JP2003190745A - 浸漬型膜ろ過装置および浸漬型膜ろ過方法 - Google Patents

浸漬型膜ろ過装置および浸漬型膜ろ過方法

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JP2003190745A JP2001397973A JP2001397973A JP2003190745A JP 2003190745 A JP2003190745 A JP 2003190745A JP 2001397973 A JP2001397973 A JP 2001397973A JP 2001397973 A JP2001397973 A JP 2001397973A JP 2003190745 A JP2003190745 A JP 2003190745A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 浸漬型膜ろ過時において、ろ過膜のろ過効率
が低下しにくいようにする。 【解決手段】 浸漬型膜ろ過方法は、ろ過処理槽120
内に貯留された被処理液をろ過してろ過液を得るための
方法であり、内面に被処理液のろ過機能を有する管状ろ
過膜310の複数本を含む管状ろ過膜群302がろ過液
の排出口303を有する筒状の収納容器301内に収容
されかつその両端部で保持されたろ過膜モジュール30
0を、管状ろ過膜310が上下方向に開口するようろ過
処理槽120内に配置し、ろ過膜モジュール300の下
方からろ過膜モジュール300に向けて空気泡を供給す
る工程と、空気泡の供給により管状ろ過膜310を上方
向に通過する被処理液を、ろ過膜モジュール300の上
部に配置された誘導装置700の排出路730を通じて
ろ過処理槽120の外部に排出する工程とを含んでい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浸漬型膜ろ過装置
および浸漬型膜ろ過方法、特に、貯留槽内に貯留された
被処理液をろ過してろ過液を得るための浸漬型膜ろ過装
置および浸漬型膜ろ過方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】河川水のような、夾雑物等の
除去すべき成分の含有量が比較的少ない被処理液を大量
にろ過処理するような場合、例えば、河川水を大量にろ
過処理して水道水用原水を製造するような場合は、通
常、限外ろ過膜以下の孔径を有するろ過膜を備えた膜モ
ジュールを用いるクロスフローろ過方法や、精密ろ過膜
を備えた膜モジュールを用いる浸漬型膜ろ過方法が実施
されている(例えば、社団法人水道浄水プロセス協会
編、「膜ろ過法Q&A」1995年参照)。ここで、浸
漬型膜ろ過方法は、貯留槽内の被処理液中に浸漬された
膜モジュールの下方から連続的に供給される空気泡の浮
力を利用して被処理液を自然循環させながら、膜モジュ
ールに作用する吸引圧または水頭差により被処理液をろ
過する方法をいい、クロスフローろ過方法に比べてエネ
ルギー効率の高いろ過方法であることから注目を集めて
いる。
【0003】ところで、浸漬型膜ろ過方法において用い
られる膜モジュールは、中空糸膜モジュールまたは平膜
モジュールである。これらの膜モジュールにおいて、被
処理液は、精密ろ過膜の外側から内側に向けて通過する
際にろ過処理されるが、被処理液に含まれる夾雑物等の
分離成分が精密ろ過膜の表面に堆積し、時間の経過に従
ってろ過効率が低下することになる。したがって、精密
ろ過膜の表面は、例えばエアレーション等により適宜洗
浄する必要があるが、洗浄時に精密ろ過膜から取り除か
れた分離成分は被処理液中に放出されるため、貯留槽内
において分離成分が浮遊したり徐々に堆積したりする。
このため、浸漬型膜ろ過方法では、精密ろ過膜の洗浄に
加え、定期的に貯留槽内の被処理液を入れ替えたり、貯
留槽内に堆積した分離成分を除去したりする、煩雑なメ
ンテナンス作業が必要になる。
【0004】本発明の目的は、浸漬型膜ろ過時におい
て、ろ過膜のろ過効率が低下しにくいようにすることに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の浸漬型膜ろ過装
置は、貯留槽内に貯留された被処理液をろ過してろ過液
を得るためのものであり、内面に被処理液のろ過機能を
有する管状ろ過膜の複数本を含む管状ろ過膜群がろ過液
の排出口を有する筒状の収納容器内に収容されかつその
両端部で保持された、管状ろ過膜が上下方向に開口する
よう貯留槽内に配置可能なろ過膜モジュールと、貯留槽
内においてろ過膜モジュールの下方に配置された、ろ過
膜モジュールに向けて空気泡を供給するための空気泡供
給装置と、ろ過膜モジュールの上部に配置された、ろ過
膜モジュールを通過する被処理液を貯留槽の外部に誘導
するための誘導装置とを備えている。ここで、誘導装置
は、軸方向に垂直な断面形状が収納容器の軸方向に垂直
な断面形状と実質的に同一に形成されかつ上下方向に開
口するよう収納容器の上部に配置された筒状体と、筒状
体内において上下方向に開口するよう充填された管状体
と、ろ過膜モジュールを通過して筒状体の上部から溢れ
る被処理液を貯留槽の外部に誘導するための誘導路とを
備えている。
【0006】この浸漬型膜ろ過装置は、例えば、排出口
から収納容器内にろ過液を逆流させるための逆流装置を
さらに備えている。また、管状ろ過膜の内径は、通常、
2〜15mmである。
【0007】この浸漬型膜ろ過装置を用いて被処理液を
ろ過する場合は、空気泡供給装置からろ過膜モジュール
に向けて空気泡を供給する。この空気泡は、被処理液中
を上昇し、ろ過膜モジュールの管状ろ過膜内に供給され
る。この際、被処理液は、空気泡の浮力によりろ過膜モ
ジュールに向けて上昇し、空気泡と共に管状ろ過膜内に
供給される。管状ろ過膜内に供給された被処理液は、続
けて空気泡の浮力により管状ろ過膜内を上昇し、その
際、一部が管状ろ過膜を内側から外側に通過してろ過さ
れる。管状ろ過膜を通過した被処理液、すなわちろ過液
は、収納容器の排出口から外部に排出される。
【0008】一方、管状ろ過膜を通過した被処理液は、
ろ過膜モジュールの上部に配置された誘導装置を上方向
に通過し、すなわち、収納容器の上部に配置された筒状
体内に充填された管状体内を上方向に通過し、筒状体の
上部から溢れて誘導路に流れ、貯留槽の外部に誘導され
る。したがって、貯留槽には、ろ過膜モジュールを通過
した被処理液が滞留しないことになる。すなわち、管状
ろ過膜の内周面に堆積する夾雑物等の分離成分は、被処
理液と共にろ過膜モジュール内および筒状体内を上昇し
て誘導路から貯留槽の外部に誘導され得るので、貯留槽
内に残留しにくく、管状ろ過膜のろ過効率を低下させに
くくなる。
【0009】本発明に係る浸漬型膜ろ過方法は、貯留槽
内に貯留された被処理液をろ過してろ過液を得るための
方法であり、内面に被処理液のろ過機能を有する管状ろ
過膜の複数本を含む管状ろ過膜群がろ過液の排出口を有
する筒状の収納容器内に収容されかつその両端部で保持
されたろ過膜モジュールを、管状ろ過膜が上下方向に開
口するよう貯留槽内に配置し、ろ過膜モジュールの下方
からろ過膜モジュールに向けて空気泡を供給する工程
と、空気泡の供給により管状ろ過膜内を上方向に通過す
る被処理液を、貯留槽の外部に誘導する工程とを含んで
いる。
【0010】この浸漬型膜ろ過方法は、例えば、貯留槽
の外部に誘導された被処理液を、夾雑物の分離処理を施
した後に貯留槽に還流させる工程をさらに含んでいる。
【0011】この浸漬型膜ろ過方法において、ろ過膜モ
ジュールの下方から供給される空気泡は、被処理液中を
上昇し、ろ過膜モジュールの管状ろ過膜内に供給され
る。この際、被処理液は、空気泡の浮力によりろ過膜モ
ジュールに向けて上昇し、空気泡と共に管状ろ過膜内に
供給される。管状ろ過膜内に供給された被処理液は、続
けて空気泡の浮力により管状ろ過膜内を上昇し、その
際、一部が管状ろ過膜を内側から外側に通過してろ過さ
れる。管状ろ過膜を通過した被処理液、すなわちろ過液
は、収納容器の排出口から外部に排出される。
【0012】一方、管状ろ過膜を上方向に通過した被処
理液は、そのまま貯留槽の外部に誘導されるので、貯留
槽には滞留しないことになる。したがって、管状ろ過膜
の内周面に付着する夾雑物等の分離成分は、被処理液と
共にろ過膜モジュールを通過して貯留槽の外部に誘導さ
れ得るので、貯留槽内に残留しにくく、管状ろ過膜のろ
過効率を低下させにくくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1を参照して、本発明の実施の
一形態に係る浸漬型膜ろ過装置が採用された浸漬型膜ろ
過システムを説明する。図において、浸漬型膜ろ過シス
テム100は、被処理液の沈殿槽110と、被処理液の
ろ過処理槽(貯留槽の一例)120と、ろ過処理槽12
0内に配置された浸漬型膜ろ過装置200とを主に備え
ている。
【0014】沈殿槽110は、ろ過処理の対象となる被
処理液を一時的に貯留し、そこに含まれる夾雑物を沈殿
させるためのものであり、上部が開口する容器状に形成
