JP2003082127A - 光学用二軸配向ポリエステルフィルムおよびその積層体 - Google Patents

光学用二軸配向ポリエステルフィルムおよびその積層体

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JP2003082127A
JP2003082127A JP2001271530A JP2001271530A JP2003082127A JP 2003082127 A JP2003082127 A JP 2003082127A JP 2001271530 A JP2001271530 A JP 2001271530A JP 2001271530 A JP2001271530 A JP 2001271530A JP 2003082127 A JP2003082127 A JP 2003082127A
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Taro Oya
太郎 大宅
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Teijin DuPont Films Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 取扱い性と色相コントラストとを兼ね備え、
長期の使用でもその特性を保持する光学用二軸配向ポリ
エステルフィルムおよびその積層体を提供することにあ
る。 【解決手段】 紫外線吸収剤および可視光吸収剤を含有
し、ヘーズ値が5%以下の二軸配向ポリエステルフィル
ムであって、波長450〜650nmにおける光線の透
過率の平均値(Tav)が0.40〜0.80であり、か
つ該波長範囲における各波長iの光線の透過率(Ti)
をTavで割った値が0.70〜1.30であることを特
徴とする光学用二軸配向ポリエステルフィルム、並びに
両面に易滑易接着層を設けた前記フィルムの片面にハー
ドコート層を、他面に粘着剤層を積層した光学用フィル
ム積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学用二軸配向ポリ
エステルフィルムおよびその積層体に関し、さらに詳し
くは青色光、緑色光および赤色光のコントラストに優
れ、映像表示面に貼合せて長期使用するのに好適な光学
用二軸配向ポリエステルフィルムおよびその積層体に関
する。
【0002】
【従来の技術】テレビやパソコンのCRTディスプレイ
は、青色光、緑色光および赤色光の3つの光を発光させ
て映像を表示するが、青色光と緑色光の中間色の光や、
緑色光と赤色光の中間色の光をも発光しており、この為
これらの中間色の光によって映像の色相コントラストが
ぼやけるという問題を抱えている。さらに述べると、C
RTなどの発光色の強さと光の波長の関係をみると、短
波長側から青、緑、赤の3つのピークが存在するが、問
題は青色と緑色、および緑色と赤色のピークの裾野が重
畳していることにある。このため、青色だけあるいは緑
色だけが発色しても青色と緑色の中間色が、また緑色だ
けあるいは赤色だけが発色しても赤色と緑色の中間色、
すなわち黄色みがかった色が何がしか発色し、これらの
中間色が、映像のコントラストを弱める原因となってい
る。そして、この問題は、パーソナルコンピュータの急
速な普及によって、画面を長時間見続ける状況が多くな
ったことから、その改善が強く望まれている。
【0003】この問題の対策として、映像表示面に防護
層と粘着剤層からなる保護フィルムを貼り付けるとき、
該粘着剤層にカーボンブラックを配合させておくことが
特開平11−335639号公報で提案されている。こ
の公報によれば、粘着剤層中のカーボンブラックによっ
て、可視光帯の各波長にわたって吸光度を平均的に増加
しているので、青色光と緑色光の中間色光および緑色光
と赤色光の中間色光の透過をそれぞれ抑制することがで
き、映像の色相コントラストを明瞭にすることができ
る。また、この公報には、保護フィルムの吸光度を増加
させる手段として、粘着剤層中のカーボンブラックの濃
度を増やすことや、粘着剤層の厚みを増やすことが記載
されているが、前者については、粘着剤層の接合力の低
下や取扱い性の低下を引き起こすことから、その添加濃
度は自ずと限界がある。他方、後者については、粘着剤
の種類や貼合せる面の表面粗さなどによって適宜選択す
ればよいが、CRTディスプレイなどの粘着剤層の厚み
は5〜40μmの範囲が好ましく、これ以上の厚みは粘
着剤層としての機能向上には結びつかず、むしろ加工や
貼合せの工程における取扱い性を低下させる。
【0004】また、前記防護層を着色することは特開平
2000−57976号公報で提案されている。具体的
には、防護層はベースフィルムとハードコート層からな
り、該ハードコート層をバインダー樹脂に顔料を配合し
これを硬化させて形成するか、顔料を含有するハードコ
ート層を新たな層(着色層)としてベースフィルムに積
層するか、またはベースフィルムを染料で染着すること
が挙げられている。しかし、顔料をハードコート層に含
有させる場合、該層の厚みは通常6〜10μmと薄いた
めに、顔料の添加濃度を高くする必要があるが、この濃
度を高めると、工程上の取扱い性が低下し、またハード
コート層の耐磨耗性や耐擦傷性が低下するという問題が
生じる。また、着色層を新たに設けることは、工程を煩
雑化させるという問題も生じる。さらにまた、ベースフ
ィルムを染料で染着する方法では、染色工程が別に必要
となり、生産工程の煩雑化や生産コストの増加につなが
るという問題がある。加えて、フィルム製造工程で易接
着剤層を設けた易接着性フィルムに、この染色処理を施
すと、該易接着剤層の接着特性、例えばハードコート層
や粘着剤層への接着性が損なわれるという問題が生じ
る。他方、製膜後のベースフィルムを染色してから易接
着剤層を設けようとすると、該ベースフィルムと易接着
剤層との接着性が乏しいという問題がある。
【0005】そのため、このような問題を克服した、視
認性の良好な光学用の保護フィルムの提供が強く望まれ
てきている。
【0006】光学用の保護フィルムは、また、上記の映
像表示の色相のコントラスト向上と工程の簡素化および
粘着剤層の取扱い性向上のほかに、透明性の向上、外来
光による視認性低下の防止、耐磨耗性の向上、さらには
保護フィルムを構成する層間の剥離防止なども強く望ま
れている。さらには、窓越しの紫外線の影響で、長期使
用の保護フィルムの視認性が低下するという問題が指摘
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上述
の問題を解消し、取扱い性と色相コントラストとを兼ね
備え、長期の使用でもその特性を保持する光学用二軸配
向ポリエステルフィルムおよびその積層体を提供するこ
とにある。
【0008】また、本発明の他の課題は、上述のフィル
ム積層体に、透明性の向上、外来光による視認性低下の
抑制、耐光劣化性の向上、耐磨耗性の向上、製造工程の
簡素化、保護フィルムを構成する層間の剥離防止などを
付加することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、映像表示面に貼合せ
る保護フィルムの基材として二軸配向ポリエステルフィ
ルムを用い、該フィルムにヘーズを5%以下に抑えなが
ら紫外線吸収剤および可視光吸収剤を含有させ、そして
波長450〜650nmにおける光線の透過率の平均値
(Tav)を0.40〜0.80とし且つ前記波長範囲に
おける各波長iの光線の透過率(Ti)をTavで割った
値を0.70〜1.30の範囲にすることにより、青色
光と緑色光の中間色光および緑色光と赤色光の中間色光
の透過をそれぞれ抑制させる機能を有し、かつ認視性と
映像の色相のコントラストを両立させ、さらにこの効果
を長期間に亘って維持させることができることを見出
し、本発明を完成させるに至った。
【0010】すなわち、本発明は、紫外線吸収剤および
可視光吸収剤を含有し、ヘーズ値が5%以下の二軸配向
ポリエステルフィルムであって、波長450〜650n
mにおける光線の透過率の平均値(Tav)が0.40〜
0.80であり、かつ該波長範囲における各波長iの光
線の透過率(Ti)をTavで割った値が0.70〜1.
