッター刃65とカッター台66の
間に搬送されると、操作者は移動印刷装置1を貼付用ヘ
ラ28の先端部28aを支点として回転させるように持
ち上げる(図7(b)参照)。すると、薄膜30bは、
カッター刃65とカッター台66との相互作用によって
切断される。そして、薄膜30bの後端部は、貼付用ヘ
ラ28の先端部28aによってメモ帳90に押圧されつ
つ、筐体5の移動に伴ってメモ帳90に貼付される。こ
れで、「住所」が印刷された薄膜30bの貼付が終了す
る。
【0065】引き続き、操作者は、「住所」が印刷され
た薄膜30bが貼付された位置の下方において、「電話
番号」が印刷された薄膜30c(薄膜30において、
「電話番号」が印刷された部分を称している)の先端部
を貼付されるべき位置に貼付した後、先と同様にして、
貼付用ヘラ28の先端部28aによって薄膜30cをメ
モ帳90に対して押圧しつつ、移動印刷装置1を右方向
に移動させることによって、メモ帳90上に「電話番
号」が印刷された薄膜30cを貼付することができる。
そして、薄膜30cの後端部がカッター刃65とカッタ
ー台66の間に搬送されると、図7(b)に示すよう
に、操作者は移動印刷装置1を貼付用ヘラ28の先端部
28aを支点として回転させるように持ち上げる。する
と、薄膜30cは、カッター刃65とカッター台66と
の相互作用によって切断される。そして、薄膜30cの
後端部は、貼付用ヘラ28の先端部28aによってメモ
帳90に押圧されつつ、筐体5の移動に伴ってメモ帳9
0に貼付される。これで、「電話番号」が印刷された薄
膜30cの貼付が終了する。
【0066】ここで、薄膜30が非常に薄い膜状部材で
あるため、薄膜30が貼付されたメモ帳90の用紙の厚
さの変化は微少であり、複数の薄膜30を同じ場所に重
ね貼りしてもメモ帳90が著しく厚くなることがほとん
どない。
【0067】なお、メモ帳90などに貼付する薄膜30
に印刷する情報は、どのような情報であってもよい。従
って、キーボード82によって入力された文字がモニタ
81に表示された情報であってもよいし、インターネッ
トを利用して検索された情報であってもよいし、電子メ
ールにより送信された情報であってもよい。また、薄膜
30に印刷される情報は、文字に限らず、例えば記号、
模様など、どのようなものであってもよい。
【0068】以上のように、第1の実施の形態の移動印
刷装置1によると、移動しながら薄膜30に印刷を施し
且つ印刷の施された薄膜30を任意の場所に貼付するこ
とができる。従って、煩雑な作業を行わなくても、任意
の場所に所望の文字などを表示することが可能となる。
これにより、文字などを貼付対象物に書き留める作業ま
たは文字などを隠蔽し訂正する作業を1ステップ且つ短
時間の作業で完了することができる。また、手書きによ
り文字を記入する必要がないため、文字を記入する際に
文字を隠蔽する機能を有する薄膜30を破損させること
が無くなるとともに、読みやすい書式の文字によって訂
正をすることができる。
【0069】また、薄膜30を切断するためのカッター
機構64が備えられているため、任意の切断位置におい
て確実に薄膜30を切断することができる。また、貼付
用ヘラ28によって薄膜30を貼付対象物に対して確実
に貼付することができる。従って、薄膜30に皺が生じ
るのを抑制することができる。
【0070】また、貼付用ヘラ28が筐体5に対して所
定角度だけ回動させられるとカッター刃45が待機位置
から切断位置に移動し、貼付用ヘラ28が元の位置に戻
ると切断位置から待機位置に移動するため、直接作動ス
イッチを操作しなくても貼付用ヘラ28を回動させるだ
けで、カッター刃45を切断位置と待機位置との間で容
易に移動させることができる。そのため、薄膜30に対
する印刷および貼付対象物に対する薄膜30の貼付動作
をしているときに、素早く薄膜30の切断動作を実行す
ることができる。
【0071】なお、本実施の形態では、ローラ40が第
1のローラに相当し、エンコーダ16が引出量検出手段
に相当し、サーマルヘッド15が印刷ヘッドに相当し、
ヘラ21が剥離部材に相当し、ローラ41が第2のロー
ラに相当し、貼付用ヘラ28が貼付部材に相当し、カッ
ター刃65がカッターに相当し、貼付用ヘラ28(突出
部28d)が作動スイッチに相当する。
【0072】次に、本発明の第2の実施の形態につい
て、図面を参照しつつ説明する。図8は、本発明の第2
の実施の形態に係る移動印刷装置の概略構成を描いた模
式図である。
【0073】図8の移動印刷装置101が図1の移動印
刷装置1と異なる点は、移動印刷装置1では、貼付用ヘ
ラ28がカッター刃45を待機位置から切断位置に移動
させるための作動スイッチとしての機能を有しているの
に対して、移動印刷装置101では、カッター刃45を
待機位置から切断位置に移動させるための作動スイッチ
として切断スイッチ162が別途設けられている点であ
る。なお、その他の構成は、図1の移動印刷装置1と同
一であるので、同一符号を付して詳細な説明は省略す
る。
【0074】移動印刷装置101のカセット容器106
には、カッター機構164の保持部材167のカッター
刃165が配置された側の端部に対応する位置に開口1
06cが形成されており、開口106cには切断スイッ
チ162が貫挿されている。そして、切断スイッチ16
2の一端部は、保持部材167のカッター刃165が配
置された側の端部に当接している。従って、切断スイッ
