JP2003082779A - 家 屋 - Google Patents

家 屋

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JP2003082779A
JP2003082779A JP2002189119A JP2002189119A JP2003082779A JP 2003082779 A JP2003082779 A JP 2003082779A JP 2002189119 A JP2002189119 A JP 2002189119A JP 2002189119 A JP2002189119 A JP 2002189119A JP 2003082779 A JP2003082779 A JP 2003082779A
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JP
Japan
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wall
charcoal
house
space
ventilation
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JP2002189119A
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English (en)
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Toshiro Sato
敏郎 佐藤
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Fujiken KK
Fujiken Co Ltd
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Fujiken KK
Fujiken Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い吸湿能力を有する木炭や竹炭に着眼し、
この木炭や竹炭が発揮する吸湿作用を、壁の内部ばかり
でなく、家屋全体に可及的に作用できるように構成した
極めて湿気に強い家屋を提供すること。 【解決手段】 壁1の内壁材5と外壁材6との間の空間
部を内壁側空間部2と外壁側空間部3の二層構造とし、
内壁側空間部2に木炭4若しくは竹炭を詰入し、前記内
壁材5に複数の連通孔7を穿設して前記内壁側空間部2
と室内とを通気可能に連通せしめ、外壁側空間部3をそ
のまま通気空間部に設定するか若しくは断熱材8を充填
して断熱空間部に構成した家屋。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家屋に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】家屋、
特に木造家屋は湿気に弱く、例えば、湿度が所定以上で
あると白アリが発生し易い等、問題となる。
【0003】従って、家屋の構造には様々な湿気対策が
施されており、例えば、壁の内部に活性炭を充填する技
術が提案されている(以下、従来例という)。
【0004】しかし、従来例は、単に壁の内部に活性炭
を充填するだけであり、該活性炭が発揮する吸湿作用が
壁の内部のみに限定され、依然、家屋全体としてみた場
合、湿気の問題が残ってしまう。
【0005】しかも、活性炭は吸湿能力が低く、この点
においても前記従来例では湿気対策が不十分であると言
わざるを得ない。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑みて達成された
もので、高い吸湿能力を有する天然の炭材(木炭及び竹
炭)に着眼し、この木炭や竹炭が発揮する吸湿作用を、
壁の内部ばかりでなく、家屋全体に可及的に作用できる
ように構成した極めて湿気に強い家屋を提供するもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発
明の要旨を説明する。
【0008】壁1の内壁材5と外壁材6との間の空間部
の内、内壁側空間部2に木炭4若しくは竹炭を詰入し、
前記内壁材5に複数の連通孔7を穿設して前記内壁側空
間部2と室内とを通気可能に連通せしめ、外壁側空間部
3をそのまま通気空間部に設定するか若しくは断熱材8
を充填して断熱空間部に構成して、木炭4若しくは竹炭
が詰入された内壁側空間部2と通気空間部若しくは断熱
空間部に構成された外壁側空間部3との二層構造とした
