JP2003089512A - 四フッ化珪素の精製方法 - Google Patents

四フッ化珪素の精製方法

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JP2003089512A
JP2003089512A JP2001274406A JP2001274406A JP2003089512A JP 2003089512 A JP2003089512 A JP 2003089512A JP 2001274406 A JP2001274406 A JP 2001274406A JP 2001274406 A JP2001274406 A JP 2001274406A JP 2003089512 A JP2003089512 A JP 2003089512A
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gas
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pressure
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JP2001274406A
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Shinsuke Nakagawa
伸介 中川
Shigero Shibayama
柴山  茂朗
Atsushi Riyoukawa
敦 両川
Hisakazu Ito
久和 伊東
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Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エレクトロニクス分野、光学分野等で使用さ
れる高純度四フッ化珪素の精製法を提供する。 【解決手段】 珪素とフッ化水素をで反応させて四フッ
化珪素を製造するにおいて、四フッ化珪素を固化させた
容器内に10kPa以上の圧力のヘリウムガスを満た
し、続いて該容器を1kPa以下の圧力まで排気する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、エレクトロニクス
分野、光学分野等で使用される四フッ化珪素の精製方法
に関するものである。 【0002】 【従来の技術】四フッ化珪素は、石英系ファイバーのフ
ッ素ドープ剤、半導体リソグラフィー用フォトマスク材
料の原料、半導体製造用CVD原料ガスなどに利用さ
れ、その使用量は年々増加している。そのため高純度の
四フッ化珪素を効率よく製造するための技術が求められ
ている。 【0003】四フッ化珪素は、いろいろな物質を出発原
料とした種々の製造方法が考案されまた実際に工業的製
造が行われているが、いずれの製造方法においても高純
度用途に対しては粗四フッ化珪素に含まれている各種の
不純物を精製することが必須である。四フッ化珪素中の
不純物ガス成分は、例えば含珪素化合物のSiOF2
(SiF32Oなどについては活性炭(特開昭57−1
56317号公報)や脱水処理したアルミナ(特開昭5
9−162122号公報)で吸着する方法、SO2、H2
S、CO2、HClについてはゼオライトで吸着する方
法(特開昭59−50016号公報)等が提案されてい
るが、H2、O2、N2、CO、CH4等の低沸点成分など
の吸着法には、有効な精製方法ではない。 【0004】これら低沸点成分については、四フッ化珪
素を液体窒素などで冷却固化し、その容器(以下トラッ
プ容器と呼ぶ)内の気相部分を2torr(266P
a)以下の圧力まで減圧脱気することによりこれら低沸
点成分ガスを除去する方法(特開昭64−52604号
公報)が提案されている。 【0005】 【発明が解決しょうとする課題】上記提案の精製法は、
冷却によって四フッ化珪素を固化した時、H2、O2、N
2、CO、CH4等の各低沸点成分が気相側に分配される
という現象を利用したものである。例えば液体窒素温度
(大気圧のとき−195.8℃)で四フッ化珪素を冷却
固化することで当該方法による精製を行なうにあたって
は、これら低沸点成分は、気相中にガスとして留まるの
に必要な十分な蒸気圧を有している。これら低沸点成分
は、100%気相側に分布するのであれば、固化した四
フッ化珪素の上部の気相を減圧排除すれば効率よく四フ
ッ化珪素から分離することができるはずである。またそ
の精製の効果は、固化した四フッ化珪素の量、その上部
空間の体積、脱気の到達真空度から算出できるはずであ
る。ところが実際に当該精製法を実施してみると、計算
