JP2003097906A - ひずみゲージ及びひずみ測定方法 - Google Patents

ひずみゲージ及びひずみ測定方法

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JP2003097906A
JP2003097906A JP2001296594A JP2001296594A JP2003097906A JP 2003097906 A JP2003097906 A JP 2003097906A JP 2001296594 A JP2001296594 A JP 2001296594A JP 2001296594 A JP2001296594 A JP 2001296594A JP 2003097906 A JP2003097906 A JP 2003097906A
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grid
strain gauge
tabs
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JP2001296594A
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Yoshihiro Sato
芳弘 佐藤
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Tokyo Sokki Kenkyujo Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Sokki Kenkyujo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】物体のひずみ分布を好適に計測することができ
ると共に製造のし易さや歩留まりの向上を図ることがで
きるひずみゲージを提供する。 【解決手段】ひずみゲージ1は連続して延在する振動波
形状のゲージグリッド3と、複数のタブ4とをゲージベ
ース2上に備えている。タブ4は、ゲージグリッド3の
上側と下側とにゲージグリッド3の延在方向に等間隔で
配列されている。上側のタブ4は所定間隔D置きにゲー
ジグリッド3の上端部に存する折返し部5aにそれぞれ
導通して設けられ、下側のタブ4は所定間隔D置きゲー
ジグリッド3の下端部に存する折返し部5bにそれぞれ
導通して設けられている。折返し部5a,5bは、ゲー
ジグリッド3の延在方向にD/2の間隔だけ位置がずれ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ひずみゲージ及び
ひずみ測定方法に関し、特に、ひずみ分布を計測する上
で好適なひずみゲージ及びひずみ測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】物体の所望の領域に発生したひずみの分
布を計測するために用いるひずみゲージ(以下、ここで
は分布計測ゲージという)としては、例えば図5に示す
ものが従来知られている。尚、物体に生じるひずみと応
力とは周知の如く比例関係にあるので、本明細書では特
にことわらない限り、「ひずみ」は本来の意味でのひず
みの他、応力も含むものとし、本来の意味でのひずみに
は、原則として参照符号ε(添え字付きを含む)を付す
る。
【0003】図5の分布計測ゲージ50は、樹脂材等か
らなる薄膜状のゲージベース51上に、複数の単軸計測
用のひずみゲージ52を互いに近接させて一列に等間隔
で配置したものである。各ひずみゲージ52は、線状の
抵抗部材(例えば銅、クロム、ニッケル、あるいはそれ
らの合金等)を略矩形波状の振動波形状に形成して成る
ゲージグリッド53と、このゲージグリッド53を形成
する線状の抵抗体の両端に導通する一対の薄板状のタブ
54とから構成されている。ここで、ゲージグリッド5
3は、ひずみゲージ52の受感部であり、前記ゲージベ
ース51を物体に貼着した状態で、該ゲージグリッド5
3の貼着箇所における物体のひずみεに応じた抵抗値変
化を生じる。また、タブ54は、ゲージグリッド53を
測定器等に接続するための信号線をはんだ付け等により
取着するためのものである。
【0004】尚、分布計測ゲージ50を構成する各ひず
みゲージ52は、その特性(ゲージ率や無ひずみ状態で
の抵抗値(公称抵抗値))や形状が同一のものである。
また、この種の分布計測ゲージ50は、通常、ゲージベ
ース51上に固着した箔状の抵抗部材に、ひずみゲージ
の配列パターン(ゲージグリッド及びタブのパターン)
のマスキングを施し、マスキングを施していない部分の
抵抗部材をエッチング処理等により除去することで製造
される。
【0005】このような分布計測ゲージ50を物体に貼
着したとき、各ひずみゲージ52の抵抗値は、そのひず
みゲージ52の箇所で物体に生じたひずみεに応じて変
化する。そして、その抵抗値変化をブリッジ回路(詳し
くはホイートストンブリッジ回路)等の検出回路により
電圧信号に変換して検出することで、各ひずみゲージ5
2の箇所における物体のひずみが計測されることとな
る。そして、この場合、ひずみゲージ52は互いに近接
