JP2003083401A - 遊星歯車式自動変速装置 - Google Patents

遊星歯車式自動変速装置

Info

Publication number
JP2003083401A
JP2003083401A JP2001274122A JP2001274122A JP2003083401A JP 2003083401 A JP2003083401 A JP 2003083401A JP 2001274122 A JP2001274122 A JP 2001274122A JP 2001274122 A JP2001274122 A JP 2001274122A JP 2003083401 A JP2003083401 A JP 2003083401A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
planetary gear
power transmission
gear
input shaft
automatic transmission
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001274122A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiichi Maruyama
圭一 丸山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
Priority to JP2001274122A priority Critical patent/JP2003083401A/ja
Publication of JP2003083401A publication Critical patent/JP2003083401A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H2200/00Transmissions for multiple ratios
    • F16H2200/20Transmissions using gears with orbital motion
    • F16H2200/2097Transmissions using gears with orbital motion comprising an orbital gear set member permanently connected to the housing, e.g. a sun wheel permanently connected to the housing

Abstract

(57)【要約】 【課題】 前進6段の変速段を有する遊星歯車式の自動
変速装置を小型化する。 【解決手段】 この自動変速装置は、2つの単純型遊星
歯車組立体21,22を有し、太陽歯車S2には第1の
動力伝達軸31が固定され、環状歯車R2に固定されか
つ遊星歯車P1を回転自在に支持するキャリアC1には
第2の動力伝達軸32が固定され、太陽歯車S1には第
3の動力伝達軸33が固定され、環状歯車R1に固定さ
れかつ遊星歯車P2を回転自在に支持するキャリアC2
には出力軸12が固定されている。動力伝達軸31〜3
3にはクラッチK1〜K3を介して入力軸11が連結さ
れるようになっており、入力軸11とそれぞれのクラッ
チK1〜K3との間には、2つの動力伝達軸31,32
に対して他の動力伝達軸33よりも大きい変速比により
入力軸11の動力が入力側変速機により伝達される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の多段変速機
に適用して有用な遊星歯車式自動変速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車などの車両の変速機としては、遊
星歯車式の自動変速装置が使用されている。遊星歯車式
の自動変速装置に使用される遊星歯車機構つまり遊星歯
車組立体は、サンギヤつまり太陽歯車とその外側のリン
グギヤつまり環状歯車とこれらの歯車の間に配置される
プラネタリピニオンつまり遊星歯車とを有し、遊星歯車
はキャリアにより回転自在に支持されている。
【0003】遊星歯車を太陽歯車と環状歯車とに同時に
噛み合わせるようにしたタイプは単純型(シンプル)遊
星歯車機構と言われ、遊星歯車は太陽歯車と環状歯車と
の間に複数個配置される。これに対して、相互に噛み合
って対をなす一方の遊星歯車を太陽歯車に噛み合わせ、
他方の遊星歯車を環状歯車に噛み合わせるようにしたタ
イプはダブルピニオン型遊星歯車機構と言われ、太陽歯
