JP2003094798A - 記録用紙 - Google Patents

記録用紙

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JP2003094798A
JP2003094798A JP2001293975A JP2001293975A JP2003094798A JP 2003094798 A JP2003094798 A JP 2003094798A JP 2001293975 A JP2001293975 A JP 2001293975A JP 2001293975 A JP2001293975 A JP 2001293975A JP 2003094798 A JP2003094798 A JP 2003094798A
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Keiji Harada
啓二 原田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静音性に欠けるインパクト系プリンタに変え
て、格段に印字時の静音性が優り、また、複数色の印刷
も可能なインクジェットプリンタを利用して、一度の印
字工程により、正本に加えて、その副本をも作製するこ
とが可能な、インクジェットプリンタ専用の複写用記録
用紙を提供する。 【解決手段】 綴り合わされた最上位層の記録紙102
と下位層の記録紙103とを実質的に密着された形態で
積層し、少なくとも複写すべき領域105に、最上位層
の記録紙の表面から裏面へと貫通する微細な開口を有す
る連通部104複数を形成し、表面上に塗布される各ド
ット状のインク液滴の一部を、この連通部を介して下位
層の記録紙表面に浸透させ、記録の複写を行うことを可
能とした、インクジェットプリンタ専用の複写用記録用
紙101とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンタ用の記録用紙に関し、より具体的には、インクジ
ェットプリンタを用いた一度の印字工程により、正本に
加えて、その副本をも作製する際に利用される、複数層
に同時印字を可能とする複数枚の記録紙を一綴りとした
記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、注文伝票やクレジットカ
ードの領収書、あるいは、宅配便のあて先伝票など、正
本に加えて、その副本をも作製する際、複数枚の記録紙
を一綴りとした記録用紙に対して、一度の書き込みまた
はプリント作業で、最上位層にワイヤードットプリンタ
などのインパクト型のプリンタで印字するとともに、下
層の記録紙にも綴じ込まれているカーボン紙を利用し
て、同時に印字内容の複写を行う方法が利用されてい
る。また、下層の記録紙自体を、ノーカーボン複写紙と
称される、微細なインク粒を含む層を設け、印字の加圧
により、このインク粒を表面に露呈させて、複写を行う
ものを用いることで、複数層に同時印字を可能としてい
る。
【0003】このカーボン紙を利用する複写は、複数枚
綴りの記録用紙の最上位層に加えられる印字圧が、その
下層の複写用用紙との間に挿入されているカーボン紙に
達し、カーボン紙の表面に浸透されている記録材を複写
用用紙表面に押し付け、複写用用紙表面に付着させるこ
とで、同一の印字がなされるものである。最上位層への
記録は、インパクト型のプリンタだけでなく、旧来のタ
イプラーターや手書きなど、適当な加圧を伴う方法であ
れば、その複写が可能であるため、広い分野で利用され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし,カーボン紙を
綴じこんだ従来の複写用記録紙は、前述したように、複
写をとる上では、ある程度の印字圧(筆圧)が必要であ
るため、パソコンやワープロなどで作成した文書を記録
用紙にプリント印刷する際、ワイヤードットプリンタな
どのインパクト系プリンタを使わなければならないとい
う、本質的な制限がある。また、ワイヤードットプリン
タなどのインパクト系プリンタは、印字の際、機械的に
ドットを打点するため、静音性に欠けるという課題を持
