JP2003102840A - バルーンカテーテル - Google Patents

バルーンカテーテル

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JP2003102840A
JP2003102840A JP2001302475A JP2001302475A JP2003102840A JP 2003102840 A JP2003102840 A JP 2003102840A JP 2001302475 A JP2001302475 A JP 2001302475A JP 2001302475 A JP2001302475 A JP 2001302475A JP 2003102840 A JP2003102840 A JP 2003102840A
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balloon catheter
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distal end
blood
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JP2001302475A
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Takahiro Iida
隆浩 飯田
Akira Saga
明 嵯峨
Koichi Sakai
康一 酒井
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 血管内に挿入する際に、血管に穿孔を生じる
おそれが大幅に低減され、細く曲がりくねった血管内に
挿入し易く、バルーン部を動脈血管内の最適な位置に留
置することが可能なバルーンカテーテルを提供するこ
と。 【解決手段】 バルーンカテーテル2の最先端部に、ポ
リウレタン製の、JISK6253に基くショア硬度が
80Aの先端部材3が取付けられている。先端部材3に
は、バルーン部22の中空部分側に突出するように凸部
8が設けられている。凸部8の外周面にはバルーン部2
2の遠位端は接合しない。凸部8の外径は、先端部材3
の最大外径よりも5〜10%程度小さくなるように形成
され、内管4の遠位端は、凸部8において先端部材3と
接合している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バルーンカテーテ
ルに関し、詳しくは、血管内に挿入する際に、血管に穿
孔を生じるおそれが大幅に低減され、大動脈内バルーン
ポンピング(Intra Aortic balloo
n pumping,以下、「IABP」と記す。)用
カテーテルとして好適なバルーンカテーテルに関する。
【0002】
【従来の技術】大動脈内バルーンポンピング法(IAB
P法)は、心機能低下時の治療のため、大動脈内にバル
ーンカテーテルを挿入し、心臓の拍動に合わせてバルー
ン部を膨張・収縮させて心機能の補助を行う補助循環方
法である(例えば、特開昭63−206255号公報
等)。このようなバルーンカテーテルは、曲がりくねっ
た患者の血管内に挿入されることから、例えば、金属製
内管の先端から4cm程度の部分に、他の部分に比較し
て柔軟性を増大させる処理を施し、バルーンカテーテル
を血管内に挿入し易くする方法が報告されている(特開
平6−114108号公報)。この方法によれば、バル
ーンカテーテルはかなり挿入し易くなるものの、従来の
IABP用バルーンカテーテルの先端部材は、図2に示
すように、先端部材の血液連通孔の奥深く迄内管の先端
部分が入り込んでいるために、先端部材が変形し難く、
血管の曲り角度が大きい部分に挿入する場合は、バルー
ンカテーテルを血管内に進めることが困難なことが多
い。このような場合には、例えば、図3に示すように、
血液連通孔が形成してあるバルーンカテーテルの先端部