しているため、該ひずみゲージ52の並列方向における
物体のひずみ分布が計測されることとなる。
【0006】ところで、このような分布計測ゲージ50
では、それを構成する各ひずみゲージ52が比較的近接
しているものの、互いに隣合うひずみゲージ52,52
同士は若干離間しているため、その離間した箇所におけ
る物体のひずみを計測することはできない。このため、
その離間した箇所で局所的に該物体に比較的大きな応力
が発生して、比較的大きなひずみεが生じていてもそれ
を適正に把握することができない場合がある。
【0007】このような不都合を回避するためには、分
布計測ゲージ50を構成するひずみゲージ52をできる
だけ近接させて密集させることが考えられる。しかしな
がら、図5のようにタブ54を含めて同一形状のひずみ
ゲージ52を配列させる分布計測ゲージ50では、タブ
54にはんだ付け等により取着する信号線(リード線)
同士の短絡を避けると共に、そのはんだ付け等を支障な
く行い得るようにタブ54のサイズや相互の間隔を確保
する必要があることから、ひずみゲージ52をさらに密
集させることが困難である。また、一般に、タブ54を
含めた各ひずみゲージ52の抵抗値を揃えるために、ゲ
ージグリッド53を部分的に削る等して各ひずみゲージ
52の抵抗値を調整する必要が生じる場合が多々ある。
そして、このような場合には、ひずみゲージ52をさら
に密集させると、その抵抗値の調整作業を行うことが困
難となる。
【0008】また、図6に示すように、ゲージベース5
5上で、複数のひずみゲージ56のゲージグリッド57
(受感部)のみを密集させ、各ひずみゲージ56のタブ
58を、比較的大きな面積で形成した分布計測ゲージ5
9も知られている。尚、この図6の分布計測ゲージ59
では、各ひずみゲージ56のゲージグリッド57の一端
に導通するタブ58aを全てのひずみゲージ56につい
て共通化し、タブ58の個数を図5のものよりも減らし
ている。
【0009】しかしながら、この図6の分布計測ゲージ
59では、隣合うひずみゲージ56,56のゲージグリ
ッド57,57の間の間隔は図5のものよりも小さくで
きるものの、依然としてゲージグリッド57同士は離間
しているため、その離間した箇所における物体のひずみ
を適正に把握するとはできない。さらに、図6の分布計
測ゲージ59では、個々のタブ58の形状が異なるた
め、そのタブ58を含めた各ひずみゲージ56の抵抗値
を所望の抵抗値に揃えることが極めて困難となる。
【0010】また、前記図5、図6のいずれの分布計測
ゲージ50,59においても、その製造工程でいずれか
一つのひずみゲージ52,56に断線等の不良が生じる
と、そのひずみゲージ52,56を含む分布計測ゲージ
50,59の全体が不良品となる。このため、分布計測
ゲージ50,59の製造時の歩留まりが低下しやすい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる背景に
鑑みてなされたものであり、物体のひずみ分布を好適に
計測することができると共に製造のし易さや歩留まりの
向上を図ることができるひずみゲージを提供することを
目的とする。さらに、このひずみゲージを用いた物体の
ひずみ測定を精度よく適正に行うことができるひずみ測
定方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のひずみゲージは
かかる目的を達成するために、ひずみに応じた抵抗値変
化を生じる連続した線状の抵抗部材を振動波形状に形成
してなり、その振幅方向の両端にそれぞれ複数の折返し
部を有して延在するゲージグリッドと、該ゲージグリッ
ドの複数の折返し部のうちの少なくとも3個以上の折り
返し部にそれぞれ導通して互いに離間して設けられた複
数の信号線接続用のタブとを備えたことを特徴とするも
のである。
【0013】かかる本発明のひずみゲージでは、連続し
た線状の抵抗体を振動波形状(例えば矩形波形状)に形
成してなるゲージグリッドには、その3個以上の折返し
部(振動波形の頂部)に信号線接続用のタブが導通して
おり、その複数のタブのうちの任意の2個のタブ(例え
ばゲージグリッドの延在方向で隣合う2個のタブ)の間
に存するゲージグリッドの部分がそれぞれ単一のひずみ
ゲージ(以下、部分ひずみゲージという)としての機能
を有するものとなる。そして、これらの部分ひずみゲー
ジはその受感部であるゲージグリッドが相互に連続して
いるため、本発明のひずみゲージをひずみの分布を測定
しようとする物体に貼着したとき、その貼着箇所(より
詳しくはゲージグリッドの貼着箇所)における物体の各
部のひずみは前記部分ひずみゲージのいずれか一つには
必ず作用し、そのひずみに応じて該部分ひずみゲージの
抵抗値変化が生じることとなる。また、この抵抗値変化
は、該部分ひずみゲージに対応する2個のタブをブリッ
ジ回路等の検出回路(抵抗値変化を電気信号に変換する
回路)に信号線を介して接続することで、該検出回路の
出力により検出することができる。
【0014】このように本発明のひずみゲージによれ
ば、該ひずみゲージを物体に貼着したとき、その貼着箇
所における各部分ひずみゲージの受感部が互いに離間す
ることなく連続したものとなると共に、その連続した各
