JP2003094838A - 二色画像の形成方法、可逆的二色感熱記録媒体及び二色画像の消去方法 - Google Patents

二色画像の形成方法、可逆的二色感熱記録媒体及び二色画像の消去方法

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JP2003094838A
JP2003094838A JP2002263294A JP2002263294A JP2003094838A JP 2003094838 A JP2003094838 A JP 2003094838A JP 2002263294 A JP2002263294 A JP 2002263294A JP 2002263294 A JP2002263294 A JP 2002263294A JP 2003094838 A JP2003094838 A JP 2003094838A
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English (en)
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Kyoji Tsutsui
恭治 筒井
Takehito Yamaguchi
岳人 山口
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発色剤と顕色剤との間の反応を利用した可逆
的感熱記録媒体において、発色記録と記録消去を加熱の
みで容易に行わせることができるうえ、その発色記録状
態と記録消去の状態を常温でも安定に保持することが可
能で、二色画像を一回の熱印加で容易に形成できる簡便
型可逆的二色感熱記録媒体を提供し、更に該記録媒体使
用時の感熱記録方法を提供すること。 【解決手段】 支持体上に、発色色調が異なり且つ発色
体を得るのに必要な発色状態維持最小冷却速度の異なる
二種類の可逆的熱発色性組成物を、分離・独立して存在
させることを特徴とする可逆的二色感熱記録媒体。前記
記録媒体に存在する全部の可逆的熱発色性組成物を加熱
・溶融状態としてから急冷して、全部の可逆的熱発色性
組成物が発色した混合色画像を形成させる記録条件と、
一方の可逆的熱発色性組成物だけが発色可能な冷却速度
で冷却して単一色画像を形成させる記録条件の、両者を
使い分けることを特徴とする二色画像の形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子供与性呈色性
化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した
可逆的二色感熱記録媒体及び表示媒体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電子供与性呈色性化合物(以下、
発色剤とも言う)と電子受容性化合物(以下、顕色剤と
も言う)との間の発色反応を利用した感熱記録媒体は広
く知られ、電子計算機のアウトプット、ファクシミリ、
自動券売機、科学計測機のプリンター、CRT医療計測
用プリンター等に広く応用されている。しかし、従来の
製品はいずれもその発色が不可逆的なもので、発色と消
色を交互に繰り返し行わせることができない。一方、特
許公報によれば、発色剤と顕色剤との間の発色反応を利
用した感熱記録媒体において、発色と消色を可逆的に行
わせるものも幾つか提案されている。例えば、特開昭6
0−193691号公報(特許文献1)によれば顕色剤
として没食子酸とフロログルシノールとの組合せを用い
たものが示されている。このものを熱発色させて得られ
る発色体は水又は水蒸気で消色するものである。しか
し、この感熱記録媒体の場合、その耐水化に困難が伴う
上に記録保存性に難点があり、更に発色体を消色させる
ための消色装置が大型になるという問題がある。
【0003】特開昭61−237684号公報(特許文
献2)には、顕色剤にフェノールフタレン、チモールフ
タレン、ビスフェノール等の化合物を用いた書換形光記
録媒体が示されている。このものは、これを加熱後に徐
冷することにより発色体を形成し、一方、発色体を発色
温度よりも一たん高い温度に加熱後に急冷すると消色さ
せることができる。しかし、この記録媒体の場合は発色
及び消色の工程が複雑である上に発色体を消色させて得
られる消色体に未だ幾分の着色が見られ、コントラスト
の良い発色画像を得ることができない。特開昭62−1
40881号公報(特許文献3)、特開昭62−138
568号公報(特許文献4)及び特開昭62−1385
56号公報(特許文献5)には、発色剤と顕色剤とカル
ボン酸エステルの均質相溶体が示されている。このもの
は低温で完全着色状態、高温で完全消色状態を示し、そ
れらの中間温度で着色又は消色状態を保持させることが
できるもので、この媒体にサーマルヘッドで印字するこ
とにより、着色地肌(発色体)の上に白色文字(消色
体)を記録することができる。従って、この記録媒体の
場合は記録される画像がネガ画像のためにその用途が限
定される上、記録画像保存のために画像を特定温度範囲
内に保持する必要がある。
【0004】特開平2−188294号公報(特許文献
6)及び特開平2−188293号公報(特許文献7)
には、それぞれ、顕色剤として顕色作用と減色作用を可
逆的に行う没食子酸と高級脂肪族アミンとの塩、及びビ
ス(ヒドロキシフェニル)酢酸又は酪酸と高級脂肪族ア
ミンとの塩を用いたものが示されている。このものは、
特定温度域で熱発色させ、それより高温での加熱により
消色させることができるが、その顕色作用と減色作用と
は競争的に起るため、これらの作用を熱的に制御するこ
とがむつかしく、良好な画像コントラストが得られにく
い。以上のように、発色剤と顕色剤との反応を利用した
従来の可逆的感熱記録媒体は種々の問題点を含み、未だ
不満足のものであった。
【0005】一方、従来から多色記録に対する要望は大
きく、近年はラベル、回数券、タック紙、ビデオプリン
ター等に使用される2色の感熱記録材料が実用化の域に
達している。この製造法の骨子は、支持体上に異なった
発色熱エネルギーで異なった色調に発色する高温及び低
温発色層を積層させる点であり、2種類の方法が提案さ
れている。その一つは、高温発色層の発色時に発色する
低温発色層の画像を消色せず、高温発色層の発色時に得
られる画像の色調を、高温層だけが発色する場合の色調
と低温層が発色する場合の色調の中間色として得るもの
である。他は、高温発色層を発色させる場合に、適当な
消色剤を使用して同時に発色する低温層の発色画像を消
去するものである。しかし、前者では高温発色層の発色
色調が低温発色層の発色色調を充分に隠せるものでなけ
ればコントラストの良い2色画像が得られず、低温発色
層の発色色調が黒色では2色画像の形成が不能である。
後者では、発色色調の組合わせは自由であるが、発色性
と消色性の両立がむつかしいため充分満足できる消色剤
が見当らない。
【0006】以上のように、多色記録への要望は大きな
ものがあり、実用性の高い多色記録媒体は市場ニーズが
大きいと期待されているが、未だ研究は緒についたばか
りと言うのが現状である。感熱表示媒体の分野は更に多
色化の点でおくれており、現在の方式ではカラー化困難
とするのが一般的な考え方である。例えば、金属錯塩系
サーモクロミック材料を使用するサーマルディスプレー
の場合は、熱可逆性で書き込み自由な簡易型ディスプレ
ーとして注目されているが、コントラスト等に問題があ
って充分満足し得る段階にあるとは言えない。また、温
度による有機化合物の透明度変化を利用したサーマルデ
ィスプレーも提案されているが、この場合は白黒画像し
か得られないから、視覚に訴えるディスプレーや電子黒
板として適切な方式とは言えない。
【0007】本発明者らは、前記した多色記録への強い
要望に応えるために先に可逆的多色感記録媒体及び表示
媒体を開発し、特許を出願した(特願平4−8590
2、191644)。この記録媒体及び表示媒体(以
下、表示媒体も含めて単に記録媒体と言う)は、発色色
調及び消色温度領域の異なる複数の可逆的熱発色性組成
物を、それぞれ異なった記録層に加えて複数層の記録層
を持つ記録媒体にするか、或いは前記複数の組成物をそ
れぞれ異なったマイクロカプセルに内封して作成したマ
イクロカプセル組成物を、支持体上に塗工して形成され
る記録媒体である。この記録媒体は、従来の多色記録媒
体とは比較にならないほど利点の多い記録媒体である
が、該記録媒体で二色画像を得るためには、先ず両方の
組成物が発色するように画像状に熱を印加し、次いで該
発色画像から一方の色を排除することを目的に、その色
を持つ組成物の消色温度領域の温度になるように画像状
に熱を印加することが必要である。従って、一回の熱印
加で二色画像の形成が可能な簡便型多色記録媒体とは言
えず、記録時間の短縮化や記録装置の簡便化を指向する
最近の要望に充分に応えられる記録媒体とは言えない。
【0008】
【特許文献1】特開昭60−193691号公報
【特許文献2】特開昭61−237684号公報
【特許文献3】特開昭62−140881号公報
【特許文献4】特開昭62−138568号公報
【特許文献5】特開昭62−138556号公報
【特許文献6】特開平2−188294号公報
【特許文献7】特開平2−188293号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、発色剤と顕
色剤との間の反応を利用した可逆的感熱記録媒体におい
て、前記した従来の二色記録媒体が持つ諸問題を解決
し、一回の熱印加で二色画像の形成が可能な簡便型可逆
的二色感熱記録媒体を提供することをその課題とする。
また、本発明は上記記録媒体を使用する場合の記録方法
及び記録画像の消去方法を提供することもその課題とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明によれば、支持体上に、発
色色調が異なり且つ発色体を得るのに必要な発色状態維
