JP2003095687A - 光ファイバ母材の製造方法 - Google Patents

光ファイバ母材の製造方法

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JP2003095687A
JP2003095687A JP2002070290A JP2002070290A JP2003095687A JP 2003095687 A JP2003095687 A JP 2003095687A JP 2002070290 A JP2002070290 A JP 2002070290A JP 2002070290 A JP2002070290 A JP 2002070290A JP 2003095687 A JP2003095687 A JP 2003095687A
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fiber preform
glass
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Tomohiro Ishihara
朋浩 石原
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバに線引きする際に断線の少ない光
ファイバ母材が得られる光ファイバ母材の製造方法を提
供すること。 【解決手段】 ガラス微粒子を堆積させるガラスロッド
や線引き前の光ファイバプリフォームなどのコアのみ又
はコア及びクラッドからなるガラス体をフッ酸中に保持
して化学研削する研削工程と、その後水洗、乾燥した
後、塩素を含む雰囲気中で加熱することにより前記ガラ
ス体の表面を清浄化する清浄化工程を含むことを特徴と
する光ファイバ母材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ファイバ母材の製
造方法、特に線引きの際の断線回数が少ない光ファイバ
母材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ母材の製造方法としては、例
えば、酸水素火炎中に原材料となるSiCl4 を流し、
火炎加水分解反応によりSiO2 ガラス微粒子を生成さ
せ、コアのみ又はコア及びクラッドからなるガラスロッ
ドの周囲に、該ロッドに対して径方向にガラス微粒子を
堆積させるOVD法やVAD法によりガラス微粒子堆積
体を製造し、得られたガラス微粒子堆積体を透明ガラス
化又は脱水、透明ガラス化して光ファイバプリフォーム
とし、この光ファイバプリフォームを線引きに適当な形
状に延伸し、研磨などの表面加工を行って線引き用の光
ファイバ母材とするのが一般的である。
【0003】このような光ファイバ母材の製造方法にお
いては、ガラス微粒子を堆積させるガラスロッドやガラ
ス微粒子堆積体を透明ガラス化又は脱水、透明ガラス化
した光ファイバプリフォームなどのガラス体を取り扱う
工程がある。これらのガラス体に異物が付着していたり
微細な傷が存在すると、光ファイバに線引きする際の断
線や光ファイバの性能低下の原因となるため、何らかの
方法による清浄化処理が必要である。従来、このための
清浄化処理としては酸水素火炎を用いてガラス体の表面
を研削する火炎研磨法が用いられており、その改良技術
が多数提案されている。
【0004】例えば、ガラス微粒子堆積の前工程である
ガラスロッドの火炎研磨方法としては、火炎研磨用のバ
ーナに加えてガラス微粒子合成用バーナを併用して研磨
効率を高める方法が提案されている(特開平6−564
48号公報)。また、光ファイバプリフォームの段階で
の外径修正、火炎研磨方法としては、自重による破断防
止などを目的としてガラス体を鉛直方向に保持して火炎
研磨を行う方法(特開平5−85763号公報)、付着
異物の検出手段を設けて処理工程中に異物を検出、除去
する方法(特開2000−86263号公報)、火炎研
磨を温度を変えた2段階処理により行い不均一性、曇り
及び歪みのないプリフォームを得る方法(特開2000
−319031号公報)、延伸又は火炎研磨などの火炎
処理工程において、温度降下勾配を調整することにより
ガラス微粒子の再付着を抑制する方法(特開2001−
39727号公報)などが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら本発明者
らの検討によれば、前記のような酸水素火炎を用いた火
炎研磨方法の場合、外気中(雰囲気中)の不純物が火炎
中に巻き込まれるため、若しくは火炎研磨により削られ
たガラスがガラス表面に焼きつくため、火炎研磨後にお
いてもガラスロッドやプリフォームの表面に異物が存在
し、光ファイバに線引きする際に断線の原因となること
