JP2003082143A - 架橋ポリエチレン樹脂発泡体及びその製造方法 - Google Patents

架橋ポリエチレン樹脂発泡体及びその製造方法

Info

Publication number
JP2003082143A
JP2003082143A JP2001279097A JP2001279097A JP2003082143A JP 2003082143 A JP2003082143 A JP 2003082143A JP 2001279097 A JP2001279097 A JP 2001279097A JP 2001279097 A JP2001279097 A JP 2001279097A JP 2003082143 A JP2003082143 A JP 2003082143A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
foam
molecular weight
foaming
density
density polyethylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001279097A
Other languages
English (en)
Inventor
Choji Obara
長二 小原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanwa Kako Co Ltd
Original Assignee
Sanwa Kako Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanwa Kako Co Ltd filed Critical Sanwa Kako Co Ltd
Priority to JP2001279097A priority Critical patent/JP2003082143A/ja
Publication of JP2003082143A publication Critical patent/JP2003082143A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な工程で、耐熱性、柔軟性、強靭性に優れ
る架橋ポリエチレン発泡体及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】非メタロセン化合物のシングルサイト系触
媒により重合され、分子量分布(重量平均分子量/数平
均分子量)が2.5〜3.0、密度が0.900〜0.
950g/cm,融点ピークを2〜3点有する直鎖状
低密度ポリエチレンに発泡剤及び架橋剤を混和して発泡
性樹脂組成物を得、該組成物を密閉式金型中に充填して
加圧下に加熱し、発泡剤及び架橋剤を分解させた後除圧
する架橋ポリエチレン樹脂発泡体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、直鎖状低密度ポリ
エチレンを基材とする架橋ポリエチレン樹脂発泡体及び
その製造方法に関するものである。
【従来の技術】従来ポリエチレン系樹脂の発泡体は低密
度ポリエチレン又はエチレン酢酸ビニル共重合体を基材
とし、加圧一段発泡法、又は、二段発泡法(特公昭45
−29381号公報及び特公平2−42649号公報)
により、架橋ポリエチレン系樹脂発泡体が得られてい
る。しかしながら、前記加圧一段発泡においては、除圧
時にポリマーが瞬時に膨張するため変形し易く、発泡倍
率15倍程度までのものしか得られなかった。一方、二
段発泡によれば、高発泡品が得られるが、一段発泡に比
べて生産サイクルが長く、製造コストが高くなることが
欠点であった。どちらの方法においても、低密度ポリエ
チレンを基材とする発泡体は、耐熱性に優れているが、
柔軟性及び伸びが不足し、エチレン酢酸ビニル共重合体
を基材とする発泡体は、柔軟性及び伸びに優れている
が、耐熱性に劣り、使用温度は80℃程度が限界であっ
た。最近メタロセン触媒を用いて重合されたポリエチレ
ン系樹脂による発泡成形技術が提案されている。例え
ば、特開平07−188442号公報には、メタロセン
化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂を発泡して
なるポリエチレン系樹脂発泡体が提案されている。更
に、本出願人は、特開平10−259268号公報にお
いて、メタロセン触媒を用いて得られたポリエチレン系
樹脂を加圧一段発泡によって、厚物ブロック発泡体を得
る方法を提案した。しかし、メタロセン触媒を用いて重
合されたポリエチレン系樹脂は、分子量分布が狭く、溶
融張力が低い為、発泡条件が狭かった。後者の方法で
は、加圧一段発泡法の実施例が記載されているが、発泡
倍率は20倍が上限であった。従来より、直鎖状低密度
ポリエチレンの発泡体を製造する方法が提案されてい
る。例えば、(1)(A)密度0.91〜0.93g/
cm,メルトインデックス1〜10g/10分の低密
度ポリエチレン系樹脂30〜90重量%と、密度0.9
15〜0.940g/cm,上記メルトインデックス
0.2〜20g/10分の直接状低密度ポリエチレン系
樹脂10〜70重量%とからなる樹脂成分100重量
部、及び(B)ポリリン酸アンモニウム、トリス(2−
ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、及び無機酸化物
からなるポリエチレン系樹脂発泡体(特開2000−3
27823号公報)、(2)電子線架橋G値が2〜10
の高圧法低密度ポリエチレン(A)と電子線架橋G値が
0.1〜2のエチレンと炭素数が4〜12のα―オレフ
ィンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレン(B)から
なるポリエチレン系電子線架橋発泡体(特開平07−2
86059号公報)等がある。これらの従来技術では、
樹脂の溶融張力と高発泡の関係を開示したものは無く、
加圧一段発泡、二段発泡への適用を示唆していなかっ
た。
