JP2003082617A - 橋梁構造物の補強構造及び橋梁構造物の補修方法 - Google Patents

橋梁構造物の補強構造及び橋梁構造物の補修方法

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JP2003082617A
JP2003082617A JP2001277452A JP2001277452A JP2003082617A JP 2003082617 A JP2003082617 A JP 2003082617A JP 2001277452 A JP2001277452 A JP 2001277452A JP 2001277452 A JP2001277452 A JP 2001277452A JP 2003082617 A JP2003082617 A JP 2003082617A
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main girder
reinforcing
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floor slab
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Atsushi Okada
淳 岡田
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で、供用時において主桁の曲げ剛
性やねじり剛性などを向上することができ、床版の補修
工事の際においても主桁の曲げ剛性やねじり剛性を確保
することのできる橋梁構造物の補強構造及び橋梁構造物
の補修方法を提供すること。 【解決手段】 橋軸直角方向に設置されたI形断面等の
少なくとも一対の主桁1a,1bのウェブの橋軸方向
に、橋軸直角方向に対向して橋軸方向補剛材3a,3b
を設けた。また、上記の対向して設けられた橋軸方向補
剛材3a,3bに、補強部材5を着脱可能に取付けた。
さらに、橋軸直角方向に設置された少なくとも一対の主
桁1のウェブの橋軸直角方向に対向して設けた橋軸方向
補剛材に補強部材5を取付けたのち、主桁1上の床版2
の全部又は一部を撤去して主桁1上の全部又は一部に新
らしい床版2を施工し、必要に応じて補強部材5を取外
して橋梁構造物を補修した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、橋梁構造物の補強
構造及び橋梁構造物の補修方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】交通量の増加や大型車輌の橋梁通過重量
の規制緩和などによって、床版の劣化や損傷が発生して
おり、床版の補修あるいは取替え(以下、両者を併せて
補修という)工事が行われている。既設橋梁において
は、通常、床版と主桁は合成断面に近い挙動を示してお
り、大きな曲げ剛性及びねじり剛性を有しているが、床
版の撤去時には桁断面単独の状態になるため橋梁の剛性
が著しく低下し、構造的にも不安定なものとなるおそれ
がある。この対策として、主桁の補強が必要となる。ま
た、橋梁の供用中においても、床版又は主桁の劣化や部
分的な損傷に対してなんらかの補強手段が必要になるこ
とがあり、あるいは断面剛性の付加を必要とすることが
ある。
【0003】従来の主桁の補強構造の一例として、支保
工による補強方法及びケーブルによる補強方法がある。
支保工による補強方法は、図5に示すように、主桁1を
支保工10によって下から支持することにより、応力を
分担し、主桁1の負担を軽減するようにしたものである
(従来技術1)。また、ケーブルによる補強方法は、図
6に示すように、主桁1のウェブ部などに一対のケーブ
ル定着部11を設け、PCケーブル12などを定着部1
1に固定して張力を導入することにより、主桁1に作用
する好ましくない応力を軽減するようにしたものである
(従来技術2)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来技術1は、その適
用が支保工10を設置できる場所に限られ、現場の条件
が満たされなければ実施することができない。また、実
施が可能な場合であっても、支保工10により下から主
桁1を支持することになるので、大掛りな設備が必要に
なり、工費の増嵩は避けられない。
【0005】従来技術2は、床版の補修工事の際に、主
桁1が桁断面単独の状態になるため、PCケーブル12
などによる張力の導入により主桁1が橋軸直角方向へ傾
いたり、横倒れ座屈を起こすおそれがある。また、PC
ケーブル12などによる張力は、主桁断面に均一に作用
するわけではないので、局所的なオーバープレストレス
やアンダープレストレスなどを生じるおそれがある。
