JP3545117B2 - 紙葉類搬送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙幣識別装置の中の紙幣の搬送等に用いられる紙葉類搬送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8は、紙幣識別装置の概略構成を示す図である。図8において、30は紙幣識別装置、31は紙幣識別部、32は高額紙幣収納部、33は低額紙幣収納部、34は紙幣払出部である。
紙幣識別装置30に紙幣が投入されると(矢印▲1▼)、まず、投入された紙幣の真偽,金種等を紙幣識別部31で識別する。そして、その紙幣が5千円紙幣か1万円紙幣であった場合は、高額紙幣収納部32に送って(点線矢印▲2▼)、そこにストックする。一方、識別した紙幣が千円紙幣であった場合は、低額紙幣収納部33に送って(矢印▲3▼)、そこにストックする。また、両替時等には、低額紙幣収納部33にストックしておいた紙幣の中から、1枚ずつ紙幣払出部34に送って(矢印▲4▼)、所定枚数が溜まったら一括して払い出す(矢印▲5▼)。
【0003】
そのような紙幣識別装置30の内の低額紙幣収納部33における紙幣の搬送は、例えば、次のようにして行われていた。
図9は、紙幣金庫へ紙幣を送り込むための従来の紙幣送込機構を示す図である。図9において、1は押圧部材、20は紙幣金庫、21は紙幣保持板、22はスプリング、23は紙幣、24は紙幣搬送ベルト、25〜28はローラである。
【0004】
紙幣識別部31から紙幣23が送られてくると、紙幣23は、ローラ25,27,28により駆動される紙幣搬送ベルト24とローラ26とにより、紙幣金庫20の方に送られる。しかし、それだけでは紙幣23の最後尾がローラ26を通り過ぎた後は、紙幣23は搬送されなくなって、紙幣金庫20に完全に送り込まれないおそれがある。そこで、押圧部材1により紙幣23を紙幣搬送ベルト24に押しつけるようにして、紙幣23の最後尾まで紙幣金庫20に送り込むようにしている。
【0005】
その場合、従来の押圧部材1は、次のように作動されるようになっていた。
図10は、従来の押圧部材作動機構を示す図である。図10において、符号1は図9のものに対応し、40は押圧部材支持板、41は押圧部材操作杆、42は操作杆支持体、43は操作杆引下スプリング、44はマグネット作動軸、45はマグネットコイル、46はマグネットコイル取付片である。
【0006】
左右の押圧部材1,1は、共に、押圧部材支持板40に固定されており、押圧部材支持板40の下端部は、押圧部材操作杆41に回動可能な状態で固定されている。その押圧部材操作杆41は、一端が操作杆支持体42により回動可能な状態で支持され、他端はマグネットコイル45のマグネット作動軸44に連結されている。
【0007】
マグネットコイル45をオンするとマグネット作動軸44が上方に吸引される。その結果、押圧部材操作杆41は、操作杆支持体42を支点として上方に回動し、押圧部材支持板40を上方に持ち上げる。また、マグネットコイル45をオフすると押圧部材操作杆41は、操作杆引下スプリング43で引かれて下方に回動し、押圧部材支持板40は下方に引下げられる。そのようにして、押圧部材支持板40が上下するのに伴って、押圧部材1は上下に位置を変える。
【0008】
なお、押圧部材1により紙幣23を紙幣搬送ベルト24に押しつける場合、押圧力を適正に調整する必要があるが、その調整は、マグネットコイル取付片46の本体に対する取付位置を微妙に調整することにより行っていた。さらに、押圧部材1をローラ27とローラ25の間に設けることにより、押圧部材1が上方に押し上げられたときの衝撃を紙幣搬送ベルト24の弾力性により吸収するようにもしていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した従来の技術では、左右の押圧部材1,1が押圧部材支持板40に一体的に固定されていて、常に左右同じ位置まで持ち上げるため、送られてきた紙幣の片側に折り皺等があって左右の状態が不均一のときは、紙幣に作用する押圧力が不均等になって紙幣の送りに支障が生じるという問題点があった。また、押圧部材1の押圧力の調整を、マグネットコイル45の取付位置を微妙に調整することにより行っていたため、調整に手間がかかるという問題点もあった。