チ162の他端部(カセット容器106の外部にある側
の端部)が筐体5内部に向かって押されると、カッター
刃165は待機位置から切断位置に移動するようになっ
ている。なお、移動印刷装置101では、貼付用ヘラ1
28は、カセット容器106と一体となるように形成さ
れている。
【0075】第2の実施の形態では、ローラ40から引
き出された積層テープ3が、サーマルヘッド15に対向
する位置に搬送されると、サーマルヘッド15によって
薄膜30に対して印刷が施される。サーマルヘッド15
による印刷が終了した後、薄膜30において所望の印刷
が施された範囲の後端(切断すべき位置)がカッター刃
165とカッター台166との間に搬送されると、操作
者によって切断スイッチ162が押される。すると、切
断スイッチ162の一端部が保持部材167を押圧し
て、保持部材167を軸部材168の回りを回転させ
る。このとき、保持部材167の一端部に配置されたカ
ッター刃165が、待機位置から切断位置に移動して、
カッター台166との相互作用によって、ヘラ21の先
端部21aにおいて搬送用セパレータ31から剥離され
た薄膜30を切断する。そして、カッター機構164に
よって切断された薄膜30は、貼付用ヘラ128の先端
部128aによって貼付対象物に押圧されつつ、筐体5
の移動に伴って貼付対象物に貼付される。
【0076】以上のように、第2の実施の形態の移動印
刷装置101によると、切断スイッチ162を押すこと
によって、カッター刃165を待機位置から切断位置に
任意のタイミングで移動させることが可能であるため、
薄膜30を切断する必要がある場合に、薄膜30を簡単
に切断することができる。
【0077】なお、本実施の形態では、切断スイッチ1
62が作動スイッチに相当する。
【0078】以上、本発明の好適な実施の形態について
説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるもの
ではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々
な設計変更が可能なものである。例えば、上述の第1お
よび第2の実施の形態では、矩形刃であるカッター刃を
有するカッター機構が備えられている場合について説明
しているが、これに限らず、搬送用セパレータが剥離さ
れた薄膜を適正に切断することができれば、そのような
構成のカッター機構であってもよい。
【0079】また、上述の第1および第2の実施の形態
では、薄膜を貼付対象物に対して押圧するための貼付用
ヘラが備えられている場合について説明しているが、こ
れに限らず、貼付用ヘラは、必ずしも備えられてなくて
よい。
【0080】また、上述の第2の実施の形態では、切断
スイッチの一端部によってカッター刃を保持する保持部
材が直接押圧されることによって、カッター刃が待機位
置から切断位置に移動する場合について説明している
が、これに限らず、カッター刃を保持する保持部材を移
動させるための駆動機構が別途備えられており、切断ス
イッチを押す(ON状態にする)ことによって、上記の
駆動機構を作動させることによってカッター刃を待機位
置から切断位置に移動させるものであってもよい。
【0081】また、上述の第1および第2の実施の形態
では、積層テープおよび搬送用セパレータがそれぞれ巻
回されたローラがそれぞれ対応するギアに歯車結合によ
り着脱可能に装着されるものについて説明しているが、
これに限らず、積層テープおよび搬送用セパレータがそ
れぞれ巻回されたローラがそれぞれ対応するギアに固設
されていてもよい。但し、本実施の形態のように、積層
テープおよび搬送用セパレータがそれぞれ巻回されたロ
ーラがそれぞれ対応するギアに歯車結合により着脱可能
に装着される場合には、積層テープなどを新規のものま
たは別のものに容易に取り替えることが可能となる。こ
こで、ローラを着脱可能に装着する構成としては、本実
施の形態の歯車結合の他に、摩擦結合方式を採用するこ
とができる。要するに、ギアと一体にローラが回転可能
で且つ着脱可能であれば、どのような構成であってもよ
い。
【0082】また、上述の第1の実施の形態では、送信
された印刷データが1行ずつ印刷される場合について説
明しているが、これに限らず、薄膜のサイズに対応し
て、複数行ごとに印刷されてもよい。また、上述の第1
の実施の形態では、薄膜がメモ帳に貼付される場合にに
ついて説明しているが、これに限らず、薄膜が貼付され
るものは、例えば名刺、はがき、封筒、写真など、どの
ようなものであってもよい。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1による
と、移動しながら記録媒体に印刷を施し且つ印刷の施さ
れた記録媒体を任意の場所に貼付することができる。従
って、煩雑な作業を行わなくても、任意の場所に所望の
文字などを表示することが可能となる。これにより、文
字などを貼付対象物に書き留める作業または文字などを
隠蔽し訂正する作業を1ステップ且つ短時間の作業で完
了することができる。また、手書きにより文字を記入す
る必要がないため、文字を記入する際に文字を隠蔽する
機能を有する記録媒体を破損させることが無くなるとと
もに、読みやすい書式の文字によって訂正をすることが
できる。
【0084】また、記録媒体を切断するためのカッター
が備えられているため、任意の切断位置において確実に
記録媒体を切断することができる。従って、記録媒体と
