JP2003096302A - 艶消し硬化物用ポリシロキサン組成物および艶消し硬化物の製造方法 - Google Patents

艶消し硬化物用ポリシロキサン組成物および艶消し硬化物の製造方法

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JP2003096302A
JP2003096302A JP2001294994A JP2001294994A JP2003096302A JP 2003096302 A JP2003096302 A JP 2003096302A JP 2001294994 A JP2001294994 A JP 2001294994A JP 2001294994 A JP2001294994 A JP 2001294994A JP 2003096302 A JP2003096302 A JP 2003096302A
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polysiloxane composition
hollow body
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JP2001294994A
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English (en)
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Masanori Takanashi
正則 高梨
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GE Toshiba Silicones Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面が艶消しされた硬化物を容易に得ること
ができ、LED等のポッティング材やコーティング材と
して好適する液状のポリシロキサン組成物を提供する。 【解決手段】 本発明の艶消し硬化物用ポリシロキサン
組成物は、(A)熱硬化性の液状ポリオルガノシロキサ
ン組成物100重量部に、(B)熱膨張性微小中空体を
0.1〜10重量部の割合で含有して成り、常温で10
0〜1,000,000cPの粘度を有する。熱膨張性
の微小中空体として、軟化温度が50〜150℃の熱可
塑性樹脂外殻を有し、粒径が0.1〜1000μmで1
0〜200倍の最高膨張倍率を有する微小中空体を使用
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面が艶消しされ
た硬化物を得るための流動性のポリシロキサン組成物
と、この組成物を用いて艶消しされた硬化物を製造する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、建築・産業分野をはじめとす
る様々な分野では、ポッティング材やコーティング材と
して、常温で流動性を有し加熱などにより硬化する液状
ポリオルガノシロキサン(シリコーンゴム)組成物が使
用されている。
【0003】しかし、このような液状シリコーンゴム組
成物の硬化物は、表面が平滑で光沢を有するため、液晶
表示装置(LED)などのシールや接着、絶縁処理のた
めに用いた場合に、硬化物の表面がLEDの内外からの
光を反射する。そのため、画像のコントラスト等の低下
が生じ、視認性が悪くなるばかりでなく、LEDからの
光を受ける検知装置の信頼性が低下するという問題があ
った。
【0004】この問題を解決するため、従来から、光沢
を有する硬化物の表面をヤスリ等で擦り粗面化すること
が行われていた。また、光素子の輝度を上げるなどの方
法も考えられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、硬化物
表面を機械的に粗面化する方法では、工程数が増加する
ため、コストアップが生じていた。また、高輝度の光素
子を使用する方法もコストアップにつながるという問題
があった。
【0006】また、液状シリコーンゴム組成物に粉砕シ
リカ等の無機充填剤を配合して、硬化物表面を艶消し状
にする試みがなされているが、十分に艶消し状にするに
は、無機充填剤を多量に配合しなければならない。そし
