JP2002291898A - バルーンカテーテルおよびその製造方法 - Google Patents

バルーンカテーテルおよびその製造方法

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JP2002291898A
JP2002291898A JP2001095125A JP2001095125A JP2002291898A JP 2002291898 A JP2002291898 A JP 2002291898A JP 2001095125 A JP2001095125 A JP 2001095125A JP 2001095125 A JP2001095125 A JP 2001095125A JP 2002291898 A JP2002291898 A JP 2002291898A
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balloon
inner tube
balloon catheter
outer tube
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Tsutomu Ishikawa
力 石川
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 特に狭窄の程度が激しい場合や、曲がりくね
った血管の狭窄部に対しても、バルーンカテーテルの遠
位端を、容易に挿入することが可能であり、挿入特性に
優れたバルーンカテーテルとその製造方法を提供するこ
とこと。 【解決手段】 バルーンカテーテルが、少なくとも一つ
のバルーン拡張用ルーメンが長手方向に沿って形成して
ある外チューブと、バルーン拡張用ルーメンと内部が連
通するバルーン部4と、内チューブ12と、を具備す
る。バルーン部4の遠位端封止部分7の端部には、内チ
ューブ12の遠位端外周に向けて外径が細くなる先端テ
ーパ部7aが形成してある。先端テーパ部7aの遠位端
側には、内チューブ12の遠位端部が軸方向に突出して
おり、内チューブ12の遠位端部外周には、バルーン部
4の遠位端封止部分7が接合されていない非接合部分1
2bが形成してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バルーンカテーテ
ルとその製造方法に係り、さらに詳しくは、たとえば血
管拡張用バルーンカテーテルとして好適に用いられるバ
ルーンカテーテルとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医療技術は、低侵襲治療に向かう
傾向にある。たとえば冠状動脈の狭窄は、以前の冠状動
脈バイパス手術に代わって、血管拡張用バルーンカテー
テルによって処置されることが多くなってきている。こ
の治療方法は、経済的な利点と共に、患者の負担を大き
く軽減するために、ますます適用範囲を拡大している。
それと共に、さらに高効率で簡単な冠状動脈の狭窄拡張
に用いるバルーンカテーテルの構造が求められている。
【0003】血管内の狭窄部を治療するために、血管内
に挿入し、バルーン部を膨らますことにより狭窄部を拡
張し、狭窄部末梢側における血流の改善を図るための、
いわゆるPTCAバルーンカテーテルとして、オーバー
・ザ・ワイヤ方式のバルーンカテーテルとモノレール方
式のバルーンカテーテル(たとえば特開2000−21
7923号公報)とがある。これらの方式のバルーンカ
テーテルでは、いずれも、先にガイドワイヤを血管内狭
窄部へ通過させておき、次にこのガイドワイヤに沿って
バルーンカテーテルを狭窄部まで送り込み、バルーン部
を膨らますことにより狭窄部を拡張する。
【0004】このようなPTCAバルーンカテーテルを
初めとして、従来のバルーンカテーテルにおいては、カ
テーテルチューブを構成する外チューブの内部に内チュ
ーブが配置されるものが多い。内チューブのルーメン
は、ガイドワイヤ挿通孔として用いられ、内チューブの
遠位端部の外周に、バルーン部の遠位端部が熱融着さ
れ、バルーン部の内部を密封している。
【0005】従来のバルーンカテーテルにおいては、バ
ルーン部の遠位端部は、内チューブの遠位端部の外周に
熱融着され、その融着部分がバルーンカテーテルの遠位
端と成っており、その融着部分の厚み分だけ、バルーン
カテーテルの遠位端外径が大きくなっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】PTCAなどの用途に
用いられるバルーンカテーテルは、冠動脈のように分岐
部分が多く且つ曲がりくねった細い血管に使用され、特
に狭窄の程度が激しい場合や、曲がりくねった血管の狭
窄部に対しては、バルーンカテーテルの遠位端を、狭窄
部に挿入することが困難な場合がある。
【0007】本発明は、このような実情に鑑みて成さ
れ、本発明の目的は、特に狭窄の程度が激しい場合や、
曲がりくねった血管の狭窄部に対しても、バルーンカテ
ーテルの遠位端を、容易に挿入することが可能であり、
挿入特性に優れたバルーンカテーテルとその製造方法を
提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るバルーンカテーテルは、少なくとも一
つのバルーン拡張用ルーメンが長手方向に沿って形成し
てある外チューブと、前記外チューブの遠位端部にバル
ーン部の近位端封止部分が接合され、前記バルーン拡張
用ルーメンと内部が連通するバルーン部と、前記バルー
ン部の内部に密閉された拡張用空間を形成するように、
バルーン部の遠位端封止部分が内チューブの遠位端部に
接合され、前記バルーン部の内部と前記外チューブのバ
ルーン拡張用ルーメンの内部とに軸方向に延在する内チ
ューブと、を有するバルーンカテーテルであって、前記
バルーン部の遠位端封止部分の端部には、前記内チュー