受感部の箇所における物体のひずみを各部分ひずみゲー
ジに対応する2個のタブを介して検出することができ
る。この結果、物体の局所的なひずみの検出漏れ等を生
じることなく、本発明のひずみゲージの物体への貼着箇
所におけるひずみ分布を好適に計測することが可能とな
る。
【0015】また、本発明のひずみゲージでは、前記部
分ひずみゲージのうち、前記ゲージグリッドの延在方向
で互いに隣合う二つの部分ひずみゲージはその一つのタ
ブが両者の部分ひずみゲージで共通のものとなるため、
前記図5に示した従来の分布計測ゲージに比してタブの
個数が少なくて済む。このため、本発明のひずみゲージ
におけるタブの大きさ(面積)を信号線のはんだ付け等
が可能な程度の大きさに確保しつつ、該信号線の相互の
短絡を回避可能なように該タブを相互に離間させること
が可能となる。この結果、各タブに信号線をはんだ付け
等により取着する作業も容易になる。
【0016】かかる本発明のひずみゲージでは、前記複
数の信号線接続用のタブは、前記ゲージグリッドの延在
方向で所定間隔置きに存する複数の折返し部にそれぞれ
導通して設けられていると共に互いに同一形状に形成さ
れていることが特に好適である。
【0017】すなわち、本発明のひずみゲージでは、ゲ
ージグリッドが連続していることから、多数の部分ひず
みゲージを含む長尺なひずみゲージを製造することがで
きる。そして、この場合、前記複数のタブが前記ゲージ
グリッドの延在方向で所定間隔置きに存する複数の折返
し部にそれぞれ導通して設けられていると共に互いに同
一形状に形成されているときには、上記のような長尺な
ひずみゲージを製造しておくことで、必要個数の部分ひ
ずみゲージを含むような長さのひずみゲージを長尺なひ
ずみゲージの切断によって容易に得ることができる。ま
た、長尺なひずみゲージのゲージグリッドの一部に断線
等の不良が生じた場合には、その部分を切断して除去
し、残りの部分から必要個数の部分ひずみゲージを含む
ような長さのひずみゲージを得ることができる。従っ
て、本発明のひずみゲージの製造の容易さを向上できる
と共に、該ひずみゲージの製造上の歩留まりを高めるこ
とができる。
【0018】また、本発明のひずみゲージでは、前記複
数の信号線接続用のタブは、前記ゲージグリッドの振幅
方向の一端側で該ゲージグリッドの延在方向に所定間隔
置きに並列する複数の折返し部と、前記ゲージグリッド
の他端側で該ゲージグリッドの延在方向に前記所定間隔
置きに並列すると共に前記一端側の複数の折返し部に対
して前記所定間隔の略半分の間隔だけ該ゲージグリッド
の延在方向に位置をずらして並列する複数の折返し部と
にそれぞれ導通して設けられていることが好ましい。
【0019】これによれば、ゲージグリッドの延在方向
で前記所定間隔の略半分の長さを有する前記部分ひずみ
ゲージが該ゲージグリッドの延在方向に連続的に並ぶと
共に、その各部分ひずみゲージに対応する2個のタブ
は、ゲージグリッドの振幅方向の一端側及び他端側に存
することとなる。このため、ゲージグリッドの振幅方向
の一端側及び他端側のいずれか一方側にのみタブを設け
た場合に比して、該一端側及び他端側の各側における互
いに隣合う二つのタブを導通させるゲージグリッドの二
つの折返し部の間隔が広げることができる。このため、
各タブの大きさ(面積)を信号線のはんだ付け等が容易
な大きさに確保しつつ、該信号線の相互の短絡を確実に
回避可能なように該タブを相互に離間させることが可能
となる。この結果、各タブに信号線をはんだ付け等によ
り取着する作業も容易になる。
【0020】尚、本発明のひずみゲージでは、ゲージグ
リッドは、例えば直線状に延在させることが一般的に好
ましいが、例えば円弧状に延在させるようにしてもよ
い。
【0021】ところで、一般にひずみゲージを用いたひ
ずみ測定で用いる測定器では、これに接続して適正にひ
ずみ測定を行うことが可能なひずみゲージの抵抗値(無
ひずみ状態での抵抗値)やゲージ率があらかじめ特定の
値に定められており、その特定の抵抗値やゲージ率と相
違する抵抗値やゲージ率を有するひずみゲージを用いる
と、適正なひずみ測定を行うことができない。このた
め、例えばこのような測定器に前述した本発明のひずみ
ゲージを適用し、該ひずみゲージの前記部分ひずみゲー
ジ毎のひずみ測定を行うような場合には、該部分ひずみ
ゲージの抵抗値やゲージ率を精度よく特定の値に合わせ
ておく必要がある。この場合、本発明のひずみゲージの
製造際に、ゲージグリッドを削る等して、部分ひずみゲ
ージの抵抗値を特定の値に調整するようにすることも可
能であるが、その調整作業は一般には比較的手間を要す
るものとなる。
【0022】一方、本願出願人は、ひずみゲージの抵抗
値(無ひずみ状態での抵抗値)やゲージ率の値があらか
じめ決められた値でなくとも精度よくひずみ測定を行う
ことができるひずみ測定手法を、例えば特許第2972
754号にて先に提案している。そして、この手法を本
発明のひずみゲージに適用すれば、各部分ひずみゲージ
の抵抗値やゲージ率によらずに各部分ひずみゲージ毎の
ひずみ測定、ひいてはひずみ分布の測定を精度よく行う
ことが可能である。そして、各部分ひずみゲージの抵抗
