JPH1016099A - 表面固有抵抗の改善された気泡シート - Google Patents

表面固有抵抗の改善された気泡シート

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JPH1016099A
JPH1016099A JP19292496A JP19292496A JPH1016099A JP H1016099 A JPH1016099 A JP H1016099A JP 19292496 A JP19292496 A JP 19292496A JP 19292496 A JP19292496 A JP 19292496A JP H1016099 A JPH1016099 A JP H1016099A
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JP
Japan
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surface resistivity
sheet
film
antistatic agent
bubble sheet
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Application number
JP19292496A
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English (en)
Inventor
Hajime Kawakami
肇 川上
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Kawakami Sangyo KK
Original Assignee
Kawakami Sangyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】緩衝包装、断熱材等に用いる気泡緩衝体であっ
て、高い帯電防止性能を要求される気泡緩衝体に関する
ものである。 【構成】多数の凸部を有するキヤツプフイルムに平滑な
バツクフイルムを貼着した気泡シートにおいて、その材
質が0.5%から35%の「アイオノマー樹脂」を含む
ことを特徴とする、表面固有抵抗の改善された気泡シー
ト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】緩衝包装に用いる気泡シートであ
って、高い帯電防止性能を要求される気泡シートに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】多数の凸部を有するキヤツプフイルムに
平滑なバツクフイルムを貼着してなる気泡シートは、緩
衝材として広く用いられている。
【0003】これら気泡シートの主原料としてはポリオ
レフィン、特にポリエチレンが用いられてきた。
【0004】上記ポリエチレンを原料とした気泡シート
は、通常その表面固有抵抗が1016Ω/□以上あり、非
常に帯電し易く、被包装物がIC、トランジスタ等の電
子部品を多用している場合、その静電気によって破壊さ
れる恐れがあった。
【0005】これらを解決する手段として原料たるポリ
エチレンにアミン系等の帯電防止剤(いわゆる界面活性
剤)を適量添加して、その表面固有抵抗を低下させるこ
とは通常行われてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような帯電防止剤
を添加した気泡シートの場合、帯電防止剤、つまり界面
活性剤がポリエチレンの表面にブリードアウトし、これ
に空気中の水分が水素結合によって吸着し、水の皮膜を
作ることにより、水の皮膜が電気を通しやすくするた
め、表面固有抵抗が下がるわけである。しかし、このよ
うな種類の帯電防止剤を用いた場合、水素結合の結合力
がイオン結合などよりはるかに小さいこともあり、空気
中の水分量、つまり湿度の影響を受け易く、湿度RH6
5%程度においては表面固有抵抗が1010Ω/□の成績
を示すものでも、湿度RH40%程度になると表面固有
抵抗は1012Ω/□か、それ以上に上昇してしまう。こ
のような帯電防止剤の湿度依存性の高さは、特に乾燥し
た冬季には問題となっていた。
【0007】また、上記のように従来の帯電防止剤を添
加したものは、表面への帯電防止剤のブリードアウトが
終わる(つまり帯電防止剤の含有量が0になる。)とと
もに、無添加品と同等まで表面固有抵抗が上昇してしま
った。つまり寿命が短かった訳である。この期間は、発
明者の研究するところによると、長くとも1〜2年程度
であった。もし、帯電防止剤を大量に添加して、その寿
命を延ばそうとしても、今度は、製造後の初期の段階
で、帯電防止剤が大量にブリードアウトしすぎてしま
