JP2003082580A - 機能性繊維構造物 - Google Patents

機能性繊維構造物

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JP2003082580A
JP2003082580A JP2001270024A JP2001270024A JP2003082580A JP 2003082580 A JP2003082580 A JP 2003082580A JP 2001270024 A JP2001270024 A JP 2001270024A JP 2001270024 A JP2001270024 A JP 2001270024A JP 2003082580 A JP2003082580 A JP 2003082580A
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fiber structure
resin layer
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mesoporous
resin
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JP2001270024A
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Gen Koide
現 小出
Keiji Takeda
恵司 竹田
Takashi Ochi
隆志 越智
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は種々の機能性薬剤を担持して、単独ま
たは複数の機能を効率的に発現でき、および/または洗
濯耐久性のある繊維構造物を提供すること。 【解決手段】少なくとも片面に1層以上の樹脂層を有し
ている繊維構造物において、該樹脂層中にメソポーラス
物質を含有しており、該メソポーラス物質が機能性薬剤
を担持している機能性繊維構造物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は種々の機能性薬剤を
担持し、単独または複数の機能を効率的に発現できる繊
維構造物および/または洗濯耐久性に優れた繊維構造物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、後加工による様々な機能が付与さ
れた繊維構造物が衣料分野のみならず、非衣料分野にお
いても用いられるようになってきており、それにともな
いさらなる高機能化、複合機能化が求められている。
【0003】機能付与に用いる薬剤は、基本的には1種
の機能に対して1種の薬剤を用いる必要がある。しかし
ながら、複合機能化のためには2種以上の薬剤を併用し
なければならない場合が多い。このため、利用する機能
性薬剤同士の相性を考慮した加工が必要であり、例えば
パッド法の場合では、イオン性の異なる薬剤同士や均一
系で反応してしまう薬剤同士を用いることができないな
どの問題があった。また、どうしても複合化が必要なと
きは加工プロセスを多段にすることで対処しているが、
コスト高になるなどの課題が残されている。
【0004】そして、高機能化を図るための薬剤の選定
においては、反応性が高い、耐熱性が低いといったデリ
ケートな加工が必要な薬剤を用いることは従来の加工方
法では難しく、加工できたとしても耐久性に劣るもので
あった。
【0005】最近では、このような問題点を解決する高
機能化、複合化技術として、シクロデキストリンや湿式
多孔性シリカ等を利用して薬剤を吸尽させる加工法が試
みられてきているが、未だ十分な機能の発現には至って
おらず、さらには洗濯時にシリカ等が物理的に脱落して
しまうなどの問題点は解決していないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は種々の機能性
薬剤を担持して、単独または複数の機能を効率的に発現
でき、かつ洗濯耐久性のある繊維構造物を提供すること
を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、以
