JP2003094541A - 跡残りの生じないプラスチック気泡シート - Google Patents
跡残りの生じないプラスチック気泡シートInfo
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- JP2003094541A JP2003094541A JP2001291852A JP2001291852A JP2003094541A JP 2003094541 A JP2003094541 A JP 2003094541A JP 2001291852 A JP2001291852 A JP 2001291852A JP 2001291852 A JP2001291852 A JP 2001291852A JP 2003094541 A JP2003094541 A JP 2003094541A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 プラスチックフィルムの真空成形により多数
のキャップを成形したキャップフィルムと、平坦なバッ
クフィルムとをキャップの底面において貼り合わせ、多
数の密閉された空気室を形成してなるプラスチック気泡
シートにおいて、長時間にわたり他の物体たとえば被包
装物と接触していても、気泡の跡が残らないような気泡
シートを提供する。 【解決手段】 気泡シートの被包装物などと接触して置
かれる面の表面を、０．０１〜５μｍの粗さをもった粗
面に形成する。粗面の形成は、粒径が０．１〜５μｍの
無機質粉末を適量、プラスチックに添加して気泡シート
を製造するのが、もっとも容易である。
のキャップを成形したキャップフィルムと、平坦なバッ
クフィルムとをキャップの底面において貼り合わせ、多
数の密閉された空気室を形成してなるプラスチック気泡
シートにおいて、長時間にわたり他の物体たとえば被包
装物と接触していても、気泡の跡が残らないような気泡
シートを提供する。 【解決手段】 気泡シートの被包装物などと接触して置
かれる面の表面を、０．０１〜５μｍの粗さをもった粗
面に形成する。粗面の形成は、粒径が０．１〜５μｍの
無機質粉末を適量、プラスチックに添加して気泡シート
を製造するのが、もっとも容易である。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック気泡
シートの改良に関し、「跡残り」の生じない、すなわ
ち、被包装物など他の物体と長時間にわたり接触させて
おいても、他の物体の表面に気泡の跡が残らない気泡シ
ートを提供する。
シートの改良に関し、「跡残り」の生じない、すなわ
ち、被包装物など他の物体と長時間にわたり接触させて
おいても、他の物体の表面に気泡の跡が残らない気泡シ
ートを提供する。
【０００２】
【従来の技術】プラスチック、代表的にはポリエチレン
のフィルムを真空成形して多数のキャップを成形したキ
ャップフィルムを用意し、これと、プラスチックの平坦
なバックフィルムとをキャップの底面において貼り合わ
せ、多数の密閉された空気室を形成してなるプラスチッ
ク気泡シート（以下、単に「気泡シート」という）が、
緩衝包装材や断熱材をはじめとする、さまざまな分野で
使用されている。
のフィルムを真空成形して多数のキャップを成形したキ
ャップフィルムを用意し、これと、プラスチックの平坦
なバックフィルムとをキャップの底面において貼り合わ
せ、多数の密閉された空気室を形成してなるプラスチッ
ク気泡シート（以下、単に「気泡シート」という）が、
緩衝包装材や断熱材をはじめとする、さまざまな分野で
使用されている。
【０００３】気泡シートには、キャップフィルムとバッ
クフィルムだけからなる２層構成のもののほか、キャッ
プの頂を連ねて、もう１枚の平坦なフィルムであるライ
ナーフィルムを貼った、３層構成のものもある。
クフィルムだけからなる２層構成のもののほか、キャッ
プの頂を連ねて、もう１枚の平坦なフィルムであるライ
ナーフィルムを貼った、３層構成のものもある。
【０００４】気泡シートを包装材として使用し、被包装
物を気泡シートで直接、たとえばキャップの面が被包装
物に接触する形で包装した場合、包装をほどいた後で、
被包装物の表面に気泡の形が転写されて見える、いわゆ
る「跡残り」の現象が、しばしば観察される。
物を気泡シートで直接、たとえばキャップの面が被包装
物に接触する形で包装した場合、包装をほどいた後で、
被包装物の表面に気泡の形が転写されて見える、いわゆ
る「跡残り」の現象が、しばしば観察される。