っている。
【0005】加えて、カーボン紙を利用する複写は、本
来の印字部分以外に、誤って加圧が加わると、その部分
にも記録材の付着が生じる結果、複写された副本には、
不要な汚れが残ったものとなることもままある。それに
伴い、必要な複写を終えた後には、カーボン紙を取り除
く作業が必要となり、納品伝票や請求書などのプリター
印刷が利用される、多量の商用文書、伝票類の作成に利
用する上での難点の一つともなっている。ノーカーボン
複写紙は、この難点を解決するものであり、納品伝票や
請求書など、プリター印刷を利用する上での作業性を格
段に向上させたが、誤って加圧が加わると、複写された
副本に汚損を生じるという欠点は、なお残っている。そ
の他、カーボン紙を利用する複写、ノーカーボン複写紙
ともに、本質的に複写物は、単色印刷であり、複数色の
印字情報を混在させることは困難なものである。
【0006】今後、納品伝票や請求書など、複写された
控えの作成がなされる多量の商用文書に対して、ますま
すプリター印刷が利用され、その際、作成される複写物
も、正本と遜色のない印字面の鮮明さを有し、また、汚
損の無いものとすることが待望されている。また、静音
性に欠けるインパクト系プリンタではなく、より印字過
程の雑音発生が少なく、可能であれば、複写物に対して
も、単色印刷のみでなく、複数色の印字情報を混在させ
ることをも可能とする、プリター印刷を利用する複写付
印刷方法、それに用いる複写用の記録用紙の開発が待望
されている。
【0007】本発明は前記の課題を解決するもので、本
発明の目的は、静音性に欠けるインパクト系プリンタに
変えて、格段に印字時の静音性が優り、また、複数色の
印刷も可能なインクジェットプリンタを利用して、一度
の印字工程により、正本に加えて、その副本をも作製す
ることが可能な、インクジェットプリンタ専用の複写用
記録用紙、ならびに、かかる記録用紙を利用して、イン
クジェットプリンタを利用した複写付印刷方法を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく、鋭意研究、検討を進めたところ、インク
ジェットプリンタを用いる印刷では、個々には、ドット
状に塗布されるインク液滴多数を用いて、全体の字体な
どの画像を形成しており、このインク液滴は、流動性に
富み、紙面に微細な孔が存在すると、容易に、その細孔
内に浸透する性質があり、例えば、紙面の面内でかかる
細孔内への浸透が生じると、滲みや毛羽状の染み出しな
どの不具合を誘起することに思い当たった。この印刷に
用いるインクが有する浸透能を利用すると、最上位層の
記録紙紙面を貫通する細孔を利用すると、表面に塗布さ
れたインク液滴の一部を裏面へと効果的に搬送すること
ができ、下部層の記録紙を最上位層の記録紙と実質的に
密着して積層した状態とすると、その下部層の記録紙表
面上、前記貫通する細孔の開口部に対応する部位にもイ
ンクを再現性よく塗布することが可能となることを見出
した。加えて、最上位層の記録紙紙面に、それを貫通す
る細孔を高い密度で設けておくと、下部層の記録紙上に
微細な点状に塗布されるインク点列は、最上位層の記録
紙紙面に塗布されたドット状のインク塗布径と、対応す
る領域を占め、目視する範囲では、同等のドット状のイ
ンク塗布がなされたように認識されることを確認した。
これらの知見に加えて、本発明者は、最上位層の記録紙
に対して、その複写をすべき領域に前記の緻密に設けた
細孔を有する形状とし、下部層の記録紙を最上位層の記
録紙と実質的に密着して積層した状態で綴じ合わせた記
録用紙を用いると、インクジェットプリンタを用いる印
刷でも、十分に鮮明さを有する複写を作成でき、また、
カーボン紙を利用する複写と異なり、複写面での不要な
汚損は本質的に生じないことを検証して、本発明を完成
するに至った。
【0009】すなわち、本発明の記録用紙は、インクジ
ェットプリンタ用の記録用紙であって、少なくとも2枚
以上の記録紙が一綴りとなっており、その最上位層の記
録紙上へ、インクジェット法で記録される内容を、その
下位層の記録紙へも複写する目的で利用される記録用紙
であり、前記最上位層の記録紙と、その下位層の記録紙