がわかった。本発明はこのような従来技術における問題
点を解決し、ガラスロッドや光ファイバプリフォームに
付着する異物の数を低減し、微細な傷などのない状態と
することによって、光ファイバに線引きする際に断線の
少ない光ファイバ母材が得られる光ファイバ母材の製造
方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
する手段として次の構成を採るものである。 (1)コアのみ又はコア及びクラッドからなるガラス体
をフッ酸中に保持して化学研削する化学研削工程と、そ
の後水洗、乾燥した後、塩素を含む雰囲気中で加熱する
ことにより前記ガラス体を清浄化する清浄化工程を含む
ことを特徴とする光ファイバ母材の製造方法。 (2)前記化学研削工程の前処理として前記ガラス体を
酸水素火炎で火炎研削する火炎研削工程を設けることを
特徴とする前記(1)の光ファイバ母材の製造方法。 (3)前記ガラス体の周囲にガラス微粒子堆積層を形成
させる工程を含むことを特徴とする前記(1)又は
(2)の光ファイバ母材の製造方法。 (4)前記ガラス体が、ガラス微粒子堆積体を透明ガラ
ス化又は脱水、透明ガラス化して得られるガラス体であ
ることを特徴とする前記(1)又は(2)の光ファイバ
母材の製造方法。
【0007】(5)前記化学研削を、前記ガラス体の外
径が0.01〜4mm減少するまで行うことを特徴とす
る前記(1)〜(4)のいずれか1つの光ファイバ母材
の製造方法。 (6)前記フッ酸の濃度を1〜50wt%とすることを
特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか1つの光ファ
イバ母材の製造方法。 (7)前記フッ酸中に保持する時間を1〜100時間と
することを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれか1
つの光ファイバ母材の製造方法。
【0008】(8)前記塩素を含む雰囲気が、塩素ガス
のみ、塩素ガスと不活性ガスとの混合ガス又は塩素ガス
と不活性ガスと酸素ガスとの混合ガス雰囲気であること
を特徴とする前記(1)〜(7)のいずれか1つの光フ
ァイバ母材の製造方法。 (9)前記塩素を含む雰囲気中で加熱する際の炉心管の
表面の温度を800〜2000℃とすることを特徴とす
る前記(1)〜(8)のいずれか1つの光ファイバ母材
の製造方法。 (10)前記塩素を含む雰囲気中で加熱する際の加熱時
間を10分以上とすることを特徴とする前記(1)〜
(9)のいずれか1つの光ファイバ母材の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】光ファイバ母材の製造方法として
は、ロッドインチューブ法、内付けCVD法(MCV
D:Modified Chemical Vapor Deposition)、外付けC
VD法(OVD:Outside Chemical Vapor Deposition
)、軸付け法(VAD:Vapor-phase Axial Depositio
n)などが知られている。本発明はOVD法やVAD法
においてガラス微粒子堆積体(多孔質母材)の製造に用
いられるガラスロッドや、前記各種方法で製造される線
引き直前の光ファイバプリフォームのようなコアのみ又
はコア及びクラッドからなるガラス体を扱う工程に関す
るものである。
【0010】すなわち本発明は、ガラスロッドの周囲に
ガラス微粒子堆積層を形成させてガラス微粒子堆積体を
製造する工程、線引き前の光ファイバプリフォームの延
伸工程、あるいは延伸後の光ファイバプリフォームの線
引き工程の前処理として、ガラスロッドや光ファイバプ
リフォームなどのコアのみ又はコア及びクラッドからな
るガラス体をフッ酸(HF)中に保持して化学研削して
表面に付着している異物を除去する化学研削工程と、そ
の後水洗、乾燥した後、塩素を含む雰囲気中で加熱して
HFで取り除くことのできなかった異物、水洗浄中や乾
燥中に付着した異物などを取り除く清浄化工程を含むこ
とを特徴とする光ファイバ母材の製造方法である。ま
た、前記化学研削工程の前処理としてガラス体を酸水素
火炎で研磨する火炎研磨工程を設けることで前記化学研
削工程だけでは取り除くことのできないガラス体表面に
付着する異物や汚れを取り除くことができさらに効果的
である。
【0011】前記化学研削による研削量は、ガラス体外
径が0.01〜4mm減少する量とするのが好ましい。
研削量をこれより多くするのは研削時間を多く要するた
め生産性が悪く、また、これより少ないと異物を効果的
に除去することができない。化学研削に使用するHFの
濃度は1〜50wt%とするのが好ましい。HFの濃度
が50wt%を超えると取り扱いが危険であり、1wt
%未満では研削所要時間が長くなり生産性が悪い。HF