て、無機充填剤を多量に配合した場合は、組成物の粘度
が高くなり流動性が著しく低下するため、ポッティング
材やコーティング材としての使用が困難になるという問
題があった。
【0007】さらに、表面が艶消しされた硬化物を得る
ために、粒径の大きな充填剤や繊維状の充填剤を配合し
た液状シリコーンゴム組成物(特開平6−157910
号公報、特開平7−188560号公報参照)が開発さ
れている。
【0008】しかし、これらのシリコーンゴム組成物
は、組成が均一でなく、得られる硬化物の機械的強度、
特に伸びが劣っていた。また、ベース成分であるシリコ
ーンゴムに比べて充填剤の比重が大きいため、保管中に
充填剤が分離するおそれがあった。そして、分離を防ぐ
には、充填剤の配合量を増加したり、ベースの粘度を上
げたりしなければならず、組成物の流動性が失われると
いう問題があった。
【0009】またさらに、シリコーンゴムと相溶性の悪
い常温で液状あるいは固体の炭化水素化合物を少量添加
した液状シリコーンゴム組成物(特開2000−169
711公報、特開2000−80276公報、特開20
00−86896公報、特開2000−114600公
報、特開2000−129128公報、特開2000−
129240公報参照)が開発されている。これらの組
成物を使用した場合は、硬化後に前記した炭化水素化合
物が表面に徐々に移行するため、硬化物表面が艶消し状
になる。そして、配合される炭化水素が、ベース成分で
あるシリコーンゴムに分散しやすく、かつ比重が近くて
分離しにくいため、ポッティング用などとして十分な流
動性を有する組成物を得ることができる。
【0010】しかしながら、これらのシリコーンゴム組
成物では、炭化水素が硬化物表面に移行して艶消し状を
呈するのに時間がかかるという欠点があった。また、組
成物に含まれる炭化水素の量が同じでも、単位体積あた
りの表面積が異なれば移行量が異なり、艶消しの程度が
変化するため、艶消しの程度を制御することが難しいと
いう問題があった。
【0011】本発明は、上記した問題を解決するために
なされたもので、機械的な粗面化のような別工程を必要
とすることなく、表面が艶消しされた硬化物を容易に形
成することができ、LEDのような電気・電子機器のポ
ッティング材やコーティング材として好適する液状のポ
リシロキサン組成物と、そのような組成物を用いて艶消
し硬化物を製造する方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の艶消し硬化物用
ポリシロキサン組成物は、請求項1に記載するように、
(A)熱硬化性の液状ポリオルガノシロキサン組成物1
00重量部に対して、(B)熱膨張性の微小中空体を0.
1〜10重量部の割合で含有して成り、常温で100〜
1,000,000cPの粘度を有することを特徴とす
る。
【0013】本発明のポリシロキサン組成物において
は、請求項2に記載するように、(A)成分の熱硬化性の
液状ポリオルガノシロキサンを、付加反応硬化型の液状
ポリオルガノシロキサンとすることができる。
【0014】また、請求項3に記載するように、(B)成
分の熱膨張性の微小中空体として、熱可塑性樹脂から成
る外殻を有する微小中空体を用いることができる。さら
に、請求項4に記載するように、(B)成分の熱膨張性の
微小中空体として、軟化温度が50〜150℃の外殻を
有し、かつ粒径が0.1〜1000μmで10〜200
倍の最高膨張倍率を有する微小中空体を使用することが
できる。
【0015】本発明の艶消し硬化物の製造方法は、請求
項1乃至4のいずれか1項記載の艶消し硬化物用ポリシ
ロキサン組成物を、所要の部位にポッティングあるいは
コーティングする工程と、前記ポッティングあるいはコ
ーティングされた層を加熱して硬化させる工程を備え、
前記加熱硬化工程において、前記ポッティングあるいは
コーティングされた層を構成するポリシロキサン組成物
が硬化する前に、該組成物中の前記微小中空体が膨張し
て表面に微小な凸凹を形成するように、加熱条件をコン
トロールすることを特徴とする。
【0016】以下、本発明について詳細に説明する。
【0017】本発明に使用される(A)成分の熱硬化性の
液状ポリオルガノシロキサン組成物は、常温で液状を呈
し、かつ加熱により硬化してゴム状弾性を有する硬化物