車と環状歯車との間には複数対の遊星歯車が配置され
る。
【0004】車両の自動変速装置としては、2つの遊星
歯車組立体を組み合わせた複合遊星歯車機構が使用され
ており、この複合遊星歯車機構にはシンプソン型とラビ
ニョウ型とがある。シンプソン型は、単純型遊星歯車組
立体を2つ組み合わせたタイプである。一方、ラビニョ
ウ型は、単純型遊星歯車組立体とダブルピニオン型遊星
歯車機構とを組み合わせ、ダブルピニオン型遊星歯車組
立体における対をなす一方の遊星歯車と単純型遊星歯車
機構の遊星歯車とを直結したタイプである。
【0005】遊星歯車組立体はエンジンにトルクコンバ
ータを介して連結されてエンジンにより駆動される入力
軸と、駆動輪に連結されて駆動輪にエンジン動力を伝達
する出力軸との間に配置されることになる。自動変速装
置には入力軸と出力軸とが一直線状に配置される一軸式
と、入力軸と出力軸とが平行となって配置される平行二
軸式とがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ラビニョウ型の複合遊
星歯車機構を用いた一軸式の自動変速装置としては、た
とえば、特開平6-200998号公報に開示されるものがあ
る。この自動変速装置にはラビニョウ型が組み込まれて
いるので、歯車構造が複雑となるだけでなく、ダブルピ
ニオン型遊星歯車組立体に組み込むことができる遊星歯
車対の数には限度がある。たとえば、複合遊星歯車機構
のうち入力軸側の単純型遊星歯車組立体における太陽歯
車の径を環状歯車の径の0.6倍とし、出力軸側のダブル
ピニオン型遊星歯車組立体における太陽歯車の径を環状
歯車の径の0.3倍とした場合には、遊星歯車対の数は、
ダブルピニオン部のキャリアの強度を確保するためには
実用上4対しか配置することができない。このため、噛
み合い数を増加させることができないので、強度を確保
するために複合遊星歯車組立体を小型化することができ
ない。
【0007】3つの単純遊星歯車組立体を複合させた一
軸式の自動変速装置としては、たとえば、特開平8-2004
56号公報および特開2000-266138号公報に開示されるも
のが提案されている。前者に開示された自動変速装置に
あっては、高速走行で使用頻度が高い5速の変速段にあ
っては、3つの遊星歯車機構で動力損失がある。後者に
開示された自動変速装置にあって、6つの摩擦要素を設
ける必要があり、摩擦係合要素が多くなり、装置を小型
化することができない。
【0008】一方、2つの単純型の複合遊星歯車組立体
を用いた平行二軸式の自動変速装置としては、たとえ
ば、特開平6-221391号公報に開示されるものがある。こ
の場合には、入力軸と出力軸が遊星歯車組立体を跨ぐよ
うにして平行に配置されているので、平行となった伝達
歯車を摩擦要素と径方向に重なった状態で配置すること
ができない。このため、変速装置がスペースを小さくす
ることができず、全体形状の自由度も小さくなり、特
に、自動変速装置を縦置きすることは実用上困難であ
る。
【0009】また、特開平4-219553号公報には、一軸式
と二軸式の両方の自動変速装置が開示され、さらに単純
型の複合遊星歯車組立体を有する自動変速装置とラビニ
ョウ型の複合遊星歯車組立体を有する自動変速装置が開
示されている。この公報に開示されたいずれのタイプの
自動変速装置にあっても、それぞれ入力軸にクラッチを
介して連結される3つの動力伝達経路を有しているが、
2つの動力伝達経路に対しては入力軸から小さい変速比
で動力を伝達し、他の1つの動力伝達経路に対しては入
力軸から大きな変速比で動力を伝達するようにしてい
る。
【0010】つまり、入力軸の回転数を同一とした場合
に、それぞれのクラッチの駆動側部材には、2つのクラ
ッチが他の1つのクラッチよりも小さな回転数となって
入力軸の回転が伝達される。入力軸からクラッチに伝達
される回転数が小さいと、クラッチにより伝達されるト
ルクは大きくなり、回転数が大きいと伝達されるトルク
は小さくなる。
【0011】そのため、小さな変速比つまり入力軸の回
転が減速されて伝達されることになる動力伝達経路は2
つとなり、それぞれの動力伝達経路に設けられるクラッ
チの容量を他の1つの動力伝達経路におけるクラッチよ
りも大きくする必要があり、変速装置が大型化すること
になる。
【0012】本発明の目的は、前進6段の変速段を有す
る遊星歯車式の自動変速装置を小型化し得るようにする
ことにある。
【0013】本発明の他の目的は、自動変速装置の動力
伝達効率を高めることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の遊星歯車式自動