材を、柔軟性に優れた材料を用いて、従来の先端部材よ
りも長く形成することで、バルーンカテーテルを挿入し
易くする方法が考えられる。ところが、このようなバル
ーンカテーテルでは、先端部材が長いために、例えば、
下行大動脈血管内においては、バルーンを留置する位置
が、通常のバルーンカテーテルの場合と比較して、最適
な留置位置より下がった位置になり、その結果、動脈血
管内で、バルーン部を心臓に対して可能な限り近づける
ことが困難になり、心臓の補助作用が低下することにな
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ような問題を解決し、血管内に挿入する際に、血管に穿
孔を生じるおそれが大幅に低減され、細く曲がりくねっ
た血管内に挿入し易く、さらに、バルーン部を動脈血管
内の最適な位置に留置することが可能なバルーンカテー
テルを提供することにある。そこで本発明者は鋭意検討
した結果、先端部材のバルーン部側に、バルーンが膨張
するときに形成される中空部分内に突出するように凸部
を設け、この凸部に内管の先端部分を接合するようにし
たところ、血管の曲がりくねった部分においても、先端
部材が容易に曲がるようになったことを見出し、この知
見に基づき本発明を完成するに到った。
【0004】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、以下の(1)〜(5)が提供される。 (1)内部にバルーン拡張用ルーメンが長手方向に沿っ
て形成してある外管と、前記外管の遠位端部にバルーン
部の近位端部が接合され、前記バルーン拡張用ルーメン
と内部とが連通するバルーン部と、前記バルーン部の内
部と前記外管のバルーン拡張用ルーメンの内部とに軸方
向に延在する内管と、前記バルーン部の遠位端部および
内管の遠位端部が接合された先端部材と、を有し、前記
外管、バルーン部、内管および先端部材により中空部分
が形成され、前記先端部材に、前記中空部分内に突出す
る凸部が設けられているバルーンカテーテル。 (2)前記先端部材に設けられた凸部の軸方向長さは、
当該先端部材全体の軸方向長さの20%ないし80%で
ある前記(1)に記載されたバルーンカテーテル。 (3)前記先端部材に設けられた凸部の外径は、前記先
端部材の最大外径の50〜90%程度の外径になるよう
に形成されている前記(1)または(2)に記載された
バルーンカテーテル。 (4)前記先端部材の内部に血液連通孔が設けられ、前
記血液連通孔の少なくとも一部に、前記血液連通孔の他
の部分の内径よりも大きい内径を有する部分が形成して
ある前記(1)乃至(3)に記載されたバルーンカテー
テル。 (5)前記先端部材の少なくとも一部を、他の部分より
も柔軟になるように形成してある前記(1)乃至(3)
に記載されたバルーンカテーテル。
【0005】本発明のバルーンカテーテルは、前記先端
部材に設けられた凸部の軸方向長さは、当該先端部材全
体の軸方向長さの20%ないし80%、好ましくは、3
0%ないし70%程度の長さである。
【0006】本発明のバルーンカテーテルは、前記凸部
の外径は、先端部材の最大外径よりの60〜80%程度
の外径になるように形成されていることが好ましい。前
記凸部の外径を先端部材の最大外径よりも細くすること
によって、バルーン部が収縮しているときに、バルーン
部を内管に巻きつけ易くなり、バルーン部を内管に巻き
つけた状態におけるバルーンカテーテルの外径が細くな
るので、血管内に挿入し易くなる。
【0007】本発明のバルーンカテーテルは、前記先端
部材の内部に設けた血液連通孔の少なくとも一部に、前
記血液連通孔の他の部分の内径よりも大きい内径を有す
る部分が形成してあることが好ましい。前記血液連通孔
の内径は、特に限定されないが、通常、0.3〜1.5
mmである。前記血液連通孔の内径よりも大きい内径を
有する部分は、前記血液連通孔の内径よりも1.2〜2
倍、好ましくは、1.3〜1.8程度の内径を有するよ