30であることを特徴とする光学用二軸配向ポリエステ
ルフィルムである。
【0011】さらに、本発明の光学用二軸配向ポリエス
テルフィルムは、好ましい態様として、前記紫外線吸収
剤が特定の環状イミノエステルから選ばれる少なくとも
1種の化合物であること、前記可視光吸収剤が平均粒径
10〜500nmの顔料または有機染料であること、フ
ィルムの少なくとも片面に易滑易接着層が設けられてい
ること、易滑易接着層が設けられているフィルムであっ
て二軸配向ポリエステルフィルム側から入射した光の、
易滑易接着層と二軸配向ポリエステルフィルムの界面に
おける反射率が0.4%以下であること等を包含する。
【0012】本発明は、また、両面に易滑易接着層を設
けた前記フィルムの片面にハードコート層を、他面に粘
着剤層を積層した光学用フィルム積層体である。そし
て、好ましい態様として、該ハードコート層の露出面
に、屈折率を異にする2層以上の薄膜層からなる多層反
射防止層が設けられていること、前記フィルム積層体が
映像表示面貼合せ用であること等を包含する。
【0013】
【発明の実施の形態】上記のように、CRTなどの発光
色の強さと光の波長の関係では、短波長側から青色光、
緑色光、赤色光の3つのピークが存在するが、この青色
光と緑色光のピークの裾野が重畳し、また緑色光と赤色
光のピークの裾野が重畳している。このため、青色だけ
あるいは緑色だけが発色しても青色と緑色の中間色が何
がしか発色し、また緑色だけあるいは赤色だけが発色し
ても赤色と緑色の中間色すなわち黄色みがかった色が何
がしか発色し、これらの中間色が、映像のコントラスト
を弱める原因となっている。
【0014】本発明における二軸配向ポリエステルフィ
ルムは、フィルム自体に可視光吸収剤及び紫外線吸収剤
を含有させることで、フィルムの全波長領域に亘る光線
透過率を適量低下させ、これによって前記三原色光の重
畳部分(中間色の光)を透過させないようにしたもので
ある。
【0015】[光線透過率]本発明における二軸配向ポリ
エステルフィルムは、前記三原色光の重畳部分を透過さ
せないために、波長450〜650nmの範囲における
光線透過率の平均値(Tav)が0.40〜0.80の範
囲にある特性を有する必要である。このTavが0.80
を超えると、コントラストを強める効果が十分に発現で
きず、他方0.40未満では、画面全域が暗くなって視
認性が低下する。好ましいTavの下限は0.50であ
り、また好ましいTavの上限は0.70である。本明細
書においては、以下にTavを平均透過率と称することが
ある。また、前記波長範囲における、各波長の光線の透
過率(Ti)と前記波長範囲の透過率の平均値(Tav)
の比(Ti/Tav)が、0.70〜1.30の範囲にあ
る特性を有する必要である。この比(Ti/Tav)の値
が0.70未満または1.30を超えると、二軸配向フ
ィルムによって透過光を着色し、発色に偏りができる。
この比(Ti/Tav)の上限は1.20が好ましく、
1.10が更に好ましい。他方、この比(Ti/Tav)
の下限は0.80が好ましく、0.90が更に好まし
い。
【0016】本発明においては、吸光度を上げる際、フ
ィルムのヘーズ値を大きくしないことが肝要であり、従
って本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、ヘーズ
値を5%以下にすることが必要である。このヘーズ値は
3%以下が好ましく、2%以下が更に好ましい。このヘ
ーズ値が5%より大きいと、映像の色相が白濁し、鮮映
性を欠いて視認性が低下する。
【0017】前記二軸配向ポリエステルフィルムのヘー
ズを5%以下にしつつ、Tavを0.80以下にする手段
としては、例えば可視光吸収剤として粒径500nm以
下の顔料または染料を用いることが好ましく挙げられ
る。可視光吸収剤の添加量は、二軸配向ポリエステルフ
ィルムの厚み方向に垂直な面に対して、0.02〜0.
42g/m2の範囲である。
【0018】本発明における可視光吸収剤としては、上
述のように、染料および顔料が好ましく挙げられるが、
染料は一般的に顔料に比べ耐侯性が劣るため、その使用
には注意を要する。一方、耐候性の観点からは顔料が好
ましいが、顔料はその散乱光によりフィルムへ一ズが上
がるという二律背反の特性を有する。この為顔料を用い
る場合には、その粒径を小さくすることによりヘーズを
抑える必要がある。従って、前記二軸配向ポリエステル
フィルムに配合する顔料は、フィルムを構成するポリエ
ステルヘの分散性が良好であり、分散後は粒径が小さ
く、均一な粒径分布をもち、染料と同様な理由から各波
長の吸光度を平均的に低下させるものが好ましい。具体
的には、ポリエステルヘの分散性がよく、各波長の吸光
度を平均的に低下させることから、カーボンブラックや
酸化コバルトなどの無機顔料が好ましい。分散後の粒径
は10〜500nmであることが好ましい。無機顔料の
特に好ましい添加量は、二軸配向ポリエステルフィルム
の厚み方向に垂直な面に対して、0.02〜0.18g
/m2の範囲である。
【0019】また、有色系の顔料を適宜、色相が黒色に
なるよう混合したものを使用してもよい。この有色顔料
の例としては、フタロシアニン系顔料(例えば、銅フタ
ロシアニン、塩素化銅フタロシアニン、スルホン化フタ
ロシアニン等)、キナクリドン系顔料(例えば、キナク
リドンピグメントバイオレッド19、2,9−ジメチル
キナクリドン、キナクリドンキノン等)などが挙げら
れ、染料としては、ペリレン系染料(例えば、ビオラン
トロン、イソビオラントロン、ペリレンテトラカルボン
酸ジイミド等)、インダンスレンブルー系染料(例え
ば、フラバントロン・イエロー、インダンスレン・レッ
ド5GK、インダンスレン・バイオレッドBN等)など
が挙げられる。また、染料は一般的に熱安定性および耐
候性が顔料に比べて乏しいが、本発明においては、染料
をポリエステルに添加して用い、かつ大部分の紫外線を
該ポリエステルに添加された紫外線吸収剤で吸収させる
ことから、耐侯性の懸念なく該染料を使用することがで
きる。なお、二軸配向フィルムヘ配合する染料は、最終
製品までの熱履歴を考慮し、330℃以下の温度では変
質や劣化が生じ難いものが好ましい。また、さらに染料
によって選択透過性が発現すると、透過光に偏りができ
て着色するので、複数の染料の混合物を用いて各波長の
吸光度を平均的に低下させることが好ましい。染料の特
に好ましい添加量は、二軸配向ポリエステルフィルムの
厚み方向に垂直な面の面積を基準として0.042〜
0.42g/m2の範囲である。
【0020】前記可視光吸収剤の添加方法としては、ポ
リエステルを構成するグリコール成分と同じグリコー
ル、例えばエチレングリコールなどに分散、溶解させ、
ポリエステルの重合段階で添加してもよいが、フィルム
の生産性や異物の混入防止および工程の簡素化といった
観点から、別にフィルム添加濃度よりも高濃度の吸光剤
を添加したポリエステルのペレット(マスターペレッ
ト)または染料自体を溶融固化したベレットを作成し、
これを混合し添加する方法が好ましい。染料を溶融固化
する際には、適宜バインダーを使用してもよい。添加方
法としては特に限定はないが、染料を溶融固化したペレ
ットについては、フィルム原料のポリエステルペレット
と機械的物性が異なるので、小型のフィーダにより供給
する方法が好ましい。フィーダによる添加量は、フィル
ム原料(ポリエステルペレット)の押出機の容量および
添加量によって変化するが、設備上0.2〜20kg/
hrが好ましい。ポリエステルに添加する可視光吸収剤
の性質としては、フィルム生産性の観点からポリエステ
ルの押出時に該ポリエステルの粘度低下の少ないものが
好ましい。また、溶融ポリエステルの粘度低下を抑える
目的で、押出機のせん断変形速度70(1/秒)におい
て、滞留時間は20〜4000秒であることが好まし
い。この滞留時間が20秒未満では染料の混練が十分で
なく、色の斑がみられ、一方4000秒超では粘度の低
下によるフィルム切断を招きやすくなる。
【0021】[紫外線吸収剤]前記光学用フィルムは主と
して屋内で用いられるが、長期間の使用において、窓越
しの紫外線によってフィルムの劣化が徐々に進み、可視
光吸収剤も徐々に劣化退色して映像のコントラストを低
下する。そこで、本発明は二軸配向ポリエステルフィル
ムに紫外線吸収剤を含有させ、ポリエステル及び可視光
吸収剤の劣化を防止している。
【0022】前記紫外線吸収剤は、その種類を特に特定
されないが、下記式(I)
【0023】
【化5】
【0024】(式中、X1は上記式に表わされたX1から
の2本の結合手が1位、2位の位置関係にある、2価の
芳香族残基であり;nは1、2又は3であり;R1はn
価の炭化水素残基で、これは更にヘテロ原子を含有して
いてもよい、又はR1はn=2のとき直接結合であるこ
とができる。)および下記式(II)
【0025】
【化6】
【0026】(式中、Aは下記式(II)-a
【0027】
【化7】
【0028】で表わされる基であるか又は下記式(II)-
【0029】
【化8】
【0030】で表わされる基であり;R2およびR3は同
一もしくは異なり1価の炭化水素残基であり;X2は4
価の芳香族残基で、これは更にヘテロ原子を含有してい
てもよい。)で表わされる環状イミノエステルから選ば
れる少なくとも1種の化合物を、未反応の形態で用いる
のが好ましい。
【0031】かかる環状イミノエステルは紫外線吸収剤
として公知の化合物であり、例えば特開昭59−129
52号公報に記載されている。
【0032】前記一般式(I)中、X1は式(I)に表
わされたX1からの2本の結合手が1位、2位の位置関係
にある2価の芳香族残基であり;nは1、2又は3であ
り;R1はn価の炭化水素残基で、これは更にヘテロ原
子を含有していてもよい、又はR1はn=2のとき直接
結合であることができる。
【0033】X1としては、好ましくは例えば1,2−
フェニレン、1,2−ナフチレン、2,3−ナフチレ
ン、下記式
【0034】
【化9】
【0035】(式中、Rは−O−、−CO−、−S−、
−SO2−、−CH2−、−(CH2)−または−C(C
32−である。)で表わされる基を挙げることができ
る。これらのうち、特に1,2−フェニレンが好まし
い。
【0036】X1について例示した上記芳香族残基は、
例えば炭素数1〜10のアルキル例えばメチル、エチ
ル、プロピル、ヘキシル、デシル等;炭素数6〜12の
アリール例えばフェニル、ナフチル等;炭素数5〜12
のシクロアルキル例えばシクロペンチル、シクロヘキシ
ル等;炭素数8〜20のアラルキル例えばフェニルエチ
ル等;炭素数1〜10のアルコキシ例えばメトキシ、エ
トキシ、デシルオキシ等;ニトロ;ハロゲン例えば塩
素、臭素等;炭素数2〜10のアシル例えばアセチル、
プロポニル、ゼンゾイル、デカノイル等;などの置換基
で置換されていてもよい。
【0037】R1はn価(ただし、nは1、2又は3で
ある)の炭化水素残基であるか、又はnが2であるとき
に限り直接結合であることができる。
【0038】1価の炭化水素残基(n=1の場合)とし
ては、第一に、例えば炭素数1〜10の未置換脂肪族
基、炭素数6〜12の未置換芳香族基、炭素数5〜12
の未置換脂環族基が挙げられる。
【0039】炭素数1〜10の未置換脂肪族基として
は、例えばメチル、エチル、プロピル、ヘキシル、デシ
ル等を、炭素数6〜12の未置換芳香族基としては、例
えばフェニル、ナフチル、ビフェニル等を;炭素数5〜
12の未置換脂環族基としては、例えばシクロペンチ
ル、シクロヘキシル等を挙げることができる。
【0040】また、上記1価の炭化水素残基としては、
第二に、例えば下記式(c)
【0041】