変速装置は、第1の太陽歯車と第1の環状歯車とに噛み
合う第1の遊星歯車を備えた第1の単純型遊星歯車組立
体、および第2の太陽歯車と第2の環状歯車とに噛み合
う第2の遊星歯車を備えた第2の単純型遊星歯車組立体
を有する遊星歯車式自動変速装置であって、前記第2の
太陽歯車に固定された第1の動力伝達経路と、前記第2
の環状歯車に固定されかつ前記第1の遊星歯車を回転自
在に支持する第1のキャリアに固定された第2の動力伝
達経路と、前記第1の太陽歯車に固定された第3の動力
伝達経路と、前記第1の環状歯車に固定されかつ前記第
2の遊星歯車を回転自在に支持する第2のキャリアに固
定された出力軸と、それぞれの前記動力伝達経路に設け
られたクラッチを介して前記動力伝達経路に連結される
入力軸と、それぞれの前記クラッチと前記入力軸との間
に配置され、2つの前記動力伝達経路に対して他の1つ
の前記動力伝達経路よりも大きい変速比により前記入力
軸の動力を伝達する入力側変速機とを有することを特徴
とする。
【0015】本発明の遊星歯車式自動変速装置は、前記
第3の動力伝達経路を締結する第1のブレーキと前記第
2の動力伝達経路を締結する第2のブレーキとを有し、
前記入力側変速機は前記第1の動力伝達経路と前記第2
の動力伝達経路に対して前記第3の動力伝達経路よりも
大きい変速比により前記入力軸の動力を伝達することを
特徴とする。
【0016】本発明の遊星歯車式自動変速装置は、前記
第1と第2の動力伝達経路を前記入力軸に直結し、前記
第3の動力伝達経路と前記入力軸との間に設けられた第
3の遊星歯車組立体により前記入力側変速機を形成した
ことを特徴とする。
【0017】本発明の遊星歯車式自動変速装置は、前記
出力軸に平行に前記入力軸を配置し、前記入力軸とそれ
ぞれの前記動力伝達経路との間に設けられた平行軸歯車
により前記入力側変速機を形成したことを特徴とする。
【0018】本発明の遊星歯車式自動変速装置にあって
は、自動変速装置における3つの動力伝達経路と入力軸
との間における2つの動力伝達経路に配置されるクラッ
チの容量を他の1つの動力伝達経路におけるクラッチよ
りも小さい容量とすることができ、自動変速装置を小型
化することができる。2つの単純型の遊星歯車組体によ
り複合遊星歯車機構を構成することができるので、歯車
機構がシンプルとなるとともに、太陽歯車と環状歯車と
にそれぞれ同時に噛み合う遊星歯車の数を増加させて動
力伝達効率を高めることができる。クラッチ3つとブレ
ーキ2つの合計5つの摩擦要素によって前進6段の変速
段を有する自動変速装置が得られ、自動変速装置を小型
化することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0020】図1は本発明の一実施の形態である遊星歯
車式自動変速装置を示すスケルトン図であり、図2は図
1に示された自動変速装置における各変速段と摩擦要素
の係合関係とを示す係合表であり、図3は図2に示され
た自動変速装置の速度線図であり、図4〜図10は各変
速段における動力伝達経路を示すスケルトン図であり、
図4〜図10においては図1の上半分が示されている。
【0021】自動変速装置は入力軸11と出力軸12と
の間に配置されており、入力軸11にはエンジン13の
クランク軸14がトルクコンバータ15を介して連結さ
れ、エンジン13の動力が入力軸11に伝達される。出
力軸12は図示しない駆動輪に連結されており、エンジ
ンの動力は入力軸11と変速装置と出力軸12を介して
車両の駆動輪に伝達される。
【0022】自動変速装置は第1の単純型遊星歯車組立
体21と、これよりも出力軸側の第2の単純型遊星歯車
組立体22とを有し、これらは組み合わされて複合遊星
歯車機構となっている。第1の単純型遊星歯車組立体2
1は、サンギヤつまり太陽歯車S1と、これの径方向外
方に配置されるリングギヤつまり環状歯車R1とを有
し、太陽歯車S1と環状歯車R1とには複数のプラネタ
リピニオンつまり遊星歯車P1が同時に噛み合ってい
る。第2の単純型遊星歯車組立体22は、太陽歯車S2
と、これの径方向外方に配置される環状歯車R2とを有
し、太陽歯車S2と環状歯車R2とには複数の遊星歯車
P2が同時に噛み合っている。
【0023】複数の遊星歯車P1はそれぞれキャリアC
1に回転自在に支持され、複数の遊星歯車P2はそれぞ
れキャリアC2に回転自在に支持されている。キャリア
C1は連結部材Q1により環状歯車R2に固定され、キ
ャリアC2は環状歯車R1に固定されるとともに出力軸
12に固定されている。
【0024】太陽歯車S2には第1の動力伝達経路を構
成する動力伝達軸31が固定され、その外側に設けられ