ことを特徴とする家屋に係るものである。
【0009】また、壁1の内壁材5と外壁材6との間の
空間部を内壁側空間部2と外壁側空間部3の二層構造と
し、内壁側空間部2に木炭4若しくは竹炭を詰入し、前
記内壁材5に複数の連通孔7を穿設して前記内壁側空間
部2と室内とを通気可能に連通せしめ、外壁側空間部3
をそのまま通気空間部に設定するか若しくは断熱材8を
充填して断熱空間部に構成したことを特徴とする家屋に
係るものである。
【0010】また、前記木炭4を和紙や木綿布等の天然
素材製通気材9で被覆したことを特徴とする請求項1,
2いずれか1項に記載の家屋に係るものである。
【0011】また、前記連通孔7の両端開口縁7aを外
側に向かって徐々に径大となる傾斜縁に設定したことを
特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の家屋に
係るものである。
【0012】また、前記木炭4と前記内壁材5との間に
虫侵入防止材10を配設したことを特徴とする請求項1〜
4のいずれか1項に記載の家屋に係るものである。
【0013】また、上下左右を囲繞する周壁部40・41・
42・43と、表壁部44と、裏壁部45とによって囲繞された
空間部を収納部46に設定し、周壁部の左周壁部42若しく
は右周壁部43に側部通気穴47を穿設し、表壁部44を外壁
材6により構成し、この裏壁部43に通気穴48を設けて収
納ユニット13を形成し、この収納ユニット13を家屋12の
壁1に穿設した嵌合孔に嵌合係止すると共に前記収納部
46に木炭4若しくは竹炭を収納したことを特徴とする家
屋に係るものである。
【0014】また、前記裏壁部45を格子状の内壁材50に
より形成し、この内壁材50の格子目を前記通気穴48に設
定したことを特徴とする請求項6記載の家屋に係るもの
である。
【0015】また、前記表壁部44の端部を前記周壁部40
・41・42・43の上下左右いずれか一方の端部から突出す
るように構成し、この突出する表壁部44の端部を前記家
屋12の外壁14の外面に係止する係止部51に設定したこと
を特徴とする請求項6,7のいずれか1項に記載の家屋
に係るものである。
【0016】また、前記周壁部40・41・42・43,前記表
壁部44若しくは前記裏壁部45の前記収納部側内面に虫侵
入防止材10を配設したことを特徴とする請求項6〜8の
いずれか1項に記載の家屋に係るものである。
【0017】
【発明の実施の形態】木炭4や竹炭は、活性炭等の他の
炭素物に比して非常に多孔質であり、この孔が吸湿作用
を発揮するから、非常に高い吸湿作用を発揮する。
【0018】また、木炭4や竹炭は、木材や竹材を炭化
して形成した天然素材であるから、化学的な処理が施さ
れた活性炭等とは異なり、有害なハウスダストの発生物
質ともならない等、安全性にも秀れている。
【0019】この木炭4や竹炭は壁1の内壁側空間部2
に詰入されているから、壁1の内部の湿気を吸収する。
更に、壁1の内壁材5に設けられた複数の連通孔7によ
って前記内壁側空間部2と室内とが通気可能であるか
ら、前記木炭4や竹炭による吸湿作用は室内全体、ひい
ては家屋内全体にも作用し、家屋全体の湿気を吸湿す
る。
【0020】また、木炭4や竹炭は内壁側空間部2にだ
け詰入されているから、この内壁側空間部2に隣接する
外壁側空間部3は、既存の家屋と同様に単なる通気空間
部としたり、断熱材8を充填した断熱空間部としたりす
ることができる。
【0021】また、木炭4や竹炭の吸湿作用は、湿度の
上昇によって木炭4や竹炭の孔に水分が吸着したり、湿
度の下降によって前記孔に吸着した水分が放出されたり
することによって行われる為、一度、内壁側空間部2に
詰入すれば、家屋に湿気問題が発生しない程度に半永久
的に吸湿作用を発揮する。
【0022】また、請求項6記載の発明によれば、壁1
の嵌合孔に収納ユニット13を嵌合係止すると、収納ユニ
ット13の右周壁部42若しくは左周壁部43に側部通気穴47
が穿設されていることにより、収納ユニット13の収納部
46に収納された木炭4若しくは竹炭が壁1の内部の湿気
を良好に吸収する。更に、収納ユニット13の裏壁部45に
設けられた通気穴48によって前記収納部46と室内とが通
気可能であるから、前記木炭4や竹炭による吸湿作用は
室内全体、ひいては家屋内全体にも作用し、家屋全体の
湿気を吸湿する。
【0023】また、壁1における収納ユニット13の周囲
は、既存の家屋と同様に単なる通気空間部としたり、断
熱材8を充填した断熱空間部としたりすることができ
る。