【化10】
【0042】(式中、R4は炭素数2〜10のアルキレ
ン、フェニレン又はナフチレンである。)で表わされる
基、下記式(d)
【0043】
【化11】
【0044】(式中、R5は炭素数1〜10のアルキル
基、フェニル基又はナフチル基である。)で表わされる
基、下記式(e)
【0045】
【化12】
【0046】(式中、R4およびR5の定義は上記に同じ
であり、R6は水素原子又はR5に定義された基のいずれ
かである。)で表わされる基、下記式(f)
【0047】
【化13】
【0048】(式中、R4およびR6の定義は上記に同じ
であり、R7は水素原子又はR5に定義された基のいずれ
かである。)で表わされる置換された脂肪族残基又は芳
香族残基を挙げることができる。
【0049】また、上記1価の炭化水素残基としては、
第三に、上記未置換の芳香族残基が例えば上記X1を表
わす芳香族残基の置換基として例示したと同じ置換基で
置換されているものを挙げることができる。それ故、か
かる置換基で置換された場合の例としては、例えばトリ
ル、メチルナフチル、ニトロフェニル、ニトロナフチ
ル、クロロフェニル、ベンゾイルフェニイル、アセチル
フェニル又はアセチルナフチル等を挙げることができ
る。
【0050】1価の炭化水素残基としては、上記式
(c)、(d)、(e)又は(f)で表わされる基、す
なわち置換された脂肪族残基又は芳香族残基、特にその
うち置換された芳香族残基が好ましい。
【0051】2価の炭化水素残基(n=2の場合)とし
ては、第一に、例えば2価の、炭素数2〜10の未置換
の脂肪族残基、炭素数6〜12の未置換の芳香族残基、
炭素数5〜12の未置換の脂環族残基基が挙げられる。
【0052】2価の炭素数2〜10の未置換の脂肪族基
としては、例えばエチレン、トリメチレン、テトラメチ
レン、デカメチレン等を、2価の炭素数6〜12の未置
換の芳香族残基としては、例えばフェニレン、ナフチレ
ン、P,P’−ビフェニレン等を;2価の炭素数5〜1
2の未置換の脂環族残基としては、例えばシクロペンチ
レン、シクロヘキシレン等を挙げることができる。
【0053】また、上記2価の炭化水素残基としては、
第二に、例えば下記式(g)
【0054】
【化14】
【0055】(式中、R8はR4に定義された基のいずれ
かである。)で表わされる基、又は下記式(h)
【0056】
【化15】
【0057】(式中、R8の定義は上記に同じであり、
9はR4に定義された基のいずれかであり、そしてR10
はR6に定義された基のいずれかである。)で表わされ
る置換された脂肪族残基又は芳香族残基を挙げることが
できる。
【0058】また、上記2価の炭化水素残基としては、
第三に、上記未置換の2価の芳香族残基が、例えば上記
1を表わす芳香族基の置換基として例示したと同じ置
換基で置換されているものを挙げることができる。
【0059】nが2の場合には、R1としては、これら
のうち直接結合又は上記第一〜第三の群の未置換又は置
換された2価の芳香族炭化水素残基が好ましく、特に2
本の結合手が最も離れた位置から出ている第一又は第三
の群の未置換又は置換された芳香族炭化水素残基が好ま
しく、就中P−フェニレン、P,P’−ビフェニレン又
は2,6−ナフチレンが好ましい。
【0060】3価の炭化水素残基(n=3の場合)とし
ては、例えば3価の炭素数6〜12の芳香族残基を挙げ
ることができる。
【0061】かかる芳香族残基としては、例えば
【0062】
【化16】
【0063】等を挙げることができる。
【0064】かかる芳香族残基は、上記1価の芳香族残
基の置換基として例示したと同じ置換基で置換されてい
てもよい。
【0065】上記一般式(I)中、R2およびR3は同一
もしくは異なり1価の炭化水素残基であり、X2は4価
の芳香族炭化水素残基である。
【0066】R2およびR3としては、上記式(I)の説
明において、n=1の場合のR1について例示したと同
じ基を例として挙げることができる。
【0067】4価の芳香族炭化水素残基としては、例え
【0068】
【化17】
【0069】(ここで、Rの定義は式(a)に同じ。)
で表わされる基を挙げることができる。
【0070】上記4価の芳香族残基は、上記式(I)の
説明において、R1を表わす1価の芳香族残基の置換基
として例示したと同じ置換基で置換されていてもよい。
【0071】本発明において用いられる上記式(I)お
よび(II)で表わされる環状イミノエステルの具体例と
しては、例えば下記の化合物を挙げることができる。
【0072】上記式(I)の化合物 n=1の場合の化合物 2−メチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2
−ブチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−
フェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−
(1−又は2−ナフチル)−3,1−ベンゾオキサジン
−4−オン、2−(4−ビフェニル)−3,1−ベンゾ
オキサジン−4−オン、2−p−ニトロフェニル−3,
1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−m−ニトロフェ
ニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−p−
ベンゾイルフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−
オン、2−p−メトキシフェニル−3,1−ベンゾオキ
サジン−4−オン、2−o−メトキシフェニル−3,1
−ベンゾオキサジン−4−オン、2−シクロヘキシル−
3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−p−(又は
m−)フタルイミドフェニル−3,1−ベンゾオキサジ
ン−4−オン、N−フェニル−4−(3,1−ベンゾオ
キサジン−4−オン−2−イル)フタルイミド、N−ベ
ンゾイル−4−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン
−2−イル)アニリン、N−ベンゾイル−N−メチル−4
−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)
アニリン、2−(p−(N−メチルカルボニル)フェニ
ル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン。
【0073】n=2の場合の化合物 2,2’−ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オ
ン)、2,2’−エチレンビス(3,1−ベンゾオキサ
ジン−4−オン)、2,2’−テトラメチレンビス
(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−
デカメチレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オ
ン)、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾ
オキサジン−4−オン)、2,2’−m−フェニレンビ
ス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’
−(4,4’−ジフェニレン)ビス(3,1−ベンゾオ
キサジン−4−オン)、2,2’−(2,6−又は1,
5−ナフチレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4
−オン)、2,2’−(2−メチル-p-フェニレン)ビ
ス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’
−(2−ニトロ−p−フェニレン)ビス(3,1−ベン
ゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2−クロロ−
p−フェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4
−オン)、2,2’−(1,4−シクロヘキシレン)ビ
ス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、N−p−
(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)フ
ェニル、4−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−
2−イル)フタルイミド、N−p−(3,1−ベンゾオ
キサジン−4−オン−2−イル)ベンゾイル、4−
(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ア
ニリン。
【0074】n=3の場合の化合物 1,3,5−トリ(3,1−ベンゾオキサジン−4−オ
ン−2−イル)ベンゼン、1,3,5−トリ(3,1−
ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ナフタレン、
2,4,6−トリ(3,1−ベンゾオキサジン−4−オ
ン−2−イル)ナフタレン上記式(II)の化合物 2,8−ジメチル−4H,6H−ベンゾ(1,2−d;
5,4−d’)ビス(1,3)−オキサジン−4,6−
ジオン、2,7−ジメチル−4H,9H−ベンゾ(1,2
−d;4,5−d’)ビス(1,3)−オキサジン−
4,9−ジオン、2,8−ジフェニル−4H,8H−ベン
ゾ(1,2−d;5,4−d’)ビス(1,3)−オキ
サジン−4,6−ジオン、2,7−ジフェニル−4H,
9H−ベンゾ(1,2−d;4,5−d’)ビス(1,
3)−オキサジン−4,6−ジオン、6,6’−ビス
(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−
オン)、6,6’−ビス(2−エチル−4H,3,1−
ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−ビス(2−
フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オ
ン)、6,6’−メチレンビス(2−メチル−4H,
3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−メ
チレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキ
サジン−4−オン)、6,6’−エチレンビス(2−メ
チル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、
6,6’−エチレンビス(2−フェニル−4H,3,1
−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−ブチレン
ビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−
4−オン)、6,6’−ブチレンビス(2−フェニル−
4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,
6’−オキシビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾ
オキサジン−4−オン)、6,6’−オキシビス(2−
フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オ