て第2の動力伝達経路を構成する動力伝達軸32がキャ
リアC1に固定され、その外側に設けられて第3の動力
伝達経路を構成する動力伝達軸33が太陽歯車S1に固
定されている。
【0025】入力軸11には外側部材34が取り付けら
れており、動力伝達軸31に取り付けられた内側部材3
5と外側部材34との間には第1のクラッチK1が設け
られ、動力伝達軸32に取り付けられた内側部材36と
外側部材34との間には第2のクラッチK2が設けられ
ている。それぞれのクラッチK1,K2は外側部材と内
側部材とに設けられた摩擦プレートを有し、摩擦プレー
トが係合することによってクラッチK1,K2を介して
動力伝達軸31,32は入力軸11に連結された状態と
なり、係合が解除されると連結が解かれた状態となる。
【0026】入力軸11の外側には単純型の第3の遊星
歯車組立体23が入力側変速機として設けられている。
この遊星歯車組立体23は、太陽歯車S3とこれの径方
向外方に配置される環状歯車R3とを有し、太陽歯車S
3と環状歯車R3とに複数の遊星歯車P3が同時に噛み
合っている。太陽歯車S3はトランスミッションケース
41に固定され、環状歯車R3は外側部材34に固定さ
れている。遊星歯車P3を回転自在に支持するキャリア
C3は外側部材37に固定され、連動軸33に取り付け
られた内側部材38と外側部材との間には第3のクラッ
チK3が設けられている。このクラッチK3は外側部材
37と内側部材38とに設けられた摩擦プレートを有
し、摩擦プレートが係合することによってクラッチK3
を介して連動軸33は入力軸11に連結された状態とな
り、係合が解除されると連結が解かれた状態となる。
【0027】したがって、動力伝達軸33には入力側変
速機としての遊星歯車組立体23のキャリアC3を介し
て入力軸11の回転が減速されて伝達されるのに対し
て、2つの動力伝達軸31,32にはそれぞれクラッチ
K1,K2を介して入力軸11と直結された状態となっ
て入力軸11と同一の回転数で動力が伝達される。これ
により、入力軸11の回転数が同一であっても、3つの
クラッチK1〜K3のうちクラッチK1,K2の外側部
材34の回転数は他のクラッチK3の外側部材37より
も高い回転数で回転することになる。つまり、遊星歯車
組立体23を介して外側部材37には減速された回転が
伝達されるので、入力軸11からそれぞれのクラッチK
1〜K3の外側部材に対する変速比はクラッチK1,K
2の方がクラッチK3よりも大きくなる。
【0028】このように、入力軸11から2つの動力伝
達軸31,32には動力伝達軸33よりも大きな変速比
で回転が伝達されるので、クラッチK1,K2を介して
伝達されるトルクはクラッチK3を介して伝達されるト
ルクよりも小さくなり、2つのクラッチK1,K2の容
量を他の1つのクラッチK3よりも小さくすることがで
きる。これにより、自動変速装置を小型化することがで
きる。
【0029】第3の動力伝達経路としての動力伝達軸3
3に設けられた内側部材42とトランスミッションケー
ス41との間にはブレーキB1が設けられており、キャ
リアC1に固定された内側部材43とトランスミッショ
ンケース41との間にはブレーキB2が設けられてい
る。それぞれのブレーキB1,B2は、トランスミッシ
ョンケース41に取り付けられる摩擦プレートと、それ
ぞれの内側部材42,43に取り付けられる摩擦プレー
トとを有している。したがって、ブレーキB1の摩擦プ
レートが係合すると動力伝達軸33は締結されて静止状
態となり、係合が解かれると回転可能状態となる。ま
た、ブレーキB2の摩擦プレートが係合するとキャリア
C1および環状歯車R2は締結されて静止状態となり、
係合が解かれると回転可能状態となる。
【0030】図2は図1に示された自動変速装置におけ
るクラッチとブレーキの係合状態と各変速段との関係を
示す係合表であり、〇印はクラッチおよびブレーキがそ
れぞれ係合している状態を示す。図3はこの自動変速装
置の各変速段における速度線図である。
【0031】図4〜図10は1速から後退段までの各変
速段における動力伝達状態を示すスケルトン図であり、
これらの図においては動力を伝達している部分が太い実
線で示されている。図2および図4〜図10を参照して
各変速段について説明する。
【0032】図4はクラッチK1とブレーキB2とが係
合状態に設定されて1速の変速段が設定された状態を示
し、図5はクラッチK1とブレーキB1とが係合されて
2速の変速段が設定された状態を示し、図6はクラッチ
K1とK3とが係合されて3速の変速段が設定された状
態を示す。さらに、図7はクラッチK1とK2とが係合