となるものであればよく、種類や硬化のタイプなどは特
に限定されない。
【0018】このようなポリオルガノシロキサン組成物
としては、アルケニル基を含有するポリオルガノシロキ
サンとケイ素原子に結合する水素原子を含有するポリオ
ルガノハイドロジェンシロキサンと補強性充填剤などか
らなり、白金系触媒により硬化してシリコーンゴムとな
る付加反応硬化型液状シリコーンゴム組成物、アルケニ
ル基含有ポリオルガノシロキサンと補強性充填剤とから
なり、有機過酸化物により硬化してシリコーンゴムとな
る有機過酸化物硬化型シリコーンゴム組成物、水酸基含
有ポリオルガノシロキサンとケイ素原子に結合する水素
原子を含有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン
と補強性充填剤とからなり、有機錫化合物、有機チタン
化合物等の縮合反応促進触媒により硬化してシリコーン
ゴムとなる縮合反応硬化型シリコーンゴム組成物が挙げ
られる。これらの中でも、硬化速度が速くかつ硬化の均
一性に優れていることから、付加反応硬化型の液状シリ
コーンゴム組成物の使用が好ましい。
【0019】このような付加反応硬化型ポリオルガノシ
ロキサン組成物として、具体的には、(a)1分子中に少
なくとも2個のアルケニル基を有するポリオルガノシロ
キサン、(b)1分子中に少なくとも3個のケイ素原子結
合水素原子を有するポリオルガノハイドロジェンシロキ
サン、および(c)白金系触媒からなる液状シリコーンゴ
ム組成物を使用することができる。
【0020】この組成物についてさらに詳細に説明する
と、(a)成分のポリオルガノシロキサンは、1分子中に
少なくとも2個のケイ素原子結合アルケニル基を有する
ものである。このようなアルケニル基としては、ビニル
基、アリル基、プロペニル基などが例示される。また、
アルケニル基以外の有機基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基のようなアルキル基;フェニル基、トリ
ル基のようなアリール基;3、3、3−トリフロロプロ
ピル基、3−クロロプロピル基のような置換アルキル基
などが挙げられる。
【0021】(a)成分の分子構造は、直鎖状、分岐状
のいずれであってもよい。また、分子量は特に限定され
ないが、直鎖状のジオルガノポリシロキサンであり、2
5℃における粘度が10〜1,000,000cPであ
ることが好ましい。本発明においては、このようなポリ
オルガノシロキサンを2種以上組み合わせて使用しても
よい。
【0022】(b)成分のポリオルガノハイドロジェンシ
ロキサンは、前記した(a)成分を架橋するための成分
である。すなわち、(b)成分のケイ素原子に結合する
水素原子が、(c)成分の白金系触媒の存在下に、(a)成
分のケイ素原子結合アルケニル基に付加反応し架橋、硬
化するものであり、1分子中に少なくとも3個のケイ素
原子に結合する水素原子を有することが必要である。こ
こで、ケイ素原子結合水素原子以外の有機基としては、
メチル基、エチル基、プロピル基で例示されるアルキル
基;フェニル基、トリル基で例示されるアリール基;
3、3、3−トリフロロプロピル基、3−クロロプロピ
ル基で例示される置換アルキル基などが挙げられる。
(b)成分の分子構造は、直鎖状、分岐を含む直鎖状、
環状、網目状のいずれであってもよい。また、分子量は
特に限定されないが、25℃における粘度が5〜10
0,000cPであることが好ましい。
【0023】さらに、(b)成分の配合量は、本成分中
のケイ素原子結合水素原子と(a)成分中のケイ素原子結
合アルケニル基とのモル比が、(0.5:1)〜(2
0:1)となるような量であり、好ましくは(1:1)
〜(5:1)の範囲である。このモル比が0.5より小
さいと良好な硬化性が得られず、かつ良好な機械的強度
が得らない。また、モル比が20より大きいと、耐熱性
が著しく悪化するため好ましくない。
【0024】(c)成分の白金系触媒は、ポリオルガノシ
ロキサン組成物を硬化させるための触媒であり、例え
ば、白金微粉末、白金黒、塩化白金酸、四塩化白金、塩
化白金酸のオレフィン錯体、塩化白金酸のアルコール溶
液、塩化白金酸とアルケニルシロキサンとの錯化合物、
ロジウム化合物、パラジウム化合物などが例示される。