ン)、6,6’−スルホニルビス(2−メチル−4H,
3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−ス
ルホニルビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオ
キサジン−4−オン)、6,6’−カルボニルビス(2
−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オ
ン)、6,6’−カルボニルビス(2−フェニル−4
H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’
−メチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオ
キサジン−4−オン)、7,7’−メチレンビス(2−
フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オ
ン)、7,7’−ビス(2−メチル−4H,3,1−ベ
ンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−エチレンビス
(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−
オン)、7,7’−オキシビス(2−メチル−4H,
3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−ス
ルホニルビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキ
サジン−4−オン)、7,7’−カルボニルビス(2−
メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オ
ン)、6,7’−ビス(2−メチル−4H,3,1−ベ
ンゾオキサジン−4−オン)、6,7’−ビス(2−フ
ェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オ
ン)、6,7’−メチレンビス(2−メチル−4H,
3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,7’−メ
チレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキ
サジン−4−オン)。
【0075】上記例示化合物のうち、上記式(I)の化合
物、より好ましくはn=2の場合の上記式(I)の化合
物、特に好ましくは下記式(I)-1
【0076】
【化18】
【0077】(式中、R11は2価の芳香族炭化水素残基
である。)で表わされる化合物が有利に用いられる。
【0078】式(I)-1の化合物としては、就中2,
2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン
−4−オン)、2,2’−(4,4’−ジフェニレン)
ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)および
2,2’−(2,6−ナフチレン)ビス(3,1−ベン
ゾオキサジン−4−オン)が好ましい。
【0079】これら環状イミノエステルの紫外線吸収特
性は、例えばその代表的化合物について特開昭59−1
2952号公報に記載されているので、それを援用す
る。
【0080】前記環状イミノエステルは、ポリエステル
に対して優れた相溶性を有するが、前記特開昭59−1
2952号公報や米国特許第4291152号明細書に
記載されているように、ポリエステルの末端水酸基と反
応する能力を有する。そこで、環状イミノエステルが実
質的に未反応な状態で含有されるように、環状イミノエ
ステルとポリエステルとを注意深く混合させることが求
められる。ただし、ポリエステルとして、主たる割合の
末端基がカルボキシル基であるポリエステルや、末端水
酸基が該環状イミノエステルと反応性の無い末端封鎖剤
で封鎖されているポリエステルを用いる場合、環状イミ
ノエステルを未反応の状態で含有する組成物を製造する
のに特別の注意を払う必要は無い。末端基の主たる割合
が水酸基であるポリエステルを用いる場合には、溶融混
合の時間は、下記式
【0081】
【数1】
【0082】及び
【0083】
【数2】
【0084】(式中、tは溶融混合時間(秒)、Tは溶
融混合温度(℃)及びTmはポリエステルの溶融温度
(℃)である。)を満足するように、短時間で完了する
ようにするのが望ましい。この場合、環状イミノエステ
ルとポリエステルとが少しの割合で反応する可能性があ
るが、この反応によってポリエステルの分子量は大きく
なるので、この割合によっては可視光吸収剤によるポリ
エステルの劣化による分子量低下を防ぐことが可能であ
る。なお、環状イミノエステルがポリエステルと反応し
た場合、紫外線吸収波長領域が、一般に、未反応の状態
の紫外線吸収波長領域より低波長側にずれる傾向をし示
し、それ故高波長側の紫外線を投下する傾向をもつ。
【0085】前記環状イミノエステルは、適量を添加す
る場合、昇華物が殆どないので、製膜でダイ周辺を汚す
ことが少なく、紫外線から380nm付近の光線を吸収
するのでフィルムの着色が無く、可視光線吸収剤やフィ
ルムの劣化を防止する特性に優れている。
【0086】前記紫外線吸収剤の添加量は、ポリエステ
ルに対し、0.1〜5重量%が好ましく、さらには0.
2〜3重量%が好ましい。この量が0.1%未満では紫
外線劣化防止効果が小さく、一方5重量%を超えるとポ
リエステルの製膜特性が低下し、好ましくない。該紫外
線吸収剤の添加は、ポリエステルの重合時、または溶融
押出し時が好ましい。
【0087】[ポリエステル]本発明における二軸配向フ
ィルムを構成するポリエステルは、芳香族二塩基酸また
はそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエス
テル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステ
ルである。かかるポリエステルの具体例として、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、
ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタ
レート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテ
レフタレート)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジ
カルボキシレート等が例示でき、これらの共重合あるい
はブレンドしたものも含まれる。これらの中でも、ポリ
エステルの重量を基準として、70重量%以上、さらに
は80重量%以上がエチレンテレフタレートまたはエチ
レン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートの繰返し
単位からなるものが好ましく、特に二軸配向フィルムと
した際の加工性や透明性からエチレンテレフタレートを
主たる繰返し単位とするポリエチレンテレフタレートが
好ましい。
【0088】前記ポリエチレンテレフタレートヘの共重
合成分は、ジカルボン酸成分としてはイソフタル酸、フ
タル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の如き芳香
族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、デカンジカルボン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸、
シクロヘキサンジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸
等が例示でき、またジオール成分としては1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレング
リコール等の如き脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノールの如き脂環族ジオール、ビスフェノー
ルAの如き芳香族ジオールが例示できる。これらの共重
合成分は単独でも2種以上併用しても良い。これらの共
重合成分のうち、加工性や透明性などの観点からイソフ
タル酸が特に好ましい。共重合成分の割合は、その種類
にもよるが、結果としてポリマー融点が230℃以上に
なる割合であることが好ましい。この融点が230℃未
満では耐熱性や機械的強度が劣ることがある。このよう
なボリエステルとしては、例えばエチレンテレフタレー
トを主たる繰返し単位とし、共重合成分をイソフタル酸
とする場合、酸成分のモル数を基準としてイソフタル酸
の割合を12mo1%以下にすればよい。
【0089】ここで、ポリエステルの融点測定は、Du
Pont Instruments910DSCを用
い、昇温速度20℃/分で融解ピークを求める方法によ
る。なお、サンプル量は20mgとする。
【0090】本発明における二軸配向フィルムを構成す
るポリエステルの固有粘度(オルトクロロフェノール、
35℃)は0.52〜1.50であることが好ましく、
さらに好ましくは0.57〜1.00、特に好ましくは
0.60〜0.80である。この固有粘度が0.52未
満の場合には製膜性が不良であることがあり、好ましく
ない。他方、固有粘度が1.50を超えると、成形加工
性が損なわれたり、押出機に過負荷をかけたり、さらに
は樹脂温度の過上昇によって固有粘度が著しく低下する
場合があるので好ましくない。
【0091】前記ポリエステルは、それ自体公知の方法
によって製造できる。例えば、テレフタル酸とエチレン
グリコール、要すれば共重合成分(例えばイソフタル
酸)をエステル化反応させ、次いで得られた反応生成物
を目的とする重合度になるまで重縮合反応させてポリエ
ステルとする方法、またはテレフタル酸ジメチルエステ
ルとエチレングリコール、要すれば共重合成分(例えば
イソフタル酸又はそのジメチルエステル)をエステル交
換反応させ、次いで得られた反応生成物を目的とする重
合度になるまで重縮合反応させてボリエステルとする方
法を好ましく挙げることができる。勿論、要すれば、主
たる酸成分に2,6−ナフタレンジカルボン酸を、また
主たるグリコール成分に1,4−シクロヘキサンジメタ
ノールを用いることができる。上記の方法(溶融重合)
により得られたポリエステルは、必要に応じて固相状態
での重合方法(固相重合)により、さらに重合度の高い
ポリマーとすることができる。
【0092】本発明においては、前記ポリエステルの製
造過程またはその後のダイより押出すまでの過程で、必
要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、粘度調整剤、色相
改良剤、滑剤、帯電防止剤などの添加剤をポリエステル
に加えることができる。
【0093】前記滑剤としては、フィルム表面を粗面化
する粗面化物質(フィラー)が好適である。このフィラ
ーとしては、従来からポリエステルフィルムの滑り性付
与剤として知られているものが挙げら、さらに具体的に
は例えば、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化アル
ミニウム、カオリン、酸化珪素、酸化亜鉛、カーボンブ
ラック、炭化珪素、酸化錫、架橋アクリル樹脂粒子、架
橋ポリスチレン粒子、メラミン樹脂粒子、架橋シリコー
ン樹脂粒子等が好ましく挙げられる。これらの中でも、
透明性を保持しながら滑り性が得易いことから、多孔質
