JP2008267473A - 多段自動変速装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
4個の構成要素からなる2列のシンプル遊星歯車を用いて、前進6速後進1速の多段自動変速装置をコンパクトに配置する。
【解決手段】
出力カウンターギア5を挟んでダブルピニオン遊星歯車を用いた減速用遊星歯車40と構成要素A,B,C,Dからなる2列のシンプル遊星歯車を配し、遊星キャリアP0を入力軸3aに連結して減速用遊星歯車40のサンギアS0を固定することにより減速されるリングギアR0を減速回転軸3bに連結し、軸中心を通しクラッチC3を介して構成要素Aに入力するとともに構成要素AにブレーキB2を配し、遊星キャリアP0を介してクラッチC1、C2からの非減速回転を減速回転軸3bの外周を通し構成要素D、Bに入力するとともに構成要素BにブレーキB1を配する。


【選択図】 図1

Description

本発明は、油圧クラッチ及びブレーキを用いて制御する自動変速機に関し、特に入力軸と中継軸及び出力軸の3軸が平行に配置され、入力軸と同軸上に変速用部材を配置した前輪駆動用前進6速後進1速の多段自動変速装置に関する。
周知の如く、近年地球環境問題のため自動車の省燃費の要求は強く、車両用自動変速装置の前進6速への多段化が進められている。特に多用されている前輪駆動用の自動変速装置においては、現状の変速装置以上に軸方向を長くすることは許されなく、機構をシンプルにすると同時に軸方向がコンパクトになる構造が求められている。前進6速後進1速のシンプルなギアトレンとして、4個の構成要素を持った2個の遊星歯車列の、3個の構成要素に選択的に減速回転と非減速回転を入力し、そのうちの2個の構成要素にブレーキを配し、残りの1個の構成要素を出力するシンプルな前進6速後進1速の車両用自動変速装置が考案されている。1個の構成要素に減速回転を入力し、他の2個の構成要素に非減速回転を入力した特許文献1と、2個の構成要素に減速回転を入力し、他の1個の構成要素に非減速回転を入力した特許文献2である。
この2種の変速装置の違いは、前者が前進の低速度段で非減速回転を、後者が減速回転を主変速機構となる2個の遊星歯車列に入力することであり、減速回転を入力する後者の方が低速度段の減速比を大きくできるとともに、前進1速度段から6速度段までの減速比を低速側に振らせやすくすることができ、更に減速して出力する自動車用変速装置としては有利となる。しかしながら、後者の変速装置では前進1速度段から5速度段まで減速機構に入力動力が通過し、前進1、2速度段では100%の入力動力が減速機構を通過し、減速された大きなトルクが主変速機構に入力するのに対し、前者の変速装置では前進3速度段と5速度段において一部の入力動力しか減速機構を通過しなく、加えて4速度段では入力動力が遊星歯車を通過しない1:1の直結状態となることより主変速機構の強度及び伝達効率上前者の変速装置の方が有利となる。言い換えれば、前者の変速装置は低回転高トルクの原動機に、後者の変速装置は高回転低トルクの原動機に向いている。つまり、比較的排気量の大きなガソリンエンジンや省燃費のため今後普及することが予想される低回転高トルクのディーゼルエンジンには、前者の1個の減速回転と2個の非減速回転を主変速機構となる2個の遊星歯車列に入力する前進6速後進1速の変速装置が向いており、本発明はこの方式を用いた前輪駆動用の変速装置に関するものである。
この1個の減速回転と2個の非減速回転を主変速機構となる2個の遊星歯車列に入力する減速機構は減速回転を入力回転速度の1/2程度とすることが良い変速比を得ることができ、主としてダブルピニオン歯車を有した遊星歯車が減速用遊星歯車として用いられるが、特許文献1のようにシングルピニオン歯車を有した遊星歯車を用いる場合もある。又、変速機構のクラッチ及びブレーキは多板の摩擦部材を用いており、変速装置においてはこの摩擦部材の軸方向占有率が高くなる。そこで、減速用遊星歯車と2個の遊星歯車列及びクラッチ、ブレーキをコンパクトに配するには、減速用遊星歯車と2個の遊星歯車列の外周径方向外側にできる限り多くのクラッチ及びブレーキの摩擦部材を配することが有効な手段となる。
入力軸と同軸上に変速用部材を配した変速装置の中継軸への出力は、軸方向中央部からカウンターギアを介して出力する方式が中継軸をコンパクトにできるため望ましく、カウンターギアを挟んで減速用遊星歯車と2個の遊星歯車列を対峙して配することができれば、それら遊星歯車の外周径方向外側にできる限り多くのクラッチ及びブレーキの摩擦部材を配することが可能となる。
主変速機構となる変速装置に用いる4個の構成要素を持った2個の遊星歯車列は、本願発明者により特許文献3の図29に(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の5種類の組み合わせがまとめられて開示されており、カウンターギアを挟んで減速用遊星歯車と2個の遊星歯車列を対峙して配する場合、1個の減速回転と2個の非減速回転の連結位置が5種類の組み合わせにより異なってくる。遊星キャリアとリングギア及びサンギア同士を連結し遊星キャリア出力とした図29(a)と遊星キャリアとリングギア同士を連結しその一方を出力とした図29(b)では1個の減速回転の連結位置が2個の非減速回転の連結位置よりカウンターギアから離れる位置に配されねばならず、逆に、サンギアとリングギア及び遊星キャリア同士を連結しリングギア出力とした図29(c)とラビニョー遊星歯車列を用いて遊星キャリア出力とした図29(e)では1個の減速回転の連結位置が2個の非減速回転の連結位置よりカウンターギアの近くの位置に配されねばならない。尚、ラビニョー遊星歯車列を用いてリングギア出力とした図29(d)はこのどちらの連結も可能となる。
このうち、1個の減速回転の連結位置が2個の非減速回転の連結位置よりカウンターギアの近くの位置に配する方式の図29(e)記載の変速装置が減速用遊星歯車と組み合わせて特許文献4と特許文献5で、図29(c)記載の変速装置が減速用遊星歯車と組み合わせて本願発明者により特許文献6と特許文献7で提案されている。これらは変速装置の出力となるカウンターギアを挟んで減速用遊星歯車と2個の遊星歯車列を対峙して配し、クラッチ及びブレーキの摩擦部材の多くを遊星歯車列の外周径方向外側に配することのできるコンパクトなものである。
1個の減速回転の連結位置が2個の非減速回転の連結位置よりカウンターギアから離れる位置に配されねばならない図29(a)と(b)のうちの図29(a)がどちらの連結も可能な図29(d)とともに、特許文献8で提案されている。これらは減速用遊星歯車を2個の遊星歯車列のカウンターギアから離れる位置に一列に配し、減速回転をカウンターギアから離れた位置から入力し、2個の非減速回転を入力するクラッチをカウンターギアを挟んで遊星歯車列に対峙させ、非減速回転をカウンターギア側から入力したもので、この構造では2個のクラッチが遊星歯車列とは独立して配されるためコンパクトとはならない。尚、参考として記載するが、図29(a)と(b)記載の変速装置が後輪駆動用として特許文献1と特許文献9及び10で提案されている。
減速回転と非減速回転の2個の遊星歯車列への入力構造を総括して言えば、前述した特許事例では後輪駆動用も含めて全て非減速回転の2個の遊星歯車列へ入力する入力軸が軸中心を通り、減速回転の入力軸がその外周側を通って連結する構造となっており、図29(a)と(b)の2個の遊星歯車列において出力となるカウンターギアを挟んで減速用遊星歯車と2個の遊星歯車列を対峙して配する場合、減速回転の入力軸が軸中心を通り、非減速回転の入力軸がその外周側を通って連結する構造としなければならない。
