JP2003094221A - 穴明け工具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 切屑排出性を確保しつつ、切刃部の剛性の向
上を図る。 【解決手段】 軸線Ｏ回りに回転される工具本体１先端
側の切刃部２外周に切屑排出溝１１が形成されるととも
に、この切屑排出溝１１の工具回転方向Ｔを向く壁面１
１Ａの先端に切刃８Ａが設けられてなる穴明け工具にお
いて、切刃部２における切屑排出溝１１の溝幅Ｂを、後
端側に向かうに従い、切刃部２の先端側の範囲Ｍで漸次
減少するとともに、これよりも後端側の範囲Ｎでは漸次
増大するように形成する一方、切刃部２における心厚
は、後端側に向かうに従い、先端側の範囲Ｍで漸次増大
するか一定とするとともに、後端側の範囲Ｎでは漸次減
少するように形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、軸線回りに回転さ
れる工具本体先端側の切刃部外周に切屑排出溝が形成さ
れるとともに、この切屑排出溝の工具回転方向を向く壁
面の先端に切刃が設けられ、主として金属材よりなる加
工物に穴明け加工をするのに用いられる穴明け工具に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】このような穴明け工具としては、例えば
図６ないし図１０に示すようなものが提案されている。
これらの図に示す穴明け工具では、軸線Ｏを中心として
該軸線Ｏ回りに工具回転方向Ｔに回転される概略円柱状
の工具本体１の先端側（図６〜８において左側）が切刃
部２とされ、この切刃部２の外周には一対の切屑排出溝
３，３が、軸線Ｏに関して互いに対称となるように、該
切刃部２の先端面、すなわち工具本体１の先端面４から
後端側（図６〜８において右側）に向けて、しかも後端
側に向かうに従い軸線Ｏ回りに工具回転方向Ｔの後方側
に捩れる螺旋状に形成されている。ここで、上記工具本
体１の後端部は先端側の切刃部２よりも一段大径とされ
たシャンク部５とされているとともに、このシャンク部
５と切刃部２との間には後端側に向けて漸次拡径するテ
ーパ部６が形成されており、切屑排出溝３，３はこのテ
ーパ部６において外周側に切り上げられている。

【０００３】一方、切屑排出溝３，３の工具回転方向Ｔ
側を向く壁面３Ａの先端には、上記先端面４に開口する
ようにチップ取付座７，７がそれぞれ形成されており、
これらのチップ取付座７，７には、超硬合金等の硬質材
料よりなるスローアウェイチップ８がその切刃８Ａを上
記先端面４よりも先端側に突出させて、クランプネジ９
により着脱可能に取り付けられている。なお、これらの
図に示す穴明け工具では、これら切屑排出溝３，３の先
端に設けられるチップ取付座７，７やスローアウェイチ
ップ８，８およびその切刃８Ａ，８Ａも、軸線Ｏに関し
て互いに対称となるように形成、配置されている。ま
た、工具本体１にはその後端から軸線Ｏに沿って切削油
剤の供給孔１Ａが穿設されていて、この供給孔１Ａは切
刃部２の先端側において２つに分岐してそれぞれ上記先
端面４に開口させられている。そして、このような穴明
け工具にいては、工具本体１を軸線Ｏ回りに工具回転方
向Ｔに回転しつつ、該軸線Ｏ方向先端側に送り出すこと
により上記切刃８Ａ，８Ａによって加工物を切削して加
工穴を穿設し、その際に切刃８Ａ，８Ａによって生成さ
れた切屑は、切屑排出溝３，３を通して工具後端側に送
り出されて加工穴から排出させられる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
穴明け工具において、上述のように切屑を排出するため
の切屑排出溝３，３は、一般に図７および図９，１０に
示すように切刃部２の全長に亙ってその溝幅Ｂが一定と
されており、従ってこれらの切屑排出溝３，３の間に画
成されるランド１０の幅Ａに対して溝幅Ｂがなす溝幅比
Ｂ／Ａも、切刃部２の全長に亙って一定とされている。
なお、図７は、螺旋状に形成された切屑排出溝３を、こ
のように一定幅とされた溝幅Ｂの幅方向中心線が軸線Ｏ
と平行となるように延ばした状態を想定したときの、該
中心線が軸線Ｏと一致する方向から見た簡略化した側面
図である。ただし、切刃８Ａは、その軸線Ｏ回りの回転
軌跡で示されている。また、その一方で、図８〜１０に
示すように、この切刃部２の心厚ｄ、すなわち切刃部２
の軸線Ｏに直交する断面において該軸線Ｏを中心として
切屑排出溝３，３の溝底面に接する心厚円の直径も、該
切刃部２の全長に亙って一定とされている。なお、図８
は、螺旋状に形成された切屑排出溝３の溝底面と上記心
厚円との軸線Ｏに直交する断面における接点を連ねた螺
旋曲線を軸線Ｏと平行な直線となるように延ばした状態
を想定したときの、該直線と軸線Ｏとを含む平面による
断面図である。