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、発泡性が良好であり、効率良く20倍以上の高発泡
体を製造し、得られる発泡体が、柔軟性、強靭性及び耐
熱性を兼ね備えた架橋ポリエチレン樹脂発泡体及びその
製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】本発明の架橋ポリエチレ
ン系樹脂発泡体及びその製造方法は、以下の通りであ
る。本発明の架橋ポリエチレン系樹脂発泡体は、非メタ
ロセン化合物のシングルサイト系触媒により重合され、
分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が2.5
〜3.0、密度が0.900〜0.950g/cm
融点ピークを2〜3点有する直鎖状低密度ポリエチレン
に発泡剤及び架橋剤を混和して加熱、発泡させてなるも
のである。本発明の架橋ポリエチレン系樹脂発泡体は、
前記直鎖状低密度ポリエチレンに高圧法低密度ポリエチ
レン及び/又はエチレン酢酸ビニル共重合体を混合する
ことが出来る。本発明の架橋ポリエチレン系樹脂発泡体
の製造方法は、非メタロセン化合物のシングルサイト系
触媒により重合され、分子量分布(重量平均分子量/数
平均分子量)が2.5〜3.0、密度が0.900〜
0.950g/cm,融点ピークを2〜3点有する直
鎖状低密度ポリエチレンに発泡剤及び架橋剤を混和して
加熱、発泡する方法である。本発明の製造方法におい
て、非メタロセン化合物のシングルサイト系触媒により
重合され、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子
量)が2.5〜3.0、密度が0.900〜0.950
g/cm,融点ピークを2〜3点有する直鎖状低密度
ポリエチレンに発泡剤及び架橋剤を混和して発泡性樹脂
組成物を得、該組成物を密閉金型中に充填して加圧下に
加熱し、発泡剤及び架橋剤を分解させた後除圧し、該組
成物を発泡させて高発泡体を製造する方法が好ましい。
本発明において、非メタロセン化合物のシングルサイト
系触媒により重合され、分子量分布が2.5〜3.0、
密度が0.900〜0.950g/cm,融点ピーク
を2〜3点有する直鎖状低密度ポリエチレンと、密度
0.910〜0.940g/cm,メルトフローレー
ト0.1〜20g/10分の高圧法低密度ポリエチレン
との混合物に発泡剤及び架橋剤を混和して発泡性樹脂組
成物を得、該組成物を密閉金型中に充填して加圧下に加
熱し、発泡剤及び架橋剤を部分的に分解させた後除圧し
て中間発泡体を得、次いで該中間発泡体を常圧下に加熱
して残存する発泡体及び架橋剤を分解させて発泡させる
架橋ポリエチレン樹脂発泡体の製造方法、所謂二段発泡
を適用できる。本発明の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂
の密度(g/cm)は、JIS−K7112に規定さ
れたものであり、0.950を超えると、得られる発泡
体が硬くなり、伸びが低下し、0.900未満である
と、耐熱性が低下する。本発明の分子量分布は、樹脂の
重量平均分子量/数平均分子量であり、3.0を超える
と発泡体の伸びが低下し、2.5未満であると、溶融混
練時の粘度が高く、高倍率品が得られない。本発明にお
いて、樹脂の融点ピークが2〜3点あることが条件であ
り、ある1点で完全に溶けないことが、加圧一段発泡で
高発泡が出来た要因である。上記二段発泡法において、
直鎖状低密度25〜75重量部、高圧法低密度ポリエチ
レン75〜25重量部の比率が好ましく、直鎖状低密度
ポリエチレンの部数がこの範囲を超えると常圧発泡でワ
レが生じ易くなり、一方、高圧法低密度ポリエチレンの
部数がこの範囲を超えると、耐熱性が低下する。本発明
において、本発明の目的を損なわない範囲内において、
上記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂に他の熱可塑性樹
脂、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンー
プロピレンゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリブテン等を加え
て発泡体とすることもできる。加圧一段発泡において、
他の熱可塑性樹脂の配合割合は、通常、樹脂成分全体の
30重量%以下である。これらの熱可塑性樹脂の中で
も、高圧法低密度ポリエチレン、酢酸ビニル共重合体
が、加工性、発泡体の弾性の面で好ましい。本発明の発
泡体は、有機発泡剤を混合して加熱による分解により製
造される。有機発泡剤としては、アゾジカルボンアミ
ド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタ
メチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、
4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)
等を例示される。有機発泡剤を使用して架橋発泡体を得
るには、前記直鎖状低密度ポリエチレン、有機発泡剤、
架橋剤及び所望により任意の配合剤を有機発泡剤の分解
温度未満の温度で溶融混練して発泡性樹脂組成物を得
る。得られた組成物を加圧下及び/又は常圧下に加熱、
発泡して発泡させる。加圧一段発泡法では、通常の低密
度ポリエチレンでは、発泡倍率15倍であるが、本発明
に適用すると、前記直鎖状低密度ポリエチレンが、溶融
張力に優れている為、発泡倍率30倍程度まで製造出来
る。
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る架橋ポリエチ
レン樹脂発泡体の製造方法について具体的に説明する。
前記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂に、発泡剤、架橋
剤、必要に応じて発泡助剤、充填剤、顔料を添加し、こ
れを加熱したミキシングロール、ニーダー、押出機等に
