JP2003095469A - 紙葉類取出装置 - Google Patents

紙葉類取出装置

Info

Publication number
JP2003095469A
JP2003095469A JP2001293622A JP2001293622A JP2003095469A JP 2003095469 A JP2003095469 A JP 2003095469A JP 2001293622 A JP2001293622 A JP 2001293622A JP 2001293622 A JP2001293622 A JP 2001293622A JP 2003095469 A JP2003095469 A JP 2003095469A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roller
motor
take
separating
reverse
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001293622A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuo Tsukada
康夫 塚田
Yoshihiko Naruoka
良彦 成岡
Yukio Asari
幸生 浅利
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2001293622A priority Critical patent/JP2003095469A/ja
Publication of JP2003095469A publication Critical patent/JP2003095469A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sheets, Magazines, And Separation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 逆転ローラ表面の紙葉類との接線力により揺
動レバー周りに発生するモーメントによって圧接力が変
動するのを防ぐようにする。 【解決手段】 回転することにより紙幣Pを取り出す取
出ローラ30と、この取出ローラ30に圧接され紙幣P
の取出方向と逆方向の逆転トルクが付与されることによ
り紙幣Pを1枚ずつ分離する逆転ローラ31と、モータ
本体64Aを有し、このモータ本体64Aの一端面に突
設した駆動軸64aを逆転ローラ64に固定的に接続し
て該逆転ローラ64に回転トルクを付与するリバースモ
ータ64と、支点軸60を中心に揺動自在に設けられ、
揺動端にモータ本体64Aをその駆動軸回りに回動自在
に取り付ける揺動レバー59と、逆転ローラ64の中心
と揺動レバー59の支点軸60とを結ぶ線分に対し略平
行なベクトル方向を有する抵抗力によりモータ本体64
Aの回動を規制するリンク機構Rとを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層された紙幣な
どの紙葉類を1枚ずつ分離して取出す紙葉類取出装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】この種の紙葉類取出装置としては、ゴム
ローラの摩擦力で紙葉類を取出す摩擦式のものが知られ
ている。
【0003】また、分離方式の構造から、ゲートローラ
方式や、圧接ローラ方式のものがあり、特に前者は多用
されている。
【0004】さらに、取出ローラに対向して押圧する分
離ローラを備え、この分離ローラに駆動モータによって
逆転トルクをかけて、紙葉類を分離する方式が、MRR
取出しとして開発されている。
【0005】このMRR分離方式では、紙葉類の厚さに
かかわらず、分離部において取込力と分離力が安定して
働くため、確実な分離が期待できる。
【0006】また、分離ローラと紙類類との間に滑りが
原理的になく、実際も少ないので、ローラが摩耗しにく
い利点がある。
【0007】また、ローラが摩耗しても、圧接で分離部
が形成されているため、ゲートローラ方式のようにギャ
ップが広がって分離性能が低下するといったことがな
い。
【0008】さらに、分離部に安定した取込力を持たせ
ることができるため、圧接ローラ方式のように紙葉類が
坐屈しにくく、分離部に紙葉類を送込む送りローラの送
り力も小さく設定できる。従って、厚さの薄い券から厚
い券、腰の弱い券などを安定して取出すことができる。
【0009】また、紙葉類に対して働く力が小さいた
め、紙葉類を汚損することもない。
【0010】また、分離力は分離ローラにかける逆転ト
ルクによって決まるため、トルクを制御することで分離
性能を任意に設定したり、きめこまかな制御をすること
も可能になる。
【0011】ところで、このMRR取出しでは分離部で
安定した分離力を得るために、分離ローラを取出ローラ
に圧接する押圧力を一定に保つことが重要である。
【0012】分離ローラの押圧構造は支点を中心に回動
する揺動レバーによる方法が、安定してかつ簡便な方法
として多用されている。
【0013】MRR取出しでは分離ローラと取出ローラ
の中心を結ぶ直線と、分離ローラ中心と揺動レバーの支
点を結ぶ直線が、ほぼ直交するようにレイアウトし、さ
らに逆転トルクを発生させる駆動モータの軸を揺動レバ
ーの支点の位置に一致させ、分離ローラと駆動モータと
をタイミングベルトを介して連結している。
【0014】これによって分離ローラの圧接部で発生す
る分離力としての接線力が揺動レバーの支点まわりにモ
ーメントを発生させて押圧力を増加させたり、摩擦係数
によって変動しないように工夫されている。
【0015】このようなMRR取出しでは分離ローラと
駆動モータとの間にプーリや、タイミングベルト、さら
に、これを支持するための軸やベアリングなどの接続要
素が存在する。
【0016】また、MRR取出しではモータトルクが安
定し、かつ短時間に得られる必要があり、駆動モータに
接続される回転の慣性負荷をできるだけ抑えたいという
要求がある。
【0017】従って、上記接続要素は軽量化を図る等工
夫されているが、さらに取出しを高速化、安定化させる
ために、慣性負荷を減らしたいという要求がある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た接続要素は、摩擦や、屈曲など、熱になる負荷を持っ
ており、駆動モータが与えるトルクが一定でも分離ロー
ラの表面では回転方向によって接線力にわずかな差が生
じる。
【0019】即ち、分離ローラが分離方向に逆回転する
ときは、駆動モータのトルクからこれらの負荷によるロ
スを差し引いたトルクに相当する接線力が分離ローラの