ブの遠位端外周に向けて外径が細くなる先端テーパ部が
形成してあることを特徴とする。
【0009】好ましくは、前記先端テーパ部の遠位端側
には、前記内チューブの遠位端部が軸方向に突出してお
り、内チューブの遠位端部外周には、前記バルーン部の
遠位端封止部分が接合されていない非接合部分が形成し
てある。
【0010】好ましくは、前記内チューブの遠位端部に
おいて、前記バルーン部の遠位端封止部分が前記内チュ
ーブの遠位端部に接合してある接合部分の軸方向長さ
と、前記非接合部分の軸方向長さとの比が、1:2〜
4:1の範囲にある。
【0011】本発明に係るバルーンカテーテルの製造方
法は、内チューブの遠位端部内にマンドレルを挿入する
工程と、前記内チューブの遠位端部の外周に、バルーン
部の遠位端封止部分を重複させる工程と、前記遠位端封
止部分の外周を耐熱性フィルムで覆い、その耐熱性フィ
ルムを加熱することにより、前記遠位端封止部分を前記
内チューブの遠位端部に熱融着させる工程と、前記遠位
端封止部分の端部に、前記内チューブの遠位端外周に向
けて外径が細くなるテーパ部が形成されるように、前記
遠位端封止部分を加工する工程と、を有する。
【0012】
【作用】本発明に係るバルーンカテーテルでは、内チュ
ーブの遠位端部に接合されるバルーン部の遠位端封止部
分には、内チューブの遠位端外周に向けて外径が細くな
る先端テーパ部が形成してある。しかも、本発明に係る
バルーンカテーテルでは、好ましくは、内チューブの遠
位端部外周には、前記バルーン部の遠位端封止部分が接
合されていない非接合部分が形成してある。
【0013】このため、バルーンカテーテルの遠位端の
外径が、内チューブの外径に等しくなり、特に狭窄の程
度が激しい場合や、曲がりくねった血管の狭窄部に対し
ても、バルーンカテーテルの遠位端を、容易に挿入する
ことが可能である。したがって、バルーンカテーテルの
挿入特性が向上する。
【0014】また、本発明に係るバルーンカテーテルの
製造方法では、本発明に係るバルーンカテーテルを、比
較的に容易に製造することができ、バルーン部と内チュ
ーブとの接合強度も十分である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態に基づき説明する。図1に示す本実施形態に係るバ
ルーンカテーテル2は、たとえば経皮的冠動脈形成術
(PTCA)、四肢等の血管の拡張術、上部尿管の拡張
術、腎血管拡張術などの方法に用いられ、血管あるいは
その他の体腔に形成された狭窄部を拡張するために用い
られる。以下の説明では、本実施形態のバルーンカテー
テル2をPTCAに用いる場合を例として説明する。
【0016】本実施形態の拡張用バルーンカテーテル2
は、いわゆるモノレール方式のバルーンカテーテルであ
り、バルーン部4と、カテーテルチューブとしての外チ
ューブ6と、内チューブ12と、コネクタ8とを有す
る。
【0017】図1および図4に示すバルーン部4は、膨
らんだ状態で外チューブ6の外径よりも大きな外径を持
つ筒状部分4aを有する。筒状部分4aの両端部には、
それに連続するテーパ状縮径部分4bおよび4cと、そ
れらにそれぞれ連続する近位端封止部分5および遠位端
封止部分7とが一体に成形してある。近位端封止部分5
は、外チューブ6の遠位端外周部分に接続されるよう
に、筒状部分4aよりも小さな外径を有する。また、遠
位端封止部分7は、内チューブ12の遠位端外周部分に
接続されるように、近位端封止部分5よりも小さな外径
を有する。
【0018】バルーン部4の膜厚は、特に限定されない
が、15〜300μm、好ましくは30〜150μmで
ある。バルーン部4の筒状部分4aは、筒状であれば、
特に限定されず、円筒または多角筒形状でも良い。ま
た、拡張時のバルーン部4の外径は、血管の内径などの
因子によって決定され、通常1.5〜10.0mm程
度、好ましくは、3〜7mmである。このバルーン部4
における筒状部分4aの軸方向長さは、血管内狭窄部の
大きさなどの因子によって決定され、特に限定されない
が、15〜50mm、好ましくは20〜40mmであ
る。拡張する前のバルーン部4は、内チューブ12の周
囲に折り畳まれて巻き付けられ、可能な限り外径が小さ
くなっている。
【0019】バルーン部4を構成する材質は、ある程度
の可撓性を有する材質であることが好ましく、たとえば
ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロ
ピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のエチレンと
他のα−オレフィンとの共重合体、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリ塩化ビニル(PVC)、架橋型エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリアミド、
ポリアミドエラストマー、ポリイミド、ポリイミドエラ
ストマー、シリコーンゴム、天然ゴムなどが使用でき、
好ましくは、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリアミドである。バルーン部4は、内部に流体が
導入されることにより、膨らんだり萎んだりできるよう
に、チューブ6および12よりも柔軟な材質および厚み
で構成される。
【0020】図4に示すように、バルーン部4の近位端
封止部分5は、外チューブ6の遠位端部に重複して接合
される第1接合部分5aと、この第1接合部分5aと略
同じ外径を持ち外チューブ6の遠位端部に重複していな
い第1非接合部分5bとを有する。第1接合部分5a
は、外チューブ6の遠位端部外周に、熱融着または接着
などの手段で接合してあり、外チューブ6の第1ルーメ
ン10がバルーン部4の内部拡張用空間と連通するよう
になっている。バルーン部4の遠位端封止部分7は、内