うに形成される。
【0008】本発明のバルーンカテーテルにおいては、
前記先端部材の少なくとも一部を、他の部分よりも柔軟
になるように形成することが好ましい。前記先端部材の
少なくとも一部を他の部分よりも柔軟になるように形成
する方法は特に限定されないが、例えば、予め硬度が異
なる部分をそれぞれ形成し、これらを接着または融着に
より接合して先端部材を形成する方法;予め硬度が低い
部分を形成し、この部分を硬度の高い部分で押し包むよ
うにしてインサート成形方法により先端部材を形成する
方法等が挙げられる。前記先端部材の硬度は、バルーン
カテーテルの先端が血管内に挿入される際に血管壁に損
傷を与えない程度であれば特に限定されないが、通常、
JIS K6253に基くショア硬度が80A〜70D
程度であり、前記先端部材の他の部分よりも柔軟な部分
の硬度は、先端部材の他の部分のショア硬度よりも30
〜60%程度の低硬度であることが好ましい。
【0009】前記先端部材は、バルーンカテーテルの誘
導部として機能し、また、バルーンカテーテル1の先端
部が血管内に挿入される際に、血管壁に損傷を与えない
ようにするために設けられているので、先端部材の先端
は砲弾状、半球状となった曲面に形成されている。
【0010】先端部材を形成する材料としては、ある程
度の可撓性を有するものが好ましく、例えば、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、軟質ポリ塩化ビニ
ル、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン等の熱可塑
性樹脂等が使用できる。
【0011】本発明のバルーンカテーテルにおいては、
前記先端部材はエックス線が不透過の部分を有すること
が好ましい。前記先端部材がエックス線が不透過の部分
を有することにより、バルーンカテーテルを血管内に挿
入する場合に、先端部材の位置を体外から観測すること
ができる。エックス線が不透過の部分は、先端部材を形
成する材料にエックス線造影材を配合して先端部材を形
成する方法、先端部材にエックス線造影材を埋め込む方
法等により形成される。エックス線造影材としては、
金、白金、タングステン、鉛等の金属の粒子、酸化チタ
ン、硫酸バリウム、三酸化ビスマス、次炭酸ビスマス等
の金属化合物が挙げられる。
【0012】本発明のバルーンカテーテルにおいては、
外管は、可撓性を有する材料で構成されることが好まし
く、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリ塩
化ビニル、ポリウレタン、フツ素樹脂等が使用できる。
外管6aの内径は、通常、1.5〜4mmであり、外管
6aの肉厚は、通常、0.05〜0.4mmである。外
管6aの長さは、通常、300〜1000mm程度であ
る。
【0013】本発明のバルーンカテーテルにおいては、
内管は、前記外管を形成する材料と同様な材料で構成さ
れることが好ましい。内管の内径は、ガイドワイヤを挿
通できる径であれば特に限定されず、たとえば0.15
〜1.5mm、好ましくは0.5〜1mmである。内管
10の肉厚は、0.1〜0.4mmが好ましい。
【0014】本発明のバルーンカテーテルにおいては、
前記内管の少なくとも一部が、または、内管の全長に亘
り、接着あるいは融着の手段で、前記外管の内側に固定
されていることが好ましい。内管が外管の内壁に固定さ
れていると、バルーンカテーテルが動脈血管に沿って曲
がりくねったとしても、バルーン拡張用ルーメンを流れ
る圧力流体のエネルギー損失が小さい。また、従来のよ
うに内管がカテーテル管内で曲がりくねることによる渦
流の発生及び流路抵抗の増大を有効に防止できる。さら
に、本発明のバルーンカテーテルにおいては、例えば、
異形管押し出し成形法を用いて、前記内管と前記外管と
が一体化するように一体成型されたものであることが好
ましい。このような一体成形により、内管とカテーテル