シリカが好ましい。滑材、特に多孔質シリカの平均粒径
は1〜3μmであることが好ましく、添加量は透明性と
滑り性の観点から、0.01〜0.005重量%である
ことが好ましい。
【0094】前記添加剤は、予め高濃度に含有させたマ
スターポリマーを作成し、製膜時に適量混合してもよ
い。
【0095】[製膜法]本発明における二軸配向ポリエス
テルフィルムは、それ自体公知の製膜方法、すなわち、
ポリエステルを溶融状態にしてから線状のダイより押出
して、未延伸フィルムとし、これを縦、横方向に同時又
は逐次に延伸、熱処理することにより二軸配向フィルム
とする方法で製造することができる。要すれば、製膜工
程で機能性塗膜を塗設することができる。
【0096】本発明における二軸配向ポリエステルフィ
ルムの厚みは、万一CRTが爆縮した場合にガラスの飛
散を抑制できやすいことから、50μm以上であること
が好ましい。また、該二軸配向フィルムの厚みの上限
は、ヘーズ値を5%以下に保つことやフィルムの生産性
から、250μmとするのが好ましい。
【0097】[易滑易接層]本発明における二軸配向ポリ
エステルフィルムは、その少なくとも片面に易滑易接着
層を設けることが好ましい。そして、該易滑易接着層
は、水性ポリエステル樹脂と脂肪酸アミド及び/又は脂
肪酸ビスアミドを主成分とする組成物からなることが好
ましい。
【0098】前記易滑易接着層を形成する水性ポリエス
テル樹脂としては、ガラス転移点(Tg)が40〜85
℃、さらには45〜80℃のものが好ましい。水性ポリ
エステル樹脂のガラス転移点(Tg)が40℃未満の場
合、得られたフィルムは耐熱性が低くなり、耐ブロッキ
ング性が低下し易い。他方、水性ポリエステル樹脂のT
gが85℃を超えると、接着性の向上効果が乏しくな
る。ここでいう水性ポリエステル樹脂とは、水に可溶性
又は分散性のポリエステル樹脂である。具体的には、テ
レフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、4,
4’−ジフェニルジカルボン酸、フェニルインダンジカ
ルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、5−Naスルホイ
ソフタル酸、トリメリット酸、ジメチロールプロピオン
酸などのジカルボン酸成分とエチレングリコール、ジエ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−
ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、トリメチロ
ールプロパン、ビスフェノールAのアルキレンオキシド
付加物等のヒドロキシ化合物成分とから製造されるポリ
エステル樹脂を挙げることができる。また、水性ポリエ
ステル樹脂は、さらに水との親和性を付与することが必
要な場合、ポリエステル中にSO3Na基やCOONa基
を導入してもよく、またポリエーテル成分を導入するこ
ともできる。
【0099】前記易滑易接着層を構成する脂肪酸アミド
または脂肪酸ビスアミドは、それぞれR1CONH2また
はR1CONHR3NHOCR2で表される化合物であ
り、R1CO−及びR2CO−は脂肪酸残基、−NHR3
NH−はジアミン残基である。この脂肪酸としては炭素
数6〜22の飽和又は不飽和脂肪酸が好ましく、またこ
のジアミンとしては炭素数1〜15のジアミン、特にア
ルキレンジアミンが好ましい。また、ビスアミドとして
は、炭素数が13〜15で分子量が200〜800の
N,N’−アルキレンビスアミドが好ましい。更に具体
的には、N,N’−メチレンビスステアリン酸アミド、
N,N’−エチレンビスパルミチン酸アミド、N,N’
−メチレンビスラウリン酸アミド、リノール酸アミド、
カプリル酸アミド、ステアリン酸アミド等を例示するこ
とができ、これらのうち、特に下記式で示されるビスア
ミドが好ましい。
【0100】
【化19】
【0101】(但し、RCO−は脂肪酸残基を示し、n
は1又は2である。) これらの脂肪酸アミド及び/又は脂肪酸ビスアミドは、
塗膜を形成する組成物中に、3〜10重量%含まれてい
ることが好ましい。脂肪酸アミド及び/又は脂肪酸ビス
アミドの含有量が少なすぎると、十分な接着力が得られ
ず、滑り性、耐ブロッキング性が低下する傾向があり、
逆に多すぎると、フィルムと塗膜との密着性が低下した
り、塗膜とガラス用接着剤との接着性が低下したり、塗
膜の脆化を招いたりすると共にヘーズが高くなりやす
い。
【0102】本発明における易滑易接着層は、摩擦係数
が0.8以下であることが好ましく、更に0.6以下で
あることが好ましい。この易滑易接着層の摩擦係数が
0.8を超えると、巻取り性や加工作業性が悪く、円滑
な製膜と加工ができない。
【0103】このような摩擦係数の易滑易接着層を形成
する手段としては、易滑易接着層の塗膜中に平均粒径が
0.15μm以下、特に0.01〜0.1μmの粗面化
物質を含有させることが挙げられる。該粗面化物質の具
体例としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸
化カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ケイ
素、ケイ酸ソーダ、水酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化
ジルコニウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化錫、三
酸化アンチモン、カーボンブラック、二硫化モリブデン
等の無機微粒子、アクリル系架橋重合体、スチレン系架
橋重合体、架橋シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ベンゾグ
アナミン樹脂、フェノール樹脂、ナイロン樹脂、ポリエ
チレンワックス等の有機微粒子などを例示することがで
きる。これらのうち、水不溶性の粒子としては、水分散
液中で沈降するのを避けるため、比重が3を超えない超
微粒子を用いるのが好ましい。これらの粗面化物質は、
塗膜表面を粗面化すると共に、微粉末自体による塗膜の
補強作用があり、さらには塗膜への耐ブロッキング性付
与作用、積層体への滑り性付与作用を奏する。粗面化物
質の好ましい添加量は、塗膜を形成する組成物中に、5
〜30重量%である。特に、平均粒径が0.1μm以上
の比較的大きな粒子を用いるときは5〜10重量%範囲
から、また平均粒径が0.01〜0.1μmの粒子を用
いるときには8〜30重量%の範圏内から選定するのが
好ましい。これら粗面化物質の塗膜中の含有量が多くな
り過ぎると、得られる積層体のヘーズ値が3%を超え、
透明性が悪化するので注意を要する。
【0104】また、粗面化物質を添加した易滑易接着層
の中心線表面粗さ(Ra)は2〜10nmであることが
好ましい。Raが2nm未満であると、前述の摩擦係数
を達成し難く、塗膜付きフィルムの巻取り時に滑り性不
足のため巻き姿が悪くなって、以後の作業に支障をきた
す。他方、易滑易接着層のRaが10nmを超えると透
明性が悪化して、ヘーズ値が5%を超えやすくなる。
【0105】本発明における易滑易接着層は、前述の水
性ポリエステル樹脂と脂肪酸アミド及び/又は脂肪酸ビ
スアミドからなる組成物の水溶液、水分散液或いは乳化
液を、ロールコート法、グラビアコート法、ロールブラ
ッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、
含浸法、カーテンコート法などによって好ましく形成で
きる。また、塗膜を形成するために、必要に応じて、前
記水性ポリエステル樹脂以外の他の樹脂、帯電防止剤、
界面活性剤、紫外線吸収剤などを添加することもでき
る。塗布液の塗布は、任意の段階で行なうことができる
が、二軸配向フィルムの製膜過程で行なうのが好まし
く、特に二軸配向フィルムの配向結晶化が完了するまで
の段階で塗布するのが好ましい。ここで、結晶配向が完
了するまでの段階とは、未延伸フィルム、未延伸フィル
ムを縦方向または横方向の何れか一方に配向せしめた一
軸配向フィルム、さらには縦方向および横方向の二方向
に低倍率延伸配向せしめたもの(最終的に縦方向また横
方向に再延伸せしめて配向結晶化を完了せしめる前の二
軸延伸フィルム)などを含むものである。これらのなか
でも、一方向に配向せしめた一軸延伸フィルムに上記組
成物の塗布液を塗布し、そのまま横延伸と熱固定とを施
すのが好ましく、このようにして得られた易滑易接着層
はベースフィルムの二軸配向ポリエステルフィルムと強
固な接合力が発現する。
【0106】前記塗膜は必要に応じて、フィルムの片面
のみに形成してもよいし、両面に形成してもよく、塗布
液の塗布量は、塗膜の厚さが70〜100nm、好まし
くは75〜95nmの範囲となるような量であるのが好
ましい。塗膜の厚さが70nm未満であると、接着力が
不足し、逆に厚過ぎて100nmを超えると、ブロッキ
ングを生じることがあり、ヘーズ値が高くなる可能性が
ある。
【0107】また、塗布液をフィルムに塗布する際に
は、塗布性を向上させるための予備処理として塗布面に
あらかじめコロナ表面処理、火炎処理、ブラズマ処理等
の物理処理を施すか、あるいは塗膜組成物と共にこれと
化学的に不活性な界面活性剤を併用することが好まし
い。この界面活性剤は、ポリエステルフィルムヘの水性
塗液の濡れを促進するものであり、例えば、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ン−脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリ
セリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸
塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩
等のアニオン型、ノニオン型界面活性剤を挙げることが
できる。
【0108】ところで、前記塗液は、原料中の不純物な
どの存在によって、イオン性の低分子化合物が混在する
ことがある。ここでいうイオン性の低分子化合物は、S
3X、−COOX、−PO4X、−NO−X(式中のX
はアルカリ金属またはアンモニウム基を表す)などで表
される分子量1000以下のイオン性官能基を有する物
質である。該イオン性の低分子化合物が易滑易接着層中
に1000ppmを超えて存在すると、前述の塗液を二
軸配向フィルムに塗工するに際し、塗液の二軸配向フィ
ルムに対する濡れ性が低下し、一定した厚みの塗膜が得
られなくなる上に、接着剤に対する接着性が低下しやす
くなる。該イオン性低分子化合物の検出はフィルム面に
塗膜を形成した後、その塗膜面をXPS(X線光電子分
光)により表面分析する。
【0109】本発明における易滑易接着層塗布フィルム
は、易滑易接着層を裏面(両面塗布の場合は任意の片
面)とするとき、二軸配向ポリエステルフィルムの側か
ら可視光領域の光を、面に対して45度の角度で入射し
たときの易滑易接着層と二軸配向ポリエステルフィルム
との界面における反射率(以下、裏面反射率と称するこ
とがある)が0.4%以下であることが好ましい。この
裏面反射率が0.4%を超えると、表面反射への影響が
無視できなくなり、光学用フィルムとしてディスプレイ
の防眩フィルムに用いた場合、外来光の反射が表面反射
と裏面反射の干渉で虹模様となって目障りになり、視認
性を損ない易い。
【0110】前記裏面反射率を0.4%以下にするに
は、塗膜の厚み方向における屈折率(nz)を1.50
〜1.60にすることが好ましい。この屈折率(nz)
が上記範囲を逸脱すると、可視光領域の裏面反射が0.
