JP2003086652A - クリーンルーム用の搬送車 - Google Patents

クリーンルーム用の搬送車

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JP2003086652A
JP2003086652A JP2001273037A JP2001273037A JP2003086652A JP 2003086652 A JP2003086652 A JP 2003086652A JP 2001273037 A JP2001273037 A JP 2001273037A JP 2001273037 A JP2001273037 A JP 2001273037A JP 2003086652 A JP2003086652 A JP 2003086652A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 搬送車の移動に伴って上記したような乱流が
発生することを極力少ない状態に抑制して、他の装置の
空気清浄度の維持に悪影響を与えるおそれが少ないクリ
ーンルーム用の搬送車を提供する。 【解決手段】 クリーンルーム内を移動して物品を搬送
するクリーンルーム用の搬送車であって、移動方向に沿
って車体を貫通する状態で風洞部23が形成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クリーンルーム内
を移動して物品を搬送するクリーンルーム用の搬送車に
関する。
【0002】
【従来の技術】上記構成のクリーンルーム用の搬送車に
おいて、従来では、例えば特開2000−142417
号公報に示されるように、搬送車の移動方向後部側箇所
から外部の空気を車体内に吸引して、その吸引した空気
を車体の横側個所から車体外部に排気するように空気を
通風させる送風ファンを車体内部に備えるように構成し
たものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術において
は、後部側箇所から外部の空気を車体内に吸引させるよ
うにして、搬送車の移動に伴って車体の移動方向後方側
箇所で発生する空気の渦流の発生をできるだけ少なくさ
せるようにしている。従って、上記従来技術の構成によ
れば、このような車体の後部側で生じる空気の渦流に起
因して床面に堆積している塵埃を巻き上げたりすること
を抑制することは可能である。尚、前記渦流は、搬送車
の移動に伴って車体の移動方向後方側箇所に周囲の圧力
よりも低圧となる部分が形成されて、周囲の空気がこの
低圧部分に巻き込まれることによって発生するものであ
る。しかしながら、上記従来技術においても、次のよう
な点で未だ改善すべき余地があった。
【0004】すなわち、上記従来技術によれば、搬送車
が移動するに伴って、搬送車の移動方向前方側に存在す
る空気は搬送車の前面部によって受止められて、例えば
搬送車の左右両側部に振り分けられて流動していくこと
になる。このとき、搬送車の移動速度が速ければ空気は
勢いよく左右両側箇所に振り分けて流動されることにな
るので、車体の左右両側個所においてこの振り分け流動
された空気の流れによって、クリーンルームの天井面か
ら吹き出し供給されている清浄化されたエアー(ダウン
フロー)の流れが乱されて乱流が発生して、他の装置の
空気清浄度の維持に悪影響を与えるおそれがあった。
【0005】本発明はかかる点に着目してなされたもの
であり、その目的は、搬送車の移動に伴って上記したよ
うな乱流が発生することを極力少ない状態に抑制して、
他の装置の空気清浄度の維持に悪影響を与えるおそれが
少ないクリーンルーム用の搬送車を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1によれば、クリ
ーンルーム内を移動して物品を搬送するクリーンルーム
用の搬送車において、移動方向に沿って車体を貫通する
状態で風洞部が形成されていることを特徴とする。
【0007】すなわち、本願発明に係る搬送車には、移
動方向に沿って車体を貫通する状態で風洞部が形成され