よって練和する。次いで、得られた組成物を金型に充填
し、一定時間加圧下に140〜170℃で加熱し、発泡
剤及び架橋剤を完全に分解させ、除圧して発泡体を得
る。或いは、前記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と高圧
法低密度ポリエチレン樹脂との混合物に、発泡剤、架橋
剤、必要に応じて発泡助剤、充填剤、顔料を添加し、こ
れを加熱したミキシングロール、ニーダー、押出機等に
よって練和する。得られた組成物を金型に充填し、これ
を加圧下にて密閉し、120〜180℃、好ましくは1
30〜170℃で5〜60分間、好ましくは10〜40
分間加熱し、発泡剤及び架橋剤を部分的に分解せしめ
て、除圧して金型より取り出し、中間発泡体を得、次に
所望の断面形状、寸法の密閉でない金型に、上記中間発
泡体を入れ、該金型の金属板に熱媒の流路を設け、ジャ
ケット方式で蒸気、加熱オイル等によって加熱する方法
により、140〜200℃、好ましくは150〜170
℃で、10〜300分間、好ましくは30〜200分間
加熱せしめることにより、残存せる発泡剤を分解、発泡
せしめ、更に低密度の発泡体を得る。本発明において、
上記加圧一段発泡、二段発泡以外に、分解型の発泡剤を
樹脂に混和して、押出機、プレス、熱風炉、赤外線加熱
炉、溶融塩浴などの加熱装置で加熱、発泡させる方法、
電子線照射による架橋方法等が適用できる。本発明でい
う架橋剤とは、ポリエチレン系樹脂中において少なくと
もポリエチレン樹脂の流動開始温度以上の分解温度を有
するものであって、加熱により分解され、遊離ラジカル
を発生してその分子間もしくは分子内に架橋結合を生じ
せしめるラジカル発生剤であるところの有機過酸化物、
例えばジクミルパーオキサイド、1,1−ジターシャリ
ーブチルパーオキサイド、1,1−ジターシャリーブチ
ルパーオキシー3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、2,5−ジメチルー2,5−ジターシャリーブチル
パーオキシヘキサン、2,5−ジメチルー2,5−ジタ
ーシャリーブチルパーオキシヘキシン、α、α―ジター
シャリーブチルパーオキシイソプロピルベンゼン、ター
シャリーブチルパーオキシケトン、ターシャリーブチル
パーオキシベンゾエートなどがあるが、その時に使用さ
れる樹脂によって最適な有機過酸化物を選択しなければ
ならない。本発明において、発泡助剤を発泡剤の種類に
応じて添加することができる。発泡助剤としては尿素を
主成分とした化合物、酸化亜鉛、酸化鉛等の金属酸化
物、サリチル酸、ステアリン酸等を主成分とする化合
物、即ち高級脂肪酸あるいは高級脂肪酸の金属化合物な
どがある。本発明において、樹脂組成物の物性の改良あ
るいは価格の低下を目的として、架橋結合に著しい悪影
響を与えない配合剤(充填剤)、例えば酸化亜鉛、酸化
チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ
素等の金属酸化物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム
等の炭酸塩、あるいはパルプ等の繊維物質、または各種
染料、顔料並びに蛍光物質、その他常用のゴム配合剤等
を必要に応じて添加することができる。
【実施例】以下、実施例を示して本発明を更に具体的に
説明するが、本発明は下記実施例により何等限定される
ものではない。下記実施例で示した物性は、JIS K
6767に規定された方法で測定したものである。 実施例1 非メタロセン化合物のシングルサイト系触媒により重合
された直鎖状低密度ポリエチレン(A)(分子量分布
2.7、密度0.905g/cm、メルトフローレー
ト1.0g/10分、融点ピーク:3点、100℃、1
10℃、120℃)100重量部、アゾジカルボンアミ
ド14重量部、亜鉛華2重量部、ステアリン酸亜鉛0.
5重量部、ジクミルパーオキサイド0.7重量部を混練
し、得られた発泡性樹脂組成物を160℃に加熱された
油圧プレス上の密閉式金型(19X110x110m
m)に充填し、100kg/cmの圧力で密閉して1
60℃で30分間加熱し、発泡剤及び架橋剤を分解後、
除圧して発泡体を得た。得られた発泡体は、サイズ 5
5x330x350mm、みかけ密度0.030g/c
、引張強さ9.0kgf/cm,伸び188%、
加熱寸法変化率−2.7%で、加圧一段発泡により発泡
倍率30倍を製造出来、製造工程が簡単で、耐熱性、引
張強さが優れていた。 実施例2 非メタロセン化合物のシングルサイト系触媒により重合
された直鎖状低密度ポリエチレン(B)(分子量分布
2.7、密度0.920g/cm,メルトフローレー
ト:0.9g/10分,融点ピーク:3点、100℃、
110℃、120℃)100重量部、アゾジカルボンア
ミド14重量部、亜鉛華1重量部、ステアリン酸亜鉛
0.3重量部、ジクミルパーオキサイド0.7重量部を
混練し、得られた発泡性樹脂組成物を160℃に加熱さ
れた油圧プレス上の密閉式金型(19x110x110
mm)に充填し、100kg/cmの圧力で密閉して
160℃で30分間加熱し、発泡剤及び架橋剤を分解
後、除圧し発泡体を得た。得られた発泡体は、サイズ5
5x340x340mm,みかけ密度0.031g/c
,引張強さ10.1kgf/cm,伸び137
℃、加熱寸法変化率−1.4%、加圧一段発泡により発
泡倍率30倍を製造でき、製造工程が簡単で、耐熱性及
び引張強さが優れていた。 実施例3 非メタロセン化合物のシングルサイト系触媒により重合
された直鎖状低密度ポリエチレン(B)(分子量分布
2.7、密度0.920g/cm,メルトフローレー
ト0.9g/10分,融点ピーク:3点、100℃、1
10℃、120℃)50重量部、高圧法低密度ポリエチ
レン(分子量分布10、密度0.923g/cm,メ
ルトフローレート0.923g/cm,融点ピーク:
1点、108℃)50重量部、アゾジカルボンアミド1
6重量部、亜鉛華0.15重量部、ジクミルパーオキサ
イド0.6重量部を混練し、得られた発泡性樹脂組成物
