JP2003103279A - 浄化槽 - Google Patents

浄化槽

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JP2003103279A JP2001304432A JP2001304432A JP2003103279A JP 2003103279 A JP2003103279 A JP 2003103279A JP 2001304432 A JP2001304432 A JP 2001304432A JP 2001304432 A JP2001304432 A JP 2001304432A JP 2003103279 A JP2003103279 A JP 2003103279A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 総合生活排水からろ過膜モジュールの一部が
露出している場合であっても、総合生活排水を浄化処理
可能な浄化槽を実現する。 【解決手段】 浄化槽1は、総合生活排水を貯留するた
めの容器2と、内面に総合生活排水のろ過機能を有する
管状ろ過膜11aの複数本が排液の排出口12を有する
筒状の収納容器10内に収容されかつその両端部で保持
されたろ過膜モジュール4と、ろ過膜モジュール4の下
方からろ過膜モジュール4に向けて空気泡を供給するた
めの空気泡供給装置6とを備えている。ろ過膜モジュー
ル4は、管状ろ過膜11aが上下方向に開口するよう容
器2内に配置されている。容器2は、ろ過膜モジュール
4の全体が総合生活排水中に浸漬される水位l4と、ろ
過膜モジュール4の一部が総合生活排水から露出した状
態になる水位l3との間になるよう、総合生活排水の水
位を設定可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浄化槽、特に、総
合生活排水を浄化して浄化液を得るための浄化槽に関す
る。
【0002】
【従来の技術とその課題】近年、膜モジュールを被処理
液に浸漬し、空気泡の浮力を利用しながらろ過するクロ
スフローろ過方式(例えば、特開昭61−129094
号公報参照。このろ過方式を浸漬型膜ろ過法と通称し、
これに使用する膜モジュールを浸漬型膜モジュールと通
称している)が、高汚濁液の省エネルギー精密ろ過方式
として多方面で利用されるようになっている。この分野
では、中空糸膜モジュールと平膜モジュールが専ら使用
されており(例えば、財団法人日本環境整備教育センタ
ー「膜処理方を導入した小型生活排水処理装置の実用化
に関する研究報告書、平成4〜平成7年度」参照)、管
状のろ過膜を用いた管状ろ過膜モジュールに関しては、
貯槽から被処理液を外部に取り出し、特別な構造の配管
と膜モジュールを用いて浸漬型膜ろ過を行なう、特殊な
利用形態に関する出願(特開平9−47639号公報、
特開平9−99223号公報)が見られるものの、中空
糸膜モジュールや平膜モジュールとの性能比較に関する
記載がないだけでなく、実際に使用された報告例も見ら
れない。
【0003】なお、浸漬型膜ろ過法は、空気泡の浮力を
利用して被処理液を自然循環させながらろ過する方法で
あり、被処理液をポンプなどの機械的循環手段を用いて
膜モジュールに対して供給・循環させる限外ろ過法とは
明確に区別されるものである。
【0004】浸漬型膜ろ過法は、すでに様々な分野へ応
用が進められているが、我が国における有力な水質浄化
手段、特に、屎尿を含む全ての生活排水(総合生活排
水)の有力な浄化手段として、上述の文献にも見られる
ように、長年に渉って、公的機関が積極的に研究開発を
支援している。また、下水道研究発表会講演集、水環境
学会年会講演集などの学会発表においても、公的および
私的研究機関の積極的な発表が続けられている。そし
て、これらの成果の一つとして、中空糸膜モジュールや
平膜モジュールを用いた浸漬型膜ろ過装置を組み込んだ
総合生活排水用の合併浄化槽が開発されるに至ってい
る。
【0005】ところで、現在では、生活排水を処理する
ための浄化槽を新設する場合、単独浄化槽の使用は禁止
されている。これは、単独浄化槽が屎尿のみの簡易処理
を目的としているため屎尿以外の生活排水の垂れ流し状
態を助長する可能性があり、また、単独浄化槽で処理し
た生活排水の水質が悪く、我が国の水質汚染の元凶にな
っていると指摘されているためである。このため、現在
は、生活排水用の浄化槽として、総合生活排水を処理可
能な合併浄化槽の使用が義務づけられている。
【0006】一方、単独浄化槽は、既に約700万個が
設置されていると言われており、それを有効活用して総
合生活排水を処理可能な合併浄化槽に改良する試みがな
されている。例えば、単独浄化槽内に中空糸膜モジュー
ルや平膜モジュールを用いた浸漬型膜ろ過装置を配置
し、単独浄化槽による生活排水の処理能力を合併浄化槽
レベルに高める試みがなされている。
【0007】しかし、中空糸膜モジュールや平膜モジュ
ールは、総合生活排水(以下、被処理液という場合があ
る)中に全体が浸漬された状態でないと被処理液をろ過
処理することができない。このため、単独浄化槽内に中
空糸膜モジュールや平膜モジュールを用いた浸漬型膜ろ
過装置を組み込んだ場合、これらのモジュールが被処理
液中に浸漬された状態に維持されるよう、単独浄化槽内
における被処理液の貯留量を常に高めておく必要があ
る。ところが、単独浄化槽は、容量が小さいため、被処
理液の貯留量を常に高めておくと、浴槽の水を排水した
場合等、一時に大量の被処理液が流入した場合に被処理
液が溢れ出す可能性がある。これを防止するため、単独
浄化槽に流量調整槽を付加し、一時に大量に流入する被
処理液を当該流量調整槽で一時的に貯留することも考え
られるが、流量調整槽を設置するためのスペースが必要
であり、また、そのための工事費用が高額になるため、
実現は困難である。
【0008】一方、ほとんど未知の状態である管状ろ過
膜モジュールについては、単独浄化槽への適用について
特別な関心が向けられたことはなく、上述の文献等にお
いても発表事例がなかった。本発明者らの推測になる
が、その理由として、従来の膜モジュールに対するろ過
性能上の差異が不明瞭であるだけでなく、浸漬型膜ろ過
法が適用される多くの用途が夾雑物を大量に含むために
管状ろ過膜自身がこれらによって閉塞すると予想された
ことが考えられる。
【0009】しかしながら、科学的に管状ろ過膜モジュ
ールの特徴を推測すると、中空糸膜モジュールや平膜モ
ジュールに対する多くの利点が見出される。例えば、 1.すべての空気の流れを、クロスフローの平行流れを
大きくするために利用できる。 2.気泡と被処理液の通路が円筒形であるために、物質
移動係数が他のモジュール形態に比べて大きく、原理的
にフラックス(単位膜面積当たりのろ過流量)が大き
い。 3.膜自身が 気泡と被処理液の通路を構成するので、
モジュール構造がコンパクトになる。などである。
【0010】このように、管状ろ過膜モジュールは、中
空糸膜モジュールや平膜モジュールに比べて原理的に優
れているものと考えられるが、他のモジュール形態とは
異なり、1つの管状ろ過膜内に供給された(押し込まれ
た)気泡が他の管状ろ過膜に移動することはできないの
で、管状ろ過膜内に気泡が押し込まれないか、あるいは
その流量が小さい管状ろ過膜では、ろ過性能が低下す
る。したがって、管状ろ過膜モジュールでは、すべての
管状ろ過膜に、可能な限り均等に気泡を供給する必要が
ある。因みに、上記文献(特開平9−47639号公報
および特開平9−99223号公報)には、このような
管状ろ過膜モジュールに対して気泡を均等に分配するこ
との重要性や、その実現方法が一切述べられていないだ
けでなく、描かれた図面には、気泡の通路に障害物さえ
も存在している。
【0011】一方、管状ろ過膜モジュールにおいて、1
つの管状ろ過膜に押し込まれた気泡が別の管状ろ過膜に
移動することができないという短所は、見方を変える
と、他のモジュールには見られない長所になり得る。例
えば、管状ろ過膜内の被処理液は、管状ろ過膜内に気泡
が供給され続けている限り、たとえモジュールの一部が
被処理液から露出していても、当該空気泡の浮力により
必ず押し出され、ろ過が可能であることを意味してい
る。
【0012】本発明の目的は、総合生活排水からろ過膜
モジュールの一部が露出していても、総合生活排水を浄
化処理可能な浄化槽を実現することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の浄化槽は、総合
生活排水を浄化して浄化液を得るためのものであり、総
合生活排水を貯留するための容器と、内面に総合生活排
水のろ過機能を有する管状ろ過膜の複数本を含む管状ろ
過膜群が浄化液の排出口を有する筒状の収納容器内に収
容されかつその両端部で保持された、管状ろ過膜が上下
方向に開口するよう容器内に配置されたろ過膜モジュー
ルと、容器内においてろ過膜モジュールの下方に配置さ
れた、ろ過膜モジュールに向けて空気泡を供給するため
の空気泡供給装置と、上記排出口から延びかつ浄化液を
容器の外部に排出するための浄化液排出経路とを備えて
いる。ここで、容器は、ろ過膜モジュールの全体が総合
生活排水中に浸漬された状態と、ろ過膜モジュールの一
部が総合生活排水から露出した状態との間で、総合生活
排水の水位を変動させることができる。
【0014】この浄化槽において、ろ過膜モジュールの
下方からろ過膜モジュールに供給される空気泡は、総合
生活排水中を上昇し、ろ過膜モジュールの管状ろ過膜内
に供給される。この際、総合生活排水は、空気泡の浮力
によりろ過膜モジュールに向けて上昇し、空気泡と共に
管状ろ過膜内に供給される。管状ろ過膜内に供給された
総合生活排水は、続けて空気泡の浮力により管状ろ過膜
内を上昇し、その際、一部が管状ろ過膜の内側から外側
に通過して管状ろ過膜の内面でろ過される。管状ろ過膜
を通過した総合生活排水、すなわち浄化液(ろ過液)
は、収納容器の排出口から浄化液排出経路を通じて容器
の外部に排出される。
【0015】上述のような総合生活排水の浄化工程にお
いて、管状ろ過膜内に供給された空気泡は、他の管状ろ
過膜内に移行することなくそのまま当該管状ろ過膜内を
上昇するため、管状ろ過膜内に供給されかつ管状ろ過膜
を通過しない残余の総合生活排水は、そのまま空気泡と
共に管状ろ過膜内を上昇し、ろ過膜モジュールの上端部
から溢れ出る。このため、この浄化槽では、ろ過膜モジ
ュールの全体が総合生活排水中に浸漬された状態と、ろ
過膜モジュールの一部が総合生活排水から露出した状態
との間で、容器内に貯留する総合生活排水の水位を変動