されている。この沈殿槽110には、外部から被処理液
を注入するための注入路111と、貯留している被処理
液をろ過処理槽120に供給するための、ポンプ112
を備えた供給路113とが設けられている。ポンプ11
2は、浸漬型膜ろ過装置200におけるろ過流量よりも
大きい流量で、沈殿槽110の被処理液をろ過処理槽1
20に供給可能である。
【0015】ろ過処理槽120は、上部に開口を有する
容器状に形成されており、沈殿槽110から供給される
被処理液を貯留するためのものである。また、ろ過処理
槽120は、上部において、オーバーフローする被処理
液を沈殿槽110に還流させるための還流経路121を
有している。
【0016】浸漬型膜ろ過装置200は、ろ過処理槽1
20内に配置されたろ過膜モジュール300、ろ過処理
槽120内でろ過膜モジュール300を支持する案内筒
400、空気泡供給装置500、ろ過液排出経路600
およびろ過膜モジュール300を通過した被処理液をろ
過処理槽120の外部に誘導するための誘導装置700
を主に備えている。
【0017】ろ過膜モジュール300は、図2に示すよ
うに、円筒状の収納容器301と、この収納容器301
内に充填された管状ろ過膜群302とを主に備えてい
る。収納容器301は、例えば樹脂製の部材であり、そ
の側面には、ろ過処理後の被処理液(ろ過液)を排出す
るための排出口303が形成されている。また、収納容
器301の内周面において、その上部および下部には、
管状ろ過膜群302と収納容器301の内周面との間に
隙間を設けるためのスペーサー304が中心方向に向け
て突出している。
【0018】スペーサー304は、収納容器301の中
心側に向けて拡大する、断面形状が概ね楔状に形成され
ており、また、図3、図4および図5に示すように、収
納容器301の円周方向において概ね等間隔に形成され
た複数のスリット305を有している。なお、収納容器
301の上部および下部にそれぞれ設けられたスペーサ
ー304,304は、収納容器301の内周面からの突
出量が同じに設定されている。
【0019】また、各スペーサー304は、スペーサー
304を有する部分における収納容器301の軸線方向
に垂直な断面(スペーサー304の上下方向の中央部に
おける断面、すなわち図2のii−ii部分の断面)におけ
る収納容器301の内部の断面積(図3に網掛け線で示
した部分の面積に相当)に占める、その断面積の割合が
3〜10%になるよう設定されているのが好ましい。こ
の割合が3%未満の場合は、収納容器301の内周面、
特に排出口303と管状ろ過膜群302との間に隙間が
形成されにくくなる結果、収納容器301内において、
後述する管状ろ過膜310を通過した被処理液(ろ過
液)の流動性が低下し、ろ過流量が低下するおそれがあ
る。一方、この割合が10%を超える場合は、収納容器
301内において管状ろ過膜群302の占める割合が小
さくなるため、被処理液のろ過効率が低下するおそれが
ある。
【0020】管状ろ過膜群302は、細長な円筒状に形
成された管状ろ過膜310の多数本を含む群であり、各
管状ろ過膜310は、後述する突起320により互いに
密着するのを防止されながら(すなわち、互いに間隔を
設けながら)、収納容器301の開口方向に沿って互い
に平行に密に集合している。このような管状ろ過膜群3
02の上端部および下端部は、それぞれウレタン樹脂な
どの樹脂材料を用いて形成された保持部306により、
各管状ろ過膜310の両端の開口状態を維持しつつ収納
容器301の両端部に対して一体的に保持されると共に
固定されている。また、収納容器301の両端部は、当
該保持部306により液密に閉鎖されている。
【0021】上述の管状ろ過膜群302を構成する管状
ろ過膜310は、図6に示すような円筒状に形成されて
おり、図7に示すように、内周面側から外周面側に向け
て順にろ過膜層311および支持膜層312を備えた2
層構造を有している。
【0022】ろ過膜層311の種類は、被処理液から除
去すべきろ別成分の種類に応じて適宜選択することがで
き、特に限定されるものではないが、例えば微生物など
の微粒子を除去する必要がある場合は精密ろ過膜が用い
られる。精密ろ過膜は、例えばJIS K 3802では
「0.01〜数μm程度の微粒子および微生物をろ過に
よって分離するために用いる膜」と定義されているが、
ここでは、20kPa以下の圧力で実用的なろ過が可能
な、孔径が0.04μmよりも大きい微孔を多数有する
多孔膜を用いるのが好ましい。因みに、このような精密
ろ過膜は、種類が特に限定されるものではなく、公知の
各種のもの、例えばセルロース膜やポリオレフィン系樹
脂膜などの有機高分子膜を用いることができる。
【0023】支持膜層312は、上述のろ過膜層311
に対して形状保持性を付与し、ろ過膜層311を円筒状
に設定するためのものである。このような支持膜層31
2は、通液性を有する多孔質材料であれば各種のものを
用いることができるが、通常は、腰の強さ、優れた強
度、優れた耐薬品性、高い耐熱性および経済性を備えた
ポリプロピレン樹脂製あるいはポリエステル樹脂製の不
織布を用いるのが好ましく、特にポリエステル樹脂製の
不織布を用いるのが好ましい。
【0024】また、管状ろ過膜310は、図6に示すよ
うに、外周面、即ち、支持膜層312の外周面に、ろ過
膜層311の軸線を中心とする螺旋状に連続的に形成さ
れた突起320を有している。この突起320は、管状
ろ過膜群302において、管状ろ過膜310同士が密着
するのを防止し、収納容器301内において各管状ろ過
膜310を通過した被処理液(ろ過液)の流動性を高め
るためのものである。例えば、突起320の高さを0.
05mmに設定した場合、管状ろ過膜310の有効長が
例えば70cmならば、隣接し合う2本の管状ろ過膜3
10の間には、少なくとも0.005×70=0.35
cm2の面積が確保されることになる。したがって、こ
のような間隙が管状ろ過膜群302内に多数存在すれ
ば、収納容器301内においてろ過液の流れに対する抵
抗は著しく軽減することになり、ろ過液の流動性が著し
く高まることになる。
【0025】上述のような管状ろ過膜310は、通常、
内径(図7のX)が2〜15mmに設定されているのが
好ましく、3〜10mmに設定されているのがより好ま
しい。内径が2mm未満の場合は、被処理液、特に、高
汚濁の被処理液をろ過する際において、被処理液中に含
まれる各種のろ別成分や夾雑物により管状ろ過膜310
が閉塞し易くなり、ろ過処理を長期間安定に継続するの
が困難になるおそれがある。また、管状ろ過膜310の
中を通過する被処理液の圧力損失が空気泡供給装置50
0からの空気泡の浮力に対して相対的に大きくなるた
め、管状ろ過膜310中を通過する被処理液の流速が小
さくなる可能性があり、結果的に被処理液が管状ろ過膜
310によりろ過されにくくなる場合がある。逆に、内
径が15mmを超える場合は、容積の限られた収納容器
301内に充填可能な管状ろ過膜群302に含まれる管
状ろ過膜310の本数が減少することになるため、ろ過
膜モジュール300の単位容積当りのろ過面積(有効膜
面積)が小さくなる。その結果、ろ過流量が低下するこ
とになるので、ろ過膜モジュール300のコンパクト化
を図りながら被処理液の効率的なろ過処理を実施するの
が困難になるおそれがある。また、空気泡供給装置50
0から供給される空気泡の大きさが管状ろ過膜310の
内径に比べて小さくなりやすいため、後述するようなろ
過膜モジュール300の一部が被処理液から露出してい
る場合において、空気泡が管状ろ過膜310内の被処理
液を上昇させるのが困難になり、結果的にそのような場
合においてろ過処理の継続が困難になる可能性がある。
【0026】また、管状ろ過膜310は、肉厚(A)と
外径(B)との比(A/B)が0.025〜0.1に設
定されているのが好ましく、0.03〜0.1に設定さ
れているのがより好ましい。なお、ここで言う管状ろ過
膜310の肉厚および外径は、上述の突起320の厚さ
(高さ)を含んでいる。この比が0.025未満の場合
は、管状ろ過膜310に対して外側から圧力を加えた場
合、管状ろ過膜310が潰れやすくなる。この結果、被
処理液のろ過工程において管状ろ過膜310の内周面に
堆積するろ別成分などからなるケーク層を排除するため
に、管状ろ過膜310に対して外側から圧力を加えて逆
洗操作を実施した場合、管状ろ過膜310が潰れてしま
い、管状ろ過膜310を逆洗するのが実質的に困難にな
る。なお、20kPa以上の耐圧性を達成するために
は、この比を0.03以上に設定するのが好ましい。一
方、この比が0.1を超える場合は、ろ過膜モジュール
300の単位容積当りのろ過面積(有効膜面積)が小さ
くなる。その結果、ろ過流量が低下することになるた
め、ろ過膜モジュール300のコンパクト化を図りなが
ら被処理液の効率的なろ過処理を実施するのが困難にな
るおそれがある。
【0027】なお、管状ろ過膜310の厚さは、通常、
0.1〜0.4mmが好ましい。
【0028】さらに、突起320の高さは、通常、0.