【０００５】跡残りは、気泡シートが接触していた他の
物体の表面が、塗装面、メッキ面など、一見平滑な面で
ある場合に、顕著に生じる。跡残りの程度は、接触の時
間が短ければ軽くて済むが、長いとひどくなる。接触し
ていた面が、キャップでなくバックフィルムである場合
は、気泡跡の境界はそれほど明確でないが、それでも残
る。拭き取ることにより、跡が消えたかのように見える
ことが少なくないが、たとえば息を吹きかけたときな
ど、歴然とした気泡跡が再現する。これは、気泡の接し
ていた部分の濡れ性に変化が生じたためと考えられる。
物体の表面が、塗装面、メッキ面など、一見平滑な面で
ある場合に、顕著に生じる。跡残りの程度は、接触の時
間が短ければ軽くて済むが、長いとひどくなる。接触し
ていた面が、キャップでなくバックフィルムである場合
は、気泡跡の境界はそれほど明確でないが、それでも残
る。拭き取ることにより、跡が消えたかのように見える
ことが少なくないが、たとえば息を吹きかけたときな
ど、歴然とした気泡跡が再現する。これは、気泡の接し
ていた部分の濡れ性に変化が生じたためと考えられる。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】このような跡残りは、
被包装物の価値を低下させるから、避けなければならな
い。気泡シートが直接被包装物に接触しないようにする
ことは、面倒であって実施できない。したがって本発明
の目的は、長時間にわたり他の物体と接触していても、
気泡の跡が残らないような気泡シートを提供することに
ある。
被包装物の価値を低下させるから、避けなければならな
い。気泡シートが直接被包装物に接触しないようにする
ことは、面倒であって実施できない。したがって本発明
の目的は、長時間にわたり他の物体と接触していても、
気泡の跡が残らないような気泡シートを提供することに
ある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する、
本発明の跡残りの生じない気泡シートは、プラスチック
フィルムの真空成形により多数のキャップを成形したキ
ャップフィルムと、平坦なバックフィルムとをキャップ
の底面において貼り合わせ、多数の密閉された空気室を
形成してなるプラスチック気泡シートにおいて、他の物
体と接触して置かれる面の表面が、平均粗さ０．０１〜
５μｍの粗面であることを特徴とする。
本発明の跡残りの生じない気泡シートは、プラスチック
フィルムの真空成形により多数のキャップを成形したキ
ャップフィルムと、平坦なバックフィルムとをキャップ
の底面において貼り合わせ、多数の密閉された空気室を
形成してなるプラスチック気泡シートにおいて、他の物
体と接触して置かれる面の表面が、平均粗さ０．０１〜
５μｍの粗面であることを特徴とする。
【０００８】
【発明の実施形態】跡残りが生じる原因を追及した発明
者は、つぎの機構を考えた。図１はそれを説明するもの
であって、気泡部分が密着する様子を概念的に示す拡大
断面図である。図において、キャップフィルム（１）と
バックフィルム（２）とからなる２層構成の気泡シート
が、被包装物などの他の物体（５）に直接接触してい
る。他の物体の表面が塗装面やメッキ面である場合、外
観上は平滑に見えるが、実際は微細な凹凸が多数存在す
る。一方、気泡シートの材料としてよく使われるポリオ
レフィン類、代表的にはポリエチレンは、概して柔軟な
材料であり、キャップの頂の部分（１３）は、真空成形
により薄くなっている（とくに薄い場合は厚さ５μｍ程
度、最も厚い場合でも３０μｍ）ため、接触したとき、
気泡内部（３）の空気の圧力に押されて、他の物体
（５）の表面に、きわめてよく密着する。
者は、つぎの機構を考えた。図１はそれを説明するもの
であって、気泡部分が密着する様子を概念的に示す拡大
断面図である。図において、キャップフィルム（１）と
バックフィルム（２）とからなる２層構成の気泡シート
が、被包装物などの他の物体（５）に直接接触してい
る。他の物体の表面が塗装面やメッキ面である場合、外
観上は平滑に見えるが、実際は微細な凹凸が多数存在す
る。一方、気泡シートの材料としてよく使われるポリオ
レフィン類、代表的にはポリエチレンは、概して柔軟な
材料であり、キャップの頂の部分（１３）は、真空成形
により薄くなっている（とくに薄い場合は厚さ５μｍ程
度、最も厚い場合でも３０μｍ）ため、接触したとき、
気泡内部（３）の空気の圧力に押されて、他の物体
（５）の表面に、きわめてよく密着する。
