JP2003088297A - 渋柿の保存と脱渋方法 - Google Patents

渋柿の保存と脱渋方法

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JP2003088297A JP2001279267A JP2001279267A JP2003088297A JP 2003088297 A JP2003088297 A JP 2003088297A JP 2001279267 A JP2001279267 A JP 2001279267A JP 2001279267 A JP2001279267 A JP 2001279267A JP 2003088297 A JP2003088297 A JP 2003088297A
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孝夫 倉橋
Hitoshi Azusawa
斉 小豆澤
Koji Yamamoto
孝司 山本
Yasuyuki Togano
康行 栂野
Yamato Fujioka
大和 藤岡
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Shimane Prefecture
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Shimane Prefecture
Taiyo Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 渋柿を1月以上も軟化させずに保存し、しか
もその間に、柿本来の風味を損なわずに脱渋させる方法
を提供する。 【解決手段】 渋柿を、触媒タイプのエチレン除去剤と
ともに酸素透過度の低いプラスチックフイルム製袋に収
納して脱気し、これを低温下に保管すると、1ケ月以上
も硬度・下記本来の風味を保つ。また、保管中に渋が完
全に抜ける。更に吸水剤を収納すると、果肉硬度の低下
が大きく押さえられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、渋柿を1月以上も
軟化させずに保存し、しかもその間に、柿本来の風味を
損なわずに脱渋させる、新規な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】西条柿や愛宕柿、平核無などの渋柿は、
脱渋(渋抜き)してから市場に出荷される。渋柿は、そ
の組織中にあるタンニン細胞中のタンニンが水に可溶な
状態にあり、脱渋とはこのタンニンを何等かの手段で不
溶化させることを言う。
【0003】この不溶化する方法には、渋柿をアルコー
ルや湯、炭酸ガスに接触させることや、真空状態に維持
することなどがある。この内、アルコール処理では果実
の軟化が見られ、湯処理の場合には風味が損なわれ易
い。また、常温によるドライアイス脱渋(袋に密閉)で
は4日後には脱渋が完了するが、開封3日目には果実が
軟化して商品価値がなくなる。
【0004】このように、従来行われている脱渋方法は
理想的とは言いがたいが、渋柿の処理はこの程度のもの
であるとして出荷されているのが現状である。但し、こ
れらの渋抜き柿は何れも日持ちが悪く、脱渋後数日経過
すると柔らかくなりすぎて商品価値を失う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、渋柿の場合も他
の果実同様、旬(出盛り)を外して出荷すると、単価が
高くなる。特に、秋に最盛期を迎える柿の場合、年始年
末頃まで出荷時期を遅くできれば、生産農家にとって大
きな福音となる。このような観点から、長期に安定した
品質で長期保存ができる技術の要求には大なるものがあ
る。
【0006】この目的に対し、低温(2℃)下でのドラ
イアイス脱渋が試みられている。これは、渋柿をドライ
アイスとともに袋に密閉して低温保存するもので、30
日程度貯蔵できる。しかし、この方法では貯蔵中の軟化
の発生が多く、商品化率が悪い。しかも、開封後直ぐに
果面が黒変する。
【0007】また、渋柿を酸素吸収剤や炭酸ガス吸収剤
と共にプラスチック製袋に密封して、脱渋や鮮度保持を
行なう技術も開発されている。例えば、特公昭59−6
622号公報には、渋柿(平核無)を、炭酸ガス吸収剤