【0010】
本発明は、そのような問題点を解決し、紙幣の状態に関係なく常に左右均等に押圧できるようにすると共に、マグネットコイルの取付調整を不要にすることを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の紙葉類搬送装置では、紙幣搬送路の上側に配置される紙幣搬送ベルトと、該紙幣搬送ベルトに対して紙幣の左右側縁部をそれぞれ下側から押圧する一対の押圧部材とを有し、軸を中心にして回動する操作アームと、該操作アームの一端に連結され、該操作アームの回動に従って上方に回動するアーム押下板と、該アーム押下板により上方への回動が規制され、かつ、それぞれがスプリングにより独立に上方への回動力が与えられる左右一対の押圧アームとを具え、前記一対の押圧部材は、前記一対の押圧アームにそれぞれ下端部が当接して支持されるようにした。
【0013】
また、前記一対の押圧部材の間に張り渡し、前記一対の押圧部材をそれぞれ前記押圧アームの位置まで引き下げるように作用する押圧部材引下棒を具え、該押圧部材引下棒は、前記操作アームの軸を支持する部材に一端が支持されるスプリングにより下方への引張力を受けるようにした。
そしてまた、前記一対の押圧部材は、縦方向に長孔を有し、該長孔にガイド部材を挿通するようにして、それぞれの押圧部材の上下方向への移動をガイドするようにした。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の紙葉類搬送装置において適用する押圧部材作動機構の一例を示す図である。図1において、1は押圧部材、2はスライド長孔、3はスライドガイド軸、4は押圧アーム、5はアーム押下板、6,8はスプリング、7は押圧部材引下棒、9はアーム押下板操作アーム、10はアーム軸、11は押圧部材作動機構支持体、12はアーム押下板回動軸13はスプリング支持体である。なお、図示はしないが、スライドガイド軸3の先端側には、押圧部材1がスライドガイド軸3から外れないようにするためストッパーが設けられる。
【0015】
この押圧部材1,1は、図10に示した押圧部材1,1に対応している。ただし、図10のものでは、左右の押圧部材1,1が押圧部材支持板40に一体的に固定されていたのに対して、本発明のものでは、左右の押圧部材1,1が互いに独立して動くようになっている。紙幣を搬送しないときは、図1の状態になっていて、スプリング8により押圧部材引下棒7の中央が下に引下げられており、それにより、押圧部材1,1は引き下げられて下方位置にある。
【0016】
左右の押圧アーム4,4は、それぞれ、スプリング6と共にアーム押下板回動軸12に回転可能な状態に軸止されており、スプリング6によりアーム押下板5に押し付けられるようなバネ力を受けている。アーム押下板操作アーム9の上端部は、図2に示すように、アーム押下板5に連結され、下端部は、図示はしないが、図10に示したマグネットコイル45と同様なマグネットコイルにより、矢印Aの方向に引かれるようになっている。
【0017】
アーム押下板操作アーム9の下端部が矢印Aの方向に引かれると、アーム押下板操作アーム9がアーム軸10を中心にして回転し、図2の矢印Bのようにアーム押下板5を上側に回動させる。アーム押下板5が上側に回動されると、図3(イ)に示すように、スプリング6で連結された押圧アーム4も上方に回動して、押圧部材1を上方に押し上げる。
【0018】
図3(イ)に示す状態で、押圧部材1に上から下に向けて力が加わると、押圧部材1を介して押圧アーム4が押される。そのとき押圧アーム4は、スプリング6によってアーム押下板5に押し付けられるようにバネ力を受けているが、押圧部材1を上から押す力がそのバネ力より大きくなると押圧アーム4は、図3(ロ)に示すように、アーム押下板5から離れて下方に回動する。しかし、押圧部材1を上から押す力がなくなったら、スプリング6のバネ力により、再び押圧部材1を押し上げる。そのようにして、アーム押下板5が上側に回動された図3(イ)の状態では、押圧部材1は、スプリング6により、上方位置に弾性的に保持されることになる。しかも、押圧アーム4,スプリング6は反対側にも別々に設けられていて、左右の押圧部材1,1は、互いに独立して弾性的に保持される。
【0019】
図4は、紙幣金庫へ紙幣を送り込むための紙幣送込機構を示す図である。図4において、符号は、図9のものに対応している。