を150℃に加熱された密閉式金型(19x190x1
90mm)に充填し、100kg/cmの圧力で密閉
して150℃で30分間加熱し、発泡剤及び架橋剤を部
分的に分解後除圧して中間発泡体を得た。該中間発泡体
は線膨張率が1.5倍であった。次いで、該中間発泡体
を、加熱水蒸気の流路を周囲に設けた気密でない開閉式
金属金型(75x500x500mm)の略中央に載置
し、6.0kg/cmの加熱水蒸気を該流路に流して
50分間加熱して残存する発泡剤及び架橋剤を分解して
冷却後、発泡体を取り出した。得られた発泡体は、サイ
ズ75x500x500mm、みかけ密度0.031g
/cm,引張強さ4.6g/cm、伸び228%で
あり、加熱寸法変化率−1.3%で、引張強さ及び耐熱
性に優れていた。 比較例1 実施例1において、非メタロセン化合物のシングルサイ
ト系触媒により重合された直鎖状低密度ポリエチレンの
替りに高圧法低密度ポリエチレン(前述)100重量部
を使用した以外は実施例1と同じ配合及び同じ条件で発
泡させ、油圧プレスを除圧したが、膨張時に発泡体が裂
け、満足な発泡体が得られなかった。 比較例2 実施例1において、非メタロセン化合物のシングルサイ
ト系触媒により重合された直鎖状低密度ポリエチレンの
替りにメタロセン触媒により重合されたポリエチレン系
樹脂(密度0.880g/cm,メルトフローレート
2.2g/10分、分子量分布2.2)100重量部を
使用した以外は実施例1と同じ配合及び同じ条件で発泡
させ、油圧プレスを除圧したが、膨張時に発泡体が裂
け、満足な発泡体が得られなかった。 比較例3 実施例3において、樹脂を高圧法低密度ポリエチレン1
00重量部に変えた以外は、実施例3と同じ配合及び同
じ発泡条件で発泡体を得た。得られた発泡体は、みかけ
密度0.031g/cm,引張強さ3.2kg/cm
,伸び200%、加熱寸法変化率―2.3%で、耐熱
性の劣っていた。
【表1】
【発明の効果】本発明によれば、非メタロセン化合物の
シングルサイト系触媒により重合され、分子量分布が
2.5〜3.0、密度が0.90〜0.950g/cm
,融点ピークを2〜3点有する直鎖状低密度ポリエチ
レンを使用することにより、発泡時の溶融張力に優れ、
加圧一段発泡により、発泡倍率30倍を製造することが
できる。得られる発泡体は、耐熱性、強靭性、柔軟性に
優れ、断熱材、緩衝材、目地材、浮力材等に好適であ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年9月14日(2001.9.1
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直鎖状低密度ポリ
エチレンを基材とする架橋ポリエチレン樹脂発泡体及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来ポリエチレン系樹脂の発泡体は低密
度ポリエチレン又はエチレン酢酸ビニル共重合体を基材
とし、加圧一段発泡法、又は、二段発泡法(特公昭45
−29381号公報及び特公平2−42649号公報)
により、架橋ポリエチレン系樹脂発泡体が得られてい
る。しかしながら、前記加圧一段発泡においては、除圧
時にポリマーが瞬時に膨張するため変形し易く、発泡倍
率15倍程度までのものしか得られなかった。一方、二
段発泡によれば、高発泡品が得られるが、一段発泡に比
べて生産サイクルが長く、製造コストが高くなることが
欠点であった。どちらの方法においても、低密度ポリエ
チレンを基材とする発泡体は、耐熱性に優れているが、
柔軟性及び伸びが不足し、エチレン酢酸ビニル共重合体
を基材とする発泡体は、柔軟性及び伸びに優れている
が、耐熱性に劣り、使用温度は80℃程度が限界であっ
た。
【0003】最近メタロセン触媒を用いて重合されたポ
リエチレン系樹脂による発泡成形技術が提案されてい
る。例えば、特開平07−188442号公報には、メ
タロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂を
発泡してなるポリエチレン系樹脂発泡体が提案されてい
る。更に、本出願人は、特開平10−259268号公
報において、メタロセン触媒を用いて得られたポリエチ
レン系樹脂を加圧一段発泡によって、厚物ブロック発泡
体を得る方法を提案した。
【0004】しかし、メタロセン触媒を用いて重合され
たポリエチレン系樹脂は、分子量分布が狭く、溶融張力
が低い為、発泡条件が狭かった。後者の方法では、加圧
一段発泡法の実施例が記載されているが、発泡倍率は2
0倍が上限であった。
【0005】従来より、直鎖状低密度ポリエチレンの発
泡体を製造する方法が提案されている。例えば、(1)
(A)密度0.91〜0.93g/cm,メルトイン
デックス1〜10g/10分の低密度ポリエチレン系樹
脂30〜90重量%と、密度0.915〜0.940g
/cm,上記メルトインデックス0.2〜20g/1
0分の直接状低密度ポリエチレン系樹脂10〜70重量
%とからなる樹脂成分100重量部、及び(B)ポリリ
ン酸アンモニウム、トリス(2−ヒドロキシエチル)イ
ソシアヌレート、及び無機酸化物からなるポリエチレン
系樹脂発泡体(特開2000−327823号公報)、
(2)電子線架橋G値が2〜10の高圧法低密度ポリエ
チレン(A)と電子線架橋G値が0.1〜2のエチレンと
炭素数が4〜12のα―オレフィンを共重合した直鎖状
低密度ポリエチレン(B)からなるポリエチレン系電子
線架橋発泡体(特開平07−286059号公報)等が
ある。
【0006】これらの従来技術では、樹脂の溶融張力と
高発泡の関係を開示したものは無く、加圧一段発泡、二
段発泡への適用を示唆していなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、発泡性が良好であり、効率良く20倍以上の高発泡
体を製造し、得られる発泡体が、柔軟性、強靭性及び耐
熱性を兼ね備えた架橋ポリエチレン樹脂発泡体及びその
製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の架橋ポリエチレ