【0025】この白金系触媒の添加量は、(A)成分のポ
リオルガノシロキサンに対して、白金系金属として重量
単位で0.1〜1,000ppmの量であることが好まし
い。特に好ましい範囲は1〜500ppmである。白金系
触媒の添加量が0.1ppm未満では、付加反応が十分に進
行せず、また1000ppmを超えると、それ以上の反応
の進行が認められずかえって不経済である。
【0026】本発明に使用される(B)成分の微小中空体
(マイクロカプセルあるいはマイクロバルーン)は、本
発明の艶消し硬化物用ポリシロキサン組成物の特徴をな
す成分である。この微小中空体は、熱により外殻部分が
軟化し、中空部分の膨張により粒子全体が膨張すること
を特徴とする。
【0027】微小中空体の内部には、膨張率を大きくす
るため、揮発性の溶剤やガスなどの揮発性物質を内包さ
せることができる。このような揮発性物質としては、ブ
タン、イソブタン、ノルマルペンタン等の低分子量の炭
化水素が例示される。
【0028】また、この微小中空体としては、外殻が熱
可塑性樹脂から成るものが望ましく、さらに軟化温度が
50〜150℃の外殻を有するものを使用することが望
ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリ塩ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリスチレン、アクリル酸エステルやメ
タクリル酸エステルの重合体、ポリアクリロニトリル、
スチレン−アクリル酸共重合体などが挙げられる。(A)
成分の液状ポリオルガノシロキサン組成物の硬化温度に
合わせて、50〜150℃の範囲で適当な軟化温度を有
するものを選択することができる。
【0029】微小中空体の外殻をなす熱可塑性樹脂の軟
化温度が50℃より低い場合には、保管中に室温で中空
体の外殻が軟化して、ガスの発生などが生じ、保存安定
性が悪くなる。反対に、軟化温度が150℃より高い場
合には、微小中空体の外殻が軟化して膨張する前に、
(A)成分の硬化が終了してしまうため、艶消し状の硬
化物表面を得ることができない。
【0030】また、本発明のポリシロキサン組成物を硬
化させる際の加熱温度は、ポリシロキサンが硬化する前
に微小中空体が軟化・膨張するように、微小中空体の外
殻の軟化温度に合わせて調整することが望ましい。加熱
硬化温度が低すぎると、微小中空体が軟化しにくいた
め、艶消しの効果を十分に上げることができない。反対
に加熱硬化温度が高すぎると、微小中空体の熱劣化が大
きくなり、好ましくない。また、微小中空体が膨張し終
わる前にポリシロキサン組成物が硬化してしまい、十分
な艶消し効果が得られない。
【0031】さらに、(B)成分の微小中空体としては、
粒径が0.1〜1000μmで10〜200倍の最高膨
張倍率を有するものを使用することが望ましい。微小中
空体の粒径が0.1μm未満の場合は、工業的に製造が
難しくコストがかかる。反対に粒径が1000μmを超
えると、組成物の機械的強度(ゴム物性)が著しく低下
し、好ましくない。また、微小中空体の最高膨張倍率が
10倍未満では、中空体1個当たりのガスの発生量が少
ないため、艶消し効果を得るために微小中空体を多量に
配合しなければならず、好ましくない。最高膨張倍率が
200倍を超える場合には、硬化物がスポンジ状にな
り、気密性や機械的強度に劣る。
【0032】また、(B)成分の微小中空体の配合量は、
(A)成分の液状ポリオルガノシロキサン組成物100
重量部に対して、0.1〜10重量部とし、より好まし
くは0.5〜5.0部とする。微小中空体の配合量が
0.1重量部より少ないと、艶消し効果が十分に得られ
ない。また、10重量部より多いと、配合量の割に艶消
し効果が少なく、かえって機械的物性や耐熱性の劣化が
大きくなるため好ましくない。
【0033】本発明の液状ポリシロキサン組成物には、
その他の成分として、ヒュームドシリカ、沈降性シリ
カ、粉砕石英、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム等の無機質充填剤;カーボンブラッ
ク、ベンガラ等の顔料;その他、耐熱性向上剤、反応制
御剤、離型剤、可塑剤、増感剤、重合禁止剤、接着向上
剤等を配合することができる。