値やゲージ率によらずに各部分ひずみゲージ毎のひずみ
測定を精度よく行うことができることから、前述の本発
明のひずみゲージの各部分ひずみゲージの抵抗値を特定
の値に精度よく合わせるような調整作業が不要となる。
【0023】そこで、本発明のひずみ測定方法は、前述
した本発明のひずみゲージを物体に貼着し、該ひずみゲ
ージの前記ゲージグリッドのうち、前記複数のタブから
任意に選択された二つのタブ間に存する部分を部分ひず
みゲージとして該部分ひずみゲージの貼着箇所における
前記物体のひずみを測定する方法であって、該部分ひず
みゲージの貼着箇所における前記物体のひずみを、本願
出願人が前記特許第2972754号にて開示した手法
を用いて測定することを特徴とするものである。
【0024】すなわち、より具体的には、本発明のひず
み測定方法の基本的態様は、前記部分ひずみゲージを一
辺に有し、且つ残りの三辺にそれぞれ前記物体のひずみ
と無関係な所定抵抗値の抵抗体を具備してなるブリッジ
回路(詳しくはホイートストンブリッジ回路)を構成
し、あらかじめ前記ひずみゲージの無ひずみ状態におい
て、前記ブリッジ回路の所定の一対の対角点に設けられ
た一対の電源入力部に電源電圧を付与し、該ブリッジ回
路の残りの一対の対角点に設けられた一対の出力部に発
生する出力電圧を該ブリッジ回路の初期不平衡出力電圧
0として検出する工程と、前記物体のひずみ測定時に
前記ブリッジ回路に前記電源電圧を付与して該ブリッジ
回路の出力電圧eを検出する工程とを備え、前記初期不
平衡出力電圧e0と、ひずみ測定時の出力電圧eとから
次式(2)の演算により求められる値εaに基づき前記
部分ひずみゲージの貼着箇所における前記物体のひずみ
を測定することを特徴とするものである。
【0025】
【数2】
【0026】ここで、式(2)において、Vは前記ブリ
ッジ回路の電源電圧、Kは前記部分ひずみゲージのゲー
ジ率、R3は前記ブリッジ回路の各辺のうち、前記部分
ひずみゲージを具備する辺の対辺に存する抵抗体の抵抗
値、R4は前記ブリッジ回路の各辺のうち、前記ひずみ
ゲージを具備する辺に前記一対の電源入力部の一方を介
して隣接する辺に存する抵抗体の抵抗値である。
【0027】上記式(2)の技術的意味は、前記特許第
2972754号に詳細に説明されているので、ここで
は詳細な説明を省略するが、該式(2)は前記ブリッジ
回路い組み込む個々のひずみゲージ(本発明では前記部
分ひずみゲージ)の貼着箇所における物体のひずみを前
記初期不平衡出力電圧e0の影響を排除して精度よく測
定するための基本的な演算式である。
【0028】かかる本発明のひずみ測定方法では、前記
式(2)の演算により求められる値εaに基づき前記部
分ひずみゲージの貼着箇所における前記物体のひずみを
測定するため、前記本発明のひずみゲージの各部分ひず
みゲージの抵抗値(無ひずみ状態での抵抗値)やゲージ
率が特定の値に合わせずとも、各部分ひずみゲージの貼
着箇所における物体のひずみを精度よく測定できる。ひ
いては、本発明のひずみゲージの貼着箇所における物体
のひずみ分布を精度よく測定できる。この場合、例え
ば、式(2)で用いるゲージ率Kの値は、各部分ひずみ
ゲージ毎に実測した値等を用いればよい。この結果、前
述した本発明のひずみゲージの各部分ひずみゲージの抵
抗値を精度よく特定の値に合わせるための調整作業等が
不要となり、本発明のひずみゲージの製造をより容易に
行うことが可能となる。
【0029】尚、各部分ひずみゲージの2個のタブと前
記ブリッジ回路の抵抗体とを接続するための信号線の抵
抗値が該部分ひずみゲージの抵抗値(無ひずみ状態での
抵抗値)に比して比較的大きい場合には、前記感度低下
を防止するために、特許第2972754号にて説明さ
れているように、前記式(2)の演算結果にさらに、
(R0+r)/R0を乗算した値(=εa・(R0+r)/
0)に基づきひずみ測定を行うことが好適である。こ
こで、R0は前記部分ひずみゲージの無ひずみ状態での
抵抗値であり、rは前記ブリッジ回路において部分ひず
みゲージと同一の辺に存する信号線の総抵抗値である。
また、式(2)の右辺中の(R3/(R3+R4))・V
は、前記ブリッジ回路の各辺のうち、前記部分ひずみゲ
ージを具備する辺の対辺(抵抗値R3の抵抗体を有する
辺)の電圧であるので、その電圧の実測値を用いてもよ
い。同様に、式(2)の右辺中の(R4/(R3
4))・Vは、前記ブリッジ回路の各辺のうち、前記
部分ひずみゲージを具備する辺に前記一対の電源入力部
の一方を介して隣接する辺(抵抗値R4の抵抗体を有す
る辺)の電圧であるので、その電圧の実測値を用いても
よい。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図1〜図3
を参照して説明する。図1は本実施形態のひずみゲージ
を示す平面図、図2は図1の要部の拡大図、図3は図1
のひずみゲージを用いたひずみ測定装置の概要構成を示
す説明図である。
【0031】図1を参照して、本実施形態のひずみゲー
ジ1は、樹脂材からなるゲージベース2上に、銅、クロ
ム、ニッケルあるいはそれらの合金等の抵抗部材からな
るゲージグリッド3と該複数の信号線接続用のタブ4と