表面に働き、取出ローラに連れまわって正転するとき
は、抵抗となるモータトルクにロス分が加わって、取出
ローラに対して抵抗力として発生する接線力はわずに増
加する。このヒステリシスは、分離性能の領域を狭める
といった問題がある。
【0020】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、逆転ローラ表面の紙葉類との接線力によって揺動レ
バー周りに発生するモーメントにより圧接力が変動する
のを防ぎ、安定した取出しを実現する紙葉類取出装置を
提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、請求項1記載のものは、回転することにより
紙葉類を取り出す取出ローラと、この取出ローラに圧接
され前記紙葉類の取出方向と逆方向の逆転トルクが付与
されることにより紙葉類を1枚ずつ分離する分離ローラ
と、モータ本体を有し、このモータ本体の一端面に突設
した駆動軸を前記分離ローラに固定的に接続して該分離
ローラに回転トルクを付与する駆動モータと、支点軸を
中心に揺動自在に設けられ、揺動端に前記モータ本体を
その駆動軸回りに回動自在に取り付ける揺動レバーと、
前記分離ローラの中心と前記揺動レバーの支点軸とを結
ぶ線分に対し略平行なベクトル方向を有する抵抗力によ
り前記モータ本体の回動を規制する規制手段と、を具備
する。
【0022】請求項6記載のものは、紙葉類を送り出す
送出ローラと、この送出ローラにより送り出された紙葉
類を回転することにより取り出す取出ローラと、この取
出ローラに対向して設けられ紙葉類を1枚ずつ分離する
分離手段と、モータ本体を有し、このモータ本体の一端
面に突設した駆動軸を前記送出ローラに固定的に接続し
て該送出ローラに回転トルクを付与する駆動モータと、
支点軸を中心に揺動自在に設けられ、揺動端に前記モー
タ本体をその駆動軸回りに回動自在に取り付ける揺動レ
バーと、前記送りローラの中心と前記揺動レバーの支点
軸とを結ぶ線分に対し略平行なベクトル方向を有する抵
抗力により前記モータ本体の回動を規制する規制手段
と、を具備する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態を参照して詳細に説明する。
【0024】図1は本発明の一実施の形態である紙幣分
類整理機を示す内部構成図である。
【0025】図中1は筐体で、この筐体1の一側中央部
にはテーブル部1Aが設けられ、このテーブル部1Aに
は紙幣供給部2が設けられている。この紙幣供給部2に
は紙葉類としての紙幣Pが立位状態で複数枚収容されて
いる。この紙幣Pはバネ3で付勢される押込手段として
のバックアップ板4によって送出ローラとしてのピック
アップローラ5に押し付けられている。ピックアップロ
ーラ5の回転により紙幣Pは下方に向かって送り出され
る。ピックアップローラ5の下方部には後で詳述する紙
葉類取出装置を構成する分離部32及び搬送部37(図
2に示す)が配設されている。
【0026】搬送部37から搬出される紙幣Pは、ベル
ト6とローラ7とにより構成されるクランプ式の搬送手
段Hにより搬送される。この搬送手段Hには取り出され
た紙幣Pのシフトとスキューを自動補正する姿勢補正装
置8が設けられている。搬送手段Hの紙幣搬送方向下流
側には判別手段としての判別部9が設けられている。こ
の判別部9はローラ対10で搬送される紙幣Pの面から
各種情報を読み取り、それを論理演算し、基準になる情
報と比較することによって、汚れや、破損の有無、金
額、天地及び表裏の4方向を判別するものである。
【0027】判別部9の紙幣搬送方向下流側には切替手
段としての第1の分岐装置11が設けられている。第1
の分岐装置11は判別部9の判定によって2枚取りや、
一定以上の大スキーの紙幣等、正しい紙幣Pと判定され
なかったものをリジェクト箱12に導き、正しい紙幣P
と判定されたものを切替手段としての第2の分岐装置1
3に導くものである。
【0028】第2の分岐装置13は紙幣Pの搬送方向を
第1及び第2の方向に分けるものである。第1の方向に
は左右反転パス14が設けられ、この左右反転パス14
は紙幣Pを左右180度反転するヒネリベルト15を有
している。第2の方向には単なるベルト搬送部16が設
けられ、紙幣Pをそのままの状態で搬送する。第1及び
第2の方向に分岐されて搬送された紙幣は合流部17で
合流する。この合流部17までの経路長は等しくされ、
紙幣合流後の間隔がズレないようになっている。
【0029】合流部17の紙幣搬送方向下流側には切替
手段としての第3の分岐装置18が設けられ、この第3
の分岐装置18により紙幣Pの搬送方向が第3及び第4
の方向に分岐される。第3の方向にはスイッチバックパ
ス部19が設けられている。スイッチバックパス部19
には紙幣Pを導入させる反転箱20、この反転箱20に
導かれた紙幣Pの後端を反転ローラ21aに押し付ける
タタキ車21が設けられている。紙幣Pは反転箱20か
ら送り出されることにより、その天地が反転されて搬送
される。第4の方向には単なるベルト搬送部22が設け
られ、紙幣Pはそのままの姿勢を維持して搬送される。
第3及び第4の方向に分岐されて搬送された紙幣は合流
部23で合流する。この合流部23までの分岐パスの経
路長は等しくされ、合流後の間隔がズレないようになっ
ている。
【0030】合流部23の紙幣搬送方向下流側には水平
搬送路24が設けられ、この水平搬送路24には区分す
べき部分の数より一つ少ない数の分岐装置25a〜25
dが配設されている。これら分岐装置25a〜25dの
下方部には、集積部として第1乃至第4の種類別ポケッ
ト部26a〜26が配設され、これら種類別ポケット部
26a〜26に紙幣Pが水平状態に積み重ねて集積され
るようになっている。
【0031】第1の分岐装置25aの下方部には、10
0枚施封装置27が設けられている。100枚施封装置
27は紙幣Pを100枚づつ集積して区分する集積部2
8と、この集積部28から紙幣Pを搬送する搬送部28
aと、この搬送部28aにより搬送されてくる紙幣Pを
紙帯29aで結束する帯巻部29を有している。
【0032】図2は紙葉類取出装置として紙幣取出装置
を示す構成図である。
【0033】この紙幣取出装置は上記したピックアップ
ローラ5,5、分離部32及び搬送部37によって構成
され、これらピックアップローラ5,5、分離部32及
び搬送部37は上下方向に沿って配設されている。
【0034】分離部32は取出ローラ30,30を備
え、これら取出ローラ30,30には分離ローラとして
の逆転ローラ31,31が押し付けられている。搬送部
37は取出ローラ30,30の下方部に位置してドライ
ブローラ34,34を備え、このドライブローラ34,