による化学研削の所要時間はHF濃度によっても変わる
が、ガラス体の外径が0.01〜4mm減少する程度の
研削量とするための所要時間は1〜100時間程度であ
る。
【0012】付着したHFを除去する水洗に使用する水
はできるだけ純度の高い純水が望ましく、好ましくは9
9wt%以上の純度を有する純水とする。純度が99w
t%未満の場合は、水洗浄後にガラス体表面に付着する
異物数が多く、次の塩素含有雰囲気中での加熱処理によ
っても、付着した異物を完全に取り除くことができなく
なる。
【0013】次に塩素を含む雰囲気中で加熱する工程で
は、塩素ガスのみ、塩素ガスとN2、Ar、Heなどの
不活性ガスとの混合ガス又は塩素ガスと不活性ガスと酸
素ガスとの混合ガスの気流中で加熱するのが好ましい。
このときの雰囲気中の塩素ガスと不活性ガスと酸素ガス
との体積比は1:0〜100:0〜50とする。塩素濃
度がこれより低くなるとガラス体表面に付着している異
物を取り除くことができない。また、塩素ガスの濃度は
高い方が好ましく、体積比が1:0:0(塩素濃度10
0%)となる雰囲気中で加熱を行った場合、最も異物の
除去効果が高くなる。
【0014】塩素を含む雰囲気中での加熱温度は、ガラ
ス体を収納する炉心管の表面の温度が800〜2000
℃となるようにする。加熱温度が1300℃を超えると
ガラス体が加熱中に引き延び、また、800℃未満の温
度ではガラス体表面に付着した異物を取り除く効果が少
なくなる。加熱時間は10分以上とするのがよい。10
分未満の場合はガラス体表面に付着した異物を取り除く
効果が少ない。加熱時間は長ければそれなりの効果はあ
るが、生産性等の観点から10時間程度を上限とするの
が望ましい。なお、塩素雰囲気中での加熱処理で取り除
くことのできる異物は、主にFe、Cr、Niなどの遷
移金属である。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明の方法をさらに具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。 (実施例1)図1に示す製造フローに従い光ファイバ母
材の作製及び線引きを行った。コア及びクラッドからな
る外径:26.3mm、長さ:500mmのガラスロッ
ドを作製し、その両端にそれぞれ石英ダミーロッド(長
さ:600mm)を溶着して出発ロッドを作製した。作
製した出発ロッドを濃度20wt%のHF液中に浸漬
し、24時間後に取り出した。純度が99.999wt
%の純水を用いてHFを洗い流し、乾燥室内で2時間乾
燥させた。乾燥後、出発ロッドのコアロッド部の外径を
計測したところ、26mmとなっていた。
【0016】図7に上記の出発ロッドを塩素雰囲気中で
加熱処理する清浄化処理を行う装置構成を示した。HF
による化学洗浄を行い乾燥させた出発ロッド(ガラスロ
ッド1+ダミーロッド2)を加熱炉3の中に挿入し、炉
内に塩素:2リットル/分、He:20リットル/分の
混合ガスを流し、ヒーター4により炉内温度(炉心管7
の表面の温度)を1300℃まで昇温した。炉内で20
分加熱した後、炉温を800℃まで降温し、出発ロッド
を加熱炉3から取り出した。図7において符号5は出発
ロッドを支持する支え棒、6は支え棒5と出発ロッドと
を接続する勘合部、8は放射温度計、9は昇降装置、1
0は上蓋、11は下蓋である。
【0017】このようにして清浄化処理を行った出発ロ
ッドをVAD装置に装着し、出発ロッドの外周にガラス
微粒子を堆積させ、外径:200mm、長さ:500m
mのガラス微粒子堆積体を作製した。作製したガラス微
粒子堆積体を高温加熱炉で透明ガラス化させ、外径:1
00mm、長さ:300mmの焼結体(光ファイバプリ
フォーム)を得た。この焼結体を外径:36mmに延伸
し、得られた延伸体を酸水素火炎(酸素50SLM:ス
タンダードリットル/分、水素:100SLM、バーナ
ートラバース速度40mm/分)を用いてエッチング
(火炎研磨)し、エッチングの際に付着したガラス粒子
を酸水素火炎(酸素50SLM、水素:100SLM、
バーナートラバース速度:120mm/分)で除去し
た。この火炎研磨処理後の延伸体の外径を計測した結
果、35.6mmであった。この火炎研磨処理後の延伸
体(光ファイバ母材)を線引きファイバ化した。得られ
たファイバについてスクリーニング試験(1.9kgの
荷重を1秒間負荷し、約2%の引き伸び量として断線の
有無を調べる強度試験)を行った結果、ファイバの断線
頻度は10回/Mmとなった。
【0018】(実施例2)塩素を含む雰囲気中での加熱
を、炉内に塩素:2リットル/分、He:20リットル
/分、酸素:5リットル/分の混合ガスを流し、炉内温
度(炉心管7の表面の温度)を1600℃としたほかは