しては、厚さの薄い膜状部材だけでなく、比較的分厚い
膜状部材を用いることが可能である。
【0085】請求項2によると、貼付部材によって記録
媒体を貼付対象物に対して確実に貼付することができ
る。特に、記録媒体が薄い膜状部材である場合には、記
録媒体に皺が生じるのを抑制することができる。
【0086】請求項3によると、作動スイッチによっ
て、カッターを待機位置から切断位置に任意のタイミン
グで移動させることが可能であるため、記録媒体を切断
する必要がある場合に、記録媒体を簡単に切断すること
ができる。
【0087】請求項4によると、直接作動スイッチを操
作しなくても貼付部材を回動させるだけで、カッターを
切断位置と待機位置との間で容易に移動させることがで
きるため、記録媒体に対する印刷および貼付対象物に対
する記録媒体の貼付動作をしているときに、素早く記録
媒体の切断動作を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る移動印刷装置
の概略構成を描いた斜視図である。
【図2】積層テープが装着されたときの移動印刷装置の
概略構成を描いた斜視透視図である。
【図3】積層テープの断面図である。
【図4】図1の移動印刷装置の簡易ブロック図である。
【図5】図1の移動印刷装置の概略構成を描いた模式図
である。
【図6】図1の移動印刷装置がパソコンに接続された場
合の概略構成を描いた図である。
【図7】図1の移動印刷装置の動作を説明するための図
である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る移動印刷装置
の概略構成を描いた模式図である。
【符号の説明】
1、101 移動印刷装置 3 積層テープ 5 筐体 15 サーマルヘッド(印刷ヘッド) 16 エンコーダ(引出量検出手段) 21 ヘラ(剥離部材) 28 貼付用ヘラ(貼付部材) 28d 突出部(作動スイッチ) 30 薄膜(記録媒体) 31 搬送用セパレータ(支持部材) 40 ローラ(第1のローラ) 41 ローラ(第2のローラ) 90 メモ帳(貼付対象物) 162 切断スイッチ(作動スイッチ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 大令 愛知県名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブ ラザー工業株式会社内 (72)発明者 山梨 素明 愛知県名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブ ラザー工業株式会社内 Fターム(参考) 2C058 AB12 AC06 AE04 AF06 AF51 LA03 LA24 LB02 LB17 LB27 LC03 LC11 2C060 BA04 BA05 BC02 BC99 2C065 CZ05 CZ06 CZ09 CZ14 3F108 JA04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テープ状の記録媒体及びこれと積層され
    たテープ状の支持部材が巻回された第1のローラと、 記録媒体の先端部が貼付対象物に貼付された状態で記録
    媒体を収容する筐体が貼付対象物に対して相対的に移動
    したときに、この移動によって記録媒体に付与された搬
    送力に起因した記録媒体の前記第1のローラからの引き
    出し量を検出するための引出量検出手段と、 前記引出量検出手段で検出された引き出し量に基づいた
    タイミングで記録媒体上に印刷を施すための印刷ヘッド
    と、 支持部材を記録媒体から剥離するための剥離部材と、 前記第1のローラと連動して回転して、前記剥離部材に
    よって記録媒体から剥離させられた支持部材を巻き取る
    第2のローラと、 前記剥離部材により支持部材が剥離された記録媒体を切
    断するためのカッターとを備えていることを特徴とする
    移動印刷装置。
  2. 【請求項2】 記録媒体を貼付対象物に対して押圧する
    ための貼付部材をさらに備えていることを特徴とする請
    求項1に記載の移動印刷装置。
  3. 【請求項3】 前記カッターは、前記剥離部材により支
    持部材が剥離された記録媒体を切断する切断位置と、記
    録媒体から離れた待機位置とを選択的に取り得るように
    設けられており、 前記カッターを待機位置から切断位置に移動させるため
    の作動スイッチをさらに備えていることを特徴とする請
    求項1または2に記載の移動印刷装置。
  4. 【請求項4】 前記カッターは、前記剥離部材により支
    持部材が剥離された記録媒体を切断する切断位置と、記
    録媒体から離れた待機位置とを選択的に取り得るように
    設けられており、 前記カッターを待機位置から切断位置に移動させるため
    の作動スイッチと、 前記貼付部材を貼付対象物側に回動付勢するための付勢
    手段とをさらに備えており、 前記作動スイッチは、前記貼付部材が前記付勢手段の付
    勢に抗して前記筐体に対して所定角度だけ回動させられ
    た場合に前記カッターを待機位置から切断位置に移動さ
    せることを特徴とする請求項2に記載の移動印刷装置。
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