34にはピンチローラ35,35が転接されている。ド
ライブローラ34,34とピンチローラ35,35とに
より、紙幣Pが引き抜かれて搬送される。ピックアップ
ローラ5、取出ローラ30、逆転ローラ31、ドライブ
ローラ34及びピンチローラ35は左右に1個ずつ配設
され、紙幣Pを短手方向に沿って取出すようになってい
る。
【0035】分離部32の取出ローラ30の周面はゴム
で形成され、ワンウェイクラッチ30aを介して軸36
に取り付けられている。取出ローラ30は紙幣Pの取出
方向に自由に回転でき、紙幣Pがドライブローラ34及
びピンチローラ35で引き抜かれるときに抵抗を減らす
ように工夫されている。軸36は軸受け38を介してフ
レーム39に取り付けられている。軸36の一端部には
プーリ40a、タイミングベルト40b及びプーリ40
cを介して取出モータ41が接続されている。
【0036】なお、この実施例では、ワンウェイクラッ
チ30aを取出ローラ30に設けたが、取出ローラ30
を軸36に固定してワンウェイクラッチ30aをタイミ
ングプーリ40aに設け、軸36とプーリ40aの間で
回転できるようにしてもよい。
【0037】ピックアップローラ5の軸43はプーリ4
5a、タイミングベルト45b、プーリ45cを介して
軸46に接続されている。軸46の両端部はフレーム3
9,39に支持されている。軸46の一端部にはプーリ
48a、タイミングベルト48b、プーリ48cを介し
てピックアップモータ49が接続されている。軸43は
ブラケット51に回転自在に取り付けられ、ブラケット
51は軸52を介してブラケット53に取り付けられて
いる。
【0038】ブラケット53は軸46を介してフレーム
39,39に取り付けられ、左右に回動できるようにな
っている。ブラケット51とステイ55との問には圧縮
スプリング56が設けられている。これにより左右にあ
るピックアップローラ5,5は僅かに前後左右に位置を
変えて紙幣Pに対して左右均一の押し付け力が発生する
ように工夫されている。
【0039】逆転ローラ31は全周がゴムで形成され、
紙幣Pに対する摩擦係数が紙幣P間の摩擦係数より高い
ものが使用されている。逆転ローラ31は軸58を介し
て揺動レバー59の上端部に回転可能に取り付けられ、
揺動レバー59の下端部は支持部としての支点軸60に
より回動可能に支持されている。揺動レバー59はスプ
リング62により付勢され、逆転ローラ31を取出ロー
ラ30に押圧させている。
【0040】逆転ローラ31には後述するリバースモー
タ64が接続されている。リバースモータ64は逆転ロ
ーラ31を紙幣Pの取出し方向に対して逆方向に回転さ
せるようになっている。逆転ローラ31は取出ローラ3
0に連れ回って取出方向に回転するが、逆転トルクは常
に逆転方向にかかっていて紙幣Pに対して分離力を発生
する。
【0041】ドライブローラ34は軸69を介してフレ
ーム39,39に取り付けられている。軸69はプーリ
70a、タイミングベルト70b、プーリ70cを介し
て搬送モータ71に接続されている。ピンチローラ35
は軸73に回転自在に支持されている。軸73の両端部
はフレーム39,39の水平長孔39aに支持され、ス
プリング74によって付勢されている。この付勢によ
り、ピンチローラ35はドライブローラ34に押圧され
て搬送力を発生する。
【0042】取出ローラ30及び逆転ローラ31の近傍
には取出ローラ30及び逆転ローラ31から送出される
紙幣Pを検出する第1の検知センサ76が設けられてい
る。ドライブローラ34及びピンチローラ35の近傍に
はドライブローラ34及びピンチローラ35から送り出
される紙幣Pを検出する第2の検知センサ77が設けら
れている。第1及び第2の検知センサ76,77は光透
過形の光センサで、ブラケット79に取り付けられてい
る。第1の検知センサ76の光軸は取出ローラ30と逆
転ローラ31の接触部とドライブローラ34とピンチロ
ーラ35の接触部の間の搬送路を通過する。第2の検知
センサ77の光軸は、ドライブローラ34とピンチロー
ラ35の接触部の直後の搬送路を通過する。
【0043】取出モータ41、ピックアップモータ4
9、搬送モータ71にはそれぞれドライバー81,8
2,83が接続されている。ドライバー81,82,8
3には制御回路を介してコントローラ85が接続されて
いる。なお、取出モータ41、ピックアップモータ49
は間欠駆動制御が必要とされ、パルスモータが用いられ
ている。後述する左右のリバースモータ64にはドライ
バー89a,89bが接続され、ドライバー89a,8
9bには制御回路を介してコントローラ85が接続され
ている。リバースモータ64は電流制御可能なDCモー
タで、電流の設定によって所要の発生トルクが得られる
ようになっている。第1及び第2の検知センサ76,7
7には駆動アンプ90が接続され、紙幣Pの通過を検出
してその情報をコントローラ85に与えるようになって
いる。
【0044】図3乃至図6は分離部32の模式図で分離
力の発生原理を示すものである。
【0045】図3は取出ローラ30と逆転ローラ31と
の間に紙幣Pがないときで、取出ローラ30の回転に逆
転ローラ31が搬送方向に連れ回っている。逆転ローラ
31は所定の押圧力Nで取出ローラ30に押し付けら
れ、後述するリバースモータ64によって逆転トルクT
がかけられている。しかし、取出ローラ30との摩擦力
である接線力によるトルクの方が高いため、リバースモ
ータ64が滑って逆転ローラ31が搬送方向に回転して
いる。
【0046】図4は取出ローラ30と逆転ローラ31と
の間に紙幣Pが1枚介在されたときで、紙幣Pと逆転ロ
ーラ31の摩擦力で発生する接線力により逆転ローラ3
1にかかるトルクよりも逆転トルクTが小さく設定され
ているため、紙幣Pを介して逆転ローラ31が搬送方向
に連れ回りしている。
【0047】図5は取出ローラ30と逆転ローラ31と
の間に紙幣Pが2枚に介在された場合で、紙幣P1,P
2の間で生じる摩擦力が小さいため、リバースモータ6
4のトルクTの方が勝って搬送方向に対して逆転し始め
ている。
【0048】図6はリバースモータ64の逆転によって
2枚目の紙幣P2が引き戻された状態を示す。図6の状
態は図4の状態とほぼ同じで、1枚目の紙幣P1が搬送
される。このように紙幣を2枚取出そうとしても、2枚
目の紙幣P2が引き戻されて1枚目の紙幣P1のみが取
出されていく。実際には、図5と図6の状態が紙幣Pが
1枚取出されるごとに振動的に小刻みに繰り返され、1
枚ずつ分離されて取出される。
【0049】2枚目の紙幣P2が逆転ローラ31から受
ける接線力は、分離力として作用する。この接線力と押
圧力から逆転ローラ31の見かけの摩擦係数は(逆転ト
ルク/逆転ローラ半径)/逆転ローラの押圧となる。逆転