実施例1と同様に操作し、外径35.6mmの延伸体を
得た。この火炎研磨処理後の延伸体(光ファイバ母材)
を線引きし、ファイバ化して得られたファイバについて
スクリーニング試験を行った結果、ファイバの断線頻度
は10回/Mmとなった。
【0019】(実施例3)図2に示す製造フローに従い
光ファイバ母材の作製及び線引きを行った。コア及びク
ラッドからなる外径:26.6mm、長さ:500mm
のガラスロッドを作製し、その両端にそれぞれ石英ダミ
ーロッド(長さ:600mm)を溶着して出発ロッドを
作製した。作製した出発ロッドを酸水素火炎(酸素:5
0SLM、水素:100SLM、バーナートラバース速
度:40mm/分)を用いてエッチング(火炎研磨)
し、エッチングの際に付着したガラス微粒子を酸水素火
炎(酸素:50SLM、水素:100SLM、バーナー
トラバース速度:120mm/分)で除去した後、濃度
20wt%のHF液中に浸漬し、24時間後に取り出し
た。純度が99.999wt%の純水を用いてHFを洗
い流し、乾燥室内で2時間乾燥させた。乾燥後、出発ロ
ッドのコアロッド部の外径を計測したところ、26mm
となっていた。以後は実施例2と同様に操作し、外径3
5.6mmの延伸体を得た。この火炎研磨処理後の延伸
体(光ファイバ母材)を線引きし、ファイバ化して得ら
れたファイバについてスクリーニング試験を行った結
果、ファイバの断線頻度は10回/Mmとなった。
【0020】(比較例1)図5に示すような従来技術の
製造フローに従って光ファイバ母材を作製し、線引きを
行った。実施例1と同寸法の出発ロッドを酸水素火炎
(酸素50SLM、水素:100SLM、バーナートラ
バース速度40mm/分)を用いてエッチング(火炎研
磨)し、エッチングの際に付着したガラス粒子を酸水素
火炎(酸素50SLM、水素:100SLM、バーナー
トラバース速度:120mm/分)で除去した。得られ
た出発ロッドのコアロッド部の外径を計測した結果、2
6mmであった。この出発ロッドを使用し、実施例1と
同様にガラス微粒子堆積体の作製、透明ガラス化、延
伸、火炎研磨処理を行い、得られた外径:35.6mm
の延伸体(光ファイバ母材)を線引きファイバ化した。
得られたファイバについて実施例1と同じスクリーニン
グ試験を行った結果、ファイバの断線頻度は200回/
Mmとなった。
【0021】(比較例2)出発ロッドのHFによる化学
研削を、濃度0.5wt%のHF液中に浸漬し、30分
後に取り出し、純度が90wt%の水(繰り返して洗浄
に使用し純度の低下した水)を用いてHFを洗い流し、
乾燥室内で2時間乾燥させることによって行い、外径2
6.3mmの清浄化出発ロッドを得た以外は実施例1と
同様に操作し、得られた外径:35.6mmの延伸体
(光ファイバ母材)を線引きファイバ化した。得られた
ファイバについて実施例1と同じスクリーニング試験を
行った結果、ファイバの断線頻度は100回/Mmとな
った。
【0022】(比較例3)HFによる化学研削後の出発
ロッドの、塩素を含む雰囲気中での加熱処理を、出発ロ
ッドを装着した炉内に塩素:2リットル/分、He:2
0リットル/分の混合ガスを流し、炉内温度(炉心管表
面の温度)を700℃まで昇温して1分間加熱する処理
とした外は実施例1と同様に操作し、得られた外径:3
5.6mmの延伸体(光ファイバ母材)を線引きファイ
バ化した。得られたファイバについて実施例1と同じス
クリーニング試験を行った結果、ファイバの断線頻度は
100回/Mmとなった。
【0023】(実施例4)比較例1と同様にして延伸ま
で行い外径:70.3mm、長さ:500mmの光ファ
イバプリフォームを作製し、このプリフォームを図3に
示す製造フローに従いファイバ化した。先ず、この光フ
ァイバプリフォームの1端に石英ダミーロッド(長さ:
600mm)を溶着し、濃度20wt%のHF液中に浸
漬し、24時間後に取り出した。純度が99.999w
t%の純水を用いてHFを洗い流し、乾燥室内で2時間
乾燥させた。乾燥後、外径を計測したところ、70mm
となっていた。
【0024】図8に上記の光ファイバプリフォームを塩
素雰囲気中で加熱処理する清浄化処理を行う装置構成を
示した。HFによる化学研削を行い乾燥させたプリフォ
ーム21(ダミーロッド22を溶着したもの)を加熱炉
23の中に挿入し、炉内に塩素:2リットル/分、H
e:20リットル/分の混合ガスを流し、ヒーター14
により炉内温度(炉心管27の表面の温度)を1300
℃まで昇温した。炉内で20分加熱した後、炉温を80
0℃まで降温し、プリフォーム21を加熱炉23から取
り出した。図8において符号25はプリフォーム21を
支持する支え棒、26は支え棒25とダミーロッド22
とを接続する勘合部、27は炉心管、28は放射温度