とは、実質的に密着された形態で積層され、かつ、少な
くとも、前記最上位層の記録紙を剥ぎ取り、両者を分離
可能な形状に綴り合わされてなり、前記最上位層の記録
紙の紙面において、少なくとも、その上に記録された記
録内容を、その下位層の記録紙上へ複写すべき領域に
は、かかる最上位層の記録紙の表面から裏面へと貫通す
る微細な開口を有する連通部複数が形成され、前記連通
部の面密度は、少なくとも、インクジェットプリンタに
より印刷される個々のドット状のインク塗布径中に、少
なくとも、複数の連通部が存在する密度に選択されてお
り、前記最上位層の記録紙表面上に塗布される各ドット
状のインク液滴の一部は、前記連通部を介して下位層の
記録紙表面に浸透可能とされていることを特徴とする記
録用紙である。その際、前記連通部の開口径は、前記最
上位層の記録紙表面上に塗布される各ドット状のインク
液滴径よりも十分に微細であることが好ましい。
【0010】また、下位層の記録紙において、少なくと
も、前記最上位層の記録紙上に記録された記録内容を複
写すべき領域に対して、その表面にインク吸収層を設け
ている構成とすることもできる。
【0011】更に、本発明は、上記の本発明にかかる複
写用の記録用紙を利用して、インクジェットプリンタに
より複写付き印刷を行う方法の発明をも提供しており、
すなわち、本発明の複写付き印刷方法は、プリンタ印刷
を利用して、一度の印字工程により、正本に加えて、そ
の副本をも作製する複写付き印刷方法であって、記録用
紙として、本発明にかかる上記のいずれかの構成を有す
るインクジェットプリンタ用の記録用紙を用いて、前記
インクジェットプリンタ用記録用紙に対して、その最上
位層の記録紙表面にインクジェット記録方式で正本の印
刷を行い、その際、前記連通部を介して下位層の記録紙
表面に浸透したインクによる印刷がなされた下位層の記
録紙を、複写された副本とすることを特徴とする複写付
き印刷方法である。更には、前記インクジェット記録方
式で正本の印刷に際して、複数色のインクを利用したイ
ンクジェットプリンタ印刷を行い、前記複数色のインク
を利用した印刷に対応する、複数色で複写された副本を
作製することを特徴とする複写付き印刷方法とすること
も可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、従来のカーボン紙を利
用して、あるいは、ノーカーボン複写紙を用いて、イン
パクト系プリンタによる印刷(印字)によって複写を行
っている際、その潜在的な問題点であった、誤って加圧
を加えると、複写面に不要な記録材の付着を生じ、汚損
の要因となるという欠点を回避でき、また、複写印刷の
鮮明さを、正本の印刷における鮮明さと遜色のないもの
とすることが可能な新規な複写付き印刷方法として、イ
ンクジェットプリンタから吐出されるインク液滴径より
も十分に微細な孔径であり、複数枚綴りの記録用紙の最
上位層から下位層に通じる複数の連通部を設けたインク
ジェットプリンタ専用の複写紙と、この複写紙を用い
て、インクジェット記録法で複写付き印刷を行う方法を
提案するものである。その際、本発明による複写用記録
用紙を用いることで、記録用紙の上面を機械的に打点す
る加圧工程に変えて、前記インク液滴が連通部を通じて
下位層に浸透する機能を利用して複写を作製するため、
機械的な打点の際に発する不快な動作音がなく、静音性
に優れたインクジェットプリンタを使用することが可能
となる。
【0013】更には、従来の方法では、インパクト系プ
リンタによる機械的な加圧を、最上部層の紙面を介し
て、その下に挿入されているカーボン紙などに伝達する
ため、その打点径と比較し、最上位層の紙厚に相当する
ドット径の拡大、あるいは、ドット径外周部での加圧分
散が生じ、複写される印字の鮮明さは本質的に劣ったも
のとなるが、本発明の方法では、複写される印字の個々
のドット形状は、実質的に最上位層表面に塗布されるド
ット状のインク塗布径と一致する、少なくとも、ドット
形状の外周に不鮮明な拡張領域を有することがないの
で、複写される印字の鮮明さは本質的に、最上位層の正
本における鮮明さと遜色のないものとなる。
【0014】以下に、実施の形態を例示しつつ、本発明