ン系樹脂発泡体及びその製造方法は、以下の通りであ
る。
【0009】本発明の架橋ポリエチレン系樹脂発泡体
は、非メタロセン化合物のシングルサイト系触媒により
重合され、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子
量)が2.5〜3.0、密度が0.900〜0.950
g/cm,融点ピークを2〜3点有する直鎖状低密度
ポリエチレンに発泡剤及び架橋剤を混和して加熱、発泡
させてなるものである。
【0010】本発明の架橋ポリエチレン系樹脂発泡体
は、前記直鎖状低密度ポリエチレンに高圧法低密度ポリ
エチレン及び/又はエチレン酢酸ビニル共重合体を混合
することが出来る。
【0011】本発明の架橋ポリエチレン系樹脂発泡体の
製造方法は、非メタロセン化合物のシングルサイト系触
媒により重合され、分子量分布(重量平均分子量/数平
均分子量)が2.5〜3.0、密度が0.900〜0.
950g/cm,融点ピークを2〜3点有する直鎖状
低密度ポリエチレンに発泡剤及び架橋剤を混和して加
熱、発泡する方法である。
【0012】本発明の製造方法において、非メタロセン
化合物のシングルサイト系触媒により重合され、分子量
分布(重量平均分子量/数平均分子量)が2.5〜3.
0、密度が0.900〜0.950g/cm,融点ピ
ークを2〜3点有する直鎖状低密度ポリエチレンに発泡
剤及び架橋剤を混和して発泡性樹脂組成物を得、該組成
物を密閉金型中に充填して加圧下に加熱し、発泡剤及び
架橋剤を分解させた後除圧し、該組成物を発泡させて高
発泡体を製造する方法が好ましい。
【0013】本発明において、非メタロセン化合物のシ
ングルサイト系触媒により重合され、分子量分布が2.
5〜3.0、密度が0.900〜0.950g/c
,融点ピークを2〜3点有する直鎖状低密度ポリエ
チレンと、密度0.910〜0.940g/cm,メ
ルトフローレート0.1〜20g/10分の高圧法低密
度ポリエチレンとの混合物に発泡剤及び架橋剤を混和し
て発泡性樹脂組成物を得、該組成物を密閉金型中に充填
して加圧下に加熱し、発泡剤及び架橋剤を部分的に分解
させた後除圧して中間発泡体を得、次いで該中間発泡体
を常圧下に加熱して残存する発泡体及び架橋剤を分解さ
せて発泡させる架橋ポリエチレン樹脂発泡体の製造方
法、所謂二段発泡を適用できる。
【0014】本発明の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の
密度(g/cm)は、JIS−K7112に規定され
たものであり、0.950を超えると、得られる発泡体
が硬くなり、伸びが低下し、0.900未満であると、
耐熱性が低下する。
【0015】本発明の分子量分布は、樹脂の重量平均分
子量/数平均分子量であり、3.0を超えると発泡体の
伸びが低下し、2.5未満であると、溶融混練時の粘度
が高く、高倍率品が得られない。
【0016】本発明において、樹脂の融点ピークが2〜
3点あることが条件であり、ある1点で完全に溶けない
ことが、加圧一段発泡で高発泡が出来た要因である。
【0017】上記二段発泡法において、直鎖状低密度2
5〜75重量部、高圧法低密度ポリエチレン75〜25
重量部の比率が好ましく、直鎖状低密度ポリエチレンの
部数がこの範囲を超えると常圧発泡でワレが生じ易くな
り、一方、高圧法低密度ポリエチレンの部数がこの範囲
を超えると、耐熱性が低下する。
【0018】本発明において、本発明の目的を損なわな
い範囲内において、上記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂
に他の熱可塑性樹脂、例えば、低密度ポリエチレン、中
密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレンープロピレンゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリ
ブテン等を加えて発泡体とすることもできる。加圧一段
発泡において、他の熱可塑性樹脂の配合割合は、通常、
樹脂成分全体の30重量%以下である。これらの熱可塑
性樹脂の中でも、高圧法低密度ポリエチレン、酢酸ビニ
ル共重合体が、加工性、発泡体の弾性の面で好ましい。
【0019】本発明の発泡体は、有機発泡剤を混合して
加熱による分解により製造される。有機発泡剤として
は、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラ
ジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエン
スルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼン
スルホニルヒドラジド)等を例示される。
【0020】有機発泡剤を使用して架橋発泡体を得るに
は、前記直鎖状低密度ポリエチレン、有機発泡剤、架橋
剤及び所望により任意の配合剤を有機発泡剤の分解温度
未満の温度で溶融混練して発泡性樹脂組成物を得る。得
られた組成物を加圧下及び/又は常圧下に加熱、発泡し
て発泡させる。加圧一段発泡法では、通常の低密度ポリ
エチレンでは、発泡倍率15倍であるが、本発明に適用
すると、前記直鎖状低密度ポリエチレンが、溶融張力に
優れている為、発泡倍率30倍程度まで製造出来る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る架橋ポリエチ
レン樹脂発泡体の製造方法について具体的に説明する。
前記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂に、発泡剤、架橋
剤、必要に応じて発泡助剤、充填剤、顔料を添加し、こ
れを加熱したミキシングロール、ニーダー、押出機等に
よって練和する。次いで、得られた組成物を金型に充填
し、一定時間加圧下に140〜170℃で加熱し、発泡
剤及び架橋剤を完全に分解させ、除圧して発泡体を得
る。
【0022】或いは、前記直鎖状低密度ポリエチレン樹