させることができるので、容器内の総合生活排水量の多
少に拘わらず、総合生活排水を浄化することができる。
【0016】なお、この浄化槽において、容器は、例え
ば、総合生活排水を嫌気性活性汚泥を用いて浄化処理す
るための予備ろ過槽と、予備ろ過槽で浄化処理された総
合生活排水を好気性活性汚泥を用いてさらに浄化処理す
るための曝気槽とに区画されており、この場合、ろ過膜
モジュールは曝気槽内に配置されている。また、ろ過膜
モジュールにおいて用いられる管状ろ過膜の内径は、例
えば3〜15mmである。さらに、空気泡供給装置は、
例えば、管状ろ過膜の内径以上の大きさの空気泡をろ過
膜モジュールに向けて供給可能に設定されている。さら
に、この浄化槽は、必要に応じて、浄化液排出経路内の
浄化液を排出口を通じて収納容器内に加圧しながら逆流
させるための逆洗装置をさらに備えている。
【0017】
【発明の実施の形態】図1に、本発明の実施の一形態に
係る浄化槽の概略構成を示す。図において、浄化槽1
は、既設の単独浄化槽を改造したものであり、容器2と
ろ過装置3とを主に備えている。
【0018】容器2は、所謂五人槽と呼ばれる、現在で
は法律によって製造が禁止されている単独浄化槽(家庭
用の小型浄化槽)であり、内部が隔壁500により沈殿
分離室501(予備ろ過槽の一例)と曝気室502(曝
気槽の一例)とに区画されている。沈殿分離室501に
は、総合生活排水の流入口503とマンホール504と
が設けられており、また、総合生活排水を生物学的に浄
化処理するための嫌気性活性汚泥が投入されている。こ
のため、総合生活排水は、沈殿分離室501において硝
酸性窒素成分が脱窒処理される。また、沈殿分離室50
1内には、総合生活排水中に含まれる浮遊物を除去する
ためのろ材層505が配置されている。ろ材層505の
近傍には、沈殿分離室501と曝気室502とを連絡す
る連通孔506が配置されており、沈殿分離室501内
で脱窒処理された総合生活排水は、この連通孔506を
通じて曝気室502内に供給可能に設定されている。曝
気室502内には、好気性活性汚泥が投入されており、
総合生活排水は生物学的に脱BOD処理されて好気性活
性汚泥処理液となる。また、曝気室502から沈殿分離
室501にかけて、エアリフトポンプ507が配置され
ている。このエアリフトポンプ507は、曝気室502
内の嫌気性活性汚泥を沈殿分離室501に返送するため
のものであり、その圧力源として後述する空気発生装置
509からの空気を利用している。曝気室502には、
マンホール508が設けられている。
【0019】なお、通常の単独浄化槽では、曝気室50
2部分が仕切りによりさらに2つに区画されており、曝
気室502の次に、好気性活性汚泥処理液から上澄み液
を分離して放流するための沈殿室が設けられている。し
かし、ろ過装置3のろ過液を放流する場合には沈殿室は
不要であるから、この容器2では、当該仕切りが取り除
かれ、全体として曝気室502を構成している。
【0020】ろ過装置3は、主として曝気室502内に
収容されており、図2に示すように、ろ過膜モジュール
4、案内筒5、空気泡供給装置6、ろ過液排出装置7お
よび逆洗装置8を主に備えている。以下、このろ過装置
3によりろ過処理される総合生活排水(好気性活性汚泥
処理液)を被処理液という場合がある。
【0021】ろ過膜モジュール4は、図3(ろ過膜モジ
ュール4の縦断面図)に示すように、円筒状の収納容器
10と、この収納容器10内に充填された管状ろ過膜群
11とを主に備えている。収納容器10は、例えば樹脂
製の部材であり、その側面には、被処理液をろ過処理し
て得られるろ過液(浄化液)を排出するための排出口1
2が形成されている。また、収納容器10の内周面にお
いて、その上部および下部には、管状ろ過膜群11と収
納容器10の内周面との間に隙間を設けるためのスペー
サー13が中心方向に向けて突出している。
【0022】スペーサー13は、収納容器10の内周面
側が細くかつ収納容器10の中心側が太く設定された、
概ね楔状に形成されており、また、図4(ろ過膜モジュ
ール4の、図3のIV−IV断面に相当する図)、図5
(図4のV矢視図)および図6(図5のVI−VI断面
図)に示すように、収納容器10の円周方向において概
ね等間隔に形成された複数のスリット13aを有してい
る。なお、収納容器10の上部および下部にそれぞれ設
けられたスペーサー13,13は、収納容器10の内周
面からの突出量が同じに設定されている。
【0023】また、各スペーサー13は、スペーサー1
3を有する部分における収納容器10の軸線方向に垂直
な断面(スペーサー13の上下方向中央部における断
面、すなわち図3のiii−iii部分の断面)における収納
容器10の内部の断面積(図4に網掛け線で示した部分
の面積に相当)に占める、その断面積の割合が3〜10
%になるよう設定されているのが好ましい。この割合が
3%未満の場合は、収納容器10の内周面、特に排出口
12と管状ろ過膜群11との間に隙間が形成されにくく
なる結果、収納容器10内において、後述する管状ろ過
膜11aを通過してろ過処理された被処理液(ろ過液)
の流動性が低下し、ろ過流量が低下するおそれがある。
一方、この割合が10%を超える場合は、収納容器10
内において管状ろ過膜群11の占める割合が小さくなる
ため、被処理液のろ過効率が低下するおそれがある。
【0024】管状ろ過膜群11は、細長な円筒状に形成
された管状ろ過膜11aの多数本を含む群であり、各管
状ろ過膜11aは、後述する突起22により互いに密着
するのを防止されながら(すなわち、互いに間隔を設け
ながら)、収納容器10の開口方向に沿って互いに平行
に密に集合している。このような管状ろ過膜群11の上
端部および下端部は、それぞれウレタン樹脂などの樹脂
材料を用いて形成された保持部10aにより、各管状ろ
過膜11aの開放状態を維持しつつ収納容器10に対し
て一体的に保持されると共に固定されている。この結
果、収納容器10の両端部は、当該保持部10aにより
液密に閉鎖されることになる。
【0025】上述の管状ろ過膜群11を構成する管状ろ
過膜11aは、図7に示すような円筒状に形成されてお
り、図8(図7のVIII−VIII断面端面図)に示
すように、内周面側から外周面側に向けて順にろ過膜層
20および支持膜層21を備えた2層構造を有してい
る。
【0026】ろ過膜層20の種類は、被処理液から除去
すべきろ別成分の種類に応じて適宜選択することがで
き、特に限定されるものではないが、例えば微生物など
の微粒子を除去する必要がある場合は精密ろ過膜が用い
られる。精密ろ過膜は、例えばJIS K 3802で
は「0.01〜数μm程度の微粒子および微生物をろ過
によって分離するために用いる膜」と定義されている
が、ここでは、20kPa以下の圧力で実用的なろ過が
可能な、孔径が0.04μmよりも大きい微孔を多数有
する多孔膜を用いるのが好ましい。因みに、このような
精密ろ過膜は、種類が特に限定されるものではなく、公
知の各種のもの、例えばセルロース膜やポリオレフィン
系樹脂膜などの有機高分子膜を用いることができる。
【0027】支持膜層21は、上述のろ過膜層20に対
して形状保持性を付与し、ろ過膜層20を円筒状に設定
するためのものである。このような支持膜層21は、通
液性を有する多孔質材料であれば各種のものを用いるこ
とができるが、通常は、腰の強さ、優れた強度、優れた
耐薬品性、高い耐熱性および経済性を備えたポリプロピ
レン樹脂製あるいはポリエステル樹脂製の不織布を用い
るのが好ましく、特にポリエステル樹脂製の不織布を用
いるのが好ましい。
【0028】また、管状ろ過膜11aは、図7に示すよ
うに、外周面、即ち、支持膜層21の外周面に、ろ過膜
層20の軸線を中心とする螺旋状に連続的に形成された
突起22を有している。この突起22は、管状ろ過膜群
11において、管状ろ過膜11a同士が密着するのを防
止し、収納容器10内において各管状ろ過膜11aを通
過してろ過処理された被処理液(ろ過液)の流動性を高
めるためのものである。
【0029】例えば、突起22の高さを0.05mmに
設定した場合、管状ろ過膜11aの有効長が例えば70
cmならば、隣接し合う2本の管状ろ過膜11aの間に
は、少なくとも0.005×70=0.35cm2の面
積が確保されることになる。したがって、このような間
隙が管状ろ過膜群11内に多数存在すれば、収納容器1
0内においてろ過液の流れに対する抵抗は著しく軽減す
ることになり、ろ過液の流動性が著しく高まることにな
る。
【0030】上述のような管状ろ過膜11aは、通常、
内径(図8のX)が3〜15mmに設定されているのが
好ましく、5〜10mmに設定されているのがより好ま
しい。内径が3mm未満の場合は、被処理液、特に、高
汚濁の被処理液をろ過する際において、被処理液中に含
まれる各種のろ別成分や夾雑物により管状ろ過膜11a
が閉塞し易くなり、ろ過処理を長期間安定に継続するの
が困難になるおそれがある。また、管状ろ過膜11aの
中を通過する被処理液の圧力損失が空気泡供給装置6か
らの空気泡の浮力に対して相対的に大きくなるため、管
状ろ過膜11a中を通過する被処理液の流速が小さくな
る可能性があり、結果的に被処理液が管状ろ過膜11a
によりろ過されにくくなる場合がある。逆に、内径が1
5mmを超える場合は、容積の限られた収納容器10内
に充填可能な管状ろ過膜群11に含まれる管状ろ過膜1
1aの本数が減少することになるため、ろ過膜モジュー
ル4の単位容積当りのろ過面積(有効膜面積)が小さく
なる。その結果、ろ過流量が低下することになるので、
ろ過膜モジュール4のコンパクト化を図りながら被処理
液の効率的なろ過処理を実施するのが困難になるおそれ
がある。また、空気泡供給装置6から供給される空気泡
の大きさが管状ろ過膜11aの内径に比べて小さくなり
やすいため、後述するようなろ過膜モジュール4の一部
が被処理液から露出している場合において、空気泡が管
状ろ過膜11a内の被処理液を上昇させるのが困難にな
り、結果的にそのような場合においてろ過処理の継続が
困難になる可能性がある。
【0031】また、管状ろ過膜11aは、肉厚(A)と
外径(B)との比(A/B)が0.025〜0.1に設
定されているのが好ましく、0.03〜0.1に設定さ
れているのがより好ましい。なお、ここで言う管状ろ過
膜11aの肉厚および外径は、上述の突起22の厚さ
(高さ)を含んでいる。この比が0.025未満の場合
は、管状ろ過膜11aに対して外側から圧力を加えた場
合、管状ろ過膜11aが潰れやすくなる。この結果、被