計、29は昇降装置、30は上蓋、31は下蓋である。
このようにして光ファイバプリフォームを清浄化処理し
て得られた光ファイバ母材を線引きファイバ化した。実
施例1と同様のスクリーニング試験を行った結果、ファ
イバの断線頻度は10回/Mmとなった。
【0025】(実施例5)実施例4と同様にして延伸ま
でを行い、コア及びクラッドからなる外径:70.6m
m、長さ:500mmの光ファイバプリフォームを作成
し、図4に示す製造フローに従いファイバ化した。この
プリフォームの1端に石英ダミーロッド(長さ:600
mm)を溶着し、酸水素火炎(酸素:50SLM、水
素:100SLM、バーナートラバース速度:40mm
/分)を用いてエッチング(火炎研磨)し、エッチング
の際に付着したガラス微粒子を酸水素火炎(酸素:50
SLM、水素:100SLM、バーナートラバース速
度:120mm/分)で除去した後に、濃度20wt%
のHF液中に浸漬し、24時間後に取り出した。純度が
99.999wt%の純水を用いてHFを洗い流し、乾
燥室内で2時間乾燥させた。乾燥後、外径を計測したと
ころ、70mmとなっていた。以後は実施例4と同様に
操作し、光ファイバプリフォームを清浄化処理して得た
光ファイバ母材を線引きファイバ化した。実施例1と同
様のスクリーニング試験を行った結果、ファイバの断線
頻度は0回/Mmとなった。
【0026】(比較例4)実施例4と同様に延伸まで行
った光ファイバプリフォームを図6に示す従来技術の製
造フローに従ってファイバ化した。このプリフォームを
酸水素火炎(酸素50SLM、水素:100SLM、バ
ーナートラバース速度40mm/分)を用いてエッチン
グ(火炎研磨)し、エッチングの際に付着したガラス粒
子を酸水素火炎(酸素50SLM、水素:100SL
M、バーナートラバース速度:120mm/分)で除去
した。得られた光ファイバ母材の外径を計測した結果、
70mmであった。この光ファイバ母材を線引きファイ
バ化した。実施例1と同様のスクリーニング試験を行っ
た結果、ファイバの断線頻度は200回/Mmとなっ
た。
【0027】(比較例5)光ファイバプリフォームのH
Fによる化学研削を、濃度0.5wt%のHF液中に浸
漬し、30分後に取り出し、純度が90wt%の水を用
いてHFを洗い流し、乾燥室内で2時間乾燥させること
によって行った以外は実施例4と同様に操作し、得られ
た外径:70.3mmの光ファイバ母材を線引きファイ
バ化した。得られたファイバについて実施例1と同じス
クリーニング試験を行った結果、ファイバの断線回数は
100回/Mmとなった。
【0028】(比較例6)HFによる化学研削後のプリ
フォームの、塩素を含む雰囲気中での加熱処理を、プリ
フォームを装着した炉内に塩素:2リットル/分、H
e:20リットル/分の混合ガスを流し、炉内温度(炉
心管表面の温度)を700℃まで昇温して1分間加熱す
る処理とした外は実施例4と同様に操作し、得られた外
径:70mmの光ファイバ母材を線引きファイバ化し
た。得られたファイバについて実施例1と同じスクリー
ニング試験を行った結果、ファイバの断線頻度は100
回/Mmとなった。
【0029】
【発明の効果】本発明の方法に従い、光ファイバ母材の
製造工程中に、ガラスロッドの周囲にガラス微粒子堆積
層を形成させてガラス微粒子堆積体を製造する工程、線
引き前の光ファイバプリフォームの延伸工程、あるいは
延伸後の光ファイバプリフォームの線引き工程の前処理
として、ガラスロッドや光ファイバプリフォームなどの
コアのみ又はコア及びクラッドからなるガラス体を必要
により火炎研削工程を設けて火炎研削した後、フッ酸
(HF)中に保持して化学研削する化学研削工程により
表面に付着している異物を除去し、次いで水洗、乾燥し
た後、塩素を含む雰囲気中で加熱してHFで取り除くこ
とのできなかった異物、水洗浄中や乾燥中に付着した異
物などを取り除く清浄化工程を設けることにより、線引
きの際に断線回数の少ない良好な品質の光ファイバ母材
を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法による光ファイバ母材の製造フロ
ーの1例を示す図。
【図2】本発明の方法による光ファイバ母材の製造フロ
ーの第2の例を示す図。
【図3】本発明の方法による光ファイバ母材の製造フロ
ーの第3の例を示す図。
【図4】本発明の方法による光ファイバ母材の製造フロ
ーの第4の例を示す図。
【図5】従来の方法による光ファイバ母材の製造フロー
の1例を示す図。
【図6】従来の方法による光ファイバ母材の製造フロー
の他の1例を示す図。
【図7】本発明の方法によりガラスロッドの清浄化処理
を行う装置構成の1例を示す図。
【図8】本発明の方法により光ファイバプリフォームの