脂と高圧法低密度ポリエチレン樹脂との混合物に、発泡
剤、架橋剤、必要に応じて発泡助剤、充填剤、顔料を添
加し、これを加熱したミキシングロール、ニーダー、押
出機等によって練和する。得られた組成物を金型に充填
し、これを加圧下にて密閉し、120〜180℃、好ま
しくは130〜170℃で5〜60分間、好ましくは1
0〜40分間加熱し、発泡剤及び架橋剤を部分的に分解
せしめて、除圧して金型より取り出し、中間発泡体を
得、次に所望の断面形状、寸法の密閉でない金型に、上
記中間発泡体を入れ、該金型の金属板に熱媒の流路を設
け、ジャケット方式で蒸気、加熱オイル等によって加熱
する方法により、140〜200℃、好ましくは150
〜170℃で、10〜300分間、好ましくは30〜2
00分間加熱せしめることにより、残存せる発泡剤を分
解、発泡せしめ、更に低密度の発泡体を得る。
【0023】本発明において、上記加圧一段発泡、二段
発泡以外に、分解型の発泡剤を樹脂に混和して、押出
機、プレス、熱風炉、赤外線加熱炉、溶融塩浴などの加
熱装置で加熱、発泡させる方法、電子線照射による架橋
方法等が適用できる。
【0024】本発明でいう架橋剤とは、ポリエチレン系
樹脂中において少なくともポリエチレン樹脂の流動開始
温度以上の分解温度を有するものであって、加熱により
分解され、遊離ラジカルを発生してその分子間もしくは
分子内に架橋結合を生じせしめるラジカル発生剤である
ところの有機過酸化物、例えばジクミルパーオキサイ
ド、1,1−ジターシャリーブチルパーオキサイド、
1,1−ジターシャリーブチルパーオキシー3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチルー2,
5−ジターシャリーブチルパーオキシヘキサン、2,5
−ジメチルー2,5−ジターシャリーブチルパーオキシ
ヘキシン、α、α―ジターシャリーブチルパーオキシイ
ソプロピルベンゼン、ターシャリーブチルパーオキシケ
トン、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエートなど
があるが、その時に使用される樹脂によって最適な有機
過酸化物を選択しなければならない。
【0025】本発明において、発泡助剤を発泡剤の種類
に応じて添加することができる。発泡助剤としては尿素
を主成分とした化合物、酸化亜鉛、酸化鉛等の金属酸化
物、サリチル酸、ステアリン酸等を主成分とする化合
物、即ち高級脂肪酸あるいは高級脂肪酸の金属化合物な
どがある。
【0026】本発明において、樹脂組成物の物性の改良
あるいは価格の低下を目的として、架橋結合に著しい悪
影響を与えない配合剤(充填剤)、例えば酸化亜鉛、酸
化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ケ
イ素等の金属酸化物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウ
ム等の炭酸塩、あるいはパルプ等の繊維物質、または各
種染料、顔料並びに蛍光物質、その他常用のゴム配合剤
等を必要に応じて添加することができる。
【0027】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を更に具体的に
説明するが、本発明は下記実施例により何等限定される
ものではない。下記実施例で示した物性は、JIS K
6767に規定された方法で測定したものである。
【0028】実施例1 非メタロセン化合物のシングルサイト系触媒により重合
された直鎖状低密度ポリエチレン(A)(分子量分布
2.7、密度0.905g/cm、メルトフローレー
ト1.0g/10分、融点ピーク:3点、100℃、1
10℃、120℃)100重量部、アゾジカルボンアミ
ド14重量部、亜鉛華2重量部、ステアリン酸亜鉛0.
5重量部、ジクミルパーオキサイド0.7重量部を混練
し、得られた発泡性樹脂組成物を160℃に加熱された
油圧プレス上の密閉式金型(19X110x110m
m)に充填し、100kg/cmの圧力で密閉して1
60℃で30分間加熱し、発泡剤及び架橋剤を分解後、
除圧して発泡体を得た。得られた発泡体は、サイズ 5
5x330x350mm、みかけ密度0.030g/c
、引張強さ9.0kgf/cm,伸び188%、
加熱寸法変化率−2.7%で、加圧一段発泡により発泡
倍率30倍を製造出来、製造工程が簡単で、耐熱性、引
張強さが優れていた。
【0029】実施例2 非メタロセン化合物のシングルサイト系触媒により重合
された直鎖状低密度ポリエチレン(B)(分子量分布
2.7、密度0.920g/cm,メルトフローレー
ト:0.9g/10分,融点ピーク:3点、100℃、
110℃、120℃)100重量部、アゾジカルボンア
ミド14重量部、亜鉛華1重量部、ステアリン酸亜鉛
0.3重量部、ジクミルパーオキサイド0.7重量部を
混練し、得られた発泡性樹脂組成物を160℃に加熱さ
れた油圧プレス上の密閉式金型(19x110x110
mm)に充填し、100kg/cmの圧力で密閉して
160℃で30分間加熱し、発泡剤及び架橋剤を分解
後、除圧し発泡体を得た。得られた発泡体は、サイズ5
5x340x340mm,みかけ密度0.031g/c
,引張強さ10.1kgf/cm,伸び137
℃、加熱寸法変化率−1.4%、加圧一段発泡により発
泡倍率30倍を製造でき、製造工程が簡単で、耐熱性及
び引張強さが優れていた。
【0030】実施例3 非メタロセン化合物のシングルサイト系触媒により重合
された直鎖状低密度ポリエチレン(B)(分子量分布
2.7、密度0.920g/cm,メルトフローレー
ト0.9g/10分,融点ピーク:3点、100℃、1
10℃、120℃)50重量部、高圧法低密度ポリエチ
レン(分子量分布10、密度0.923g/cm,メ
ルトフローレート0.923g/cm,融点ピーク:
1点、108℃)50重量部、アゾジカルボンアミド1
6重量部、亜鉛華0.15重量部、ジクミルパーオキサ
イド0.6重量部を混練し、得られた発泡性樹脂組成物
を150℃に加熱された密閉式金型(19x190x1