尚、特許文献3の図29に記載された5種類の組み合わせは、それぞれの変速比や伝達効率に特徴があり欠点も有している。図29の(d)、(e)はラビニョー遊星歯車列を用いたものであり、前進1速から6速までの変速幅を大きく取るのが困難であるとともに、ロングピニオンギアの両サイドで噛合う歯車の噛合いベクトルの異なりによる歯当たり不備の問題を抱かえている。又、図29の(a)、(e)は高速走行状態で使用頻度の多いオーバドライブとなる前進5,6速時に、主変速機構となる2個の遊星歯車列を動力が通過するため他の1個の遊星歯車列しか動力が通過しない組み合わせと比べ伝達効率が悪化する。本発明はこの5種類の組み合わせのうち、1個の減速回転の連結位置が2個の非減速回転の連結位置よりカウンターギアから離れる位置に配されねばならない図29(a)と(b)の方式に関し、特に変速比や伝達効率における欠点が少ない図29(b)に関し、カウンターギアを挟んで減速用遊星歯車と2個の遊星歯車列を対峙して配し、クラッチ及びブレーキの摩擦部材を遊星歯車列の外周径方向外側に配するよう提案するのものである。尚、現在実用化されている前進4速後進1速の自動変速装置では特許文献3の図29に記載された5種類の組み合わせの図29(b)と図29(d)が用いられており、欠点が少ない図29(b)の実用例の方が多い。
特開昭52−149562 特開平4−219553 特開2001−221301(図29) 特開2003−130149 特開2003−240068 特願2005−291941 特願2006−306162 特開2007−78191 特開2001−82555 特開平4−290650 特開2000−291747
本発明の第1の課題は、入力軸と同軸上に変速用部材が配され軸方向中央部に出力となるカウンターギアを配し、4個の構成要素を持った2個の遊星歯車列の、制動側1個の構成要素に減速回転を入力し、他の2個の構成要素に非減速回転を入力し、そのうちの2個の構成要素にブレーキを配し、残りの1個の構成要素を出力するシンプルな前進6速後進1速の車両用自動変速装置において、1個の減速回転の入力位置が2個の非減速回転の入力位置よりカウンターギアから離れる位置に配する方式の変速装置に関し、カウンターギアを挟んで減速用遊星歯車と2個の遊星歯車列を対峙して配することである。
本発明の第2の課題は、2個の遊星歯車列を、適切な変速比を得ることができるとともに伝達効率の良い遊星キャリアとリングギア同士を連結しその一方を出力とした2個のシンプル遊星歯車の組み合わせとすることである。
本発明の第3の課題は、2個の遊星歯車列を、適切な変速比を得ることができる遊星キャリアとリングギア及びサンギア同士を連結し遊星キャリア出力とした2個のシンプル遊星歯車の組み合わせとすることである。
本発明の第4の課題は、カウンターギアを挟んで対峙して配された減速用遊星歯車と2個の遊星歯車列の外周径方向外側に、クラッチとブレーキの摩擦部材及びワンウェイクラッチを配することである。
請求項1に係わる本発明は、主変速機構となる2個の遊星歯車列の4個の構成要素A、B、C、Dへの各制御部位の連結方法及び配置に関するもので、第1の課題を解決するための手段であり、4個の構成要素A、B、C、Dを有した第1及び第2遊星歯車列20、30の、構成要素Aに減速用遊星歯車40を介した入力軸3aの減速回転を、クラッチC3を介して入力するとともにブレーキB2を配し、構成要素BにクラッチC2を介して入力軸3aの回転を入力するとともにブレーキB1及び入力軸3aの回転とは逆方向の回転を阻止するワンウェイクラッチOWCを配し、構成要素Dに入力軸3aの回転を、クラッチC1を介して入力し、構成要素Cをカウンターギア5に連結して出力し、クラッチC1、C2、C3又はブレーキB1、B2及びワンウェイクラッチOWCの何れか2個を選択的に締結することにより前進6速後進1速の変速段を得る多段自動変速装置の、カウンターギア5を挟んでクラッチC1、C2及び減速用遊星歯車40と、クラッチC3、ブレーキB1、B2、ワンウェイクラッチOWC及び第1、第2遊星歯車列20、30とを入力軸3aと同軸上に対峙させて配し、減速用遊星歯車40をサンギアS0とダブルピニオン遊星歯車を支持する遊星キャリアP0とリングギアR0で構成し、サンギアS0を変速機ケースに固定し、入力軸3aを遊星キャリアP0の一方のサイド部材に連結するとともにもう一方のサイド部材にクラッチC1、C2を配し、第1及び第2遊星歯車列20、30の構成要素AにクラッチC3を介して入力軸3aの減速回転を入力するリングギアR0と連結する減速回転軸3bを入力軸3aの後方軸中心に配するとともに、減速回転軸3bの外周径方向外側にクラッチC2、C1を介して入力軸3aの回転を構成要素B、Dに入力する筒状の連結部材を順に配するようになした。
請求項2に係わる本発明は、遊星キャリアとリングギア同士を連結しその一方を出力とした組み合わせに関するもので、第1と第2の課題を解決するための手段であり、第1遊星歯車列20はサンギアS1とシングルピニオン遊星歯車を支持する遊星キャリアP1とリングギアR1とからなり、第2遊星歯車列30はサンギアS2とシングルピニオン遊星歯車を支持する遊星キャリアP2とリングギアR2とからなり、カウンターギア5側から順に第2遊星歯車列30と第1遊星歯車列20を配し、第1遊星歯車列20のサンギアS1を構成要素Aとし、第1遊星歯車列20の遊星キャリアP1と第2遊星歯車列30のリングギアR2を連結して構成要素Bとし、第1遊星歯車列20のリングギアR1と第2遊星歯車列30の遊星キャリアP2を連結して構成要素Cとし、第2遊星歯車列30のサンギアS2を構成要素Dとするようになした。
請求項3に係わる本発明は、遊星キャリアとリングギア及びサンギア同士を連結し遊星キャリア出力とした組み合わせに関するもので、第1と第3の課題を解決するための手段であり、第1遊星歯車列20はサンギアS1とシングルピニオン遊星歯車を支持する遊星キャリアP1とリングギアR1とからなり、第2遊星歯車列30はサンギアS2とシングルピニオン遊星歯車を支持する遊星キャリアP2とリングギアR2とからなり、カウンターギア5側から順に第2遊星歯車列30と第1遊星歯車列20を配し、第1遊星歯車列20のリングギアR1を構成要素Aとし、第1遊星歯車列20の遊星キャリアP1と第2遊星歯車列30のリングギアR2を連結して構成要素Bとし、第2遊星歯車列30の遊星キャリアP2を構成要素Cとし、第1遊星歯車列20のサンギアS1と第2遊星歯車列30のサンギアS2を連結して構成要素Dとするようになした。
請求項4に係わる本発明は、クラッチC1、C2と減速用遊星歯車40の配置構造に関するもので、第1及び第4の課題を解決するための手段であり、減速用遊星歯車40のサンギアS0を固定する変速機ケースの延材部を入力軸3aの外周径方向外側に筒状に配し、延材部の筒状内径部で入力軸3aを軸支するとともに筒状外径部でサンギアS0を固定し、クラッチC1、C2のクラッチドラムを延材部の筒状外径部で軸支するとともに減速用遊星歯車40の遊星キャリアP0のサイド部材と連結し、クラッチC1、C2の油圧サーボへの供給油路を延材部に設け、減速用遊星歯車40の外周径方向外側にカウンターギア5側から順にクラッチC1、C2の摩擦部材を配するようになした。