4%を超え易くなる。一方、屈折率がこの範囲を超える
と、裏面反射の影響が顕在化し、後述の反射防止層を設
ける場合に反射防止が困難になるという不都合が生じる
場合もある。このようにして得られた易滑易接着性フィ
ルムは、表面の滑り性および接着性に優れながらも、色
相のコントラストが明確で、且つ透明性に優れている。
【0111】[ハードコート層]本発明における光学用フ
ィルム積層体は、CRTなどのディスプレイに貼り合わ
せて使用する上で、両面に易滑易接着層が形成された前
述の易滑易接着性フィルムの片面に粘着剤層を、他方の
面にハードコート層を積層したものである。
【0112】前記フィルム積層体は、易滑易接着層の上
にハードコート層を積層しているが、これによって光学
用二軸配向ポリエステルフィルムの耐擦傷性を向上する
ことができる。
【0113】前記ハードコート層の材料としては、電離
放射線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、縮合硬化型シラン化
合物など、実用に耐え得る硬度を発現するものなら特に
限定はされない。これらのうち、二軸配向ポリエステル
フィルムに対して、膜形成作業が容易で且つ鉛筆硬度を
所望の値に容易に高めやすい電離放射線硬化型樹脂、特
に紫外線硬化型樹脂が好ましい。
【0114】前記電離放射線硬化型樹脂、特に紫外線硬
化型樹脂としては、アクリレート系官能基を持つものが
好ましく、特にポリエステルアクリレート、ウレタンア
クリレートまたはエポキシアクリレートが好ましい。こ
のポリエステルアクリレートは、ポリエステル系ポリオ
ールのオリゴマーのアクリレートおよび/またはメタア
クリレート(以下、アクリレートとメタアクリレートと
を含めて(メタ)アクリレートと称することがある。)
から構成される。また、前記ウレタンアクリレートは、
ポリオール化合物とジイソシアネート化合物からなるオ
リゴマーをアクリレート化したものから構成される。な
お、アクリレートを構成する単量体としては、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレート、2エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル
(メタ)アクリレートなどが好ましく例示できる。
【0115】前記ハードコート層の硬度をさらに高めた
い場合、多官能モノマーを併用することができる。この
多官能モノマーとしては、例えばトリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メ
タ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリ
レート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリ
レート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートな
どが挙げられる。
【0116】前記ハードコート層の形成に使用するポリ
エステル系ポリオールのオリゴマーとしては、アジピン
酸またはセバシン酸とグリコール(例えば、エチレング
リコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ブチレングリコール、ポリブチレングリコールな
ど)やトリオール(例えば、グリセリン、トリメチロー
ルプロパンなど)との縮合生成物であるポリアジペート
トリオールや、ポリセバシエートポリオールなどが例示
できる。なお、上記脂肪族ジカルボン酸の一部又は全て
を他の有機酸で置換してもよい。この場合、他の有機酸
としては、イソフタル酸、テレフタル酸または無水フタ
ル酸などが、ハードコート層に高度の硬度を発現するこ
とから、好ましい。
【0117】前記ハードコート層の形成に使用するポリ
ウレタン系のオリゴマーとしては、ポリイソシアネート
とポリオールとの縮合生成物を例示することができる。
このポリイソシアネートとしては、メチレン・ビス(p
−フェニレンジイソシアネート)、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート・ヘキサントリオールの付加体、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、
トリレンジイソシアネートトリメチロールプロパンのア
ダクト体、1,5−ナフチレンジイソシアネート、チオ
プロピルジイソシアネート、エチルベンゼン−2,4−
ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート
二量体、水添キシリレンジイソシアネート、トリス(4
−フェニルイソシアネート)チオフォスフエートなどが
例示できる。また、ポリオールとしては、ポリオキシテ
トラメチレングリコールなどのポリエーテル系ポリオー
ル、ポリアジペートポリオール、ポリカーボネートポリ
オールなどのポリエステル系ポリオール、アクリル酸エ
ステル類とヒドロキシエチルメタアクリレートとのコポ
リマーなどが例示できる。
【0118】なお、ウレタンアクリレートは、弾性や可
撓性に富み、加工性(折り曲げ性)に優れる反面、表面
硬度が不足し難く、2H以上の鉛筆硬度のものが得難
い。これに対して、ポリエステルアクリレートは、ポリ
エステルの構成成分の選択により、極めて高い硬度のハ
ードコート層を形成することができる。そこで、高硬度
と可撓性とを両立させやすいことから、ウレタンアクリ
レート60〜90重量部とポリエステルアクリレート4
0〜10重量部とを配合させたハードコート層が好まし
い。
【0119】更に、上記の電離放射線硬化型樹脂とし
て、紫外線硬化型樹脂を使用するときは、これらの樹脂
中にアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベ
ンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステルまた
はチオキサントン類などを光重合開始剤として、また、
n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリn−ブチル
ホスフィンなどを光増感剤として混合して使用するのが
好ましい。
【0120】前記ハードコート層の形成に用いる塗液に
は、光沢を調整するとともに、(離型性ではなく)表面
の滑りを付与する目的で二次粒径が20μm以下の不活
性微粒子を、樹脂成分100重量部に対して0.3〜3
重量部加えることが好ましい。この量が0.3重量部未
満では滑り性の向上効果が乏しく、他方3重量部を超え
ると、得られるハードコート層の鉛筆硬度が低下するこ
とがある。塗液に加える不活性微粒子としては、シリ
カ、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリ
ウムなどの無機微粒子の他に、ポリカーボネート、アク
リル樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレンナフ
タレート、メラミン樹脂などの有機ポリマーの微粒子が
例示できる。
【0121】前記ハードコート層を形成する塗工方法と
しては、従来より公知の塗工方法を適宜選択することが
でき、例えば塗液の特性や塗工量に応じて、ロールコー
ト、グラビアコート、バーコート、押出しコートなどを
選択、使用するとよい。ハードコート層の厚みは特に限
定されないが、1〜15μmの範囲が好ましい。塗液の
固形分濃度は30〜70重量%、さらには40〜60重
量%が好ましい。
【0122】[反射防止層]本発明における光学用フィル
ム積層体には、このように形成したハードコート層の上
に更に反射防止層を形成するのが好ましい。この反射防
止層としては、屈折率の異なる複数の層を交互に積層し
たもの、例えばゾルゲル法ウェットコートによる2層反
射防止層、スパッタリングによる3層反射防止層、コス
トと性能の兼ね合いから両者の組合せなどが好ましく挙
げられる。さらには、低屈折率層と高屈折率層を、さら
には中屈折率層を積層したものが好ましい。さらには、
低屈折率層、中屈折率層および高屈折率層がSiOxか
らなり、低屈折率層の屈折率が1.4よりも大きく、高
屈折率層の屈折率が2.2未満で、低屈折率層が80〜
110nmの厚み、高屈折率層が30〜110nmの厚
みおよび中屈折率層が50〜100nmの厚みを有し、
且つ、それぞれの層の光学的膜厚D(D=n・d、ただ
し、n:中屈折率層の屈折率、d=中屈折率層の厚み)
が可視光の波長以下である反射防止層が好ましい。
【0123】この構成は一般に知られており、例えば低
屈折率層(SiO2、30nm)−高屈折率層(Ti
2、30nm)−低屈折率層(SiO2、30nm)−
高屈折率層(TiO2、100nm)−低屈折率層(S
iO2、100nm)の層構成を有するもの、高屈折率
層(ITO、20nm)−低屈折率層(AlSiO、2
0nm)−高屈折率層(ITO、88nm)−低屈折率
層(AlSiO、88nm)の層構成を有するもの、高
屈折率層(ITO、20nm)−低屈折率層(Si
2、20nm)−高屈折率層(ITO、93nm)−
低屈折率層(SiO2、93nm)の層構成を有するも
のなどが挙げられる。
【0124】反射防止層の形成方法としては、任意の方
法を採用できるが、例えばスパッタリング法によって積