持最小冷却速度の異なる二種類の可逆的熱発色性組成物
を、分離・独立して存在させることを特徴とする可逆的
二色感熱記録媒体及び表示媒体が提供される。また、本
発明によれば、前記の記録媒体又は表示媒体の記録層又
は表示層に含まれている二種類の組成物を加熱・溶融状
態とした後、これを前記した二種類の組成物の持つ発色
状態維持最小冷却速度のうち該速度が大きい方の冷却速
度以上の冷却速度で冷却して、記録層又は表示層にある
全部の組成物を発色させる全発色工程と、該二種類の組
成物を加熱・溶融状態とした後、これを該二種類の組成
物の持つ発色状態維持最小冷却速度の間の冷却速度で冷
却し、発色状態維持最小冷却速度の小さい方の組成物の
みを発色させる部分発色工程を含むことを特徴とする二
色画像の形成方法が提供される。
【0011】更に、本発明によれば、前記の方法で二色
画像が形成されている記録媒体又は表示媒体に含まれて
いる発色状態にある二種類の組成物を加熱・溶融状態と
した後、これを該二種類の組成物の持つ発色状態維持最
小冷却速度のいずれよりも小さい冷却速度で冷却するこ
とを特徴とする二色画像の消去方法が提供される。更に
また、本発明によれば、前記の方法で二色画像が形成さ
れている記録媒体又は表示媒体に含まれており、発色状
態にあると共に消色温度領域が相互に異なる二種類の組
成物を、高温側に消色開始温度がある方の組成物が持つ
消色温度領域の温度に加熱して該組成物を消色し、次に
低温側に消色開始温度がある方の組成物が持つ消色温度
領域の温度に加熱して該組成物を消色することを特徴と
する二色画像の消去方法が提供される。更にまた、本発
明によれば、前記の方法で二色画像が形成されている記
録媒体又は表示媒体に含まれており、発色状態にあると
共に消色温度領域が相互に共通している二種類の組成物
を、その共通した消色温度領域の温度に加熱して同時に
消色させることを特徴とする二色画像の消去方法が提供
される。
【0012】ここで、発色状態維持最小冷却速度(以
下、MCRと略記する)とは、溶融・発色状態の組成物
を発色したまま室温まで冷却することのできる冷却速度
の最小値であり、予備実験によって容易に測定すること
ができる物理的定数である。従って、溶融・発色状態の
組成物を室温まで冷却する場合、MCRより遅い冷却速
度で冷却すると該組成物の発色は消去されて消色状態の
組成物となり、一方、MCR以上の冷却速度で室温まで
冷却するとその発色状態は維持される。本発明の可逆的
二色感熱記録媒体では、顕色剤と発色剤の存在する記録
層又は表示層(以下、表示層も含めて単に記録層と言
う)が二層存在しているか、或いは顕色剤と発色剤が内
包されているマイクロカプセルを二種類含有する記録層
を備えている。そして、記録層が二層構成の記録媒体で
は二つの記録層の分離をより充分にするために、二つの
記録層間に樹脂中間層を設けることが好ましい。
【0013】本発明の可逆的二色感熱記録媒体に含まれ
る可逆的熱発色性組成物の発色は、加熱・溶融によって
瞬時に生起させることができ、その発色状態は室温でも
安定的に存在する。一方、溶融・発色状態にある該組成
物は発色温度より低い消色温度領域の温度に加熱してか
ら徐冷すれば消色し、その状態は室温でも安定的に保た
れる。本発明に使用される可逆的熱発色性組成物の発色
濃度と温度の関係を、図1のグラフによって説明する。
この図の横軸は温度を縦軸は濃度を示している。図中A
は室温で消色状態にある組成物を示し、Bは加熱・溶融
して発色した状態の組成物を示す。また、Cは室温で発
色状態にある組成物を示す。組成物Aを室温から昇温し
ていくと、溶融(共融)し始める温度Tで濃度が上
り、発色状態の組成物Bに変化する。この組成物Bを該
組成物のMCR以上の冷却速度で冷却すると、発色状態
を維持したまま室温に戻り、組成物Cに変化する(図中
の実線の経路)。発色状態の組成物Cを再び室温から昇
温していくと温度Tで濃度が低下し、ついには消色状
態となり組成物Dに変化する。組成物Dを冷却し降温す
ると、そのまま消色状態の組成物Aに戻る(図中の鎖線
の経路)。
【0014】図1に示された温度Tは組成物の発色開
始温度であり、Tは組成物の消色開始温度である。ま
た、TからTまでの温度が組成物の消色温度領域と
なる。図1からも分るように、本発明で使用される組成
物が示す発色・消色現象の特徴は、溶融して発色する温
度より低い温度領域に消色温度範囲があり、組成物を室
温で発色した状態からこの範囲に加熱すると消色するこ
とである。また、発色と消色の現象を繰り返し生起させ
得ることである。なお、図1は本発明で使用される組成
物の代表的な発色と消色の仕方を示したものであり、発
色開始温度及び消色開始温度は用いる材料の組合せで異
なる。また、溶融して発色している状態の組成物Bの濃
度と、その状態から冷却して得られた発色状態の組成物
Cの濃度は必らずしも一致するものではなく、異なる場
合もある。
【0015】図1に示された発色状態Cは、顕色剤分子
と発色剤分子とが相互作用した状態のまま規則的な凝集
構造をとっており、このような構造を形成するために発
色状態は室温で安定に保たれる。この発色状態を昇温し
て行くと、図1に示された温度Tで規則的な凝集構造
の崩壊が起る。そして、温度Tは顕色剤分子が単独で
凝集して結晶化することのできる温度であり、発色剤分
子と顕色剤分子間の結合力と顕色剤分子間の凝集力を比
較すると後者の方が強いため、顕色剤分子は発色剤分子
から離れて単独の結晶を形成し、これによって消色状態
が形成される。このような、発色状態からの昇温によっ
て消色が起る温度の領域は、前記の凝集構造が崩壊する
温度から顕色剤と発色剤の両者が溶融して発色するまで
の温度領域であるが、この温度領域は発色剤及び顕色剤
の種類によって異なり、かなり広い場合もあるが狭い場
合もある。
【0016】図1に示された発色状態Bから、室温で規
則的凝集構造を形成している図1の発色状態Cまで組成
物を冷却する冷却過程においても、顕色剤分子が単独で
結晶化することのできる消色温度領域を通るため、その
冷却速度をMCRより遅くするとその発色状態を消色状
態に変えることができる(図1の点線の経路)。ここ
で、溶融・発色状態にある記録画像が、該画像の冷却速
度如何によって発色状態を保持したり消色したりする理
由は以下のとおりである。すなわち、前記のように加熱
された発色画像の冷却過程では発色状態の組成物から顕
色剤が分離・結晶化できる消色温度領域を通るが、該組
成物から顕色剤が分離・結晶化するのには多少の時間が
必要なため、消色温度領域を通過するのに必要な時間が
分離・結晶化に要する時間より長ければ消色し、短かけ
れば顕色剤が充分に分離・結晶化しないうちに消色温度
領域から出てしまうために、顕色剤が分離・結晶化でき
ないで発色状態が保たれることになる。そして、後記の
ようにこの現象を利用すれば、二色画像を形成している
発色状態の組成物を加熱溶融後に徐冷させるだけで、そ
の発色が消去された初期状態にすることができる。
【0017】以上に詳記したように、本発明で使用され
る可逆的熱発色性組成物は、溶融状態まで加熱後にMC
R以上の冷却速度で冷却するだけで室温で安定な発色状
態となるうえ、MCRは組成物の種類によって異なって
いるから、記録層に含まれている全部の可逆的熱発色性
組成物が溶融・発色状態となるように画像状に熱印加後
に、冷却速度を変えるという一回の加熱/冷却サイクル
で二色画像を得ることができる。すなわち、該記録媒体
に含まれている二つの可逆的熱発色性組成物のMCRの
うち大きい方のMCR以上の冷却速度で冷却すれば、前
記組成物の両者が発色した混合色画像が得られ、二つの
組成物のMCRの間の冷却速度で冷却した場合は、MC
Rが小さい方の組成物だけが発色した単一色画像が得ら
れる。
【0018】ここに形成された二色画像は、該画像を形
成している二種類の可逆的熱発色性組成物の両者が溶融
する温度以上の温度に加熱してから、これを前記発色状
態にある二種類の可逆的熱発色性組成物のうち、MCR
が小さい方の冷却速度より遅い冷却速度で冷却すれば、
二色とも消色された初期状態が一回の加熱/冷却サイク
ルで得られる。また、二色画像を形成している二種類の
可逆的熱発色性組成物が示す消色温度領域のうち、高温
側に消色開始温度がある消色温度領域の温度に加熱して
その発色画像を消去してから、低温側に消色開始温度が
ある消色温度領域の温度に加熱することで、全部の発色
画像を逐次的に消去することもできる。それゆえ、画像
を消去して初期状態を得る方法は使用する組成物の特性
や記録条件等を勘案して前記のうちから適宜選択すれば
良い。なお、云うまでもないことであるが、二種類の熱
発色性組成物の消色温度領域に共通した温度範囲があれ
ば、その範囲の温度に加熱するだけで初期状態にするこ
とができる。
【0019】次に具体的に本発明に使用される材料につ
いて説明する。本発明で使用する可逆的熱発色性組成物
に用いられる顕色剤は、基本的に分子内に発色剤を発色
させることができる顕色能を示す構造と、分子間の凝集
力を制御する長鎖構造部分を合せ持つ化合物であり、炭
素数12以上の脂肪族基を持つ有機リン酸化合物や脂肪
族カルボン酸化合物やフェノール化合物、又は炭素数1
0〜18の脂肪族基を持つメルカプト酢酸の金属塩、或
いは炭素数16以上の脂肪族基を持つ酸性リン酸エステ
ル等である。脂肪族基には、直鎖状又は分枝状のアルキ
ル基やアルケニル基が包含され、ハロゲン、アルコキシ
基、エステル基等の置換基を持っていてもよい。以下、
顕色剤について具体的に例示する。
【0020】(a)有機リン酸化合物 下記一般式(1)で表されるものが好ましく用いられ
る。
【化1】 R−PO(OH) (1) (但し、Rは炭素数12以上の脂肪族基を表す) 一般式(1)で表される有機リン酸化合物の具体例とし
ては、例えば以下のものが挙げられる。ドデシルホスホ
ン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン
酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホスホン酸、
ドコシルホスホン酸、テトラコシルホスホン酸、ヘキサ
コシルホスホン酸、オクタコシルホスホン酸等。
【0021】有機リン酸化合物としては、下記一般式
(2)で表されるα−ヒドロキシアルキルホスホン酸も
好ましく使用される。
【化2】 (但し、Rは炭素数11〜29の脂肪族基である) 一般式(2)で表されるα−ヒドロキシアルキルホスホ
ン酸を具体的に示すと、α−ヒドロキシドデシルホスホ
ン酸、α−ヒドロキシテトラデシルホスホン酸、α−ヒ
ドロキシヘキサデシルホスホン酸、α−ヒドロキシオク
タデシルホスホン酸、α−ヒドロキシエイコシルホスホ
ン酸、α−ヒドロキシドコシルホスホン酸、α−ヒドロ
キシテトラコシルホスホン酸等があげられる。
【0022】有機リン酸化合物としては、下記一般式
(3)で表される酸性有機リン酸エステルも使用され
る。
【化3】 (式中、Rは炭素数16以上の脂肪族基を、Rは水
素原子又は炭素数1以上の脂肪族基を表している) 一般式(3)で表される酸性有機リン酸エステルを具体
的に示すと、ジヘキサデシルホスフェート、ジオクタデ
シルホスフェート、ジエイコシルホスフェート、ジドコ
シルホスフェート、モノヘキサデシルホスフェート、モ
ノオクタデシルホスフェート、モノエイコシルホスフェ
ート、モノドコシルホスフェート、メチルヘキサデシル
ホスフェート、メチルオクタデシルホスフェート、メチ
ルエイコシルホスフェート、メチルドコシルホスフェー
ト、アミルヘキサデシルホスフェート、オクチルヘキサ
デシルホスフェート、ラウリルヘキサデシルホスフェー
ト等が挙げられる。
【0023】(b)脂肪族カルボン酸化合物 下記一般式(4)で表されるα−ヒドロキシ脂肪酸が好
ましく用いられる。
【化4】 R−CH(OH)−COOH (4) (但し、Rは炭素数12以上の脂肪族基を表す) 一般式(4)で表されるα−ヒドロキシ脂肪族カルボン
酸化合物としては、例えば以下のものが挙げられる。α
−ヒドロキシドデカン酸、α−ヒドロキシテトラデカン
酸、α−ヒドロキシヘキサデカン酸、α−ヒドロキシオ
クタデカン酸、α−ヒドロキシペンタデカン酸、α−ヒ
ドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン酸、α
−ヒドロキシテトラコサン酸、α−ヒドロキシヘキサコ
サン酸、α−ヒドロキシオクタコサン酸等。
【0024】脂肪族カルボン酸化合物としては、ハロゲ
ン元素で置換された炭素数12以上の脂肪族基を持つ脂
肪族カルボン酸化合物で、その少なくともα位又はβ位
の炭素にハロゲン元素を持つものも好ましく用いられ
る。このような化合物の具体例としては、例えば以下の
ものを挙げることができる。2−ブロモヘキサデカン
酸、2−ブロモヘプタデカン酸、2−ブロモオクタデカ
ン酸、2−ブロモエイコサン酸、2−ブロモドコサン
酸、2−ブロモテトラコサン酸、3−ブロモオクタデカ
ン酸、3−ブロモエイコサン酸、2,3−ジブロモオク
タデカン酸、2−フロルドデカン酸、2−フロルテトラ
デカン酸、2−フロルヘキサデカン酸、2−フロルオク
タデカン酸、2−フロルエイコサン酸、2−フロルドコ
サン酸、2−ヨードヘキサデカン酸、2−ヨードオクタ
デカン酸、3−ヨードヘキサデカン酸、3−ヨードオク
タデカン酸、パーフロルオクタデカン酸等。
【0025】脂肪族カルボン酸化合物としては、炭素鎖
中にオキソ基を持つ炭素数12以上の脂肪族基がある脂
肪族カルボン酸化合物で、その少なくともα位、β位又
はγ位の炭素がオキソ基となっているものも好ましく用
いられる。このような化合物の具体例としては、例えば
以下のものを挙げることができる。2−オキソドデカン
酸、2−オキソテトラデカン酸、2−オキソヘキサデカ
ン酸、2−オキソオクタデカン酸、2−オキソエイコサ
ン酸、2−オキソテトラコサン酸、3−オキソドデカン
酸、3−オキソテトラデカン酸、3−オキソヘキサデカ
ン酸、3−オキソオクタデカン酸、3−オキソエイコサ
ン酸、3−オキソテトラコサン酸、4−オキソヘキサデ
カン酸、4−オキソオクタデカン酸、4−オキソドコサ
ン酸等。
【0026】脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一
般式(5)で表される二塩基酸も好ましく用いられる。
【化5】 (但し、Rは炭素数12以上の脂肪族基を表し、Xは
酸素原子又はイオウ原子を表し、nは1又は2を表す
が、Xnが−SO−基であっても良い) 一般式(5)で表される二塩基酸の具体例としては、例
えば以下のものが挙げられる。ドデシルリンゴ酸、テト
ラデシルリンゴ酸、ヘキサデシルリンゴ酸、オクタデシ
ルリンゴ酸、エイコシルリンゴ酸、ドコシルリンゴ酸、
デトラコシルリンゴ酸、ドデシルチオリンゴ酸、テトラ
デシルチオリンゴ酸、ヘキサデシルチオリンゴ酸、オク
タデシルチオリンゴ酸、エイコシルチオリンゴ酸、ドコ
シルチオリンゴ酸、テトラコシルチオリンゴ酸、ドデシ
ルジチオリンゴ酸、テトラデシルジチオリンゴ酸、ヘキ
サデシルジチオリンゴ酸、オクタデシルジチオリンゴ
酸、エイコシルジチオリンゴ酸、ドコシルジチオリンゴ
酸、テトラコシルジチオリンゴ酸、ドデシルスルホンブ
タン二酸、テトラデシルスルホンブタン二酸、ヘキサデ
シルスルホンブタン二酸、オクタデシルスルホンブタン
二酸、エイコシルスルホンブタン二酸、ドコシルスルホ
ンブタン二酸等。
【0027】脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一
般式(6)で表される二塩基酸も好ましく用いられる。
【化6】 (但し、R、R、Rは水素又は脂肪族基を表し、
このうち少なくとも一つは炭素数12以上の脂肪族基で
ある) 一般式(6)で表される二塩基酸の具体例としては、例
えば以下のものが挙げられる。ドデシルブタン二酸、ト
リデシルブタン二酸、テトラデシルブタン二酸、ペンタ
デシルブタン二酸、オクタデシルブタン二酸、エイコシ
ルブタン二酸、ドコシルブタン二酸、2,3−ジヘキサ
デシルブタン二酸、2,3−ジオクタデシルブタン二
酸、2−メチル−3−ドデシルブタン二酸、2−メチル
−3−テトラデシルブタン二酸、2−メチル−3−ヘキ
サデシルブタン二酸、2−エチル−3−ドデシルブタン
二酸、2−プロピル−3−ドデシルブタン二酸、2−オ
クチル−3−ヘキサデシルブタン二酸、2−テトラデシ
ル−3−オクタデシルブタン二酸等。
【0028】脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一
般式(7)で表される二塩基酸も好ましく用いられる。
【化7】 (但し、R10、R11は水素又は脂肪族基を表し、こ
のうち少なくとも一つは炭素数12以上の脂肪族基であ
る) 一般式(7)で表される二塩基酸の具体例としては、例
えば以下のものが挙げられる。ドデシルマロン酸、テト
ラデシルマロン酸、ヘキサデシルマロン酸、オクタデシ
ルマロン酸、エイコシルマロン酸、ドコシルマロン酸、
テトラコシルマロン酸、ジドデシルマロン酸、ジテトラ
デシルマロン酸、ジヘキサデシルマロン酸、ジオクタデ
シルマロン酸、ジエイコシルマロン酸、ジドコシルマロ
ン酸、メチルオクタデシルマロン酸、メチルエイコシル
マロン酸、メチルドコシルマロン酸、メチルテトラコシ
ルマロン酸、エチルオクタデシルマロン酸、エチルエイ
コシルマロン酸、エチルドコシルマロン酸、エチルテト
ラコシルマロン酸等。
【0029】脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一
般式(8)で表される二塩基酸も好ましく用いられる。
【化8】 (但し、R12は炭素数12以上の脂肪族基を表し、n
は0又は1を表し、mは1、2又は3を表し、nが0の
場合、mは2又は3であり、nが1の場合はmは1又は
2を表す) 一般式(8)で表される二塩基酸の具体例としては、例
えば以下のものが挙げられる。2−ドデシル−ペンタン
二酸、2−ヘキサデシル−ペンタン二酸、2−オクタデ
シル−ペンタン二酸、2−エイコシル−ペンタン二酸、
2−ドコシル−ペンタン二酸、2−ドデシル−ヘキサン
二酸、2−ペンタデシル−ヘキサン二酸、2−オクタデ
シル−ヘキサン二酸、2−エイコシル−ヘキサン二酸、
2−ドコシル−ヘキサン二酸等。
【0030】脂肪族カルボン酸化合物としては、長鎖脂
肪酸によりアシル化されたクエン酸等の三塩基酸も好ま
しく用いられる。その具体例としては、例えば以下のも
のが挙げられる。
【化9】
【0031】(c)フェノール化合物 下記一般式(9)で表される化合物が好ましく用いられ
る。
【化10】 (但し、Yは−S−、−O−、−CONH−又は−CO
O−を表し、R13は炭素数12以上の脂肪族基を表
し、nは1、2又は3の整数である) 一般式(9)で表されるフェノール化合物の具体例とし
ては、例えば以下のものが挙げられる。p−(ドデシル
チオ)フェノール、p−(テトラデシルチオ)フェノー
ル、p−(ヘキサデシルチオ)フェノール、p−(オク
タデシルチオ)フェノール、p−(エイコシルチオ)フ
ェノール、p−(ドコシルチオ)フェノール、p−(テ
トラコシルチオ)フェノール、p−(ドデシルオキシ)
フェノール、p−(テトラデシルオキシ)フェノール、
p−(ヘキサデシルオキシ)フェノール、p−(オクタ
デシルオキシ)フェノール、p−(エイコシルオキシ)
フェノール、p−(ドコシルオキシ)フェノール、p−
(テトラコシルオキシ)フェノール、p−ドデシルカル
バモイルフェノール、p−テトラデシルカルバモイルフ
ェノール、p−ヘキサデシルカルバモイルフェノール、
p−オクタデシルカルバモイルフェノール、p−エイコ
シルカルバモイルフェノール、p−ドコシルカルバモイ
ルフェノール、p−テトラコシルカルバモイルフェノー
ル、没食子酸ヘキサデシルエステル、没食子酸オクタデ
シルエステル、没食子酸エイコシルエステル、没食子酸
ドコシルエステル、没食子酸テトラコシルエステル等。