チューブ14の遠位端部外周に対して熱融着または接着
などの手段で接合してあり、バルーン部4の内部拡張用
空間は、第1ルーメン10以外では、外部に対して密封
してある。外チューブ6の第1ルーメン10は、バルー
ン部4の内部拡張空間に流体を送り込み、バルーン部4
を拡張させたり、流体をバルーン部4の拡張空間から抜
き取りバルーン部4を収縮させたりするための通路であ
る。
【0021】本実施形態では、バルーン部4の近位端封
止部分5において、第1接合部分5aの軸方向長さLa
と、第1非接合部分5bの軸方向長さLbとの比(L
a:Lb)が、1:1〜1:10、さらに好ましくは、
1:2〜1:5の範囲にある。第1接合部分5aの軸方
向長さLaは、好ましくは2〜5mmである。また、第1
非接合部分5bの軸方向長さLbは、好ましくは15〜
20mmである。第1接合部分5aの軸方向長さLaが短
すぎると、接合が不十分になる傾向にあり、長すぎる
と、重複部分の長さが長くなり、その部分での柔軟性が
低下する傾向にある。また、第1非接合部分5bの軸方
向長さLbが短すぎると、従来のバルーンカテーテルと
同様な不都合を有する傾向にあり、長すぎると、バルー
ン部4の強度が低下する傾向にある。なお、近位端封止
部分5の全長Lcは、好ましくは17〜25mmである。
【0022】図4に示すように、内チューブ12は、バ
ルーン部4の拡張空間および外チューブ6の遠位端側第
1ルーメン10の内部を同軸状に軸方向に伸び、いわゆ
る同軸構造のカテーテルチューブ構造となっている。バ
ルーン部4の内部に位置する内チューブ12の外周に
は、造影リング15が装着してあり、バルーンカテーテ
ル2を生体内に挿入する際に、生体の外部からX線など
で造影リング15の位置を造影が可能になっている。造
影リング15の材質としては、金、白金、タングステン
などの金属が例示される。
【0023】図5に示すように、バルーン部4の遠位端
封止部分7の先端部には、内チューブ12の遠位端外周
に向けて外径が細くなる先端テーパ部7aが形成してあ
る。また、その先端テーパ部7aのさらに遠位端側に
は、内チューブ12の遠位端部が軸方向に突出してお
り、その結果、内チューブ12の遠位端部外周には、バ
ルーン部4の遠位端封止部分7が接合される第2接合部
12aと、接合されていない第2非接合部分12bとが
形成してある。
【0024】本実施形態では、バルーン部4の遠位端封
止部分7において、第2接合部分12aの軸方向長さL
dと、第2非接合部分12bの軸方向長さLeとの比
(Ld:Le)が、1:2〜4:1、さらに好ましく
は、1.5:1〜3:1の範囲にある。第2接合部分1
2aの軸方向長さLdは、好ましくは1.5〜3mmであ
る。また、第2非接合部分12bの軸方向長さLeは、
好ましくは0.5〜1.5mmである。第2接合部分12
aの軸方向長さLdが短すぎると、接合が不十分になる
傾向にあり、長すぎると、接合部分の長さが長くなり、
その部分での柔軟性が低下する傾向にある。また、第2
非接合部分12bの軸方向長さLeが短すぎると、従来
のバルーンカテーテルと同様な不都合を有する傾向にあ
り、長すぎると、材料の無駄であると共に、治療の邪魔
になる傾向にある。なお、第2接合部分12aと第2非
接合部分12bとの合計長さLfは、好ましくは3.5
〜5.5mmである。なお、本実施形態では、内チューブ
12の遠位端外周にも、先細となるテーパ部12cが形
成してある。
【0025】内チューブ12の内部には、第2ルーメン
14が形成してあり、その遠位端開口部20は、バルー
ン部4の遠位端封止部分7よりも遠位端側で開口してい
る。内チューブ12の近位端開口部22は、図1および
図2に示すように、外チューブ6の長手方向の途中に位
置するチューブ壁の貫通孔21を貫通して外部に開口し
ている。内チューブ12の近位端開口部22の周縁と、
外チューブ6のチューブ壁の貫通孔21の周縁とは、熱
融着方法により気密に接合してある。内チューブ12の
近位端開口部22の形状は、特に限定されず、円形、楕
円形など種々の形状を採り得るが、本実施形態では、内
チューブ12の開口端部を斜めに切断した楕円形状であ
る。内チューブ12の第2ルーメン14は、バルーンカ
テーテル2を体腔内に案内するための図4に示すガイド
ワイヤ42が挿通するガイドワイヤ挿入用ルーメンとな
る。ガイドワイヤ42は、たとえばステンレス鋼、銅、
銅合金、チタン、チタン合金などの単線または撚り線で
構成してあり、その外径は、特に限定されないが、好ま
しくは、0.1〜1mm、さらに好ましくは0.25〜
0.6mmである。
【0026】本実施形態では、外チューブ6は、円形断
面の第1外チューブ部材6aと、当該第1外チューブ部
材6aの近位端部に接合された異形断面の第2外チュー
ブ部材6bとを有し、内チューブ12の近位端開口部2
2が、第1外チューブ部材6aの長手方向の途中に位置
するチューブ壁を貫通して外部に開口している。第1外
チューブ6aの軸方向長さL2は、特に限定されない
が、好ましくは100〜400mm、さらに好ましくは
200〜300mmである。
【0027】第1外チューブ部材6aは、たとえばバル
ーン部4と同様な材質で構成されて良いが、可撓性を有
する材質で構成されることが好ましく、たとえばポリエ
チレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリ塩化ビニル(PVC)、架橋型エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリアミ
ド、ポリアミドエラストマー、ポリイミド、ポリイミド
エラストマー、シリコーンゴム、天然ゴムなどが使用で
き、好ましくは、ポリエチレン、ポリアミド、ポリイミ
ドで構成される。
【0028】第1外チューブ部材6aを構成する軟質の