下の構成を採用することにより達成することができる。
すなわち、 (1)少なくとも片面に1層以上の樹脂層を有している
繊維構造物において、該樹脂層中にメソポーラス物質を
含有しており、該メソポーラス物質が機能性薬剤を担持
していることを特徴とする機能性繊維構造物。
【0008】(2)少なくとも片面に1層以上の樹脂層
を有している繊維構造物において、該樹脂層中にメソポ
ーラス物質を含有しており、かつ該樹脂層を形成するポ
リマーが架橋剤により架橋されているとともに、さらに
繊維構造物を構成する単繊維と架橋していることを特徴
とする機能性繊維構造物。
【0009】(3)少なくとも片面に1層以上の樹脂層
を有している繊維構造物において、該樹脂層中に機能性
薬剤を担持しているメソポーラス物質を含有しており、
さらに該樹脂層を形成するポリマーが架橋剤によりポリ
マー同士および/または繊維構造物を構成する単繊維と
架橋していることを特徴とする前記(1)または(2)
のいずれかに記載の機能性繊維構造物。
【0010】(4)前記1層以上の樹脂層が連続した樹
脂層であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいず
れかに記載の機能性繊維構造物。
【0011】(5)前記メソポーラス物質の平均粒子径
が0.01〜5μmであることを特徴とする前記(1)
〜(4)のいずれかに記載の機能性繊維構造物。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の機能性繊維構造物
について詳細に説明する。
【0013】本発明における繊維構造物としては、合成
繊維および/または天然繊維の単繊維(長繊維(フィラ
メント)、短繊維)からなる集合体であり、その形態と
しては織物、編物、不織布などが例示される。ここでい
う天然繊維としては例えば綿、羊毛、絹などが挙げられ
る。また、合成繊維としては、例えばポリエチレンテレ
フタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステルやナ
イロン6、ナイロン66等のポリアミド、またアクリ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン等、
さらにそれらの共重合体、ブレンド体からなる繊維など
が挙げられる。合成繊維は汎用性の観点から、ポリエス
テル、ポリアミドを用いることが好ましい。また、これ
らは他ポリマー、艶消剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料な
どの添加物を含有していてもよい。
【0014】本発明の機能性繊維構造物は、少なくとも
片面に1層以上の樹脂層を有している繊維構造物であ
る。
【0015】本発明でいう樹脂層を形成する樹脂として
は、特に制限はないが、例えばポリエステル系、ポリア
ミド系、シリコーン系、ビニル系、フッ素系、ポリウレ
タン系、アクリル酸エステル系等を用いることができ
る。この中でも特に、吸尽させた薬剤の透過が有利にな
る点から水膨潤性高分子が望ましく、具体的には親水性
ポリエステル、親水性ポリウレタンが好ましい。
【0016】前記1層以上の樹脂層は、連続した樹脂層
であることが好ましい。上記連続した樹脂層は、樹脂層
が二次元的に連続であり、不連続で途切れた箇所がない
無孔層や多孔層を形成しているものである。
【0017】また、少なくとも片面に1層以上の連続し
た樹脂層の形成に際しては、繊維構造物上に樹脂層が接
着されているものである。
【0018】すなわち、該樹脂層と繊維構造物が化学的
あるいは物理的に接着されているものである。
【0019】化学的な接着としては、イオン結合、共有
結合などにより樹脂を構成しているポリマーと繊維構造
物を構成する単繊維が固定化されているものなどがあ
り、物理的な接着としては、樹脂と単繊維表面の2次元
的な密着、樹脂による単繊維の3次元的な包埋などによ
り固定化されているものなどがある。
【0020】本発明では、樹脂層中にメソポーラス物質
を含有している。
【0021】メソポーラス物質としては、例えばメソポ