【0032】(d)メルカプト酢酸の金属塩 一般式(10)で表されるアルキル又はアルケニルメル
カプト酢酸の金属塩も好ましく使用される。
【化11】 (R14−S−CH−COO)M (10) (但し、R14は炭素数10〜18の脂肪族基を表し、
Mはスズ、マグネシウム、亜鉛又は銅を表す) 一般式(10)で表されるメルカプト酢酸金属塩の具体
例としては、例えば以下のものが挙げられる。デシルメ
ルカプト酢酸スズ塩、ドデシルメルカプト酢酸スズ塩、
テトラデシルメルカプト酢酸スズ塩、ヘキサデシルメル
カプト酢酸スズ塩、オクタデシルメルカプト酢酸スズ
塩、デシルメルカプト酢酸マグネシウム塩、ドデシルメ
ルカプト酢酸マグネシウム塩、テトラデシルメルカプト
酢酸マグネシウム塩、ヘキサデシルメルカプト酢酸マグ
ネシウム塩、オクタデシルメルカプト酢酸マグネシウム
塩、デシルメルカプト酢酸亜鉛塩、ドデシルメルカプト
酢酸亜鉛塩、テトラデシルメルカプト酢酸亜鉛塩、ヘキ
サデシルメルカプト酢酸亜鉛塩、オクタデシルメルカプ
ト酢酸亜鉛塩、デシルメルカプト酢酸銅塩、ドデシルメ
ルカプト酢酸銅塩、テトラデシルメルカプト酢酸銅塩、
ヘキサデシルメルカプト酢酸銅塩、オクタデシルメルカ
プト酢酸銅塩等。
【0033】本発明で使用される可逆的熱発色性組成物
は、基本的に前記顕色剤に対して発色剤を組合せること
によって構成されるものである。本発明で使われる発色
剤は電子供与性を示すものであり、それ自体無色或いは
淡色の染料前駆体であり、特に限定されず、従来公知の
トリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化
合物、フェノチアジン系化合物、ロイコオーラミン系化
合物、インドリノフタリド系化合物等が用いられる。そ
の発色剤の具体例を以下に示す。本発明に用いられる好
ましい発色剤として下記一般式(11)又は(12)の
化合物がある。
【化12】
【化13】 但し、R15は水素又は炭素数1〜4のアルキル基、R
16は炭素数1〜6のアルキル基、シクロヘキシル基又
は置換されていてもよいフェニル基を示す。フェニル基
に対する置換基としては、メチル基、エチル基等のアル
キル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基又は
ハロゲン等が示される。R17は水素、炭素数1〜2の
アルキル基、アルコキシ基又はハロゲンを表す。R18
は水素、メチル基、ハロゲン又は置換されていてもよい
アミノ基を表す。アミノ基に対する置換基は、アルキル
基、置換されていてもよいアリール基やアラルキル基等
であり、ここでの置換基はアルキル基、ハロゲン、アル
コキシ基等である。このような発色剤の具体例として
は、例えば次の化合物が挙げられる。
【0034】2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチル
アミノフルオラン 2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N
−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−
アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−
メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル
−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル
−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−
メチル−6−(N−sec−ブチル−N−エチルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N
−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−ア
ニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル−N−
エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル
−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルアミノ)
フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シ
クロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−ア
ニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N
−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(m−ト
リクロルメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチル
アミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリ
ノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2
−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6
−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラ
ン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−
6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−エチル−p
−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−エチルアニリ
ノ)フルオラン、2−(N−メチル−p−トルイジノ)
−3−メチル−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)
フルオラン、
【0035】2−アニリノ−6−(N−n−ヘキシル−
N−エチルアミノ)フルオラン、2−(o−クロルアニ
リノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−ブ
ロモアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
(o−クロルアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラ
ン、2−(o−フロルアニリノ)−6−ジブチルアミノ
フルオラン、2−(m−トリフロルメチルアニリノ)−
6−ジエチルアミノフルオラン、2−(p−アセチルア
ニリノ)−6−(N−n−アミル−N−n−ブチルアミ
ノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチ
ル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ
−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フル
オラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−2,
4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジベンジルア
ミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラ
ン、2−ジベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−ト
ルイジノ)フルオラン、2−(ジ−p−メチルベンジル
アミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオ
ラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−6−(N−
エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミ
ノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−メチ
ルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2
−メチルアミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フルオ
ラン、2−エチルアミノ−6−(N−メチル−p−トル
イジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メ
チル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−エ
チルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニ
リノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−メ
チルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−
(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−ジエチルアミ
ノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−ジエチルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジ
ノ)フルオラン、2−ジプロピルアミノ−6−(N−メ
チル−アニリノ)フルオラン、2−ジプロピルアミノ−
6−(N−エチル−アニリノ)フルオラン、2−アミノ