ローラ31の押圧はスプリング力で一定なので、逆転ト
ルクを一定に制御することで、逆転トルクの見かけの摩
擦係数を一定に保つことができ、安定した分離力を与え
ることができる。
【0050】また、逆転トルクを変えることで、見かけ
上任意の摩擦係数を設定できる。取出ローラ30、逆転
ローラ31は摩擦係数が紙幣P1,P2間の摩擦係数よ
り高ければよい。取出ローラ30と逆転ローラ31の摩
擦係数が高ければ、送り力や分離力を安定に保つことが
できる。
【0051】逆転ローラ31は、ゲートローラのように
摩擦係数を中程度に保つ必要はなく、材料の選択の幅が
広がる。また、ゲートローラのように常に紙幣Pと滑り
を生じているわけではなく、原理的には紙幣との滑りは
ないので、耐摩耗性について有利である。逆転ローラ3
1は取出ローラ30や紙幣Pに対して実際は滑りを生じ
ているが、これを考慮して耐久性のよい材料を選択すれ
ばよい。
【0052】図7及び図8は取出装置の各ローラのレイ
アウトを示すものである。
【0053】ピックアップローラ5はバックアップ4に
より押圧された紙幣Pに接触して、これを分離部32に
送り込み、取出ローラ30と協調して紙幣Pを繰り出
す。逆転ローラ31の逆転トルクは、取出動作時には逆
転トルクがかかっているが、紙幣Pがないときは取出ロ
ーラ30の回転に連れ回るように逆転トルクが設定され
ている。MRR分離方式では、逆転ローラ31に対し押圧
力とリバースモータ64で発生した逆転トルクを安定し
て与える必要がある。
【0054】図9及び図10は逆転ローラ31の駆動系
及びその支持構造を示すものである。
【0055】図中64は逆転ローラ31にトルクを与え
る駆動モータとしての細身のリバースモータで、例えば
ブラシレスDCモータが使用される。
【0056】逆転ローラ31はそのボス部がくり抜かれ
て凹部31aが形成され、この凹部31a内にリバース
モータ64の一端側が挿入されている。リバースモータ
64の駆動軸64aは逆転ローラ31の中心部に圧入固
定されている。
【0057】揺動レバー59の下部側は支点軸60まわ
りに軸受け126を介して回動自在に固定されている。
支点軸60はブラケット125によって取出装置の本体
フレーム120に固定されている。
【0058】リバースモータ64のモータ本体64Aは
揺動レバー59に固着されて固定されることなく、軸6
4a側を逆転ローラ31のボス部及びベアリング123
aを介して揺動レバー59に回転可能に支持されてい
る。
【0059】また、モータ本体64Aの反対側のモータ
軸部分64bは、ベアリング123bを介して揺動レバ
ー59に回転可能に支持されている。この状態ではリバ
ースモータ64がトルクを発生しても逆転ローラ31に
トルクを伝達することはできない。
【0060】そこで、モータ本体64Aにはブラケット
127の一端部が固定され、このブラケット127の他
端部はリンク128を介してブラケット125の一部に
突設された支点部129に支持されている。ブラケット
127、リンク128、及び支点部129はピン13
0、131を介して回動可能に接続され、規制手段とし
てのリンク機構Rを構成してる。リバースモータ64の
発生トルクはこのリンク機構Rで受け止められて、逆転
ローラ31に伝えられるようになっている。
【0061】取出ローラ30と逆転ローラ31の中心を
結ぶ線K2と、逆転ローラ31と支点軸60の中心を結
ぶ直線K3は、互いに直交するように、支点軸60の位
置が設定されている。図7に示すK1はピックアップロ
ーラ5に紙幣Pが接触する接触部と取出ローラ30と逆
転ローラ31との接触部33との間を結ぶ直線である。
【0062】この構造において、リバーモータ64の発
生するトルクTがそのまま逆転ローラ31に回転モーメ
ントとして作用し、取出ローラ30との接触部で逆転ロ
ーラ31の半径をaとして、接線力f=T/aの接線力
が発生して、紙幣Pの分離を行う。
【0063】この実施の形態によれば、逆転ローラ31
にリバースモータ64を直結して駆動するため、逆転ロ
ーラ31をタイミングベルトを介して駆動を行う従来の
方法に比べ、タイミングベルトなどで発生するようなロ
スがなく、リバ−スモータ64のトルクをそのまま効率
良く、逆転ローラ31に伝達することができる。
【0064】また、従来のようなタイミングプーリ、タ
イミングベルト、軸、ベアリングなどの回転物を省略す
ることができるため、リバースモータ64から見た慣性
負荷が小さく、逆転ローラ31の回転速度の立ち上がり
時間を短縮でき、安定した分離性能を得ることができる
という利点がある。
【0065】さらに、部品点数が少なく構造が簡単であ
るため、組立性、ローラの交換性等も従来の方法に比較
して向上できる。
【0066】なお、揺動レバー59の先端にリバースモ
ータ64を取付けるため、揺動レバー59の振動におい
ては、慣性質量が増すので周波数が低下するといったこ
とが問題として考えられるが、搬送速度、紙幣の時間当
たりの取出枚数などに応じてスプリング62のバネ定数
を設定したり、ダンパ材を設けるなどして解決すること
が可能である。
【0067】次に、リバースモータ64で直接、逆転ロ
ーラ31を駆動する場合の押圧について、簡単なモデル
を用いて説明する。
【0068】図11は、揺動レバー59の先端のリバー
スモータ64のモータ本体64Aを揺動レバー59に固
定した場合を示す。
【0069】取出ローラ30と逆転ローラ31間の押圧
のベクトルをN1として大きさを導いてみる。
【0070】揺動レバー59にかかる力の釣り合いから N1−F+Rx=0 式(1) −μN1+Ry=0 式(2) 逆転ローラ31の場合はモータトルクTが一定で滑るの
で式(2)は、 −T/a+Ry=0 式(2´) 揺動レバー59にかかる支点軸60周りのモーメントの
釣り合いでは、 −Nlb+Fc+μNla=0 式(3) N1=(c/(b−μa))F 式(4) となる。
【0071】逆転ローラ31では、 −Nlb+Fc+Ta=0 式(3´) N1=(T+Fc)/b 式(4´) 従って、押圧N1はバネ力Fとレイアウトからのみ決ま
るのでなく、摩擦係数μがゼロでない限り、μが増すと
ともに増加していく。
【0072】また、リバースモータ64のトルクTによ
っても変動する。
【0073】これはリバースモータ64がトルクを発生
しようとした瞬間、逆転ローラ31が取出ローラ30に
食い込むことを示している。
【0074】さらに式(4)においては、 (b−μa)=0 式(5) で押圧は、無限大になる。
【0075】 μ≧b/a 式(6) の条件の場合,逆転ローラ31は取出ローラ30に食い
込んだままロック状態になってしまい、取出し、分離動