処理液のろ過工程において管状ろ過膜11aの内周面に
堆積するろ別成分などからなるケーク層を排除するため
に、管状ろ過膜11aに対して外側から圧力を加えて逆
洗操作を実施する場合には、管状ろ過膜11aが潰れて
しまい、管状ろ過膜11aを逆洗するのが実質的に困難
になる。なお、20kPa以上の耐圧性を達成するため
には、この比を0.03以上に設定するのが好ましい。
一方、この比が0.1を超える場合は、ろ過膜モジュー
ル4の単位容積当りのろ過面積(有効膜面積)が小さく
なる。その結果、ろ過流量が低下することになるため、
ろ過膜モジュール4のコンパクト化を図りながら被処理
液の効率的なろ過処理を実施するのが困難になるおそれ
がある。
【0032】肉厚と外径との比を上述のように規定すれ
ば、管状ろ過膜11aは逆洗に耐えられる潰れ圧に設定
できる。特に、この比が0.03以上の場合、管状ろ過
膜11aの潰れ圧は、浸漬型膜ろ過方式において通常設
定されるろ過圧の上限である20kPa以上、即ち少な
くとも20kPaに設定され得る。なお、ここで言う
「潰れ圧」とは、管状ろ過膜11aの外側(すなわち、
支持膜層21側)から内側に向けて圧力を加えた場合に
おいて、管状ろ過膜11aが押し潰され始めるときの圧
力をいう。
【0033】因みに、管状ろ過膜11aの潰れ圧は、肉
厚と外径との比の3乗に比例するため(例えば、小栗冨
士雄著「機械設計図表便覧」、9−2、共立出版株式会
社参照)、当該比を大きく設定するに従って大きくなる
ことになる。
【0034】また、突起22の高さは、通常、0.02
〜0.2mmに設定されているのが好ましい。突起22
の高さが0.02mm未満の場合は、管状ろ過膜群11
において管状ろ過膜11a同士が密着し易くなり、結果
的にろ過液の流動性を高めるのが困難になるおそれがあ
る。一方、0.2mmを超える場合は、管状ろ過膜群1
1に含まれる管状ろ過膜11aの本数、すなわち、ろ過
膜モジュール4の収納容器10内に充填可能な管状ろ過
膜11aの本数が減少することになるため、ろ過膜モジ
ュール4の単位容積当りのろ過面積が小さくなる。その
結果、ろ過流量が低下することになるため、ろ過膜モジ
ュール4のコンパクト化を図りながら被処理液の効率的
なろ過処理を実施するのが困難になるおそれがある。な
お、ここで言う突起22の高さとは、支持膜層21の表
面からの突出量をいう。
【0035】因みに、突起22の高さは、被処理液がろ
過流量の比較的小さい好気性活性汚泥処理液であるた
め、ろ過面積を確保する観点から低めに設定するのが好
ましい。なお、突起22の高さが上述の範囲内であれ
ば、ろ過膜モジュール4が100m2程度の膜面積を有
する大型の場合であっても、殆どの被処理液について、
突起22により管状ろ過膜11a間に形成される隙間は
ろ過液の流れに対する大きな抵抗になり難い。
【0036】次に、図9を参照しつつ、上述の管状ろ過
膜11aの製造方法の一例を説明する。先ず、支持膜層
21上にろ過膜層20が一体的に積層された、長尺短冊
状(テープ状)の複合膜23を用意する。そして、この
複合膜23を、図9に示すように、別途用意した円柱状
の心棒24に対し、支持膜層21側が表側になるように
幅方向の両端部23aを重ね合わせながら螺旋状に巻き
つける。この状態で重ね合わされた両端部23a同士を
接着剤、あるいは超音波溶着法により接着すると、目的
とする管状ろ過膜11aを得ることができる。なお、こ
のような管状ろ過膜11aの製造方法は、例えば特公昭
56−35483号において既に公知である。
【0037】このような管状ろ過膜11aの製造工程に
おいて、重ね合わされた複合膜23の両端部23aは、
上述の螺旋状の突起22を形成することになる。ここ
で、複合膜23の重なり具合や接着方法を適宜調節する
と、突起22の高さを上述の範囲に設定することができ
る。
【0038】次に、図10および図11を参照して、上
述のろ過膜モジュール4の製造方法を説明する。このろ
過膜モジュール4は、平膜や中空糸膜の取り扱いに細心
の注意が要求され、しかも多くの製造工程を要する平膜
モジュールや中空糸膜モジュールに比べ、簡単な工程に
より容易に製造することができる。先ず、多数本の管状
ろ過膜11aを束ね、管状ろ過膜群11を形成する。ま
た、収納容器10を用意し、図10に示すように、この
収納容器10内に管状ろ過膜群11を挿入して収納容器
10と管状ろ過膜群11との組合せ体30を形成する。
この組合せ体30では、管状ろ過膜群11の両端部が収
納容器10の両端部から突出するように設定する。ま
た、管状ろ過膜群11を構成する管状ろ過膜11aの両
端部は、例えばヒートシールにより閉鎖しておく。
【0039】次に、図11に示すように、上述の組合せ
体30の一端を、未硬化ウレタン樹脂などの未硬化の樹
脂31aを入れたモールド31内に浸漬する。ここで、
未硬化の樹脂31aは、管状ろ過膜群11を構成する管
状ろ過膜11a間に充填されると共に、スペーサー13
に設けられたスリット13aを通じて収納容器10の内
周面にも均一に到達し、収納容器10の開口部分を完全
に閉鎖することになる。この状態で樹脂31aを完全に
硬化させた後、モールド31を取り払い、組合せ体30
の他端についても同様の操作を実施する。これにより、
管状ろ過膜群11は、収納容器10に対して保持、固定
されることになる。
【0040】次に、収納容器10の両端部から突出して
いる硬化樹脂と管状ろ過膜11aとを切り落とすと、残
余の樹脂部分が保持部10aを形成し、目的とするろ過
膜モジュール4が得られる。このろ過膜モジュール4に
おいて、収納容器10の両端部は、各管状ろ過膜11a
の両端部を除き、硬化した樹脂、すなわち保持部10a
により液密に閉鎖されることになる。この保持部10a
は、収納容器10のスペーサー13が上述のような楔状
に形成されているため、収納容器10の内周面に対して
強力に固定されやすく、管状ろ過膜群11を収納容器1
0に対して安定に保持、固定することになる。
【0041】なお、保持部10aを形成するための材料
としては、上述のようなウレタン樹脂の他に、エポキシ
樹脂などの他の熱硬化性樹脂やホットメルト接着材を用
いることもできる。但し、大型のろ過膜モジュール4を
製造する場合、樹脂材料は、使用量を多く設定する必要
があるため、過剰な発熱を抑制する理由および硬化収縮
を抑制する理由から、反応速度が比較的遅く、弾性率が
比較的小さなものを用いるのが好ましい。なお、ホット
メルト接着材は、上述の製造工程において切り落とした
ものから回収して再利用することもできる。この点にお
いても、ホットメルト接着材が比較的高粘度であるがた
めに、ホットメルト接着材の利用が困難な中空糸膜モジ
ュールに比べ、ろ過膜モジュール4は有利である。
【0042】なお、ろ過膜モジュール4に関する図3等
では、理解の便のため、管状ろ過膜11aの太さ、管状
ろ過膜11a間の隙間および管状ろ過膜11aと収納容
器10の内周面との隙間等を強調している。また、図面
を理解し易くするため、図3では、管状ろ過膜11aの
本数を少なめに表現し、また、図4においては管状ろ過
膜11aの一部のみ表示している。
【0043】案内筒5は、図1および図2に示すよう
に、管状ろ過膜11aが上下方向に開口するよう起立し
た状態でろ過膜モジュール4を曝気室502内で支持し
ている。案内筒5は、樹脂製の円筒状の部材であり、そ
の軸方向に垂直な断面における内周形状が、収納容器1
0の軸方向に垂直な断面における外周部分の内周形状と
実質的に同じ大きさの同形状に設定されている。すなわ
ち、案内筒5は、収納容器10と内径および外径が同じ
に設定されている。
【0044】案内筒5の下縁には、図12に示すよう
に、脚50が取付けられたフランジ51が設けられてい
る。そして、案内筒5は、脚50により曝気室502の
底部に配置されており、その状態で上部にろ過膜モジュ
ール4が配置されている。ここで、案内筒5とろ過膜モ
ジュール4とは、筒状のソケット52(図2)を用いて
接続されている。なお、ソケット52は、案内筒5とろ
過膜モジュール4とを接続すると共に、空気泡供給装置
6からの空気泡の漏れ出しを防止するためのものであ
る。ろ過膜モジュール4は、このような案内筒5を用い
て支持されている結果、曝気室502の底部から離れて
位置している。
【0045】空気泡供給装置6は、好気性活性汚泥の活
性を高めるための空気を曝気室502内の被処理液に対
して供給すると共に、ろ過膜モジュール4に対して空気
泡を供給するためのものであり、図1および図2に示す
ように、曝気室502内において、ろ過膜モジュール4
の下方であって案内筒5内に配置されている。
【0046】図12および図13を参照して、空気泡供
給装置6を詳細に説明する。空気泡供給装置6は、第1
パイプ61、第2パイプ62および4本の分岐パイプ6
3、64、65、66を主に有している。第1パイプ6
1は、案内筒5を貫通しかつ案内筒5の内部においてそ
の中心部を通過するよう水平に配置されている。そし
て、その一端は、案内筒5の外部において、キャップ6
7により気密に閉鎖されている。また、第2パイプ62
は、第1パイプ61と直交するよう水平に組み合わされ
ており、両端部がそれぞれ案内筒5の壁面を貫通してキ
ャップ67により気密に閉鎖されている。なお、第1パ
イプ61と第2パイプ62との交点は、案内筒5の中心
と一致している。さらに、4本の分岐パイプ63、6
4、65、66は、第1パイプ61と平行にかつ水平
に、第2パイプ62に対して組み合わされており、第1
パイプ61の両側に2本づつ配分されている。分岐パイ
プ64、63は、第1パイプ61から等間隔毎に配置さ
れている。分岐パイプ65、66についても同様であ
る。したがって、第1パイプ61および4本の分岐パイ
プ63、64、65、66は、等間隔に配列されている
ことになる。また、各分岐パイプ63、64、65、6
6は、それぞれ両端部が案内筒5の内周面近傍に向けて
延びており、図示しないキャップにより気密に閉鎖され
ている。
【0047】上述のようにして組み合わされた第1パイ
プ61と第2パイプ62とは、交点において連絡してお
り、また、4本の分岐パイプ63、64、65、66の
それぞれは、第2パイプ62との交点において、当該第
2パイプ62と連絡している。これにより、第1パイプ
61、第2パイプ62および4本の分岐パイプ63、6
4、65、66は、一連の空気流路を形成している。
【0048】また、第1パイプ61、第2パイプ62お
よび4本の分岐パイプ63、64、65、66は、空気
を泡状にして噴出するための複数の空気泡噴出孔68を