02〜0.2mmに設定されているのが好ましい。突起
320の高さが0.02mm未満の場合は、管状ろ過膜
群302において管状ろ過膜310同士が密着し易くな
り、結果的にろ過液の流動性を高めるのが困難になるお
それがある。一方、0.2mmを超える場合は、管状ろ
過膜群302に含まれる管状ろ過膜310の本数、すな
わち、ろ過膜モジュール300の収納容器301内に充
填可能な管状ろ過膜310の本数が減少することになる
ため、ろ過膜モジュール300の単位容積当りのろ過面
積が小さくなる。その結果、ろ過流量が低下することに
なるため、ろ過膜モジュール300のコンパクト化を図
りながら被処理液の効率的なろ過処理を実施するのが困
難になるおそれがある。なお、ここで言う突起320の
高さとは、支持膜層312の表面からの突出量をいう。
【0029】突起320の高さは、被処理液の種類に応
じて適宜選択することもできる。例えば、被処理液が活
性汚泥液のようにろ過流量が比較的小さいものである場
合、ろ過面積を確保する観点から、突起320は低めに
設定するのが好ましい。一方、被処理液が河川の水のよ
うにろ過流量が比較的大きいものである場合、ろ過液の
流動性を高める観点から、突起320は高めに設定する
のが好ましい。因みに、突起320の高さが上述の範囲
内であれば、ろ過膜モジュール300が100m2程度
の膜面積を有する大型の場合であっても、殆どの被処理
液について、突起320により管状ろ過膜310間に形
成される隙間はろ過液の流れに対する大きな抵抗になり
難い。
【0030】次に、図8を参照しつつ、上述の管状ろ過
膜310の製造方法の一例を説明する。先ず、支持膜層
312上にろ過膜層311が一体的に積層された、長尺
短冊状(テープ状)の複合膜313を用意する。そし
て、この複合膜313を、図8に示すように、別途用意
した円柱状の心棒315に対し、支持膜層312側が表
側になるように幅方向の両端部314を重ね合わせなが
ら螺旋状に巻きつける。この状態で重ね合わされた両端
部314同士を接着剤、あるいは超音波溶着法により接
着すると、目的とする管状ろ過膜310を得ることがで
きる。なお、このような管状ろ過膜310の製造方法
は、例えば特公昭56−35483号において既に公知
である。
【0031】このような管状ろ過膜310の製造工程に
おいて、重ね合わされた複合膜313の両端部314
は、上述の螺旋状の突起320を形成することになる。
ここで、複合膜313の重なり具合や接着方法を適宜調
節すると、突起320の高さを上述の範囲に設定するこ
とができる。
【0032】次に、図9および図10を参照して、上述
のろ過膜モジュール300の製造方法を説明する。この
ろ過膜モジュール300は、平膜や中空糸膜の取り扱い
に細心の注意が要求され、しかも多くの製造工程を要す
る平膜モジュールや中空糸膜モジュールに比べ、簡単な
工程により容易に製造することができる。
【0033】先ず、多数本の管状ろ過膜310を束ね、
管状ろ過膜群302を形成する。一方、収納容器301
を用意し、図9に示すように、この収納容器301内に
管状ろ過膜群302を挿入して収納容器301と管状ろ
過膜群302との組合せ体330を形成する。この組合
せ体330では、管状ろ過膜群302の両端部が収納容
器301の両端部から突出するように設定する。また、
管状ろ過膜群302を構成する管状ろ過膜310の両端
部は、例えばヒートシールにより閉鎖しておく。
【0034】次に、図10に示すように、上述の組合せ
体330の一端を、未硬化ウレタン樹脂などの未硬化の
樹脂331を入れたモールド332内に浸漬する。ここ
で、未硬化の樹脂331は、管状ろ過膜群302を構成
する管状ろ過膜310間に充填されると共に、スペーサ
ー304に設けられたスリット305を通じて収納容器
301の内周面にも均一に到達し、収納容器301の開
口部分を完全に閉鎖することになる。この状態で樹脂3
31を完全に硬化させた後、モールド332を取り払
い、組合せ体330の他端についても同様の操作を実施
する。これにより、管状ろ過膜群302は、収納容器3
01に対して保持、固定されることになる。
【0035】次に、収納容器301の両端部から突出し
ている硬化樹脂と管状ろ過膜310とを切り落とすと、
残余の樹脂部分が保持部306を形成し、また、各管状
ろ過膜310の両端部が開口し、目的とするろ過膜モジ
ュール300が得られる。このろ過膜モジュール300
において、収納容器301の両端部は、既述の通り、各
管状ろ過膜310の両端部を除き、硬化した樹脂、すな
わち保持部306により液密に閉鎖されることになる。
この保持部306は、収納容器301のスペーサー30
4が上述のような楔形状の凸状に形成されているため、
収納容器301の内周面に対して強力に固定されやす
く、管状ろ過膜群302を収納容器301に対して安定
に保持、固定することになる。すなわち、スペーサー3
04は、単に管状ろ過膜群302と収納容器301の内
周面との間に隙間を設けるだけではなく、保持部306
と収納容器301とを安定に固定するために機能し得
る。
【0036】なお、収納容器301の両端部において、
その内周面には、例えば溝状の凹部が環状に設けられて
いてもよい。この場合、樹脂331が当該凹部に流入
し、保持部306と収納容器301とがより強力に固定
される。
【0037】保持部306を形成するための材料として
は、上述のようなウレタン樹脂の他に、エポキシ樹脂な
どの他の熱硬化性樹脂やホットメルト接着剤を用いるこ
ともできる。但し、大型のろ過膜モジュール300を製
造する場合、樹脂材料は、使用量を多く設定する必要が
あるため、過剰な発熱を抑制する理由および硬化収縮を
抑制する理由から、反応速度が比較的遅く、弾性率が比
較的小さなものを用いるのが好ましい。なお、ホットメ
ルト接着剤は、上述の製造工程において切り落としたも
のから回収して再利用することもできる。この点におい
ても、ホットメルト接着剤が比較的高粘度であるがため
に、その利用が困難な中空糸膜モジュールに比べ、ろ過
膜モジュール300は有利である。
【0038】なお、ろ過膜モジュール300に関する図
2等では、理解の便のため、管状ろ過膜310の太さ、
管状ろ過膜310間の隙間および管状ろ過膜310と収
納容器301の内周面との隙間等を強調している。ま
た、図面を理解し易くするため、図2では、管状ろ過膜
310の本数を少なめに表現し、また、図3においては
管状ろ過膜310の一部のみ表示している。
【0039】案内筒400は、図1に示すように、管状
ろ過膜310が上下方向に開口するよう起立した状態で
ろ過膜モジュール300をろ過処理槽120内で支持し
ている。案内筒400は、樹脂製の円筒状の部材であ
り、その軸方向に垂直な断面における内周形状が、収納
容器301の軸方向に垂直な断面における外周部分の内
周形状と実質的に同じ大きさの同形状に設定されてい
る。すなわち、案内筒400は、収納容器301と内径
および外径が同じに設定されている。
【0040】案内筒400の下縁には、図11に示すよ
うに、脚402が取付けられたフランジ401が設けら
れている。そして、案内筒400は、脚402によりろ
過処理槽120の底部に配置されており、その状態で上
部にろ過膜モジュール300が配置されている。ここ
で、案内筒400とろ過膜モジュール300とは、筒状
のソケット403(図1)を用いて接続されている。な
お、ソケット403は、案内筒400とろ過膜モジュー
ル300とを接続すると共に、空気泡供給装置500か
らの空気泡の漏れ出しを防止するためのものである。ろ
過膜モジュール300は、このような案内筒400を用
いて支持されている結果、ろ過処理槽120の底部から
離れて位置している。
【0041】空気泡供給装置500は、ろ過膜モジュー
ル300に対して空気泡を供給するためのものであり、
図1に示すように、ろ過処理槽120内において、ろ過
膜モジュール300の下方であって案内筒400内に配
置されている。図11および図12を参照して、空気泡
供給装置500を詳細に説明する。空気泡供給装置50
0は、第1パイプ501、第2パイプ502および4本
の分岐パイプ503、504、505、506を主に有
している。第1パイプ501は、案内筒400を貫通し
かつ案内筒400の内部においてその中心部を通過する
よう水平に配置されている。そして、その一端は、案内
筒400の外部において、キャップ507により気密に
閉鎖されている。また、第2パイプ502は、第1パイ
プ501と直交するよう水平に組み合わされており、両
端部がそれぞれ案内筒400の壁面を貫通してキャップ
507により気密に閉鎖されている。なお、第1パイプ
501と第2パイプ502との交点は、案内筒400の
中心と一致している。さらに、4本の分岐パイプ50
3、504、505、506は、第1パイプ501と平
行にかつ水平に、第2パイプ502に対して組み合わさ
れており、第1パイプ501の両側に2本づつ配分され
ている。分岐パイプ504、503は、第1パイプ50
1から等間隔毎に配置されている。分岐パイプ505、
506についても同様である。したがって、第1パイプ
501および4本の分岐パイプ503、504、50
5、506は、等間隔に配列されていることになる。ま
た、各分岐パイプ503、504、505、506は、
それぞれ両端部が案内筒400の内周面近傍に向けて延
びており、図示しないキャップにより気密に閉鎖されて
いる。
【0042】上述のようにして組み合わされた第1パイ
プ501と第2パイプ502とは、交点において連絡し
ており、また、4本の分岐パイプ503、504、50
5、506のそれぞれは、第2パイプ502との交点に
おいて、当該第2パイプ502と連絡している。これに
より、第1パイプ501、第2パイプ502および4本
の分岐パイプ503、504、505、506は、一連
の空気流路を形成している。
【0043】また、第1パイプ501、第2パイプ50
2および4本の分岐パイプ503、504、505、5
06は、空気を泡状にして噴出するための複数の空気泡
噴出孔510を有している(図12では、一例として1
9個の空気泡噴出孔510を示している)。これらの空
気泡噴出孔510は、それぞれろ過処理槽120の底面