管とが一体化すれば、バルーン拡張用ルーメン内の圧力
流体の流路断面積を約4,5%程度多くすることができ
る。
【0015】本発明のバルーンカテーテルにおいては、
内管を、金属製チューブを用いて形成したものを用いる
ことができる。金属製チューブとしては、例えば、ステ
ンレス、タングステン、ニッケルーチタン超弾性合金等
の金属製チューブが例示される。なかでも、ニッケルー
チタン超弾性合金等の金属製チューブが好ましい。ニッ
ケルーチタン超弾性合金とは、少なくとも一つのマルテ
ンサイト変態点を有する形状記憶性合金である。なお、
本発明のバルーンカテーテルは、内管の一部を、例え
ば、内管のバルーン部内に延在する部分を、金属製チュ
ーブを用いて形成することも可能である。
【0016】本発明のバルーンカテーテルは、大動脈内
バルーンポンピング用カテーテルであることが好まし
い。
【0017】
【作用】本発明のバルーンカテーテルは、先端部材に内
管の遠位端が浅く入り込む構造なので、先端部材が変形
し易くなり、バルーンカテーテルを血管の曲り角度が大
きい部分に挿入する場合でも容易に進めることができ
る。
【0018】本発明のバルーンカテーテルは、内管の先
端を先端部材の凸部において接合することにより、先端
部材の中に入り込む内管の長さを短くすることができ、
その結果、バルーンカテーテルを血管の曲り角度が大き
い部分に挿入する場合でも、さらに先端部材が変形し易
くなり、バルーンカテーテルの挿入性がさらに改善され
る。
【0019】本発明のバルーンカテーテルは、先端部材
の略中間部に、血液連通孔の他の部分の内径よりも大き
い内径を有する部分を形成することにより、バルーンカ
テーテルを血管の曲り角度が大きい部分に挿入する場合
には、先端部材が、前記血液連通孔の他の部分の内径よ
りも大きい内径を有する部分の部分から急激に折れ曲る
ことにより容易に変形し、バルーンカテーテルの挿入性
を向上させることができる。
【0020】本発明のバルーンカテーテルは、先端部材
の略中間部に、先端部材の他の部分よりも低硬度の部分
を形成することにより、バルーンカテーテルを血管の曲
り角度が大きい部分に挿入する場合には、先端部材が、
前記他の部分よりも低硬度の部分から急激に折れ曲るこ
とにより容易に変形し、バルーンカテーテルの挿入性が
さらに向上する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、具体的な実施形態に基づ
き、本発明を説明する。図1(A)は、本発明のバルー
ンカテーテルの1実施形態を示す概略全体図である。図
1(B)は、図1(A)のII−II線に沿う要部断面
図である。図2は、従来のIABP用バルーンカテーテ
ルの先端部の構造を示す概略断面図である。図3は、従
来のIABP用バルーンカテーテルの先端部の他の構造
を示す概略断面図である。図4は、本発明のバルーンカ
テーテルの1実施形態の先端部の構造を示す概略断面図
である。図5は、本発明のバルーンカテーテルの他の実
施形態の先端部の構造を示す概略断面図である。図6
は、本発明のバルーンカテーテルの他の実施形態の先端
部の構造を示す概略断面図である。図7は、本発明のバ
ルーンカテーテルの他の実施形態の先端部の構造を示す
概略断面図である。
【0022】(第1実施形態)図1に示すバルーンカテ
ーテル2は、たとえばIABP治療に用いられるもので
あり、内部にバルーン拡張用ルーメンが長手方向に沿っ
て形成してある外管と、前記バルーン拡張用ルーメンの
内部に軸方向に延在する内管と、前記外管の遠位端部に
バルーン部の近位端部が接合され、前記バルーン拡張用
ルーメンと内部とが連通するバルーン部と、前記バルー
ン部の遠位端部および内管の遠位端部が接合された先端
部材と、を有し、前記外管の後端部には患者の体外に設
置されるコネクタが連結されている。
【0023】外管と内管とは二重管構造となっており、
本実施形態では、図1(B)に示すように、例えば、異