【０００５】従って、このような穴明け工具において
は、切屑の排出性の向上を図るために切屑排出溝３の断
面積を増大させようとして、上記溝幅Ｂおよび溝幅比Ｂ
／Ａを大きくしたり、あるいは切屑排出溝３の溝深さを
深くしたりすると、切刃部２の全長に亙って工具本体１
の断面積が減少することとなり、これによって工具本体
１の剛性が損なわれて穴明け加工中にビビリ振動が生じ
たり、場合によっては工具本体１が切刃部２で折損した
りするおそれがあった。また、このような工具本体の剛
性の低下を防ぎつつ切屑排出性の向上を図ったものとし
ては、例えば特開昭６２−２１３９１１号公報に、切刃
部の先端側では切屑排出溝を螺旋状とするとともにこれ
よりも後端側では軸線Ｏに平行な直線状とし、この直線
状切屑排出溝の溝幅比を捩れた切屑排出溝の溝幅比より
も大きくしたものも提案されているが、この穴明け工具
においては、小さな溝幅で一定とされた先端側の捩れ溝
から大きな幅で一定とされた後端側の直線状切屑排出溝
に移行する部分で溝幅が一気に増大しているため、この
直線状切屑排出溝の先端側の部分での工具本体の断面積
の減少が大きく、言い換えればこの部分で必要以上に工
具本体の肉厚が削がれてしまうため、やはり工具剛性の
劣化が免れない。

【０００６】本発明は、このような背景の下になされた
もので、上述のような穴明け工具において、切屑排出性
を確保しつつ、切刃部の剛性の向上を図ることが可能な
穴明け工具を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】ここで、本発明の発明者
らは、このような穴明け工具において種々の試験を試み
た結果、切刃のすぐ後方の上記切刃部先端側の範囲にお
いては、切屑がその生成時の成長による押し出し力によ
って工具本体の後端側に押し出されるようにして流れ出
るので、ある程度の排出性を確保することができるとい
う知見を得るに至った。このため、この切刃部における
先端側の範囲では、後端側に向かうに従い、切屑排出溝
の溝幅を漸次減少させるとともに、心厚を一定とした
り、あるいは漸次大きくしたりしても、これよりも後端
側の範囲で切屑排出溝の溝幅が大きくされ、かつ心厚が
小さくされていれば、十分良好な切屑排出性を確保する
ことができる。

【０００８】本発明は、このような知見に基づき、上記
課題を解決して上述の目的を達成するために、軸線回り
に回転される工具本体先端側の切刃部外周に切屑排出溝
が形成されるとともに、この切屑排出溝の工具回転方向
を向く壁面の先端に切刃が設けられてなる穴明け工具に
おいて、まず第１に、上記切刃部における上記切屑排出
溝の溝幅を、後端側に向かうに従い、該切刃部の先端側
の範囲で漸次減少するとともに、これよりも後端側の範
囲では漸次増大するように形成する一方、上記切刃部に
おける心厚は、後端側に向かうに従い、上記先端側の範
囲で漸次増大するとともに、上記後端側の範囲では漸次
減少するように形成したことを特徴とし、また第２に
は、同じく切刃部における上記切屑排出溝の溝幅を、後
端側に向かうに従い、該切刃部の先端側の範囲で漸次減
少するとともに、これよりも後端側の範囲では漸次増大
するように形成する一方、上記切刃部における心厚につ
いては、上記先端側の範囲では一定とするとともに、上
記後端側の範囲では後端側に向かうに従い漸次減少する
ように形成したことを特徴とする。従って、これらのよ
うに構成された穴明け工具によれば、上記知見の通り、
良好な切屑排出性を確保できる一方、切刃部の先端側範
囲では工具本体の断面積を増大させることができるの
で、剛性の向上を図ることができる。