をより詳細に説明する。図1に、本発明による複写用記
録用紙の構成例を模式的に示す。本発明による記録用紙
は、正本となる、最上位層の記録紙とそれ複写した副本
となる、下位層の記録紙とを綴り合わされた構成をと
る。図1に示す例では、本発明にかかる複写紙101
は、複写領域105に微細な連通部104が形成された
上部記録紙102と、通常の記録紙であり、連通部10
4を通じてインクを受容する下部記録紙103とから構
成されている。上部記録紙102と下部記録紙103と
は、インクジェットプリンタによる印刷(印字)を終え
た後には、従来の複写紙と同様に、簡便に分離が可能な
ように綴り合わされ、また、印刷(印字)を行うまで
は、少なくとも、複写領域105では、両者の紙面が実
質的に密着した状態となるように積層された形態で綴じ
合わされている。
【0015】従来の複写紙でも、綴り合わされた複数枚
の記録紙のうち、最上位層の記録紙の厚さは、薄いもの
とし、一方、最下位層の記録紙には、普通紙など比較的
に厚さの厚いものを用いて、複写紙全体の厚さを、利用
するインパクト系プリンタの記録用紙の搬送機構、例え
ば、ローラ型紙送り機構に適合したものとしているが、
本発明にかかる複写紙101でも、インクジェットプリ
ンタに利用される紙送り機構に適合した複写紙全体の厚
さとし、通常、上部記録紙102の厚さは、薄いものと
し、一方、下部記録紙103には、普通紙など、比較的
に厚さの厚いものを用いることが好ましい。
【0016】上部記録紙102の紙厚を薄くすると、複
写領域105部分には、微細な連通部104がメッシュ
状に形成した際、この連通部104の開口径と上部記録
紙102の紙厚との比率を相対的に小さくできる。それ
に伴い、連通部104を介するインク液の浸透もより容
易になり、好ましいものとなる。なお、上部記録紙10
2の紙厚を薄くしすぎると、分離して正本として用いる
際、微細な連通部104がメッシュ状に形成した部分で
も必要となる、紙強度の必要条件を満たさなくなる。従
って、用いる用紙の材質にもよるが、少なくとも、前記
メッシュ状においても、破断を回避できる厚さとするこ
とが好ましい。より好ましくは、上部記録紙102の紙
厚は、従来のカーボン紙複写に使用される上部記録紙と
同程度の厚さ範囲に選択することが望ましい。
【0017】上部記録紙102の紙面のうち、インクジ
ェットプリンタを用いて印刷し、それの複写を行うべき
領域は、各種の商用文書、例えば、伝票類、領収書類毎
に異なるものの、少なくとも、紙面の周囲には、印刷が
なされない余白部が枠状に存在しており、この複写を行
うべき領域を取り囲む余白部のうち、紙面の周囲に存在
する余白部は、微細な連通部104が形成されていない
状態として、全体の強度を維持する外枠とすることが好
ましい。一方、複写領域105では、微細な連通部10
4を均一な密度で設けることが望ましい。具体的には、
インクジェットプリンタにより印刷される個々のドット
状のインク塗布径中に、少なくとも、複数の連通部10
4が存在する密度に選択する。従って、連通部104の
開口部は、ドット状のインク塗布径よりも有意に小さく
し、好ましくは、その開口部の形状を円形として、その
際、連通部の開口径は、前記最上位層の記録紙表面上に
塗布される各ドット状のインク液滴径よりも十分に微細
なものとする。
【0018】ドット状のインク塗布径を、例えば、60
0dpi〜1200dpiに相当する範囲とする際、連
通部104の開口径を、インク塗布径に対して、場合に
よっては、その1/3〜1/20の範囲に選択すること
ができる。一方、連通部104を設ける密度は、上記の
ドット状のインク塗布径内に複数個の連通部104が含
まれるように、そのインクドットの面密度に対して、例
えば、2〜80倍の範囲に選択することもできる。ま
た、このようなメッシュ状に設けた連通部104を介し
て浸透するインクで印刷がなされる下部記録紙103上
の印字部の濃度は、浸透するインク液量に依存する。上
部記録紙102と下部記録紙103との間で、その印字
部の濃度を目視する範囲で遜色のないものとする上で
は、連通部の開口部とそれを囲む非開口領域との面積比