に向けて開口しており、また、図12に示すように、案
内筒400の軸方向に垂直な断面の内側(案内筒400
の内側の水平面)において、ろ過膜モジュール300の
各管状ろ過膜310に対して均等に空気泡を供給するこ
とができるよう、最密充填配置パターンで配置されてい
る。すなわち、各空気泡噴出孔510は、図12に一点
鎖線で示すような多数の正三角形の各頂点に位置するよ
う、案内筒400の内側の水平面において、均等な間隔
を設けながら分散して配置されている。
【0044】なお、上述の空気泡供給装置500を形成
する各パイプ501〜506の材質は、空気泡噴出孔5
10から発生する空気泡の上昇流によって生じる被処理
液の循環流を妨げないものであれば特に限定されるもの
ではないが、通常は、経済性、加工性および案内筒40
0に対する装着の容易性などの点において、プラスチッ
ク製の円筒状パイプを用いるのが好ましい。
【0045】上述の空気泡供給装置500の第1パイプ
501には、図1に示すように、二次圧・流量調整弁5
20を備えた空気供給路521を通じてエアコンプレッ
サーなどの空気供給装置525が接続されている。これ
により、第1パイプ501並びにそれに連絡している第
2パイプ502および4本の分岐パイプ503、50
4、505、506には、空気供給装置525からの空
気が供給される。
【0046】空気泡供給装置500は、空気泡噴出孔5
10から発生する空気泡の大きさが、通常、ろ過膜モジ
ュール300において用いられる管状ろ過膜310の内
径以上になるよう設定されているのが好ましい。空気泡
の大きさが管状ろ過膜310の内径未満の場合は、後述
するようなろ過膜モジュール300の一部が被処理液か
ら露出している場合において、空気泡が管状ろ過膜31
0内の被処理液を上昇させるのが困難になり、結果的に
そのような場合においてはろ過処理の継続が困難になる
可能性がある。
【0047】ろ過液排出経路600は、ろ過膜モジュー
ル300においてろ過処理された被処理液、すなわちろ
過液を外部に排出するためのものであり、図1に示すよ
うに、ろ過膜モジュール300の排出口303から延
び、第1電磁弁602を有している。そして、ろ過液排
出経路600の先端には、吸引ポンプ601が接続され
ている。この吸引ポンプ601は、自給力がないポンプ
であり、ろ過膜モジュール300の上端よりも下方に配
置されている。因みに、吸引ポンプ601として自給式
のものを用いる場合、当該吸水ポンプ601は、ろ過膜
モジュール300の上端よりも高い位置に配置すること
ができる。
【0048】上述のろ過液排出経路600は、排出口3
03と第1電磁弁602との間から分岐する分岐路60
3を有している。分岐路603は、第2電磁弁604を
有しかつ図示しない高圧空気供給装置に接続されてお
り、ろ過液の逆流装置を構成している。
【0049】誘導装置700は、図13に示すように、
筒状体710と、当該筒状体710内に配置された管状
体群720と、排出路730(誘導路の一例)とを主に
備えている。筒状体710は、樹脂製の円筒状の部材で
あり、その軸方向に垂直な断面における内周形状が、収
納容器301の軸方向に垂直な断面における外周部分の
内周形状と実質的に同じ大きさの同形状に設定されてい
る。すなわち、筒状体710は、収納容器301と内径
および外径が同じに設定されており、上下方向に開口す
るよう収納容器301の上部に配置されている。そし
て、筒状体710は、筒状のソケット740を用いて収
納容器301に接続されている。また、筒状体710
は、上端部に被処理液を排出するための排出溝711を
有している。この排出溝711は、筒状体710の外側
方向に若干突出している。
【0050】管状体群720は、多数本の管状体721
を筒状体710内に密に充填したものである。各管状体
721は、例えば樹脂製のチューブ状物であり、筒状体
710内において上下方向に開口している。また、管状
体721は、被処理液に対して後述するエアリフトポン
プ効果を効果的に発揮させるために、内径が5〜15m
mに設定されているのが好ましい。この管状体群720
は、ろ過膜モジュール300との間に隙間722が形成
されるよう、筒状体710の下端部よりも上方に配置さ
れている。
【0051】排出路730は、半円筒状に形成された樋
状の部材であり、筒状体710の排出溝711の下方か
ら沈殿槽110の上方に延びている(図1)。なお、排
出路730には、沈殿槽110側が低くなるよう傾斜が
設けられている。
【0052】上述の浸漬型ろ過膜システム100におい
て、ろ過処理槽120には、ろ過膜モジュール300と
案内筒400との連結部分よりも若干上方において、液
面センサー122が配置されている。この液面センサー
122は、吸引ポンプ601に接続されており、ろ過処
理槽120内の被処理液の液面を検知したときに、吸引
ポンプ601を停止するよう設定されている。
【0053】次に、図1を参照して、上述の浸漬型膜ろ
過システム100による被処理液のろ過処理方法を説明
する。先ず、注入路111を通じて、微小ゲル、コロイ
ド成分、微生物およびその他の夾雑物などのろ別成分を
含む被処理液、例えば、河川水を沈殿槽110内に注入
する。沈殿槽110に注入された被処理液は、その内部
でろ別成分の一部が沈殿する。
【0054】ろ別成分の一部が沈殿した被処理液は、ポ
ンプ112により吸引され、供給路113を通じてろ過
処理槽120内に供給される。この際、ろ過処理槽12
0内における被処理液の液面は、液面センサー122の
位置l1とろ過処理槽120の上端近傍であってろ過膜
モジュール300よりも上方の位置l2との間になるよ
う任意に設定する。これにより、ろ過膜モジュール30
0は、被処理液の貯留量の変動により、全体が被処理液
中に浸漬された状態と、一部が被処理液から露出した状
態との間に設定されることになる。
【0055】次に、第1電磁弁602を開放しかつ第2
電磁弁604を閉鎖した状態で吸引ポンプ601を作動
させ、また、空気供給装置525から空気供給路521
を通じて空気泡供給装置500に空気を供給する。空気
泡供給装置500に供給された空気は、空気泡噴出孔5
10から空気泡となって噴出する。この空気泡は、案内
筒400により案内されながら被処理液中を上昇し、ろ
過膜モジュール300に含まれる各管状ろ過膜310に
対して略均等に供給される。
【0056】ろ過処理槽120内に貯留された被処理液
は、ろ過膜モジュール300に対して供給される空気泡
の浮力により、図2に矢印で示すように、各管状ろ過膜
310内を下側から上側に向けて押し上げられる。この
際、吸引ポンプ601の作動によりろ過液排出経路60
0が負圧になるため、被処理液の一部は、管状ろ過膜3
10を内側から外側に通過してろ過され、また、被処理
液中に含まれるろ別成分は、管状ろ過膜310の内周面
を構成するろ過膜層311により捕捉されて被処理液か
ら取り除かれる。ろ別成分が取り除かれた被処理液、す
なわちろ過液は、収納容器301内において管状ろ過膜
310間の隙間を通過し、排出口303からろ過液排出
経路600内に排出される。ろ過液排出経路600内に
排出されたろ過液は、吸引ポンプ601を通じて連続的
に外部に排出される。
【0057】一方、各管状ろ過膜310内を押し上げら
れる被処理液は、管状ろ過膜310によりろ過される以
外の部分がそのまま管状ろ過膜310内を通過する。管
状ろ過膜310を通過した被処理液は、引き続き誘導装
置700において、図13に矢印で示すように、同じく
空気泡の浮力により押し上げられながら各管状体721
内を上方向に向けて通過し、管状体群720の上部に溢
れ出る。溢れ出た被処理液は、筒状体710の排出溝7
11を通じて排出路730上に流れ落ち、排出路730
を通じて沈殿槽110に戻る。沈殿槽110に戻された
被処理液は、沈殿槽110に貯留され、そこで沈殿によ
る夾雑物等のろ別成分の分離処理が施された後、供給路
113を通じてろ過処理槽120に再度供給されること
になる。
【0058】以上の結果、ろ過処理槽120内に貯留さ
れた被処理液は、図1に矢印で示すように、ろ過膜モジ
ュール300を下側から上側方向に連続的に流れ、ろ過
膜モジュール300により定速ろ過されることになる。
また、ろ過膜モジュール300を通過する被処理液は、
誘導装置700および沈殿槽110を経由してろ過処理
槽120に還流することになる。
【0059】なお、上述のようなろ過工程において、各
管状ろ過膜310は、上述のように外周面に突起320
を有しているため、ろ過膜モジュール300内におい
て、隣接する管状ろ過膜310と密着しにくく、管状ろ
過膜310間にろ過液を流通させるための効果的な隙間
を形成する。したがって、この管状ろ過膜310を備え
たろ過膜モジュール300は、収納容器301内におけ
るろ過液の流動性を高めることができ、ろ過液を滞りな
く排出口303から排出しやすい。
【0060】ところで、上述の浸漬型膜ろ過装置200
を用いた被処理液の浸漬型膜ろ過方法において、空気泡
供給装置500からろ過膜モジュール300に供給され
る空気泡は、案内筒400内を上昇した後に次々と管状
ろ過膜310内に押し込まれる。また、管状ろ過膜31
0を通過した空気泡は、続いて誘導装置700の各管状
体721内に押し込まれ、各管状体721内において被
処理液を上方に押し上げる。すなわち、誘導装置700
は、ろ過膜モジュール300を通過した被処理液をさら
に上昇させるためのエアリフトポンプとして機能する。
このため、被処理液は、液面がろ過膜モジュール300
の下端よりも上にある限り(例えば、液面センサー12
2よりも上方にある限り)、空気泡供給装置500から
供給される空気泡の浮力によって管状ろ過膜310内お
よび管状体721内を上昇し、誘導装置700の筒状体
710の上端から溢れ出る。すなわち、この浸漬型膜ろ
過方法では、誘導装置700の全体およびろ過膜モジュ
ール300の一部が被処理液から露出していても、空気
泡によるクロスフローが維持され得る。換言すると、こ
の膜ろ過方法は、ろ過処理槽120内における被処理液
の液面がl1以上に設定されている場合、例えば、上述
のl1およびl2の範囲に設定されている場合、被処理液
のろ過処理を継続的に実施することができる。