請求項5に係わる本発明は、カウンターギア5とその他の部位の配置に関するもので、第1及び第4の課題を解決するための手段であり、変速機ケースの軸方向中央部にカウンターギア5を軸支する側壁を設け、カウンターギア5をクラッチC1、C2及び減速用遊星歯車40側に配し、側壁を挟んで第1及び第2遊星歯車列20、30をカウンターギア5に対峙させて配するとともに、第1及び第2遊星歯車列20、30の外周径方向外側に前記側壁側から順に、構成要素Bと構成要素Bを制動するブレーキB1の摩擦部材及びワンウェイクラッチOWCと、構成要素Aと構成要素Aを制動するブレーキB2の摩擦部材と、減速回転軸3bから構成要素Aに選択的に入力軸3aの減速回転を入力するクラッチC3の摩擦部材とを配するようになした。
請求項1記載の構成では、4個の構成要素A、B、C、Dを有した第1及び第2遊星歯車列20、30の、構成要素Aに減速用遊星歯車40を介した入力軸3aの減速回転を、クラッチC3を介して入力するとともにブレーキB2を配し、構成要素BにクラッチC2を介して入力軸3aの回転を入力するとともにブレーキB1及び入力軸3aの回転とは逆方向の回転を阻止するワンウェイクラッチOWCを配し、構成要素Dに入力軸3aの回転を、クラッチC1を介して入力し、構成要素Cをカウンターギア5に連結して出力し、クラッチC1、C2、C3又はブレーキB1、B2及びワンウェイクラッチOWCの何れか2個を選択的に締結することにより前進6速後進1速の変速段を得る多段自動変速装置の、カウンターギア5を挟んでクラッチC1、C2及び減速用遊星歯車40と、クラッチC3、ブレーキB1、B2、ワンウェイクラッチOWC及び第1、第2遊星歯車列20、30とを入力軸3aと同軸上に対峙させて配し、減速用遊星歯車40をサンギアS0とダブルピニオン遊星歯車を支持する遊星キャリアP0とリングギアR0で構成し、サンギアS0を変速機ケースに固定し、入力軸3aを遊星キャリアP0の一方のサイド部材に連結するとともにもう一方のサイド部材にクラッチC1、C2を配し、第1及び第2遊星歯車列20、30の構成要素AにクラッチC3を介して入力軸3aの減速回転を入力するリングギアR0と連結する減速回転軸3bを入力軸3aの後方軸中心に配するとともに、減速回転軸3bの外周径方向外側にクラッチC2、C1を介して入力軸3aの回転を構成要素B、Dに入力する筒状の連結部材を順に配するようになしたので、カウンターギア5側から順に構成要素Cとカウンターギア5の連結部、構成要素D、Bと入力軸3aの回転の連結部及び構成要素Aと入力軸3aの減速回転の連結部が必要となる第1及び第2遊星歯車列20、30の組み合わせの配置が可能となる。
請求項2記載の構成では、第1遊星歯車列20はサンギアS1とシングルピニオン遊星歯車を支持する遊星キャリアP1とリングギアR1とからなり、第2遊星歯車列30はサンギアS2とシングルピニオン遊星歯車を支持する遊星キャリアP2とリングギアR2とからなり、カウンターギア5側から順に第2遊星歯車列30と第1遊星歯車列20を配し、第1遊星歯車列20のサンギアS1を構成要素Aとし、第1遊星歯車列20の遊星キャリアP1と第2遊星歯車列30のリングギアR2を連結して構成要素Bとし、第1遊星歯車列20のリングギアR1と第2遊星歯車列30の遊星キャリアP2を連結して構成要素Cとし、第2遊星歯車列30のサンギアS2を構成要素Dとするようになしたので、カウンターギア5側から順に第1遊星歯車列20のリングギアR1と第2遊星歯車列30の遊星キャリアP2を連結した構成要素Cとカウンターギア5との連結と、第2遊星歯車列30のサンギアS2の構成要素Dと入力軸3aの回転との連結、第1遊星歯車列20の遊星キャリアP1と第2遊星歯車列30のリングギアR2を連結した構成要素Bと入力軸3aの回転との連結及び第1遊星歯車列20のサンギアS1の構成要素Aと減速回転軸3bとの連結が可能となるとともに、構成要素B及びAの制動が可能となる。
請求項3記載の構成では、第1と第3の課題を解決するための手段であり、第1遊星歯車列20はサンギアS1とシングルピニオン遊星歯車を支持する遊星キャリアP1とリングギアR1とからなり、第2遊星歯車列30はサンギアS2とシングルピニオン遊星歯車を支持する遊星キャリアP2とリングギアR2とからなり、カウンターギア5側から順に第2遊星歯車列30と第1遊星歯車列20を配し、第1遊星歯車列20のリングギアR1を構成要素Aとし、第1遊星歯車列20の遊星キャリアP1と第2遊星歯車列30のリングギアR2を連結して構成要素Bとし、第2遊星歯車列30の遊星キャリアP2を構成要素Cとし、第1遊星歯車列20のサンギアS1と第2遊星歯車列30のサンギアS2を連結して構成要素Dとするようになしたので、カウンターギア5側から順に第2遊星歯車列30の遊星キャリアP2の構成要素Cとカウンターギア5との連結と、第2遊星歯車列30のサンギアS2の構成要素Dと入力軸3aの回転との連結との連結、第1遊星歯車列20の遊星キャリアP1と第2遊星歯車列30のリングギアR2を連結した構成要素Bと入力軸3aの回転との連結及び第1遊星歯車列20のリングギアR1の構成要素Aと減速回転軸3bとの連結が可能となるとともに、構成要素B及びAの制動が可能となる。
請求項4記載の構成では、減速用遊星歯車40のサンギアS0を固定する変速機ケースの延材部を入力軸3aの外周径方向外側に筒状に配し、延材部の筒状内径部で入力軸3aを軸支するとともに筒状外径部でサンギアS0を固定し、クラッチC1、C2のクラッチドラムを延材部の筒状外径部で軸支するとともに減速用遊星歯車40の遊星キャリアP0のサイド部材と連結し、クラッチC1、C2の油圧サーボへの供給油路を延材部に設け、減速用遊星歯車40の外周径方向外側にカウンターギア5側から順にクラッチC1、C2の摩擦部材を配するようになしたので、クラッチC1、C2と減速用遊星歯車40が軸方向にコンパクトに配される。
請求項5記載の構成では、変速機ケースの軸方向中央部にカウンターギア5を軸支する側壁を設け、カウンターギア5をクラッチC1、C2及び減速用遊星歯車40側に配し、側壁を挟んで第1及び第2遊星歯車列20、30をカウンターギア5に対峙させて配するとともに、第1及び第2遊星歯車列20、30の外周径方向外側に側壁側から順に、構成要素Bと構成要素Bを制動するブレーキB1の摩擦部材及びワンウェイクラッチOWCと、構成要素Aと構成要素Aを制動するブレーキB2の摩擦部材と、減速回転軸3bから構成要素Aに選択的に入力軸3aの減速回転を入力するクラッチC3の摩擦部材とを配したので、第1及び第2遊星歯車列20、30とブレーキB1、B2、ワンウェイクラッチOWC及びクラッチC3が軸方向にコンパクトに配される。
図1に本発明における減速用遊星歯車とクラッチC1、C2、C3、ブレーキB1、B2、ワンウェイクラッチOWC及び出力となるカウンターギア5の具体的な配置構造を示し、2個の遊星歯車列の4個の構成要素をA、B、C、Dとしてその連結状態を2点鎖線でわかりやすく示し、図2にその模式図を示す。図3は図1、図2における速度線図と変速時のクラッチ及びブレーキの締結状態を示したものである。図4に本発明の構成要素A、B、C、Dの第1実施形態を全体構造図として示し、図5にその模式図を、図6にその速度線図と適切な遊星歯車のリングギアとサンギアの歯数比及び変速比を示す。図7に本発明の構成要素A、B、C、Dの第2実施形態を全体構造図として示し、図8にその模式図を、図9にその速度線図と適切な遊星歯車のリングギアとサンギアの歯数比及び変速比を示す。図10は図1におけるカウンターギア5の入力側に配された減速用遊星歯車とクラッチC1、C2の詳細構造を示したものであり、図11は図1におけるカウンターギア5を挟んで対峙して配されたブレーキB1とワンウェイクラッチOWC及びブレーキB1とクラッチC3の詳細構造を示したものである。図12は図4に示した第1実施形態の詳細構造であり、図13は図7に示した第2実施形態の詳細構造である。