作ができないばかりか、構造が変形したり破損してしま
う虞がある。
【0076】ここで、N:押圧力、a:逆転ローラ31
の半径、μN:接線力、b:支点軸60から押圧部まで
の距離、F:スプリング力、c:支点軸60からスプリ
ング62までの距離、T:リバースモータ64の逆転ト
ルク、Rx、Ry:揺動レバー59が支点軸60から受
ける力の水平、垂直成分である。
【0077】図12は上記した対策として、支点軸60
を左方にずらして接線力のベクトル線上に持ってきたも
のである。このモデルでは、押圧力をN2とすると、揺
動レバー59にかかる支点軸60周りのモーメントの釣
り合いでは、 −N2・bV´+Fc´=0 式(7) N2=(c/b)F 式(8) となり、摩擦係数μやトルクTによらず一定の押圧力N
2を与えることができるしかし、図12ような位置に、
支点軸60を設けるのは、取出機構としては難しい。即
ち、接線力ベクトルの方向は、券の取出される方向であ
るから、支点軸60が搬送路と干渉してしまう。
【0078】取出搬送路を急激に曲げたり、揺動レバー
59の長さを極端に長くとるのは、分離性能を低下する
虞が高いなどの問題がある。さらに、分離直後には搬送
ローラや、券の到達を検知するセンサがあり、これらを
最適にレイアウトする必要があるし、揺動レバー59の
振動特性や、取出機構の大きさの制約があるからであ
る。
【0079】図13は、上記した問題点を解決する本発
明の実施例である図9に示したものをモデルで表したも
のである。
【0080】モータ本体64Aは上記したように揺動レ
バー59には固着されていないで、逆転ローラ軸、即
ち、モータ軸64aまわりに回動可能に取り付けられて
いる。モータ本体64Aにはレバー127の一端部が固
定的に接続され、このレバー127の他端部はリンク1
28を介して支点部129に接続されている。
【0081】リンク128は逆転ローラ31と支点軸6
0を結ぶ直線K3とほぼ平行にレイアウトされている。
リンク128は節であるビン130と131とを結ぶ直
線線上に軸力Qだけが発生する。取出ローラ30と逆転
ローラ31との間の押圧ベクトルをN3として大きさを
導いてみる。
【0082】揺動レバー59にかかる力の釣り合いから N3−F+Rx=0 式(9) −μN3−Q+Ry=0 式(10) 揺動レバー59にかかる支点60周りのモーメントの釣
り合いでは、 −N3b+Fc=0 式(11) N3=(c/b)F 式(12)とな
り、 押圧N3は、バネ力Fとレイアウトによって決まり一定
の値になる。
【0083】リンク128にかかる力Qは,モータ本体
64Aにかかるモーメントの釣り合いから、 T−Qd=O 式(13) Q=T/d 式(14)とな
る。
【0084】このようにして、逆転ローラ31をリバー
スモータ64に直結することで,摩擦係数μや、モータ
トルクTや、さらに、回転状態によらず,バネ力Fによ
って一定の押圧を実現することができる。勿論、逆転ロ
ーラ31が取出ローラ30に食い込んでロックするよう
なこともない。
【0085】図14は紙幣取出動作の制御を示すフロー
チャート図である。
【0086】紙幣Pの取出しが開始されると(ステップ
S1)、取り出された紙幣Pの有無が判別される(ステ
ップS2)。紙幣Pがあると判別されると、紙幣Pの取
出し動作が進む。ついで、逆転ローラ31がリバースモ
ータ64によって逆方向に回転駆動される(ステップS
3)。このとき、取出ローラ30は停止しているので、
取出ローラ30から受ける抵抗力で逆転ローラ31が回
転することはない。しかるのち、取出モータ41とピッ
クアップモータ49が回転駆動される(ステップS
4)。取出モータ41とピックアップモータ49はほぼ
同じ立ち上げ曲線で速度を増加して所定の速度まで立ち
上げる。
【0087】ピックアップローラ5と取出ローラ30に
よって送り出された1枚目の紙幣Pが、搬送ローラ34
にかかった後、第2の検知センサ77で検知されると
(ステップS5)、取出モータ41とピックアップモー
タ49が停止される(ステップS6)。
【0088】取出ローラ30には、ワンウェイクラッチ
30aが内蔵してあるので、取出モータ41が停止して
も、搬送ローラ34で搬送される紙幣Pに連れ回って1
枚目の紙幣Pに抵抗を与えるようなことはない。1枚目
の紙幣Pの先端が、第2の検知センサ77に到達した
後、紙幣Pの後端がピックアップローラ5から外れる。
【0089】1枚目の紙幣Pがピックアップローラ5か
ら外れて、2枚目の紙幣がピックアップローラ5に接触
すると、2枚目に対してブレーキとして働き、紙幣の連
れ出しが防止される。
【0090】1枚目の紙幣が搬送されてその後端が第2
の検知センサ77で検知されると(ステップ7)、まだ
紙幣Pがトレイにあるか否かを判別される(ステップS
8)。紙幣Pがあると判別された場合は、ステップS4
に戻って、2枚目の紙幣の取出しに入る。また、トレイ
に紙幣Pがないと判別された場合は、逆転ローラ31が
停止される(ステップS9)。しかるのち、すべてのモ
ータが停止して取出しが終了される(ステップS1
0)。図15は本発明の第2の実施の形態を示す正面
図、図16はその側面図である。
【0091】上記した第1の実施の形態では、モータ本
体64Aの回転を阻止するのにリンク機構Rを用いた
が、この第2の実施の形態ではリンク機構Rではなく、
規制手段としてのベルト136を用いている。
【0092】この第2の実施の形態では、モータ本体6
4Aに第1のタイミングプーリ134を固定的に取り付
け、支点軸60に第2のタイミングプーリ135を固定
的に取り付け、これら第1及び第2のタイミングプーリ1
34,135間にタイミングベルト136を掛け渡すも
のである。
【0093】支点軸60はブラケット125を介して取
出装置の本体フレーム120に固定されている。従っ
て、モータ本体64Aが回転しようとすると、タイミン
グベルト136に生じる張力Sによって阻止される。
【0094】図17は図15で示したものをモデルで表
わすものである。
【0095】上記したリンク機構Rを用いた実施例と同
様に圧接力N4は、 N4=(c/b)F 式(15)とな
る。
【0096】タイミングベルト136に発生する張力S
は、タイミングプーリ134の半径をgとして、リンク
128の軸力Qに相当して同様に S=T/g 式(16)とな
る。
【0097】タイミングプーリ134と135のピッチ
直径はほぼ等しくすることで、張力Sのベクトル方向を
逆転ローラ31と支点軸60を結ぶ直線K3と平行にす
ることで、揺動レバー59に対してはローラ中心軸上に
Qと同じ大きさの力が作用し,このベクトルが支点軸6
0を通るので、揺動レバー59に回転モーメントを発生
させないようになっている。
【0098】図18は本発明の第3の実施の形態を示す