を、例えば、10:90〜60:40の範囲に選択する
こともできる。
【0019】次に、複写領域105に吐出されたインク
液滴が、上部記録紙102と下部記録紙103に形成す
る画像について、図2を参照しつつ説明する。図2の
(2−1)に、インクジェットプリンタにより印刷した
際、複写紙101の複写領域105にインク液滴201
が着弾した様子を示す。インクジェットヘッドから吐出
されるインク液滴は、上部記録紙102上に着弾する
と、円形状のインク塗布域を形成する。また、図2の
(2−2)と(2−3)に、それぞれ、複写紙101か
ら分離した、上部記録紙102と下部記録紙103の対
応する部分の様子を示す。
【0020】図2の(2−2)に示すように、上部記録
紙102上には、図2の(2−1)に示すインク着弾領
域201のうち、連通部104の開口部を除いた、非開
口領域に塗布されているインク液により、画像202が
形成される。一方、図2の(2−3)に示すように、下
部記録紙103上には、図2の(2−1)に示すインク
着弾領域201のうち、連通部104の開口部より浸透
したインク液により、画像203が形成される。この画
像203は、実際は、連通部104の開口部に相当する
極めて微細な点の集合体であるものの、目視する範囲で
は、(2−1)に示すインク着弾領域201のドット形
状と実質的に差異のない、単一ドットして認識される。
なお、全体の印字は、インク着弾領域201に相当する
個々のドットが更に集合して、一つのフォントを構成し
ており、全体としては、印字の濃度は、そのインク量に
対応してやや薄くはなるものの、下部記録紙103上に
複写された、個々のフォント自体の鮮明さには、実質的
な差異は無いものである。
【0021】一方、上部記録紙102上に形成される画
像202は、その形状(外形)は、インク着弾領域20
1と同一であるが、連通部104の開口部にはインクが
存在していないので、やはり、僅かに濃度が薄くなった
単一ドットして認識される。全体の印字においても、印
字の濃度は、そのインク量に対応してやや薄くはなるも
のの、個々のフォント自体の鮮明さには、実質的な差異
は無いものである。結果として、上部記録紙102上の
画像202と下部記録紙103上の画像203とは、微
視的には、異なったものであるが、目視する際には、何
れも実質的に同じ径の単一ドットとして認識され、それ
らが更に集合して形成される個々のフォントでは、その
濃度には若干の差異はあるものの、フォント字体の鮮明
さに関しては、両者で全く遜色の無いものとなる。
【0022】なお、下部記録紙103において、用いる
紙質は、例えば、普通紙であると、通常のインクジェッ
ト記録を行った際にも、印字の滲み、発色不調が起こる
懸念があり、印字の滲みや発色不調などを防止する目的
で、少なくとも、複写領域105に対しては、通常のイ
ンクジェット記録紙でも汎用される、その表面にインク
吸収層を設けている構成とすることもできる。同じく、
上部記録紙102においても、用いる紙質によっては、
インクの定着が起こり難い、撥水性な表面であることも
なり、少なくとも、複写領域105に対しては、通常の
インクジェット記録紙でも汎用される、その表面にイン
ク吸収層を設けている構成とすることもできる。また、
上部記録紙102に対して、複写領域105に微細な孔
径の連通部104を、所定の密度、配列パターンで形成
する手段としては、光学的な窄孔手段など、従来より微
細なメッシュ加工に利用されている手段を利用すること
で、十分に高い再現性、生産効率で作製することができ
る。
【0023】
【実施例】以下に、実施例を挙げて、本発明をより具体
的に説明する。なお、ここに示す実施例は、本発明にお
ける最良の実施形態の一例ではあるものの、本発明はか
かる実施例により限定されるものではない。
【0024】(実施例1)本実施例では、上下二層の記
録紙を積層して綴り合わせた納品伝票作成用の記録用紙
として、下部記録紙は、通常の厚手の普通紙を用い、上
部記録紙には、薄手の専用紙を用いた構成とした。下部
記録紙と上部記録紙には、予め共通印刷部分、すなわ
ち、定型の納品伝票において、個々の伝票毎に印字すべ