本発明の請求項1は構成要素A、B、C、Dとその制御部位の連結配置に関し図1から図3で示したものである。請求項2は第1実施形態に関し図4から図6及び図12で示したものであり、請求項3は第2実施形態に関し図7から図9及び図13で示したものである。請求項4は減速用遊星歯車とクラッチC1、C2の構造に関し図1及び図10で示したものであり、請求項5はブレーキB1とワンウェイクラッチOWC及びブレーキB1とクラッチC3の配置構造に関し図1及び図11で示したものである。
図1と図1の模式図を示す図2において、図の左側前方の図示しない原動機から流体伝導装置であるトルクコンバータ10に動力が伝達され、変速装置の入力軸3aに導かれる。変速装置全体を収めるハウジングは前部のトルクコンバータケース1aと中央部の変速機ケース1bと後部のリアケース1cとからなり、入力軸3a及び入力軸3aの後部の同軸上中心部に配された減速回転軸3bと並行に配された中継軸7及び出力軸を含んだディファレンシャル装置9とを軸支する母体となる。入力軸3aは保持部材2a、2b、2cに配された軸受け4aと4bで軸支され、後部の減速回転軸3bが入力軸3aに配された軸受け4cとリアケース1cに配された軸受け4dで軸支される。保持部材2a、2b、2cは乾式のトルクコンバータケース1aと湿式の変速機ケース1bを隔てる隔壁であり、トルクコンバータ10を軸支し変速装置のチャージングポンプを保持する。中継軸7は一端がトルクコンバータケース1aに配された軸受け4gで、もう一端が変速装機ケース1bに配された軸受け4fで軸支され、入力軸3aと同軸上の出力となるカウンターギア5と噛み合うカウンターギア6がスプラインで連結されると共に、出力軸を含んだディファレンシャル装置9に動力を伝達するカウンターギアが一体成形されている。又、出力軸部はディファレンシャル装置9のキャリアとなり、一端がトルクコンバータケース1aに配された軸受け4iで、もう一端が変速装機ケース1bに配された軸受け4hで軸支され、カウンターギアと一体の中継軸7と噛み合うカウンターギア8がボルトで締結されている。周知の如く、ディファレンシャル装置9はピニオンギアとサイドギアからなり、サイドギアには自動変速装置の出力軸が連結される。
変速機ケース1bの軸方向中央部にはカウンターギア5の軸受け4eを軸支する側壁が設けられ、この側壁とリアケース1cの間に変速装置の2個の遊星歯車列である第1及び第2遊星歯車列20、30の構成要素A、B、C、DとブレーキB1、B2とワンウェイクラッチOWC及びクラッチC3が配され、側壁と保持部材2a、2b、2cの間にカウンターギア5と減速用遊星歯車40と構成要素D、Bに連結するクラッチC1、C2が配される。
図1と図1におけるカウンターギア5の入力側詳細構造を示す図10において、減速用遊星歯車40はサンギア41(S0)と、サイド部材44a、44b及びその間に設けられたダブルピニオン遊星歯車42a、42bを軸支するピンからなっている遊星キャリア44(P0)と、リングギア43(R0)とからなり、ダブルピニオン遊星歯車42a、42bが互いに噛合うと同時にピニオン遊星歯車42bがサンギア41(S0)と、ピニオン遊星歯車42aがリングギア43(R0)と噛合っている。トルクコンバータケース1aはトルクコンバータ10を軸支するとともにチャージングポンプを内蔵する保持部材2aとともに変速機ケース1bにボルト締めされ、保持部材2aにはトルクコンバータ10のステータを保持する筒状の保持部材2cが圧入された保持部材2bがボルト締めされる。入力軸3aは保持部材2cの両端内径に配された軸受け4aと4bで軸支され、カウンターギア5側が遊星キャリア44(P0)のサイド部材44aと一体となる。サンギア41(S0)はカウンターギア5側の保持部材2c端部に形成された外周スプラインで固定され、保持部材2cの外周には遊星キャリア44(P0)のもう一方のサイド部材44bとスプライン連結される筒状部材55が軸受け4jで軸支される。又、リングギア43(R0)は入力軸3aの内径に配された軸受け4cで軸支される減速回転軸3bと連結部材14で一体として溶着される。
2連クラッチC1、C2は、保持部材2bのボス部外周に回転自在に配される円筒部材55に一体として溶着され外周をカウンターギア5側のリングギア43(R0)の外周径方向外側に延材したクラッチドラム54と、クラッチドラム54の外周延材部内側スプラインに保持部材2a側から順に係止されるクラッチC2の摩擦部材62a、リティニングリング63で係止されるクラッチC1、C2共通のエンドプレート62b、クラッチC1の摩擦部材52と、摩擦部材62aとの間に交互に配されリングギア43(R0)の外周径方向外側に筒状に配されたクラッチハブ12の外周スプラインに係止される摩擦部材61と、摩擦部材52との間に交互に配されクラッチハブ12の外周径方向外側に筒状に配されたクラッチハブ11の外周スプラインに係止される摩擦部材51と、摩擦部材61、62aを押圧するピストン66と、リティニングリング53で係止されるフランジ57で摩擦部材51、52を押圧するピストン56と、ピストン56にスタッドピン64で一定距離に固定されピストン56、66の作動室の遠心油圧をキャンセルする共通のキャンセラープレート67と、スタッドピン64の外周に配されピストン56、66を開放状態に戻すピストン66に係止されるバネホルダ−65に挿入される共通のリターンスプリング68とからなっており、クラッチC1は遊星キャリア44(P0)とクラッチハブ11に連結される構成要素Dの締結及び開放をつかさどり、クラッチC2は遊星キャリア44(P0)とクラッチハブ12と一体の連結部材13に連結される構成要素Bの締結及び開放をつかさどる。減速回転軸3bの外周にはクラッチハブ12に溶着される筒状の連結部材13の一端が軸受け4kで軸支され、連結部材13の外周の一端にはクラッチハブ11にスプライン連結される構成要素Dとなるサンギア31が軸受け4Lで軸支される。
尚、本構造はピストン56、66をクラッチドラム54の両サイドに配しピストン66側に配したキャンセラープレート67とピストン56をクラッチドラム54とピストン66を貫通するスタットピン64で一定距離に連結したもので、クラッチドラム54とピストン56との間及びクラッチドラム54とピストン66との間、ピストン66とキャンセラープレート67との間に形成される油圧室には保持部材2bのボス部外周から作動油が供給され油圧サーボを形成し、クラッチC1、C2は独立して精度よく制御される。この2連クラッチC1、C2は本願発明者が特開2007−51651で提案した構造であるが、請求項4では本案に限らず、クラッチドラムを共有し減速用遊星歯車40の外周径方向外側でクラッチC1、C2の摩擦部材を軸方向直列に配す構造であればキャンセラープレートやリターンスプリングを共有しない構造を用いてもよいとしている。