【0006】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたもので、簡単な構造で、供用時において主桁及び
橋梁全体の曲げ剛性やねじり剛性などを向上することが
でき、床版の補修工事の際においても主桁の曲げ剛性や
ねじり剛性を確保することのできる橋梁構造物の補強構
造及び橋梁構造物の補修方法を提供することを目的とし
たものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る橋梁構造物
の補強構造は、橋軸直角方向に設置されたI形断面等の
少なくとも一対の主桁のウェブの橋軸方向に、橋軸直角
方向に対向して橋軸方向補剛材を設けたものである。
【0008】また、上記の対向して設けられた橋軸方向
補剛材に、補強部材を着脱可能に取付けたものである。
【0009】本発明に係る橋梁構造物の補修方法は、橋
軸直角方向に設置された少なくとも一対の主桁のウェブ
の橋軸直角方向に対向して設けた橋軸方向補剛材に補強
部材を取付けたのち、前記主桁上の床版の全部又は一部
を撤去して該主桁上の全部又は一部に新らしい床版を施
工し、必要に応じて前記補強部材を取外すようにしたも
のである。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施の形態に係
る橋梁構造物の供用時の状態を模式的に示した斜視図、
図2は図1の主桁に補強部材を取付けた状態を示す斜視
図である。両図において、1a,1bはI形断面、H形
断面等の鋼材からなり、橋軸直角方向に所定の間隔で対
向配置された一対の主桁(以下の説明では、主桁1a,
1bを単に1と記すことがある)、2は主桁1上に設け
られた床版である。
【0011】3a,3bは主桁1a,1bのウェブの対
向面に、ウェブと直交(橋軸直角方向)し、その長手方
向(橋軸方向)に沿って対向して溶接により接合された
上部及び下部各一対の橋軸方向補剛材兼補強部材設置用
ベース(以下、橋軸方向補剛材という)で、長手方向に
は所定の間隔でボルト挿通穴4が設けられている(以下
の説明では、上部及び下部の橋軸方向補剛材3a,3b
を単に3と記すことがある)。この橋軸方向補剛材3
は、あらかじめ主桁1に設けておいてもよく、あるいは
既設の橋梁構造物の主桁にあとから設けることもでき
る。
【0012】5は対向する橋軸方向補剛材3間に取付け
られる補強部材で、鋼板、FRP板、CFRP板等から
なり、その長さは対向する主桁1a,1bのウェブの内
のり間隔より若干短かく、適宜幅に形成されたもので、
両端部近傍には、橋軸方向補剛材3に設けたボルト挿通
穴4に対応してボルト挿通穴6が設けられている。この
補強部材5の板厚や剛性などは、橋梁の構造系や補強程
度などに応じて適宜設定される。
【0013】次に、上記のように構成した橋梁構造物に
おける床版2の補修工事の手順の一例について説明す
る。先ず、図2に示すように、補強部材5を対向する橋
軸方向補剛材3にボルトにより固定し、主桁1と補強部
材5により箱形断面を構成する。
【0014】補強部材5の橋軸方向補剛材3への取付け
にあたっては、状況により、図2に示すように、橋軸方
向補剛材3の上に補強部材5を載置し、ボルト挿通穴
4,6にボルトを挿通して固定してもよく、あるいは補
強部材5を橋軸方向補剛材3の下面に配設してボルトに
より固定してもよい。
【0015】補強部材5を上部の橋軸方向補剛材3aの
上に取付ける場合は、図3に示すように、複数の橋軸方
向補剛材3aを橋軸方向にすき間7を隔てて断続的に主
桁1のウェブに溶接により接合し、このすき間7から橋
軸方向補剛材3aの上に補剛部材5を挿入し、所定の位
置に敷設すればよい。この場合、下部の橋軸方向補剛部
材3bは、図3に示すように、上部の橋軸方向補剛材3
aと同様に断続的に設けてもよく、あるいは、図1の場
合のように連続的に設けてもよい。なお、床版2を部分
的に補修する場合は、これに対応した位置に部分的に補
強部材5を取付けてもよい。
【0016】ついで、床板2を撤去する。床版2の撤去
により床版2が分担していた曲げ、剛性、ねじり剛性な
どが失われるが、本発明においては、主桁1と補強部材
5により箱形断面が構成されているため、簡便な手段
で、かつ主桁1を損傷することなく、所定の曲げ剛性、
ねじり剛性を所定値に確保することができる。これによ
り、床版2の補修の際における主桁1の横倒れ座屈や曲
げ座屈の発生を防止することができ、たわみの変化、中
立軸の変化などを調整することができる。
【0017】最後に新らしい床版を施工し、補強部材5
を取外して箱形断面の補強を解除する。この場合、補強
部材5を取外しても、主桁1上には床版2が設けられて
いるので、所定の曲げ剛性やねじり剛性を確保すること
ができる。また、必要に応じて補強部材5を取外すこと
なくそのまま残置してもよく、これにより橋梁の曲げ剛