合成樹脂としては、好ましくはポリウレタン、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリエチレンなどのJIS硬度が50
A〜90A程度のものを用いることができる。
【0029】内チューブ12は、第1外チューブ6aと
同様な材質の軟質合成樹脂で構成することができるが、
第1外チューブ6aよりも硬質の合成樹脂で構成しても
良い。内チューブ12の近位端開口部22が第1外チュ
ーブ部材6aの外側に開口する位置は、第1外チューブ
部材6aの遠位端から長さL1の位置であることが好ま
しく、長さL1は、好ましくは150〜350mm、さ
らに好ましくは200〜300mmである。また、第1
外チューブ部材6aの外径は、特に限定されないが、好
ましくは0.5〜5mm、さらに好ましくは0.5〜1
mmである。第1外チューブ部材6aの肉厚は、特に限
定されないが、好ましくは0.05〜0.5mm、さら
に好ましくは0.1〜0.2mmである。
【0030】内チューブ12の外径は、第1外チューブ
部材6aとの間に隙間が形成されるように決定され、特
に限定されないが、好ましくは0.3〜3mm、さらに
好ましくは0.3〜0.8mmである。内チューブ12
の内径は、ガイドワイヤ42を挿通できる径であれば特
に限定されず、たとえば0.15〜1.0mm、好まし
くは0.25〜0.6mmである。
【0031】第2外チューブ部材6bは、第1外チュー
ブ部材6aと同じ材質で構成しても良いが、他の材質で
構成することが好ましい。たとえば第1外チューブ部材
6aを、第2外チューブ部材6bよりも軟質の合成樹脂
で構成することが好ましい。
【0032】第1外チューブ部材6aを構成する軟質の
合成樹脂としては、好ましくはポリウレタン、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリエチレンなどのJIS硬度が50
A〜90A程度のものを用いることができ、第2外チュ
ーブ部材6bを構成する硬質の合成樹脂としては、ポリ
ウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンなど
のJIS硬度が50D〜75Dのものを用いることがで
きる。
【0033】本実施形態では、図2(B)に示すよう
に、第2外チューブ部材6bの横断面外形形状は、Y軸
方向に細長い楕円形状を有し、外チューブ部材6bの断
面で、Y軸と垂直なX軸方向のカテーテルチューブの最
大断面幅xmと、Y軸方向の最大断面幅ymとの比(x
m/ym)が、0.8〜0.1の範囲にあり、断面半円
形の第3ルーメン24および断面円形の第4ルーメン2
6が、前記Y軸方向に沿って分離して形成してある。
【0034】第3ルーメン24の半円形の横断面積は、
バルーン拡張用圧力流体が流通するために十分な横断面
積であれば良く、特に限定されないが、好ましくは0.
08〜0.20mmである。また、第4ルーメン2
6の円形の横断面積は、内部に補強ロッド28が挿入さ
れるために十分な面積であれば良く、特に限定されない
が、好ましくは0.05〜0.5mm、さらに好ま
しくは0.1〜0.2mmである。
【0035】本実施形態では、第2外チューブ部材6b
の断面において、Y軸方向の最大断面幅ymは、0.6
〜1.2mm程度が好ましい。第2外チューブ部材6b
の遠位端は、断面円形の第1外チューブ部材6aの近位
端に対して接合されるため、その接合部9付近の横断面
形状は、第1外チューブ部材6aとの円形断面形状と一
致させるために、接合部9に向けて、異形断面から円形
断面に徐々に変化するような断面形状とする。
【0036】この第2外チューブ部材6bの長手方向に
沿って形成された第3ルーメン24は、第1外チューブ
部材6aの第1ルーメン10と連通し、これらを通し
て、バルーン部4の拡張用空間に流体の出し入れを行
う。第2外チューブ6bの第4ルーメン26は、補強ロ
ッド28を挿入するためのルーメンであり、第1外チュ
ーブ部材6aの第1ルーメン10とも連通するが、この
ルーメン26の近位端は、コネクタ8の部分で閉じられ
ており、流体の出入りは行わない。コネクタ8には、第
2外チューブ部材6bの近位端部が連結され、第2外チ
ューブ6bの第3ルーメン24に対して連通するポート
が形成してある。そのポートは、圧力流体の出入りを行
う部分であり、第4ルーメン26には、連通しないよう
になっている。
【0037】図1、図2(A)〜図2(C)および図3
に示す補強ロッド28は、第2外チューブ部材6bの第
4ルーメン26の内部に、全長に亘り挿入され、その遠
位端部は、第1外チューブ部材6aとの接合部9を乗り
越えて、第1外チューブ部材6aの第1ルーメン10内
に飛び出している。補強ロッド28の近位端部は、断面
円形であり、途中から遠位端側に向けてテーパ状に細く
なり、さらに遠位端部では、断面平板形状に成るよう
に、その断面形状が徐々に変化している。断面平板状の
補強ロッド28の遠位端部28aは、図1および図4に
示すように、内チューブ12の近位端開口部22をも僅
かに(好ましくはL3=1〜10cm程度)乗り越えた
位置まで延在し、その遠位端部2aは、第1外チューブ
部材6aの内壁に対して固定されていない。
【0038】本実施形態では、補強ロッド28の近位端
部は、第2外チューブ部材6bの第4ルーメン26の内
部に、全長に亘り挿入され、その近位端から所定長さL
5の範囲において、接着剤により第4ルーメン26の内
壁に固定されている。すなわち、本実施形態では、チュ
ーブ接合部9から所定長さL4の位置から遠位端側で
は、補強ロッド28は、第4ルーメン26の内壁に固定
されていないと共に、第1外チューブ部材6aの第1ル
ーメン10の内壁にも固定されていない。所定長さL4
およびL5は、特に限定されないが、好ましくはL4=
50〜150mmであり、好ましくはL5=1000〜1
500mmである。
【0039】なお、補強ロッド28の最大外径は、第2