図1と図1におけるカウンターギア5を挟んで対峙して配されたブレーキB1とワンウェイクラッチOWC及びブレーキB1とクラッチC3の詳細構造を示す図11において、変速機ケース1bの軸方向中央部に設けられた側壁の円周内径部にカウンターギア5を軸支する背面合わせのアンギュラ玉軸受4eが配され、カウンターギア5と構成要素Cがスプライン連結され回り止めを施されたナット5aでアンギュラ玉軸受4eに固定される。構成要素Cの内周径方向内側には構成要素Dがクラッチハブ11とスプライン連結して配され、構成要素Dの内周径方向内側には構成要素Bが連結部材13に連結され配される。又、構成要素Bの後方位置には構成要素Aが独立して配される。連結部材13は円筒形状をなしクラッチハブ12に溶着され一体となり一端が軸受け4kで減速回転軸3b上に軸支され構成要素Dの後方位置で構成要素Bと連結し、外周の一端の軸受け4mで構成要素Dを軸支する。
ブレーキB1は構成要素Bの外周スプラインに係止される摩擦部材81と、摩擦部材81との間に交互に配され変速機ケース1bの内周部に形成されたスプライン形状の複数の歯に係止される摩擦部材82と、変速機ケース1bのアンギュラ玉軸受4eを軸支する側壁に配され摩擦部材81、82を押圧するピストン84と、ピストン84を開放状態に戻すリターンスプリング85と、変速機ケース1bにリティニングリング83で係止されリターンスプリング85を保持する保持プレート86とからなっており、構成要素Bの制動及び開放をつかさどる。ブレーキB1の後方にはワンウェイクラッチ15(OWC)がインナーレースを構成要素Bとして配され、アウターレース16が変速機ケース1bの段付き内周部に形成されたスプライン形状の複数の歯とリティニングリング93で変速機ケース1bに固定され、構成要素Bの入力軸3aの回転と逆方向の回転を阻止し同方向の回転を自由にする役目を担う。尚、変速機ケース1bに固定されるアウターレース16はブレーキB1の摩擦部材82の固定端ともなる。
ブレーキB2は構成要素A又はAの連結部材の外周スプラインに係止される摩擦部材91と、摩擦部材91との間に交互に配され変速機ケース1bの内周部に形成されたスプライン形状の複数の歯に係止される摩擦部材92a及びリティニングリング93に軸方向が規制されるエンドプレート92bと、変速機ケース1bにボルト締めされるリアケース1cに配され摩擦部材91、92a及びエンドプレート92bを押圧するピストン94と、ピストン94を開放状態に戻す変速機ケース1bに保持されるリターンスプリング95とからなっており、構成要素Aの制動及び開放をつかさどる。
クラッチC3は後端がリアケース1cのボス部内周に軸受け4dで軸支される減速回転軸3bとスプライン連結する円筒部材74に一体として溶着され、リアケース1cに沿って外周をカウンターギア5側に延材したクラッチドラム75と、構成要素A又はAの連結部材の外周スプラインに係止される摩擦部材71と、摩擦部材71との間に交互に配されクラッチドラム75の外周延材部内側スプラインに係止される摩擦部材72a及びリティニングリング73に軸方向が規制されるエンドプレート72bと、摩擦部材71、72a及びエンドプレート72bを押圧するピストン76と、ピストン76を開放状態に戻すリターンスプリング78と、円筒部材74に係止されるリティニングリング79に保持されピストン76の作動室の遠心油圧をキャンセルするとともにリターンスプリング78を保持するキャンセラープレート77とからなっており、リアケース1cのボス部外周からの供給油で減速回転軸3bと構成要素Aの締結及び開放をつかさどる。
本発明の1個の構成要素に減速回転を入力し、他の2個の構成要素に非減速回転を入力した前進6速後進1速の多段自動変速装置の変速形態に関し、減速用遊星歯車40の構成要素S0、P0、R0と第1及び第2遊星歯車列20、30の構成要素A、B、C、Dの回転速度を示す図3の速度線図において、A、B、C、Dの順に構成要素が並べられ、入力軸3aの非減速回転が1として常時減速用遊星歯車列40の遊星キャリアP0とクラッチC1、C2を介して各々構成要素D、Bとに入力され、入力軸3aの減速回転がサンギアS0が固定される減速用遊星歯車列40のリングギアR0を通りクラッチC3を介して構成要素Aに入力され、変速回転が構成要素Cから出力される。固定は回転が0として示され、構成要素B、Aが各々ブレーキB1、B2で固定される。ここで構成要素Dには前進1速段から4速段まで入力軸3aの非減速回転がクラッチC1を介して入力されるとともに、前進1速段ではブレーキB1により構成要素Bが固定され、前進2速段ではブレーキB2により構成要素Aが固定され、前進3速段ではクラッチC3により構成要素Aが減速され、前進4速段ではクラッチC2により構成要素Bに入力軸3aの非減速回転が入力され、構成要素Cから出力される。前進5速段と6速段では入力軸3aの非減速回転がクラッチC3を介して構成要素Bに入力されるとともに、前進5速段ではクラッチC3により構成要素Aが減速され、前進6速段ではブレーキB2により構成要素Aが固定され、構成要素Cから出力される。したがって、隣り合う変速段への変速も、1個飛び越した変速段への変速も1個の締結要素の切り換えのみで可能となる。尚、後進段ではクラッチC3により構成要素Aが減速されるとともにブレーキB1により構成要素Bが固定され、構成要素Cから出力される。
このようにこの変速形態は、前進1速から4速段において構成要素Dへの入力が減速用遊星歯車で減速されない点、前進4速段では動力が全く遊星歯車を通らない減速比1:1の状態ができる点、前進段で減速用遊星歯車を通過し減速する入力側トルクは前進3速と5速段で入力軸トルクの一部となり減速用遊星歯車が軽負荷となる点等、効率及び強度やトルク容量の両面で優れた特性を有している。本発明は1個の減速回転を軸中心に通し、2個の非減速回転軸をその外周径方向外側に通すことで次の第1及び第2実施形態に掲げる第1及び第2遊星歯車列20、30の構成要素A、B、C、Dの組み合わせを可能としたものである。
第1及び第2遊星歯車列20、30の構成要素A、B、C、Dの第1実施形態を示す図4、図5及び図12において、第1遊星歯車列20はシングルピニオン遊星歯車22と噛合うサンギア21(S1)と、サイド部材24aと24b及びその間に設けられたシングルピニオン遊星歯車22を軸支するピンからなっている遊星キャリア24(P1)と、シングルピニオン遊星歯車22と噛合うリングギア23(R1)とからなり、第2遊星歯車列30はシングルピニオン遊星歯車32と噛合うサンギア31(S2)と、サイド部材34aと34b及びその間に設けられたシングルピニオン遊星歯車32を軸支するピンからなっている遊星キャリア34(P2)と、シングルピニオン遊星歯車32と噛合うリングギア33(R2)とからなっており、カウンターギア5側から順に第2遊星歯車列30と第1遊星歯車列20が配される。
遊星キャリア34(P2)のサイド部材34aは外周でリングギア23(R1)と一体として溶着され構成要素Cをなし、もう一方のサイド部材34bがカウンターギア5とスプライン連結され変速機ケース1bに保持されるアンギュラ玉軸受4eのインナーレースにナット5aで挟み込まれて固定される。リングギア33(R2)の外周部にはスプラインが形成されブレーキB1の摩擦部材81を係止するとともにスプライン後部はワンウェイクラッチOWCのインナーレースとなり、リングギア33(R2)はリングギア23(R1)の外周径方向外側に延材され遊星キャリア24(P1)のサイド部材24aと連結されリングギア33(R2)と遊星キャリア24(P1)が一体となり構成要素Bをなし、もう一方のサイド部材24bが減速回転軸3bの外周で軸受け4k、4Lにより軸支される筒状の連結部材13と内周部でスプライン連結される。サンギア31(S2)は構成要素Dをなし、カウンターギア5の内周に筒状に延材され連結部材13の外周で軸受け4m、4nにより軸支されクラッチハブ11に連結される。サンギア21(S1)は構成要素Aをなし、クラッチC3の円筒部材74の外周で軸受け4oにより軸支されるとともにドラム21aが溶着され、ドラム21aはリングギア33(R2)延材部の外周径方向外側まで延材されて外周に形成されたスプラインでブレーキB2の摩擦部材91とクラッチC3の摩擦部材71を係止する。