【0024】
【実施例】図1〜4は本発明の第一実施例、図5〜7は
第二実施例を図示したものであり、以下に説明する。
【0025】第一実施例は、壁1,天井20及び床30に夫
々木炭4若しくは竹炭が配設された家屋である。
【0026】使用される木炭4は、木材を焼いて炭化し
たものをそのまま使用したり、前記炭化した木材を粉砕
したものを使用したりすると良い。また、竹炭は、竹材
を焼いて炭化したものをそのまま使用したり、前記炭化
した竹材を粉砕したものを使用したりすると良い。
【0027】木炭4(若しくは竹炭)は、下記の特性を
発揮する。 a.活性炭等に比して表面が多孔質である為、この多く
の孔に水分が吸着し易く、高い吸湿作用を発揮する。 b.孔に吸着された水分は、天候の変化(雨天から晴天
への変化等)によって湿度(相対湿度)が下降すると、
前記孔から放出される為、半永久的に吸湿作用を発揮す
る。 c.前記孔は、塗料に含まれている揮発剤等の化学物
質,ハウスダスト,カビ,花粉等も吸着できる為、高い
空気清浄作用を発揮する。 d.木炭4や竹炭は、木材や竹材を炭化して形成した天
然素材であるから、化学的な処理が施された活性炭等と
は異なり、有害なハウスダストの発生物質ともならな
い。
【0028】また、この木炭4や竹炭は、和紙や木綿布
等の天然素材製通気材9で被覆して使用すると良い。
尚、炭化した木材等を粉砕したものを使用する場合に
は、前記天然素材製通気材9を袋状とし、この袋状の天
然素材製通気材9に木炭4等を詰入して使用すると良
い。
【0029】また、天然素材製通気材9も、ビニールメ
ッシュ等の合成素材製通気材と異なり、有害なハウスダ
ストの発生物質ともならない。
【0030】この木炭4や竹炭を壁1に配設する構造に
ついて説明する。尚、便宜上、木炭4の場合のみを説明
するが、竹炭でも同様である。
【0031】壁1は、所定間隔を置いて立設された複数
の柱11と、この柱11の室内側に張設された内壁材5と、
室外側に張設された外壁材6とで構成されており、この
柱11と壁1の内壁材5と外壁材6との間が空間部となっ
ている。
【0032】第一実施例は、この空間部を内壁側空間部
2と外壁側空間部3の二層構造とし、内壁側空間部2に
木炭4を詰入している。
【0033】内壁側空間部2と外壁側空間部3との仕切
りは、筋交いや網材等、どのようなものでも良い。
【0034】内壁側空間部2は通気性を有するように構
成している。
【0035】内壁材5には複数の連通孔7を穿設してお
り、この複数の連通孔7によって前記内壁側空間部2と
室内とを通気可能に連通せしめることで、室内の空気が
前記内壁側空間部2に導入,通過して再び室内へ導出さ
れるように構成している。従って、室内の空気は、連通
孔7を経由して内壁側空間部2に導入された後、この内
壁側空間部2に詰入された木炭4と接触し、この際、空
気に含まれる湿気や有害物質等が木炭4の孔に吸着し、
その後、再び室内に導出されることになり、よって、室
内の湿度が低下されたり、室内の空気が清浄化されたり
することになる。
【0036】また、室内の空気は、上下対流しているこ
とが多く、壁1の付近では空気は下から上、若しくは、
上から下へ移動している。従って、第一実施例では、前
記複数の連通孔7は上下の位置関係となるように配設
し、前記上下移動する空気が、例えば、下方の連通孔7
から内壁側空間部2に導入され、上方の連通孔7から室
内へ導出されるように構成している。尚、図面は、連通
孔7を上下多段に配設することで室内の空気と内壁側空
間部2の空気とをより一層良好に換気し得る構成を図示
している。
【0037】また、連通孔7の両端開口縁7aは、外側
に向かって徐々に径大となる傾斜縁に設定している。こ
れは、連通孔7の通気性を可及的に向上せしめる為であ
る。即ち、連通孔7から木炭4が見えると体裁が悪化す
る為、連通孔7は可及的に径小としなければならない。
しかし、連通孔7が径小であると、当然ながら、通気性
が悪化してしまう。第一実施例の前記両端開口縁7aの
形状は、この相反する作用を達成するもので、例えば、
壁1(内壁材5)に沿って上昇してくる空気が、連通孔
7の開口縁7aに到達した際、この開口縁7aの傾斜に
沿って移動し、そのまま連通孔7に導入することにな
り、結局、開口縁7aが傾斜している分、連通孔7が発
揮する通気性は良好となる。
【0038】また、この開口縁7aの傾斜角度は、連通
孔7の径が直径10乃至12mmの円形の場合、連通孔
7の軸心に対して40乃至50°程度が良い。
【0039】尚、連通孔7の断面形状は、円形でなくて