形押出し法により外管6と内管4とが一体化するように
一体成形されたものである。内管4の内部にバルーン部
22の内部および外管6内に形成されたバルーン拡張用
ルーメン7とは連通しない第2ルーメン5が形成してあ
る。前記内管の第2ルーメン5は、バルーンカテーテル
2を動脈内に挿入するためのガイドワイヤー挿通管腔と
しても用いられる。
【0024】バルーン拡張用ルーメン7を通じて、バル
ーン部22内に、圧力流体が導入または導出され、バル
ーン部22が拡張または収縮するようになっている。内
管4の近位端はコネクタ26の血圧測定口30に連通
し、後述する先端部材3に設けた血液連通孔23から取
り入れた血圧を血圧測定口30に送り、そこから血圧変
動の測定を行うようになっている。バルーン部22と外
管6との接合は熱融着あるいは紫外線硬化樹脂などの接
着剤による接着により行われる。
【0025】本実施形態では、外管6と内管4とは、フ
ツ素樹脂を用いて、異形押出し成形法により一体成形さ
れている。外管6の内径mは、2.75mmであり、外
管6の肉厚sは、0.25mmである。外管6の長さ
は、550mmである。内管4の内径nは、1.2m
m、内管4の肉厚tは、0.2mmである。
【0026】本実施形態においては、内管4のバルーン
部内に延在する部分4aを、ニッケルーチタン超弾性合
金製チューブにより形成してある。ニッケルーチタン超
弾性合金製チューブの肉厚は、0、15mmである。
【0027】バルーン部22は、膜厚約100μm程度
の筒状のポリウレタン製バルーン膜で構成される。バル
ーン部22の内容積が40ccであり、外径が拡張時2
0mmであり、長さが160mmである。
【0028】バルーン部22の遠位端には遠位端側テー
パ部24が形成され、その最遠位端25が先端部材3の
外周面に形成されたバルーン取りつけ部10に熱融着ま
たは接着などの手段で取り付けてある。バルーン取りつ
け部9はバルーン部の膜厚と略同じ程度の段差を有する
ように形成されており、本実施形態では段差は約100
μmである。また、バルーン部22の近位端には、近位
端側テーパ部26が形成され、その最近位端27が、外
管6の遠位端に接合してある。
【0029】外管6の後端部には患者の体外に設置され
るコネクタが連結されている。コネクタには、外管およ
びバルーン部内に圧力流体を導入または導出するための
圧力流体導入出口28と、内管5内に連通する血圧測定
口30とが形成してある。圧力流体導入出口28は、ポ
ンプ装置(図示せず。)に接続され、ヘリウムガス等の
流体がバルーン部内に導入または導出されるようになっ
ている。血圧測定口30は、例えば血圧測定装置に接続
され、後述する先端部材3に設けた血液連通孔23から
取り入れた動脈内の血液の血圧の変動を測定可能になっ
ている。この血圧測定装置で測定した血圧の変動に基づ
き、心臓の拍動を検出し、心臓の拍動に応じてポンプ装
置8を制御し、バルーン部を膨張または収縮させるよう
になっている。
【0030】図4に示すように、バルーンカテーテル2
の最先端部に先端部材3が取付けられている。本実施形
態では、先端部材3はポリウレタンで形成され、JIS
K6253に基くショア硬度は80Aである。先端部
材3には、バルーン部22が膨張したときに形成される
中空部分側に突出するように凸部8が設けられている。
凸部8の外周面にはバルーン部の遠位端は接合しない。
本実施形態では、凸部8の外径は、先端部材3の最大外
径よりも5〜10%程度小さくなるように形成され、先
端部材3の前記バルーン取りつけ部10と凸部8との境
目には、段差部9が形成されている。
【0031】本実施形態では、先端部材3の全体の軸方
向長さは20mmである。凸部8の軸方向長さは10m
mであり、先端部材3の全体の軸方向長さの50%の長
さである。バルーン部の最遠位端25が熱融着または接
着などの手段で取り付けてあるバルーン取りつけ部10
の長さは8mmである。先端部材3の最大外径は、2.