第1実施形態を示す図6の速度線図及び模式図において、第1遊星歯車列20のサンギアS1を構成要素Aとし、第1遊星歯車列20の遊星キャリアP1と第2遊星歯車列30のリングギアR2を連結して構成要素Bとし、第1遊星歯車列20のリングギアR1と第2遊星歯車列30の遊星キャリアP2を連結して構成要素Cとし、第2遊星歯車列30のサンギアS2を構成要素Dとすると、入力軸3aの回転はダブルピニオン遊星歯車からなる減速用遊星歯車列40の遊星キャリアP0とクラッチC1とC2を介して構成要素D、Bに入力され、サンギアS0を固定した減速用遊星歯車40のリングギアR0を介した入力軸3aの減速回転はクラッチC3を介して構成要素Aに入力され、構成要素A,BはブレーキB2、B1で制動される。この状態で軸中心にクラッチC3を介して構成要素Aに入力される減速回転軸が配され、その外周径方向外側にクラッチC2を介して構成要素Bに入力される非減速回転軸が配され、さらにその外周径方向外側にクラッチC1を介して構成要素Dに入力される非減速回転軸が配される。この変速形態の各変速段におけるクラッチ、ブレーキの締結は既に図3の速度線図で説明した通りである。
この変速形態において適切な変速比を得るには第1、第2遊星歯車列20、30の構成要素A、B、C、Dの位置関係が重要となる。牽引力の関係上前進6速と5速の変速比の比率を1.2倍とし前進5速と4速の変速比の比率を1.3倍程度とするのが望ましく、前進4速段の変速比が1に固定されるため前進6速段の変速比が1.2×1.3=1.56の逆数となる0.64、前進5速段の変速比が0.64×1.2=0.77と自ずと決定される。前進6速段の変速比を0.64とするには構成要素A、B間を構成要素B、C間の1.8倍程度とすればよく、第1遊星歯車列20のリングギアとサンギアの歯数をZR1、ZS1とするとZR1/ZS1=1.8となる。また、前進5速段の変速比を0.77にするための減速用遊星歯車40のリングギアとサンギアの歯数をZR0、ZS0とするとその歯数比も自ずと決定される。実際の遊星歯車では歯車が噛み合うための条件があるため、図6の如くZR1/ZS1=1.78、ZR0/ZS0=1.938として前進6速段の変速比0.64、前進5速段の変速比0.775を得ることができる。
前進の1速から3速段の減速段における変速比は構成要素B、C間と構成要素C、D間の比率で決まり、その比率はリングギアR2とサンギアS2の歯数比で決定される。実際の自動変速装置における遊星歯車においては、スペースの関係上リングギアの歯数をサンギアの歯数で割った値が2.8の範囲内とするのが好ましく、図6ではリングギアR2とサンギアS2の歯数比をZR2/ZS2=2.714とした。これは前進1速を前進6速段の変速比で除したギアレンジを6前後に設定するためであり、ギアレンジは5.8となる。ギアレンジを6以上にするには前進6速の変速比をもう少し高速側に振らせればよく、つまり第1遊星歯車列20のリングギアとサンギアの歯数比ZR1/ZS1=1.78を小さくすればよく何ら問題はない。
第1実施形態における1st(前進1速段)から6th(前進6速段)及びRev(後進段)の作動と減速比を図6により説明する。
<1st>
クラッチC1とブレーキB1を締結し、構成要素D(S2)に非減速回転を入力し構成要素B(P1、R2)を固定する。実際の遊星歯車列における動力の伝達は、第2遊星歯車列30のサンギアS2に入力された動力はリングギアR2が固定されるため遊星キャリアP2が減速され出力される。したがって、動力は第2遊星歯車列30しか通らなく効率がよい。尚、図6には示されていないが、ブレーキB1の代わりにワンウェイクラッチOWCで構成要素B(P1、R2)を固定しても同じとなる。
<2nd>
クラッチC1とブレーキB2を締結し、構成要素D(S2)に非減速回転を入力し構成要素A(S1)を固定する。実際の遊星歯車列における動力の伝達は、第2遊星歯車列30のサンギアS2に入力された動力はリングギアR2を反力として遊星キャリアP2から出力されるが、リングギアR2の反力が一体となる第1遊星歯車列20の遊星キャリアP1に伝わりサンギアS1が固定されるため遊星キャリアP2と一体となるリングギアR1を制動して減速され出力される。したがって、第1及び第2遊星歯車列20,30間で動力循環が発生し、1stよりは動力伝達効率は悪くなるが、特に問題とはならない。
<3rd>
クラッチC1とクラッチC3を締結し、構成要素D(S2)に非減速回転を入力し、構成要素A(S1)に減速回転を入力する。実際の遊星歯車列における動力の伝達は、第2遊星歯車列30のサンギアS2に非減速回転が入力され、第1遊星歯車列20のサンギアS1に減速回転が入力されるため、サンギアS1が固定される2ndより少し高い回転に減速され出力される。第1及び第2遊星歯車列20,30間の動力の伝わり方は2ndと全く同じであるが、構成要素A(S1)に減速回転を入力するため、非減速回転の動力は減速用遊星歯車40の遊星キャリアP0と構成要素D(S2)に分割して入力されることになる。
<4th>
クラッチC1とC2を締結し、構成要素D(S2)と構成要素B(P1、R2)に非減速回転を入力する。実際の遊星歯車列における動力の伝達は、第2遊星歯車列30のサンギアS2とリングギアR2が連結され、遊星キャリアP2は入力回転と同じ回転となる。したがって、遊星キャリアP2は入力回転と同じ回転で出力される。
<5th>
クラッチC2とクラッチC3を締結し、構成要素B(P1、R2)に非減速回転を入力し、構成要素A(S1)に減速回転を入力する。実際の遊星歯車列における動力の伝達は、第1遊星歯車列20の遊星キャリアP1に非減速回転が入力され、サンギアS1に減速回転が入力されるため、リングギアR1は少し増速されて出力される。この場合、第2遊星歯車列30は動力の伝達はしない。
<6th>
クラッチC2とブレーキB1を締結し、構成要素B(P1、R2)に非減速回転を入力し、構成要素A(S1)を固定する。実際の遊星歯車列における動力の伝達は、第1遊星歯車列20の遊星キャリアP1に非減速回転が入力され、サンギアS1が固定されるため、リングギアR1が増速されて出力される。この場合、動力第2遊星歯車列30は動力の伝達はしない。
<Rev>
ブレーキB1とクラッチC3を締結し、構成要素A(S1)に減速回転を入力し、構成要素B(P1、R2)を固定する。実際の遊星歯車列における動力の伝達は、第1遊星歯車列20のサンギアS1に減速回転が入力され、遊星キャリアP1が固定されるため、リングギアR1が減速され逆回転で出力される。
第1実施形態における第1及び第2遊星歯車列20,30の互いの遊星キャリアとリングギアを連結する組み合わせは、現在実用化されている前進4速後進1速の自動変速装置にも用いられており、前進4速後進1速の自動変速装置の1st、2nd、3rd、4thと第1実施形態の1st、2nd、4th、6thの動力の伝達が全く同じとなる。