も良い。
【0040】また、前記内壁側空間部2にして木炭4と
内壁材5との間には、内壁側空間部2から室内に虫が侵
入しないように、網材等の虫侵入防止材10を配設してい
る。尚、この虫侵入防止材10も天然素材製のものを採用
すると良い。
【0041】また、外壁側空間部3は、例えば、寒冷地
では一般的な寒冷地用家屋と同様に断熱材8を充填して
断熱空間部とし、温暖地では一般的な温暖地用家屋と同
様になにも充填せずに通気空間部とする。
【0042】次に、木炭4を天井20に配設する構造につ
いて説明する。
【0043】天井20の内部の空間部は、壁1とは異な
り、隣接するフロアの天井の空間部とも連通しているこ
とが多い為、空気の流れが制限されにくく、例えば、家
屋外の空気も導入される為、前記壁1に木炭4を配設す
る構造と同様な構造、即ち、天井20の空間部に木炭4を
配設する構造は好適ではない。
【0044】従って、第一実施例では、天井20に室内側
へ突出する構造の木炭収納部21を設け、この木炭収納部
21に木炭4を詰入する構造を採用している。
【0045】この木炭収納部21は、周壁22と底壁23と上
壁24とから構成し、この周壁22,底壁23及び上壁24に囲
まれた空間部を木炭詰入部25に設定している。
【0046】周壁22と底壁23には夫々連通孔26を複数穿
設し、この連通孔26により前記木炭詰入部25と室内とを
通気可能に連通せしめている。
【0047】また、木炭収納部21は、天井20に設けられ
る野縁27に前記周壁22を固定することで、天井20に固定
している。
【0048】この木炭収納部21によれば、前記室内で対
流する空気は、例えば、一方の周壁22の連通孔26を経由
して木炭詰入部25に導入された後、対向する周壁22の連
通孔26から導出されたり、また、周壁22の連通孔26を経
由して木炭詰入部25に導入された後、底壁23の連通孔26
から導出されたりすることになり、木炭詰入部25を通過
することで木炭4に接触し、壁1の場合と同様、湿気を
除去されたり、有害物質が除去されたりすることにな
る。
【0049】尚、上壁24にも連通孔を穿設し、天井20の
内部の空間部も湿気を除去したりできるように構成して
も良い。
【0050】図中、符号28は、天井板である。
【0051】次に、木炭4を床30に配設する構造につい
て説明する。
【0052】床30の下部の空間部は、特に一階の床の下
部の空間部は、通気性を確保する為、そのまま家屋外と
連通されていることが多い。従って、天井20の場合と同
様、単に床30の下部の空間部に木炭4を配設する構造は
好適ではない。
【0053】従って、第一実施例では、床30の下部で床
板31を支持している根太32を利用し、この隣接する二本
の根太32の下面に該二本の根太32間を閉塞する平板33を
張設することで前記床板31と二本の根太32と平板33とで
形成される空間部を閉塞し、この空間部を木炭詰入部34
とする構造を採用している。
【0054】床板31が杉材のような通気性に富む素材が
採用されている場合は、壁1や天井20の場合にような通
気孔を設けずとも、前記木炭詰入部34と室内とが通気可
能となるが、通気性の低い一般的な木材等が床板31とし
て採用されている場合には、この床板31に室内側と連通
する連通孔を複数穿設すると良い。
【0055】図中、符号35は、床板31上に敷設される畳
等のフロア材である。
【0056】第一実施例は上述のように構成したから、
下記の作用効果が発揮される。
【0057】壁1の内壁側空間部2に詰入されている木
炭4の作用が、壁1の内部はもとより、内壁材5に設け
られた連通孔7により室内にも作用し、湿気や有害物質
が除去される。
【0058】また、連通孔7の両端開口縁7aは傾斜縁
に設定されているから、連通孔7の通気能力が高く、前
記木炭4の作用がより一層良好に発揮される。
【0059】また、連通孔7は複数穿設され、この複数
の連通孔7は上下の位置関係となるように配設されてい
るから、室内の空気対流を有効利用して内壁側空間部2
に室内の空気を導出入することができ、この点において
も木炭4の作用がより一層良好に発揮される。
【0060】また、外壁側空間部3を断熱空間部とした
り通気空間部としたりすることができるから、一般的な
家屋と同様、断熱性に秀れた家屋としたり、通気性に秀
れた家屋としたりすることができる。
【0061】また、内壁側空間部2に詰入された木炭4
も断熱性を発揮し、更に、内壁側空間部は通気性を有す
るから、前記家屋に要求される断熱性や通気性はより一