外チューブ部材6bの第4ルーメン26の内部に挿入可
能に決定され、特に限定されないが、好ましくは0.3
〜0.6mmである。補強ロッド28は、ステンレス
鋼、銅、銅合金、チタン、チタン合金などの金属材料、
あるいはポリイミド、ポリアミド、ポリエチレンテレフ
タレートなどの合成樹脂で構成してある。
【0040】コネクタ8のポートを通して第1ルーメン
10内に導入される圧力流体としては、特に限定されな
いが、たとえば放射線不透過性媒体と生理食塩水との5
0/50混合水溶液などが用いられる。放射線不透過性
媒体を含ませるのは、バルーンカテーテル2の使用時
に、放射線を用いてバルーン部4および外チューブ6の
位置を造影するためである。バルーン部4を膨らますた
めの圧力流体の圧力は、特に限定されないが、絶対圧で
3〜12気圧、好ましくは、4〜18気圧程度である。
【0041】本実施形態では、第1外チューブ部材6a
と第2外チューブ部材6bとから成る外チューブ6の外
周には、湿潤状態で潤滑性を持つ親水性高分子物質から
成る被覆材が被覆してあることが好ましい。このような
被覆材で外チューブ6の外周を被覆することで、バルー
ンカテーテル2を血管などに挿入する際の挿入抵抗の低
減を図ることができる。バルーン4の外周も被覆材で被
覆しても良いが、バルーン部4は、血管などの狭窄部を
拡張するものであり、狭窄部を拡張する際に、狭窄部に
対してバルーン部が滑ることは必ずしも好ましくはな
い。そこで、本実施形態では、外チューブ6の外周のみ
を、親水性高分子物質から成る被覆材で被覆してある。
【0042】親水性高分子物質としては、天然高分子系
のものと、合成高分子系のものとがある。天然高分子系
のものとしては、デンプン系、セルロース系、タンニン
・ニグニン系、多糖類系、タンパク質系などが例示され
る。合成高分子系のものとしては、PVA系、ポリエチ
レンオキサイド系、アクリル酸系、無水マレイン酸系、
フタル酸系、水溶性ポリエステル、ケトンアルデヒド樹
脂、(メタ)アクリルアミド系、ビニル異節環系、ポリ
アミン系、ポリ電解質、水溶性ナイロン系、アクリル酸
グリシジルアクリレート系などが例示される。
【0043】これらの中でも、外チューブ6の被覆材と
して好適に用いることができる親水性高分子物質として
は、特に、セルロース系高分子物質(たとえばヒドロキ
シプロピルセルロース)、ポリエチレンオキサイド系高
分子物質(たとえばポリエチレングリコール)、無水マ
レイン酸系高分子物質(たとえばメチルビニルエーテル
無水マレイン酸共重合体のような無水マレイン酸共重合
体)、アクリルアミド系高分子物質(たとえばポリジメ
チルアクリルアミド)、水溶性ナイロン(たとえば東レ
社製のAQ−ナイロン P−70)またはそれらの誘導
体は、低い摩擦係数が安定して得られるので好ましい。
【0044】次に、本実施形態に係るバルーンカテーテ
ル2の製造方法について説明する。まず、図4に示すバ
ルーン部4を形成する。バルーン部4は、バルーン膜成
形用マンドレルを溶液中に浸して成形するディッピング
法により成形しても良いし、ブロー成形により成形して
も良い。
【0045】ディッピング法に用いられる溶液中の熱可
塑性樹脂としては、特に限定されないが、たとえば、塩
化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、オレ
フィン系樹脂、イミド系樹脂などを例示することができ
る。その中でも、耐屈曲疲労特性に優れたウレタン系樹
脂が好ましい。
【0046】熱可塑性樹脂を可塑化させる溶媒として
は、塩化ビニル系樹脂に対しては、テトラヒドロフラン
(THF)、メチルエチルケトン(MEK)などが適当
であり、ウレタン系樹脂に対しては、THF、MEK、
ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフオキシドなどが
適当である。熱可塑性樹脂の溶液溶媒は、上記熱可塑性
樹脂を溶媒により溶解した溶液であり、たとえば熱可塑
性樹脂としてポリウレタンを用い、溶媒としてTHFを
用いる場合には、ポリウレタンが5〜20重量%含まれ
る溶液を用いることが好ましい。この溶媒溶液の粘度
は、100〜10000cp、好ましくは1000〜5
000cpに予め調整される。このようにして成形され
たバルーン部4の遠位端には、図6に示すように、先細
と成るテーパ状縮径部分4cおよび遠位端封止部分7が
一体に成形され、バルーン部4の近位端には、図4に示
すように、先細と成るテーパ状縮径部分4bおよび近位
端封止部分5が一体に成形される。
【0047】次に、バルーン部4の近位端封止部分5に
おける第1接合部分5aを第1外チューブ部材6aの遠
位端部外周に接合する。その接合に際しては、第1外チ
ューブ部材6aの遠位端部内にマンドレルを挿入し、そ
の後、部材6aの遠位端部の外周に、バルーン部4の近
位端封止部分5における第1接合部分5aを重複させ
る。そして、第1接合部分5aの外周を耐熱性フィルム
で覆い、その耐熱性フィルムを、金型などで加熱するこ
とにより、第1接合部分5aを第1外チューブ部材6a
の遠位端部に熱融着させる。加熱温度は、特に限定され
ないが、好ましくは100〜300°C、特に好ましく
は150〜250°Cである。
【0048】耐熱性フィルムとしては、たとえばフッ素
樹脂チューブが用いられ、その軸方向長さは、第1接合
部分5aよりも長いことが好ましく、たとえば約20m
m程度である。チューブの軸方向一端には、長さ約3m
m程度の切り込みを形成しても良い。熱融着後に、耐熱
性フィルムを除去しやすくするためである。
【0049】その後、第1外チューブ部材6aの軸方向
所定位置のチューブ壁に、図4に示すように、内チュー
ブ12が通り抜けられる程度の貫通孔21を形成する。
次に、造影リング15が装着してある内チューブ12を
準備し、その内チューブ12のルーメン内にワイヤ状マ