【0061】因みに、誘導装置700の全体およびろ過
膜モジュール300の一部が被処理液から露出している
場合、誘導装置700とろ過膜モジュール300との合
計長さ(高さ)をL、誘導装置700の上端から被処理
液の液面lまでの距離(すなわち、誘導装置700の長
さとろ過膜モジュール300の露出部分の長さとの合
計)をΔLとした場合(図1参照)、液面lからΔLの
露出部分にある管状ろ過膜310中および管状体721
中の被処理液の重力は浮力に抗するので、ΔLが大きく
なるとともに管状ろ過膜310内および管状体721内
における空気泡と被処理液との上昇速度は小さくなる。
例えばΔL/L値が80%になると、当該値が0%のと
きの約40%まで上昇速度は低下する。しかし、その場
合におけるろ過膜モジュール300のろ過流量は、後述
するように、上昇速度のおよそ1/3に比例するので、
ろ過膜モジュール300が被処理液中に完全に浸漬され
ている状態でろ過処理を実施している場合の少なくとも
70%、通常は約75%に維持され得る。したがって、
この浸漬型膜ろ過方法は、被処理液の液面を上述の範囲
で変動させながら、しかもろ過流量を著しく低下させる
ことなく、被処理液を効率的にろ過することができる。
【0062】上述のような浸漬型膜ろ過方法では、被処
理液中に含まれる上述のような各種のろ別成分が各管状
ろ過膜310の内周面により捕捉され、被処理液から取
り除かれる。このため、各管状ろ過膜310は、内周面
にろ別成分によるケーク層が堆積し、ろ過性能が低下す
ることになる。そこで、上述のような浸漬型膜ろ過方法
においては、管状ろ過膜310の内周面に堆積したケー
ク層を定期的に除去し、ろ過性能を維持する必要があ
る。
【0063】管状ろ過膜310の内周面に堆積したケー
ク層を除去するためには、例えば、空気泡供給装置50
0から供給する空気泡の量を一時的に増加させ、通常の
ろ過運転時に比べて大量の空気泡を各管状ろ過膜310
内に通過させる。これにより、管状ろ過膜310の内周
面に堆積したケーク層は、管状ろ過膜310内を高速で
上昇する多量の空気泡により洗浄されて剥離し、被処理
液と共に管状ろ過膜310内を誘導装置700に向けて
上昇する。
【0064】管状ろ過膜310に堆積したケーク層を上
述のような操作で除去するのが困難な場合は、管状ろ過
膜310を逆洗する。ここでは、第1電磁弁602を閉
鎖しかつ第2電磁弁604を開放し、図示しない高圧空
気供給装置から分岐路603内に高圧空気を供給する。
この高圧空気は、分岐路603からろ過液排出経路60
0内に流入し、ろ過液排出経路600内のろ過液を排出
口303から収納容器301内に逆流させる。この結
果、ろ過液は、各管状ろ過膜310を外側から内側方向
に加圧されながら通過し、管状ろ過膜310の内周面に
堆積したケーク層を剥離させる。この際、空気泡供給装
置500から供給する空気泡の量を上述のように一時的
に増加させておけば、剥離したケーク層は被処理液と共
に管状ろ過膜310内を誘導装置700に向けて上昇す
る。このようにして管状ろ過膜310から剥離したケー
ク層は、被処理液と共に誘導装置700内を上昇し、排
出路730を経由して沈殿槽110に搬送され、そこで
沈殿する。
【0065】以上の結果、ろ過処理槽120では、洗浄
時に剥離したケーク層による被処理液中の浮遊物が減少
し、また、当該ケーク層による堆積物が少なくなるの
で、ケーク層の堆積物を除去したり、被処理液を入れ替
えたりするための定期的なメンテナンス作業負担が軽減
される。また、管状ろ過膜310は、洗浄によりろ過性
能が回復し、しかも剥離したケーク層が誘導装置700
により沈殿槽110に搬送されるため(すなわち、ろ過
処理槽120の外部に搬送されるため)再付着しにくい
ので、ろ過効率が低下しにくくなり、被処理液を長期間
に渡り安定にろ過処理することができる。また、この浸
漬型膜ろ過装置200は、洗浄時に剥離したケーク層を
沈殿槽110に搬送するための、追加的なエネルギーが
必要な特殊な装置を必要としないので、上述のような浸
漬型膜ろ過を経済的に実施することができる。
【0066】ここで、上述のような管状ろ過膜310を
用いたろ過膜モジュール300のろ過流量を解析的に説
明する。例えば、財団法人日本環境整備教育センター発
行の「膜処理法を導入した小型生活排水処理装置の実用
化に関する研究報告書:平成4年度〜平成7年度」にお
いて見られるように、フラックス(単位膜面積当たりの
ろ過流量)は中空糸膜モジュールよりも平膜モジュール
の方が大きい。このため、平膜モジュールを解析の比較
対象とした。
【0067】参考のため、図14を参照して、比較対象
となる平膜モジュールの概略を説明する。図において、
平膜モジュール800は、収納容器801と、この収納
容器801内に配置された多数の膜プレート802とを
主に備えている。収納容器801は、例えば、上部およ
び下部がそれぞれ開口した角筒状の部材である。一方、
膜プレート802は、図15に示すように、矩形状の枠
体803と、この枠体803において隙間804を設け
て対向し合う1対のろ過膜805,805とを主に備え
ている。このろ過膜805は、例えば精密ろ過膜であ
る。枠体803の上部には、隙間804に連絡する、ろ
過液の排出口806が形成されている。各膜プレート8
02の排出口806は、通常、図13に示すように、排
出管807に接続される。なお、この種の平膜モジュー
ル800の概略は、例えば、日本国建設省建築研究所
膜分離技術等を用いた高度処理浄化槽研究委員会編、
「用水と廃水」Vol.40、No.3、45(199
8)等において説明されている。
【0068】このような平膜モジュール800は、上述
のろ過膜モジュール300と同様にろ過処理槽120内
に配置され、被処理液の浸漬型膜ろ過に供される。ここ
で、空気泡と共に膜プレート802間を流れる被処理液
は、ろ過膜805の外側から内側に流れてろ過される。
そして、その際のろ過液は、隙間804を通過し、排出
口806を経由して排出管807内に排出される。
【0069】表1に、上述のようなろ過膜モジュール3
00(以下、このろ過膜モジュールを「管状ろ過膜モジ
ュール」と表現する場合がある)と上述のような平膜モ
ジュール800の主な特性をまとめて示す。ここでは、
不必要な煩雑さを持ち込まないようにするため、両モジ
ュールについて膜の長さLを共通とした。同じ理由によ
り、モジュールの設置面積については、ろ過膜モジュー
ル300では収納容器301の厚さを、また、平膜モジ
ュール800では枠体803をそれぞれ除いた、膜部分
が占める面積を示している。
【0070】
【表1】
【0071】ここで、ろ過膜モジュール300で用いら
れる収納容器301の内径をDとすると、ろ過膜モジュ
ール300における収納容器301の断面積あたりの膜
面積Mは、次の式(1)で表される。なお、表1および
式(1)において、εは管状ろ過膜310の充填率を示
し、この充填率は下記の式で求められる。式中のSは、
収納容器301の軸線方向に垂直な断面における収納容
器301の内部の断面積(図3に網掛け線で示した部分
の面積に相当)を示している。
【0072】
【数1】
【0073】ろ過膜モジュール300において、管状ろ
過膜310の充填率εはおよそ0.7〜0.8になるの
で、式(1)から得られるろ過膜モジュール300の膜
面積は、同じ長さの中空糸膜モジュールあるいは平膜モ
ジュールの1.5〜2倍の大きさに相当する。すなわ
ち、ろ過膜モジュール300は、平膜モジュールに比
べ、設置面積あたりの膜面積が極めて大きい。
【0074】ところで、浸漬型膜ろ過が適用される大多
数の実液(被処理液)の粘度は数mPa・s以上であ
り、平膜モジュール800、ろ過膜モジュール300共
に、モジュール内における被処理液の流れを層流と見な
すことができる。
【0075】平行流れが層流のクロスフローろ過におい
ては、平膜モジュール800に対するろ過膜モジュール
300のろ過流量が次式(2)で表される(例えば、中
垣、清水、「膜処理技術大系」第1編−第3章、株式会
社フジ・テクノシステム(1991) 参照)。
【0076】
【数2】
【0077】式中、J、Mおよびuは、それぞれろ過流
量、膜面積および平行流れの線速であり、下付き記号T
およびPは、それぞれろ過膜モジュール300および平
膜モジュール800の値であることを示す。平行流れは
気泡と液体の混合物からなるが、同じ速度で移動してい
ると仮定している。dは平膜モジュール800の膜プレ
ート802間の間隔を、また、diはろ過膜モジュール
300の管状ろ過膜310の内径をそれぞれ示してい
る。ここで、指数a、cは、層流の場合ともに1/3で
ある。したがって、これらの値を代入すると、次の式
(3)のようになる。
【0078】
【数3】
【0079】ここで、ろ過膜モジュール300において
は全ての管状ろ過膜310に、また、平膜モジュール8
00においては全ての膜プレート802間に気泡が均等
に分配されていると仮定すると、各モジュールにおける
平行流れの線速について、それぞれ次式(4)および
(5)が導かれる。
【0080】
【数4】
【0081】ここで、qaは、一つの流路あたりに換算
した空気流量であり、ろ過膜モジュール300では1本
の管状ろ過膜310当たりの空気の流量を、また、平膜
モジュール800では幅wの1つの膜プレート802間
隔当たりの空気の流量をそれぞれ意味する。したがっ
て、uaは換算線速である。ρfおよびμfは、それぞれ
被処理液の密度および粘度である。σは無次元の圧力損
失係数であり、ろ過膜モジュール300では32、平膜
モジュール800では12である。gは重力加速度であ
る。換算線速は、単位膜面積当りの空気流量、またはモ
ジュール当りの全空気流量に、それぞれのモジュールの
形状を表す数値を用いて次の表2のように変換すること
ができる。
【0082】
【表2】
【0083】表1および表2から、ろ過膜モジュール3
00と平膜モジュール800との線速比が次の式(6)
で表される。
【0084】
【数5】
【0085】式(3)および(6)を用い、ろ過膜モジ
ュール300および平膜モジュール800の能力を様々
な視点から比較することができるが、現実性を失わずに