層良好となる。
【0062】尚、内壁側空間部2に詰入された木炭4は
吸音作用も発揮する為、防音性に秀れた家屋ともなる。
【0063】また、この壁1への木炭4の配設は、一般
的な家屋の壁1の構造を利用して行っている為、施工コ
ストは非常に安価で、しかも家屋を新築する際にした施
工できないものではなく、既存の家屋でも簡単に施工す
ることができ、この点においても実用性に秀れることに
なる。
【0064】また、天井20では、前述のように通気状態
を加味して天井20から室内側に突出する木炭収納部21に
木炭4を配設する構造を採用したから、この天井20でも
木炭の作用が良好に発揮されることになる。
【0065】また、木炭収納部21は、一般的な家屋の天
井の構造に用いられる野縁27を利用して天井20に取り付
けることができ、これも、施工コストが非常に安価とな
り、しかも家屋を新築する際にした施工できないもので
はなく、既存の家屋でも簡単に施工することができ、こ
の点においても実用性に秀れることになる。
【0066】また、床30では、一般的な家屋の床の構造
に用いられる根太32を利用して木炭詰入部34を形成し、
この木炭詰入部34に木炭4を配設する構造を採用したか
ら、これも、施工コストが非常に安価となり、しかも家
屋を新築する際にした施工できないものではなく、既存
の家屋でも簡単に施工することができ、この点において
も実用性に秀れることになる。
【0067】以上、第一実施例は、単に壁1等に木炭4
を配設する構造ではなく、この木炭4が配設されている
部位に室内の空気が良好に導出入できるように構成され
ており、木炭4が活性炭等に比して極めて高い吸湿作用
を発揮するから、家屋全体が極めて湿気に強くなり、し
かも、この木炭4の配設は非常に安価に行える為、実用
性にも秀れることになる。
【0068】第二実施例は、上下左右を囲繞する周壁部
40・41・42・43と、表壁部44と、裏壁部45とによって囲
繞された空間部を収納部46に設定し、周壁部の左周壁部
42若しくは右周壁部43に側部通気穴47を穿設し、表壁部
44を外壁材6により構成し、この裏壁部43に通気穴48を
設けて収納ユニット13を形成し、この収納ユニット13を
用いて家屋12の壁1に吸湿作用や有害物質除去作用を付
与するものである。
【0069】収納部46には、木炭4若しくは竹炭を収納
する。
【0070】この収納ユニット13は、家屋12の壁1に貫
通状態で嵌合孔を穿設し、この嵌合孔に外壁14側から収
納ユニット13を導入して嵌合係止することで壁1に配設
する。
【0071】嵌合孔は、収納ユニット13の上下左右の周
壁部40・41・42・43の外縁と合致するように形成する。
【0072】また、嵌合孔の位置は、例えば、収納ユニ
ット13の下周壁部41が土台(図示省略)上に位置するな
ど、収納ユニット13が家屋の軸組材に載置された状態と
なる位置に穿設すると良い。
【0073】また、収納ユニット13は、壁1の嵌合孔に
嵌合係止した際、表壁部44が家屋12の外壁14と略面一と
なり、裏壁部45が室内の内壁と略面一となるように構成
する。
【0074】前記側部通気穴47は、左周壁部42及び右周
壁部43に夫々複数個づつ穿設している。この側部通気穴
47は、壁1の内部と収納ユニット13の収納部46とを通気
状態で連通する。また、この左周壁部42及び右周壁部43
の複数の側部通気穴47は、壁1の内部の空気対流を考慮
して夫々上下の位置関係となるように配設している。
【0075】この側部通気穴47により、収納ユニット13
は壁1の内部の余分な湿気を吸収する作用を発揮する。
【0076】収納ユニット13の表壁部44の端部は、前記
上周壁部40,下周壁部41,左周壁部42及び右周壁部43の
端部から鍔状に夫々突出するように構成している。この
突出する表壁部44の端部は、収納ユニット13を嵌合孔に
嵌合した際に壁1の外壁に14に係止する係止部51とな
る。
【0077】この係止部51には、所定間隔を置いてビス
止め孔52を穿設している。このビス止め孔52は、収納ユ
ニット13の表壁部44を家屋12の外壁14に連結する為や、
収納ユニット13の例えば上下左右に別の収納ユニット13
を配設する際に収納ユニット13同志を連結する為に使用
する。
【0078】裏壁部45は、格子状(図面はオサランマ格
子状)の内壁材50により形成しており、この内壁材50の
格子目を前記通気穴48に設定している。
【0079】この通気穴48により、収納ユニット13は室
内の余分な湿気を吸収する作用や室内の有害物質を吸収
する作用等を発揮する。