第1及び第2遊星歯車列20、30の構成要素A、B、C、Dの第2実施形態を示す図7、図8及び図13において、第1遊星歯車列20はシングルピニオン遊星歯車22と噛合うサンギア21(S1)と、サイド部材24aと24b及びその間に設けられたシングルピニオン遊星歯車22を軸支するピンからなっている遊星キャリア24(P1)と、シングルピニオン遊星歯車22と噛合うリングギア23(R1)とからなり、第2遊星歯車列30はシングルピニオン遊星歯車32と噛合うサンギア31(S2)と、サイド部材34aと34b及びその間に設けられたシングルピニオン遊星歯車32を軸支するピンからなっている遊星キャリア34(P2)と、シングルピニオン遊星歯車32と噛合うリングギア33(R2)とからなっており、カウンターギア5側から順に第2遊星歯車列30と第1遊星歯車列20が配される。
遊星キャリア34(P2)は構成要素Cをなし、サイド部材34bがカウンターギア5とスプライン連結され変速機ケース1bに保持されるアンギュラ玉軸受4eのインナーレースにナット5aで挟み込まれて固定される。リングギア33(R2)は外周部にスプラインが形成されブレーキB1の摩擦部材81を係止するとともにスプライン後部はワンウェイクラッチOWCのインナーレースとなり、端部の歯を段付きとしスプラインとして遊星キャリア24(P1)のサイド部材24bの外周に連結されリティニングリング35で固定一体となり構成要素Bをなし、もう一方のサイド部材24aが減速回転軸3bにスプライン連結される円筒部材74の外周で軸受け4Lにより軸支されるとともに、筒状の連結部材13と内周部でスプライン連結される。サンギア31(S2)は、端部の歯を段付きとしスプラインとしてサンギア21(S1)の内周に連結され一体として構成要素Dをなし、カウンターギア5の内周に筒状に延材され連結部材13の外周で軸受け4m、4nにより軸支されクラッチハブ11に連結される。リングギア23(R1)は外周部にスプラインが形成されブレーキB2の摩擦部材91とクラッチC3の摩擦部材71係止して構成要素Aをなし、端部の歯を段付きとしスプライン連結されリティニングリング25で固定一体となる保持部材23aで軸方向が規制され保持される。
第2実施形態を示す図9の速度線図及び模式図において、第1遊星歯車列20のリングギアR1を構成要素Aとし、第1遊星歯車列20の遊星キャリアP1と第2遊星歯車列30のリングギアR2を連結して構成要素Bとし、第2遊星歯車列30の遊星キャリアP2を構成要素Cとし、第1遊星歯車列20のサンギアS1と第2遊星歯車列30のサンギアS2を連結して構成要素Dとすると、入力軸3aの回転はダブルピニオン遊星歯車からなる減速用遊星歯車列40の遊星キャリアP0とクラッチC1とC2を介して構成要素D、Bに入力され、サンギアS0を固定した減速用遊星歯車40のリングギアR0を介した入力軸3aの減速回転はクラッチC3を介して構成要素Aに入力され、構成要素A,BはブレーキB2、B1で制動される。この状態で軸中心にクラッチC3を介して構成要素Aに入力される減速回転軸が配され、その外周径方向外側にクラッチC2を介して構成要素Bに入力される非減速回転軸が配され、さらにその外周径方向外側にクラッチC1を介して構成要素Dに入力される非減速回転軸が配される。この変速形態の各変速段におけるクラッチ、ブレーキの締結は第1実施形態と同じであり、既に図3の速度線図で説明した通りである。
第2実施形態においても第1実施形態同様、適切な変速比を得るには第1、第2遊星歯車列20、30の構成要素A、B、C、Dの位置関係が重要となる。前進の1速段の減速段における変速比は構成要素B、C間と構成要素C、D間の比率で決まり、第1実施形態同様その比率はリングギアR2とサンギアS2の歯数比で決定される。実際の自動変速装置における遊星歯車においては、スペースの関係上リングギアの歯数をサンギアの歯数で割った値が2.8の範囲内とするのが好ましく、図9ではリングギアR2とサンギアS2の歯数比をZR2/ZS2=2.714とした。
又、牽引力の関係上前進6速と5速の変速比の比率を1.2倍とし前進5速と4速の変速比の比率を1.3倍程度とするのが望ましく、前進4速段の変速比が1に固定されるため前進6速段の変速比が1.2×1.3=1.56の逆数となる0.64、前進5速段の変速比が0.64×1.2=0.77と自ずと決定される。前進6速段の変速比を0.64とするには構成要素A、B間を構成要素B、C間の1.8倍程度とすればよく、第1遊星歯車列20と第2遊星歯車列20のリングギアとサンギアの歯数比で決定される。第2遊星歯車列20のリングギアR2とサンギアS2の歯数比をZR2/ZS2=2.714としたので第1遊星歯車列20のリングギアR1とサンギアS1の歯数比をZR1/ZS1=2.087とすれば構成要素A、B間と構成要素B、C間の比率が1.78となる。前進5速段の変速比を0.77にするための減速用遊星歯車40のリングギアとサンギアの歯数をZR0、ZS0とするとその歯数比も自ずと決定される。実際の遊星歯車では歯車が噛み合うための条件があるため、図9の如くZR1/ZS1=2.087、ZR0/ZS0=1.938として前進6速段の変速比0.64、前進5速段の変速比0.775を得ることができる。ここでは第1実施形態と同じ変速比となるよう設定しギアレンジを5.8としたが、第1遊星歯車列20のリングギアとサンギアの歯数比ZR1/ZS1=2.087を小さくすれば6以上のギアレンジが得られる。第1実施形態の歯数比ZR1/ZS1=1.78より第2実施形態の歯数比ZR1/ZS1=2.087が大きいため、第2実施形態の方が変速比を高速側に振り易くなる。
第2実施形態における1st(前進1速段)から6th(前進6速段)及びRev(後進段)の作動と減速比を図9により説明する。
<1st>
クラッチC1とブレーキB1を締結し、構成要素D(S1,S2)に非減速回転を入力し構成要素B(P1、R2)を固定する。実際の遊星歯車列における動力の伝達は、第2遊星歯車列30のサンギアS2に入力された動力はリングギアR2が固定されるため遊星キャリアP2が減速され出力される。したがって、動力は第2遊星歯車列30しか通らなく効率がよい。尚、図9には示されていないが、ブレーキB1の代わりにワンウェイクラッチOWCで構成要素B(P1、R2)を固定しても同じとなる。
<2nd>
クラッチC1とブレーキB2を締結し、構成要素D(S1,S2)に非減速回転を入力し構成要素A(R1)を固定する。実際の遊星歯車列における動力の伝達は、第1及び第2遊星歯車列20、30のサンギアS1、S2に分割され入力し、リングギアR1が固定されるため遊星キャリアP1と一体となるリングギアR2を介して遊星キャリアP2が減速され出力される。
<3rd>
クラッチC1とクラッチC3を締結し、構成要素D(S1、S2)に非減速回転を入力し、構成要素A(R1)に減速回転を入力する。実際の遊星歯車列における動力の伝達は、第1及び第2遊星歯車列20、30のサンギアS1、S2に非減速回転が入力され、第1遊星歯車列20のリングギアR1に減速回転が入力されるため、リングギアR1が固定される2ndより少し高い回転に減速され出力される。第1及び第2遊星歯車列20,30間の動力の伝わり方は2ndと全く同じであるが、構成要素A(R1)に減速回転を入力するため、非減速回転の動力は減速用遊星歯車40の遊星キャリアP0と構成要素D(S1、S2)に3分割して入力されることになる。
<4th>
クラッチC1とC2を締結し、構成要素D(S1、S2)と構成要素B(P1、R2)に非減速回転を入力する。実際の遊星歯車列における動力の伝達は、第2遊星歯車列30のサンギアS2とリングギアR2が連結され、遊星キャリアP2は入力回転と同じ回転となる。したがって、遊星キャリアP2は入力回転と同じ回転で出力される。