−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ
−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ
−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、2−アミ
ノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フル
オラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−トルイ
ジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p
−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N
−エチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミ
ノ−6−(N−プロピル−p−エチルアニリノ)フルオ
ラン、2−アミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチ
ルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチ
ル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミ
ノ−6−(N−プロピル−2,4−ジメチルアニリノ)
フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−クロ
ルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチ
ル−p−クロルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6
−(N−プロピル−p−クロルアニリノ)フルオラン、
【0036】2,3−ジメチル−6−ジメチルアミノフ
ルオラン、3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイ
ジノ)フルオラン、2−クロル−6−ジエチルアミノフ
ルオラン、2−ブロモ−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−クロル−6−ジプロピルアミノフルオラン、3
−クロル−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−
ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−ク
ロル−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フル
オラン、2−クロル−3−メチル−6−ジエチルアミノ
フルオラン、2−アニリノ−3−クロル−6−ジエチル
アミノフルオラン、2−(o−クロルアニリノ)−3−
クロル−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−
(m−トリフロルメチルアニリノ)−3−クロル−6−
ジエチルアミノフルオラン、2−(2,3−ジクロルア
ニリノ)−3−クロル−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、
1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−イソアミルア
ミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジブチルアミ
ノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−メチル−N
−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ
−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、そ
の他。
【0037】本発明において好ましく用いられる他の発
色剤の具体例を示すと以下の通りである。2−アニリノ
−3−メチル−6−(N−2−エトキシプロピル−N−
エチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロルアニリ
ノ)−6−(N−n−オクチルアミノ)フルオラン、2
−(p−クロルアニリノ)−6−(N−n−パルミチル
アミノ)フルオラン、2−(p−クロルアニリノ)−6
−(ジ−n−オクチルアミノ)フルオラン、2−ベンゾ
イルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フル
オラン、2−(o−メトキシベンゾイルアミノ)−6−
(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベ
ンジルアミノ−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、2−ジベンジルアミノ−4−メトキシ−6−(N
−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベンジル
アミノ−4−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジ
ノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−
4−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(p
−トルイジノ)−3−(t−ブチル)−6−(N−メチ
ル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(o−メトキシ
カルボニルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−アセチルアミノ−6−(N−メチル−p−トル
イジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−(m−
トリフロルメチルアニリノ)フルオラン、4−メトキシ
−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2
−エトキシエチルアミノ−3−クロル−6−ジブチルア
ミノフルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−クロル−
6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−
(α−フェニルエチルアミノ)−4−クロル−6−ジエ
チルアミノフルオラン、2−(N−ベンジル−p−トリ
フロルメチルアニリノ)−4−クロル−6−ジエチルア
ミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ピロ
リジノフルオラン、2−アニリノ−3−クロル−6−ピ
ロリジノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)フ
ルオラン、2−メシジノ−4′,5′−ベンゾ−6−ジ
エチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロルメチル
アニリノ)−3−メチル−6−ピロリジノフルオラン、
2−(α−ナフチルアミノ)−3,4−ベンゾ−4′−
ブロモ−6−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミ
ノ)フルオラン、2−ピペリジノ−6−ジエチルアミノ
フルオラン、2−(N−n−プロピル−p−トリフロル
メチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオラン、2−
(ジ−N−p−クロルフェニル−メチルアミノ)−6−
ピロリジノフルオラン、2−(N−n−プロピル−m−
トリフロルメチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオ
ラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−n−オ
クチルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジア
リルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エ
トキシエチル−N−エチルアミノ)フルオラン、
【0038】ベンゾロイコメチレンブルー、2−〔3,
6−ビス(ジエチルアミノ)〕−6−(o−クロルアニ
リノ)キサンチル安息香酸ラクタム、2−〔3,6−ビ
ス(ジエチルアミノ)〕−9−(o−クロルアニリノ)
キサンチル安息香酸ラクタム、3,3−ビス(p−ジメ
チルアニリノ)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメチ
ルアニリノ)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリ
スタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジ
メチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフタリド、3,
3−ビス(p−ジメチルアニリノ)−6−クロルフタリ
ド、3,3−ビス(p−ジブチルアニリノ)フタリド、
3−(2−メトキシ−4−ジメチルアニリノ)−3−
(2−ヒドロキシ−4,5−ジクロルフェニル)フタリ
ド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメチルアニリノ)−
3−(2−メトキシ−5−クロルフェニル)フタリド、