図9に示したように、従来の紙幣送込機構では、押圧部材1をローラ25とローラ27との間に配置したが、本発明の紙葉類搬送装置を適用した紙幣送込機構では、押圧部材1は、バネ力を介して紙幣23を紙幣搬送ベルト24に押し付けるようにしているため、押圧部材1をローラ27の位置に配置することができる。なぜなら、紙幣23を直接押圧部材1でローラ27に押しつけるようにしても、押圧部材1が上方に押し上げられたときの衝撃をスプリング6の弾性力により吸収することができるからである。
【0020】
図5は、押圧部材により紙幣を紙幣搬送ベルトへ押しつけた状態を紙幣搬送方向から見た図である。図5(イ)は、紙幣に特段の折り皺がない場合を示し、図5(ロ)は、紙幣の一方の側にだけ強い折り皺がある場合を示している。符号は、図4のものに対応している。
【0021】
図5(イ)に示すように、紙幣23に特段の折り皺等がなく、左右の状態が同様であれば、左右の押圧部材1,1は、同じ高さで、かつ、ほぼ同じ押圧力で紙幣23を紙幣搬送ベルト24に押し付ける。一方、図5(ロ)に示すように、紙幣23の一方の側に折り皺があった場合は、紙幣23の折り皺がある部分を押圧する左側の押圧部材1と、折り皺がない部分を押圧する右側の押圧部材1とでは、高さに差が出てくる。しかし、左右の押圧部材1,1は、共に、スプリング6(図3)のバネ力で決まるほぼ同じ強さで紙幣23を押圧することになるので、紙幣23に作用する押圧力が均等になって紙幣の送りも左右均等に行われる。
【0022】
このように、左右の押圧部材1,1が、互いに独立して弾性的に保持されるようにしたため、紙幣23の状態が左右で異なっていても、左右の押圧力を均等にすることができて紙幣の送りを円滑に行うことができるが、押圧部材1を弾性的に保持するようにしたことによるそれ以外の効果として、マグネットコイルの取付調整が不要となるということが挙げられる。すなわち、アーム押下板操作アーム9の下端部を引くためのマグネットコイルの取付位置が多少ずれ、その結果、押圧アーム4が上昇したときの位置が多少異なっても、スプリング6のバネ力により押圧部材1の押圧力を一定に保つことができため、マグネットコイルの取付に高い精度は必要なくなる。
【0023】
また、上記実施形態では、アーム押下板操作アーム9を後方(矢印Aの方向)に引くようにしたが、下方に引くようにしてもよい。そのようにアーム押下板操作アーム9を引く方向を変えられるので、マグネットコイルの取付方向を自由に選択することができ、設計の自由度が広がる。その自由度は、アーム押下板操作アーム9の形状を変化させることによりさらに広がる。
【0024】
さらに、本発明では、押圧部材1を弾性的に保持するようにしたことにより、押圧部材1の取付位置をローラ27の位置まで紙幣金庫20に近付けることができる。その結果、紙幣金庫20のへりまで紙幣23の末尾を送ることができ、紙幣23の紙幣金庫20への送り込みをより完全に行うことができる。
【0025】
なお、上記実施形態では、紙幣識別装置において紙幣金庫20へ紙幣を搬送する場合を例にして説明したが、本発明はそれに限定されず、各種商品券やカード等、その他の紙葉類の搬送にも適用することができる。また、上記実施例では、押圧部材1の数は左右2つの場合を例にして説明したが、押圧部材1の数は2つに限らず3つ以上あってもよい。
【0026】
また、上記実施形態では、押圧部材引下棒7をスプリング8で下方に引き下げるのに、押圧部材引下棒7の中央にスプリング8を引掛けて、左右のバランスを保って押圧部材引下棒7を引き下げるようにした。そのため、押圧部材引下棒7の中央に対向する位置にスプリング支持体13を別途設けて、それにスプリング8を取り付けるようにした。しかしながら、スプリング8を押圧部材引下棒7に引掛ける位置は、押圧部材引下棒7の中央でなく左右のいずれかに偏っても、左右のバランスは多少くずれるが押圧部材引下棒7を支障無く引き下げることができる。そこで、図6に示すように、押圧部材引下棒7の中央からはずれるが、アーム軸10の支持板15にスプリング8を取り付けるようにすることもできる。そのようにすれば、アーム軸10の支持板15をスプリング8の支持体として兼用することができて、構造が簡単になる。
【0027】