<5th>
クラッチC2とクラッチC3を締結し、構成要素B(P1、R2)に非減速回転を入力し、構成要素A(R1)に減速回転を入力する。実際の遊星歯車列における動力の伝達は、第1遊星歯車列20のリングギアR1と遊星キャリアP1の回転差によりサンギアS1が増速され、サンギアS1と一体のサンギアS2と、遊星キャリアP1と一体のリングギアR2の回転差により遊星キャリアP2が少し減速され、結果として増速され出力される。
<6th>
クラッチC2とブレーキB1を締結し、構成要素B(P1、R2)に非減速回転を入力し、構成要素A(R1)を固定する。実際の遊星歯車列における動力の伝達は、第1遊星歯車列20の遊星キャリアP1に非減速回転が入力され、リングギアR1固定されるためサンギアS1が大きく増速され、サンギアS1と一体のサンギアS2と、遊星キャリアP1と一体のリングギアR2の回転差により遊星キャリアP2が少し減速され、結果として増速され出力される。
<Rev>
ブレーキB1とクラッチC3を締結し、構成要素A(R1)に減速回転を入力し、構成要素B(P1、R2)を固定する。実際の遊星歯車列における動力の伝達は、第1遊星歯車列20のリングギアR1に減速回転が入力され、遊星キャリアP1が固定されるためサンギアS1が増速され逆回転をし、リングギアR2が固定されるためサンギアS1と一体のサンギアS2により遊星キャリアP2が逆回転で減速され出力される。
第1実施形態と第2実施形態における動力伝達特性の違いは動力が第1及び第2遊星歯車列20,30を通る2ndと3rdにおいて、第2実施形態では入力動力が分割されるため、動力が循環する第1実施形態より各構成要素の負荷が小さくなり効率がよくなる。しかし、オーバドライブとなる5thと6thで第2実施形態は第1及び第2遊星歯車列20,30を増速されて後減速されて出力されるため、第2遊星歯車列30しか動力が通らない第1実施形態より効率が悪くなる。
本発明の前進6速後進1速自動変速装置の、4個の構成要素への共通の連結を示す構造図 図1の模式図 図1の速度線図 本発明の第1実施形態における全体構造図 図4の模式図 図4の速度線図 本発明の第2実施形態における全体構造図 図7における模式図 図7の速度線図 図1の入力部を示す詳細構造図 図1の主変速部を示す詳細構造図 図4の主変速部を示す詳細構造図 図7の主変速部を示す詳細構造図
符号の説明
1a トルクコンバータケース
1b 変速機ケース
1c リアケース
2a、2b、2c 保持部材
3a 入力軸
3b 減速回転軸
10 トルクコンバータ
20 第1遊星歯車列
30 第2遊星歯車列
40 減速用遊星歯車
C1、C2、C3 クラッチ
B1、B2 ブレーキ

Claims (5)

  1. 4個の構成要素A、B、C、Dを有した第1及び第2遊星歯車列20、30の、
    構成要素Aに減速用遊星歯車40を介した入力軸3aの減速回転を、クラッチC3を介して入力するとともにブレーキB2を配し、
    構成要素BにクラッチC2を介して入力軸3aの回転を入力するとともにブレーキB1及び入力軸3aの回転とは逆方向の回転を阻止するワンウェイクラッチOWCを配し、
    構成要素Dに入力軸3aの回転を、クラッチC1を介して入力し、
    構成要素Cをカウンターギア5に連結して出力し、
    クラッチC1、C2、C3又はブレーキB1、B2及びワンウェイクラッチOWCの何れか2個を選択的に締結することにより前進6速後進1速の変速段を得る多段自動変速装置であって、
    カウンターギア5を挟んでクラッチC1、C2及び減速用遊星歯車40と、クラッチC3、ブレーキB1、B2、ワンウェイクラッチOWC及び第1、第2遊星歯車列20、30とを入力軸3aと同軸上に対峙させて配し、
    減速用遊星歯車40をサンギアS0とダブルピニオン遊星歯車を支持する遊星キャリアP0とリングギアR0で構成し、サンギアS0を変速機ケースに固定し、入力軸3aを遊星キャリアP0の一方のサイド部材に連結するとともにもう一方のサイド部材にクラッチC1、C2を配し、
    第1及び第2遊星歯車列20、30の構成要素AにクラッチC3を介して入力軸3aの減速回転を入力するリングギアR0と連結する減速回転軸3bを入力軸3aの後方軸中心に配するとともに、減速回転軸3bの外周径方向外側にクラッチC2、C1を介して入力軸3aの回転を構成要素B、Dに入力する筒状の連結部材を順に配した多段自動変速装置。
  2. 第1遊星歯車列20はサンギアS1とシングルピニオン遊星歯車を支持する遊星キャリアP1とリングギアR1とからなり、第2遊星歯車列30はサンギアS2とシングルピニオン遊星歯車を支持する遊星キャリアP2とリングギアR2とからなり、カウンターギア5側から順に第2遊星歯車列30と第1遊星歯車列20を配し、
    第1遊星歯車列20のサンギアS1を構成要素Aとし、第1遊星歯車列20の遊星キャリアP1と第2遊星歯車列30のリングギアR2を連結して構成要素Bとし、第1遊星歯車列20のリングギアR1と第2遊星歯車列30の遊星キャリアP2を連結して構成要素Cとし、第2遊星歯車列30のサンギアS2を構成要素Dとした請求項1に記載の多段自動変速装置。
  3. 第1遊星歯車列20はサンギアS1とシングルピニオン遊星歯車を支持する遊星キャリアP1とリングギアR1とからなり、第2遊星歯車列30はサンギアS2とシングルピニオン遊星歯車を支持する遊星キャリアP2とリングギアR2とからなり、カウンターギア5側から順に第2遊星歯車列30と第1遊星歯車列20を配し、
    第1遊星歯車列20のリングギアR1を構成要素Aとし、第1遊星歯車列20の遊星キャリアP1と第2遊星歯車列30のリングギアR2を連結して構成要素Bとし、第2遊星歯車列30の遊星キャリアP2を構成要素Cとし、第1遊星歯車列20のサンギアS1と第2遊星歯車列30のサンギアS2を連結して構成要素Dとした請求項1に記載の多段自動変速装置。
  4. 減速用遊星歯車40のサンギアS0を固定する変速機ケースの延材部を入力軸3aの外周径方向外側に筒状に配し、前記延材部の筒状内径部で入力軸3aを軸支するとともに筒状外径部でサンギアS0を固定し、クラッチC1、C2のクラッチドラムを前記延材部の筒状外径部で軸支するとともに減速用遊星歯車40の遊星キャリアP0のサイド部材と連結し、クラッチC1、C2の油圧サーボへの供給油路を前記延材部に設け、減速用遊星歯車40の外周径方向外側にカウンターギア5側から順にクラッチC1、C2の摩擦部材を配した請求項1に記載の多段自動変速装置。
  5. 前記変速機ケースの軸方向中央部にカウンターギア5を軸支する側壁を設け、カウンターギア5をクラッチC1、C2及び減速用遊星歯車40側に配し、前記側壁を挟んで第1及び第2遊星歯車列20、30をカウンターギア5に対峙させて配するとともに、
    第1及び第2遊星歯車列20、30の外周径方向外側に前記側壁側から順に、構成要素Bと構成要素Bを制動するブレーキB1の摩擦部材及びワンウェイクラッチOWCと、構成要素Aと構成要素Aを制動するブレーキB2の摩擦部材と、減速回転軸3bから構成要素Aに選択的に入力軸3aの減速回転を入力するクラッチC3の摩擦部材とを配した請求項1、2又は3に記載の多段自動変速装置。
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