ンドレルを通して一体化する。マンドレルが一体化され
た内チューブ12を貫通孔21から第1外チューブ部材
6aの内部ルーメン内に通し、内チューブ12の遠位端
をバルーン部4の遠位端封止部分7から突出させ、造影
リング15をバルーン部4の中央部に位置させる。その
前後に、ヒートシール用チューブを第1外チューブ部材
6aの外周に位置させる。ヒートシール用チューブは、
図6に示す熱収縮フィルム42と同様なものである。
【0050】その後、第1外チューブ部材6aの近位端
部からヒートシール用マンドレルを内部に挿入し、マン
ドレルの先端部を貫通孔21の付近に位置させ、貫通孔
21の付近での第1外チューブ6aの潰れを防止する。
マンドレルの基端部は、第1外チューブ部材6aの内径
と略同一またはそれ以下の外径を有し、その先端部に
は、内チューブ12の外周を受けるように、軸方向凹部
が形成してある。次に、ヒートシール用チューブを第1
外チューブ部材6aの外周で軸方向に移動させ、ヒート
シール用チューブが、貫通孔21の付近の第1外チュー
ブ6aの外周と、貫通孔21から飛び出す内チューブ1
2の外側とを、一体的に覆うようにする。その後、ヒー
トシール用金型を用いて、ヒートシール用チューブの外
側から押圧加熱し、貫通孔21の孔縁と内チューブ12
の外側管壁とを熱融着する。加熱温度は、特に限定され
ないが、好ましくは100〜300°C、特に好ましく
は150〜250°Cである。
【0051】その後、マンドレルを取り出すと共に、ヒ
ートシール用チューブを除去する。その後、熱融着工程
で熱融着された内チューブ12の外側管壁と貫通孔21
の内縁との熱融着部を残し、当該熱融着部から外側に位
置する内チューブ12の不要部分をカッタなどで切断し
て除去する。その結果、内チューブ12の近位端開口部
22が、第1外チューブ部材6aのチューブ壁の外側に
開口して形成される。近位端開口部22は、この例で
は、略楕円形状となる。
【0052】なお、これらの工程の前後、または同時
に、内チューブ12の遠位端部は、バルーン部4の遠位
端封止部分7に対して、同様なヒートシール方法により
熱融着され、先端テーパ部7aが形成されるように加工
される。詳細を以下に示す。
【0053】まず、図6に示すように、内チューブ12
の遠位端部をバルーン部4の遠位端封止部分7の内部に
通し、内チューブ12の内部に、その遠位端からマンド
レル40を挿入する。その後、内チューブ12の第2接
合部分12aに対応する位置で、バルーン部4の遠位端
封止部分7の外周を耐熱性フィルム42で覆い、その耐
熱性フィルム42を、金型43で加熱する。その結果、
バルーン部4の遠位端封止部分7は、耐熱性フィルム4
2の軸方向長さに対応する融着部44において、内チュ
ーブ12の外周に熱融着する。なお、熱融着時には、バ
ルーン4は、内チューブ12の回りに巻回されて折り畳
まれ、その外周は、保護チューブなどで保護される。保
護チューブとしては、耐熱性のフッ素樹脂チューブが用
いられる。
【0054】熱融着時の加熱温度は、特に限定されない
が、バルーン部4の近位端封止部分5における熱融着と
同様に、好ましくは100〜300°C、特に好ましく
は150〜250°Cである。また、耐熱性フィルム4
2としては、前述と同様に、たとえばフッ素樹脂チュー
ブが用いられ、チューブの軸方向一端には、長さ約3m
m程度の切り込みを形成しても良い。熱融着後に、耐熱
性フィルム42を除去しやすくするためである。
【0055】融着部44において、遠位端封止部分7が
内チューブ12の外周に熱融着後に、金型43を取り外
し、耐熱性フィルム42を除去し、マンドレル40を取
り除いた後、遠位端封止部分7における先端側の不要部
分7bを除去する。不要部分7bの除去に際しては、遠
位端封止部分7における融着部44の遠位端側には、未
融着部分46が形成されるため、カッタなどで簡単に除
去することができる。その後、滑らかな先端テーパ部7
aが形成されるように、遠位端封止部分7の先端テーパ
面7aを、たとえば研磨用回転ディスクの回転面に押し
付けて研磨加工する。その後、図5に示すように、内チ
ューブ12の遠位端部を、所定長さLfに切断し、その
切断面を面取り加工して、テーパ面12cを形成する。
【0056】その後、第1外チューブ部材6aの近位端
部に第2外チューブ部6bの遠位端部を接合する。その
接合に際して、まず、第2外チューブ部材6bの外周
に、ヒートシール用チューブを被せ、第1外チューブ6
aの近位端部のルーメン内に、第2外チューブ部材6b
の遠位端部を押し込む。その後、第2外チューブ部材6
bの第3ルーメン24の内部に、軸方向に沿ってマンド
レルを挿入し、その先端を第1外チューブ部材6aの内
部まで突出させる。その前後または同時に、第2外チュ
ーブ部材6bの第4ルーメン26の内部に軸方向に沿っ
て補強ロッド28を挿入し、その先端部を第1外チュー
ブ部材6aの外周に形成してある近位端開口部22の下
まで位置させる。
【0057】その後、ヒートシール用チューブを軸方向
に移動させ、このヒートシール用チューブで、第1外チ
ューブ部材6aと第2外チューブ部材6bとの接合部9
を覆い、金型を用いて、前述したヒートシール条件と同
様なヒートシール条件で熱融着を行う。
【0058】その後、ヒートシール用チューブを取り除
くと共に、マンドレルを取り除き、第2外チューブ部材
6bの近位端部に、図1に示すコネクタ8を熱融着など
の手段で接合する。その後、必要に応じて、外チューブ
6の外周面に、湿潤状態で潤滑性を持つ親水性高分子物
質から成る被覆材を被覆し、図1に示すバルーンカテー
テル2を得る。
【0059】次に、図1に示す実施形態のバルーンカテ
ーテル2を用いて、PTCA治療を行う方法について説
明する。まず、バルーンカテーテル2内の空気をできる
限り除去する。そこで、コネクタ8のポートには、シリ
ンジなどの吸引・注入手段を取り付け、シリンジ内に血