ーラスシリカのように平均細孔径がnmオーダーで、か
つ均一な細孔径を有するものである。メソポーラスシリ
カは、細孔径が均一であることがシリカゲルのような従
来のシリカと異なるものである。これは、1992年に
モービル(J.Am.Chem.Soc.,vol.114,10834(1992).)、
1993年に豊田中研(J.Chem.Soc.,Chem.Commun.680
(1993).)により独立に報告された新規なシリカであ
り、均一なハニカム構造(図1)を有するMCM−4
1、FSM−16等が代表的な例である。本発明でいう
メソポーラス物質はメソポーラスシリカのみには限定さ
れず、アルミニウムやチタン等の異種金属を一部に含ん
でいたり有機物との混合体のようなメソポーラスシリカ
誘導体でも、アルミニウムやチタン等の金属酸化物およ
びそれらの誘導体、さらにこれらの複合体でも良い。
【0022】細孔径の均一性は例えば特開平9−310
282号公報記載のように、細孔直径分布曲線におい
て、中心細孔径の±40%の細孔径範囲に含まれる細孔
容積の総和により評価することが可能であり、本発明で
いうメソポーラス物質では、これが全細孔容積の60%
以上を占めるものである。本発明に用いたメソポーラス
シリカは全てにおいて、これが全細孔容積の70%以上
を占めていた。通常のシリカであるシリカゲルではこれ
が50%未満である。ここで、細孔直径分布曲線とは、
細孔容積(V)を細孔直径(D)で微分した値(dV/
dD)を細孔直径(D)に対してプロットした曲線のこ
とであり、チッソガスの等温吸着曲線から作成すること
ができる。これは、メソポーラス物質に液体窒素温度
(−196℃)でチッソガスを導入し、その吸着量を定
容量法または重量法で求める。導入するチッソガスの圧
力を徐々に増加させ、各平衡圧力に対するチッソガスの
吸着量をプロットすることにより、等温吸着曲線を描
く。これからCranston−Inklay法、Po
llimore−Heal法の計算法を用いて、細孔直
径分布曲線を求めることができる。例えば、「中心細孔
径の±40%の細孔径範囲に含まれる細孔容積の総和が
全細孔容積の60%以上を占める」とは、細孔直径分布
曲線におけるメソポーラス物質の最大のピーク(中心細
孔径)が3.2nmであるとすると、細孔径が1.9〜
4.5nmの範囲にある細孔容積の総和が、全細孔容積
の60%以上を占めていることを意味するものである。
【0023】本発明では、メソポーラス物質に機能性薬
剤を担持させることで、機能性を発現させるが、それは
発現する機能の安定性、耐久性等の向上に中心細孔径の
均一性が大きく影響を与えるからである。すなわち、中
心細孔径の均一性が高いことで、メソポーラス物質中に
薬剤を安定に担持することができるわけである。中心細
孔径は1〜30nmが好ましく、より好ましくは3〜1
0nmである。
【0024】さらに、本発明ではメソポーラス物質中に
担持する薬剤の種類によって細孔内の環境を調整しても
よい。
【0025】例えば、メソポーラス物質の原料として有
機基を含むものを使用すれば、ある程度疎水化されたメ
ソポーラス物質を得ることができる。もちろん、メソポ
ーラス物質を後でヘキサメチルジシラザンや有機基を有
するシランカップリング剤を用いて表面疎水化処理する
ことも有効である。
【0026】メソポーラス材料の平均凝集粒子径は0.
01〜5μmの範囲であれば、繊維構造物上の樹脂層中
でほぼ均一に分散することができる。さらに、より均一
に分散させるには平均凝集粒子径は小さいほど好まし
く、0.05〜1μmがより好ましい。
【0027】本発明でいう機能とは、メソポーラス物質
に担持する機能性薬剤により、難燃性、難溶融性、芳香
性、抗菌・制菌・防臭・消臭性、紫外線遮蔽性、吸放湿
性、透湿性、水透過性、防水性、吸水性、吸油性、調湿
性、帯電防止性、撥水性、撥油性、防汚性、導電性のみ
ならず樹脂膜のタックの解消、染色による鮮明性の向上
等も含み、その種類は特に制限されるものではない。
【0028】代表的な機能では難燃性を発現させるため
には例えば、ハロゲン系、リン系、シリコーン系等の難
燃剤や水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金