また、押圧部材1の横方向への移動を規制して、押圧部材1を上下にスムースにガイドするためのガイド部材としては、図1に示したようなスライドガイド軸3以外にも、例えば、図7に示すような、板状のガイド板16を用いることもできる。さらに、押圧部材1にバネ力を与える手段としては、上記実施形態で示した例に限定されず、左右の押圧部材1,1が独立にバネ力を介して紙幣23を押圧できるものであればその他の手段を用いてもよい。例えば、図10に示されるような押圧部材支持板40に、左右の押圧部材1,1を板バネを介して取り付けるとか、押圧部材支持板40に対して左右の押圧部材1,1を上下方向にスライド可能に取り付け、押圧部材支持板40と押圧部材1,1との間にコイルバネを取り付けるとかすることも考えられる。
【0028】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明の紙葉類搬送装置によれば、左右の押圧部材に、バネ部材により独立に弾性押圧力を発生させるようにしたため、紙幣の状態に関係なく常に左右均等に押圧できて、紙幣の送りを円滑に行うことができるようになると共に、押圧部材を上下に移動させるためのマグネットコイルの取付調整が不要になる。しかも、簡単な構造でそれを実現することができる。
【0029】
また、押圧部材の上下動は、軸を中心にして回動する操作アームにより操作され、該操作アームを回動させるのに印加する力の方向はかなり自由に変えられるので、操作アームを操作するためのマグネットコイルの取付方向を自由に選択することができ、紙葉類搬送装置の設計の自由度が広がる。
そしてまた、前記一対の押圧部材を引き下げるための押圧部材引下棒を下方に引っ張るスプリングの支持を、前記操作アームの軸を支持する部材と兼用させるようにしたため、紙葉類搬送装置の構造がより一層簡単になる。
【0030】
さらにまた、前記一対の押圧部材は、縦方向に長孔を有し、該長孔にガイド部材を挿通するようにして、それぞれの押圧部材の上下方向への移動をガイドするようにしたため、紙葉類の状態が左右で異なっていても、紙葉類を左右均等に押圧力するように、押圧部材が円滑に上下動できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紙葉類搬送装置において適用する押圧部材作動機構の一例を示す図
【図2】アーム押下板の動作説明図
【図3】押圧部材作動機構の動作説明図
【図4】紙幣金庫へ紙幣を送り込むための紙幣送込機構を示す図
【図5】押圧部材により紙幣を紙幣搬送ベルトへ押しつけた状態を紙幣搬送方向から見た図
【図6】押圧部材作動機構の他の例を示す図
【図7】押圧部材スライドガイドの他の例を示す図
【図8】紙幣識別装置の概略構成を示す図
【図9】紙幣金庫へ紙幣を送り込むための従来の紙幣送込機構を示す図
【図10】従来の押圧部材作動機構を示す図
【符号の説明】
1 押圧部材
4 押圧アーム
5 アーム押下板
20 紙幣金庫
23 紙幣
24 紙幣搬送ベルト
30 紙幣識別装置
45 マグネットコイル

Claims (3)

  1. 紙葉類搬送路に配置される紙葉類搬送ベルトと、該紙葉類搬送ベルトに対して紙葉類をそれぞれ押圧する複数の押圧部材とを有し、軸を中心にして回動する操作アームと、該操作アームの一端に連結され、該操作アームの回動に従って上方に回動するアーム押下板と、該アーム押下板により上方への回動が規制され、かつ、それぞれがスプリングにより独立に上方への回動力が与えられる複数の押圧アームとを具え、前記複数の押圧部材は、前記押圧アームにそれぞれ当接して支持されていることを特徴とする紙葉類搬送装置。
  2. 前記一対の押圧部材の間に張り渡し、前記一対の押圧部材をそれぞれ前記押圧アームの位置まで引き下げるように作用する押圧部材引下棒を具え、該押圧部材引下棒は、前記操作アームの軸を支持する部材に一端が支持されるスプリングにより下方への引張力を受けるようにしたことを特徴とする請求項1記載の紙葉類搬送装置。
  3. 前記一対の押圧部材は、縦方向に長孔を有し、該長孔にガイド部材を挿通するようにして、それぞれの押圧部材の上下方向への移動をガイドするようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の紙葉類搬送装置。
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