【０００９】通常、ポリエチレンなどのプラスチック材
料は、滑剤、耐電防止剤などの助剤を添加してあるし、
ポリマー自体が本来含有する、または加工時に生成した
低分子量成分も含まれている。これらの成分がフィルム
表面にブリードアウトし、塗装面やメッキ面に付着し
て、気泡跡となる。他の物体の表面に付着したブリード
諸成分は、拭き取ることによってほとんど除去できる
が、前記した微細な凹凸に入り込んだものは除去しきれ
ないから、どうしても跡は消えない。このようにして、
跡残りは厄介な問題になっていた。
料は、滑剤、耐電防止剤などの助剤を添加してあるし、
ポリマー自体が本来含有する、または加工時に生成した
低分子量成分も含まれている。これらの成分がフィルム
表面にブリードアウトし、塗装面やメッキ面に付着し
て、気泡跡となる。他の物体の表面に付着したブリード
諸成分は、拭き取ることによってほとんど除去できる
が、前記した微細な凹凸に入り込んだものは除去しきれ
ないから、どうしても跡は消えない。このようにして、
跡残りは厄介な問題になっていた。
【００１０】気泡シートの接触面を粗面にすることによ
って、ブリードした諸成分が全面的に被包装物の表面に
移行することが防げる。図２は、その状況を概念的に示
す、図１に対応する気泡部分の拡大断面図である。図２
にみるように、他の物体に接触するキャップの表面を粗
面としたことで、図１のような密着が避けられる。接触
している部分にブリードした成分が他の物体の表面に移
行することは、ある程度避けられないが、全面的な密着
の場合に比べれば、その量は、はるかに少ないから、ふ
き取り除去が不可能な微細凹凸の内部に入り込む量も少
なく、実質上、気泡跡として観察されないレベルにな
る。
って、ブリードした諸成分が全面的に被包装物の表面に
移行することが防げる。図２は、その状況を概念的に示
す、図１に対応する気泡部分の拡大断面図である。図２
にみるように、他の物体に接触するキャップの表面を粗
面としたことで、図１のような密着が避けられる。接触
している部分にブリードした成分が他の物体の表面に移
行することは、ある程度避けられないが、全面的な密着
の場合に比べれば、その量は、はるかに少ないから、ふ
き取り除去が不可能な微細凹凸の内部に入り込む量も少
なく、実質上、気泡跡として観察されないレベルにな
る。
【００１１】気泡跡が残ることを妨げるような粗面を形
成する手段は、任意に選ぶことができる。そのひとつ
は、気泡シートの材料と加工方法を選択することであっ
て、具体的な態様としては、結晶性の高いＨＤＰＥ（高
密度ポリエチレン）を使用し、気泡シートの製造に当た
って、溶融状態からなるべくゆっくりと冷却されるよう
にすることが考えられる。結晶性の高いＨＤＰＥを徐冷
することによって、結晶のラメラが製膜方向に発達して
フィルム表面に到達する結果、表面に粗さ０．０１〜
０．０５μｍの微細凹凸が形成されるので、これを利用
するわけである。ＨＤＰＥはまた、ポリエチレンの中で
も分子量分布が狭く、低分子量部分が少ないプラスチッ
クであるから、前記した跡残りの原因となる物質の含有
量が少なく、この点からも好適な材料である。
成する手段は、任意に選ぶことができる。そのひとつ
は、気泡シートの材料と加工方法を選択することであっ
て、具体的な態様としては、結晶性の高いＨＤＰＥ（高
密度ポリエチレン）を使用し、気泡シートの製造に当た
って、溶融状態からなるべくゆっくりと冷却されるよう
にすることが考えられる。結晶性の高いＨＤＰＥを徐冷
することによって、結晶のラメラが製膜方向に発達して
フィルム表面に到達する結果、表面に粗さ０．０１〜
０．０５μｍの微細凹凸が形成されるので、これを利用
するわけである。ＨＤＰＥはまた、ポリエチレンの中で
も分子量分布が狭く、低分子量部分が少ないプラスチッ
クであるから、前記した跡残りの原因となる物質の含有
量が少なく、この点からも好適な材料である。
【００１２】使用するプラスチック材料の種類に拘束さ
れない粗面の形成手段は、プラスチック材料に無機質粉
末を添加してフィルムとすることである。無機質粉末と
しては、製膜を妨げない限り任意の材料が使用できる。
その例を挙げれば、シリカ、シリカゲル、アルミナ、ク
レイ、タルク、各種ゼオライト、石灰またはドロマイト
粉末、焼成ドロマイトなどである。これらは単独で使用
しても、また２種以上混合使用してもよいことはもちろ
んである。粒度は、０．１〜１０μｍの範囲から選ぶ。
適量の添加により、プラスチックフィルム表面に０．１