清浄化処理を行う装置構成の1例を示す図。
【符号の説明】
1 ガラスロッド 2 ダミーロッド 3 加熱炉
4 ヒーター 5 支え棒 6 勘合部 7 炉心管 8 放射
温度計 9 昇降装置 10 上蓋 11 下蓋 21
プリフォーム 22 ダミーロッド 23 加熱炉 24 ヒータ
ー 25 支え棒 26 勘合部 27 炉心管 28 放射温度計
29 昇降装置 30 上蓋 31 下蓋

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアのみ又はコア及びクラッドからなる
    ガラス体をフッ酸中に保持して化学研削する化学研削工
    程と、その後水洗、乾燥した後、塩素を含む雰囲気中で
    加熱することにより前記ガラス体の表面を清浄化する清
    浄化工程を含むことを特徴とする光ファイバ母材の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記化学研削工程の前処理として前記ガ
    ラス体を酸水素火炎で火炎研削する火炎研削工程を設け
    ることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ母材の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ガラス体の周囲にガラス微粒子堆積
    層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1又は
    2に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ガラス体が、ガラス微粒子堆積体を
    透明ガラス化又は脱水、透明ガラス化して得られるガラ
    ス体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光
    ファイバ母材の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記化学研削を、前記ガラス体の外径が
    0.01〜4mm減少するまで行うことを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか1項に記載の光ファイバ母材の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記フッ酸の濃度を1〜50wt%とす
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載
    の光ファイバ母材の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記フッ酸中に保持する時間を1〜10
    0時間とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    1項に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記塩素を含む雰囲気が、塩素ガスの
    み、塩素ガスと不活性ガスとの混合ガス、又は塩素ガス
    と不活性ガスと酸素ガスとの混合ガス雰囲気であること
    を特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光フ
    ァイバ母材の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記塩素を含む雰囲気中で加熱する際の
    炉心管の表面の温度を800〜2000℃とすることを
    特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の光ファ
    イバ母材の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記塩素を含む雰囲気中で加熱する際
    の加熱時間を10分以上とすることを特徴とする請求項
    1〜9のいずれか1項に記載の光ファイバ母材の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8284453B2 (en) 2006-10-13 2012-10-09 Fuji Xerox Co., Ltd. Image processing apparatus, image forming apparatus, image processing method, and recording medium for changing an image width

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