ているから、クリーンルーム内を高速で移動するように
しても、その移動に伴って、車体の移動方向前方側に存
在する空気は、従来技術のように車体の左右両側箇所に
振り分け流動されずに、そのまま風洞部を通り搬送車の
移動方向後方側に向けて通過していくことになる。
【0008】従って、上記構成によれば、車体の移動方
向前方側に存在する空気は、そのまま風洞部を通り搬送
車の移動方向後方側に向けて通過していくので、移動方
向前方側に存在する空気が振り分け流動されることによ
って乱流が発生するおそれを極力少ないものに抑制する
ことが可能となり、しかも、従来のように搬送車の移動
方向後方側箇所に周囲の圧力よりも低圧となる低圧部分
が形成されることがなく、周囲の空気がこのような低圧
部分に回り込んで渦流が発生するおそれが少ないものに
なる。その結果、搬送車の移動方向後方側箇所における
渦流の発生や、搬送車の左右両側箇所や上方側個所にお
ける乱流の発生を抑制することが可能となって、クリー
ンルーム内における他の装置の空気清浄度の維持に悪影
響を与えるおそれを少ないものにすることが可能となっ
た。
【0009】請求項2によれば、請求項1において、前
記風洞部の開度を変更調整自在な開度調節手段が設けら
れていることを特徴とする。
【0010】上記構成のよれば、例えば、要求される搬
送処理能力等に応じて搬送車の移動速度を互いに異なる
値に変更させるような場合や、搬送車の横側個所に他の
装置が存在するか、あるいは、このような装置が存在せ
ず空間が形成されているか等の各種の設備の設置状況が
変更される場合に、それらの各種の条件に応じて、前記
開度調節手段によって風洞部の開度を変更調整すること
で、風洞部を通過する空気の通流状態を適切な状態に調
整することが可能となり、請求項1を実施するのに好適
な手段が得られる。
【0011】請求項3によれば、請求項1又は2におい
て、クリーンルームの床面上を走行するように構成され
ていることを特徴とする。
【0012】搬送車がクリーンルームの床面上を走行す
る場合には、従来のように、搬送車が移動するに伴って
搬送車の移動方向前方側に存在する空気が搬送車の左右
両側箇所に振り分けられて流動するものであれば、搬送
車の左右両側箇所に位置する床面に堆積している塵埃が
乱流によって巻き上げられるおそれがあるが、本願発明
の上記構成によれば、このような床面上の塵埃を巻き上
げるといった不利を有効に回避させることができるので
あり、請求項1又は2を実施するのに好適な手段が得ら
れる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るクリーンルー
ム用の搬送車について図面に基づいて説明する。
【0014】図1に、例えば液晶表示素子や半導体製品
等を製造するための製造用設備の一部が示されている。
この設備は上記したよう製品を製造するために塵埃の少
ない清浄化された室内空間に設置される構成となってい
る。この設備が設置される設置空間は、所謂、クリーン
ルームとして構成され、そのクリーンルームR1の床部
は、通気孔が多数形成されたメッシュ状のグレーティン
グ床1に形成され、このグレーティング床1の下方側に
は、吸気用空間Qが形成される吸気ルームR2が設けら
れており、図に示すように、クリーンルームR1内の空
気が吸気ルームR2内の空間及び循環路Qを通して通風
ファンFによって吸気されるとともに、吸気された空気
はクリーンルームR1の天井面2の上方側に形成された
空気チャンバー室3を経由して、クリーンルームR1の
天井面2に備えられた例えばHEPAフィルター等から
なるエアーフィルター4を通して清浄化された後に、ク
リーンルームR1内に向けて下向きに吹き出し供給され
る構成となっている。従って、クリーンルームR1の空
気が、上記したような経路を通して循環通風されて、常
に清浄化された空気が天井面2から下方に吹き出される
状態で供給されて清浄度の高い状態が維持できる構成と
なっている。
【0015】この設備は、上記したような製品の製造途
中での半製品等の物品に対して所定の処理を行う複数の