有している(図13では、一例として19個の空気泡噴
出孔68を示している)。これらの空気泡噴出孔68
は、それぞれ曝気室502の底面に向けて開口してお
り、また、図13に示すように、案内筒5の軸方向に垂
直な断面の内側(案内筒5の内側の水平面)において、
ろ過膜モジュール4の各管状ろ過膜11aに対して均等
に空気泡を供給することができるよう、最密充填配置パ
ターンで配置されている。すなわち、各空気泡噴出孔6
8は、図13に一点鎖線で示すような多数の正三角形の
各頂点に位置するよう、案内筒5の内側の水平面におい
て、均等な間隔を設けながら分散して配置されている。
【0049】なお、上述の空気泡供給装置6を形成する
各パイプ61〜66の材質は、空気泡噴出孔68から発
生する空気泡の上昇流によって生じる被処理液の循環流
を妨げないものであれば特に限定されるものではない
が、通常は、経済性、加工性および案内筒5に対する装
着の容易性などの点において、プラスチック製の円筒状
パイプを用いるのが好ましい。
【0050】この空気泡供給装置6の第1パイプ61に
は、図1に示すように、容器2の外部に配置されたエア
コンプレッサーなどの空気発生装置509から延びる第
1空気供給路511が接続している。そして、各空気泡
噴出孔68は、第1空気供給路511から空気泡供給装
置6に供給される空気を泡状(空気泡)にして被処理液
中に噴出可能に設定されている。
【0051】なお、空気泡供給装置6は、空気泡噴出孔
68から発生する空気泡の大きさが、通常、ろ過膜モジ
ュール4において用いられる管状ろ過膜11aの内径以
上になるよう設定されているのが好ましい。空気泡の大
きさが管状ろ過膜11aの内径より著しく小さい場合
は、後述するようなろ過膜モジュール4の一部が被処理
液から露出している場合において、空気泡が管状ろ過膜
11a内の被処理液を上昇させるのが困難になり、結果
的にそのような場合においては被処理液のろ過処理の継
続が困難になる可能性がある。
【0052】ろ過液排出装置7は、ろ過膜モジュール4
においてろ過処理された被処理液、すなわちろ過液(浄
化液)を容器2の外部に排出するためのものであり、図
2に示すように、ろ過膜モジュール4の排出口12から
延びるろ過液排出経路70(浄化液排出経路の一例)を
有している。ろ過液排出経路70は、ろ過膜モジュール
4の排出口12から延びる第1排出経路71と、逆洗装
置8の一部を介して第1排出経路71に接続する第2排
出経路72とを有している。第2排出経路72は、容器
2の外部に延びており、その途中に吸引ポンプ73を有
している。吸引ポンプ73は、容器2内に配置されてい
る。この吸引ポンプ73は、自給力がないポンプであ
り、ろ過膜モジュール4の上端よりも下方に配置されて
いる。因みに、吸引ポンプ73として自給式のものを用
いる場合、当該吸水ポンプ73は、ろ過膜モジュール4
の上端よりも高い位置に配置することができる。
【0053】第2排出経路72には、図1に示すよう
に、第1空気供給路511から分岐する第2空気供給路
512が接続している。この第2空気供給路512は、
第1電磁弁513を有している。また、第2排出経路7
2は、第2空気供給路512との接続部と吸引ポンプ7
3との間に、第2電磁弁74を有している(図2)。
【0054】逆洗装置8は、ろ過液排出経路70の途
中、すなわち、第1排出経路71と第2排出経路72と
の間に設けられた逆流量設定装置、すなわち定量フロー
ト弁80を有している。定量フロート弁80は、図14
に示すように、フロート弁部81および液量設定パイプ
82を主に備えている。フロート弁部81は、図15に
示すように、フロート受け83とフロート84とを備え
ている。フロート受け83は、軸線方向にろ過液の通路
83aが形成された筒状の部材であり、通路83aの上
端部に外方向に向けて拡大するテーパー部83bを有し
ている。また、通路83aの下端部は、中心部に開口8
3cを有するネット状に形成されている。一方、フロー
ト84は、ろ過液中で浮揚可能でありかつ上述のテーパ
ー部83bに当接した場合に通路83aを閉鎖可能な球
状に形成されており、下方に延びるポリエステル樹脂製
のフィラメント85が装着されている。フィラメント8
5は、開口83cを通じてフロート受け83の下方に延
びており、下端部に浮き止め86を有している。
【0055】上述のフロート弁部41は、図14に示す
ように、フロート受け83の下端部がソケット87を用
いてろ過液排出経路70の第1排出経路71の先端に接
続されている。液量設定パイプ82は、定量フロート弁
80内に存在するろ過液の容量を調節するためのもので
あり、ソケット88を用いてフロート弁部81に接続さ
れているとともに、ソケット89を用いて第2排出経路
72に接続されている。この結果、定量フロート弁80
は、第2空気供給路512を通じて空気発生装置509
に接続されていることになる。これにより、第2空気供
給路512は、空気発生装置509からの空気をろ過液
排出経路70に加えるための加圧装置を構成し、定量フ
ロート弁80と共に逆洗装置8を構成している。
【0056】上述のようなろ過装置3では、図示しない
タイマーに従って作動する第1電磁弁513および第2
電磁弁74が自動的に開閉するように設定されている。
より具体的には、第1電磁弁513が閉鎖状態のとき、
第2電磁弁74が開放状態になり、また、第1電磁弁5
13が開放状態のとき、第2電磁弁74が閉鎖状態にな
るよう、第1電磁弁513および第2電磁弁74は連動
する。
【0057】また、曝気室502には、ろ過膜モジュー
ル4と案内筒5との連結部分よりも上方において、液面
センサー520が配置されている。この液面センサー5
20は、吸引ポンプ73に連絡しており、曝気室502
内の被処理液の液面を検知したときに、吸引ポンプ73
を停止するよう設定されている。
【0058】なお、ろ過膜モジュール4をはじめとす
る、ろ過装置3を構成する各部材は、最大径がマンホー
ル508の内径よりも小さく設定されており、マンホー
ル508を通じて曝気室502の内部に収容可能に設定
されている。
【0059】次に、図1を参照して、上述の浄化槽1に
よる総合生活排水の処理について説明する。流入口50
3より容器2内に流入する総合生活排水は、沈殿分離室
501に貯留される。この沈殿分離室501では、総合
生活排水が脱窒処理されるとともに、総合生活排水中に
含まれる各種の夾雑物を沈殿分離室501の底部に沈殿
させる。また、総合生活排水中に含まれる浮遊物は、総
合生活排水がろ材層505を通過する際に除去される。
このようにして予備ろ過された総合生活排水は、連通孔
506を通じて曝気室502内に移動する。
【0060】ここで、容器2内における水位は、通常、
沈殿分離室501と曝気室502とで同じであるが、沈
殿分離室501側では図1に示すl1(下限)とl2(上
限)との範囲内になるよう設定し、曝気室502側では
図1に示すl3(下限)とl4(上限)との範囲内になる
よう設定することができる。ここで、沈殿分離室501
側の上限水位l2と曝気室502側の上限水位l4とは同
一であり、ろ過膜モジュール4の上方に設定されてい
る。一方、曝気室502側の下限水位l3は、液面セン
サー520が配置されている位置であり、沈殿分離室5
01側の下限水位l1よりも低い位置に設定することも
可能である。これにより、ろ過膜モジュール4は、全体
が被処理液中に浸漬された状態と、一部が被処理液から
露出した状態との間で使用されることになる。
【0061】ろ過装置3において、空気発生装置509
からの空気は、第1空気供給路511を通じて空気泡供
給装置6に供給される。空気泡供給装置6に供給された
空気は、空気泡噴出孔68から空気泡となって噴出し、
曝気室502内に貯留された総合生活排水を攪拌する。
この結果、総合生活排水中の好気性活性汚泥が活性化さ
れ、総合生活排水は、当該好気性活性汚泥により脱BO
D処理による浄化処理が施される。
【0062】一方、空気泡供給装置6の空気泡噴出孔6
8からの空気泡は、案内筒5により案内されながら被処
理液中を上昇し、ろ過膜モジュール4に含まれる各管状
ろ過膜11aに対して略均等に供給される。
【0063】このようにしてろ過膜モジュール4に対し
て供給される空気泡の浮力により、曝気室502内に貯
留された被処理液は、図3に矢印で示すように、各管状
ろ過膜11a内を下側から上側に向けて押し上げられ
る。この際、吸引ポンプ73の作動によりろ過液排出経
路70が負圧になるため、被処理液の一部は、管状ろ過
膜11aを内側から外側に通過してろ過され、また、被
処理液中に含まれるろ別成分は、管状ろ過膜11aの内
周面を構成するろ過膜層20により捕捉されて被処理液
から取り除かれる。ろ別成分が取り除かれた被処理液、
すなわちろ過液は、収納容器10内において管状ろ過膜
11a間の隙間を通過し、排出口12からろ過液排出経
路70内に排出される。ろ過液排出経路70内に排出さ
れたろ過液は、第1排出経路71、逆洗装置8の定量フ
ロート弁80および第2排出経路72を通過して、連続
的に容器2の外部に排出される。
【0064】この際、定量フロート弁80において、フ
ロート84は、浮き止め86と共に通過中のろ過液によ
り浮揚して通路83aを開放状態に設定するが、浮き止
め86が通路83aの下端部に当接するため、フロート
受け83から一定距離以上に離れるのが防止される。
【0065】以上の結果、曝気室502内に貯留された
被処理液は、図1および図2に矢印で示すように、ろ過
膜モジュール4を下側から上側方向に通過して自然に循
環し、ろ過膜モジュール4によりろ過されることにな
る。
【0066】なお、上述のようなろ過工程において、各
管状ろ過膜11aは、上述のように外周面に突起22を
有しているため、ろ過膜モジュール4内において、隣接
する管状ろ過膜11aと密着しにくく、管状ろ過膜11
a間にろ過液を流通させるための効果的な隙間を形成す
る。したがって、この管状ろ過膜11aを備えたろ過膜
モジュール4は、収納容器10内におけるろ過液の流動
性を高めることができ、ろ過液を滞りなく排出口12か
ら排出しやすい。
【0067】また、上述のろ過工程において、空気泡供
給装置6からろ過膜モジュール4に供給される空気泡
は、案内筒5内を上昇した後に次々と管状ろ過膜11a
内に押し込まれる。このため、曝気槽502内の被処理
液は、液面がろ過膜モジュール4の下端よりも上にある
限り(例えば、液面センサー520により設定される下
限水位l3以上である限り)、管状ろ過膜11a内に供
給される空気泡の浮力によって管状ろ過膜11a内を上