及び酸素吸収剤とともに、プラスチックフイルムで包装
し、酸素1〜3%、炭酸ガス0.02〜10%の雰囲気に
保持すると、60〜65日の長期間鮮度保持(果実硬度
1.8→1.3)が可能になると言う技術が開示されてい
る。しかし、この方法では脱渋はするが柿本来の風味を
損なう欠点があり、殆ど実用化されていない。尚、該特
許公報には、柿から呼出される炭酸ガスやエチレンガス
が吸収剤により吸収されるから、貯蔵期間が著しく短縮
される障害が除去されるとの記載がある。しかし、特許
請求の範囲にも実施例にも、エチレンガスについては一
切記載がない。従って、どのようにしてエチレンガスを
除去するのか、また除去の結果どのような効果が得られ
たかは全く不明である。
【0008】一方、エチレンガスについては、特開昭5
9−213357公報に、渋柿をエチレン吸収剤及びエ
タノール吸着体とともに閉鎖容器中においておくと、短
期間で脱渋すると言う技術が開示されている。この技術
は、15〜20℃では7日程度、30℃であれば3日で
脱渋できることから、長期保存を目的としたものでない
ことは明らかである。
【0009】しかも、特開昭59−213357公報で
具体的に示されているエチレン除去剤は、モレキュラー
シーブ(ニューグリーンパック・レンゴー社製:主成分
は臭素と燐酸)及び過マンガン酸加里である。この両者
は、エチレンと反応して除去する反応タイプのもので、
大量のエチレンガスの処理に向くが、前者は3日程度で
失効するし後者も被酸化物があれば消費され、いずれも
持続性に問題がある。しかもいずれも有毒物質であり、
食品への接触は好ましくない。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、渋
柿の長期保存について鋭意研究した結果本発明を完成さ
せたものである。そして、本発明は、渋柿を、反応タイ
プではなく触媒タイプのエチレン除去剤とともに酸素透
過度の低いプラスチックフイルム製袋に収納して脱気
し、これを低温下に保管することを最大の特徴とする。
【0011】まず、長期保存を可能とするには、柿が凍
結しない程度の低温、例えば氷温(柿の場合−1℃)〜
10℃程度で保管することが必要である。また、呼吸に
伴いエチレンガスを放散するが、その量は低温下では僅
かである。そこで本発明者らは、エチレン除去剤として
触媒タイプのものを採用した。触媒タイプのものは、エ
チレンガスに対して触媒として働くため、大量のエチレ
ンガス処理には向かないが、少量で持続的に発生するエ
チレンガスを処理することに対しては最適なものであ
る。塩化パラジウムは、その代表的なものであり、エチ
レン(エチレンガス)を水とアセトアルデヒドに分解す
る。しかも、人に無害であるうえ劣化もなく、渋柿の長
期保存に対しては理想的なものであると言える。
【0012】現在、この塩化パラジウムを処方したエチ
レン除去剤としては、フレッシュキープ・Eやフレッシ
ュキープ・EK(何れも、クラレケミカル社製)があ
る。この製品は、塩化パラジウムを活性炭に添着したも
のであるため、エチレン以外にアセトアルデヒドその他
の臭気成分も吸着する。しかも、このエチレン除去剤は
炭酸ガスを吸着しないのも大きな利点である。尚、本発
明では上記フレッシュキープに限らず、塩化パラジウム
を他の吸着材(例えばセオライト)に担支したものや、
塩化パラジウムの成形品など、今後提供されるであろう
塩化パラジウム処方品も使用できる。塩化パラジウムの
成形品などでは、活性炭など、アセトアルデヒドその他
の臭気成分は吸着するが炭酸ガスは吸着しない吸着材も
同封するとよい。また、塩化パラジウムに限らず、少量
で持続的に発生するエチレンガスを触媒的に処理するも
のであれば、いずれも使用できる。
【0013】一方、味良く脱渋するためには、アルコー
ルや炭酸ガスが必要である。そこで本発明では、渋柿を
酸素透過度の低いプラスチックフイルム製袋に収納す
る。もし、酸素を完全に断ってしまうと炭酸ガスが大量
に発生して柿の風味が極端に悪くなる。そこで、実験の
結果、酸素透過度は、10〜120ml/m2/atm ・24h 程
度のものが好ましいことが判明した。より好ましくは、
10〜70ml/m2/atm ・24h 程度である。そのため、渋
柿の呼吸に最低限必要な酸素が供給され、その結果炭酸