3−(2−ヒドロキシ−4−ジメトキシアニリノ)−3
−(2−メトキシ−5−クロルフェニル)フタリド、3
−(2−ヒドロキシ−4−ジメチルアニリノ)−3−
(2−メトキシ−5−ニトロフェニル)フタリド、3−
(2−ヒドロキシ−4−ジエチルアニリノ)−3−(2
−メトキシ−5−トリル)フタリド、3−(2−メトキ
シ−4−ジメチルアニリノ)−3−(2−ヒドロキシ−
4−クロル−5−メトキシフェニル)フタリド、3,6
−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,
3′)−6′−ジメチルアミノフタリド、6−クロル−
8−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、6−
ブロモ−2−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラ
ン、その他。
【0039】本発明の可逆的二色感熱記録媒体におい
て、可逆的感熱記録層内の発色剤と顕色剤の割合は、使
用する化合物の物性によって適切な比率を選択する必要
があるが、その範囲はモル比で発色剤1に対し顕色剤が
1から20の範囲、好ましくは2から10の範囲であ
る。顕色剤及び発色剤は単独でも2種以上混合して使用
しても良いが、発色剤と顕色剤の割合によって消色特性
が変化し、比較的顕色剤が多い場合は消色開始温度が低
くなり、比較的少ない場合は消色が温度に対してシャー
プになる。従って、この割合は用途や目的に応じて適当
に選択すればよい。可逆的感熱記録層を構成する熱発色
性組成物は、基本的に前記の顕色剤と発色剤によって成
り立つものであるが、種々の特性、例えば消色性や保存
性等の改善を目的として、顕色剤の結晶化をコントロー
ルする効果のある添加剤等を含有させることができる。
【0040】本発明では、可逆的感熱記録層を二層設け
る等の方法で該記録媒体を二色画像形成可能な記録媒体
にしているが、積層させる記録層の間には樹脂中間層を
設けるのが望ましい。ここで用いられる樹脂中間層は、
加熱時に記録層相互が混ざらないようにするためのもの
であり、耐熱性樹脂で形成するのが好ましい。また、支
持体は紙、合成紙、プラスチックフィルム或いはこれら
の複合体、ガラス板等であり、記録層を保持できるもの
であればよい。可逆的感熱記録層は、前記の熱発色性組
成物が存在すればどのような態様のものでも良く、例え
ば顕色剤と発色剤を混合・溶融して膜とし、これを冷却
して可逆的感熱記録層としても良い。しかし、通常はバ
インダー樹脂内に顕色剤及び発色剤を充分良く分散して
可逆的感熱記録層とするのが良く、この方法で長寿命の
可逆的二色感熱記録媒体が得られる。
【0041】バインダー樹脂としては、例えばヒドロキ
シエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、
メトキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、メ
チルセルロース、酢酸セルロース、ゼラチン、カゼイ
ン、澱粉、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビ
ニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレ
ン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステ
ル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネ
ート、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エ
ステル類、アクリル酸共重合体、マレイン酸共重合体、
ポリビニルアルコール、塩素化塩化ビニル樹脂、これら
の樹脂の混合物等が用いられる。
【0042】顕色剤及び発色剤は、そのまま或いはマイ
クロカプセル中に内包して用いることができる。顕色
剤、発色剤のマイクロカプセル化は、コアセルベーショ
ン法、界面重合法、インサイチュ重合法など公知の方法
によって行えばよい。可逆的感熱記録層の形成は、従来
公知の方法に従い、発色剤及び顕色剤をバインダー樹脂
と共に水又は有機溶剤により均一に分散もしくは溶解し
て、これを支持体上又は中間層の上に塗布・乾燥するこ
とによって行うことができる。可逆的感熱記録層のバイ
ンダー樹脂の役割は、発色・消色の繰り返しによって熱
発色性組成物が凝集するのを防止し、熱発色性組成物が
均一に分散した状態を保持することにある。特に、発色
時の熱の印加で熱発色性組成物が凝集して不均一化する
ことが多いため、バインダー樹脂は耐熱性の高いものが
好ましい。本発明の可逆的二色感熱記録媒体において
は、必要に応じて塗布特性或いは記録特性の向上を目的
に、通常の感熱記録紙に用いられている種々の添加剤、
例えば分散剤、界面活性剤、高分子カチオン系導電剤、
填料、発色画像安定剤、酸化防止剤、光安定化剤、滑剤
等を記録層に加えることも出来る。
【0043】樹脂中間層は、前記のように隣接する可逆
的感熱記録層が消発色時の加熱・加圧で混合するのを防
止することが目的の分離層である。本発明の可逆的二色
感熱記録媒体では、記録層を構成する二層のバインダー
樹脂に同一樹脂を使った場合、熱印加時の加圧・加熱で
隣接記録層が部分的に混合する傾向を持つことが認めら
れる。樹脂中間層はこのような問題を解決する。樹脂中
間層は、隣接する記録層のバインダー樹脂と相溶しにく
い樹脂又は相溶しない樹脂や、記録温度では溶融しない
樹脂を記録層上に塗工することにより形成することがで
きる。記録層が有機溶媒を含む塗工液で形成される場合
には、水性溶媒を含む水溶性樹脂塗工液を使って中間層
を形成するのがよい。また、樹脂中間層は、耐熱性樹脂
フィルムを記録層の上に貼り合わせて形成させることも
可能であり、記録媒体の発色性や画像保存性等の点か
ら、樹脂フィルムをドライラミネート法で接着させて形
成させるのが特に好ましい。
【0044】中間層形成用の樹脂フィルムとしては、ポ
リエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルムが
好ましく使用される。また、ポリアミド、ポリイミド、
ポリアミドイミド、ポリパラバン酸等のフィルムも好ま
しく用いられる。樹脂フィルムの接着に使用する接着剤
は、ドライラミネート法で使用される接着剤がいずれも
使用可能であり、熱可塑性樹脂ではアイオノマー樹脂、
アクリル樹脂(水系エマルジョンを含む)、変性エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、ポリブタジエン、フェノキシ
樹脂、ポリビニルエーテル、ポリビニルホルマール、酢
酸ビニル樹脂、ポリエステル等が使用される。熱硬化性
樹脂ではウレタン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、
フェノール樹脂、尿素樹脂等が使用される。樹脂中間層
の厚さは、記録・消去の繰り返しによる熱及び圧力の印
加で破損を生じない程度の厚さであればよい。しかし、
樹脂中間層が厚すぎると伝熱性が悪くなるから出来るだ
け薄いものが良く、通常は10μm以下が好ましい。
【0045】本発明において、可逆的感熱記録層を単層
にするためにマイクロカプセルに内包した可逆的熱発色
性組成物を二種記録層に含有させる場合は、以下のよう
にして可逆的二色感熱記録媒体を作製することができ
る。すなわち、常法によって発色色調及び冷却速度Cの
異なる二種の組成物のそれぞれをマイクロカプセル化
し、これを混合したものを常法に従って支持体上に塗工
すれば良い。マイクロカプセル壁形成用樹脂としては、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の従来公知の熱可逆
性樹脂や熱硬化性樹脂が用いられる。マイクロカプセル
を支持体上に塗工するのに使用するバインダー樹脂は、
耐熱性が高く機械的強度も大きい樹脂が望ましく、本発
明の可逆的二色感熱記録媒体を二層構成の記録層で作製
する場合に使用するバインダー樹脂として先に例示した
樹脂が、いずれも使用可能である。また、マイクロカプ
セルを含有する記録層の熱的及び機械的強度を向上させ
るために、該層のバインダー樹脂に硬化性樹脂を使用
し、設層後に硬化させる方法は該層の設層方法として推
奨される。
【0046】本発明の可逆的二色感熱記録媒体は、その
表面に保護層を形成させることができる。保護層は、熱
印加時の熱と圧力で表面が変形したり変色したりするこ
とを防止する役割のほか、耐薬品性、耐水性、耐摩擦
性、ヘッドマッチング性等を向上させる役割も行うもの
である。保護層を形成する材料は、耐熱性で且つ強度の
大きい樹脂フィルムを使用するのが望ましく、ポリアミ
ドフィルム、ポリイミドフィルム、芳香族ポリエステル
フィルム、ポリパラバン酸フィルム等が使用される。こ
のような保護層の形成で、前記のように耐熱性が向上す
ると共に、有機溶剤、可塑剤、油、汗、水等の接触に対
する抵抗力も増加し、悪い環境でも画像の形成及び消去
を問題なく繰り返すことのできる記録媒体を得ることが
できる。また、保護層中に光安定化剤を含有させること
で画像及び地肌の耐光性が著しく改良された記録媒体が
得られ、高分子カチオン系導電剤の添加で帯電防止を可
能とし、さらに保護層に有機又は無機フィラー及び滑剤
を含有させることにより、サーマルヘッド等との接触で
生じるスティッキング等の問題もなく、信頼性及びヘッ
ドマッチング性にすぐれた感熱記録媒体を得ることがで
きる。
【0047】本発明の可逆的二色感熱記録媒体では、必
要に応じて支持体と記録層の間にアンダーコート層を設
置しても良い。アンダーコート層は、断熱性向上、支持
体と記録層間の接着性向上、記録層作成時の溶剤に対す
る支持体の耐性向上、熱印加時の支持体による発色剤や
顕色剤の吸収防止等の目的で設置するものであり、支持