で予測される純度には到達しない。 【0006】その原因は、H2、O2、N2、CO、CH4
等の低沸点成分が四フッ化珪素が固化しているトラップ
容器の中で気相部分のみに分布しているのではなく、固
体四フッ化珪素の表面や容器の材質の表面に吸着した状
態で多くが存在しており、またそれらは減圧のみによっ
ては脱着しにくいためと推定される。そのため気相部分
を単に真空ポンプで排気するだけでは期待したほど効率
よく精製できないものと考えられる。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、固体四フ
ッ化珪素と低沸点成分ガスを効率よく分離する方法につ
いて鋭意検討したところ、これら固体表面に吸着してい
ると考えられるH2、O2、N2、CO、CH4等を四フッ
化珪素の容器から排出するために系内にヘリウムガスを
導入することが有効であることを見出し本発明に到達し
た。 【0008】すなわち本発明は、真空ポンプによる排気
に先だってトラップ容器内に一旦ヘリウムガスを満た
し、その後改めて真空脱気すると、ヘリウムガスを導入
することなく真空脱気するときに比べてH2、O2
2、CO、CH4等の排出が促進されるのである。この
現象の機構の詳細は明らかではないが、固体表面に吸着
しているH2、O2、N2、CO、CH4等がこれらよりも
吸着熱の小さいガスであるヘリウムによって気相側に追
い出される作用があるものと解釈される。 【0009】本発明においては当該ヘリウムの導入は、
いわゆるバッチ方式での操作法について記述するが、導
入ヘリウムを連続的にトラップ容器内に流通させ、その
後ヘリウムの流通を止め真空脱気するという方法を排除
するものではない。 【0010】ヘリウムの充填圧力は、低すぎるとその効
果が顕著でないため少なくとも10kPa以上必要であ
る。また上限は特に限定されないが、耐真空容器である
トラップ容器に耐加圧性をも具備させるのは設備が高価
になり、他方精製効果はその費用に見合うほどには増大
しないので通常は最大圧力は大気圧とするのが設備面か
らは有利である。 【0011】固体状四フッ化珪素の上部の気相を単に真
空脱気するという特開昭64−52604号公報記載の
発明による低沸点成分の精製法においては、精製度を上
げるためには基本的に真空度を上げる(脱気の圧力を下
げる)しか手段がない。そしてそれは用いる機器の能力
とりわけ真空ポンプの到達可能真空度で決まってしまう
ため精製度には自ずと限界がある。また逆に精製度を上
げようとすれば真空ポンプも含めて容器・配管類を高真
空仕様にする必要があり、それには多額の設備費用が必
要である。 【0012】これに対して本発明の方法は、精製度を上
げるには、[ヘリウムの導入〜真空脱気]のサイクルの
回数を増やせばよく、設備をむやみに高真空仕様にする
必要はない。要求される純度品質に基づいてサイクルの
回数を加減すればよい。また、このサイクル回数は、2
回以上繰り返すことが望ましい。 【0013】四フッ化珪素を固化するには、既述のよう
に該ガスの入った容器を冷却すればよい。大気圧下で四
フッ化珪素は−95.1℃で固化するが、脱気精製する
には四フッ化珪素の損失を抑制するために−95.1℃
よりもさらに低い温度で操作しなければならない。温度
の目安は、目標とする脱気圧力と同じ蒸気圧を示す温度
以下にすればよく、例えば、13Pa(0.1tor
r)においては、−156℃以下等である。 【0014】 【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて説明する。 【0015】比較例1〜3 図1は、四フッ化珪素精製のため工程概略図である。天
板に、末端が真空ポンプ12および精製四フッ化珪素容
器16につながっている排気ライン9と粗四フッ化珪素
ガス導入ライン1を接続した内径55mmφ、高さ40
0mmのステンレス製のトラップ容器6を液体窒素7の
入ったジュワーびん8に浸けて冷却した。該トラップ容
器6に、不純物成分として、H2、O2、N2、CO、C
4を含有する粗四フッ化珪素ガス(その組成は、表1
に示した。)を0.5Nl/minの速度で供給し22
0gを固化捕集した。ついで粗四フッ化珪素ガス導入ラ
イン1の弁2を閉じ、真空ラインの弁10を開けトラッ
プ容器6を所定の圧力(脱気圧力)にまで減圧した。ト
ラップ容器6の内部温度は、四フッ化珪素捕集終了から
減圧処理の間を通して−195℃であった。その後、液
体窒素ジュワーびん8を取り除き、予め真空にしてあっ
た精製四フッ化珪素容器16に通じる抜出弁14を開
け、トラップ内の温度が室温にもどるまで放置し四フッ