【0080】また、内壁材50が格子状で裏壁部45の略全
面が通気性を発揮するから、通気面積が広く、前記湿気
や有害物質の吸収は良好に行われる。また、室内の上下
方向の空気対流により、例えば、裏壁部45の下方の通気
穴48から室内の空気が収納部46に導入され、その後、裏
壁部45の上方の通気穴48から室内に導出されることにな
り、室内の空気からの湿気の除去及び有害物質の除去は
良好に行われる。また、室内側のデザイン性も良好とな
る。
【0081】また、上下左右の周壁部40・41・42・43の
室内側端縁は、室内に露出する為、体裁を考慮して化粧
仕上げとする。
【0082】上下左右の周壁部40・41・42・43,表壁部
44及び裏壁部45の前記収納部側内面には、第一実施例と
同様の虫侵入防止材10を添設状態で配設する。尚、裏壁
部45の収納部側内面は、室内側から見える為、体裁を考
慮して網材等は採用せず、和紙を採用すると良い。
【0083】第二実施例は上述のように構成したから、
家屋12の壁1に嵌合孔を形成し、この嵌合孔に収納ユニ
ット13を嵌合係止し、この収納ユニット13の収納部46に
木炭4や竹炭を収納するだけで、家屋12の壁1に湿気吸
収作用や有害物質吸収作用等を付与できる実用性に秀れ
た技術となる。
【0084】また、左周壁部42及び右周壁部43に側部通
気穴47を設けたから、湿気が溜まり易い家屋12の壁1の
内部を効果的に除湿することができ、この点においても
実用性に秀れる。
【0085】また、収納ユニット13の裏壁部44に設けた
通気穴48により、収納部46と室内とが良好に通気状態で
連通することになり、室内の湿気の吸収や有害物質の吸
収を良好に達成することができる。
【0086】また、屋外側から収納ユニット13を嵌合孔
に導入する構成であるから、この収納ユニット13の配設
は非常に簡易に行うことができる。
【0087】また、その余は第一実施例と同様である。
【0088】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したから、木
炭や竹炭の高い吸湿作用と、この木炭や竹炭が詰入され
た内壁側空間部への空気の導出入を良好に行う為の複数
の連通孔とにより、家屋全体の湿気や有害物質が極めて
良好に除去される実用性に秀れた家屋となる。
【0089】また、木炭や竹炭は内壁側空間部にだけ詰
入されており、外壁側空間部は一般的な家屋と同様に断
熱空間部や通気空間部とすることができるから、家屋に
要求されている断熱性や通気性も確保することができ
る。
【0090】また、請求項3記載の発明においては、木
炭や竹炭を被覆する天然素材製通気材により、木炭や竹
炭から発生する粉塵等が飛散したりせず、木炭の配設に
よって逆に室内が汚染されたりすることを確実に防止す
ることができる。
【0091】しかも、天然素材製通気材は天然の素材で
あるから、この天然素材製通気材から有害物質が発生し
たりせず、この点においても室内の汚染を確実に防止す
ることができる。
【0092】また、請求項4記載の発明においては、連
通孔の両端開口縁が外側に向かって徐々に径大となる傾
斜縁に設定されているから、連通孔は径の割に高い通気
性を発揮し、この高い通気性によって前記木炭の作用を
より一層良好に発揮させることができる。
【0093】また、請求項5記載の発明においては、虫
侵入防止材の存在によって前記連通孔から室内に虫が侵
入することも防止され、通気性を良好としつつ、それだ
け住み易い家屋となる。
【0094】また、請求項6記載の発明においては、収
納ユニットを壁の嵌合孔に嵌合係止するだけで、壁に木
炭や竹炭による湿気や有害物質を除去する機能を付与す
ることができ、これにより高機能の家屋を提供すること
ができる。
【0095】また、木炭や竹炭は収納ユニットの収納部
に収納されるから、壁の内部に確実に保持されることに
なり、湿気や有害物質を除去する作用は確実に発揮され
ることになる。
【0096】また、収納ユニットには、壁の内部の湿気
等を除去する為の側部通気穴と、室内の湿気等を除去す
る為の通気穴とが設けられているから、湿気の影響を受
け易い壁の内部と室内とを確実に除湿等することができ
る。
【0097】また、請求項7記載の発明においては、室
内側に露出する裏壁部が格子状で格子目が通気穴となる
から、室内と通気する通気面積が非常に広く、室内の湿
気の除去等を極めて良好に達成することができる。
【0098】また、請求項8記載の発明においては、突
出する表壁部の端部が家屋の外壁に係止することがで