【０００９】なお、ここで、切屑排出溝の溝幅が後端側
に向かうに従い漸次増大し、かつ心厚が後端側に向かう
に従い漸次増大または一定とされる切刃部の先端側の範
囲は、上記切刃の外周端から、該切刃の外径Ｄに対して
１×Ｄ〜２×Ｄまでの範囲とされるのが望ましい。すな
わち、これよりも先端側の切刃に近い範囲で後端側に向
かうに従い溝幅が増大し始め、また心厚が減少し始める
と、切刃部において十分な剛性の向上が図られなくなる
おそれがある一方、逆に上記範囲よりも後端側において
溝幅が増大し始めたり心厚が減少し始めたりしても、上
述の切屑生成時の成長による押し出し力が十分に作用せ
ずに切屑詰まりを生じたりするおそれがある。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１ないし図４は、本発明の第１
の実施形態を示すものであって、このうち図１は図７に
示したのと同様に、その切屑排出溝１１，１１の溝幅Ｂ
の幅方向中心線が軸線Ｏと平行となるように延ばした状
態を想定したときの、該中心線が軸線Ｏと一致する方向
から見た簡略化した側面図であり、また図２は図８に示
したのと同様に、螺旋状に形成された切屑排出溝１１の
溝底面と心厚円との軸線Ｏに直交する断面における接点
を連ねた螺旋曲線を軸線Ｏと平行な直線となるように延
ばした状態を想定したときの、該直線と軸線Ｏとを含む
平面による断面図である。なお、この実施形態において
は、その上記切屑排出溝１１，１１が上述した図６ない
し図１０に示した穴明け工具の切屑排出溝３と異なって
いるだけであるので、その他の部分についてはこの図６
ないし図１０の穴明け工具と同一の符号を配して説明を
簡略化する。

【００１１】すなわち、本実施形態においても、軸線Ｏ
回りに工具回転方向Ｔに回転される工具本体１先端側の
切刃部２外周には、軸線Ｏに直交する断面においてその
溝壁面および溝底面が凹曲線状をなす一対の切屑排出溝
１１，１１が、それぞれ軸線Ｏに関して対称に、かつ切
刃部２の先端面４に開口して後端側に向かうに従い軸線
Ｏ回りに工具回転方向Ｔの後方側に捩れる螺旋状に形成
されており、切刃部２後端側のテーパ部６において外周
側に切り上げられている。また、各切屑排出溝１１，１
１の工具回転方向Ｔを向く壁面１１Ａ，１１Ａの先端に
は、例えばスローアウェイチップ８（図示略）が取り付
けられるなどして、切刃８Ａが設けられている。

【００１２】そして、本実施形態では、この切屑排出溝
１１の溝幅Ｂが、図１および図３、図４に示すように切
刃部２の先端側において、上記切刃８Ａの外周端から軸
線Ｏ方向に所定の長さＬまでの範囲Ｍで該切屑排出溝１
１の溝幅Ｂが漸次減少させられ、これよりも切刃部２の
後端側の範囲Ｎにおいては、この溝幅Ｂが漸次増大する
ようにされている。ここで、この第１の実施形態におい
ては、この溝幅Ｂが漸次減少・増大する範囲Ｍ・Ｎで、
該溝幅Ｂはそれぞれ一定の割合で減少・増大するように
されており、従ってランド１０の幅Ａは逆に一定の率で
増大・減少させられるとともに、溝幅比Ｂ／Ａは一定率
で減少・増大させられることとなる。その一方で、この
切刃部２における心厚ｄは、図２ないし図４に示すよう
に、上記先端側範囲Ｍにおいて後端側に向かうに従い漸
次増大させられるとともに、後端側範囲Ｎでは漸次減少
させられており、その増大・減少の割合も、先後端側範
囲Ｍ・Ｎでそれぞれ一定とされている。

【００１３】従って、このように構成された穴明け工具
では、先端側範囲Ｍにおいて切屑排出溝１１の溝幅Ｂが
後端側に向けて漸次減少させられるとともに心厚ｄが漸
次増大させられることにより、切刃部２の断面積は漸次
大きくなってゆき、このため切刃部２の剛性の向上を図
ることができる。その一方で、切屑排出溝１１の断面積
はこの先端側範囲Ｍでは後端側に向けて漸次小さくなる
ため、切屑排出性自体は悪化してゆくが、上述したよう
に切刃８Ａに近いこの切刃部２の先端側範囲Ｍでは、切
屑の成長に伴う押し出し力によって切屑が強制的に後端
側に排出されるため、切屑詰まりが生じることはない。
そして、この先端側範囲Ｍよりも後端側の上記後端側範
囲Ｎにおいては、逆に切屑排出溝１１の溝幅Ｂは後端側
に向けて増大させられ、心厚ｄは減少させられているの
で、このように後端側に強制的に送り出された切屑は円
滑に排出されることとなり、良好な切屑排出を促すこと
が可能となる。このため、上記構成の穴明け工具によれ
ば、剛性不足によるビビリ振動や折損の発生を防ぎつつ
も、切屑排出性を損なうことなく確実に処理することが
でき、安定かつ円滑な穴明け加工を可能とすることがで
きる。