を備えている。
【0032】ゲージグリッド3は、連続した線状の抵抗
部材を略矩形波状の振動波形状に形成してなり、その振
動波形の振幅方向の両端(図1ではゲージグリッド3の
上下端)にそれぞれ多数の折返し部5を有している。そ
して、このゲージグリッド3の全体は、振幅方向と直交
する方向(図1では左右方向)に直線的に延在してい
る。この場合、本実施形態では、ゲージグリッド3の振
動波形の振幅及び波長は一定とされている。また、図2
に示すようにゲージグリッド3の各折返し部5の両側で
振幅方向に延在する部分6は互いに平行である。尚、こ
のような構成のゲージグリッド3は、その振幅方向のひ
ずみεに対して感度を有し、その各部分6の抵抗値が振
幅方向のひずみεに応じて変化する。
【0033】前記複数のタブ4は、いずれも同一形状の
薄板状に形成されており、ゲージグリッド3の振幅方向
の上端側と下端側とにそれぞれゲージグリッド3の全体
の延在方向(左右方向)に所定間隔D(ゲージグリッド
3の波長の整数倍の間隔)置きに並んで配設されてい
る。そして、ゲージグリッド3の上端側の複数のタブ4
は、該ゲージグリッド3の上端部の折返し部5のうち、
該ゲージグリッド3の延在方向で上記所定間隔D置きに
存する各折返し部5aに、それぞれ該タブ4に形成され
た細首部7(図2参照)を介して一体的に連接され、該
折返し部5aに導通されている。同様に、ゲージグリッ
ド3の下端側の複数のタブ4は、該ゲージグリッド3の
下端部の折返し部5のうち、該ゲージグリッド3の延在
方向に所定間隔D置きに存する各折返し部5bに、それ
ぞれ該タブ4の細首部7(図2参照)を介して一体的に
連接され、該折返し部5aに導通されている。但し、下
端側の各タブ4が導通する折返し部5bは、上端側の各
タブ4が導通する折返し部5aに対して、前記所定間隔
Dの半分の間隔D/2だけ、ゲージグリッド3の全体の
延在方向に位置をずらしている。このため、ゲージグリ
ッド3の上端側のタブ4と下端側のタブ4とは図1に示
すように千鳥格子状に配列されている。
【0034】かかるひずみゲージ1は、例えば次のよう
に製造される。すなわち、ゲージベース2上にあらかじ
め固着した箔状の抵抗部材に、ゲージグリッド3及びタ
ブ4のパターンのマスキングを施し、マスキングを施し
ていない部分の抵抗部材をエッチング処理等により除去
することで製造される。この場合、ゲージベース2及び
ゲージグリッド3が比較的長尺なものになるように製造
しておき、それを切断することにより、所望の長さ(ゲ
ージグリッド3の延在方向の長さ)のゲージグリッド3
を有するひずみゲージ1が得られる。また、図1及び図
2では図示を省略するが、ひずみゲージ1の各タブ4に
は、これを測定器等に接続するための信号線(リード
線)がはんだ付け等により取着される。さらに、ひずみ
ゲージ1の表面部には、ゲージグリッド3と信号線を取
着した各タブ4を被覆する樹脂材からなる保護カバーが
固着される。
【0035】このようなひずみゲージ1を用いた物体
(図示しない)のひずみ分布の測定手法の具体的な一例
(本発明のひずみ測定方法の一例)を次に説明する。
尚、以下の説明では、図1の上下のタブ4に、図の左側
から順番に参照符号41,42,…を付する。また、ゲー
ジグリッド3の延在方向で間隔D/2を有する2個のタ
ブ4i,4i+1(i=1,2,……)の間に存するゲージ
グリッド3の部分(図2の折返し部5aと5bとの間の
部分)を部分ひずみゲージ3iと称する。
【0036】図3を参照して、本実施形態におけるひず
みゲージ1を用いた物体のひずみ分布の測定では、前記
各部分ひずみゲージ3i(i=1,2,……)が、それ
に対応する2個のタブ4i,4i+1に取着されている信号
線(リード線)8,8を介して順次、選択的に接続され
る測定器9が用いられる。ここで、図3では、便宜上、
部分ひずみゲージ3iのうちの一つを代表的に模式化し
て記載している。尚、各部分ひずみゲージ3iの測定器
9への選択的な接続(電気的な接続)は、手作業で行う
ようにしてもよいことはもちろんであるが、スイッチ回
路を内蔵した所謂スイッチボックスを介して自動的に行
うようにしてもよい。
【0037】前記測定器9は、これに接続される各部分
ひずみゲージ3iと合わせてブリッジ回路10(ホイー
トストンブリッジ回路)を構成する3個の固定抵抗値の
抵抗体11〜13を有する抵抗回路を備えており、この
抵抗回路と各部分ひずみゲージ3iとの接続により、該
部分ひずみゲージ3i(詳しくは、該部分ひずみゲージ
3i及び信号線8,8)を一辺に有し、且つ残りの三辺
にそれぞれ抵抗体11,12,13を有するブリッジ回
路10を構成するようにしている。尚、本実施形態では
抵抗体11〜13のそれぞれの抵抗値R2,R3,R
4は、例えば互いに同一の抵抗値でよいことはもちろん
であるが、必ずしも同一の抵抗値でなくてもよい。
【0038】測定器9は、さらに、ブリッジ回路10の
一対の対角点である電源入力部14,14に電源電圧を
付与する電源回路15と、ブリッジ回路10の残りの一
対の対角点である出力部16,16に発生する出力電圧
信号を処理してひずみ測定値を得る出力処理回路17と