昇し、ろ過膜モジュール4の上端からオーバーフローす
る。したがって、このろ過工程では、ろ過膜モジュール
4の一部が被処理液から露出していても、空気泡による
クロスフローが維持され得る。換言すると、ろ過装置3
は、曝気室502内における被処理液の液面が上述のよ
うに変動する場合、ろ過膜モジュール4の一部(例えば
半分以上)が被処理液から露出していても、空気泡供給
装置6からの空気泡がろ過膜モジュール4に向けて供給
され続けている限り、被処理液のろ過処理を実施するこ
とができる。
【0068】このため、この浄化槽1では、曝気室50
2内での被処理液の液面を上述の範囲で変動させなが
ら、被処理液をろ過することができる。この結果、この
浄化槽1では、曝気室502内に、ろ過膜モジュール4
の全体が被処理液中に浸漬された状態になる程度に被処
理液を継続的に貯留しておく必要がなく、総合生活排水
の流入量が少ない間は、液面を下限水位l1,l3に設定
して、ろ過膜モジュール4を露出した状態にすることが
できる。したがって、この浄化槽1は、一時的な大量の
総合生活排水の流入(例えば、多くの家庭において1日
の排水量の6〜7割程度が集中的に排水される夕食時か
ら風呂の水抜き時の時間帯における流入)を、上限水位
と下限水位との間で吸収することができる。なお、容器
2が上述の所謂五人槽と呼ばれる小型の単独浄化槽の場
合、沈殿分離室501および曝気室502における液面
を上述の下限水位l1,l3に設定しておくと、一時的に
500l程度の総合生活排水が流入した場合も、マンホ
ール504、508から総合生活排水を溢れさせること
無く、安定的に総合生活排水の浄化処理を実施すること
ができる。この容量は、全体の容積が単独浄化槽の2〜
3倍である合併浄化槽の調整可能容量に匹敵する。
【0069】因みに、ろ過膜モジュール4の一部が被処
理液から露出している場合、ろ過膜モジュール4の全長
をL、ろ過膜モジュール4の上端から被処理液の液面l
までの距離(すなわち、ろ過膜モジュール4の露出部分
の長さ)をΔLとした場合(図2参照)、液面lからΔ
Lの露出部分にある管状ろ過膜11a中の被処理液の重
力は浮力に抗するので、ΔLが大きくなるとともに管状
ろ過膜11a内における空気泡と被処理液との上昇速度
は小さくなる。例えばΔL/L値が60%になると、当
該値が0%のときの約40%まで上昇速度は低下する。
しかし、その場合におけるろ過膜モジュール4のろ過流
量は、後述するように、上昇速度のおよそ1/3に比例
するので、ろ過膜モジュール4が被処理液中に完全に浸
漬されている状態でろ過処理を実施している場合の少な
くとも70%、通常は約75%に維持され得る。したが
って、この浄化槽1は、曝気室502における被処理液
の液面を上述の範囲で変動させながら、しかもろ過流量
を著しく低下させることなく、ろ過装置3による被処理
液のろ過処理を効率的に実施することができる。
【0070】上述のようなろ過工程において、タイマー
が作動して第1電磁弁513が開放状態に設定される
と、第2電磁弁74が閉鎖状態に設定される。この結
果、空気発生装置509からの空気は、第2空気供給路
512および第2排出経路72を通じて定量フロート弁
80に到達する。定量フロート弁80に到達した空気
は、定量フロート弁80内のろ過液に対して排出口12
方向の空気圧を加え、そのろ過液を第1排出経路71方
向に押し出す。これにより、第2排出経路72内、定量
フロート弁80内および第1排出経路71内のろ過液
は、排出口12からろ過膜モジュール4内に逆流し、第
2排出経路72内に供給される空気の空気圧に相当する
圧力で各管状ろ過膜11aを外側から内側に向けて通過
する。これにより、各管状ろ過膜11aは、内周面に堆
積したろ別成分による堆積層(ケーク層)が取り除か
れ、洗浄されることになる。
【0071】上述のような逆洗工程において、定量フロ
ート弁80では、液量設定パイプ82内のろ過液が押し
出されると、フロート84が自重によりフロート受け8
3のテーパー部83bに当接し、通路83aを閉鎖す
る。このため、排出口12からろ過膜モジュール4内に
逆流するろ過液の量は、実質的に定量フロート弁80お
よび第1排出経路71の容積により規定された量に限定
される。したがって、逆洗用に用いられるろ過液の量
は、定量フロート弁80の容積、特にその液量設定パイ
プ82の容積を調節すると任意に設定することができ
る。
【0072】なお、上述の逆洗工程において、第2排出
経路72内に供給する空気の空気圧は、吸引ポンプ73
の吸引力に基づくろ過圧以上に設定するのが好ましい。
この空気圧が当該ろ過圧未満の場合は、管状ろ過膜11
aの洗浄が不十分になり、管状ろ過膜11aのろ過性能
が回復しにくい場合がある。
【0073】因みに、管状ろ過膜11aは、上述のよう
に潰れ圧が大きいため(例えば、少なくとも潰れ圧が2
0kPaに設定されているため)、上述のような逆洗操
作時の加圧力により押し潰されてしまうことがなく、逆
洗処理後も形状を維持し、引き続き上述のようなろ過工
程に適用することができる。したがって、ろ過装置3
は、上述のような逆洗工程の後、引き続きろ過処理を継
続することができる。
【0074】上述の逆洗工程の後、タイマーが作動して
第1電磁弁513が閉鎖状態に設定されると、第2電磁
弁74が開放状態に設定される。これにより、ろ過装置
3では、上述のようなろ過処理が再度実施されることに
なる。このように、浄化槽1では、管状ろ過膜11aを
洗浄するための逆洗工程を適宜実施することもできるた
め、ろ過膜モジュール4を交換しなくても管状ろ過膜1
1aのろ過性能、特に高フラックス特性を長期間良好に
維持することができ、被処理液のろ過処理を長期間に渡
って効率的に継続することができる。
【0075】また、浄化槽1は、空気発生装置509を
空気泡供給装置6および逆洗装置8用の空気発生源とし
て共用しているので、全体として小型に構成することが
でき、しかも経済的にろ過工程および逆洗工程を実施す
ることができる。
【0076】なお、上述のろ過装置3において用いられ
るろ過膜モジュール4は、後述するように、これまでの
平膜モジュールや中空糸膜モジュールよりもろ過流量、
特にフラックスが大きく、平膜モジュールや中空糸膜モ
ジュールに比べて小型に構成することができる。このた
め、ろ過装置3は、単独浄化槽のような小型浄化槽に対
して容易に組み込むことができ、また、既存の単独浄化
槽に対して組み込むと、その浄化能力を合併浄化槽レベ
ルに高めることができる。
【0077】ここで、ろ過膜モジュール4のろ過流量を
解析的に説明する。従来の技術の説明において引用した
財団法人日本環境整備教育センター発行の「膜処理法を
導入した小型生活排水処理装置の実用化に関する研究報
告書:平成4年度〜平成7年度」において見られるよう
に、フラックスは中空糸膜モジュールよりも平膜モジュ
ールの方が大きい。このため、従来のモジュールとして
平膜モジュールを解析の比較対象とした。
【0078】参考のため、図16を参照して、比較対象
となる平膜モジュールの概略を説明する。図において、
平膜モジュール90は、収納容器91と、この収納容器
91内に配置された多数の膜プレート92とを主に備え
ている。収納容器91は、例えば、上部および下部がそ
れぞれ開口した角筒状の部材である。一方、膜プレート
92は、図17に示すように、矩形状の枠体93と、こ
の枠体93において隙間94を設けて対向し合う1対の
ろ過膜95,95とを主に備えている。このろ過膜95
は、例えば精密ろ過膜である。枠体93の上部には、隙
間94に連絡する、ろ過液の排出口96が形成されてい
る。各膜プレート92の排出口96は、通常、図16に
示すように、排出管97に接続される。なお、この種の
平膜モジュール90の概略は、例えば、日本国建設省建
築研究所 膜分離技術等を用いた高度処理浄化槽研究委
員会編、「用水と廃水」Vol.40、No.3、45
(1998)等において説明されている。
【0079】このような平膜モジュール90を用いて浸
漬型膜ろ過を実施した場合、空気泡と共に膜プレート9
2間を流れる被処理液は、ろ過膜95の外側から内側に
流れてろ過される。そして、その際のろ過液は、隙間9
4を通過し、排出口96を経由して排出管97内に排出
される。
【0080】表1に、上述の浄化槽1において用いられ
るろ過膜モジュール4(以下、このろ過膜モジュールを
「管状ろ過膜モジュール」と表現する場合がある)と上
述のような平膜モジュール90の主な特性をまとめて示
す。ここでは、不必要な煩雑さを持ち込まないようにす
るため、両モジュールについて膜の長さLを共通とし
た。同じ理由により、モジュールの設置面積について
は、ろ過膜モジュール4では収納容器10の厚さを、ま
た、平膜モジュール90では枠体93をそれぞれ除い
た、膜部分が占める面積を示している。
【0081】
【表1】
【0082】ここで、ろ過膜モジュール4で用いられる
収納容器10の内径をDとすると、ろ過膜モジュール4
における収納容器10の断面積あたりの膜面積Mは、次
の式(1)で表される。なお、表1および式(1)にお
いて、εは管状ろ過膜11aの充填率を示し、この充填
率は下記の式で求められる。式中のSは、収納容器10
の軸線方向に垂直な断面における収納容器10の内部の
断面積(図4に網掛け線で示した部分の面積に相当)を
示している。
【0083】
【数1】
【0084】ろ過膜モジュール4において、管状ろ過膜
11aの充填率εはおよそ0.7〜0.8になるので、
式(1)から得られるろ過膜モジュール4の膜面積は、
同じ長さの中空糸膜モジュールあるいは平膜モジュール
の1.5〜2倍の大きさに相当する。すなわち、ろ過膜
モジュール4は、平膜モジュールに比べ、設置面積あた
りの膜面積が極めて大きい。
【0085】ところで、浸漬型膜ろ過が適用される大多
数の実液(被処理液)の粘度は数mPa・s以上であ
り、平膜モジュール90、ろ過膜モジュール4共に、モ
ジュール内における被処理液の流れを層流と見なすこと
ができる。
【0086】平行流れが層流のクロスフローろ過におい
ては、平膜モジュール90に対するろ過膜モジュール4
のろ過流量が次式(2)で表される(例えば、中垣、清
水、「膜処理技術大系」第1編−第3章、株式会社フジ
・テクノシステム(1991) 参照)。
【0087】
【数2】
【0088】式中、J、Mおよびuは、それぞれろ過流
量、膜面積および平行流れの線速であり、下付き記号T
およびPは、それぞれろ過膜モジュール4および平膜モ
ジュール90の値であることを示す。平行流れは気泡と