液造影剤(たとえばヨウ素含有)などの液体を入れ、吸
引および注入を繰り返し、第3ルーメン24、第1ルー
メン10およびバルーン部4内の空気を液体と置換す
る。
【0060】バルーンカテーテル2を動脈血管内に挿入
するには、まず、セルジンガー法などにより、血管内に
ガイドカテーテル用ガイドワイヤ(図示せず)を、その
先端がたとえば心臓の近くまで届くように挿入する。そ
の後、ガイドカテーテル用ガイドワイヤに沿って、ガイ
ドカテーテルを、動脈血管内に挿入し、その先端を狭窄
部を有する心臓の冠動脈入口に位置させる。なお、狭窄
部は、たとえば血栓または動脈硬化などにより形成され
る。
【0061】次に、ガイドカテーテル用ガイドワイヤの
みを抜き取り、それよりも細いバルーンカテーテル用ガ
イドワイヤをガイドカテーテルに沿って挿入し、その先
端を狭窄部を通過する位置まで差し込む。
【0062】その後、ガイドワイヤの遠位端を、図1に
示すバルーンカテーテル2の遠位開口端20に差し込
み、第1ルーメン14内に通し、近位端開口部22から
引き出す。そして、バルーン部4が折り畳まれた状態
で、バルーンカテーテル2を、ガイドワイヤ42に沿っ
て、ガイドカテーテル内に通す。そして、図7に示すよ
うに、バルーンカテーテル2のバルーン部4を、血管3
4中の狭窄部36の手前まで差し込む。
【0063】その後、バルーンカテーテル2の折り畳ま
れたバルーン部4をガイドワイヤに沿って、狭窄部間に
差し込む。次に、バルーン部4の位置をX線透視装置な
どで観察しながら、狭窄部の中央部にバルーン部4を正
確に位置させる。その位置でバルーン部4を膨らますこ
とにより、血管の狭窄部を広げ、良好な治療を行うこと
ができる。なお、バルーン部4を膨らますには、図1に
示すコネクタ8のポートから第3ルーメン24および第
1ルーメン10を通して、バルーン部4内に液体を注入
することにより行う。
【0064】この膨張時間は、特に限定されないが、た
とえば約1分間程度である。その後、迅速にバルーン部
4から液体を抜いてバルーン部を収縮させ、拡張された
狭窄部の末梢側の血流を確保する。狭窄部の拡張は、血
管を傷つけないように、段階的に行う必要があり、最初
は小さい外径のバルーン部4を持つバルーンカテーテル
2をガイドワイヤに沿って挿入し、順次大きな外径のバ
ルーン部4を持つバルーンカテーテル2と交換する。そ
の際に、本実施形態に係るバルーンカテーテル2は、モ
ノレール方式のバルーンカテーテルであることから、内
チューブ12の長さに相当する部分より僅かに長い程度
にガイドワイヤ42の近位端部を体外側に延ばしておく
だけで、バルーンカテーテルの交換作業を行うことがで
きる。
【0065】本実施形態に係るバルーンカテーテル2で
は、バルーンカテーテル2の遠位端部のみを、外チュー
ブ6と内チューブ12とから成る、いわゆる同軸構造の
カテーテルチューブ構造を採用し、内チューブ12のル
ーメン14をガイドワイヤ挿通用ルーメンとして用いて
いる。このため、いわゆるダブルルーメンのカテーテル
チューブを有する従来のバルーンカテーテル(特開昭6
3−288167号公報や特開平2−307479号公
報)に比較し、本実施形態に係るバルーンカテーテル2
では、第1外チューブ部材6aの外径を細くし易い。ま
た、本実施形態に係るバルーンカテーテル2では、ガイ
ドワイヤの近位端側取り出し口となる内チューブ12の
近位端開口部22が、外チューブ6の長手方向の途中に
位置するチューブ壁を貫通して外部に開口しており、そ
の開口部22では、内チューブ12と外チューブ6との
二重構造となり、キンクし難い構造となっている。
【0066】さらに本実施形態に係るバルーンカテーテ
ル2では、ガイドワイヤ42の近位端側取り出し口とな
る内チューブ12の近位端開口部22が、外チューブ6
の長手方向の途中に位置するチューブ壁を貫通して外部
に開口しているのみであり、カテーテルチューブ2の全
長に亘り、段差を作る必要がなく、バルーンカテーテル
2の挿入特性に優れている。また、キンクし難い構造で
あることから、バルーンカテーテル2の押し込み特性に
も優れている。
【0067】また、本実施形態では、図2に示すよう
に、補強ロッド28を、開口部22付近から近位端側の
第1外チューブ部材6aの内部に配置してあるため、バ
ルーンカテーテルの押し込み特性がさらに向上すると共
に、カテーテルチューブの遠位端側が柔軟になり、曲が
りくねった血管などの体腔内での挿入特性がさらに向上
する。
【0068】さらに本実施形態では、補強ロッド28の
遠位端部28aが第1外チューブ部材6aの内壁に対し
て固定されていないので、バルーンカテーテル2を、冠
動脈のように分岐部分が多く且つ細い血管に挿入する場
合でも、第1外チューブ部材6aの遠位端部が、血管の
屈曲部分に対応して柔軟に変形する。これは、補強ロッ
ド28の遠位端部28aが第1外チューブ部材6aの内
壁に固定されていないことから、第1外チューブ部材6
aの遠位端部が、補強ロッド28に制限されることな
く、自由に変形できるためと考えられる。
【0069】さらにまた本実施形態では、バルーン部4
の近位端封止部分5が、外チューブ部6の遠位端部に重
複して接合される第1接合部分5aと、重複していない
第1非接合部分5bとを有する。バルーン部4の近位端
封止部分5における第1非接合部分5bは、バルーン部
4の拡張による治療効果にほとんど寄与しない部分であ
るが、その部分を設けることにより、バルーンカテーテ
ル2の遠位端部における柔軟性が向上する。第1非接合
部分5bは、バルーン部4の一部であり、外チューブ部
6よりも柔軟性があるからである。
【0070】したがって、本実施形態のバルーンカテー
テル2を、冠動脈のように分岐部分が多く且つ細い血管
に挿入する場合でも、バルーンカテーテル2の遠位端部
が、血管の屈曲部分に対応して柔軟に変形する。すなわ
ち、本実施形態のバルーンカテーテル2においては、バ