〜５μｍの凹凸を形成することができる。
れない粗面の形成手段は、プラスチック材料に無機質粉
末を添加してフィルムとすることである。無機質粉末と
しては、製膜を妨げない限り任意の材料が使用できる。
その例を挙げれば、シリカ、シリカゲル、アルミナ、ク
レイ、タルク、各種ゼオライト、石灰またはドロマイト
粉末、焼成ドロマイトなどである。これらは単独で使用
しても、また２種以上混合使用してもよいことはもちろ
んである。粒度は、０．１〜１０μｍの範囲から選ぶ。
適量の添加により、プラスチックフィルム表面に０．１
〜５μｍの凹凸を形成することができる。
【００１３】無機質粉末のうちとりわけ好ましいのは、
シリカゲルやゼオライトのような多孔質の粉末である。
これらは、プラスチックに含有される低分子量成分など
を吸収して粒子内部に保持し、ブリードアウトを防止す
ることが期待できるから、跡残りを防止する上で有利で
ある。
シリカゲルやゼオライトのような多孔質の粉末である。
これらは、プラスチックに含有される低分子量成分など
を吸収して粒子内部に保持し、ブリードアウトを防止す
ることが期待できるから、跡残りを防止する上で有利で
ある。
【００１４】前述のように、プラスチック気泡シートに
は、キャップフィルムおよびバックフィルムからなる２
層構成のものと、キャップフィルムおよびバックフィル
ムに加えて、キャップの頂を連ねて、もう１枚の平坦な
フィルムであるライナーフィルムを貼った３層構成のも
のとがあり、本発明はそのどちらにも適用できる。２層
構成の場合は、キャップフィルムおよびバックフィルム
のいずれか一方または両方の表面が粗面であればよく、
３層構成の場合は、バックフィルムおよびライナーフィ
ルムのいずれか一方または両方の表面が粗面であればよ
い。粗面を形成する面は、用途に応じて決定する。
は、キャップフィルムおよびバックフィルムからなる２
層構成のものと、キャップフィルムおよびバックフィル
ムに加えて、キャップの頂を連ねて、もう１枚の平坦な
フィルムであるライナーフィルムを貼った３層構成のも
のとがあり、本発明はそのどちらにも適用できる。２層
構成の場合は、キャップフィルムおよびバックフィルム
のいずれか一方または両方の表面が粗面であればよく、
３層構成の場合は、バックフィルムおよびライナーフィ
ルムのいずれか一方または両方の表面が粗面であればよ
い。粗面を形成する面は、用途に応じて決定する。
【００１５】粗面は、気泡シートの他の物体に接触する
面だけがそうであればよいから、キャップフィルム、バ
ックフィルムおよびライナーフィルムの少なくとも１枚
の表面を粗面とする手段として、積層材を使用すること
ができる。図３に示した例では、キャップフィルム
（１）が外側材（１１）と内側材（１２）とからなる積
層材であって、気泡シートに形成した後にキャップ表面
に出る外側材（１１）の面を粗面にしてある。
面だけがそうであればよいから、キャップフィルム、バ
ックフィルムおよびライナーフィルムの少なくとも１枚
の表面を粗面とする手段として、積層材を使用すること
ができる。図３に示した例では、キャップフィルム
（１）が外側材（１１）と内側材（１２）とからなる積
層材であって、気泡シートに形成した後にキャップ表面
に出る外側材（１１）の面を粗面にしてある。
【００１６】
【実施例】［実施例１］ＨＤＰＥ（日本ポリオレフィン
製「ジェイレックス」ＫＣ−９８０Ａ、ｄ：０．９５
８、ＭＩ：２０）を材料として、２層構成の気泡シート
を製造した。キャップ径１０mm、高さ４mm、ピッチ１
０．５mmの千鳥配置の、常用の構造のものである。ただ
し、冷却をゆるやかにするため、キャップフィルムを成
形する真空成形ロールの冷却水温度を、通常より高い９
５℃とし、それに伴って、ラインスピードを２５ｍ／分
に下げた。
製「ジェイレックス」ＫＣ−９８０Ａ、ｄ：０．９５
８、ＭＩ：２０）を材料として、２層構成の気泡シート
を製造した。キャップ径１０mm、高さ４mm、ピッチ１
０．５mmの千鳥配置の、常用の構造のものである。ただ
し、冷却をゆるやかにするため、キャップフィルムを成
形する真空成形ロールの冷却水温度を、通常より高い９
５℃とし、それに伴って、ラインスピードを２５ｍ／分
に下げた。
【００１７】得られた気泡シートを、鋼板にアミノアル
キド樹脂塗料を塗装した面に、キャップが接触するよう
にのせ、寸法が５cm×６cmの板を介して、重さ４５gの
錘を乗せ（したがって圧力は１．５g／cm２）、温度７
０℃、ＨＲ９０の条件下に１０日間放置した。比較のた