されて4速の変速段が設定された状態を示し、図8はク
ラッチK2とK3とが係合されて5速の変速段が設定さ
れた状態を示し、図9はクラッチK2とブレーキB1と
が係合されて第6速の変速段が設定された状態を示す。
また、図10はクラッチK3とブレーキB2が係合され
て後退段が設定された状態を示す。
【0033】各変速段における変速比は、入力側変速機
としての遊星歯車組立体23の歯数比をα3とし、遊星
歯車組立体21の歯数比をα1とし、遊星歯車組立体2
2の歯数比をα2とすると、図2の通りである。ただ
し、それぞれの歯数比は、それぞれの遊星歯車組立体に
おける太陽歯車の歯数を環状歯車の歯数で割った値であ
る。それぞれの歯数比をα1=0.575とし、α2=0.475と
し、α3=0.675とした場合には、変速比は1速が3.105
で、2速が1.769で、3速が1.212で、4速が1.000で、
5速が0.812で、第6速が0.635で、後退が2.913とな
る。
【0034】図11は本発明の他の実施の形態である遊
星歯車式自動変速装置を示すスケルトン図であり、図1
1においては前述した実施の形態における部材と共通す
る部材には同一の符号が付されている。
【0035】この自動変速装置は入力軸11と出力軸1
2とが同一軸状となっておらず、相互に平行となってい
る。クラッチK1,K2が設けられた外側部材34には
歯車51aが固定され、クラッチK3の外側部材37に
は歯車52aが固定されており、入力軸11には歯車5
1aと噛み合う歯車51bが固定されるとともに、歯車
52aと噛み合う歯車52bが固定されている。これら
の4つの平行軸歯車によって入力側変速機が形成されて
おり、歯車51bの歯数は歯車52bの歯数よりも多く
設定されている。つまり、歯車51bの直径は歯車52
bの直径よりも大径に設定されている。
【0036】したがって、たとえば、歯車51bと歯車
51aの変速比を1とすれば、歯車52bと歯車52a
の変速比は1以下となり、入力軸11の回転は大きな変
速比で2つの動力伝達経路にクラッチK1,K2を介し
て伝達され、これよりも小さい変速比で他の1つの動力
伝達経路にクラッチK3を介して伝達されることにな
る。これにより、2つのクラッチK1,K2の伝達トル
クが他の1つのクラッチK3よりも小さくなり、2つの
クラッチの伝達容量が小さくなってそれぞれを小型化す
ることができる。図11に示す自動変速装置における各
クラッチとブレーキの係合状態と各変速段との関係は図
1に示す自動変速装置と同様である。
【0037】このように、上述したそれぞれの自動変速
装置にあっては、複合遊星歯車機構を構成する2つの遊
星歯車組立体21,22はそれぞれ単純型であり、ラビ
ニョウ型ではないので、歯車機構がシンプルとなる。し
かも、単純型とすることによって、それぞれの遊星歯車
組立体21,22における遊星歯車P1,P2の数をダ
ブルピニオン型よりも多く配置することができるので、
遊星歯車の噛み合い数を増加させ、動力伝達効率を高め
ることができる。これにより、自動変速装置を小型化す
ることができる。
【0038】この小型化は、図示する自動変速装置にあ
っては、3つのクラッチと2つのブレーキの合計5つの
摩擦要素を用いることによって前進6段の変速段を有す
る自動変速装置とすることができることからも、6つの
摩擦要素を使用して前進6段の変速段を有する従来の自
動変速装置に比して達成されることになる。
【0039】高速走行で使用頻度が高い5速のときには
2つの遊星歯車組立体において動力損失が発生し、6速
のときには1つの遊星歯車組立体で動力損失が発生する
だけである。したがって、5速のときには3つの遊星歯
車組立体において動力損失が発生し、6速のときには2
つの遊星歯車組立体において動力損失が発生する従来の
自動変速装置に比して、図示する自動変速装置は動力伝
達効率を高めることができる。
【0040】平行二軸式とした場合の自動変速装置にあ
っては、従来のように遊星歯車組立体を跨ぐように入力
軸と出力軸とを配置することなく、入力軸11に設けら
れた歯車と摩擦要素とを径方向に重なった状態とするこ
とができるので、変速装置の設置スペースを小さくする
ことがで、縦置きとしてエンジンルームに取り付けるこ
ともできる。
【0041】入力軸と複合遊星歯車機構との間にそれぞ
れクラッチが設けられた3つの動力伝達経路を形成し、
それぞれの動力伝達経路と入力軸との間に設けられた入
力側変速機により入力軸から2つの動力伝達経路に対す
る変速比を他の1つの動力伝達経路に対する変速比より
も大きくすることができる。これにより、大きな変速比