性、ねじり剛性をさらに高めることができる。
【0018】上記の説明では、対向する主桁1のウェブ
の上下に各一対の橋軸方向補剛材3を設けた場合を示し
たが、状況によっては、対向する主桁1のウェブに一対
の橋軸方向補剛材3を設け、この橋軸方向補剛材3に補
強部材5を着脱可能に取付けるようにしてもよい。ま
た、橋軸直角方向に対向配置した一対の主桁1を設けた
場合を示したが、図4に示すように、橋軸直角方向に二
対又はそれ以上の主桁1を設けた場合にも、一対の主桁
1ごとにそれぞれ本発明を実施することができる。
【0019】さらに、上記の説明では、床版2の補修工
事の際に、主桁1に設けた橋軸方向補剛材3に補強部材
5を取付けて補強する場合について説明したが、主桁1
が劣化したり損傷した場合などにも、上記と同様に橋軸
方向補剛材3に補強部材5を取付けて箱形断面を構成
し、補強してもよい。
【0020】上記のように構成した本発明においては、
対向配置された少なくとも一対の主桁1のウェブに、こ
れと直交して橋軸方向に橋軸方向補剛材3を設けたの
で、主桁1及び橋梁全体の曲げ剛性やねじり剛性を高め
ることができる。また、床版2の補修の際には、橋軸方
向補剛材3に補強部材5を取付けて、主桁1と補強部材
5により箱形断面を構成するようにしたので、簡単な構
造で曲げ剛性、ねじり剛性を所定値に確保することがで
きる。これにより、床版2の補修工事の際における主桁
1の横倒れ座屈や曲げ座屈を防止することができ、たわ
みの変化、中立軸の変化などを調整することができる。
【0021】さらに、本発明によれば、橋軸方向補剛材
3や補強部材5などの補強部材が橋梁の外観を損うこと
がないので、供用時においても、橋軸方向補剛材3に補
強部材5を取付けて箱形断面を構成しておくことによ
り、主桁1の劣化や損傷に対する補強手段、あるいは必
要に応じて断面剛性の付加手段として実施することがで
きる。また、本発明は、既設の橋梁構造物にも実施する
ことができる。
【0022】
【発明の効果】請求項1に係る橋梁構造物の補強構造
は、橋梁に、橋軸直角方向に設置されたI形断面等の少
なくとも一対の主桁のウェブの橋軸方向に、橋軸直角方
向に対向して橋軸方向補剛材を設けたので、主桁及び橋
梁全体の曲げ剛性やねじり剛性を高めることができる。
【0023】請求項2に係る橋梁構造物の補強構造は、
請求項1の対向して設けられた橋軸方向補剛材に、補強
部材を着脱可能に取付けて、主桁と補強部材により箱形
断面を構成して曲げ剛性、ねじり剛性を所定値に確保す
るようにしたので、床版の補修工事の際に、主桁の横倒
れ座屈や曲げ座屈を防止することができる。また、供用
中においても、主桁の劣化や損傷に対する補強手段、あ
るいは断面剛性の付加手段として実施することができ
る。
【0024】請求項3に係る橋梁構造物の補修方法は、
橋軸直角方向に設置された少なくとも一対の主桁のウェ
ブの橋軸直角方向に対向して設けた橋軸方向補剛材に補
強部材を取付けたのち、主桁上の床版の全部又は一部を
撤去して主桁上の全部又は一部に新しい床版を施工し、
必要に応じて補強部材を取外すようにしたので、請求項
1の場合とほぼ同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る橋梁構造物の補強
構造の供用時の状態を模式的に示した斜視図である。
【図2】図1の主桁に補強部材を取付けた状態を示す斜
視図である。
【図3】図1の橋軸方向補剛材の他の例を示す斜視図で
ある。
【図4】本発明に係る橋軸方向補剛構造の他の例を示す
説明図である。
【図5】従来の橋梁構造物の補剛構造の一例の説明図で
ある。
【図6】従来の橋梁構造物の補剛構造の他の例の説明図
である。
【符号の説明】
1a,1b 主桁 2 床版 3a,3b 橋軸方向補剛材 5 補強部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 橋軸直角方向に設置されたI形断面等の
    少なくとも一対の主桁のウェブの橋軸方向に、橋軸直角
    方向に対向して橋軸方向補剛材を設けたことを特徴とす
    る橋梁構造物の補強構造。
  2. 【請求項2】 対向して設けられた橋軸方向補剛材に、
    補強部材を着脱可能に取付けたことを特徴とする請求項
    1記載の橋梁構造物の補強構造。
  3. 【請求項3】 橋軸直角方向に設置された少なくとも一
    対の主桁のウェブの橋軸直角方向に対向して設けた橋軸
    方向補剛材に補強部材を取付けたのち、前記主桁上の床
    版の全部又は一部を撤去して該主桁上の全部又は一部に
    新らしい床版を施工し、必要に応じて前記補強部材を取
    外すようにしたことを特徴とする橋梁構造物の補修方
    法。
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