【００１４】次に、図５は本発明の第２の実施形態を示
すものであって、図２および図８に示したのと同様に、
螺旋状に形成された切屑排出溝１１の溝底面と心厚円と
の軸線Ｏに直交する断面における接点を連ねた螺旋曲線
を軸線Ｏと平行な直線となるように延ばした状態を想定
したときの、該直線と軸線Ｏとを含む平面による断面図
であり、この第２の実施形態においては、心厚ｄが、切
刃部２の上記先端側範囲Ｍにおいては一定の大きさとさ
れ、これよりも後端側の上記後端側範囲Ｎにおいては、
第１の実施形態と同様に後端側に向かうに従い漸次減少
させられていて、その減少率も一定とされている。な
お、この第２の実施形態において切屑排出溝１１の溝幅
Ｂの変化は第１の実施形態の図１、図３、および図４に
示したものと同様であるので、説明を省略する。

【００１５】従って、このように構成された第２の実施
形態の穴明け工具においても、切刃部２の先端側範囲Ｍ
では溝幅Ｂが漸減するために切屑排出性は悪化するもの
の、切屑生成時の押し出し力によって切屑が強制的に排
出されるので切屑詰まりが生じたりすることはなく、心
厚ｄが一定であることとも相俟って切刃部２の剛性を確
保することができる。そして、これよりも後端側の上記
後端側範囲Ｎにおいては、溝幅Ｂが漸増されるとともに
心厚ｄが漸減されるので、こうして先端側範囲Ｍから押
し出された切屑を円滑に後端側に導いて排出することが
できる。しかも、本実施形態では先端側範囲Ｍで心厚ｄ
が一定であるため、後端側範囲Ｎの先端での心厚ｄの大
きさが同じならば第１の実施形態よりも先端側範囲Ｍに
おける切刃部２の剛性をさらに向上させることができ
る。

【００１６】なお、これら第１、第２の実施形態におい
て切屑排出溝１１の溝幅Ｂが漸減し、また心厚ｄが漸増
もしくは一定とされる先端側の範囲Ｍは、これが軸線Ｏ
方向に長すぎると、切屑の成長による上記押し出し力が
先端側範囲Ｍの後端側で作用しなくなって切屑詰まりが
生じるおそれがある。その一方で、逆にこの先端側範囲
Ｍが短すぎると、溝幅Ｂが漸減し、また心厚ｄが漸増も
しくは一定とされる部分が小さくなるため、切刃部２の
剛性を確実に確保することができなくなるおそれがあ
る。このため、この後端側に向かうに従い切屑排出溝１
１の溝幅Ｂが漸次減少させられ、また心厚ｄが漸次増大
もしくは一定とされる切刃部２の先端側の範囲Ｍは、そ
の切刃８Ａの外周端から軸線Ｏ方向の長さＬが、該切刃
８Ａの外周端が軸線Ｏ回りになす円の直径、すなわち切
刃８Ａの外径Ｄに対して１×Ｄ〜２×Ｄの範囲とされる
のが望ましい。

【００１７】なお、これら第１、第２の実施形態の穴明
け工具のように、切屑排出溝１１の溝幅Ｂを切刃部２の
先端側範囲Ｍでは後端側に向けて漸次減少させるととも
に、これよりも後端側の上記後端側範囲Ｎにおいては漸
次増大させるには、例えばこの切屑排出溝１１の溝幅Ｂ
の上記幅方向の中心線が軸線Ｏ回りに一定の捩れ角とな
るように、切屑排出溝１１の工具回転方向Ｔを向く壁面
１１Ａと工具回転方向Ｔ後方側を向く壁面１１Ｂとの双
方を、先端側範囲Ｍから後端側範囲Ｎに移る境界部分で
曲折させるようにしてもよいが、例えばこれらの壁面１
１Ａ，１１Ｂのいずれか一方は一定の捩れ角となるよう
にして、他方のみを上記境界部分で曲折させるようにし
てもよい。特に、工具回転方向Ｔを向く壁面１１Ａを一
定の捩れ角とした場合には、先端側範囲Ｍから後端側範
囲Ｎへの切屑排出を円滑とすることができるので、一層
確実な切屑排出性の確保を図ることができる。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
切屑生成時の押し出し力に基づいて良好な切屑排出性を
確保しつつ工具剛性の向上を図ることができ、これによ
り穴明け加工中の工具本体のビビリ振動や万一の折損な
どを防ぎながら、円滑かつ安定した穴明けを行うことが
可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の第１、第２の実施形態を示す、切屑
排出溝１１の溝幅Ｂの幅方向中心線が軸線Ｏと平行とな
るように延ばした状態を想定したときの、該中心線が軸
線Ｏと一致する方向から見た簡略化した側面図である。