となって小さなトルクを伝達することになるクラッチは
2つとなり、2つのクラッチの容量を他の1つよりも小
さくすることができるので、従来のように、1つの動力
伝達経路に対する変速比を他の2つの動力伝達経路に対
する変速比よりも大きくした場合に比して、クラッチを
小型化することができ、自動変速装置を小型化すること
ができる。
【0042】本発明は前記実施の形態に限定されるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能で
ある。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、前進6
段の多段変速装置がクラッチ3つとブレーキ2つの合計
5つの摩擦要素によって得られるので、自動変速装置を
小型化することができる。
【0044】複合遊星歯車機構は2つの単純型遊星歯車
機構により形成されているので、歯車機構がシンプルに
なるとともに、太陽歯車と環状歯車とにそれぞれ同時に
噛み合う遊星歯車の数を増加することができ、遊星歯車
の噛み合い数を増加して動力伝達効率を高めることがで
きる。
【0045】クラッチの容量を小さくすることができる
ことから、自動変速装置の小型化を達成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である遊星歯車式自動変
速装置を示すスケルトン図である。
【図2】図1に示された自動変速装置における各変速段
と摩擦要素の係合関係とを示す係合表である。
【図3】図1に示された自動変速装置の速度線図であ
る。
【図4】1速による動力伝達状態を示すスケルトン図で
ある。
【図5】2速による動力伝達状態を示すスケルトン図で
ある。
【図6】3速による動力伝達状態を示すスケルトン図で
ある。
【図7】4速による動力伝達状態を示すスケルトン図で
ある。
【図8】5速による動力伝達状態を示すスケルトン図で
ある。
【図9】6速による動力伝達状態を示すスケルトン図で
ある。
【図10】後退による動力伝達状態を示すスケルトン図
である。
【図11】本発明の他の実施の形態である遊星歯車式自
動変速装置を示すスケルトン図である。
【符号の説明】
11 入力軸 12 出力軸 21〜22 単純型遊星歯車組立体 23 単純型遊星歯車組立体(入力側変速機) 31〜33 動力伝達軸(動力伝達経路) B1,B2 ブレーキ C1〜C3 キャリア K1〜K3 クラッチ P1〜P3 遊星歯車(プラネタリピニオン) R1〜R3 環状歯車(リングギヤ) S1〜S3 太陽歯車(サンギヤ)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の太陽歯車と第1の環状歯車とに噛
    み合う第1の遊星歯車を備えた第1の単純型遊星歯車組
    立体、および第2の太陽歯車と第2の環状歯車とに噛み
    合う第2の遊星歯車を備えた第2の単純型遊星歯車組立
    体を有する遊星歯車式自動変速装置であって、 前記第2の太陽歯車に固定された第1の動力伝達経路
    と、 前記第2の環状歯車に固定されかつ前記第1の遊星歯車
    を回転自在に支持する第1のキャリアに固定された第2
    の動力伝達経路と、 前記第1の太陽歯車に固定された第3の動力伝達経路
    と、 前記第1の環状歯車に固定されかつ前記第2の遊星歯車
    を回転自在に支持する第2のキャリアに固定された出力
    軸と、 それぞれの前記動力伝達経路に設けられたクラッチを介
    して前記動力伝達経路に連結される入力軸と、 それぞれの前記クラッチと前記入力軸との間に配置さ
    れ、2つの前記動力伝達経路に対して他の1つの前記動
    力伝達経路よりも大きい変速比により前記入力軸の動力
    を伝達する入力側変速機とを有することを特徴とする遊
    星歯車式自動変速装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の遊星歯車式自動変速装置
    において、前記第3の動力伝達経路を締結する第1のブ
    レーキと前記第2の動力伝達経路を締結する第2のブレ
    ーキとを有し、前記入力側変速機は前記第1の動力伝達
    経路と前記第2の動力伝達経路に対して前記第3の動力
    伝達経路よりも大きい変速比により前記入力軸の動力を
    伝達することを特徴とする遊星歯車式自動変速装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の遊星歯車式自動
    変速装置において、前記第1と第2の動力伝達経路を前