ガスが発生する。ただ、発生する炭酸ガスの量は僅かで
あるので、雰囲気中の炭酸ガス濃度を高めるために、袋
の内部を脱気しておく。脱気は真空にまでする必要はな
く、掃除機で吸う程度で十分である。
【0014】プラスチックフイルムについては、必要と
する酸素透過度に応じて様々な積層や多層の複合フイル
ムが存在する。本発明では、ナイロンとL−LDPE
(低圧ポリエチレン)の2層共押出フイルム(四国化工
株製:キャンズAタイプ、厚み70μm、酸素透過度1
1〜30)やナンロンとEVOH(エチレンビニルアル
コール共重合体)及びL−LDPEの3層共押出フイル
ム(同キャンズGタイプ、厚み60〜90μm、酸素透
過度25〜70)、延伸ナイロンとポリエチレンの2層
共押出フイルム(55μm、酸素透過度30〜12
0)、ポリエステルとポリエチレンの2層共押出フイル
ム(52μm、酸素透過度50〜120)などが好適に
用いられる。尚、これら例示したものに限らず、同様の
酸素透過度を示すものであればいずれも使用できる。
【0015】呼吸に伴って、水が生成される。また、エ
チレンガスは触媒の接触反応によりアセトアルデヒドと
水を生成する。生成される水の量はいずれも少量である
が、柿が水分を吸収すると、果実からエチレンが発生し
て軟化が多発し、商品価値が低下する。これを防止する
ために、本発明では、吸水剤や吸水シートを、エチレン
除去剤とともに袋の中に入れて、軟化の発生を防止する
ようにした。
【0016】
【実施例】(実施例 1)以下、本発明を実施例により
更に詳細に説明する。図1に示すように、キャンズAフ
イルム(厚み70μm)製の袋(600mm×900m
m)1に、露地栽培した西条柿2を5Kg(25個程
度)入れ、同時にエチレン除去剤(フレッシュキープ・
E:表1〜4中、Fで示す)の小袋(約10g)3を5
個入れる。ついで、家庭用の掃除機で袋の中のガス(空
気)を抜いて密封した後、段ボール箱4に収納して2℃
の冷蔵庫に保管した(平成12年11月2日)。尚、図
中符号5は吸水シートであるが、実施例1では用いてい
ない。
【0017】冷蔵庫での保管を46日目(12月18
日)まで継続し、途中28日目(11月30日)にも開
封した。そして、何れの場合においても、健全果数を調
査し、比較的状態の良い果実を5果選び、果実品質を調
査した。
【0018】果実品質の調査項目は、表1及び表2に示
すように、果重、硬度、果色、糖度(屈折計)、軟果程
度、渋み(タンニンプリント)、食味、臭いである。ま
た、図2に示すように、開封時健果率も調査した。この
内、硬度(Kg/cm2 )は、果実硬度計(富士平社製)を
用いて測定した。果色は、1〜2が青く、6〜7が赤く
なり過ぎ、3〜4が丁度手頃であることを示す(農林水
産省の果実カラーチャートと比較測定)。軟果程度は1
〜4で示したが、2以上は軟らかくて柿本来の歯ごたえ
がなく、3〜4は熟柿状態となる。
【表1】
【表2】
【0019】渋みは、タンニンプリント法で検査した。
これは、濾紙を塩化第二鉄の30%溶液に浸漬して乾燥
させた白色の試験紙に柿の切断面を載置しておくもの
で、柿に渋みが残っておれば試験紙に暗青色の跡がつく
ことで判断する。食味は、柿本来の風味を有しているか
否かを調査した。臭いは、エチレンガスが分解したアセ
トアルデヒド臭やその他の異臭を示すか否がである。本
実施例では、エチレン除去剤に含まれている活性炭がア
セトアルデヒドその他の異臭を吸着したためか、臭いは
感じられなかった。
【0020】本実施例の場合、28日目及び46日目の
場合とも、表1及び表2に示すように、渋みは完全に抜
けており臭いも無く、糖度が十分で食味・果色も良く、
硬度も十分であった。
【0021】次に、開封時健全果率について説明する。
これは、1袋の果実を全て検査し、部分的或いは全体的
な軟化の有無を目視で確認し、全体(約25個)に占め
る健全果実の割合で示したものである。表3は、28日
目における健全果率、表4は、46日目の健全果率を示
す。図2は、表3、表4をまとめたもので、フイルムと
鮮度保持剤(エチレン除去剤、炭酸ガス吸収剤、吸水
剤)の組み合わせが、健全果率(%)に及ぼす影響を示
したものである。本実施例の場合、28日目では73.9
%、46日目では50.0%であった。
【表3】
【表4】
【0022】(実施例 2)実施例1と同じ条件で、更