【図２】 本発明の第１の実施形態において、切屑排出
溝１１の溝底面と心厚円との軸線Ｏに直交する断面にお
ける接点を連ねた螺旋曲線を軸線Ｏと平行な直線となる
ように延ばした状態を想定したときの、該直線と軸線Ｏ
とを含む平面による断面図である（ただし供給孔１Ａは
図示略。）。

【図３】 図１、図２および図５におけるＹＹ断面図
（切刃部２先端側における軸線Ｏに直交する断面図）で
ある（ただし供給孔１Ａは図示略。）。

【図４】 図１、図２および図５におけるＺＺ断面図
（切刃部２後端側における軸線Ｏに直交する断面図）で
ある（ただし供給孔１Ａは図示略。）。

【図５】 本発明の第２の実施形態を示す、切屑排出溝
１１の溝底面と心厚円との軸線Ｏに直交する断面におけ
る接点を連ねた螺旋曲線を軸線Ｏと平行な直線となるよ
うに延ばした状態を想定したときの、該直線と軸線Ｏと
を含む平面による断面図である（ただし供給孔１Ａは図
示略。）。

【図６】 従来の穴明け工具の一例を示す側面図であ
る。

【図７】 図６に示す穴明け工具において、切屑排出溝
３の溝幅Ｂの幅方向中心線が軸線Ｏと平行となるように
延ばした状態を想定したときの、該中心線が軸線Ｏと一
致する方向から見た簡略化した側面図である。

【図８】 図６に示す穴明け工具において、切屑排出溝
５の溝底面と心厚円との軸線Ｏに直交する断面における
接点を連ねた螺旋曲線を軸線Ｏと平行な直線となるよう
に延ばした状態を想定したときの、該直線と軸線Ｏとを
含む平面による断面図である。

【図９】 図６〜８におけるＹＹ断面図である。

【図１０】 図６〜８におけるＺＺ断面図である。

【符号の説明】

１ 工具本体 ２ 切刃部 ８Ａ 切刃 １１ 切屑排出溝 １１Ａ 切屑排出溝１１の工具回転方向Ｔを向く壁面 Ｏ 工具本体１の軸線 Ｔ 工具回転方向 Ｍ 切刃部２の先端側の範囲 Ｎ 切刃部２の後端側の範囲 Ｌ 切刃８Ａの外周端からの先端側範囲Ｍの長さ Ｂ 溝幅 ｄ 心厚

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐久間 貞義 岐阜県安八郡神戸町大字横井字中新田1528 番地 三菱マテリアル株式会社岐阜製作所 内 Ｆターム(参考） 3C037 DD01

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 軸線回りに回転される工具本体先端側の
   切刃部外周に切屑排出溝が形成されるとともに、この切
   屑排出溝の工具回転方向を向く壁面の先端に切刃が設け
   られてなる穴明け工具において、上記切刃部における上
   記切屑排出溝の溝幅は、後端側に向かうに従い、該切刃
   部の先端側の範囲で漸次減少するとともに、これよりも
   後端側の範囲では漸次増大するように形成される一方、
   上記切刃部における心厚は、後端側に向かうに従い、上
   記先端側の範囲で漸次増大するとともに、上記後端側の
   範囲では漸次減少するように形成されていることを特徴
   とする穴明け工具。
2. 【請求項２】 軸線回りに回転される工具本体先端側の
   切刃部外周に切屑排出溝が形成されるとともに、この切
   屑排出溝の工具回転方向を向く壁面の先端に切刃が設け
   られてなる穴明け工具において、上記切刃部における上
   記切屑排出溝の溝幅は、後端側に向かうに従い、該切刃
   部の先端側の範囲で漸次減少するとともに、これよりも
   後端側の範囲では漸次増大するように形成される一方、
   上記切刃部における心厚は、上記先端側の範囲では一定
   とされるとともに、上記後端側の範囲では後端側に向か
   うに従い漸次減少するように形成されていることを特徴
   とする穴明け工具。
3. 【請求項３】 上記先端側の範囲が、上記切刃の外周端
   から、該切刃の外径Ｄに対して１×Ｄ〜２×Ｄまでの範
   囲であることを特徴とする請求項１または請求項２に記
   載の穴明け工具。