属水酸化物を用いることができる。
【0029】抗菌、制菌、防臭、消臭性を発現させるた
めには例えば、有機シリコン系第4級アンモニウム塩等
の抗菌防臭剤を用いることができる。
【0030】芳香性を発現させるためには例えば、ロー
ズ、ジャスミン、合成ムスク等の香料、森林浴効果のあ
るフィトンチッド類似物質、檜の天然精油等の芳香剤を
用いることができる。
【0031】紫外線遮蔽を発現させるためには例えば、
ヒドロキシベンゾフェノン系、ヒドロキシナフトフェン
系、フェニルサリチレート系、ベンゾトリアゾール系等
の紫外線吸収剤を用いることができる。
【0032】これらの薬剤は単独で用いてもよく、2種
以上を組み合わせて用いてもよい。また、薬剤を用いな
い場合はメソポーラス物質により調湿性が発現する。
【0033】次に本発明における樹脂層について説明す
る。
【0034】本発明では、機能性繊維構造物の洗濯耐久
性を向上させるために、樹脂層を形成するポリマーが架
橋剤により架橋されてなり、さらに繊維構造物を構成す
る単繊維と架橋している。
【0035】ここでいう洗濯耐久性とは、洗濯後の繊維
構造物からの樹脂層の剥離の程度のことをいう。
【0036】洗濯耐久性が高ければ繊維構造物からの樹
脂層の剥離は小さく、その結果として機能性は保持され
る。しかしながら、耐久性が低ければ樹脂層が剥離、脱
落してしまい、機能性が保てなくなってしまう。
【0037】本発明でいう樹脂層を形成するポリマーが
架橋剤により架橋されるとは、樹脂自身が有しているカ
ルボキシル基、水酸基等の官能基が架橋剤等を介するこ
とによって結合していることをいう。
【0038】また、樹脂層を形成するポリマーが繊維構
造物を構成する単繊維と架橋しているとは、樹脂自身が
有しているカルボキシル基、水酸基等の官能基が架橋剤
等を介することによって単繊維と結合している、および
/または単繊維を包埋していることをいう。
【0039】ここでいう架橋剤とは架橋反応を行うため
に必要とする試薬のことである。架橋剤は架橋反応の対
象となる樹脂末端によって使い分ける必要がある。ポリ
アミン、酸無水物、イソシアネート化合物、過酸化物、
エポキシ化合物、ビニル化合物、Zn、Ca、Mg等の
酸化物、シラノール等が例として挙げられるが、これら
に限定されるものではない。
【0040】さらに本発明では、樹脂層中に機能性薬剤
を担持しているメソポーラス物質を含有しており、さら
に該樹脂層を形成するポリマーが架橋剤によりポリマー
同士および/または繊維構造物を構成する単繊維と架橋
していてもよい。
【0041】かかる構成から本発明における作用は、種
々の機能性薬剤を担持し、単独または複数の機能を効率
的に発現でき、および/または洗濯耐久性のある繊維構
造物となるのである。
【0042】繊維構造物上に樹脂層を設ける手段は、メ
ソポーラス物質を含有する樹脂をダイコーター、ロール
コーター、ロッドコーター、ブレードコーター、エアナ
イフコーター等の各種公知の方法を用いて塗布し、乾燥
する方法、ラミネート法等を用いることができる。ここ
で、メソポーラス物質はあらかじめ薬剤を担持していて
もよく、また薬剤を担持していないメソポーラス物質を
用いて被膜化した後にスプレー法、薬剤溶液に浸す等の
手法で薬剤を付与してもよい。
【0043】樹脂層の厚みは、発現する機能に影響を与
え、薄ければ繊維構造物の柔軟性は向上するが機能性は
低下し、逆に厚ければ柔軟性は低下するが機能性は向上
することから、20μm以上5000μm以下が好まし
く、より好ましくは30μm以上3000μm以下であ
る。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明す
る。なお、実施例中のメソポーラス物質の合成法、用い
た基布、評価方法は以下の通りである。
【0045】[メソポーラス物質の合成] a.メソポーラスシリカ−1(MPS−1)の合成(参
考例1) 乾燥重量で50gのカネマイト結晶を0.1Mのn−テ
トラデシルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液1