を備えている。該出力処理回路17は、詳細な図示は省
略するが、ブリッジ回路10の出力電圧信号を増幅して
A/D変換する回路や、そのA/D変換後のデータを処
理するマイコン等により構成されたものである。
【0039】尚、本発明のひずみ測定方法の構成に対応
させると、抵抗体11〜13のうち、抵抗体12の抵抗
値R3は、ブリッジ回路10の部分ひずみゲージ3iを具
備する辺の対辺の抵抗値である。また、抵抗体13の抵
抗値R4は、ブリッジ回路10の部分ひずみゲージ3iを
具備する辺に、電源入力部14,14の一方を介して隣
接する辺の抵抗値である。
【0040】かかる測定器9を用いて物体のひずみ測定
が次のように行われる。まず、ひずみゲージ1のゲージ
ベース2を接着剤等により物体に貼着した後、物体のひ
ずみを生じていない状態(ひずみゲージ1の貼着直後の
状態)において、各部分ひずみゲージ3iが順次、測定
器9に接続され、その接続の都度、ブリッジ回路10に
電源回路15から電源電圧が付与されると共に、該ブリ
ッジ回路10の出力電圧が初期不平衡出力電圧e0とし
て出力処理回路17により検出される。そして、このよ
うに検出された各部分ひずみゲージ3i毎の初期不平衡
出力電圧e0は、各部分ひずみゲージ3iと対応づけて図
示しないメモリに記憶保持される。
【0041】次いで、該物体のひずみ測定を行おうとす
る適当なタイミングにおいて、再び、各部分ひずみゲー
ジ3iが順次、測定器9に接続され、その接続の都度、
ブリッジ回路10に電源回路15から電源電圧が付与さ
れると共に、該ブリッジ回路10の出力電圧eが出力処
理回路17により検出される。そして、この検出された
出力電圧eは、前記初期不平衡出力電圧e0と同様、各
部分ひずみゲージ3iと対応づけて図示しないメモリに
記憶保持される。
【0042】次いで、測定器9の出力処理回路17は、
各部分ひずみゲージ3iの箇所における物体のひずみεa
を、該部分ひずみゲージ3iに対応する初期不平衡出力
電圧e0と出力電圧eとを用いて、前記式(2)により
求める。この場合、式(2)の演算で必要な各部分ひず
みゲージ3iのゲージ率Kは、ひずみゲージ1の製造時
等にあらかじめ実測された値が、測定前に測定器9に入
力されて図示しないメモリに記憶保持されている。ま
た、式(2)の演算で必要なブリッジ回路10の電源電
圧V、ブリッジ回路10の抵抗体12,13のそれぞれ
の抵抗値R3,R4は、測定器9の製造工場等においてあ
らかじめ実測されて測定器9の図示しないメモリに記憶
保持されている。
【0043】尚、前記特許2972754号に開示され
ているように、抵抗値R3,R4をそのまま用いる代わり
に、ブリッジ回路10の抵抗体12の辺の電圧(=V・
3/(R3+R4))の実測値や、抵抗体13の辺の電
圧(=V・R4/(R3+R4))の実測値を用いるよう
にしてもよい。この場合、抵抗体12の辺及び抵抗体1
3の辺のいずれか一方の辺の電圧の実測値が得られてお
れば、他方の辺の電圧はブリッジ回路10の電源電圧V
から一方の辺の電圧の実測値を差し引いた値となる。
【0044】このようにして出力処理回路17に求めら
れた各部分ひずみゲージ3iの箇所における物体のひず
みεaは、例えば図示しないディスプレイ等に表示され
る。これにより、各部分ひずみゲージ3iの箇所におけ
る物体のひずみεaが測定され、ひいては、前記ゲージ
グリッド3の貼着箇所で該ゲージグリッド3の延在方向
における物体のひずみεaのひずみ分布が測定されるこ
ととなる。尚、各部分ひずみゲージ3iの箇所における
物体の応力はその箇所のひずみεaに比例するため、ゲ
ージグリッド3の貼着箇所でのひずみ分布が判れば応力
分布も判ることとなる。
【0045】この場合、部分ひずみゲージ3iを構成す
るゲージグリッド3は、連続的に延在しているため、該
ゲージグリッド3の箇所における各部の局所的なひずみ
εは、確実に部分ひずみゲージ3iのいずれか一つの抵
抗値変化を生ぜしめる。従って、例えばゲージグリッド
3の箇所のひずみ分布が局所的にひずみεのピークが生
じるような場合であっても、そのようなピークのひずみ
εを見逃すことなく検出することができる。
【0046】また、本実施形態のひずみゲージ1は、ゲ
ージグリッド3の上下のタブ4を合わせて、該タブ4が
ゲージグリッド3の延在方向に所定間隔D/2で配列さ
れ、しかも、各タブ4の形状は同一であるので、ひずみ
ゲージ1の製造工程において、前述のようにゲージベー
ス2及びゲージグリッド3が長尺となるように製造して
おくことで、例えばゲージグリッド3の一部の断線等を
生じていてもその部分のみを切り離して、必要な長さ
(ゲージグリッド3の延在方向の長さ)のひずみゲージ
1を得ることができる。従って、ひずみゲージ1を歩留
まりよく製造することができる。
【0047】また、本実施形態では、各部分ひずみゲー
ジ3iの箇所における物体のひずみ測定に際しては、前
記特許2972754号に本願出願人が開示した手法を
用いることにより、ブリッジ回路10の初期不平衡出力
電圧e0(これはブリッジ回路10の各辺の抵抗値が互
いに同一でないこと等に起因して生じる)の影響によら
ずに精度よくひずみ測定を行うことができる。このた