化珪素をガス化回収した。精製前の粗四フッ化珪素と精
製された四フッ化珪素をガスクロマトグラフィーで分析
しその結果を表1に示した。 【0016】実施例1〜6 トラップ容器6にヘリウムガス給気配管3とその弁4を
追加設置した以外は、比較例で用いたのと同じ装置を使
用し、トラップ容器6を液体窒素の入ったジュワーびん
8に浸けて冷却した。該トラップ容器6に、比較例で用
いた同一の粗四フッ化珪素ガスを0.5Nl/minの
速度で供給し220gを固化捕集した。ついでヘリウム
ガス給気弁4を開けトラップ容器6にヘリウムを100
kPa(実施例1〜5)および10kPa(実施例6)
まで満たした。次に真空ラインの弁10を開けトラップ
容器内を1000Pa(実施例1,2)及び13Pa
(実施例3〜6)まで減圧した。この「ヘリウム充填〜
減圧」のサイクルを実施例2,4,5においては、さら
にくり返し行い、実施例2,4では合計3回、実施例5
では合計5回の操作をした。トラップ容器6の内部の温
度は四フッ化珪素捕集終了からヘリウム充填、減圧処理
の間を通して−195℃であった。その後液体窒素の入
ったジュワーびん8を取り除き、予め真空にしてあった
精製四フッ化珪素容器に通じる抜出弁を開けトラップ内
の温度が室温にもどるまで放置し四フッ化珪素をガス化
回収した。精製された四フッ化珪素をガスクロマトグラ
フィーで分析しその結果を表1に示した。 【0017】 【表1】 【0018】固化した四フッ化珪素の上方の気相部を減
圧脱気するのに先立って、トラップ容器にヘリウムガス
を導入することで、またさらにそのサイクル回数を重ね
ることにより、単に減圧脱気するよりも低沸点の不純物
成分を効率よく精製できることが分かる。なお、濃度表
示は、すべて体積基準である。また圧力は、真空を0と
する絶対圧力である。 【0019】 【発明の効果】本発明によって、四フッ化珪素中の不純
物成分であるH2,O2,N2,CH4,CO等の低沸点化
合物を、精製のための特殊な設備を必要とすることなく
脱気工程においてトラップ容器内に単にヘリウムガスを
導入するという簡易な方法で光学分野・エレクトロニク
ス分野用途で要求されるレベルにまで低減することを可
能にした。
【図面の簡単な説明】 【図1】 図1は、本発明の精製方法を実施するための
工程概略図である。 【符号の説明】 1・・・粗四フッ化珪素ガス給気配管 2・・・弁 3・・・ヘリウムガス給気配管(比較例では設けず) 4・・・弁(比較例では設けず) 5・・・ガス導入配管 6・・・トラップ容器 7・・・冷媒 8・・・ジュワーびん 9・・・排気配管 10・・弁 11・・真空配管 12・・真空ポンプ 13・・真空ポンプ排ガス配管 14・・弁 15・・精製四フッ化珪素抜出配管 16・・精製四フッ化珪素容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 両川 敦 山口県宇部市大字沖宇部5253番地 セント ラル硝子株式会社化学研究所内 (72)発明者 伊東 久和 山口県宇部市大字沖宇部5253番地 セント ラル硝子株式会社宇部工場内 Fターム(参考) 4G072 AA09 GG01 GG03 HH06 LL05 MM08 UU01 UU30

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 四フッ化珪素を固化させた容器内に10
    kPa以上の圧力のヘリウムガスを満たし、続いて該容
    器を1kPa以下の圧力に排気することからなる四フッ
    化珪素の精製方法。
JP2001274406A 2001-09-11 2001-09-11 四フッ化珪素の精製方法 Pending JP2003089512A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011504156A (ja) * 2007-09-21 2011-02-03 エムイーエムシー・エレクトロニック・マテリアルズ・インコーポレイテッド 四フッ化ケイ素の精製方法
JP2013131291A (ja) * 2010-09-07 2013-07-04 Chube Univ 超伝導送電システム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011504156A (ja) * 2007-09-21 2011-02-03 エムイーエムシー・エレクトロニック・マテリアルズ・インコーポレイテッド 四フッ化ケイ素の精製方法
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