単純化するため、ここでは、両モジュールに共通の条件
として、被処理液の密度ρfを1,000kg/m3、膜
の長さLを1mに設定する。また、平膜モジュール80
0については膜プレート802の厚さtを5mmに設定
し、ろ過膜モジュール300については管状ろ過膜31
0の外径(d0)と内径(di)との比(d0/di)を
1.2、充填率εを0.8(最密充填状態では約0.9
である)にそれぞれ設定する。空気流量については、平
膜モジュール800で標準的に用いられている単位膜面
積当たり15L/分/m2を比較基準とする。
【0086】次の表3は、被処理液の粘度μfを10m
Pa・sに設定した場合において、膜プレート802間
隔dと管状ろ過膜310の内径diとを同じにし、ま
た、両モジュールについて総膜面積と全空気流量とを同
じにした場合の計算結果を示している。
【0087】
【表3】
【0088】また、次の表4は、同じ条件で被処理液の
粘度μfのみを100mPa・sに変更した場合の計算
結果を示している。
【0089】
【表4】
【0090】表3および表4が示すように、広い粘度範
囲の被処理液に関し、ろ過膜モジュール300は、平膜
モジュール800の約1/2の設置面積であるにも拘わ
らず、ろ過流量が平膜モジュール800よりも大きい。
もう一つの例として、被処理液の粘度μfを10mPa
・sに設定した場合において、膜プレート802間隔d
と管状ろ過膜310の内径diとを同じにし、また、両
モジュールについて、モジュール設置面積と全空気流量
とを同じにした場合の計算結果を表5に示す。
【0091】
【表5】
【0092】表5は、同じモジュール設置面積、同じ全
空気流量の場合、ろ過膜モジュール300が平膜モジュ
ール800の2倍以上のろ過流量を持つことを示してい
る。さらに、表3〜表5は、ろ過流量を膜面積で割った
フラックスも大きく、ろ過膜モジュール300が平膜モ
ジュール800に比べて原理的にも優れていることを示
している。以上の解析例から明らかなように、ろ過膜モ
ジュール300は、すべての管状ろ過膜310に対して
均等に空気泡が分配されるならば、平膜モジュール80
0や中空糸膜モジュールに比べ、格段にコンパクトであ
るにも拘らず、これらのモジュールよりもろ過流量が大
きい。
【0093】なお、ろ過膜モジュール300において
は、上述の通り、管状ろ過膜310中に供給された空気
泡は、当該管状ろ過膜310内を上昇する以外、他に移
動することができないので、ろ過膜モジュール300の
一部(上部)が被処理液から露出しているとしても、管
状ろ過膜310内の被処理液全体を浮力により押し上げ
ることができる。すなわち、ろ過膜モジュール300
は、一部が被処理液から露出しても、全体が被処理液中
に浸漬されている場合と同様に、被処理液のろ過処理を
実施することができる。これに対し、平膜モジュールや
中空糸膜モジュールは、被処理液が膜間の広い流路の中
を自由に動くことができるため、モジュールの一部が被
処理液から露出すると、空気泡によって押し上げられる
被処理液の流量は激減する。したがって、平膜モジュー
ルや中空糸膜モジュールは、被処理液から一部が露出す
ると被処理液の循環流量が激減するため、被処理液のろ
過処理が不可能になる。このため、平膜モジュールや中
空糸膜モジュールでは、上述のような浸漬型膜ろ過シス
テム100を構成するのは困難である。
【0094】上述のような浸漬型膜ろ過装置200およ
び浸漬型膜ろ過方法は、河川水をろ過して水道水用原水
を製造する場合のような、夾雑物等のろ別成分の含有量
が比較的少ない被処理液を大量にろ過処理する大規模ろ
過を継続的に実施する場合において特に効果的である
が、活性汚泥処理液のような高汚濁液をろ過処理する場
合においても効果的に利用することができる。すなわ
ち、上述の浸漬型膜ろ過装置200および浸漬型膜ろ過
方法は、被処理液を選ばず、各種の被処理液のろ過処理
用に広く用いることができる。
【0095】[他の実施の形態] (1)上述の実施の形態では、ろ過液排出経路600の
先端に吸引ポンプ601を接続し、ろ過膜モジュール3
00において被処理液を定速ろ過したが、本発明の浸漬
型膜ろ過方法は定圧ろ過方式で実施することもできる。
この場合は、図1に一点鎖線で示すように、ろ過液排出
経路600において、吸引ポンプ601のろ過膜モジュ
ール300側から上方に向けて均圧パイプ605を設け
る。この均圧パイプ605は、ろ過処理槽120におけ
る被処理液の水位の上限より上(好ましくは、ろ過処理
槽120よりも上)において開放するよう設定するのが
好ましい。このようにすると、ろ過膜モジュール300
におけるろ過圧は、ろ過処理槽120内における被処理
液の水位にかかわらず、ろ過膜モジュール300の上端
とろ過液排出経路600の先端部との高低差による一定
の水頭圧(図1のΔP)に保たれる。
【0096】(2)上述の実施の形態では、ろ過液の排
出口303が収納容器301の側面に設けられているろ
過膜モジュール300を用いた場合について説明した
が、浸漬型膜ろ過装置200において利用可能なろ過膜
モジュールはこれに限定されるものではない。
【0097】図16および図17(図16のXVII−
XVII断面図)を参照して、浸漬型膜ろ過装置200
において利用可能な他の形態のろ過膜モジュール900
を説明する。このろ過膜モジュール900は、円筒状の
収納容器901と、この収納容器901内に充填された
管状ろ過膜群902とを主に備えている。収納容器90
1は、例えば樹脂製の部材であり、円筒状の集水管90
3と、当該集水管903の軸を中心としてその外側に間
隔(空間)を設けて同心円状に配置された円筒状の外筒
904とを主に備えている。集水管903は、図の下端
部が閉鎖されており、また、図の上端部が開口して排出
口905を形成している。また、集水管903は、複数
の通液孔906を壁面に備えている。
【0098】管状ろ過膜群902は、上述のろ過膜モジ
ュール300で用いたものと同じ管状ろ過膜310の多
数本を含む群であり、各管状ろ過膜310は、収納容器
901の集水管903と外筒904との間に形成された
空間内に、集水管903と平行に充填されている。この
ような管状ろ過膜群902の上端部および下端部は、そ
れぞれウレタン樹脂などの樹脂材料を用いて形成された
保持部907により、各管状ろ過膜310の両端の開口
状態を維持しつつ収納容器901に対して一体的に保持
されると共に固定されている。この結果、収納容器90
1の両端部は、当該保持部907により液密に閉鎖され
ることになる。
【0099】なお、図16では、理解の便のため、管状
ろ過膜310の太さ、管状ろ過膜310間の隙間等を強
調している。また、図面を理解し易くするため、図16
では管状ろ過膜310の本数を少な目に表現し、また、
図17においては管状ろ過膜310の一部のみ表示して
いる。
【0100】このようなろ過膜モジュール900は、例
えば次のような工程を経て製造することができる。先
ず、図18に示すような固定装置920を用い、収納容
器901を形成する。ここで用いる固定装置920は、
外筒904内に集水管903を同心状態で固定するため
のものであり、外筒904を保持するための外筒保持部
921と、集水管903を保持するための集水管保持部
922とを備えている。
【0101】外筒保持部921は、外筒904の一端を
収納するための受け部923と、受け部923に対して
外筒904を固定するための押え板924とを有してい
る。受け部923は、外筒904の端部を収納可能な円
形の凹部925を有しており、その凹部925の中心部
には、孔部926が形成されている。また、凹部925
は、深さ方向の中程において、開口側の内径が大きくな
るよう設定されており、そのような内径の変更部分にお
いて段部927を形成している。さらに、凹部925の
開口部周縁には溝928が形成されており、当該溝92
8には環状のゴム弾性体929が配置されている。一
方、押え板924は、中心部に外筒904を挿入可能な
挿入孔930を備えた部材であり、平面形状が受け部9
23と概ね同じに設定されている。
【0102】一方、集水管保持部922は、シャフト9
31、位置決め部材932、押え具933およびナット
934を備えている。シャフト931は、集水管903
内に挿入可能でありかつ受け部923の孔部926を貫
通可能な棒状の部材であり、一端に螺旋部935を有
し、また、他端に頭部936を有している。位置決め部
材932は、集水管903内に挿入可能な挿入部937
と、当該挿入部937を集水管903内に挿入した状態
で集水管903から突出する突出部938とを一体的に
有する概ね円柱状の部材であり、その中心部にはシャフ
ト931を貫通させるための貫通孔939が形成されて
いる。突出部938の突出量は、受け部923の凹部9
25における低部から段部927までの距離と同じに設
定されている。押え具933は、集水管903の内部に
挿入可能な円板状の部材であり、中心にシャフト931
を挿入するための挿入孔940を有している。ナット9
34は、シャフト931の螺旋部935に対して装着可
能なものである。
【0103】上述の固定装置920を用いて収納容器9
01を製造する場合は、先ず、外筒904を外筒保持部
921により保持する。ここでは、外筒904の一端を
受け部923の凹部925内に挿入し、段部927に当
接させる。そして、押え板924の挿入孔930内に外
筒904が挿入された状態で、押え板924をゴム弾性
体929に対して押し付けた状態で固定する。これによ
り、外筒904は、一端が凹部925内に挿入された状
態で保持されることになる。
【0104】次に、集水管保持部922を用い、集水管
903を外筒904の内部に配置する。ここでは、先
ず、位置決め部材932の挿入部937の先端に管状の
ゴム弾性体941を装着し、その状態で当該挿入部93
7を集水管903内に挿入する。また、集水管903内
に、位置決め部材932を挿入した側とは異なる側から
押え具933を挿入する。そして、シャフト931を、
その頭部936が押え具933に当接するよう、押え具
933の挿入孔940および位置決め部材932の貫通
孔939に挿入する。この状態で、シャフト931の螺
旋部935が受け部923の孔部926から突出するよ