正面図で、図19はその側面図である。
【0099】上記した第1の実施の形態では、モータ本
体64Aの回転を阻止するのにリンク機構Rを用いた
が、この第3の実施の形態ではリンク機構Rではなく、
規制手段としての板カム139を用いている。
【0100】この第3の実施の形態では、モータ本体6
4Aにブラケット137の一端側を固定的に接続し、こ
のブラケット137の他端側にベアリング138を設け
ている。このベアリング138は板カム139に接続さ
れている。板カム139は取出装置の本体フレーム12
0にブラケット125を介して固定されている。
【0101】板カム139にはカム溝139aが形成さ
れ、このカム溝139aにベアリング138がスライド
自在に係合されている。ベアリング138は摺動時に、
カム溝139aのカム面である長穴端面にから垂直方向
に力を受ける。
【0102】ブラケット137に作用する力が、上記し
たリンク128の軸力Qや、タイミングベルト136の
張力Sと同様に、逆転ローラ31と支点軸60間の直線
K3と平行なるためにはカム溝139aの方向は水平方
向となる。
【0103】ただし、この実施の形態では、厚い券が入
ってきて揺動レバー59が大きく回動した場合を考慮し
てカム溝139aは右方で下方に曲がっている。これに
よって、厚い券が入ってきたときにブラケット137に
働く力のベクトル方向を変える働きをする。
【0104】図20はカムによる実施例のモデルを示し
たものである。
【0105】通常の券が取出される場合は、カム溝13
9aのカム面が水平のため、ブラケット137に対して
かかる力Uのベクトル方向は直線K3にほぼ平行にな
る。
【0106】リンクやタイミングベルトの実施例と同じ
に、 N5=(c/b)F 式(15) となり安定した押圧を得ることができる。
【0107】またカム面の力Uは、ブラケット37の長
さをhとして、 U=T/h 式(16)とな
る。
【0108】図21は、厚い券が取出されている場合を
示す。
【0109】揺動レバー59の回動量が増大するので、
逆転ローラ31と支点軸60を結ぶ直線K3´は逆転ロ
ーラ31と券Pの間の接線力μN6に対して平行が崩れ
て、揺動レバー59に対しては、支点軸60周りに右回
転のモーメントを発生し始める。このときカム溝139
aは右下方向に屈曲しているため、力U´のベクトル方
向も右回転し、揺動レバー59に対しては支点軸60周
りに左回転のモーメントを発生する。これら支点周りの
モーメントが常に釣り合えば,揺動レバー59の回動が
大きくなっても、取出ローラ30に対する押圧を一定に
保つことができる。
【0110】即ち、接線力μN6と力U´の合成ベクト
ルVが揺動レバー59の中心軸線K3´と平行になれ
ば、揺動レバー59には逆転ローラ31の軸位置、即
ち、モータの軸位置で合成ベクトルVが作用して、軸線
K3´に重なるので、支点軸60周りにモーメントを発
生しなくすることができる。
【0111】接線力μN6=T/aと、U´=T/hと
大きさは一定なので、合成ベクトルの方向は揺動レバー
59の傾き角に対してU´の方向を決めてあげればよ
い。従って、揺動レバー59の回転角に対する板カム1
39の傾き角,すなはちカム曲線を幾何学的に決定する
ことができる。このカム曲線によって、押圧を一定に保
つことができる。
【0112】ただし、揺動レバー59が傾くと券と逆転
ローラ31の接線も実際には多少変化するが、揺動レバ
ー59の回転角が小さければ,N6は常に水平と考えて
も差し支えない。
【0113】さらに,N6の方向の変化を考慮してカム
形状を決定してもよい。従来のMRR取出しのようにモ
ータを本体側に固定した方式では,厚い券によって揺動
レバーが回転したときの影響は同じように発生する問題
であるが,簡単な対策は思い当たらない。
【0114】カムの実施例では、モータ本体64Aの回
転阻止力である力Uの作用方向を変化させたが、リンク
を用いて擬似的に実施することもできる。即ち、リンク
の支点間長さを揺動レバーのローラ軸と支点軸間の距離
より短くすることで、リンクの軸力Qのベクトル方向を
揺動レバーの回転とともに右方向に回転させることがで
きる。
【0115】また、上記した各実施例では、モータ64
の軸を逆転ローラ31の軸に一致させているが、これは
駆動源の出力軸の意味で、モータ単体の軸を示すもので
はない。即ち、減速機構などによってモータ軸64aの
位置がローラ軸から偏芯して設けられても良い。駆動手
段の本体が出力軸、すなはちローラ軸まわりに回動可能
に揺動レバー59に取り付けられていればよい。
【0116】上記実施例では、MRR取出しの分離部3
2において逆転ローラ31の押圧安定化の事例を示した
が、ローラを駆動して媒体を搬送する場合、通常押圧を
一定に保つことが多く行われる。
【0117】ローラ軸上にモータを設けて揺動レバーに
よる安定した押圧により、モータのトルクによる有害な
振動の発生もなく安定して搬送する機構として本発明を
適用することができる。
【0118】MRR取出しに限らず、送りローラを有す
る取出しにおいては、送りローラの券への押圧を一定に
保つことが大切である。積層する券の厚さの分布やばら
つきによるスキューなどを防ぐために、ローラを揺動さ
せることが行われるが、本発明によれば、モータをロー
ラ軸上に設けて安定して押圧して券を送りこむことを実
現できる。
【0119】MRR取出しにおいては、送りローラの押
圧が低く設定できる利点がある一方、押圧の変動を抑え
る必要があるが、モータによって直接送りローラを駆動
する本発明により、送りローラが大きく揺動しても,ロ
ーラの押圧を一定にすることができる。
【0120】図22は、送出ローラとしてのピックアッ
プローラの他の駆動制御系を示し、このピックアップロ
ーラに本願発明を適用した例を示すものである。
【0121】この実施の形態は、アップローラ91に対
する紙幣Pの押圧力を検知して、紙幣Pの取出しを制御
する。ピックアップローラ91,91は左右別々のブラ
ケット92,92に取り付けられている。ブラケット9
2,92は、ピックアップローラ91の駆動軸93に回
動自在に取り付けられている。ブラケット92,92の
下端部にピックアップローラ91,91が取り付けられ
ている。
【0122】ブラケット92,92の上部側には弾性バ
ネ部92a,92aが一体的に形成され、弾性バネ部9
2a,92a間にはシャフト97が架設されている。シ
ャフト97の両端部は弾性バネ部92a,92aの取付
孔内にゴムブッシュ99,99を介して嵌め込まれ、遊
びなくフレキシブルに連結されている。軸97の中央部
は支持ピン100により水平面に沿って回動自在に支持
されている。支持ピン100はブラケット101に固定