体の種類を勘案して設置の有無を定めれば良い。アンダ
ーコート層の重要な役割の一つは断熱性向上であるが、
これは印加熱エネルギーを無駄なく熱記録形成や熱消去
に役立たせるためのもであり、断熱層の設置で発色及び
消色をシャープに行うことができる。断熱を目的とする
アンダーコート層の形成は、支持体上に有機又は無機材
質より成る微小中空体粒子を塗工すれば良く、具体的に
はガラス又はセラミックス、或いはプラスチック等で形
成された粒径10〜50μm程度の微小中空体を、バイ
ンダー樹脂と共に溶剤に良く分散させて支持体上に均一
に塗布・乾燥させれば良い。
【0048】本発明の可逆的二色感熱記録媒体は種々の
手順で製造可能であり、例えば支持体上に記録層Aを塗
布し、その上に接着剤を塗布した樹脂フィルムをラミネ
ートし、次に記録層Bを塗布してから樹脂フィルムをラ
ミネートするようにして製造することができる。なお、
ラミネート法では貼り合せた後にヒートローラー等で加
圧・加熱して強固に接着させるが、この加圧・加熱は保
護層を含めた全層を貼り合せてから行っても良いし、個
々に行っても良い。また、前記のように発色色調及びM
CRの異なる二種のマイクロカプセルを含む組成物を、
支持体上に塗工して記録層を形成させることもできる。
本発明では、支持体に透明フィルムを使用することで透
明記録媒体を得ることができ、これは表示媒体に好まし
く使用される。この場合は、中間層及び保護層に使用す
るフィルムも透明度の高い方が好ましいことは言うまで
もない。
【0049】本発明では、画像の形成及び消去の際に記
録媒体に熱を印加しなければならないが、この場合の加
熱手段は通常の感熱記録の場合と同一で良く、例えば画
像状に熱を印加する場合にはサーマルヘッド、レーザー
光加熱、熱ペン等を使用することができる。また、全面
的に熱を印加する場合にはヒートローラーや面状ヒータ
ー等に接触させても良いし、温風を吹き付けたり加熱さ
れた恒温槽内に入れたり赤外線等を照射したりしても良
く、特に限定されない。
【0050】本発明の記録方法では、溶融・発色状態に
ある可逆的熱発色性組成物の冷却速度をコントロール
し、これによって二色画像を一度の熱印加で得ることを
特徴にしている。この場合の冷却速度のコントロールは
以下のように行われる。すなわち、MCR以上の冷却速
度での急冷が必要な場合は該記録媒体を室温に保持又は
冷却しながら熱印加すれば良く、MCRより低い冷却速
度の徐冷の場合には該記録媒体を所定温度に加温しなが
ら熱を印加すれば良い。このような記録媒体の温度制御
は、加熱ローラー又は冷却ローラーで記録媒体を裏面か
ら加熱又は冷却する等の方法で達成される。また、溶融
した組成物の冷却速度は、その組成物を加熱溶融するの
に用いるサーマルヘッドに対する印加電流のパルス幅で
も変動するから、急冷して混合色画像を形成させる場合
には高電圧で短いパルスの電流を、徐冷して単一色画像
を形成させる場合には低電圧で長いパルスの電流をサー
マルヘッドに加えるのがよい。サーマルヘッドに対して
低電圧で長いパルスの電流を印加するときには、組成物
に対する加熱時間が長くなるために印字周縁部にも熱が
伝達され、組成物の冷却速度が遅くなるという徐冷効果
を得ることができる。
【0051】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例で更に詳細
に説明するが、本発明はこの実施例で限定されるもので
はない。なお、以下に示す部はいずれも重量基準であ
る。先ず、MCRが異なる組成物を求めるために予備実
験を行った。すなわち、所定混合比の発色剤と顕色剤の
混合物を充分に粉砕・混合し、これを170℃に加熱し
たガラス基板上に少量のせて溶融・発色状態にしてか
ら、該溶融物の上にカバーグラスをかぶせて融液を一様
な厚さにして試料とした。この試料を種々の冷却速度で
冷却し、冷却後の発色状態を調べる方法で試行錯誤的に
該組成物のMCRを求めた。この結果、下記組成物
(A)に示した発色剤と顕色剤から成る組成物は発色色
調が赤で、MCRは20℃/分であった。また、下記組
成物(B)に示した発色剤と顕色剤から成る組成物は発
色色調が黒で、MCRは20℃/秒であった。更に、実
施例2に示す組成物(C)を構成する発色剤と顕色剤か
ら成る組成物は発色色調が黒で、MCRは40℃/分で
あった。この結果、組成物(A)と(B)から成る記録
媒体及び組成物(A)と(C)から成る記録媒体は、本
発明の可逆的二色感熱記録媒体として使用可能である。
【0052】実施例1 下記の顕色剤と発色剤を含む組成物(A)、(B)をそ
れぞれボールミルで粒径約1μmになるまで十分に粉砕
・分散して記録層形成用塗布液を調製した。 (A) 発色剤:1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−iso− アミルアミノ)フルオラン 10部 顕色剤:ヘキサデシルホスホン酸 30部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ユニオンカーバイト社製 VYHH) 45部 トルエン 200部 メチルエチルケトン 200部 (B) 発色剤:2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチアルアミノフル オラン 10部 顕色剤:リン酸ジヘキサデシル 30部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ユニオンカーバイト社製 VYHH) 45部 トルエン 200部 メチルエチルケトン 200部 厚さ約100μmのポリエステルフィルム上に、塗布液
(A)を塗布・乾燥して膜厚約5μmの記録層(A)を
設けた。
【0053】一方、厚さ4.5μmのポリエステルフィ
ルムの片面に接着剤として飽和ポリエステル樹脂〔東洋
紡(株)製バイロン300〕のトルエン/メチルエチル
ケトン溶液を塗布・乾燥し、このフィルムの接着剤塗布
面を前記の記録層(A)の上に重ね、圧力2kg(線
圧)、温度125℃のヒートローラーを通して圧着し
た。なお、接着剤の乾燥付着量は3g/mであった。
このようにして形成した樹脂中間層の上に、塗布液
(B)を塗布・乾燥して膜厚約5μmの記録層(B)を
設け、本発明の可逆的二色感熱記録媒体を作製した。こ
の記録媒体を、温度125℃のホットプレート上に20
秒間のせてから氷水に裏面を接触させて急冷したとこ
ろ、(A)、(B)の両方の記録層が発色して黒色の画
像が得られた。次に、この記録媒体を再度125℃に加
熱し、そのままホットプレートからゆっくり離しながら
放冷すると(B)層は消色し、(A)層の発色のみとな
るために画像の色は赤色となった。
【0054】次に、(A)層の消色温度領域にある60
℃に20秒間加熱してから冷却すると(A)層も消色
し、ほぼ無色透明な状態が得られた。この記録媒体を再
び125℃に加熱してから氷水に裏面を接触させて急冷
し、(A)、(B)両層が発色した黒色画像とした後
に、両層の共通の消色温度領域にある60℃に20秒間
加熱してから冷却すると、両層とも消色してほぼ無色透
明となった。以上の結果より、この記録媒体は溶融温度
からの冷却速度を変えることにより黒と赤の二色の画像
が任意に形成でき、どちらの発色の画像も加熱により容
易に消去できることが分る。
【0055】実施例2 実施例1と同様にしてポリエステルフィルム上に記録層
(A)及び中間層を設けた。その上に、実施例1の場合
と同じ方法で調製した下記組成の塗布液を塗布・乾燥し
て記録層(C)を設け、本発明の可逆的二色感熱記録媒
体を作製した。 (C) 発色剤:2−アニリノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノ フルオラン 10部 顕色剤:エイコシルチオリンゴ酸 30部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ユニオンカーバイト社製 VYHH) 45部 トルエン 200部 メチルエチルケトン 200部 この記録媒体を、温度125℃のホットプレート上で2
0秒間加熱した後、ただちに裏面を氷水に接触させて急
冷したところ、(A)、(C)の両記録層が発色して黒
色の画像が得られた。次に、再度125℃に加熱して、
そのままホットプレートからゆっくり離しながら放冷す
ると(C)層は消色し、(A)層だけが発色した状態と
なったために画像の色は赤くなった。
【0056】次に、この記録媒体を(A)層の消色温度
領域にある60℃に20秒間加熱後に冷却すると、
(A)層も消色してほぼ無色透明となった。この記録媒
体を、再び125℃に加熱してから氷水に裏面を接触さ
せて急冷し、(A)、(C)両層が発色した黒色画像を
形成後に、両層の共通の消色温度領域の60℃に20秒
間加熱して冷却すると、両層とも一度に消色してほぼ無
色透明な状態が得られた。同様に、125℃に加熱後に
急冷して得られた黒色画像を、(C)層の消色温度領域
ではあるが(A)層の消色温度領域からは高温側にはず
れた75℃に20秒間加熱後に放冷すると、この場合も
両層とも消色してほぼ無色透明となった。以上の結果よ
り、この記録媒体は溶融温度からの冷却速度を変えるこ
とにより黒と赤の二色の画像が任意に形成でき、どちら
の発色画像も加熱により容易に消去できることが分る。
【0057】
【発明の効果】本発明の可逆的二色感熱記録媒体は、熱
印加時の記録媒体温度を制御するだけで容易に高品質の
二色画像を一回の熱印加で形成可能である。その二色画
像は、熱によって容易に消去することができる。従っ
て、本発明の記録媒体を用いることにより、何度も繰り
返して画像の形成・消去を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する可逆的熱発色性組成物の発色
濃度と温度との関係を示すグラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年10月9日(2002.10.