う集水管903を外筒904の内部に挿入し、螺旋部9
35にナット934を装着する。これにより、固定装置
920は、集水管903が外筒904内で同心円状に配
置された状態で両者を保持し、収納容器901を形成す
ることになる。
【0105】次に、上述のようにして形成された収納容
器901内に管状ろ過膜群902を充填する。ここで
は、多数本の管状ろ過膜310を平行に束ねた管状ろ過
膜群902を、外筒904と集水管903との間に形成
された空間内に挿入する。この際、各管状ろ過膜310
の長さは収納容器901よりも大きく設定しておき、管
状ろ過膜群902の両端部が収納容器901から突出す
るよう設定する。また、各管状ろ過膜310の両端は、
ヒートシールにより閉鎖しておく。
【0106】次に、樹脂材料を用い、管状ろ過膜群90
2を収納容器901に対して固定する。ここでは、先
ず、図19に示すようなモールド950を用意する。こ
のモールド950は、キャビティ951を備えたもので
あり、キャビティ951は管状ろ過膜群902を挿入可
能な中心部952と、中心部952の周りに連続して形
成された、収納容器901の外筒904を挿入可能な外
筒挿入部953とを備えている。このモールド950の
中心部952には、未硬化状態の樹脂材料954(例え
ば未硬化ウレタン樹脂)を注入しておく。
【0107】一方、固定装置920により形成された収
納容器901において、集水管903の開口側を、キャ
ップ955を用いて閉鎖する(図18)。そして、図1
9に示すように、収納容器901から突出している管状
ろ過膜群902をキャビティ951の中心部952内に
注入された樹脂材料954中に徐々に浸漬し、外筒90
4の端部を外筒挿入部953内で保持する。この状態を
樹脂材料954が硬化するまで維持し、樹脂材料954
が完全に硬化してからモールド950を取り外す。これ
により、管状ろ過膜群902の一端側は、収納容器90
1の一端側に対して固定されることになる。その後、収
納容器901から突出している、硬化した樹脂材料95
4および管状ろ過膜群902を切除し、また、キャップ
955を取り外す。
【0108】次に、収納容器901を固定装置920か
ら一旦分離し、収納容器901を逆向きにしてから再度
固定装置920により固定する。その状態で、モールド
950に対する上述のような操作を繰り返すと、管状ろ
過膜群902の他端側も収納容器901の他端側に対し
て固定され、目的とするろ過膜モジュール900が得ら
れる。この際、集水管903の開口部をキャップ955
で閉鎖しなければ、集水管903の内部にも樹脂材料9
54が流入し、それが集水管903の一端を閉鎖するこ
とになる。製造されたろ過膜モジュール900におい
て、収納容器901の両端部は、各管状ろ過膜310の
両端部を除き、硬化した樹脂材料954による保持部9
07が形成され、既述の通り、この保持部907により
液密に閉鎖されることになる。
【0109】なお、上述の製造工程において用いられる
樹脂材料954は、上述の実施の形態において用いたろ
過膜モジュール300の場合と同様、ウレタン樹脂の他
に、エポキシ樹脂などの他の熱硬化性樹脂やホットメル
ト接着材であってもよい。また、上述の製造工程におい
ては、収納容器901と樹脂材料954との接着性を高
めることを目的として、外筒904の内周面および集水
管903の外周面に対し、予め接着助剤の利用による、
またはコロナ放電処理による表面処理を施しておいても
よい。また、収納容器901に対する樹脂材料954の
アンカー効果を高めるため、外筒904の両端部の内周
面および集水管903の両端部の外周面に凸部および凹
部のうちの少なくとも1つを形成してもよい。ここで、
凸部は、外筒904や集水管903と同じ材料からなる
リングを所定の部位に接着すると形成することができ
る。一方、凹部は、所定の部位に溝加工等を施すと形成
することができる。なお、溝状の凹部は環状に形成され
ているのが好ましい。また、凹部は、奥行き方向に拡大
する形状に設定されているのが好ましい。
【0110】このようなろ過膜モジュール900を用い
て上述の浸漬型膜ろ過装置200を構成する場合、ろ過
液排出経路600は、排出口905に対して接続する。
また、このようなろ過膜モジュール900を用いる場合
の誘導装置700は、筒状体710の中心部分において
ろ過液排出経路600が位置することになるため、当該
ろ過液排出経路600と筒状体710の内周面との間に
管状体721を密に充填する。
【0111】なお、このろ過膜モジュール900を用い
た被処理液のろ過処理時において、被処理液は、空気泡
供給装置500から噴出する空気泡に伴い、図16に矢
印で示すように、ろ過膜モジュール900の各管状ろ過
膜310内を下側から上側に向けて押し上げられる。こ
の際、被処理液の一部は、管状ろ過膜310を内側から
外側に通過してろ過され、また、被処理液中に含まれる
ろ別成分は、管状ろ過膜310のろ過膜層311により
捕捉され、被処理液から取り除かれる。ろ別成分が取り
除かれた被処理液(ろ過液)は、管状ろ過膜310間の
隙間を通過し、通液孔906から集水管903内に流入
する。集水管903内に流入したろ過液は、排出口90
5から収納容器901の外部、すなわちろ過液排出経路
600内に連続的に排出される。このような一連のろ過
処理により、貯留槽2内の被処理液は、図1に矢印で示
すのと同様に、ろ過膜モジュール900を下側から上側
方向に通過することになる。
【0112】(3)上述の浸漬型膜ろ過装置200で
は、ろ過膜モジュール300を円筒状に、すなわち、ろ
過膜モジュール300の収納容器301を円筒状に形成
したが、収納容器301は、角筒状や多角形(例えば五
角形以上の多角形)の筒状等、他の形状の筒状に形成さ
れていてもよい。
【0113】(4)上述の実施の形態では、管状ろ過膜
310において突起320を連続した螺旋状に設けた
が、突起320の形態はこれに限定されるものではな
い。すなわち、突起320は、支持膜層312の外周面
において部分的に設けられていればよく、例えば、断続
的な螺旋状や点状などの各種の形態で設けられていても
よい。
【0114】(5)上述の実施の形態では、管状ろ過膜
310をろ過膜層311と支持膜層312との2層構造
に形成したが、管状ろ過膜310の潰れ圧を、その肉厚
と外径との比を適宜設定することにより上述の所要の値
に設定する場合は、図20に示すように、支持膜層31
2の外周面にさらに通液性を有する補強層316を配置
してもよい。
【0115】ここで用いられる補強層316は、通液性
を有するものであれば特に限定されるものではないが、
通常は支持膜層312を構成するものと同様の不織布、
特にポリエステル樹脂系の不織布が好ましく用いられ
る。なお、このような補強層316を備えた管状ろ過膜
310は、通常、管状ろ過膜310を製造するために用
いられる上述の複合膜313の支持膜層312側にさら
に補強層316が積層された複合膜を用いると製造する
ことができる。このような複合膜を製造する場合におい
て、補強層316は、通常、支持膜層312の表面にホ
ットメルト接着剤や熱硬化性接着剤を点在させて接着す
るのが好ましい。このようにすると、複合膜は、補強層
316によりろ過抵抗が高まるのを抑制することがで
き、上述の実施の形態の場合と同様のろ過抵抗、すなわ
ち、ろ過液の通過性を達成することができる。
【0116】なお、管状ろ過膜310がこのような補強
層316を備えている場合、当該管状ろ過膜310の肉
厚および外径は、この補強層316を含めて計算する。
また、管状ろ過膜310の表面に上述のような突起32
0を形成する場合、当該突起320は補強層316の表
面に形成する必要がある。
【0117】(6)上述の実施の形態では、空気泡供給
装置500の空気泡噴出孔510から発生する空気泡の
大きさを、管状ろ過膜310の内径以上になるよう設定
したが、本発明の浸漬型膜ろ過方法はこれに限定される
わけではない。すなわち、本発明の浸漬型膜ろ過方法
は、上記空気泡の大きさが管状ろ過膜310の内径より
小さい場合であっても実施することができる。
【0118】(7)上述の実施の形態では、誘導装置7
00からの被処理液を沈殿槽110に戻したが、当該被
処理液は、沈殿槽110以外において別途処理すること
もできる。
【0119】(8)上述の実施の形態では、誘導装置7
00において、筒状体710内に管状体721を密に充
填することにより、管状体群720を筒状体710内で
保持したが、管状体721は、ろ過膜モジュール300
における管状ろ過膜310と同様に、筒状体710の上
部および下部において、樹脂材料を用いて固定されてい
てもよい。
【0120】[実験例]実験用膜ろ過システムの作成 ポリエステル製不織布上に孔径が約0.4μmの微孔を
全面に有するろ過膜が一体的に配置された、厚さ0.2
mmの複合膜を幅2cmのテープ状に裁断した。そし
て、テープ状の複合膜を、ろ過膜表面を内側にして心棒
に螺旋状に巻きつけながら超音波溶着し、内径が3m
m、7mmおよび10mmにそれぞれ設定された三種類
の管状ろ過膜を作成した。これらの管状ろ過膜を内径が
28mm、全長が70cmのプラスチックパイプに充填
し、表6に示す仕様に設定された、上述の実施の形態に
係るA、BおよびCの3種類のろ過膜モジュール300
を作成した。
【0121】
【表6】
【0122】これらのろ過膜モジュール300を用い、
上述の実施の形態に係る浸漬型膜ろ過装置200(但
し、誘導装置700を省略したもの)を製造した。ここ
では、案内筒400として、全長25cm、内径28m
mのプラスチックパイプを用いた。また、案内筒400
内において、ろ過膜モジュール300の下端から20c
mの位置に、空気泡供給装置500を配置した。空気泡
供給装置500を構成するパイプには、口径4mmの空
気泡噴出孔510を設けた、内径4mm、外径6mmの
パイプを用いた。また、案内筒400に長さが5cmの
脚402を取り付け、浸漬型膜ろ過装置200の全長
(全高)を100cmに設定した。
【0123】上述の浸漬型膜ろ過装置200を用い、図
21に示すような実験用膜ろ過システムを作成した。こ
の膜ろ過システムでは、透明な円筒容器からなる貯留槽