に袋1内に吸水シート5を入れて、同様にして果実品質
を調査した。その結果を表1、表2及び図2に示す。本
実施例の場合、実施例1に比べて28日硬度は大きかっ
た。46日硬度は実施例1よりも低下したが、軟化程度
は優れていた。糖度、果色、食味、渋み、臭いは、実施
例1と同様申し分無かった。一方、健全果率は28日で
95%、46日で70%と、実施例1の場合よりも優れ
ていた。これは、袋1内の水分が吸水シート5に吸収さ
れ、柿が水分を吸収しなかったものによると思われる。
【0023】吸水シート5は、不織布に高吸水樹脂をま
ぶしたり点着したりしたものが好適に用いられるが、吸
水シート5に代えて高吸水樹脂を小袋に収納したもの
や、生石灰、ゼオライト等の吸水性物質を小袋に詰めた
ものを用いてもよい。本発明では、40cm×30c
m、厚み約5mmの吸水シートを2枚(1枚約18g)
用いた。吸水量は2枚で約5gであった。
【0024】(比較例 1〜2)次に、比較例について
説明する。まず、比較例1では、実施例1及び実施例2
に用いたプラスチック製袋1に渋柿2を5Kgと脱炭酸
ガス剤(エージレスC、三菱瓦斯化学(株)製、主成分
水酸化カルシウム、表1〜表4中、Cで示す)を10個
(1個約18g)封入し、同様にして実験を行なったも
のである。比較例2では、比較例1の袋1に更に実施例
2で用いた吸水シート5をも封入した。
【0025】その結果を表1、表2及び図2に示すが、
実施例に比べて硬度が高く、また健全果率も比較例1で
は28日で45%、46日で70%、比較例2では28
日で100%、46日で45%と、実施例と同等かより
優れた結果となった。また、軟果程度も優れていた。し
かし、致命的なのは、28日、46日たっても渋みが抜
けず、脱渋の点からは使用に耐えないとものと判定され
た。
【0026】(比較例 3)比較例3では、実施例1、
2及び比較例1、2と同じキャンズAフイルム製の袋1
に、渋柿2のみを5Kg封入して実験を行なった。その
結果、脱渋も十分で食味も良好であり、硬度も同程度で
糖度が実施例よりも幾分少ない程度であるが、臭い(ア
セトアルデヒド臭、糞便臭)が鼻について、商品として
は欠陥品であることが判明した。
【0027】(比較例 4〜8)比較例4乃至比較例8
では、フイルムとしてポリエチレン製(800×800
mm、厚み50μm、表1・2中、PEで示す)のもの
を用いた。充填した鮮度保持剤は、比較例4では脱炭酸
ガス剤、比較例5では脱炭酸ガス剤と吸水シート、比較
例6ではエチレン除去剤、比較例7ではエチレン除去剤
と吸水シート、比較例8は鮮度保持剤無しである。
【0028】その結果、果色や糖度は実施例や比較例1
〜3と同じであるが、軟果の程度が悪くて熟柿状態にな
るし、硬度も低くて、とても商品として出荷できるもの
ではなかった。また、健全果率もエチレン除去剤を封入
した比較例6が28日で5%、エチレン除去剤と吸水シ
ートを封入したものが28日で20%、他は0であっ
た。
【0029】(比較例 9〜13)比較例9乃至比較例
13では、TPX(メチルペンテンポリマー)とPP
(ポリプロピレン)の共押出しフイルム(OTと略す)
製(800×800mm、厚み50μm)のものを用い
た。鮮度保持剤は、比較例9では脱炭酸ガス剤、比較例
10では脱炭酸ガス剤と吸水シート、比較例11ではエ
チレン除去剤、比較例12ではエチレン除去剤と吸水シ
ート、比較例13は鮮度保持剤無しである。
【0030】その結果、果色や糖度は実施例や比較例1
〜3よりも多いが、軟果の程度は比較例4〜8よりも更
に悪いし硬度も低くて、とても商品として出荷できるも
のではなかった。また、健全果率もエチレン除去剤と吸
水シートを封入したものが28日で15%である以外は
全て0であった。
【0031】以上の説明したように、健全果率、硬度及
び渋抜けの状況から、実施例2即ちキャンズAフイルム
製袋(キャン70)+エチレン除去剤(F)+吸水シー
トの組み合わせのものが最も優れており、次いで実施例
1のキャンズAフイルム製袋(キャン70)+エチレン
除去剤(F)の組み合わせのものが優れており、渋柿の
長期保存と脱渋に従来見られなかった優れた効果を示し
た。
【0032】但し、実施例の場合においても軟果や健全
果率において幾分問題があるが、軟化したものは封入時