【0034】本発明の艶消し硬化物用ポリシロキサン組
成物は、上記(A)成分と(B)成分、さらには必要に応じ
て各種の添加剤を均一に混合あるいは混練することによ
り得ることができ、常温で100〜1,000,000
cPの粘度を有する。本発明のポリシロキサン組成物の
粘度が100cP未満の場合には、十分な機械的強度
(強度・伸び・硬さ)が得られない。また、粘度が1,
000,000cPを超えると、流動性が悪化し微小な
部位への流れ込みが困難になるために、ポッティング材
またはコーティング材としての使用が難しい。なお、
(B)成分の微小中空体の熱による破壊を防ぐために、
(B)成分の微小中空体の外殻を構成する熱可塑性樹脂の
軟化温度以下の温度で、混合あるいは混練することが好
ましい。
【0035】本発明の艶消し硬化物用ポリシロキサン組
成物においては、加熱による硬化工程で、(B)成分と
して配合された微小中空体の外殻部分が軟化し、中空部
分の熱膨張により粒子全体が膨張する。そして、このよ
うな熱膨張が、(A)成分のポリオルガノシロキサン組
成物が硬化する前に生起するので、膨張した微小中空体
により硬化物表面に微小な凸凹が形成される。
【0036】こうして、機械的な粗面化などの別工程を
追加することなく、表面が艶消しされた硬化物を容易に
得ることができ、硬化物表面での反射によるコントラス
トの低下や検知装置の信頼性低下などの問題を解決する
ことができる。
【0037】また、組成物中に配合された微小中空体
は、添加時に比重が1.1程度と小さく、さらに粒径も
十分に小さいので、(A)成分のポリオルガノシロキサ
ン組成物中に均一に分散され、保存中の分離がほとんど
生じない。そして、この微小中空体は、加熱により膨張
し、硬化物表面に微小な凸凹が形成される。
【0038】本発明のポリシロキサン組成物の用途は特
に限定されないが、常温で十分な流動性を有するうえ
に、加熱硬化により表面が艶消しされた硬化物を形成す
ることができるので、ポッティング材またはコーティン
グ材として、LED等の表示装置の充填あるいは接着の
ために好適に使用することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例について説
明する。なお、実施例中、部は重量部を、%は重量%を
それぞれ示す。また、粘度は25℃における値である。
【0040】実施例 以下の組成を有するTSE3331(A)(ジーイー東
芝シリコーン(株)社の商品名;粘度3700cP)5
0部とTSE3331(B)50部(ジーイー東芝シリ
コーン(株)社の商品名;粘度2700cP)とを混合
し、液状ポリオルガノシロキサン組成物を得た。この組
成物の粘度は、3100cPであった。
【0041】 TSE3331(A) ベースポリマー(ビニル基含有のポリジメチルシロキサン) 43.0% 白金触媒 0.01% 粉砕石英粉 55.0% その他の添加剤 1.99%
【0042】 TSE3331(B) ベースポリマー(ビニル基含有のポリジメチルシロキサン) 35.0% H−オイル(ポリメチルハイドロジェンシロキサン) 3.0% 粉砕石英粉 60.0% その他の添加剤 2.0%
【0043】次いで、この液状ポリオルガノシロキサン
組成物に、熱膨張性微小中空体であるマイクロスフェア
ーF−30VSD(松本油脂(株)社の商品名;軟化温
度80〜85℃、粒径6〜12μm、最高膨張倍率70
倍)2部を添加し、均一になるまで撹拌・混合して、硬
化性のポリオルガノシロキサン組成物を得た。このポリ
オルガノシロキサン組成物の粘度は3100cPであっ
た。
【0044】こうして得られたポリオルガノシロキサン
組成物1gを、縦50mm×横50mm×厚さ2mmの
ガラス板の中央部に滴下し、5分間放置した後、熱風循
環式乾燥機により120℃の温度で30分間加熱して硬
化させた。得られた硬化物は、表面のみが微細に粗面化
されていた。
【0045】また、比較例として、TSE3331
(A)とTSE3331(B)各50部を混合して得ら
れた硬化性のポリオルガノシロキサン組成物を使用し、
実施例と同様にガラス板上に滴下して硬化物を製造し
た。
【0046】こうして実施例および比較例でそれぞれ得
られた硬化物について、表面の光沢度と広がり具合(流
動性)をそれぞれ評価した。なお、光沢度は、JIS