い、白濁や表面のベトつき等の問題によって気泡シート
の品質自体を低下させる結果となった。また、内容物が
プラスチックや金属の場合、帯電防止剤の添加量が適正
であっても、主としてアミン系等のものが用いられる帯
電防止剤においては、ブリードアウトした成分と内容物
表面が化学変化を起こし、気泡シートの模様が転写する
こともしばしば発生した。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者は上記の問題を解
決するものとして本発明を完成した。図1および図2を
用いて以下に説明する。
【0009】
【図1】
【0010】図1は、本発明による気泡シートの1実施
例の斜視図であって、1は本発明気泡シート、2はキヤ
ツプフイルム、3はバツクフイルム、4は空気室、Dは
空気室の直径、Hは空気室の高さである。
【0011】図1に示す空気室5は一般的な形状の円筒
形で、空気室の高さHは2ないし20mmの範囲に、空
気室の直径Dは3ないし50mmの範囲にある。しか
し、本願発明の気泡シートの形状はこれに限定されるも
のではなく、例えば、空気室5の形状はさらに大粒であ
ってもよいし、その形状も、直方体等の形状を有してい
てもかまわない。
【0012】
【図2】
【0013】また、気泡シート1の形状は図2に示すよ
うに、多数の凸部を有するキヤツプフイルム2に平滑な
バツクフイルム3を貼着して、さらにキヤツプフイルム
2の頂部にライナーフイルム5を貼着した3層品であっ
てもよい。
【0014】本発明気泡シートの素材としては、ベース
レジンたる合成樹脂中に、メタクリル酸にエチレンを共
重合させ、金属イオンによって架橋された「アイオノマ
ー樹脂」を0.5から35%の範囲、さらに好ましく
は、0.5%から20%添加させたものを用いる。発明
者らの経験上、添加量が0.5%以下であれば、無添加
品と、表面固有抵抗、半減期に差を生じないため、添加
する意味がなくなってしまうし、35%以上添加して
も、表面固有抵抗、半減期にほとんど差を生じないた
め、経済的に好ましくない。
【0015】金属イオンとしては、メタクリル酸の有す
るO−基が電気陰性度が大きいため、結合力を高めるた
めに電気陰性度の極端に小さいNa+、Zn++、K+
等が好ましい。これら金属イオンによって架橋された
「アイオノマー樹脂」は、温度の高低によってイオン架
橋の結合力に強弱を生ずる。従って、高温の場合はイオ
ン架橋の結合力は弱まり、低温時は強固に結合される性
質を有する。そのために、加熱による加工は容易であ
り、常温では優れた機械的強度を有する。それら電気陰
性度の極端に小さい金属イオンのなかでも、特にK+を
用いたものは、K+がイオン化傾向が大きい(つまり、
電子を放出して安定する傾向が強い)ために、「アイオ
ノマー樹脂」が自己の内部に電気的抵抗を低下させる働
きが大きく、得られた気泡シートの表面固有抵抗、半減
期を下げる働きがある。また、表面に露出しているK+
については、補助的な役割ではあるが、従来の帯電防止
剤のように水とイオン的に結合し(この結合自体も従来
の帯電防止剤による水素結合よりはるかに強固であり、
湿度の影響は少ない。)、表面に水の皮膜を作るため、
さらに表面固有抵抗を下げる働きもある。このように、
本発明気泡シートは、従来の帯電防止剤を用いたものと
異なり、殆ど湿度依存性がない。また気泡シートを構成
する素材自体がその分子の中にイオンを持ち、電気的抵
抗を低下させる働きを有しているため、その働きは半永
久的であり、寿命は格段に長い。また、アミン系等の帯
電防止剤を添加していないため、内容物に気泡シートの
粒跡が転写する恐れもない。
【0016】ベースレジンたる合成樹脂は合成樹脂であ
ればどのようなものを用いてもよいが、先に述べたよう
にポリオレフィン、特にポリエチレンが好ましい。この
場合、ポリエチレンの中でもLDPEを35%以上含有
することが好ましい。もし、HDPEや、L−LDPE
を主体として、LDPEの配合量を25%より減らすな
らば、発明者らの経験上、押出成形のさいに、サージン
グの発生やネッキングが大きいために、製膜作業が非常
に困難となることが判明しているからである。
【0017】
【作用】本発明気泡シートは、その素材として、ベース
レジンたる合成樹脂中に、メタクリル酸にエチレンを共
重合させ、金属イオンによって架橋された「アイオノマ
ー樹脂」を0.5から35%の範囲、さらに好ましくは
0.5%から20%添加させたものを用いる。本発明気
泡シートが含有する「アイオノマー樹脂」は、温度の高
低によってイオン架橋の結合力に強弱を生ずる。従っ
て、高温の場合はイオン架橋の結合力は弱まり、低温時
は強固に結合される性質を有する。そのために、加熱に
よる加工は容易であり、常温では優れた機械的強度を有
する。また「アイオノマー樹脂」に含まれる電気陰性度