液体の混合物からなるが、同じ速度で移動していると仮
定している。dは平膜モジュール90の膜プレート92
間の間隔を、また、diはろ過膜モジュール4の管状ろ
過膜11aの内径をそれぞれ示している。ここで、指数
a、cは、層流の場合ともに1/3である。したがっ
て、これらの値を代入すると、次の式(3)のようにな
る。
【0089】
【数3】
【0090】ここで、ろ過膜モジュール4においては全
ての管状ろ過膜11aに、また、平膜モジュール90に
おいては全ての膜プレート92間に気泡が均等に分配さ
れていると仮定すると、各モジュールにおける平行流れ
の線速について、それぞれ次式(4)および(5)が導
かれる。
【0091】
【数4】
【0092】ここで、qaは、一つの流路あたりに換算
した空気流量であり、ろ過膜モジュール4では1本の管
状ろ過膜11a当たりの空気の流量を、また、平膜モジ
ュール90では幅wの1つの膜プレート92間隔当たり
の空気の流量をそれぞれ意味する。したがって、ua
換算線速である。ρfおよびμfは、それぞれ被処理液の
密度および粘度である。σは無次元の圧力損失係数であ
り、ろ過膜モジュール4では32、平膜モジュール90
では12である。gは重力加速度である。換算線速は、
単位膜面積当りの空気流量、またはモジュール当りの全
空気流量に、それぞれのモジュールの形状を表す数値を
用いて次の表2のように変換することができる。
【0093】
【表2】
【0094】表1および表2から、ろ過膜モジュール4
と平膜モジュール90との線速比が次の式(6)で表さ
れる。
【0095】
【数5】
【0096】式(3)および(6)を用い、ろ過膜モジ
ュール4および平膜モジュール90の能力を様々な視点
から比較することができるが、現実性を失わずに単純化
するため、ここでは、両モジュールに共通の条件とし
て、被処理液の密度ρfを1,000kg/m3、膜の長
さLを1mに設定する。また、平膜モジュール90につ
いては膜プレート92の厚さtを5mmに設定し、ろ過
膜モジュール4については管状ろ過膜11aの外径(d
0)と内径(di)との比(d0/di)を1.2、充填率
εを0.8(最密充填状態では約0.9である)にそれ
ぞれ設定する。空気流量については、平膜モジュール9
0で標準的に用いられている単位膜面積当たり15L/
分/m2を比較基準とする。
【0097】次の表3は、被処理液の粘度μfを10m
Pa・sに設定した場合において、膜プレート92間隔
dと管状ろ過膜11aの内径diとを同じにし、また、
両モジュールについて総膜面積と全空気流量とを同じに
した場合の計算結果を示している。
【0098】
【表3】
【0099】また、次の表4は、同じ条件で被処理液の
粘度μfのみを100mPa・sに変更した場合の計算
結果を示している。
【0100】
【表4】
【0101】表3および表4が示すように、広い粘度範
囲の被処理液に関し、ろ過膜モジュール4は、平膜モジ
ュール90の約1/2の設置面積であるにも拘わらず、
ろ過流量が平膜モジュール90よりも大きい。もう一つ
の例として、被処理液の粘度μfを10mPa・sに設
定した場合において、膜プレート92間隔dと管状ろ過
膜11aの内径diとを同じにし、また、両モジュール
について、モジュール設置面積と全空気流量とを同じに
した場合の計算結果を表5に示す。
【0102】
【表5】
【0103】表5は、同じモジュール設置面積、同じ全
空気流量の場合、ろ過膜モジュール4が平膜モジュール
90の2倍以上のろ過流量を持つことを示している。さ
らに、表3〜表5は、ろ過流量を膜面積で割ったフラッ
クスも大きく、ろ過膜モジュール4が平膜モジュール9
0に比べて原理的にも優れていることを示している。以
上の解析例から明らかなように、ろ過膜モジュール4
は、すべての管状ろ過膜11aに対して均等に空気泡が
分配されるならば、平膜モジュール90や中空糸膜モジ
ュールに比べ、格段にコンパクトであるにも拘らず、こ
れらのモジュールよりもろ過流量が大きい。
【0104】なお、ろ過膜モジュール4においては、上
述の通り、管状ろ過膜11a中に供給された空気泡は、
当該管状ろ過膜11a内を上昇する以外、他に移動する
ことができないので、ろ過膜モジュール4の一部(上
部)が被処理液から露出しているとしても、管状ろ過膜
11a内の被処理液全体を浮力により押し上げることが
できる。すなわち、ろ過膜モジュール4は、一部が被処
理液から露出しても、全体が被処理液中に浸漬されてい
る場合と同様に、被処理液のろ過処理を実施することが
できる。これに対し、平膜モジュールや中空糸膜モジュ
ールは、被処理液が膜間の広い流路の中を自由に動くこ
とができるため、モジュールの一部が被処理液から露出
すると、空気泡によって押し上げられる被処理液の流量
は激減する。したがって、平膜モジュールや中空糸膜モ
ジュールは、被処理液から一部が露出すると被処理液の
循環流量が激減するため、被処理液のろ過処理が不可能
になる。
【0105】次に、単独浄化槽を改造した上述の浄化槽
1の特性を、実際の総合生活排水に関するデータに基づ
いてシミュレーションした結果に従って詳細に説明す
る。なお、総合生活排水の性質は、家庭毎に異なるた
め、特定の家庭からの総合生活排水に基づくデータは客
観的を欠く。このため、以下の説明において引用するろ
過流量のデータには、比較的規模の大きい集合住宅から
の総合生活排水を上述のろ過装置3を用いてろ過した場
合の測定値を用いた。表6に、このシミュレーションに
おいて容器2として用いた平均的な5人用単独浄化槽の
仕様を示す。この浄化槽の調整可能容量は480lであ
る。
【0106】
【表6】
【0107】また、表7に、このシミュレーションにお
いて用いたろ過装置3の仕様を示す。但し、このろ過装
置3では、ろ過膜モジュール4として、内径154mm
の塩化ビニル樹脂製パイプ(JIS規格のVU−15
0)内に、内径および外径がそれぞれ8mmおよび8.
4mmに設定された、平均孔径が約0.4μmのろ過膜
層20を用いた管状ろ過膜11aを充填率が0.75に
なるよう充填し、両端の保持部10aの長さを25mm
に設定したものを用いた。また、案内筒5には、外径1
63mm、長さ22cmのステンレスパイプ(JIS規
格の150A)を使用し、その下端から曝気室502底
面までの高さが8cmとなるように、ステンレスパイプ
からなる脚50を溶接した。さらに、空気供給装置6と
して、外径22mmの3本のステンレスパイプ(JIS
規格の15A)を組合せ、それに直径5mmの空気泡噴
出孔68を合計で7個穿孔したものを用いた。なお、表
7に示したフラックスおよびろ過流量の数値は、空気発
生装置509から毎分100lの流量で空気泡供給装置
6に空気を供給した場合のものである。また、フラック
スの値は、ろ過膜モジュール4が浸漬した状態から40
cm露出した状態の平均値である0.5m/dを用い
た。
【0108】
【表7】
【0109】浄化槽1の運転時において、曝気室502
から沈殿分離室501への返送流量は、1日当りの総合
生活排水量を24で割った平均流量の約3倍とした。ま
た、曝気室502における曝気(すなわち、空気発生装
置509から空気泡供給装置6への空気の供給)および
曝気室502から沈殿分離室501への返送は24時間
継続したが、曝気室502の水位が下限水位l3以下に
なったときにはろ過が停止する。すなわち、曝気室50
2の水位が下から60cmになると、液面センサー52
0が作動して吸引ポンプ73が停止し、ろ過が停止す
る。なお、沈殿分離室501のそのときの水位は、曝気
室502と同じになるように設定されているので、60
cmである。ここでのろ過方式は、ろ過膜モジュール4
が80%露出した状態におけるろ過流量を85l/hr
に設定した定速ろ過とした。
【0110】浄化槽1内の総合生活排水(被処理液)量
Vの変化をシミュレーションするに当り、就寝後は総合
生活排水の流入がなく、曝気室502の早朝の水位は下
限水位l3にあるものとする。そして、このときの容器
2内の被処理液量をV0とする。流入開始後の最初の1
時間で容器2内にQ1lの総合生活排水が流入すると、
直ちにろ過を開始するので、1時間後にはQ1−J+V
(l)の被処理液が容器2内に残存することになる。
ところが、Q1−J=0になると、曝気室502の下限
水位l3になるので、ろ過が停止する。したがって、運
転開始から1時間後に容器2内に残存する被処理液量
(V1とする)は、次のようになる。
【0111】
【数6】
【0112】その後の容器2内の被処理液量は、Qn
J+Vn-1≦720(l)になるまでの間(nは経過時
間を示す)、Vn=Qn−J+Vn-1(l)に従って変化
する。そして、Qn−J+Vn-1≦720(l)になる
と、液面センサー520が作動してろ過が停止するの
で、被処理液量は720lになる。因みに、曝気室50
2内の水位は、V≦720(l)のときには60cmに
なり、V>720(l)になるとV/1.2/10(c
m)になる。
【0113】図18は、5人家族の家庭の平均的な排水
パターンの1時間ごとの総合生活排水量に基づいて計算
した、当該総合生活排水の1日あたりの積算量並びに上
述の計算に従って逐次計算した浄化槽1内の被処理液量
と水位の変化を示している。図18によると、上記の平
均的な家庭では、午前中に洗濯を終え、夕食時から入浴
後の浴槽の排水までの4時間で、1日の総排水量1,2
50l中の700lを使っている。この間に最高水位は
90cmに達したが、上限水位との間に10cm、すな
わち、120lの余裕がある。集中的な排水がこの程度
の量よりも大きくなると、水位が1mを越えるためにオ
ーバーフローが発生する。逆に、浴槽の残り湯を洗濯等
に使用すれば、総排水量も減るし、排水量の変動も平準
化されるので、曝気室502内の水位は、図18に示す
状態よりもさらに余裕を持った水位内で変動する。
【0114】次に、ろ過液のBOD濃度の変化をシミュ
レーションする。但し、総合生活排水のBOD濃度は一
定とし、設定値には表8の値を用いる。
【0115】
【表8】
【0116】BOD消化速度16500mg/hrは、
容積負荷1kg/m3/dに相当するが、この値は、M
LSS濃度を5000〜7000ppmに保持しなが
ら、BODが200ppmの総合生活排水を連続的に浸
漬型膜ろ過する場合にほぼ相当する(例えば、能勢元昭
他、第37回下水道研究発表会講演集、7−89、社団
法人日本下水道協会、2000参照)。BODの初期濃
度が最低値C0にある曝気室502内に、1時間でQ1
の総合生活排水が流入したとすると、1時間後のBOD
濃度(C1)は、およそ次のようになる。