    記入力軸に直結し、前記第3の動力伝達経路と前記入力
    軸との間に設けられた第3の遊星歯車組立体により前記
    入力側変速機を形成したことを特徴とする遊星歯車式自
    動変速装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の遊星歯車式自動
    変速装置において、前記出力軸に平行に前記入力軸を配
    置し、前記入力軸とそれぞれの前記動力伝達経路との間
    に設けられた平行軸歯車により前記入力側変速機を形成
    したことを特徴とする遊星歯車式自動変速装置。
JP2001274122A 2001-09-10 2001-09-10 遊星歯車式自動変速装置 Pending JP2003083401A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001274122A JP2003083401A (ja) 2001-09-10 2001-09-10 遊星歯車式自動変速装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001274122A JP2003083401A (ja) 2001-09-10 2001-09-10 遊星歯車式自動変速装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003083401A true JP2003083401A (ja) 2003-03-19

Family

ID=19099229

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001274122A Pending JP2003083401A (ja) 2001-09-10 2001-09-10 遊星歯車式自動変速装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003083401A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006177553A (ja) * 2004-12-22 2006-07-06 Hyundai Motor Co Ltd 自動変速機の6速パワートレイン
JP2008267473A (ja) * 2007-04-19 2008-11-06 Masahiro Okubo 多段自動変速装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006177553A (ja) * 2004-12-22 2006-07-06 Hyundai Motor Co Ltd 自動変速機の6速パワートレイン
JP2008267473A (ja) * 2007-04-19 2008-11-06 Masahiro Okubo 多段自動変速装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3788621B2 (ja) 自動変速機用歯車変速装置
JP4453297B2 (ja) 車両用遊星歯車式多段変速機
US7553253B2 (en) Automatic transmission
US8083631B2 (en) Planetary gear type gearbox
JP3855200B2 (ja) 自動変速機用歯車変速装置
JP2001221301A (ja) 自動変速装置
JP2005061445A (ja) 自動変速機
JP4743089B2 (ja) 自動変速機
JP4380572B2 (ja) 多段変速機
JPH10259861A (ja) 自動変速機用歯車変速装置
JP4481273B2 (ja) 有段自動変速機の変速機構
JP3620092B2 (ja) 車両用自動変速機
JP4945790B2 (ja) 自動変速機
JP4635792B2 (ja) 自動変速機
JP4386672B2 (ja) 自動変速機
JP2004176765A (ja) 自動変速機用歯車変速装置
JP2004353713A (ja) 車両用遊星歯車式多段変速機
JP3770392B2 (ja) 自動変速機用歯車変速装置
JP2000346146A (ja) 平行軸式変速機
JP4392526B2 (ja) 多段変速装置
JP2003083401A (ja) 遊星歯車式自動変速装置
WO2022255011A1 (ja) 多段変速機
JP2001349388A (ja) 自動変速機構
JP2003184965A (ja) 自動変速機
JP4562690B2 (ja) 有段自動変速機の変速機構