000mLに分散させ、70℃で3時間攪拌した。加熱
初期のpHは12.3であった。その後2Nの塩酸を加
えpHを8.5まで下げた。そして3時間攪拌した後、
室温まで放冷した。これを濾過し、固形生成物を100
0mLのイオン交換水に分散させ、再度濾過を行った。
この分散攪拌/濾過を5回行い、固形物を60℃で乾燥
した。これを500℃で6時間焼成することにより、メ
ソポーラスシリカを得た。これをMPS−1と呼ぶ。こ
のMPS−1はX線回折により低角側にピークが観測さ
れ、規則的な周期構造を有しており均一な細孔が形成さ
れていることが確認された。また、チッソガス吸着法か
ら求めた中心細孔径は3.3nm、比表面積は1020
2 /g、平均粒子径0.8μmであった(表1)。 b.メソポーラスシリカ−2(MPS−2)の合成(参
考例2) n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド
3.13gとイオン交換水300g、6NのNaOH水
溶液15gの混合液を0℃で攪拌しながら、1,2−ビ
ス(トリメトキシシリル)エタン20.3g加え、3時
間攪拌した。室温で14時間静置後、13時間攪拌し、
さらに室温で14時間静置後、7時間攪拌した。そし
て、固形物を濾過、イオン交換水で洗浄後、風乾した。
これをエタノール/塩酸混合溶媒を用いて鋳型に用いた
n−オクタデシルトリメチルアンモニウムを除去した
後、5回イオン交換水で水洗し、150℃で減圧乾燥を
24時間行い、メソポーラスシリカを得た。これをMP
S−2と呼ぶ。このMPS−2はX線回折により低角側
にピークが観測され、規則的な周期構造を有しており均
一な細孔が形成されていることが確認された。また、チ
ッソガス吸着法から求めた中心細孔径は4.3nm、比
表面積は1450m2 /g、平均粒子径0.8μmであ
った(表1)。
【0046】[基布] (1)ナイロンタフタ 糸使い 77デシテックス−68フィラメント(タ
テ、ヨコ) 織り密度 116×88本/インチ 目付 72g/m2 (2)ポリエステルタフタ 糸使い 83デシテックス−72フィラメント(タ
テ、ヨコ) 織り密度 110×95本/インチ 目付 150g/m2 [評価方法] A.メソポーラス物質の平均細孔径 常法によりチッソガスの等温吸着曲線を作製しこれから
平均細孔径を求めた。
【0047】B.メソポーラス物質の比表面積 チッソガスを吸着させ、BJHモデルを使用し求めた。
【0048】C.メソポーラス物質の平均粒子径 メソポーラス物質を水またはアルコールに分散させ、HO
RIBA社製粒径分析装置LA-700を用いて体積平均粒径を求
めた。
【0049】D.洗濯耐久性 30cm×30cmの試験片を採取する。自動反転渦巻
き電気洗濯機(サンヨウ電気洗濯機SW−150P)の
洗濯槽に40±2℃の水25Lを入れ、さらに試験片と
追加布を合わせた重さ750gを入れて5分間洗う。次
いで遠心脱水機で30秒間脱水し、再び洗濯槽内で水を
オーバーフローさせながら2分間水洗して、遠心脱水機
で30秒間脱水する。これを50回繰り返した後に自然
乾燥し、試験片を平らな机の上に広げ、膜の剥離の度合
いを評価した。
【0050】E.機能性発現の評価 a.難燃性評価(燃焼試験) 限界酸素指数とJISL−1091 A−1法により評
価した。
【0051】b.芳香性評価 10人の健康な被験者に芳香を感じるかどうかを1時間
毎に判定してもらい、芳香の持続性を評価した。
【0052】[実施例1]ポリウレタン樹脂”サンプレ
ンHMP−17A”(三洋化成工業(株)製商品名)
に、リン系難燃剤であるレゾルシノールビスジフェニル
フォスフェートの1重量%水分散液に24時間浸漬した
MPS−1を溶液重量に対し20部添加し、塗工液とし
た。
【0053】フッ素系撥水撥油剤であるAG925(旭
硝子(株)製商品名)4%水分散液で処理したナイロン
タフタに、ナイフコータを用い、クリアランス200μ
mで塗布し、120℃2分間乾燥、被膜化を行い、本発
明の機能性繊維構造物を作製した。
【0054】表2に示すように、限界酸素指数27で炭
化面積45cm2、残炎時間2.5秒、残じん時間4.