され、ブラケット101はベース39に取り付けられて
いる。ブラケット101には軸97の回動量を規制する
ストッパ103が取り付けられている。
【0123】ブラケット101と軸97との間にはダン
パ104,104が配設され、軸97の回動運動に対し
て、減衰をかけるように働く。ブラケット92,92の
弾性バネ部92a,92aの表面側には歪みを計測する
検出手段としての歪みゲージ105,105、裏面側に
は温度補償を兼ねて歪みゲージ106,106が貼られ
ている。歪みゲージ105,106にはゲージ出力を増
幅処理するアンプ107,107を介してコントローラ
85が接続されている。ところで、左右のピックアップ
ローラ91,91のボス部には凹部91aがそれぞれ形
成され、これら凹部91a内にはリバースモータ141
が入れ子状に設けられ、その駆動軸95が送りローラ9
1にそれぞれ固定されている。駆動軸95の両端部はブ
ラケット92に回動自在に支持されている。リバースモ
ータ141のモータ本体141Aにはレバー状のブラケ
ット142の一端側が固定的に取り付けられている。ブ
ラケット142の他端側はベアリング143を介して板
カム144のカム溝144a内に係合されている。この
係合によりモータ本体141Aの回転が阻止されるよう
になっている。
【0124】紙幣は、ピックアップローラ91,91の
回転によって下方に送られる。従って、モデルとしては
上記した図20、図21を倒立した場合に一致する。
【0125】板カム144のカム溝144aは、図の後
方に向かって上方向に曲がった形状になっていて、ピッ
クアップローラ91が大きく押されて揺動しても紙幣と
の間に発生する押圧力は一定に保たれるようになってい
る。
【0126】なお、以上の説明において「押圧がバネカ
Fによって一定」という表現は,実際はバネ力は撓みに
よってするので厳密には正しい表現ではない。
【0127】ただし,揺動レバーの揺動量が少ないとき
は近似的に一定と考えてよい。上記板カムの実施例のよ
うに揺動レバーの揺動量が大きい場合は一定とはいえな
いが、ローラの回転によって変動しないでバネ力と常数
であるレイアウト寸法によって一義的に決まるという意
味で解釈すればよい。
【0128】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、逆転ロー
ラに駆動モータを直結してトルクをかけ、揺動レバーに
よって取出ローラに押圧をかけて紙葉類を分離するもの
で、モータ本体を揺動レバーに固定せず逆転ローラ軸ま
わりに回転可能に取付けるとともに、回転方向の動きは
規制手段によって規制するため、取出ローラと分離ロー
ラとの間に発生する押圧を一定に保つことができ,安定
した分離力を有する取出しを実現できる。
【0129】また、駆動モータを逆転ローラに直結こと
で,従来のようにタイミングベルト等の接続要素がある
ことによって発生するロスや,慣性負荷を減少すること
で、より安定した分離領域、及びより高速に対応した取
出しが実現できる。
【0130】さらに、モータ本体に作用する回転阻止力
の方向を積極的に変えることによって紙葉類の厚さや、
その変動によって揺動レバーの揺動量が大きくなっても
押圧を一定にすることができる。
【0131】また、分離部以外に送出ローラの駆動にこ
の方式を使うことによって,送りローラの揺動量が大き
な場合でも押圧を一定に保つことで安定した紙葉類の送
り込み力を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である紙幣の分類処理機
を示す概略的構成図。
【図2】紙幣の分離機構を示す斜視図。
【図3】分離機構を構成する取出ローラ及び逆転ローラ
の回転状態を示す図。
【図4】取出ローラと逆転ローラとの間に紙幣が1枚送
り込まれた状態を示す図。
【図5】取出ローラと逆転ローラとの間に紙幣が2枚送
り込まれた状態を示す図。
【図6】取出ローラと逆転ローラとの間に送り込まれた
紙幣が分離された状態を示す図。
【図7】紙幣の分離機構を構成する各ローラの配置構成
を示す正面図。
【図8】紙幣の分離機構を構成する各ローラの配置構成
を示す側面図。
【図9】取出ローラと逆転ローラの当接状態を示す正面
図。
【図10】取出ローラと逆転ローラの当接状態を示す側
面図。
【図11】揺動レバーにモータを固定した場合の逆転ロ
ーラの押圧構造をモデル的に示す図。
【図12】揺動レバーにモータを固定した場合の逆転ロ
ーラの押圧構造で支点軸を移動した状態をモデル的に示
す図。
【図13】本発明の第1の実施の形態である逆転ローラ
の押圧構造をモデル的に示す図。
【図14】紙幣の取出動作を示すフローチャート図。
【図15】本発明の第2の実施の形態であるタイミング
ベルトを用いた逆転ローラの押圧構造を示す正面図。
【図16】図15の逆転ローラの押圧構造を示す側面
図。
【図17】図15の逆転ローラの押圧構造をモデル的に
示す図。
【図18】本発明の第3の実施の形態であるカムを用い
た逆転ローラの押圧構造を示す正面図。
【図19】図18に示す逆転ローラの押圧構造を示す側
面図。
【図20】図18に示す逆転ローラが通常の厚さの券を
押圧したときの押圧構造をモデル的に示す図。
【図21】図18に示す逆転ローラが厚さの厚い券を押
圧したときのの押圧構造をモデル的に示す図。
【図22】本発明の第4の実施の形態であるカムを用い
たピックアップローラの押圧構造を示す図。
【符号の説明】
P…紙葉類、4…バックアップ板(押込手段)、5…ピ
ックアップローラ(送出ローラ)、30…取出ローラ、
31…逆転ローラ(分離ローラ)、31a…凹部、59
…揺動レバー、60…支点軸、64…リバースモータ
(駆動モータ)、64A…モータ本体、64a…駆動
軸、R…リンク機構(規制手段)、91…ピンチローラ
(送出ローラ)、91a…凹部、134…プーリ、13
5…プーリ、136…ベルト(規制手段)、139…板
カム(規制手段)、141…リバースモータ(駆動モー
タ)、モータ本体141A、144…板カム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅利 幸生 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社 東芝柳町事業所内 Fターム(参考) 3F343 FA04 FB07 FC01 GA04 GB01 GC01 GD01 HA14 JD09 JD33 KB05 LA04 LA15 LA16 LB08 LC12 LD10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転することにより紙葉類を取り出す取
    出ローラと、 この取出ローラに圧接され前記紙葉類の取出方向と逆方