Z−8741に準拠し、60゜鏡面光沢を光沢度計IC
−310(堀場製作所製)を用いて測定した。また、流
動性は、ガラス板状で硬化させた硬化物の直径を測定
し、その値を流動性の評価とした。これらの測定結果
を、表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1からわかるように、実施例では、ベー
ス成分であるポリオルガノシロキサンが硬化する前に、
微小中空体が加熱により軟化・膨張して表面に凸凹を形
成するため、硬化物表面の光沢度が低くなり艶消し状に
なっている。また、実施例のポリオルガノシロキサン組
成物は、十分な流動性を有し、ポッティングなどによる
硬化層を容易に形成することができる。
【0049】これに対して、比較例では微小中空体が配
合されていないので、硬化物の表面が平滑で光沢度が高
く(鏡面状)なり、艶消しの効果は得られない。
【0050】
【発明の効果】以上の記載から明らかなように、本発明
の艶消し硬化物用ポリシロキサン組成物によれば、ヤス
リ等で機械的に荒らすような別工程を追加することな
く、表面が艶消しされた硬化物を容易に得ることができ
る。
【0051】したがって、このようなポリシロキサン組
成物を、LEDのような画像表示装置のポッティング材
またはコーティング材として使用することにより、硬化
物表面での反射によるコントラストの低下や検知装置の
信頼性低下等の問題を解決することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/00 C09D 5/00 Z 5/28 5/28 183/04 183/04 Fターム(参考) 4D075 BB26Z CA15 CB02 DC01 EA05 EA19 EB43 EC24 4J002 BC042 BD042 BD102 BG042 BG052 BG102 CP051 FA092 FD202 4J038 CC022 CD022 CD082 CG142 CG162 DL031 KA13 KA21 MA04 MA14 MA15 NA01 PA19 PB05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱硬化性の液状ポリオルガノシロ
    キサン組成物100重量部に対して、(B)熱膨張性の微
    小中空体を0.1〜10重量部の割合で含有して成り、
    常温で100〜1,000,000cPの粘度を有する
    ことを特徴とする艶消し硬化物用ポリシロキサン組成
    物。
  2. 【請求項2】 前記(A)成分の熱硬化性の液状ポリオル
    ガノシロキサンが、付加反応硬化型の液状ポリオルガノ
    シロキサンであることを特徴とする請求項2記載の艶消
    し硬化物用ポリシロキサン組成物。
  3. 【請求項3】 前記(B)成分の熱膨張性の微小中空体
    が、熱可塑性樹脂から成る外殻を有することを特徴とす
    る請求項1または2記載の艶消し硬化物用ポリシロキサ
    ン組成物。
  4. 【請求項4】 前記(B)成分の熱膨張性の微小中空体
    が、軟化温度が50〜150℃の外殻を有し、かつ粒径
    が0.1〜1000μmで10〜200倍の最高膨張倍
    率を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    1項記載の艶消し硬化物用ポリシロキサン組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項記載の艶
    消し硬化物用ポリシロキサン組成物を、所要の部位にポ
    ッティングあるいはコーティングする工程と、前記ポッ
    ティングあるいはコーティングされた層を加熱して硬化
    させる工程を備え、 前記加熱硬化工程において、前記ポッティングあるいは
    コーティングされた層を構成するポリシロキサン組成物
    が硬化する前に、該組成物中の前記微小中空体が膨張し
    て表面に微小な凸凹を形成するように、加熱条件をコン
    トロールすることを特徴とする艶消し硬化物の製造方
    法。
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