ルーンカテーテル2の挿入特性および押し込み特性が向
上する。
【0071】特に本実施形態では、内チューブ12の遠
位端部に接合されるバルーン部4の遠位端封止部分7に
は、内チューブ12の遠位端外周に向けて外径が細くな
る先端テーパ部7aが形成してある。しかも、内チュー
ブ12の遠位端部外周には、バルーン部4の遠位端封止
部分7が接合されていない第2非接合部分12bが形成
してある。
【0072】このため、図7に示すように、バルーンカ
テーテル2の遠位端の外径が、内チューブ12の外径に
等しくなり、特に狭窄の程度が激しい場合や、曲がりく
ねった血管34の狭窄部36に対しても、バルーンカテ
ーテル2の遠位端を、容易に挿入することが可能であ
る。したがって、バルーンカテーテル2の挿入特性が向
上する。
【0073】また、本実施形態に係るバルーンカテーテ
ルの製造方法では、バルーンカテーテル2を、比較的に
容易に製造することができ、バルーン部4と内チューブ
12との接合強度も十分である。
【0074】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。たとえば上述した実施形態では、外チュ
ーブ6を第1外チューブ部材6aと第2外チューブ部材
6bとで構成したが、本発明では、外チューブ6を軸方
向に連続する単一のチューブで構成することも可能であ
る。また、本発明に係るバルーンカテーテルの用途は、
上述した用途に限定されるものではない。
【0075】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、特に狭窄の程度が激しい場合や、曲がりくねった血
管の狭窄部に対しても、バルーンカテーテルの遠位端
を、容易に挿入することが可能であり、挿入特性に優れ
たバルーンカテーテルとその製造方法を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の1実施形態に係るバルーンカ
テーテルの全体構成図である。
【図2】 図2(A)図1に示すIIB−IIB線に沿う断面
図、図2(B)は図1に示すIIB−IIB線に沿う断面図、
図2(C)は図1に示すIIC−IIC線に沿う断面図、図2
(D)は図1に示すIID−IID線に沿う断面図である。
【図3】 図3は図1に示す補強ロッドの側面図であ
る。
【図4】 図4は図1に示すバルーンカテーテルの要部
縦断面図である。
【図5】 図5は図4に示すバルーンカテーテルの遠位
端部の詳細を示す要部断面図である。
【図6】 図6はバルーン部の遠位端封止部分と内チュ
ーブの遠位端部との接合工程を示す要部断面図である。
【図7】 図7は図1に示すバルーンカテーテルの使用
例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
2… バルーンカテーテル 4… バルーン部 4a… 筒状部分 4b,4c… テーパ状縮径部分 5… 近位端封止部分 5a… 第1接合部分 5b… 第1非接合部分 7… 遠位端封止部分 7a… 先端テーパ部 7b… 不要部分 6… 外チューブ 6a… 第1外チューブ部材 6b… 第2外チューブ部材 8… コネクタ 10… 第1ルーメン 12… 内チューブ 12a… 第2接合部分 12b… 第2非接合部分 14… 第2ルーメン 20… 遠位端開口部 21… 貫通孔 22… 近位端開口部 24… 第3ルーメン 26… 第4ルーメン 28… 補強ロッド 44… 融着部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一つのバルーン拡張用ルーメ
    ンが長手方向に沿って形成してある外チューブと、 前記外チューブの遠位端部にバルーン部の近位端封止部
    分が接合され、前記バルーン拡張用ルーメンと内部が連
    通するバルーン部と、 前記バルーン部の内部に密閉された拡張用空間を形成す
    るように、バルーン部の遠位端封止部分が内チューブの
    遠位端部に接合され、前記バルーン部の内部と前記外チ
    ューブのバルーン拡張用ルーメンの内部とに軸方向に延
    在する内チューブと、を有するバルーンカテーテルであ
    って、 前記バルーン部の遠位端封止部分の端部には、前記内チ
    ューブの遠位端外周に向けて外径が細くなる先端テーパ
    部が形成してあることを特徴とするバルーンカテーテ
    ル。
  2. 【請求項2】 前記先端テーパ部の遠位端側には、前記
    内チューブの遠位端部が軸方向に突出しており、内チュ
    ーブの遠位端部外周には、前記バルーン部の遠位端封止
    部分が接合されていない非接合部分が形成してあること
    を特徴とする請求項1に記載のバルーンカテーテル。
  3. 【請求項3】 前記内チューブの遠位端部において、前
    記バルーン部の遠位端封止部分が前記内チューブの遠位
    端部に接合してある接合部分の軸方向長さと、前記非接
    合部分の軸方向長さとの比が、1:2〜4:1の範囲に
    あることを特徴とする請求項2に記載のバルーンカテー
    テル。
  4. 【請求項4】 内チューブの遠位端部内にマンドレルを
    挿入する工程と、 前記内チューブの遠位端部の外周に、バルーン部の遠位
    端封止部分を重複させる工程と、 前記遠位端封止部分の外周を耐熱性フィルムで覆い、そ
    の耐熱性フィルムを加熱することにより、前記遠位端封
    止部分を前記内チューブの遠位端部に熱融着させる工程
    と、 前記遠位端封止部分の端部に、前記内チューブの遠位端
    外周に向けて外径が細くなるテーパ部が形成されるよう
    に、前記遠位端封止部分を加工する工程と、を有するバ
    ルーンカテーテルの製造方法。
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