5秒、炭化距離19cmと高い難燃性を有する機能性繊
維構造物であった。
【0055】[比較例1]多孔性シリカゲル”サイロイ
ド244”(富士デヴィソン化学(株)製商品名、粒径
1〜4μm)を使用し、実施例1と同様の手法で繊維構
造物を作製した。表2に示すように、限界酸素指数19
で炭化面積50cm2、残炎時間3.5秒、残じん時間
6.0秒、炭化距離22cmと実施例1よりも低い難燃
性を示す繊維構造物であった。
【0056】[比較例2]ポリウレタン樹脂”サンプレ
ンHMP−17A”(三洋化成工業(株)製商品名)に
MPS−1を溶液重量に対し20部添加し、塗工液とし
た。
【0057】フッ素系撥水撥油剤であるAG925(旭
硝子(株)製商品名)4%水分散液で処理したナイロン
タフタに、ナイフコータを用い、クリアランス200μ
mで塗布し、120℃2分間乾燥、被膜化を行い、繊維
構造物を作製した。
【0058】表2に示すように、限界酸素指数32で炭
化面積60cm2、残炎時間6.0秒、残じん時間7.
0秒、炭化距離40cmとほとんど難燃性を発現しない
繊維構造物であった。
【0059】[実施例2]ポリウレタン樹脂”サンプレ
ンHMP−17A”(三洋化成工業(株)製商品名)
に、別に50%合成ムスクとアルコール溶媒が1:1の
香料を3重量%、エチレングリコールを97重量%で構
成される香料溶液に24時間浸漬したMPS−2を用意
し、溶液重量に対し20部添加して塗工液とした。
【0060】フッ素系撥水撥油剤であるAG925(旭
硝子(株)製商品名)4%水分散液で処理したポリエス
テルタフタに、ナイフコータを用い、クリアランス20
0μmで塗布し、120℃2分間乾燥、被膜化を行い、
本発明の機能性繊維構造物を作成した。
【0061】芳香機能は長時間持続する機能性繊維構造
物であった。
【0062】[比較例3]ポリウレタン樹脂”サンプレ
ンHMP−17A”(三洋化成工業(株)製商品名)
に、50%合成ムスクとアルコール溶媒が1:1の香料
を3重量%、エチレングリコールを97重量%で構成さ
れる香料溶液を溶液重量に対し20部添加して塗工液と
した。
【0063】フッ素系撥水撥油剤であるAG925(旭
硝子(株)製商品名)4%水分散液で処理したポリエス
テルタフタに、ナイフコータを用い、クリアランス20
0μmで塗布し、120℃2分間乾燥、被膜化を行い、
繊維構造物を作成した。
【0064】芳香機能は短時間でほぼ消失してしまう繊
維構造物であった。
【0065】[実施例3]ポリウレタン樹脂”サンプレ
ンHMP−17A”(三洋化成工業(株)製商品名)
に、MPS−1を溶液重量に対し20部、架橋剤として
シアヌル骨格を有するへキサメチレンジイソシアネート
の3量体を溶液重量に対し1部添加し、塗工液とした。
【0066】フッ素系撥水撥油剤であるAG925(旭
硝子(株)製商品名)4%水分散液で処理したポリエス
テルタフタに、ナイフコータを用い、クリアランス20
0μmで塗布し、120℃2分間乾燥、被膜化を行い、
本発明の機能性繊維構造物を作製した。
【0067】洗濯評価後の膜の剥離がない機能性繊維構
造物であった。
【0068】[比較例4]特開平9−310282号公
報の実施例1で用いた合成樹脂組成物をフッ素系撥水撥
油剤であるAG925(旭硝子(株)製商品名)4%水
分散液で処理したポリエステルタフタに、ナイフコータ
を用い、クリアランス200μmで塗布し、120℃2
分間乾燥、被膜化を行い、繊維構造物を作製した。
【0069】洗濯評価後の膜は一部剥離が発生してしま
う繊維構造物であった。
【0070】[実施例4]ポリウレタン樹脂”サンプレ
ンHMP−17A”(三洋化成工業(株)製商品名)
に、架橋剤としてシアヌル骨格を有するへキサメチレン
ジイソシアネートの3量体を溶液重量に対し1部、リン
系難燃剤としてレゾルシノールビスジフェニルフォスフ
ェート1重量%水分散液に24時間浸漬したMPS−1
を溶液重量に対し20部それそれ添加し、塗工液とし
た。
【0071】フッ素系撥水撥油剤であるAG925(旭
硝子(株)製商品名)4%水分散液で処理したナイロン
タフタに、ナイフコータを用い、クリアランス200μ
mで塗布し、120℃2分間乾燥、被膜化を行い、本発
明の機能性繊維構造物を作製した。
【0072】表3に示すように、洗濯評価後の膜の剥離
がなく、また洗濯後においても限界酸素指数28で炭化
面積39cm2、残炎時間2.0秒、残じん時間4.0