めに同じ条件で、常用の気泡シートを接触させておいた
ものは、跡が明瞭に残って、水拭きでは除去できなかっ
たのに対し、本発明に従ったものは、気泡シートを取り
除いたところ、わずかに気泡の跡が見えたが、水拭きに
より除去することができた。
キド樹脂塗料を塗装した面に、キャップが接触するよう
にのせ、寸法が５cm×６cmの板を介して、重さ４５gの
錘を乗せ（したがって圧力は１．５g／cm２）、温度７
０℃、ＨＲ９０の条件下に１０日間放置した。比較のた
めに同じ条件で、常用の気泡シートを接触させておいた
ものは、跡が明瞭に残って、水拭きでは除去できなかっ
たのに対し、本発明に従ったものは、気泡シートを取り
除いたところ、わずかに気泡の跡が見えたが、水拭きに
より除去することができた。
【００１８】［実施例２］ＬＤＰＥ（住友化学製「スミ
カセン」Ｆ２０８−１）に、ゼオライト粉末（福助工業
製「ゼオレックス」、平均粒径５μｍ）を５重量％添加
したものを、厚さ１０μｍとなるよう、あわせて、同じ
ＬＤＰＥでゼオライトを添加してないものを厚さ１５μ
ｍとなるよう、フィードブロックを用いたダイから共押
出により押し出して真空成形ロールでこの積層材を成形
してキャップフィルムとし、同じ材質のバックフィルム
を貼り合わせて、実施例１と同じような気泡シートを製
造した。
カセン」Ｆ２０８−１）に、ゼオライト粉末（福助工業
製「ゼオレックス」、平均粒径５μｍ）を５重量％添加
したものを、厚さ１０μｍとなるよう、あわせて、同じ
ＬＤＰＥでゼオライトを添加してないものを厚さ１５μ
ｍとなるよう、フィードブロックを用いたダイから共押
出により押し出して真空成形ロールでこの積層材を成形
してキャップフィルムとし、同じ材質のバックフィルム
を貼り合わせて、実施例１と同じような気泡シートを製
造した。
【００１９】この気泡シートのキャップの頂面は、平均
粗さ約２μｍの凹凸をもっていた。実施例１と同じ条件
で試験したところ、気泡シートを取り除いた塗装面は、
まったく気泡の跡が見えなかった。
粗さ約２μｍの凹凸をもっていた。実施例１と同じ条件
で試験したところ、気泡シートを取り除いた塗装面は、
まったく気泡の跡が見えなかった。
【００２０】
【発明の効果】本発明の跡残りの生じないプラスチック
気泡シートは、たとえば緩衝包装に使用したとき、被包
装物と直接、長い時間にわたって接触させたのちに取り
除いても、気泡の跡が全く残らないか、または跡が認め
られても、拭き取ることにより完全に消去できる程度の
跡しか残らない。したがって、被包装物の価値を損なう
心配なく、容易に緩衝包装を行なうことができる。この
効果は、包装に限らず、他の用途、たとえば窓ガラスに
断熱のため気泡シートを貼り付けておいた場合にも、同
様に得ることができる。
気泡シートは、たとえば緩衝包装に使用したとき、被包
装物と直接、長い時間にわたって接触させたのちに取り
除いても、気泡の跡が全く残らないか、または跡が認め
られても、拭き取ることにより完全に消去できる程度の
跡しか残らない。したがって、被包装物の価値を損なう
心配なく、容易に緩衝包装を行なうことができる。この
効果は、包装に限らず、他の用途、たとえば窓ガラスに
断熱のため気泡シートを貼り付けておいた場合にも、同
様に得ることができる。
【図１】 従来の気泡シートのキャップの頂が、他の物
体に密着している様子を概念的に示した、気泡部分の拡
大拡大断面図。
体に密着している様子を概念的に示した、気泡部分の拡
大拡大断面図。
【図２】 本発明の気泡シートのキャップの頂が、他の
物体に粗面で接触している様子を概念的に示した、図１
に対応する気泡部分の拡大断面図。
物体に粗面で接触している様子を概念的に示した、図１
に対応する気泡部分の拡大断面図。
【図３】 本発明の跡残りの生じない気泡シートの、図
２とは別の態様を示す、気泡部分の拡大断面図。
２とは別の態様を示す、気泡部分の拡大断面図。
１ キャップフィルム
１１ 外側材 １２ 内側材 １３ キャップ
の頂 ２ バックフィルム ３ 気泡内部 ５ 他の物体（被包装物）
の頂 ２ バックフィルム ３ 気泡内部 ５ 他の物体（被包装物）
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 川口 恵子
愛知県名古屋市中村区千成通２丁目50番地
川上産業株式会社内
Ｆターム(参考） 3E066 AA22 CA01 DB10 KA20
3H036 AB18 AB30 AB32 AC03