    向の逆転トルクが付与されることにより紙葉類を1枚ず
    つ分離する分離ローラと、 モータ本体を有し、このモータ本体の一端面に突設した
    駆動軸を前記分離ローラに固定的に接続して該分離ロー
    ラに回転トルクを付与する駆動モータと、 支点軸を中心に揺動自在に設けられ、揺動端に前記モー
    タ本体をその駆動軸回りに回動自在に取り付ける揺動レ
    バーと、 前記分離ローラの中心と前記揺動レバーの支点軸とを結
    ぶ線分に対し略平行なベクトル方向を有する抵抗力によ
    り前記モータ本体の回動を規制する規制手段と、 を具備することを特徴とする紙葉類取出装置。
  2. 【請求項2】 前記規制手段は前記モータ本体をリンク
    機構を介して固定部に接続することを特徴とする請求項
    1記載の紙葉類取出装置。
  3. 【請求項3】 前記規制手段は前記モータ本体をカム機
    構を介して固定部に接続することを特徴とする請求項1
    記載の紙葉類取出装置。
  4. 【請求項4】 前記規制手段は前記モータ本体と揺動レ
    バーの支点軸にそれぞれピッチ径のほぼ等しいプーリを
    取り付け、これらプーリ間にベルトを掛け渡してなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の紙葉類取出装置。
  5. 【請求項5】 前記分離ローラのボス部に凹部を形成
    し、この凹部内に前記モータ本体の一端側を挿入してそ
    の駆動軸を前記ボス部に固定したことを特徴する請求項
    1記載の紙葉類の取出装置。
  6. 【請求項6】 紙葉類を送り出す送出ローラと、 この送出ローラにより送り出された紙葉類を回転するこ
    とにより取り出す取出ローラと、 この取出ローラに対向して設けられ紙葉類を1枚ずつ分
    離する分離手段と、 モータ本体を有し、このモータ本体の一端面に突設した
    駆動軸を前記送出ローラに固定的に接続して該送出ロー
    ラに回転トルクを付与する駆動モータと、 支点軸を中心に揺動自在に設けられ、揺動端に前記モー
    タ本体をその駆動軸回りに回動自在に取り付ける揺動レ
    バーと、 前記送りローラの中心と前記揺動レバーの支点軸とを結
    ぶ線分に対し略平行なベクトル方向を有する抵抗力によ
    り前記モータ本体の回動を規制する規制手段と、 を具備することを特徴とする紙葉類取出装置。
JP2001293622A 2001-09-26 2001-09-26 紙葉類取出装置 Pending JP2003095469A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001293622A JP2003095469A (ja) 2001-09-26 2001-09-26 紙葉類取出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001293622A JP2003095469A (ja) 2001-09-26 2001-09-26 紙葉類取出装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003095469A true JP2003095469A (ja) 2003-04-03

Family

ID=19115373

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001293622A Pending JP2003095469A (ja) 2001-09-26 2001-09-26 紙葉類取出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003095469A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006315828A (ja) * 2005-05-13 2006-11-24 Kyocera Mita Corp シート分離搬送機構及びそれを備えたシート搬送装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006315828A (ja) * 2005-05-13 2006-11-24 Kyocera Mita Corp シート分離搬送機構及びそれを備えたシート搬送装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3959328B2 (ja) 紙葉類取出装置および紙葉類取出方法
US6581929B2 (en) Posture correction device for correcting a posture of conveyed paper-like material and paper-like material processing apparatus provided with a posture correction device
EP2301869B1 (en) Paper sheet pick up device
US20070007709A1 (en) Papers feeding device
JP4361821B2 (ja) 紙葉類の斜行修正装置及び紙幣入出金装置
US20060103066A1 (en) Device for separating sheet-type products
JP2010168201A (ja) ワーク給送装置
EP1762519A2 (en) Paper sheet positioning apparatus
JP2002160842A (ja) 紙葉類取出装置
JP2003095469A (ja) 紙葉類取出装置
CN102211470A (zh) 输送装置
JP2003081463A (ja) 紙葉類取出装置
JP4488638B2 (ja) 紙葉類取出装置
JP2019127389A (ja) フィーダーと該フィーダーを組込んだ投入機
JP4599004B2 (ja) 紙葉類取出装置
JP2003267571A (ja) 紙葉類取出装置及び紙葉類取出方法
JP2008536718A (ja) デジタル印刷機におけるシート輸送方法
JP3545117B2 (ja) 紙葉類搬送装置
JP2003292176A (ja) 紙葉類取出搬送装置
JP2002205839A (ja) シート給送装置
JPH11246064A (ja) 記録媒体給送装置
JP2791139B2 (ja) 紙葉類分離装置
WO2018163649A1 (ja) 紙葉類処理装置
JP2505187Y2 (ja) 印字装置
JPS6265854A (ja) 紙葉類取扱装置