7mmであり、凸部8の外径は1.9mmである。
【0032】本実施形態では、内管4のバルーン部内に
延在する部分4aは、ニッケルーチタン超弾性合金製チ
ューブにより形成してあり、その遠位端は、前記凸部8
側から先端部材3に接合されている。先端部材3の略中
央部には、血液連通孔23が形成され、先端部材3と接
合している内管4の前記第2ルーメン5と連通してい
る。本実施形態では、前記内管4のバルーン部内に延在
する部分4aの遠位端の最遠位端部は、先端部材3の前
記バルーン取りつけ部10と凸部8との境目に形成され
ている段差部9よりも2mm程度、わずかに遠位側に位
置するように、先端部材3の内部に浅く入り込んでい
る。本実施形態では、先端部材3に内管の遠位端が浅く
入り込む構造なので、先端部材3が変形し易くなり、バ
ルーンカテーテルを血管の曲り角度が大きい部分に挿入
する場合でも容易に進めることが可能である。これに対
して、従来のIABP用バルーンカテーテルにおいて
は、図2に示すように、先端部材の血液連通孔の奥深く
迄内管の先端部分が入り込んでいるために、先端部材が
変形し難く、血管の曲り角度が大きい部分に挿入する場
合は、バルーンカテーテルを血管内に進めることが困難
なことが多く、無理に押しこむと血管に穿孔を生じる危
険性も考えられる。
【0033】(第2実施形態)図5に示すように、本実
施形態のバルーンカテーテルは、IABP治療に用いら
れるものである。このバルーンカテーテルの全体構造は
図1に示すものと同様であるが以下に示す部分が相違す
る。以下に前述した第1実施形態と異なる部分について
説明し、その他の部分については一部省略する。
【0034】本実施形態では、前記内管4のバルーン部
内に延在する部分4aの遠位端の最遠位端部は、先端部
材3の前記バルーン取りつけ部10と凸部8との境目に
形成されている段差部9よりも2mm程度、わずかにバ
ルーン部内側に位置するように取付けられている。前記
内管4のバルーン部内に延在する部分4aの遠位端の最
遠位端部は、少なくとも凸部8の略中間部と段差部9と
の中間に位置すればよい。本実施形態では、先端部材3
の中に入り込む内管の長さが短いので、バルーンカテー
テルを血管の曲り角度が大きい部分に挿入する場合で
も、第1実施形態の場合よりもさらに先端部材3が変形
し易くなり、バルーンカテーテルの挿入性がさらに改善
される。
【0035】(第3実施形態)図6に示すように、本実
施形態では、前記先端部材3の内部に設けた血液連通孔
23の略中間に、前記血液連通孔23の他の部分の内径
よりも大きい内径を有する部分11が形成してある。前
記血液連通孔23の他の部分の内径よりも大きい内径を
有する部分11は、先端部材3の凸部8よりも遠位端側
に設けることが好ましい。前記血液連通孔23の他の部
分の内径よりも大きい内径を有する部分11の軸方向の
長さは、先端部材3の全体の軸方向長さの15〜30%
程度の長さである。本実施形態では、先端部材3の全体
の軸方向の長さは19mmである。前記血液連通孔23
の他の部分の内径よりも大きい内径を有する部分11の
中心は、先端部材3の最先端の位置から8mm離れた部
分に設けられている。前記血液連通孔の内径は1.5m
mである。前記血液連通孔の内径よりも大きい内径を有
する部分11の内径は2.25mmである。また、前記
血液連通孔の内径よりも大きい内径を有する部分11の
軸方向の長さは4mmである。
【0036】本実施形態では、先端部材3の略中間部
に、前記血液連通孔23の他の部分の内径よりも大きい
内径を有する部分11が形成してあるので、バルーンカ
テーテルを血管の曲り角度が大きい部分に挿入する場合
には、先端部材3が、前記血液連通孔23の他の部分の
内径よりも大きい内径を有する部分11の部分から急激
に折れ曲ることにより容易に変形し、バルーンカテーテ
ルの挿入性が向上する。
【0037】(第4実施形態)図7に示すように、本実
施形態では、前記先端部材3の略中間部に、他の部分よ
りも低硬度の部分12を形成してある。前記他の部分よ
りも低硬度の部分12は、先端部材3の凸部8よりも遠
位端側に設けることが好ましい。本実施形態では、前記
他の部分よりも低硬度の部分12の中心は、先端部材3
の最先端の位置から8mm離れた部分に設けられてい
る。前記他の部分よりも低硬度の部分12の軸方向の長
さは、先端部材3の全体の軸方向長さの15〜30%程
度の長さである。本実施形態では、先端部材3はポリウ
レタンを用いて形成され、先端部材3の全体の軸方向の
長さは19mmである。先端部材3のJIS K625
3に基くショアA硬度は80である。前記他の部分より