層するのが好ましい。該反射防止層によって、本発明の
フィルム積層体はディスプレイの視認性を妨げる外来光
の反射を抑制できる。反射防止層は、これらの他にも、
単層膜で主として黄色光を中心に反射防止するものがあ
るが、ディスプレイの反射防止には、多層反射防止膜の
方が適している。
【0125】[粘着剤層]本発明における光学用フィル
ム積層体は、ハードコート層を形成した側とは反対側の
面に、粘着剤層を積層しているが、この粘着剤の積層の
場合も二軸配向フィルムとの接着性を向上させるため
に、易滑易接着層を介して積層するのが好ましい。
【0126】前記粘着剤層としては、再剥離性があり、
剥離時に糊残りがないこと、高温、高湿下での強制老化
試験で剥がれや泡の発生がないものが好ましい。このよ
うな特性を有する粘着剤としては、アクリル系、ゴム
系、ポリビニルエーテル系、シリコーン系等から適宜選
択使用できるが、最も好ましいのはアクリル系粘着剤で
ある。
【0127】前記アクリル系粘着剤は、アルキル(メ
タ)アクリル酸エステルと重合性不飽和カルボン酸また
は水酸基含有エチレン性不飽和モノマー、またさらには
共重合性ビニル系モノマーとを有機溶剤中又は水媒体中
で共重合させて得られる。重合法としては、ラジカル重
合による重合方法が好ましく採用される。さらに好まし
くは、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等が挙げら
れる。上記共重合体の好ましい分子量は、ゲルパーミュ
エーションクロマトグラフィーによる数平均分子量が
9,500〜950,000、好ましくは50,000
〜500,000、さらに好ましくは95,000〜4
00,000である。この数平均分子量が9,500未
満であると、樹脂組成物層の均一形成が困難となり、一
方950,000を超えると、弾性が高くなり、塗工量
の調整が困難となる等の問題を生じる。
【0128】前記アルキル(メタ)アクリル酸エステル
としては、炭素原子数1〜12のアルキル基を有するも
のが好ましく、より具体的には(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オ
クチル等が挙げられる。さらに具体的に述べると、メタ
クリレート系成分としては、例えばメチルメタアクリレ
ート、エチルメタアクリレート、n−プロピルメタアク
リレート、イソプロピルメタアクリレート、n−ヘキシ
ルメタアクリレート、シクロヘキシルメタアクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタアクリレート、n−オクチ
ルメタアクリレート、イソオクチルメタアクリレート、
ラウリルメタアクリレート等が挙げられる。アクリレー
ト成分としては、例えばメチルアクリレート、エチルア
クリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、n−オクチルアクリレート、ラウリルアク
リレート等が挙げられる。こられは単独または2種以上
混合して用いることもできる。
【0129】前記粘着剤には架橋剤を配合することもで
きる。配合量は、通常、アクリル系粘着剤100重量部
に対し0.01〜10重量部である。この架橋剤として
は、例えばイソシアネート系化合物、アルミキレート、
アジリジニル系化合物、エポキシ系化合物等が挙げられ
る。かかる粘着剤は、有機溶剤溶液とし、ロールコータ
ー、リバースコーター、コンマコーター、リップコータ
ー、ダイコーター等の塗工機により二軸配向フィルムに
塗布される。
【0130】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。なお、実施例中の各特性値は以下の方法により
評価した。 (1)ヘーズ値 日本電色工業社製のヘーズ測定器(NDH−20)を使
用してヘーズ値を測定する。ヘーズ値は次の基準で評価
する。 AA:ヘーズ値≦2.0% ……ヘーズ値極め
て良好 A:2.0%<ヘーズ値≦3.0%……ヘーズ値良好 B:3.0%<ヘーズ値≦5.0%……ヘーズ値やや良
好 C:5.0%<ヘーズ値 ……ヘーズ値不良
【0131】(2)平均透過率 (株)島津製作所製分光光度計MPC3100を用い、
波長450〜650nmの可視光線の透過率を測定す
る。 AA:波長450〜650nmの平均透過率(Tav)が
0.50以上0.70以下 A:波長450〜650nmの平均透過率(Tav)が
0.40以上0.50未満または0.70超0.80以
下 B:波長400〜750nmの平均吸光度(Aav)が
0.40未満または0.80超
【0132】(3)各波長における透過率 上記平均透過率の測定法に準じ、波長450〜650n
mの各波長iにおける透過率(Ti)を測定する。得ら
れる結果を下記の方法で評価する。 AA:0.8≦Ti/Tav≦1.2の範囲 A:0.7≦Ti/Tav<0.8または1.2<Ti/
Tav≦1.3の範囲 B:Ti/Tav<0.7またはTi/Tav>1.3
の範囲
【0133】(4)コントラスト 試験用CRTに対し、上方45°より30W蛍光灯で照
らし、正反射光が直接入射しないほぼ水平より上方30
°で画面上の最高輝度、最低輝度を輝度計(ミノルタ
製)により測定し、コントラスト1(最高輝度/最低輝
度)を求める。次に供試サンプルをCRTに粘着剤で貼
付し、再度、最高輝度、最低輝度を測定し、コントラス
ト2を求める。そして、(コントラスト2/コントラス
ト1)×100(%)の値から、次の区分で評価する。 AA:(コントラスト2/コントラスト1)×100
(%)が120(%)以上 A:(コントラスト2/コントラスト1)×100
(%)が100(%)以上120(%)未満 B:(コントラスト2/コントラスト1)×100
(%)が100(%)未満
【0134】(5)色相ずれ(彩度) 標準光源Aに対する供試フィルムの透過スペクトルから
JISZ8729に準じてL*a*b*表色系における
L*、a*およびb*を求める。下記式より求められる
abクロマ(C*ab)で無彩色との彩度のずれを評価
する。 AA:C*abが5未満 A:C*abが5以上10末満 B:C*abが10以上
【0135】
【数3】
【0136】(6)裏面反射率 フィルム積層体の易滑易接着層の面を裏面(両面塗布の
場合は任意の片面)とするとき、フィルム表面から45
°の角度で点光源を照射し、主反射から、フィルム厚み
をdとするとき、d/0.707だけ離れた反射光を裏
面反射とし、これを点光源の光量で割ったものを反射率
とする。これを次の基準で評価する。 A:裏面反射率が0.4%以下 B:裏面反射率が0.4%超
【0137】(7)接着力 a.対接着剤 フィルム積層体の易滑易接着層の面に厚さ10μmのア
クリル系粘着剤を塗設する。60℃、80%RHの恒温
恒湿槽中に24時間経時後、エポキシ樹脂系接着剤で貼
合せ、引剥し試験により、以下の基準で評価する。 AA:基材フィルムが破断する程度に接着力が強い A:剥離するが、実用性はある B:たやすく剥離し、実用性無し b.対ハードコート層 フィルムの易滑易接着層の面に厚さ5μmのハードコー
ト層を形成して碁盤目のクロスカット(1mmのマス目
を100個)を施し、その上に24mm幅のセロハンテ
ープ(ニチバン社製)を貼り付け、180度の剥離角度
で急激に剥がした後、剥離面を観察し、以下の基準で評
価する。 AA:剥離面積が10%未満……接着力極めて良好 A:剥離面積が10%以上20%未満……接着力良好 B:剥離面積が20%以上30%未満……接着力やや良
好 C:剥離面積が30%以上40%未満……接着力不良 D:剥離面積が40%を超えるもの……接着力極めて不
【0138】(8)イオン性低分子化合物の量 フィルムの易滑易接着層の面をXPS(X線光電子分
光)により表面分析する。その結果により、以下のよう
に評価する。 A:イオン性低分子化合物の含有量が1,000ppm
以下 B:イオン性低分子化合物の含有量が1,000ppm
を超える
【0139】(9)フィルム/フィルム摩擦係数 表面と裏面を重ね合せた2枚のサンプルフィルムの下側
に固定したガラスを置き、重ね合せたフィルムの下側
(ガラス板と接しているフィルム)のフィルムを定速ロ
ールにて引取り(10cm/分)、上側のフィルムの一
端(下側フィルムの引取り方向と逆端)に検出機を固定
してフィルム/フィルム間の引張力(F:kg)を検出
する。なお、その時に用いる上側のフィルムの上に載せ
てあるスレッドは下側面積が50cm2(80mm×6
2.5mm)であり、フィルムに接する面は硬度80°
のネオプレンゴムであり、その重さ(W)は1.2kg
とする。静摩擦係数(μs)は以下の式で算出される。
【0140】
【数4】μs=F/W 但し、Fはフィルムが滑り始める直前の値である。
【0141】(10)易接着層の厚み方向の屈折率 アッベ屈折率計を用い、ナトリウムD線を光源として測
定する。なお、マウント液にはヨウ化メチレンを用い、
測定雰囲気は25℃、65%RHとする。
【0142】(11)フィルムの表面反射特性 発光していない試験用CRTに700lxの外光を照射
し、反射輝度1を輝度計(ミノルタ製)によって測定す
る。次に、サンプルフィルムをCRTに粘着剤で貼付
し、再度反射輝度2を測定する。(反射輝度2/反射輝
度1)×100(%)の値を次の区分で評価する。 AA:(反射輝度2/反射輝度1)×100(%)が2
0(%)未満 A:(反射輝度2/反射輝度1)×100(%)が20