め、各部分ひずみゲージ3iの無ひずみ状態での抵抗値
は必ずしも同一の値に揃っている必要はない。従って、
本実施形態のひずみゲージ1の製造時に、ゲージグリッ
ド3を適宜削る等して、各部分ひずみゲージ3iの抵抗
値を精度よく揃えたりする必要がなく、ひずみゲージ1
の製造を容易に行うことができる。
【0048】尚、前記実施形態のひずみゲージ1では、
タブ4をゲージグリッド3の振幅方向の両側(上側及び
下側)に配列させるようにしたが、いずれか一方側に配
列させるようにしてもよい。但し、前記実施形態のひず
みゲージ1のようにゲージグリッド3の振幅方向の両側
でタブ4を千鳥格子状に配列することで、ゲージグリッ
ド3の上側で隣合うタブ4,4の間隔Dと下側で隣合う
タブ4,4の間隔Dとを、ゲージグリッド3の上側及び
下側のいずれか一方のみに配列する場合に比して広げる
ことができる。すなわち、タブ4をゲージグリッド3の
上側及び下側のいずれか一方側にのみ配列した場合に
は、前記実施形態の部分ひずみゲージ3iと同等の部分
ひずみゲージを使用できるようにするためには、タブ4
をゲージグリッド3の延在方向に「D/2」の間隔で配
列する必要がある。これに対して、前記実施形態では、
ゲージグリッド3の上側及び下側のそれぞれのタブ4の
間隔は、「D」の間隔でよく、その間隔を広く採ること
ができる。このため、前記実施形態のひずみゲージ1で
は、各タブ4の大きさ(面積)を比較的広いものとする
ことができ、各タブ4への信号線のはんだ付け等の作業
を、それらの信号線同士の短絡を避けつつ容易に行うこ
とができる。
【0049】また、前記ひずみゲージ1を用いたひずみ
測定に関し、前記実施形態では、前記各部分ひずみゲー
ジ3i毎に、所謂1ゲージ2線法によるものを示した
が、所謂1ゲージ3線法による測定を行うようにしても
よいことはもちろである。この場合には、ひずみゲージ
1の各タブ4に2本づつ信号線をはんだ付け等により取
着しておくようにすればよい。
【0050】また、前記実施形態のひずみ測定では、ゲ
ージグリッド3の延在方向に「D/2」の間隔を存する
2個のタブ4i,4i+1の間の部分ひずみゲージ3iのみ
を用いてひずみ測定を行うものを示したが、前記ひずみ
ゲージ1は、その任意の2個のタブ4,4の間のゲージ
グリッド3の部分が部分ひずみゲージとしての機能を有
する。従って、例えば、ゲージグリッド3の上側もしく
は下側で互いに隣合うタブ4,4(例えばタブ41
3、タブ42,44等)の間のゲージグリッド3の部分
を部分ひずみゲージとして用い、その部分ひずみゲージ
の箇所における物体の平均的なひずみを測定するように
することも可能である。さらには、このような部分ひず
みゲージによるひずみ測定の結果と、前記実施形態にお
ける各部分ひずみゲージ3iによるひずみ測定の結果と
を合わせてひずみ分布のより詳しい解析を行うようにす
ることも可能である。
【0051】また、前記実施形態のひずみ測定では、部
分ひずみゲージ3iと共にブリッジ回路10に組み込ま
れる信号線8,8の抵抗値の影響については考慮してい
ないが、該信号線8,8の抵抗値が各部分ひずみゲージ
3iの無ひずみ状態での抵抗値(以下、ここでは参照符
号R0を付する)に比して比較的大きいような場合に
は、前記特許2972754号に本願出願人が開示した
ように、前記式(2)の演算結果(=εa)にさらに、
(R0+r)/R0(但し「r」は、部分ひずみゲージ3
iと同じ辺でブリッジ回路10に組み込まれる信号線
8,8の総抵抗値)を乗算することで、信号線8,8の
抵抗値によるひずみ測定の感度低下の影響を補償して、
精度のよいひずみ測定を行うことができる。
【0052】また、前記実施形態のひずみ測定では、前
記特許2972754号に本願出願人が開示した手法を
用いるものを示したが、通常的なひずみ測定器を用いて
各部分ひずみゲージ3iの箇所における物体のひずみ測
定を行うようにすることも可能である。但し、この場
合、適正なひずみ測定を行うためには、一般に、各部分
ひずみゲージ3iの抵抗値を所定の値に精度よく揃えて
おく必要があるので、ひずみゲージ1の製造時に、ゲー
ジグリッド3を部分的に適宜削る等して、各部分ひずみ
ゲージ3iの抵抗値を調整しておくことが望ましい。
【0053】また、前記実施形態では、ゲージグリッド
3を全体的に直線的に延在させたひずみゲージ1を示し
たが、本発明のひずみゲージのゲージグリッドは必ずし
も直線的に延在している必要はなく、他の形態で延在し
ていてもよい。その一例を他の実施形態として、図4を
参照して次に説明する。図4は当該他の実施形態のひず
みゲージを示す平面図である。
【0054】図4に示すように、本実施形態のひずみゲ
ージ21では、ゲージベース22上に設けられた振動波
形状のゲージグリッド23は、その全体が仮想線で示す
円弧線Cに沿って円弧状に延在しており、該ゲージグリ
ッド23の振幅方向は、円弧線Cの径方向となってい
る。該ゲージグリッド23の振幅は一定である。
【0055】そして、ゲージベース22上にゲージグリ
ッド23と共に配列された複数のタブ24は、ゲージグ
リッド23の外周側で周方向に間隔を存して配設され、
ゲージグリッド23の折返し部25のうち、該外周側で