製造用の物品処理装置Aと、これらの物品処理装置の物
品搬出入箇所Hに対して上記したような物品を搬送する
物品搬送装置Bとが設けられている。又、前記物品処理
装置Aは、物品搬送装置Bによる物品搬送方向に沿って
並ぶ状態で複数並列配備されている。これらの複数の物
品処理装置Aは、具体的な処理内容については詳述はし
ないが、例えば液晶表示素子を製造するための化学的な
複数種の処理を順次行うような構成となっている。
【0016】次に、前記物品搬送装置Bの構成について
説明する。この物品搬送装置Bは、ガイドレール5に沿
ってクリーンルームR1の床面上に沿って移動走行自在
な搬送車6を備えて構成されている。この搬送車6は、
4個の走行車輪7によって床面上を移動走行する走行機
体8と、この走行機体8の上部側に設けられて前記物品
の積み込みと荷下ろしを行う物品移載装置9と、走行機
体8をガイドレール5に沿わせて移動すべく案内する案
内機構10等を備えて構成されている。詳述すると、図
2〜図6に示すように、前記走行機体8には、移動方向
前後両側部に夫々左右一対の床面上に接地する走行車輪
7を備えて、そのうちの2つを電動モータMにて駆動し
て床面上を移動走行するように構成されている。又、前
記クリーンルームR1の床面よりも下方側に入り込む状
態でガイドレール5が設置されており、走行機体8の前
後2個所において夫々前記案内機構10が備えられてい
る。つまり、前後夫々の案内機構10は、夫々、走行機
体8のフレーム11に対して上下軸芯周りで回動自在に
枢支された支持枠体12によってガイドレール5の左右
両側部に接当作用して横方向への振れ止めを行う4個の
振れ止め輪体13を上下軸芯周りで回動自在に支持する
構成となっており、例えば、ガイドレール5が円弧状に
湾曲している場合であっても、円滑に搬送車6を移動案
内させることができるように構成されている。
【0017】又、図3に示すように、ガイドレール5の
横側部に、ガイドレール5に沿って給電レール14が配
備されており、前記支持枠体12には、走行機体8の移
動走行に伴ってこの給電レール14に摺接しながら電動
モータMの駆動用電力を受け取る給電部15が設けられ
ている。図中16は、電動モータMや物品移載装置9の
動作を制御する制御装置である。尚、詳述はしないが、
この搬送車6には、走行しながら、前記物品処理装置A
の物品搬出入箇所Hに達したか否かについて、及び、複
数の物品処理装置Aのうち目標とするものであるか否か
等を検出することが可能な検出センサや位置合わせ用の
センサ等が備えられ、制御装置16によって移動状態が
制御される構成となっている。
【0018】前記物品移載装置9は移載機9a,9bを
2台並べて備える状態で構成され、前記各移載機9a,
9bは、いわゆる多関節型に構成されている。つまり、
図2に示すように、互いに逆方向に回動する一対のアー
ム17、18の回動端夫々と物品移載用の載置作用部1
9とを一対のリンク20、21で枢支連結してリンク連
係機構22を構成し、前記一対のアーム17、18の回
動操作に伴って、前記載置作用部19が搬送車6内に引
退する引退位置と、物品処理装置Aの物品搬出入箇所H
にまで突出する突出位置とにわたって水平移動するよう
に構成されている。又、リンク連係機構22の全体が上
下方向に昇降自在、且つ、上下軸芯周りで回動自在に設
けられている。従って、リンク連係機構22の全体を下
方側に下げた状態で載置作用部19を突出位置に移動さ
せ、且つ、リンク連係機構22の全体を上昇させること
で載置作用部19により物品を受止め支持する状態とな
り、その状態で載置作用部19を引退位置にまで引退さ
せると、物品Cが搬送車6の上部にまで移動することに
なる。その引退状態で搬送車6を走行させて、搬送目標
である物品処理装置Aに至ると、載置作用部19を突出
位置に移動させてリンク連係機構22の全体を下降させ
ることにより、載置作用部19にて載置支持している物
品Cを物品搬出入箇所Hに移載させることができるので
ある。
【0019】そして、この搬送車6には、移動方向視で
ほぼ前記走行機体8の中央部に位置する箇所に、移動方