秒、炭化距離17cmと高い難燃性を有する機能性繊維
構造物であった。
【0073】[実施例5]ポリウレタン樹脂”サンプレ
ンHMP−17A”(三洋化成工業(株)製商品名)
に、架橋剤としてシアヌル骨格を有するへキサメチレン
ジイソシアネートの3量体を溶液重量に対し1部添加し
て樹脂溶液とした。また、別に50%合成ムスクとアル
コール溶媒が1:1の香料を3重量%、エチレングリコ
ールを97重量%で構成される香料溶液に24時間浸漬
したMPS−2を用意し、樹脂溶液に溶液重量に対し2
0部添加して塗工液とした。
【0074】フッ素系撥水撥油剤であるAG925(旭
硝子(株)製商品名)4%水分散液で処理したポリエス
テルタフタに、ナイフコータを用い、クリアランス20
0μmで塗布し、120℃2分間乾燥、被膜化を行い、
本発明の機能性繊維構造物を作成した。
【0075】表3に示すように、洗濯評価後の膜の剥離
がなく、また洗濯後においても芳香機能は長時間持続す
る機能性繊維構造物であった。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
【発明の効果】本発明は種々の機能性薬剤を担持して単
独または複数の機能を効率的に発現でき、および/また
は洗濯耐久性のある繊維構造物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】メソポーラスシリカの代表的な構造を示す図で
ある。
【符号の説明】
1:細孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L033 AC03 AC04 AC05 BA39 CA17 CA22 CA50

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも片面に1層以上の樹脂層を有し
    ている繊維構造物において、該樹脂層中にメソポーラス
    物質を含有しており、該メソポーラス物質が機能性薬剤
    を担持していることを特徴とする機能性繊維構造物。
  2. 【請求項2】少なくとも片面に1層以上の樹脂層を有し
    ている繊維構造物において、該樹脂層中にメソポーラス
    物質を含有しており、かつ該樹脂層を形成するポリマー
    が架橋剤により架橋されているとともに、さらに繊維構
    造物を構成する単繊維と架橋していることを特徴とする
    機能性繊維構造物。
  3. 【請求項3】少なくとも片面に1層以上の樹脂層を有し
    ている繊維構造物において、該樹脂層中に機能性薬剤を
    担持しているメソポーラス物質を含有しており、さらに
    該樹脂層を形成するポリマーが架橋剤によりポリマー同
    士および/または繊維構造物を構成する単繊維と架橋し
    ていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに
    記載の機能性繊維構造物。
  4. 【請求項4】前記1層以上の樹脂層が連続した樹脂層で
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    機能性繊維構造物。
  5. 【請求項5】前記メソポーラス物質の平均粒子径が0.
    01〜5μmであることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載の機能性繊維構造物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004015016A3 (fr) * 2002-08-02 2004-04-22 Rhodia Chimie Sa Composition ignifugeante, procede de preparation et utilisation de cette composition
JP2010133048A (ja) * 2008-12-03 2010-06-17 Kao Corp 繊維処理剤
JP2011219872A (ja) * 2010-04-02 2011-11-04 Kao Corp 繊維処理剤
KR101873700B1 (ko) * 2017-12-05 2018-07-02 유귀남 기능성 직물, 그 직물을 이용한 속옷 및 그 제조 방법

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