の極端に小さい金属イオンのなかでも、特にK+を用い
たものは、K+イオン化傾向が大きいため、自己の内部
の電気的抵抗を低下させる働きが大きく、得られた気泡
シートの表面固有抵抗、半減期を下げる働きがある。表
面に露出しているK+については、補助的な役割ではあ
るが、従来の帯電防止剤の様に水とイオン的に結合し
(この結合自体も従来の帯電防止剤による水素結合より
はるかに強固である。)表面に水の皮膜を作るため、さ
らに表面固有抵抗を下げる働きもある。さらに「アイオ
ノマー樹脂」自体が分子中にイオンを含み、電気的抵抗
を低下させる働きを有しているため、その働きは半永久
的であり、寿命は格段に長い。ベースレジンたる合成樹
脂は合成樹脂であればどのようなものを用いてもよい
が、先に述べたようにポリオレフィン、特にポリエチレ
ンが好ましい。
【0018】
【実施例】空気室の高さH=4mm、空気室の直径D=
10mmの2層の気泡シートを得た。材質はポリエチレ
ンでその重さは80g/平方メートルであり、「アイオ
ノマー樹脂」20%を添加した。
【0019】
【比較例】空気室の高さH=4mm、空気室の直径D=
10mmの従来の2層の気泡シートを得た。材質はポリ
エチレンでその重さは80g/平方メートルであり、ア
ミン系帯電防止剤を400ppm添加した。
【0020】
【表面固有抵抗の測定】JIS K6911 5.13
項に準拠して表面固有抵抗を測定した。その結果を表1
に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【測定結果】表1に示すとおり、実施例の本発明気泡シ
ートは、特に湿度RH50%以下において良好な表面固
有抵抗を示し、比較例の従来技術による帯電防止剤添加
の気泡シートに比べ、表面固有抵抗の湿度依存性が改善
されていることが確認された。
【0023】
【効果】 本発明気泡シートは、その含有する「アイオノマー樹
脂」によって優れた機械的強度を有する。 本発明気泡シートが含有する「アイオノマー樹脂」に
よって優れた帯電防止性能を有する。 本発明気泡シートが含有する「アイオノマー樹脂」の
働きは半永久的であり、寿命は格段に長い。 表面に露出しているK+イオンによって補助的な役割
ではあるが、表面に水の皮膜を作るため、さらに表面固
有抵抗を下げる働きもある。 帯電防止剤を添加していないため、気泡シートの粒跡
が内容物に転写する恐れがまったくない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明気泡緩衝体の1実施例の斜視図である。
【図2】本発明気泡緩衝体の別の1実施例の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 気泡シート 2 キヤツプフイルム 3 バツクフイルム 4 空気室 5 ライナーフイルム D 空気室の直径 H 空気室の高さ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の凸部を有するキヤツプフイルムに
    平滑なバツクフイルムを貼着した気泡シートにおいて、
    その材質が合成樹脂中に、メタクリル酸にエチレンを共
    重合させ、金属イオンによって架橋された「アイオノマ
    ー樹脂」を0.5から35%混合した樹脂であることを
    特徴とする気泡シート。
  2. 【請求項2】 キヤツプフイルムの凸部の表面にさらに
    もう一枚平坦なライナーフイルムを貼着したことを特徴
    とする、請求項1記載の気泡シート。
  3. 【請求項3】 上記合成樹脂がポリエチレンであり、そ
    の少なくとも25%以上がLDPEであることを特徴と
    する、請求項1ないし2記載の気泡シート。
  4. 【請求項4】 上記金属イオンが、K+であることを特
    徴とする、請求項1ないし3記載の気泡シート。
JP19292496A 1996-07-03 1996-07-03 表面固有抵抗の改善された気泡シート Pending JPH1016099A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003094541A (ja) * 2001-09-25 2003-04-03 Kawakami Sangyo Co Ltd 跡残りの生じないプラスチック気泡シート
KR101315439B1 (ko) * 2012-04-09 2013-10-07 장동운 정전기 방지 및 에어캡 완충 도전성 시트
GB2516431A (en) * 2013-07-19 2015-01-28 Sansetsu Uk Ltd Cushioning material

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