に傷のあった果実に多く発生したためと考えられる。従
って、本発明の貯蔵・脱渋に際しては、外観が綺麗で傷
のない果実を選ぶことが大切である。
【0033】これに対し、他の組み合わせ即ち、各比較
例のものは、渋みや臭いが残ったり、熟柿状態になった
り健全果率が悪く、実用に耐えないものであった。
【0034】尚、表1及び表2のデータに基づいて、果
肉硬度(Kg)に対するプラスチック袋の種類が及ぼす
影響を図3に、同じく鮮度保持剤の種類が及ぼす影響を
図4に、同じく吸水シートの有無による影響を図5に、
また、渋の有無に対する鮮度保持剤の種類による影響を
図6に示す。これらの各図から、本発明方法が渋柿(西
条柿)の保存と脱渋に優れた効果を示すことを、端的に
読み取ることができる。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の渋柿の保
存と脱渋方法は、渋柿を、触媒タイプのエチレン除去剤
とともに酸素透過度の低いプラスチックフイルム製袋に
収納して脱気し、これを低温下に保管するものである。
また、更に吸水シートを収納するものである。
【0036】その結果、1ケ月〜2ケ月程度の長期保存
を行なっても、果肉の軟化が起こり難く、食味が良くて
異臭もなく、しかも、その保存期間中に脱渋が完全に行
なわれる。従って、柿本来の風味を損なわずに、出荷期
間を長期化でき、年末年始の出荷も可能となり、農家に
取って大きな利益をもたらすものである。
【0037】しかも、単にプラスチックフイルムを選ん
で製袋し、その中に反応タイプのエチレン除去剤或いは
エチレン除去剤と吸水剤を封入して冷暗所に保管するだ
けであるか、手間やコストもそう掛から、農家の負担に
はならない非常に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の状態を示す斜視図である。
【図2】フイルムと鮮度保持剤の組み合わせが、健全果
率に及ぼす影響を示すグラフである。
【図3】果肉硬度に対するプラスチック袋の種類が及ぼ
す影響を示すグラフである。
【図4】果肉硬度に対する鮮度保持剤の種類が及ぼす影
響を示すグラフである。
【図5】果肉硬度に対する吸水シートの有無による影響
を示すグラフである。
【図6】渋の有無に対する鮮度保持剤の種類による影響
を示すグラフである。
【符号の説明】
1 キャンズAフイルム製の袋 2 西条柿 3 エチレン除去剤 4 段ボール箱 5 吸水シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小豆澤 斉 島根県出雲市芦渡町2440番地 島根県農業 試験場内 (72)発明者 山本 孝司 島根県出雲市芦渡町2440番地 島根県農業 試験場内 (72)発明者 栂野 康行 島根県益田市昭和町13−1 益田農林振興 センター内 (72)発明者 藤岡 大和 広島県安佐南区大町西2−20−4 Fターム(参考) 4B016 LC02 LE03 LG01 LP10 LP13 4B069 AB03 HA12 KA05 KA06 KB05 KC11 KD07 KD09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 渋柿を、触媒タイプのエチレン除去剤と
    ともに酸素透過度の低いプラスチックフイルム製袋に収
    納して脱気し、これを低温下に保管することを特徴とす
    る渋柿の保存と脱渋方法。
  2. 【請求項2】 塩化パラジウムを主剤とするエチレン除
    去剤を用いるものである、請求項1記載の渋柿の保存と
    脱渋方法。
  3. 【請求項3】 プラスチックフイルムは、酸素透過度が
    10〜120ml/m2/atm ・24h である、請求項1又は請
    求項2記載の渋柿の保存と脱渋方法。
  4. 【請求項4】 保管は、−1〜10℃で行うものであ
    る、請求項1、請求項2又は請求項3記載の渋柿の保存
    と脱渋方法。
  5. 【請求項5】 エチレン除去剤と共に、吸水剤をプラス
    チックフイルム製袋に収納するものである、請求項1、
    請求項2、請求項3又は請求項4記載の渋柿の保存と脱
    渋方法。
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