向に沿って車体を貫通する状態で断面形状が略矩形状の
風洞部23が形成されている。この風洞部23は、移動
方向両側部の端部では、より多くの空気を導入すること
ができるように内方側よりも開口面積が大になるような
空気導入部24が設けられている。又、走行機体8の左
右両側面、及び、前後両側部における前記風洞部23を
除く他の箇所は外壁材25にて閉塞される構成となって
おり、搬送車がクリーンルームR1内を走行することに
よって、天井面2から下方に吹き出される清浄化された
空気の流れ(ダウンフロー)が極力乱されることがない
ようにしている。
【0020】そして、上記したような風洞部23が形成
されることによって、搬送車6がクリーンルームR1内
を高速で移動走行するような場合であっても、例えば、
図7に示すように、車体の移動方向前方側に存在する空
気は、車体の左右両側箇所に振り分け流動されることな
く、そのまま風洞部23を通り搬送車6の移動方向後方
側に向けて通過していくことになるので、その結果、車
体の左右両側箇所や上方側個所において、前記ダウンフ
ローが流動空気によって乱されて空気の乱流が発生する
おそれが少ないものとなる。
【0021】〔別実施形態〕以下、別実施形態を列記す
る。
【0022】(1)上記実施形態では、前記風洞部は、
移動方向に沿って車体を貫通するものであり、空気の移
動に抵抗になる部材を設けない構成としたが、このよう
な構成に限らず、例えば、図8に示すように、前記風洞
部23の移動方向方向両側部に夫々、風洞部23の開度
を変更調整自在な開度調節手段Kが設けられる構成とし
てもよい。開度調節手段Kの詳細な構成については詳述
しないが、例えばスライド操作機構や揺動操作機構等の
一般的な開口量調整構造により、そこを通過する空気の
量すなわち通過空気量を調整可能な構成とするものでよ
い。又、このような開度調節手段は、前記風洞部の移動
方向方向両側部に夫々設ける構成に限らず、いずれか一
方に、又は、移動方向の途中箇所に設ける構成としても
よい。
【0023】(2)上記実施形態では、風洞部が、断面
形状として略矩形状に設けられる構成としたが、このよ
うな構成に限らず、断面形状を丸型や3角形等の各種の
形態で実施してもよく、その形状は限定されない。又、
搬送車の外形形状に対する風洞部の大きさの比率も図示
の構成に限らず、各種の比率で構成するものでもよい。
【0024】(3)上記実施形態では、クリーンルーム
の床面に設置されたガイドレールに沿って案内され、且
つ、給電レールにて給電される状態で走行する搬送車を
例示したが、これに限らず、例えば、天井部に設けられ
たレールに沿って走行する搬送車でもよく、床面上に設
置された磁気テープに沿って移動走行するバッテリー搭
載式の搬送車、あるいは、車輪で走行する構成に限ら
ず、磁気浮上型のリニアモータにて駆動しながら移動す
る搬送車等、各種の形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造用設備の全体構成を示す側面図
【図2】製造用設備の平面図
【図3】搬送車の正面図
【図4】搬送車の横断平面図
【図5】搬送車の縦断正面図
【図6】ガイド構造を示す平面図
【図7】空気の流動状態を示す図
【図8】別実施形態の搬送車の横断平面図
【符号の説明】
23 風洞部 K 開度調節手段 R1 クリーンルーム

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クリーンルーム内を移動して物品を搬送
    するクリーンルーム用の搬送車であって、 移動方向に沿って車体を貫通する状態で風洞部が形成さ
    れているクリーンルーム用の搬送車。
  2. 【請求項2】 前記風洞部の開度を変更調整自在な開度
    調節手段が設けられている請求項1記載のクリーンルー
    ム用の搬送車。
  3. 【請求項3】 クリーンルームの床面上を走行するよう
    に構成されている請求項1又は2記載のクリーンルーム
    用の搬送車。
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