も低硬度の部分12のJISK6253に基くショア硬
度は50Aである。また、前記他の部分よりも低硬度の
部分12の軸方向の長さは4mmである。
【0038】本実施形態では、先端部材3の略中間部
に、前記他の部分よりも低硬度の部分12が形成してあ
るので、バルーンカテーテルを血管の曲り角度が大きい
部分に挿入する場合には、先端部材3が、前記他の部分
よりも低硬度の部分12の部分から急激に折れ曲ること
により容易に変形し、バルーンカテーテルの挿入性がさ
らに向上する。
【0039】
【発明の効果】かくして本発明によれば、血管内に挿入
する際に、血管に穿孔を生じるおそれが大幅に低減さ
れ、細く曲がりくねった血管内に挿入し易いバルーンカ
テーテルが提供される。本発明のバルーンカテーテル
は、血液連通孔が形成してあるバルーンカテーテルの先
端部材を、柔軟性に優れた材料を用いて、従来の先端部
材よりも長く形成する必要がないので、バルーン部を動
脈血管内の最適な位置に留置することが可能となり、I
ABP治療に好適なバルーンカテーテルとして使用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(A)は、本発明のバルーンカテーテル
の1実施形態を示す概略全体図であり、図1(B)は、
図1(A)のII−II線に沿う要部断面図である。
【図2】 図2は、従来のIABP用バルーンカテーテ
ルの先端部の構造を示す概略断面図である。
【図3】 図3は、従来のIABP用バルーンカテーテ
ルの先端部の他の構造を示す概略断面図である。
【図4】 図4は、本発明のバルーンカテーテルの1実
施形態の先端部の構造を示す概略断面図である。
【図5】 図5は、本発明のバルーンカテーテルの他の
実施形態の先端部の構造を示す概略断面図である。
【図6】 図6は、本発明のバルーンカテーテルの他の
実施形態の先端部の構造を示す概略断面図である。
【図7】 図7は、本発明のバルーンカテーテルの他の
実施形態の先端部の構造を示す概略断面図である。
【符号の説明】
2…バルーンカテーテル 3…先端部材 4…内管 6…外管 8…凸部 9…段差部 11…他の部分の内径よりも大きい内径を有する部分 12…他の部分よりも低硬度の部分 23…血液連通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C167 AA07 BB02 BB09 BB26 BB30 CC08 CC19 DD01 DD02 GG36 HH17

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部にバルーン拡張用ルーメンが長手方
    向に沿って形成してある外管と、 前記外管の遠位端部にバルーン部の近位端部が接合さ
    れ、前記バルーン拡張用ルーメンと内部とが連通するバ
    ルーン部と、 前記バルーン部の内部と前記外管のバルーン拡張用ルー
    メンの内部とに軸方向に延在する内管と、 前記バルーン部の遠位端部および内管の遠位端部が接合
    された先端部材と、を有し、 前記外管、バルーン部、内管および先端部材により中空
    部分が形成され、 前記先端部材に、前記中空部分内に突出する凸部が設け
    られているバルーンカテーテル。
  2. 【請求項2】 前記先端部材に設けられた凸部の軸方向
    長さは、当該先端部材全体の軸方向長さの20%ないし
    80%である請求項1に記載されたバルーンカテーテ
    ル。
  3. 【請求項3】 前記先端部材に設けられた凸部の外径
    は、前記先端部材の最大外径の50〜90%程度の外径
    になるように形成されている請求項1または請求項2に
    記載されたバルーンカテーテル。
  4. 【請求項4】 前記先端部材の内部に血液連通孔が設け
    られ、前記血液連通孔の少なくとも一部に、前記血液連
    通孔の他の部分の内径よりも大きい内径を有する部分が
    形成してある請求項1乃至請求項3に記載されたバルー
    ンカテーテル。
  5. 【請求項5】 前記先端部材の少なくとも一部を、他の
    部分よりも柔軟になるように形成してある請求項1乃至
    請求項3に記載されたバルーンカテーテル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014195556A (ja) * 2013-03-29 2014-10-16 日本ゼオン株式会社 カテーテル用先端チップ

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