【0117】
【数7】
【0118】ここで、右辺がC0以下の場合には、C1
0であり、正の場合にはC1である。また、次の1時間
後のBOD濃度(C2)は、およそ次のようになる。
【0119】
【数8】
【0120】C0=5ppmとして逐次計算すると、図
19が得られる。図18および図19は、表6の仕様の
単独浄化槽に対して表7の仕様のろ過装置3を直接組み
込むによって、表8に示す総合生活排水を、オーバーフ
ローを起こすことなく、ろ過液のBOD濃度が10pp
mになるまで処理できることを示している。したがっ
て、このシミュレーションによれば、単独浄化槽の改造
により実現できる浄化槽1は、合併浄化槽に匹敵する浄
化処理が可能である。
【0121】[他の実施の形態] (1)上述の実施の形態では、ろ過液排出装置7の先端
に吸引ポンプ73を接続し、ろ過膜モジュール4におい
て被処理液を定速ろ過したが、本発明の浄化槽1は定圧
ろ過方式で総合生活排水をろ過処理することもできる。
この場合は、吸引ポンプ73を第2排出経路72から取
り外し、図1に点線で示すように、第2空気供給路51
2に分岐路514を設けてこれを容器2の外部で開放す
る。また、分岐路514には、電磁弁515を設けてお
く。このようにすると、ろ過膜モジュール4におけるろ
過圧は、曝気室502内における被処理液の水位にかか
わらず、ろ過膜モジュール4の上端と第2排出経路72
の先端部との高低差による一定の水頭圧(図1のP)に
保たれる。
【0122】(2)上述の実施の形態では、ろ過液の排
出口12が収納容器10の側面に設けられている管状ろ
過膜モジュール4を用いた場合について説明したが、本
発明の浄化槽において利用可能なろ過膜モジュールはこ
れに限定されるものではない。
【0123】図20および図21を参照して、本発明の
浄化槽において利用可能な他のろ過膜モジュール200
を説明する。このろ過膜モジュール200は、図20
(ろ過膜モジュール200の縦断面図)および図21
(ろ過膜モジュール200の、図17のXXI−XXI
断面に相当する図)に示すように、円筒状の収納容器2
10と、この収納容器210内に充填された管状ろ過膜
群211とを主に備えている。収納容器210は、例え
ば樹脂製の部材であり、円筒状の集水管212と、当該
集水管212の軸を中心としてその外側に間隔(空間)
を設けて同心円状に配置された円筒状の外筒213とを
主に備えている。集水管212は、図の下端部が閉鎖さ
れており、また、図の上端部が開口して排出口212a
を形成している。また、集水管212は、複数の通液孔
212bを壁面に備えている。
【0124】管状ろ過膜群211は、細長な円筒状に形
成された管状ろ過膜211aの多数本を含む群であり、
各管状ろ過膜211aは、収納容器210の集水管21
2と外筒213との間に形成された空間内に、集水管2
12と平行に充填されている。このような管状ろ過膜群
211の上端部および下端部は、それぞれウレタン樹脂
などの樹脂材料を用いて形成された保持部210aによ
り、各管状ろ過膜211aの開放状態を維持しつつ収納
容器210に対して一体的に保持されると共に固定され
ている。この結果、収納容器210の両端部は、当該保
持部210aにより液密に閉鎖されることになる。な
お、管状ろ過膜211aは、上述の実施の形態において
説明した管状ろ過膜11aと同様に形成されている。
【0125】なお、図20等では、理解の便のため、管
状ろ過膜211aの太さ、管状ろ過膜211a間の隙間
等を強調している。また、図面を理解し易くするため、
図20では管状ろ過膜211aの本数を少な目に表現
し、また、図21においては管状ろ過膜211aの一部
のみ表示している。
【0126】上述のようなろ過膜モジュール200は、
例えば次のような工程を経て製造することができる。先
ず、図22に示すような固定装置230を用い、収納容
器210を形成する。ここで用いる固定装置230は、
外筒213内に集水管212を同心状態で固定するため
のものであり、外筒213を保持するための外筒保持部
231と、集水管212を保持するための集水管保持部
232とを備えている。
【0127】外筒保持部231は、外筒213の一端を
収納するための受け部233と、受け部233に対して
外筒213を固定するための押え板234とを有してい
る。受け部233は、外筒213の端部を収納可能な円
形の凹部233aを有しており、その凹部233aの中
心部には、孔部233bが形成されている。また、凹部
233aは、深さ方向の中程において、開口側の内径が
大きくなるよう設定されており、そのような内径の変更
部分において段部233cを形成している。さらに、凹
部233aの開口部周縁には溝235が形成されてお
り、当該溝235には環状のゴム弾性体235aが配置
されている。一方、押え板234は、中心部に外筒21
3を挿入可能な挿入孔234aを備えた部材であり、平
面形状が受け部233と概ね同じに設定されている。
【0128】一方、集水管保持部232は、シャフト2
36、位置決め部材237、押え具238およびナット
239を備えている。シャフト236は、集水管212
内に挿入可能でありかつ受け部233の孔部233bを
貫通可能な棒状の部材であり、一端に螺旋部236aを
有し、また、他端に頭部236bを有している。位置決
め部材237は、集水管212内に挿入可能な挿入部2
37aと、当該挿入部237aを集水管212内に挿入
した状態で集水管212から突出する突出部237bと
を一体的に有する概ね円柱状の部材であり、その中心部
にはシャフト236を貫通させるための貫通孔237c
が形成されている。突出部237bの突出量は、受け部
233の凹部233aにおける低部から段部233cま
での距離と同じに設定されている。押え具238は、集
水管212の内部に挿入可能な円板状の部材であり、中
心にシャフト236を挿入するための挿入孔238aを
有している。ナット239は、シャフト236の螺旋部
236aに対して装着可能なものである。
【0129】上述の固定装置230を用いて収納容器2
10を形成する場合は、先ず、外筒213を外筒保持部
231により保持する。ここでは、外筒213の一端を
受け部233の凹部233a内に挿入し、段部233c
に当接させる。そして、押え板234の挿入孔234a
内に外筒213が挿入された状態で、押え板234をゴ
ム弾性体235aに対して押し付けた状態で固定する。
これにより、外筒213は、一端が凹部233a内に挿
入された状態で保持されることになる。
【0130】次に、集水管保持部232を用い、集水管
212を外筒213の内部に配置する。ここでは、先
ず、位置決め部材237の挿入部237aの先端に管状
のゴム弾性体237dを装着し、その状態で当該挿入部
237aを集水管212内に挿入する。また、集水管2
12内に、位置決め部材237を挿入した側とは異なる
側から押え具238を挿入する。そして、シャフト23
6を、その頭部236bが押え具238に当接するよ
う、押え具238の挿入孔238aおよび位置決め部材
237の貫通孔237cに挿入する。この状態で、シャ
フト236の螺旋部236aが受け部233の孔部23
3bから突出するよう集水管212を外筒213の内部
に挿入し、螺旋部236aにナット239を装着する。
これにより、固定装置230は、集水管212が外筒2
13内で同心円状に配置された状態で両者を保持し、収
納容器210を形成することになる。
【0131】次に、上述のようにして形成された収納容
器210内に管状ろ過膜群211を充填する。ここで
は、図22に示すように、多数本の管状ろ過膜211a
を平行に束ねた管状ろ過膜群211を、外筒213と集
水管212との間に形成された空間内に挿入する。この
際、各管状ろ過膜211aの長さは収納容器210より
も大きく設定しておき、管状ろ過膜群211の両端部が
収納容器210から突出するよう設定する。また、各管
状ろ過膜211aの両端は、ヒートシールにより閉鎖し
ておく。
【0132】次に、樹脂材料を用い、管状ろ過膜群21
1を収納容器210に対して固定する。ここでは、先
ず、図23に示すようなモールド240を用意する。こ
のモールド240は、キャビティ241を備えたもので
あり、キャビティ240は管状ろ過膜群211を挿入可
能な中心部242と、中心部242の周りに連続して形
成された、収納容器210の外筒213を挿入可能な外
筒挿入部243とを備えている。このモールド240の
中心部242には、未硬化状態の樹脂材料244(例え
ば未硬化ウレタン樹脂)を注入しておく。
【0133】一方、固定装置230により形成された収
納容器210において、集水管212の開口側を、キャ
ップ245を用いて閉鎖する(図22)。そして、図2
3に示すように、収納容器210から突出している管状
ろ過膜群211をキャビティ241の中心部242内に
注入された樹脂材料244中に徐々に浸漬し、外筒21
3の端部を外筒挿入部243内で保持する。この状態を
樹脂材料244が硬化するまで維持し、樹脂材料244
が完全に硬化してからモールド240を取り外す。これ
により、管状ろ過膜群211の一端側は、収納容器21
0の一端側に対して固定されることになる。その後、収
納容器210から突出している、硬化した樹脂材料24
4および管状ろ過膜群211を切除し、また、キャップ
245を取り外す。
【0134】次に、収納容器210を固定装置230か
ら一旦分離し、収納容器210を逆向きにしてから再度
固定装置230により固定する。その状態で、モールド
240に対する上述のような操作を繰り返すと、管状ろ
過膜群211の他端側も収納容器210の他端側に対し
て固定され、目的とするろ過膜モジュール200が得ら
れる。この際、集水管212の開口部をキャップ245
で閉鎖しなければ、集水管212の内部にも樹脂材料2
44が流入し、それが集水管212の一端を閉鎖するこ
とになる。製造されたろ過膜モジュール200におい
て、収納容器210の両端部は、各管状ろ過膜211a
の両端部を除き、硬化した樹脂材料244による保持部
210aが形成され、この保持部210aにより液密に
閉鎖されることになる。
【0135】なお、上述の製造工程において用いられる
樹脂材料244としては、上述の実施の形態において用
いた管状ろ過膜モジュール4の場合と同様、ウレタン樹
脂の他に、エポキシ樹脂などの他の熱硬化性樹脂やホッ
トメルト接着材を用いることもできる。また、上述の製
造工程においては、収納容器210と樹脂材料244と
の接着性を高めることを目的として、外筒213の内周