4F100 AA01A AA01B AA01C AA01H
AK01A AK01B AK01C AK05A
AK05B AK05C AK06 BA02
BA03 BA06 BA10A BA10C
CA23A CA23B CA23C DD07
DD24B GB15 JJ02 JK11
JK15
Claims (6)
- 【請求項１】 プラスチックフィルムの真空成形により
多数のキャップを成形したキャップフィルムと、平坦な
バックフィルムとをキャップの底面において貼り合わ
せ、多数の密閉された空気室を形成してなるプラスチッ
ク気泡シートにおいて、他の物体と接触して置かれる面
の表面が、平均粗さ０．０１〜５μｍの粗面であること
を特徴とする跡残りの生じないプラスチック気泡シー
ト。 - 【請求項２】 プラスチック気泡シートが、キャップフ
ィルムおよびバックフィルムからなる２層構成であり、
キャップフィルムおよびバックフィルムのいずれか一方
または両方の表面が粗面である請求項１のプラスチック
気泡シート。 - 【請求項３】 プラスチック気泡シートが、キャップフ
ィルムおよびバックフィルムに加えて、キャップの頂を
連ねて貼ったもう１枚の平坦なフィルムであるライナー
フィルムを有する３層構成であり、バックフィルムおよ
びライナーフィルムのいずれか一方または両方の表面が
粗面である請求項１のプラスチック気泡シート。 - 【請求項４】 キャップフィルム、バックフィルムまた
はライナーフィルムの少なくとも１枚が積層材であり、
気泡シートに形成した後に表面に出る面が粗面である請
求項１のプラスチック気泡シート。 - 【請求項５】 粗面が、ＨＤＰＥを徐冷することにより
発達した結晶のラメラがフィルム表面に到達して形成し
た、平均粗さ０．０１〜０．０５μｍの微細凹凸である
請求項１のプラスチック気泡シート。 - 【請求項６】 粗面が、プラスチック材料に無機質粉末
を添加してフィルムとすることにより形成した、平均粗
さ０．１〜５μｍの凹凸である請求項１のプラスチック
気泡シート。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001291852A JP2003094541A (ja) | 2001-09-25 | 2001-09-25 | 跡残りの生じないプラスチック気泡シート |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001291852A JP2003094541A (ja) | 2001-09-25 | 2001-09-25 | 跡残りの生じないプラスチック気泡シート |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003094541A true JP2003094541A (ja) | 2003-04-03 |
Family
ID=19113926
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001291852A Pending JP2003094541A (ja) | 2001-09-25 | 2001-09-25 | 跡残りの生じないプラスチック気泡シート |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003094541A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008302565A (ja) * | 2007-06-06 | 2008-12-18 | Kawakami Sangyo Co Ltd | プラスチック気泡シートの製造方法および製造装置 |
| JP2009280262A (ja) * | 2008-05-23 | 2009-12-03 | Kawakami Sangyo Co Ltd | バンパー用包装材 |
| WO2013008318A1 (ja) * | 2011-07-12 | 2013-01-17 | リケンテクノス株式会社 | フィルムで被覆された成形品 |
| CN113518710A (zh) * | 2019-03-28 | 2021-10-19 | 积水化成品工业株式会社 | 层叠发泡片 |
Citations (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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