150内に浸漬型膜ろ過装置200を配置し、空気泡供
給装置500には空気供給装置525(曝気ポンプ)を
接続した。また、ろ過膜モジュール300からのろ過液
排出経路600の先端部は、ろ過膜モジュール300の
上端より下方に配置し、ΔP(60cm)の水頭圧が作
用するように設定した。なお、ろ過液排出経路600の
先端部の下には、ろ過液受け606を配置し、それにろ
過液が貯留されるようにした。また、ここに貯留される
ろ過液は、チューブポンプ607を用いて貯留槽150
に戻すよう設定した。
【0124】上述の膜ろ過システムで処理する被処理液
には、26±1℃に温度調整した、カルボキシメチルセ
ルロース(CMC)1,000ppmと平均分子量が約
30万のポリエチレンオキサイド(PEO)0.8重量
%とを含む水溶液(以下、モデル水溶液という)を用い
た。モデル水溶液の粘度は8mPa・sであった。な
お、モデル水溶液については、予め、CMCとPEOと
の透過性を確認しておいた。ここでは、CMCのみを含
む比較水溶液のろ過液の粘度と、モデル水溶液のろ過液
の粘度とを測定して比較した。そして、比較水溶液のろ
過液の粘度が約1.5mPa・s以下(粘度計の読み取
り精度の限界)であったのに対し、モデル水溶液のろ過
液の粘度がPEOのみの濃度に相当する粘度であったこ
とから、モデル水溶液をろ過した場合、大部分のCMC
は微小ゲルの状態で懸濁しているために膜を透過せず、
PEOは分子状態で溶解しているために膜を素通りする
ものと判断した。
【0125】上述の膜ろ過システムを用いてモデル水溶
液をろ過処理した場合、ろ過流量が一定値に達するまで
に要する時間は概ね3時間であった。以下の実験例にお
いて、ろ過流量にはこの定常値を用いている。
【0126】実験例1 上述の膜ろ過システムにおいてろ過膜モジュールBを用
い、空気泡供給装置500からの曝気流量を1.5L/
分(15L/m2/分相当)に設定してモデル水溶液の
ろ過を実施した。そして、モデル水溶液の液面lからの
ろ過膜モジュールBの露出量ΔLとろ過流量との関係を
調べた。結果を図22に示す。図22において、ろ過流
量は、ろ過膜モジュールBの露出量ΔLが0の場合に対
する相対値で表した。
【0127】図22によると、ろ過膜モジュールBの5
0%がモデル水溶液から露出しても、ろ過膜モジュール
Bの全体がモデル水溶液中に完全に浸漬されている場合
の約75%のろ過流量が維持されていることがわかる。
【0128】実験例2 実施例1において、ろ過膜モジュールBをろ過膜モジュ
ールCに変更し、また、空気泡供給装置500からの曝
気流量を0.9L/分(15L/m2/分相当)に変更
した。そして、実施例1の場合と同様にして、モデル水
溶液の液面lからのろ過膜モジュールCの露出量ΔLと
ろ過流量との関係を調べた。結果を図23に示す。
【0129】図23によると、ろ過膜モジュールCの5
0%がモデル水溶液から露出しても、ろ過膜モジュール
Cの全体がモデル水溶液中に完全に浸漬されている場合
の約65%のろ過流量が維持されていることがわかる。
しかし、露出時のろ過流量は、ろ過膜モジュールBを用
いた場合に比べると大きく低下している。この結果によ
ると、ろ過膜モジュール300が露出している場合でも
ろ過流量が著しく低下しにくいようにするためには、管
状ろ過膜として、内径が15mm以下のものを用いるの
が好ましいと考えられる。
【0130】実験例3 ろ過膜モジュールAを用いて実験例1、2と同様の実験
を行った。その結果、ろ過膜モジュールAをモデル水溶
液から露出しながらろ過処理したときのろ過流量の低下
は、ろ過膜モジュールBを用いた場合に比べて軽微なこ
とが判明した。一方、モデル水溶液にPEOを追加して
モデル水溶液の粘度を高めると、ろ過膜モジュールB、
Cの場合とは異なり、モデル水溶液の粘度の増加ととも
に案内筒400の下端から溢れ出る空気泡が多くなっ
た。本発明の膜ろ過装置で処理する被処理液として、粘
度がおよそ10mPa・sを超えるものも普通に考えら
れるので、ろ過膜モジュール300において使用できる
管状ろ過膜310の内径はおよそ2mm以上が好ましい
ものと考えられる。
【0131】
【発明の効果】本発明の浸漬型膜ろ過装置は、管状ろ過
膜を備えた上述のようなろ過膜モジュール、空気泡供給
装置および誘導装置を備えているため、浸漬型膜ろ過時
において、ろ過膜のろ過効率が低下しにくい。
【0132】また、本発明の浸漬型膜ろ過方法は、管状
ろ過膜を備えた上述のようなろ過膜モジュールを用い、
空気泡の供給により管状ろ過膜を上方向に通過する被処
理液を貯留槽の外部に排出しているので、ろ過膜のろ過
効率が低下しにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る浸漬型膜ろ過装置
が採用された浸漬型膜ろ過システムの概略図。
【図2】前記浸漬型膜ろ過装置に採用されたろ過膜モジ
ュールの縦断面図。
【図3】前記ろ過膜モジュールの図2のIII−III断面に
相当する図。
【図4】図3のIV矢視図。
【図5】図4のV−V断面図。
【図6】前記ろ過膜モジュールに用いられる管状ろ過膜
の斜視図。
【図7】図6のVII−VII断面端面図。
【図8】前記管状ろ過膜の製造工程を示す図。
【図9】前記ろ過膜モジュールを製造するための一工程
を示す図。
【図10】前記ろ過膜モジュールを製造するための他の
工程を示す図。
【図11】前記浸漬型膜ろ過装置に採用された案内筒の
縦断面図。
【図12】前記案内筒の、図11のXII−XII断面に相
当する図。
【図13】前記浸漬型膜ろ過装置に採用された誘導装置
の縦断面図。
【図14】前記ろ過膜モジュールのろ過流量特性を解析
する際に比較の対象とした平膜モジュールの一部断面正
面図。
【図15】前記平膜モジュールに用いられる膜プレート
の一部切欠斜視図。
【図16】前記膜ろ過装置において利用可能な他の形態
のろ過膜モジュールの縦断面図。
【図17】前記他の形態のろ過膜モジュールの、図16
のXVII―XVII断面に相当する図。
【図18】前記他の形態のろ過膜モジュールを製造する
ための一工程を示す図。
【図19】前記他の形態のろ過膜モジュールを製造する
ための他の工程を示す図。
【図20】前記ろ過膜モジュールに用いられる管状ろ過
膜の変形例の図7に相当する図。
【図21】実験例で作成した実験用膜ろ過システムの概
略図。
【図22】実験例1で用いたろ過膜モジュールについ
て、モデル水溶液からの露出量とろ過流量との関係を調
べた結果を示すグラフ。
【図23】実験例2で用いたろ過膜モジュールについ
て、モデル水溶液からの露出量とろ過流量との関係を調
べた結果を示すグラフ。
【符号の説明】
120 ろ過処理槽 200 浸漬型膜ろ過装置 300,900 ろ過膜モジュール 301,901 収納容器 302,902 管状ろ過膜群 303,905 排出口 310 管状ろ過膜 500 空気泡供給装置 700 誘導装置 710 筒状体 721 管状体 730 排出路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 尚樹 大阪府高槻市古曽部町二丁目3番21号 株 式会社ユアサコーポレーション内 Fターム(参考) 4D006 GA07 HA28 HA93 JA04A JA07A JA10A JA31Z KA43 KC03 KE21P MA02 MA33 MC11 MC22 MC23 MC48X NA47 PA01 PB12 PB15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】貯留槽内に貯留された被処理液をろ過して
    ろ過液を得るための浸漬型膜ろ過装置であって、 内面に前記被処理液のろ過機能を有する管状ろ過膜の複
    数本を含む管状ろ過膜群が前記ろ過液の排出口を有する
    筒状の収納容器内に収容されかつその両端部で保持され
    た、前記管状ろ過膜が上下方向に開口するよう前記貯留
    槽内に配置可能なろ過膜モジュールと、 前記貯留槽内において前記ろ過膜モジュールの下方に配
    置された、前記ろ過膜モジュールに向けて空気泡を供給
    するための空気泡供給装置と、 前記ろ過膜モジュールの上部に配置された、前記ろ過膜
    モジュールを通過する前記被処理液を前記貯留槽の外部
    に誘導するための誘導装置とを備え、 前記誘導装置は、軸方向に垂直な断面形状が前記収納容
    器の軸方向に垂直な断面形状と実質的に同一に形成され
    かつ上下方向に開口するよう前記収納容器の上部に配置
    された筒状体と、前記筒状体内において上下方向に開口
    するよう充填された管状体と、前記ろ過膜モジュールを
    通過して前記筒状体の上部から溢れる前記被処理液を前
    記貯留槽の外部に誘導するための誘導路とを備えてい
    る、浸漬型膜ろ過装置。
  2. 【請求項2】前記排出口から前記収納容器内に前記ろ過
    液を逆流させるための逆流装置をさらに備えている、請
    求項1に記載の浸漬型膜ろ過装置。
  3. 【請求項3】前記管状ろ過膜の内径が2〜15mmであ
    る、請求項1または2に記載の浸漬型膜ろ過装置。
  4. 【請求項4】貯留槽内に貯留された被処理液をろ過して
    ろ過液を得るための浸漬型膜ろ過方法であって、 内面に前記被処理液のろ過機能を有する管状ろ過膜の複
    数本を含む管状ろ過膜群が前記ろ過液の排出口を有する
    筒状の収納容器内に収容されかつその両端部で保持され
    たろ過膜モジュールを、前記管状ろ過膜が上下方向に開
    口するよう前記貯留槽内に配置し、前記ろ過膜モジュー
    ルの下方から前記ろ過膜モジュールに向けて空気泡を供
    給する工程と、 前記空気泡の供給により前記管状ろ過膜内を上方向に通
    過する前記被処理液を、前記貯留槽の外部に誘導する工
    程と、を含む浸漬型膜ろ過方法。
  5. 【請求項5】前記貯留槽の外部に誘導された前記被処理
    液を、夾雑物の分離処理を施した後に前記貯留槽に還流
    させる工程をさらに含む、請求項4に記載の浸漬型膜ろ
    過方法。
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