き事項を除く部分、例えば、発送元の社名、所在地、票
罫線などは、予め印刷がなされ、一方、伝票毎に印字す
べき事項を印刷すべき欄は、以下に述べる処理を施した
ものとした。なお、下部記録紙と上部記録紙は、その票
罫線を一致させて、用紙の末端で剥離可能な糊剤によ
り、積層して互いを綴じ合わせた形態としている。
【0025】個々の伝票毎に印字すべき事項をインクジ
ェットプリンタで印刷(印字)すべき領域は、定型の票
罫線で囲まれた、所定の領域となる。その領域では、上
部記録紙には、その紙面を貫通し、各孔の開口直径がイ
ンクドットの平均径の約1/5の円形細孔が、インクド
ットの最大印字密度に対して、その約30倍に相当する
面密度でメッシュ状に形成されている。また、そのメッ
シュ状の細孔加工された領域の表面には、インクジェッ
トプリンタヘッドで塗布されるインクの滲みを防止する
ための、吸収被膜が設けられている。一方、下部記録紙
表面の対応する領域には、インクを普通紙上に塗布した
際、その紙繊維の隙間にインクが浸潤する結果、インク
本来の色調が発揮しないことを避けるため、従来の普通
紙に適用されているインク固定被膜を設けている。この
上下二層の記録紙が綴り合わせた納品伝票作成用の記録
用紙を用いて、ドット径が1200dpiの分解能に設
定されているフルカラー型インクジェットプリンタを用
いて、例えば、フォントサイズは12ポイントで、仮に
決めた事項を記載した、模擬的な納品伝票を作成した。
【0026】その際、通常の納品伝票では、個々の伝票
毎に印字すべき事項は、単色の印刷、例えば、黒色やブ
ルー・ブラック色の印刷で事足りるが、この模擬的な納
品伝票では、注文を受けたものの、今回の納入に含まれ
ない、未納分(差分)の項目に関しては、試しに、赤
色、黄色、オレンジ色などで印字する形式とした。予め
定型フォーム印刷の形式で、ワープロソフトにより作成
された文書として、上記の専用記録用紙にプリントした
後、下部記録紙と上部記録紙とを引き剥がし、両者を比
較した。下部記録紙上に印字された文字は、上記の微細
なメッシュ上を介して、インクの塗布がなされているの
で、全体的には、僅かに濃度は薄くなっているものの、
印字された文字の鮮明さは、上部記録紙と全く遜色のな
いものであった。試しに、赤色、黄色、オレンジ色など
で印字された部分も、十分に鮮明であり、フルカラー印
刷した際にも、通常の文字情報などでは、下部記録紙と
上部記録紙との間で、その鮮明さには実質的な差異は、
目視の範囲では見出されないものであった。
【0027】少なくとも、インパクト系プリンタにより
カーボン紙を用いて複写したものでは、個々の打点が滲
み、全体として、印字された文字がやや不鮮明となるの
に対して、このインクジェットプリンタ用の記録用紙を
用いて作製される複写では、印字された文字の鮮明さは
格段に優っている。
【0028】
【発明の効果】本発明の記録用紙では、下部層の記録紙
を最上位層の記録紙と実質的に密着して積層した状態で
綴り合わせ、最上位層の記録紙紙面において複写をすべ
き記録をインクジェットプリンタにより印刷(印字)す
る領域に対して、最上位層の記録紙を貫通する微細な孔
径の連通部複数を高い密度で設けることで、表面にドッ
ト状に塗布されるインク液滴の一部を、この連通部を介
して、下部層の記録紙表面へも同時に塗布することで、
最上位層の記録紙上にインクジェットプリンタにより印
刷(印字)された記録に対応する、複写印刷(印字)を
下部層の記録紙上に作製することを可能としている。そ
の際、複写印刷(印字)では、最上位層の記録紙上に塗
布されたインク液滴の一部を利用するため、最上位層の
記録紙上に印刷(印字)された色と全く同一の色を示
す、カラー複写も可能となる。加えて、下部層の記録紙
に対しては、複写印刷を目的としない領域には、インク
が供給されることがないため、従来のカーボン紙を利用
した複写のごとく、必要としない部分にも誤って、カー
ボン紙上の記録材が付着する汚損に類する不具合も本質
的に生じないものとなる。実用面でも、静音性に欠ける
インパクト系プリンタに変えて、格段に印字時の静音性
が優れるインクジェットプリンタを利用でき、作業性の