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 二色画像の形成方法、可逆的二色感熱
記録媒体及び二色画像の消去方法
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子供与性呈色性
化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した
二色画像の形成方法、可逆的二色感熱記録媒体及び二色
画像の消去方法に関するものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、発色剤と顕
色剤との間の反応を利用した可逆的感熱記録媒体におい
て、前記した従来の二色記録媒体が持つ諸問題を解決
し、発色画像の形成及び該発色画像の消去をそれぞれ
回の熱印加で行うことのできる二色画像形成方法、該
方法に用いる簡便型可逆的二色感熱記録媒体を提供する
ことをその課題とする。また、本発明は上記記録媒体を
使用する場合に、該媒体上の記録画像の消去方法を提供
することもその課題とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明によれば、以下に示す二色
画像の形成方法、可逆的二色記録媒体及び二色画像の消
去方法が提供される。 (1)支持体上の片面に、電子供与性呈色性化合物と、
炭素数12以上の脂肪族基を持つ有機リン酸化合物、脂
肪族カルボン酸化合物、フェノール化合物;炭素数10
〜18の脂肪族基を持つメルカプト酢酸の金属塩;及び
炭素数16以上の脂肪族基を持つ酸性リン酸エステルの
中から選ばれる一種の電子受容性化合物とからなり、発
色色調が相互に異なり且つ溶融温度から発色状態を形成
するのに必要な発色状態維持最小冷却速度が相互に異な
る2種類の可逆的熱発色性組成物のうちの一方の第1組
成物を含有する第1記録層とその他方の第2組成物を含
有する第2記録層とを積層した構造を有する可逆的二色
感熱記録媒体を用いて、該記録媒体上に、該第1組成
物、及び該第2組成物の両組成物の発色により形成され
る混合色の部分Mと、該2つの組成物のうちの発色状態
維持最小冷却速度が小さい方の組成物の発色により形成
される単一色の部分Sを形成させる方法であって、該記
録媒体上の少なくとも2つの個所を加熱冷却させる工程
からなり、該2つの組成物の発色により形成される混合
色の部分Mにおいては、該加熱により両組成物を溶融さ
せた後、各組成物が持つ発色状態維持最小冷却速度のい
ずれよりも大きな冷却速度で冷却し、一方、該2つの組
成物のうちの発色状態維持最小冷却速度が小さい方の組
成物により形成される単一色の部分Sにおいては、該加
熱により両組成物を溶融させた後、該2つの組成物の各
発色状態維持最小速度の中間の冷却速度で冷却すること
を特徴とする二色画像の形成方法。 (2)支持体上の片面に、電子供与性呈色性化合物と、
炭素数12以上の脂肪族基を持つ有機リン酸化合物、脂
肪族カルボン酸化合物、フェノール化合物;炭素数10
〜18の脂肪族基を持つメルカプト酢酸の金属塩;及び
炭素数16以上の脂肪族基を持つ酸性リン酸エステルの
中から選ばれる一種の電子受容性化合物とからなり、発
色色調が相互に異なり且つ溶融温度から発色状態を形成
するのに必要な発色状態維持最小冷却速度が相互に異な
る2種類の可逆的熱発色性組成物のうちの一方の第1組
成物を含有する第1マイクロカプセルとその他方の第2
組成物を含有する第2マイクロカプセルとを混合保持す
る1つの記録層を積層した構造を有する可逆的二色感熱
記録媒体を用いて、該記録媒体上に、該第1組成物、及
び該第2組成物の両組成物の発色により形成される混合
色の部分Mと、該2つの組成物のうちの発色状態維持最
小冷却速度が小さい方の組成物の発色により形成される
単一色の部分Sを形成させる方法であって、該記録媒体
上の少なくとも2つの個所を加熱冷却させる工程からな
り、該2つの組成物の発色により形成される混合色の部
分Mにおいては、該加熱により両組成物を溶融させた
後、各組成物が持つ発色状態維持最小冷却速度のいずれ
よりも大きな冷却速度で冷却し、一方、該2つの組成物
のうちの発色状態維持最小冷却速度が小さい方の組成物
により形成される単一色の部分Sにおいては、該加熱に
より両組成物を溶融させた後、該2つの組成物の各発色
状態維持最小速度の中間の冷却速度で冷却することを特
徴とする二色画像の形成方法。 (3)前記(1)の方法に用いられる記録媒体であっ
て、支持体上の片面に、電子供与性呈色性化合物と、炭
素数12以上の脂肪族基を持つ有機リン酸化合物、脂肪
族カルボン酸化合物、フェノール化合物;炭素数10〜
18の脂肪族基を持つメルカプト酢酸の金属塩;及び炭
素数16以上の脂肪族基を持つ酸性リン酸エステルの中
から選ばれる一種の電子受容性化合物とからなり、発色
色調が相互に異なり且つ溶融温度から発色状態を形成す
るのに必要な発色状態維持最小冷却速度が相互に異なる
2種類の可逆的熱発色性組成物のうちの一方の第1組成
物を含有する第1記録層とその他方の第2組成物を含有
する第2記録層とを積層した構造を有することを特徴と
する可逆的二色感熱記録媒体 (4)前記(2)の方法に用いられる記録媒体であっ
て、支持体上の片面に、電子供与性呈色性化合物と、炭
素数12以上の脂肪族基を持つ有機リン酸化合物、脂肪
族カルボン酸化合物、フェノール化合物;炭素数10〜
18の脂肪族基を持つメルカプト酢酸の金属塩;及び炭
素数16以上の脂肪族基を持つ酸性リン酸エステルの中
から選ばれる一種の電子受容性化合物とからなり、発色
色調が相互に異なり且つ溶融温度から発色状態を形成す
るのに必要な発色状態維持最小冷却速度が相互に異なる
2種類の可逆的熱発色性組成物のうちの一方の第1組成
物を含有する第1マイクロカプセルとその他方の第2組
成物を含有する第2マイクロカプセルとを混合保持する
1つの記録層を積層した構造を有することを特徴とする
可逆的二色感熱記録媒体。 (5)前記(1)又は(2)の方法で二色画像が形成さ
れている記録媒体に含まれている発色状態にある2種類
の組成物を加熱・溶融状態とした後、これを該2種類の
各組成物の持つ発色状態維持最小冷却速度のいずれより
も小さい冷却速度で冷却することを特徴とする二色画像
の消去方法。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】尚、本明細書でいう記録媒体は表示媒体を
包含するものとし、また、記録層は表示層を包含するも
のとする。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【発明の実施の形態】ここで、発色状態維持最小冷却速
度(以下、MCRと略記する)とは、溶融・発色状態の
組成物を発色したまま室温まで冷却することのできる冷
却速度の最小値であり、予備実験によって容易に測定す
ることができる物理的定数である。従って、溶融・発色
状態の組成物を室温まで冷却する場合、MCRより遅い
冷却速度で冷却すると該組成物の発色は消去されて消色
状態の組成物となり、一方、MCR以上の冷却速度で室
温まで冷却するとその発色状態は維持される。本発明の
可逆的二色感熱記録媒体では、顕色剤と発色剤の存在す
る記録層又は表示層(以下、表示層も含めて単に記録層
と言う)が二層存在しているか、或いは顕色剤と発色剤
が内包されているマイクロカプセルを二種類含有する記
録層を備えている。そして、記録層が二層構成の記録媒
体では二つの記録層の分離をより充分にするために、二
つの記録層間に樹脂中間層を設けることが好ましい。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】以上に詳記したように、本発明で使用され
る可逆的熱発色性組成物は、溶融状態まで加熱後にMC
R以上の冷却速度で冷却するだけで室温で安定な発色状
態となるうえ、MCRは組成物の種類によって異なって
いるから、記録層に含まれている全部の可逆的熱発色性
組成物が溶融・発色状態となるように画像状に熱印加後
に、冷却し、その際の冷却速度を変えるという一回の加
熱/冷却サイクルで二色画像を得ることができる。すな
わち、該記録媒体に含まれている二つの可逆的熱発色性
組成物のMCRのうち大きい方のMCR以上の冷却速度
で冷却すれば、前記組成物の両者が発色した混合色画像
が得られ、二つの組成物のMCRの間の冷却速度で冷却
した場合は、MCRが小さい方の組成物だけが発色した
単一色画像が得られる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、発色色調が異なり且つ発色
    体を得るのに必要な発色状態維持最小冷却速度の異なる
    二種類の可逆的熱発色性組成物を、分離・独立して存在
    させることを特徴とする可逆的二色感熱記録媒体及び表
    示媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1の記録媒体又は表示媒体の記録
    層又は表示層に含まれている二種類の組成物を加熱・溶
    融状態とした後、これを前記した二種類の組成物の持つ
    発色状態維持最小冷却速度のうち該速度が大きい方の冷
    却速度以上の冷却速度で冷却して、記録層又は表示層に
    ある全部の組成物を発色させる全発色工程と、該二種類
    の組成物を加熱・溶融状態とした後、これを該二種類の
    組成物の持つ発色状態維持最小冷却速度の間の冷却速度
    で冷却し、発色状態維持最小冷却速度の小さい方の組成
    物のみを発色させる部分発色工程を含むことを特徴とす
    る二色画像の形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項2の方法で二色画像が形成されて
    いる記録媒体又は表示媒体に含まれている発色状態にあ
    る二種類の組成物を加熱・溶融状態とした後、これを該
    二種類の組成物の持つ発色状態維持最小冷却速度のいず
    れよりも小さい冷却速度で冷却することを特徴とする二
    色画像の消去方法。
  4. 【請求項4】 請求項2の方法で二色画像が形成されて
    いる記録媒体又は表示媒体に含まれており、発色状態に
    あると共に消色温度領域が相互に異なる二種類の組成物
    を、高温側に消色開始温度がある方の組成物が持つ消色
    温度領域の温度に加熱して該組成物を消色し、次に低温
    側に消色開始温度がある方の組成物が持つ消色温度領域
    の温度に加熱して該組成物を消色することを特徴とする
    二色画像の消去方法。
  5. 【請求項5】 請求項2の方法で二色画像が形成されて
    いる記録媒体又は表示媒体に含まれており、発色状態に
    あると共に消色温度領域が相互に共通している二種類の
    組成物を、その共通した消色温度領域の温度に加熱して
    同時に消色させることを特徴とする二色画像の消去方
    法。
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