面および集水管212の外周面に対し、予め接着助剤の
利用による、またはコロナ放電処理による表面処理を施
しておいてもよいし、樹脂材料244のアンカー効果を
高めるための溝加工を加えておいてもよい。
【0136】このようなろ過膜モジュール200を用い
て上述のろ過装置3を構成する場合、ろ過液排出装置7
は、排出口212aに対して接続する。
【0137】このろ過膜モジュール200を用いた被処
理液のろ過処理時において、被処理液は、空気泡供給装
置6から噴出する空気泡に伴い、図20に矢印で示すよ
うに、ろ過膜モジュール200の各管状ろ過膜211a
内を下側から上側に向けて押し上げられる。この際、被
処理液の一部は、管状ろ過膜211aを内側から外側に
通過してろ過され、また、被処理液中に含まれるろ別成
分は、管状ろ過膜211aの内周面のろ過膜層により捕
捉され、被処理液から取り除かれる。ろ別成分が取り除
かれた被処理液(ろ過液)は、管状ろ過膜211a間の
隙間を通過し、通液孔212bから集水管212内に流
入する。集水管212内に流入したろ過液は、排出口2
12aから収納容器210の外部、すなわちろ過液排出
装置7内に連続的に排出される。このような一連のろ過
処理により、曝気室502内の被処理液は、図1に矢印
で示すのと同様に、ろ過膜モジュール200を下側から
上側方向に通過して自然に循環することになる。
【0138】(3)上述のろ過装置3では、ろ過膜モジ
ュール4を円筒状に、すなわち、ろ過膜モジュール4の
収納容器10を円筒状に形成したが、収納容器10は、
角筒状や多角形(例えば五角形以上の多角形)の筒状
等、他の形状の筒状に形成されていてもよい。
【0139】(4)上述の実施の形態では、管状ろ過膜
11aにおいて突起22を連続した螺旋状に設けたが、
突起22の形態はこれに限定されるものではない。すな
わち、突起22は、支持膜層21の外周面において部分
的に設けられていればよく、例えば、断続的な螺旋状や
点状などの各種の形態で設けられていてもよい。
【0140】(5)上述の実施の形態では、管状ろ過膜
11aをろ過膜層20と支持膜層21との2層構造に形
成したが、管状ろ過膜11aの潰れ圧を、その肉厚と外
径との比を適宜設定することにより上述の所要の値に設
定する場合は、図24に示すように、支持膜層21の外
周面にさらに通液性を有する補強層25を配置してもよ
い。
【0141】ここで用いられる補強層25は、通液性を
有するものであれば特に限定されるものではないが、通
常は支持膜層21を構成するものと同様の不織布、特に
ポリエステル樹脂系の不織布が好ましく用いられる。な
お、このような補強層25を備えた管状ろ過膜11a
は、通常、管状ろ過膜11aを製造するために用いられ
る上述の複合膜23の支持膜層21側にさらに補強層2
5が積層された複合膜を用いると製造することができ
る。このような複合膜を製造する場合において、補強層
25は、通常、支持膜層21の表面にホットメルト接着
剤や熱硬化性接着剤を点在させて接着するのが好まし
い。このようにすると、複合膜は、補強層25によりろ
過抵抗が高まるのを抑制することができ、上述の実施の
形態の場合と同様のろ過抵抗、すなわち、ろ過液の通過
性を達成することができる。
【0142】なお、管状ろ過膜11aがこのような補強
層25を備えている場合、当該管状ろ過膜11aの肉厚
および外径は、この補強層25を含めて計算する。ま
た、管状ろ過膜11aの表面に上述のような突起22を
形成する場合、当該突起22は補強層25の表面に形成
する必要がある。
【0143】(6)上述の実施の形態では、ろ過膜モジ
ュール4と案内筒5とを接続するためにソケット52を
用いたが、両者の接続方法はこれに限定されるものでは
ない。例えば、案内筒5の脚50の上端をろ過膜モジュ
ール4の上端近傍まで延長し、脚50の上端からろ過膜
モジュール4に向けて延びる着脱可能なスプリング部材
により、ろ過膜モジュール4を案内筒5方向に押圧する
ようにした場合もろ過膜モジュール4と案内筒5とを接
続することができる。
【0144】(7)上述の実施の形態では、空気泡供給
装置6の空気泡噴出孔68から発生する空気泡の大きさ
を、管状ろ過膜11aの内径以上になるよう設定した
が、本発明の浄化槽は、上記空気泡の大きさが管状ろ過
膜11aの内径より小さい場合であっても、上述の実施
の形態の場合と同じく総合生活排水を浄化処理すること
ができる。
【0145】(8)上述の実施の形態では、ろ過装置3
が逆洗装置8を備えている場合について説明したが、ろ
過装置3は、逆洗装置8に代えて、ろ過膜モジュール4
を洗浄するための次亜塩素酸ソーダ水のような薬液を供
給するための薬液供給装置を備えていてもよい。また、
ろ過装置3においては、逆洗装置8を省略することもで
きる。この場合、定量フロート弁80、第2空気供給路
512、第1電磁弁513および第2電磁弁74を省略
し、第1排出経路71を吸引ポンプ73に直結する。
【0146】
【発明の効果】本発明の浄化槽は、上述のようなろ過膜
モジュールと、容器内においてろ過膜モジュールの下方
からろ過膜モジュールに向けて空気泡を供給するための
空気泡供給装置とを備えているため、ろ過膜モジュール
の全体が総合生活排水中に浸漬された状態と、ろ過膜モ
ジュールの一部が総合生活排水から露出した状態との間
になるよう、容器内に貯留する総合生活排水の水位を設
定すれば、総合生活排水量の多少に拘わらず、容器内に
貯留された総合生活排水をろ過することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る浄化槽の概略図。
【図2】前記浄化槽において用いられるろ過装置の概略
図。
【図3】前記ろ過装置において用いられるろ過膜モジュ
ールの縦断面図。
【図4】前記ろ過膜モジュールの図3のIV−IV断面
に相当する図。
【図5】図4のV矢視図。
【図6】図5のVI−VI断面図。
【図7】前記ろ過膜モジュールにおいて用いられる管状
ろ過膜の斜視図。
【図8】図7のVIII−VIII断面端面図。
【図9】前記管状ろ過膜の製造工程を示す図。
【図10】前記ろ過膜モジュールを製造するための一工
程を示す図。
【図11】前記ろ過膜モジュールを製造するための他の
工程を示す図。
【図12】前記ろ過装置において用いられる案内筒の縦
断面図。
【図13】前記案内筒の、図12のXIII−XIII断面に
相当する図。
【図14】前記ろ過装置において用いられる逆洗装置を
構成する定量フロート弁の正面図。
【図15】前記定量フロート弁を構成するフロート弁部
の断面図。
【図16】前記ろ過膜モジュールのろ過流量特性を解析
する際に比較の対象とした平膜モジュールの一部断面正
面図。
【図17】前記平膜モジュールに用いられる膜プレート
の一部切欠斜視図。
【図18】平均的な家庭から1日に排出される総合生活
排水の1時間毎の積算量並びに1時間毎の浄化槽内の被
処理液量と水位の変化を示したグラフ。
【図19】前記浄化槽から得られるろ過液のBOD濃度
の変化をシミュレーションした結果を示すグラフ。
【図20】前記ろ過装置において利用可能な他の形態の
ろ過膜モジュールの縦断面図。
【図21】前記他の形態のろ過膜モジュールの、図20
のXXI―XXI断面に相当する図。
【図22】前記他の形態のろ過膜モジュールを製造する
ための一工程を示す図。
【図23】前記他の形態のろ過膜モジュールを製造する
ための他の工程を示す図。
【図24】前記ろ過膜モジュールに用いられる管状ろ過
膜の変形例の図8に相当する図。
【符号の説明】
1 浄化槽 2 容器 4,200 ろ過膜モジュール 6 空気泡供給装置 7 ろ過液排出装置 8 逆洗装置 10,210 収納容器 12,212a 排出口 11,211 管状ろ過膜群 11a,211a 管状ろ過膜 501 沈殿分離室 502 曝気室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 尚樹 大阪府高槻市古曽部町二丁目3番21号 株 式会社ユアサコーポレーション内 Fターム(参考) 4D006 GA07 HA27 HA33 HA93 JB01 JB07 KA02 KA44 KB14 KB22 KB23 KC13 KE21P MA02 MA06 MA33 MC16 MC22 PA01 PB08 PC64 PC65 4D027 AA03 AA14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】総合生活排水を浄化して浄化液を得るため
    の浄化槽であって、 前記総合生活排水を貯留するための容器と、 内面に前記総合生活排水のろ過機能を有する管状ろ過膜
    の複数本を含む管状ろ過膜群が前記浄化液の排出口を有
    する筒状の収納容器内に収容されかつその両端部で保持
    された、前記管状ろ過膜が上下方向に開口するよう前記
    容器内に配置されたろ過膜モジュールと、 前記容器内において前記ろ過膜モジュールの下方に配置
    された、前記ろ過膜モジュールに向けて空気泡を供給す
    るための空気泡供給装置と、 前記排出口から延びかつ前記浄化液を前記容器の外部に
    排出するための浄化液排出経路とを備え、 前記容器は、前記ろ過膜モジュールの全体が前記総合生
    活排水中に浸漬された状態と、前記ろ過膜モジュールの
    一部が前記総合生活排水から露出した状態との間で、前
    記総合生活排水の水位の変動を可能にした、浄化槽。
  2. 【請求項2】前記容器は、前記総合生活排水を嫌気性活
    性汚泥を用いて浄化処理するための予備ろ過槽と、前記
    予備ろ過槽で浄化処理された前記総合生活排水を好気性
    活性汚泥を用いてさらに浄化処理するための曝気槽とに
    区画されており、前記ろ過膜モジュールは前記曝気槽内
    に配置されている、請求項1に記載の浄化槽。
  3. 【請求項3】前記管状ろ過膜の内径が3〜15mmであ
    る、請求項1または2に記載の浄化槽。
  4. 【請求項4】前記空気泡供給装置は、前記管状ろ過膜の
    内径以上の大きさの前記空気泡を前記ろ過膜モジュール
    に向けて供給可能に設定されている、請求項1、2また
    は3に記載の浄化槽。
  5. 【請求項5】前記浄化液排出経路内の前記浄化液を前記
    排出口を通じて前記収納容器内に加圧しながら逆流させ
    るための逆洗装置をさらに備えている、請求項1、2、
    3または4に記載の浄化槽。
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