周方向に所定間隔D’置きに存する折返し部25aにそ
れぞれ細首部26を介して一体的に連接されて導通され
ている。これらのタブ24は、いずれも同一形状であ
る。
【0056】尚、ゲージベース22、ゲージグリッド2
3、及びタブ24の材質はそれぞれ前記図1の実施形態
のものと同一である。また、ゲージグリッド23は、真
円状に連続しているわけではなく、該ゲージグリッド2
3の延在方向における両端部は切り離されている。
【0057】かかる本実施形態のひずみゲージ21で
は、例えば互いに隣合うタブ24,24の間のゲージグ
リッド23の部分23i(i=1,2,…)を部分ひず
みゲージ23iとして用いて、前記図1のひずみゲージ
1と同様に、物体のひずみ分布を測定することができ
る。この場合、ゲージグリッド23の延在方向である前
記円弧線Cに沿ったひずみ分布を好適に測定することが
できる。このような本実施形態のひずみゲージ21は、
例えば、物体に穿設された穴の周囲のひずみ分布を測定
するような場合に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のひずみゲージの平面図。
【図2】図1のひずみゲージの要部の拡大図。
【図3】図1のひずみゲージを用いたひずみ測定装置の
概要構成を示す説明図。
【図4】本発明のひずみゲージの他の実施形態のひずみ
ゲージの平面図。
【図5】従来のひずみゲージの一例の平面図。
【図6】従来のひずみゲージの他の例の平面図。
【符号の説明】
1,21…ひずみゲージ、3,23…ゲージグリッド、
4,24…タブ、5,25…折り返し部、10…ブリッ
ジ回路、11〜13…抵抗体、14…電源入力部、16
…出力部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ひずみに応じた抵抗値変化を生じる連続し
    た線状の抵抗部材を振動波形状に形成してなり、その振
    幅方向の両端にそれぞれ複数の折返し部を有して延在す
    るゲージグリッドと、該ゲージグリッドの複数の折返し
    部のうちの少なくとも3個以上の折り返し部にそれぞれ
    導通して互いに離間して設けられた複数の信号線接続用
    のタブとを備えたことを特徴とするひずみゲージ。
  2. 【請求項2】前記複数の信号線接続用のタブは、前記ゲ
    ージグリッドの延在方向で所定間隔置きに存する複数の
    折返し部にそれぞれ導通して設けられていると共に互い
    に同一形状に形成されていることを特徴とする請求項1
    記載のひずみゲージ。
  3. 【請求項3】前記複数の信号線接続用のタブは、前記ゲ
    ージグリッドの振幅方向の一端側で該ゲージグリッドの
    延在方向に所定間隔置きに並列する複数の折返し部と、
    前記ゲージグリッドの他端側で該ゲージグリッドの延在
    方向に前記所定間隔置きに並列すると共に前記一端側の
    複数の折返し部に対して前記所定間隔の略半分の間隔だ
    け該ゲージグリッドの延在方向に位置をずらして並列す
    る複数の折返し部とにそれぞれ導通して設けられている
    ことを特徴とする請求項1記載のひずみゲージ。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載のひず
    みゲージを物体に貼着し、該ひずみゲージの前記ゲージ
    グリッドのうち、前記複数のタブから任意に選択された
    二つのタブ間に存する部分を部分ひずみゲージとして該
    部分ひずみゲージの貼着箇所における前記物体のひずみ
    を測定する方法であって、 前記部分ひずみゲージを一辺に有し、且つ残りの三辺に
    それぞれ前記物体のひずみと無関係な所定抵抗値の抵抗
    体を具備してなるブリッジ回路を構成し、 あらかじめ前記ひずみゲージの無ひずみ状態において、
    前記ブリッジ回路の所定の一対の対角点に設けられた一
    対の電源入力部に電源電圧を付与し、該ブリッジ回路の
    残りの一対の対角点に設けられた一対の出力部に発生す
    る出力電圧を該ブリッジ回路の初期不平衡出力電圧e0
    として検出する工程と、 前記物体のひずみ測定時に前記ブリッジ回路に前記電源
    電圧を付与して該ブリッジ回路の出力電圧eを検出する
    工程とを備え、 前記初期不平衡出力電圧e0と、ひずみ測定時の出力電
    圧eとから次式(1)の演算により求められる値εa
    基づき前記部分ひずみゲージの貼着箇所における前記物
    体のひずみを測定することを特徴とするひずみ測定方
    法。 【数1】 但し、上記式(1)において、V:前記ブリッジ回路の
    電源電圧、K:前記部分ひずみゲージのゲージ率、
    3:前記ブリッジ回路の各辺のうち、前記部分ひずみ
    ゲージを具備する辺の対辺に存する抵抗体の抵抗値、R
    4:前記ブリッジ回路の各辺のうち、前記ひずみゲージ
    を具備する辺に前記一対の電源入力部の一方を介して隣
    接する辺に存する抵抗体の抵抗値。
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