90mm)に充填し、100kg/cmの圧力で密閉
して150℃で30分間加熱し、発泡剤及び架橋剤を部
分的に分解後除圧して中間発泡体を得た。該中間発泡体
は線膨張率が1.5倍であった。次いで、該中間発泡体
を、加熱水蒸気の流路を周囲に設けた気密でない開閉式
金属金型(75x500x500mm)の略中央に載置
し、6.0kg/cmの加熱水蒸気を該流路に流して
50分間加熱して残存する発泡剤及び架橋剤を分解して
冷却後、発泡体を取り出した。得られた発泡体は、サイ
ズ75x500x500mm、みかけ密度0.031g
/cm,引張強さ4.6g/cm、伸び228%で
あり、加熱寸法変化率−1.3%で、引張強さ及び耐熱
性に優れていた。
【0031】比較例1 実施例1において、非メタロセン化合物のシングルサイ
ト系触媒により重合された直鎖状低密度ポリエチレンの
替りに高圧法低密度ポリエチレン(前述)100重量部
を使用した以外は実施例1と同じ配合及び同じ条件で発
泡させ、油圧プレスを除圧したが、膨張時に発泡体が裂
け、満足な発泡体が得られなかった。
【0032】比較例2 実施例1において、非メタロセン化合物のシングルサイ
ト系触媒により重合された直鎖状低密度ポリエチレンの
替りにメタロセン触媒により重合されたポリエチレン系
樹脂(密度0.880g/cm,メルトフローレート
2.2g/10分、分子量分布2.2)100重量部を
使用した以外は実施例1と同じ配合及び同じ条件で発泡
させ、油圧プレスを除圧したが、膨張時に発泡体が裂
け、満足な発泡体が得られなかった。
【0033】比較例3 実施例3において、樹脂を高圧法低密度ポリエチレン1
00重量部に変えた以外は、実施例3と同じ配合及び同
じ発泡条件で発泡体を得た。得られた発泡体は、みかけ
密度0.031g/cm,引張強さ3.2kg/cm
,伸び200%、加熱寸法変化率―2.3%で、耐熱
性の劣っていた。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、非メタロセン化合物の
シングルサイト系触媒により重合され、分子量分布が
2.5〜3.0、密度が0.90〜0.950g/cm
,融点ピークを2〜3点有する直鎖状低密度ポリエチ
レンを使用することにより、発泡時の溶融張力に優れ、
加圧一段発泡により、発泡倍率30倍を製造することが
できる。得られる発泡体は、耐熱性、強靭性、柔軟性に
優れ、断熱材、緩衝材、目地材、浮力材等に好適であ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非メタロセン化合物のシングルサイト系
    触媒により重合され、分子量分布(重量平均分子量/数
    平均分子量)が2.5〜3.0、密度が0.900〜
    0.950g/cm,融点ピークを2〜3点有する直
    鎖状低密度ポリエチレンに発泡剤及び架橋剤を混和して
    加熱、発泡させてなる架橋ポリエチレン樹脂発泡体。
  2. 【請求項2】 直鎖状低密度ポリエチレンに高圧法低密
    度ポリエチレン及び/又はエチレン酢酸ビニル共重合体
    を混合してなる請求項1記載の架橋ポリエチレン樹脂発
    泡体。
  3. 【請求項3】 非メタロセン化合物のシングルサイト系
    触媒により重合され、分子量分布(重量平均分子量/数
    平均分子量)が2.5〜3.0、密度が0.900〜
    0.950g/cm,融点ピークを2〜3点有する直
    鎖状低密度ポリエチレンに発泡剤及び架橋剤を混和して
    加熱、発泡させる架橋ポリエチレン樹脂発泡体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 非メタロセン化合物のシングルサイト系
    触媒により重合され、分子量分布(重量平均分子量/数
    平均分子量)が2.5〜3.0、密度が0.900〜
    0.950g/cm,融点ピークを2〜3点有する直
    鎖状低密度ポリエチレンに発泡剤及び架橋剤を混和して
    発泡性樹脂組成物を得、該組成物を密閉式金型中に充填
    して加圧下に加熱し、発泡剤及び架橋剤を分解させた後
    除圧して発泡させる架橋ポリエチレン樹脂発泡体の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 非メタロセン化合物のシングルサイト系
    触媒により重合され、分子量分布が2.5〜3.0、密
    度が0.900〜0.950g/cm,融点ピークを
    2〜3点有する直鎖状低密度ポリエチレンと、密度0.
    910〜0.940g/cm,メルトフローレート
    0.1〜20g/10分の高圧法低密度ポリエチレンと
    の混合物に発泡剤及び架橋剤を混和して発泡性樹脂組成
    物を得、該組成物を密閉金型中に充填して加圧下に加熱
    し、発泡剤及び架橋剤を部分的に分解させた後除圧して
    中間発泡体を得、次いで該中間発泡体を常圧下に加熱し
    て残存する発泡剤及び架橋剤を分解させて発泡させる架
    橋ポリエチレン樹脂発泡体の製造方法。
JP2001279097A 2001-09-14 2001-09-14 架橋ポリエチレン樹脂発泡体及びその製造方法 Pending JP2003082143A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001279097A JP2003082143A (ja) 2001-09-14 2001-09-14 架橋ポリエチレン樹脂発泡体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001279097A JP2003082143A (ja) 2001-09-14 2001-09-14 架橋ポリエチレン樹脂発泡体及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003082143A true JP2003082143A (ja) 2003-03-19