き、よって、収納ユニットを壁に確実に係止して保持す
ることができる。また、この突出する表壁部の端部と家
屋の外壁とが重合する為、嵌合孔から雨水等が壁の内部
に侵入することが防止される。
【0099】また、請求項9記載の発明においては、虫
侵入防止材の存在によって嵌合孔や収納ユニットから室
内に虫が侵入することが防止され、通気性を良好としつ
つ、それだけ住み易い家屋となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例の室内の説明斜視図である。
【図2】第一実施例の壁1の説明側断面図である。
【図3】第一実施例の天井20の説明側断面図である。
【図4】第一実施例の床30の説明側断面図である。
【図5】第二実施例の収納ユニット13の説明斜視図であ
る。
【図6】第二実施例の家屋12の説明斜視図である。
【図7】第二実施例の壁1の説明断面図である。
【符号の説明】
1 壁 2 内壁側空間部 3 外壁側空間部 4 木炭 5 内壁材 6 外壁材 7 連通孔 7a 開口部 8 断熱材 9 天然素材製通気材 10 虫侵入防止材 12 家屋 13 収納ユニット 14 外壁 40 周壁部 41 周壁部 42 周壁部(左周壁部) 43 周壁部(右周壁部) 44 表壁部 45 裏壁部 46 収納部 47 側部通気穴 48 通気穴 50 内壁材 51 係止部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 壁の内壁材と外壁材との間の空間部の
    内、内壁側空間部に木炭若しくは竹炭を詰入し、前記内
    壁材に複数の連通孔を穿設して前記内壁側空間部と室内
    とを通気可能に連通せしめ、外壁側空間部をそのまま通
    気空間部に設定するか若しくは断熱材を充填して断熱空
    間部に構成して、木炭若しくは竹炭が詰入された内壁側
    空間部と通気空間部若しくは断熱空間部に構成された外
    壁側空間部との二層構造としたことを特徴とする家屋。
  2. 【請求項2】 壁の内壁材と外壁材との間の空間部を内
    壁側空間部と外壁側空間部の二層構造とし、内壁側空間
    部に木炭若しくは竹炭を詰入し、前記内壁材に複数の連
    通孔を穿設して前記内壁側空間部と室内とを通気可能に
    連通せしめ、外壁側空間部をそのまま通気空間部に設定
    するか若しくは断熱材を充填して断熱空間部に構成した
    ことを特徴とする家屋。
  3. 【請求項3】 前記木炭を和紙や木綿布等の天然素材製
    通気材で被覆したことを特徴とする請求項1,2いずれ
    か1項に記載の家屋。
  4. 【請求項4】 前記連通孔の両端開口縁を外側に向かっ
    て徐々に径大となる傾斜縁に設定したことを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の家屋。
  5. 【請求項5】 前記木炭と前記内壁材との間に虫侵入防
    止材を配設したことを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の家屋。
  6. 【請求項6】 上下左右を囲繞する周壁部と、表壁部
    と、裏壁部とによって囲繞された空間部を収納部に設定
    し、周壁部の左周壁部若しくは右周壁部に側部通気穴を
    穿設し、表壁部を外壁材により構成し、この裏壁部に通
    気穴を設けて収納ユニットを形成し、この収納ユニット
    を家屋の壁に穿設した嵌合孔に嵌合係止すると共に前記
    収納部に木炭若しくは竹炭を収納したことを特徴とする
    家屋。
  7. 【請求項7】 前記裏壁部を格子状の内壁材により形成
    し、この内壁材の格子目を前記通気穴に設定したことを
    特徴とする請求項6記載の家屋。
  8. 【請求項8】 前記表壁部の端部を前記周壁部の上下左
    右いずれか一方の端部から突出するように構成し、この
    突出する表壁部の端部を前記家屋の外壁の外面に係止す
    る係止部に設定したことを特徴とする請求項6,7のい
    ずれか1項に記載の家屋。
  9. 【請求項9】 前記周壁部,前記表壁部若しくは前記裏
    壁部の前記収納部側内面に虫侵入防止材を配設したこと
    を特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の家
    屋。
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