点でも改善されたインクジェットプリンタ専用の複写用
記録用紙となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる、インクジェット印刷専用の複
写用記録用紙の構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明にかかる記録用紙に設ける、複写領域の
構成を示す拡大図であり、(2−1)は、記録用紙を構
成する、綴り合わされた上部記録紙と下部記録紙とを分
離する前の状態、(2−2)は、分離後の上部記録紙、
(2−3)は、分離後の下部記録紙における、インクジ
ェット印刷されたドット状の画像を対比して示す図であ
る。
【符号の説明】
101:複写用記録用紙 102:上部記録紙 103:下部記録紙 104:連通部の開口 105:複写領域 201:インク液滴の塗布部 202:上部記録紙上に形成されたドット状の画像 203:下部記録紙上に形成されたドット状の画像
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41J 3/04 101Z

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェットプリンタ用の記録用紙で
    あって、 少なくとも2枚以上の記録紙が一綴りとなっており、そ
    の最上位層の記録紙上へ、インクジェット法で記録され
    る内容を、その下位層の記録紙へも複写する目的で利用
    される記録用紙であり、 前記最上位層の記録紙と、その下位層の記録紙とは、実
    質的に密着された形態で積層され、かつ、少なくとも、
    前記最上位層の記録紙を剥ぎ取り、両者を分離可能な形
    状に綴り合わされてなり、 前記最上位層の記録紙の紙面において、少なくとも、そ
    の上に記録された記録内容を、その下位層の記録紙上へ
    複写すべき領域には、かかる最上位層の記録紙の表面か
    ら裏面へと貫通する微細な開口を有する連通部複数が形
    成され、 前記連通部の面密度は、少なくとも、インクジェットプ
    リンタにより印刷される個々のドット状のインク塗布径
    中に、少なくとも、複数の連通部が存在する密度に選択
    されており、 前記最上位層の記録紙表面上に塗布される各ドット状の
    インク液滴の一部は、前記連通部を介して下位層の記録
    紙表面に浸透可能とされていることを特徴とする記録用
    紙。
  2. 【請求項2】 前記連通部の開口径は、前記最上位層の
    記録紙表面上に塗布される各ドット状のインク液滴径よ
    りも十分に微細であることを特徴とする請求項1に記載
    の記録用紙。
  3. 【請求項3】 下位層の記録紙において、少なくとも、
    前記最上位層の記録紙上に記録された記録内容を複写す
    べき領域に対して、その表面にインク吸収層を設けてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の記録用紙。
  4. 【請求項4】 プリンタ印刷を利用して、一度の印字工
    程により、正本に加えて、その副本をも作製する複写付
    き印刷方法であって、 記録用紙として、前記請求項1〜3のいずれかに記載の
    インクジェットプリンタ用の記録用紙を用いて、 前記インクジェットプリンタ用記録用紙に対して、その
    最上位層の記録紙表面にインクジェット記録方式で正本
    の印刷を行い、 その際、前記連通部を介して下位層の記録紙表面に浸透
    したインクによる印刷がなされた下位層の記録紙を、複
    写された副本とすることを特徴とする複写付き印刷方
    法。
  5. 【請求項5】 前記インクジェット記録方式で正本の印
    刷に際して、複数色のインクを利用したインクジェット
    プリンタ印刷を行い、前記複数色のインクを利用した印
    刷に対応する、複数色で複写された副本を作製すること
    を特徴とする請求項4に記載の複写付き印刷方法。
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