Family

ID=19103352

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001279097A Pending JP2003082143A (ja) 2001-09-14 2001-09-14 架橋ポリエチレン樹脂発泡体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003082143A (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08176332A (ja) * 1994-09-19 1996-07-09 Sentinel Prod Corp 線状ポリオレフィンの架橋フォーム構造及びその製造方法
JPH0931271A (ja) * 1995-07-19 1997-02-04 Nippon Unicar Co Ltd 難燃耐磨耗性エチレン系樹脂組成物
JPH09501447A (ja) * 1993-04-28 1997-02-10 ザ ダウ ケミカル カンパニー 交差結合したエチレン系ポリマー発泡構造物の製造法
JPH0959441A (ja) * 1995-08-28 1997-03-04 Nippon Unicar Co Ltd 難燃性エチレン系樹脂組成物
JP2002146075A (ja) * 2000-09-04 2002-05-22 Tosoh Corp ポリオレフィン系樹脂発泡体およびポリオレフィン系樹脂組成物

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09501447A (ja) * 1993-04-28 1997-02-10 ザ ダウ ケミカル カンパニー 交差結合したエチレン系ポリマー発泡構造物の製造法
JPH08176332A (ja) * 1994-09-19 1996-07-09 Sentinel Prod Corp 線状ポリオレフィンの架橋フォーム構造及びその製造方法
JPH0931271A (ja) * 1995-07-19 1997-02-04 Nippon Unicar Co Ltd 難燃耐磨耗性エチレン系樹脂組成物
JPH0959441A (ja) * 1995-08-28 1997-03-04 Nippon Unicar Co Ltd 難燃性エチレン系樹脂組成物
JP2002146075A (ja) * 2000-09-04 2002-05-22 Tosoh Corp ポリオレフィン系樹脂発泡体およびポリオレフィン系樹脂組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH06234878A (ja) 発泡プロピレン重合体製品の製造方法
EP0190021B1 (en) Heat-foamable crosslinked propylene resin composition
AU606313B2 (en) Method for the preparation of cross-linked polyethylene foams and foams produced by the method
JP2019137847A (ja) プロピレン系重合体組成物およびその発泡成形体
US6197841B1 (en) Crosslinked ethylene-olefin copolymer foams
JP3898623B2 (ja) 断熱性ポリエチレン容器およびその製造方法
JPH0318817B2 (ja)
JP2000297170A (ja) エチレン系発泡成形用樹脂組成物およびそれよりなる発泡体
US5216038A (en) Process for producing plastic foam
JP2003082143A (ja) 架橋ポリエチレン樹脂発泡体及びその製造方法
JPH10259268A (ja) 架橋ポリエチレン系樹脂発泡体及びその製造方法
JP2010275499A (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物からなる予備発泡粒子、その製造方法及び型内発泡成形体
JP2005220303A (ja) 発泡体成形用ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれよりなる過酸化物架橋発泡体
JP4140107B2 (ja) エチレン系樹脂組成物およびそれからなる発泡体
JPH11315161A (ja) 架橋ポリエチレン系樹脂連続気泡体及びその製造方法
JP2002146075A (ja) ポリオレフィン系樹脂発泡体およびポリオレフィン系樹脂組成物
JP2003089735A (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物および容器
JPH03143932A (ja) 高密度ポリエチレン架橋発泡体
JP2015151478A (ja) 架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体
JP2004224904A (ja) 架橋ポリエチレン系樹脂発泡体及びその製造方法
JP3621847B2 (ja) 架橋ポリエチレン系樹脂発泡体の製造方法
JP2009221356A (ja) 発泡成形体用プロピレン系樹脂組成物およびその発泡成形体
JPH044236A (ja) 架橋発泡体用ポリオレフィン組成物
JP3615848B2 (ja) 切削可能な通函用素材及びその製造方法
JPH0480237A (ja) 架橋発泡体用ポリオレフィン樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080823

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110413

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20110418

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20110614

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A521 Written amendment

Effective date: 20110614

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

A02 Decision of refusal

Effective date: 20110805

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02