(%)以上30(%)未満 B:(反射輝度2/反射輝度1)×100(%)が30
(%)以上40(%)未満 C:(反射輝度2/反射輝度1)×100(%)が40
(%)以上
【0143】(12)耐摩耗性 サンプルを、スチールウール#000を角型パッド(面
積6.25cm2)に装着し、往復式摩耗試験機による
摩耗試験(荷重1kg、50回往復)前後のヘーズ値の
差(Δヘーズ)から以下のように評価する。 Δヘーズ=(摩耗試験後のヘーズ値)−(摩耗試験前の
ヘーズ値) A:Δヘーズが10未満 B:Δヘーズが10以上20未満 C:Δヘーズが20超
【0144】(13)耐光劣化性 東洋精機(株)製キセノンウエザメータ(ウインドグラ
スフィルタ使用)を使用し、サンプルフィルムに300
〜800nmの波長の光線を放射照度765W/m2
100時間照射し、照射前後の標準C光源の下での三刺
激値(視感透過率を含む)、Lab(色度座標)、YI
(黄変度)を色差計(日本電飾工業(株)製 SZS−Σ
90)を用いて測定し、次の基準で評価する。 A:視感度透過率の変化が3%以内で且つ黄変度4以内 B: 視感度透過率の変化が3%を超えるか及び/又は黄
変度4超
【0145】[実施例1]大日精化工業(株)製カーボ
ンブラック顔料を0.03重量%、平均粒径1.7μm
の多孔質シリカを0.007重量%、下記
【化20】の構造を持つ紫外線吸収剤を1.0重量%含
有させたポリエチレンテレフタレート(固有粘度
[η]:0.65)を溶融状態でダイより押出し、常法
により冷却ドラムで冷却して未延伸フィルムとした。続
いて、該未延伸フィルムを一旦巻き取ることなく、90
℃に加熱した状態で縦方向に3.5倍延伸し、95℃に
加熱した状態で横方向に3.8倍延伸した後、230℃
で緊張熱処理して、厚み75μmの二軸配向ポリエステ
ルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィ
ルムの特性を表1に示す。
【0146】
【化20】
【0147】[実施例2]二軸配向フィルムの厚みを2
00μmに変更し、且つ可視光吸収剤およびその添加量
を日本化薬(株)製Kayaset Black AN(染料)0.03
重量%に変更する以外は実施例1と同じように行なっ
た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表
1に示す。
【0148】[実施例3]大日精化工業(株)製カーボ
ンブラック顔料を0.04重量%、平均粒径1.7μm
の多孔質シリカを0.007重量%、下記
【化21】の構造を持つ紫外線吸収剤を1.0重量%含
有させたポリエチレン−2,6−ナフタレートを溶融状
態でダイより押出し、常法により冷却ドラムで冷却して
未延伸フィルムとした。次いで、該未延伸フィルムを一
旦巻き取ることなく、縦方向に140℃に加熱した状態
で3.5倍延伸し、横方向に135℃に加熱した状態で
3.8倍延伸した後、230℃で緊張熱処理して、厚み
50μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得ら
れた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示
す。
【0149】
【化21】
【0150】[実施例4]二軸配向フィルムの厚みを7
5μmに変更し、且つ可視光吸収剤、紫外線吸収剤およ
びその添加量を表1に示すように変更する以外は実施例
3と同じように行なった。得られた二軸配向ポリエステ
ルフィルムの光学特性の評価結果を表1に示す。
【0151】[比較例1〜4及び参考例1]可視光吸収
剤、紫外線吸収剤およびそれらの添加量を表1に示すよ
うに変更する以外は実施例1と同じように行なった。得
られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示
す。
【0152】[参考例2]二軸配向フィルムの厚みと、
可視光吸収剤及び紫外線吸収剤の添加量を表1に示すよ
うに変更する以外は実施例3と同じように行なった。得
られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示
す。
【0153】
【表1】
【0154】なお、表1における可視光線吸収剤の記号
(a,b,cおよびd)は、以下の染料および顔料を示
す。 a:大日精化工業(株)製カーボンブラック(顔料) b:日本化薬(株)製Kayaset Black AN(染料) c:日本化薬(株)製Kayaset Green AB(染料)/Kaya
set Violet AR(染料)の重量比1:1混合物 d:日本化薬(株)製Kayaset Black G(染料)
【0155】[実施例5]大日精化工業(株)製カーボ
ンブラック顔料を0.03重量%、上記式
【化20】で示す紫外線吸収剤を1.0重量%、平均粒
径1.7μmの多孔質シリカを0.007重量%含有し
た溶融ポリエチレンテレフタレート([η]:0.6
5)をダイより押出し、常法により冷却ドラムで冷却し
て未延伸フィルムとし、次いで縦方向に90℃の温度で
延伸倍率3.5倍で延伸した後、その両面に以下の塗膜
用組成物の濃度8%の水性液をロールコーターで均一に
塗布し、その後、引き続いて95℃で乾燥しながら横方
向に120℃で3.8倍に延伸し、230℃で熱固定し
て、厚さ75μmの易接着性二軸配向ポリエステルフィ
ルムを得た。なお、塗膜の厚さは0.15μmであっ
た。得られた易接着性二軸配向ポリエステルフィルムの
特性を表2に示す。
【0156】 [塗膜用組成物] ・酸成分がテレフタル酸(90モル%)、イソフタル酸(6モル%)および5 −スルホイソフタル酸カリウム(4モル%)、グリコール成分がエチレングリコ ール(95モル%)およびネオペンチルグリコール(5モル%)から合成される ガラス転移温度(Tg)が68℃の共重合ポリエステル樹脂 :80重量% ・N,N’−エチレンビスカプリル酸アミド : 5重量% ・アクリル系樹脂微粒子(平均粒径0.03μm) :10重量% ・ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル : 5重量% [実施例6〜8]塗膜用組成物の組成を表2に示すよう
に変更した以外は、実施例6と同様に行なって厚さ75
μmの光学用易接着性二軸配向ポリエステルフィルムを
得た。なお、塗膜の厚さは0.15μmであった。得ら
れた易接着性二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表
2に示す。
【0157】
【表2】
【0158】表2における塗膜用組成物の記号(P,
Q,H,I,J,GおよびY)は、それぞれ以下の重合
体または化合物であることを示す。
【0159】[水性ポリエステル樹脂] P:酸成分がテレフタル酸(90モル%)、イソフタル
酸(6モル%)および5−スルホイソフタル酸カリウム
(4モル%)、グリコール成分がエチレングリコール
(95モル%)およびネオペンチルグリコール(5モル
%)の共重合ポリエステル樹脂(Tg=68℃) Q:酸成分がテレフタル酸(85モル%)およびイソフ
タル酸(15モル%)、グリコール成分がエチレングリ
コール(57モル%)、1,4−ブタンジオール(40
モル%)、ジエチレングリコール(2モル%)およびポ
リエチレングリコール(分子量600)(1モル%)の
共重合ポリエステル樹脂(Tg=47℃) [脂肪酸のアミド、脂肪酸のビスアミド] H:N,N’−メチレンビススアテリン酸アミド I:N,N’−エチレンビスパルミチン酸アミド J:N,N’−エチレンビスカプリル酸アミド [粗面化物質] G:アクリル系樹脂微粒子(平均粒径0.03μm) [界面活性剤] Y:ポリオキシェチレンノニルフヱニルェーテル
【0160】[実施例9]実施例5で得られた易接着性
二軸配向ポリエステルフィルムの片面の塗膜上に、以下
の組成からなるUV硬化系組成物をロールコーターを用
いて、硬化後の膜厚が5μmとなるように均一に塗布し
た。
【0161】 [UV硬化組成物] ペンタエリスリトールアクリレート :45重量% N−メチロールアクリルアミド :40重量% N−ビニルピロリドン :10重量% 1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン : 5重量% その後、80W/cmの強度を有する高圧水銀灯で30
秒間紫外線を照射して硬化させ、ハードコート層を形成
した。
【0162】そして、該ハードコート層の上に、低屈折
率層(SiO2、30nm)−高屈折率層(TiO2、3
0nm)−低屈折率層(SiO2、30nm)−高屈折
率層(TiO2、100nm)−低屈折率層(SiO2
100nm)がこの順で積層されてなる反射防止層をス
パツタリングによって形成した。得られた光学用フィル
ム積層体の特性を表3に示す。
【0163】[実施例10〜12]フィルムの延伸温度
と延伸倍率及び二軸配向フィルムの厚みを実施例2〜4
のものに変更する以外は実施例9と同じように行なっ
た。得られた光学用フィルム積層体の特性を表3に示
す。
【0164】[比較例5〜8及び参考例3]フィルムの
延伸温度と延伸倍率及び二軸配向フィルムの厚みを比較
例1〜4及び参考例2のものに変更し、且つ易滑易接着
層を形成するのに用いる塗膜用組成物を以下に示すよう
に変更する以外は実施例9と同じように行なった。得ら
れた光学用フィルム積層体の特性を表3に示す。
【0165】 [塗膜用組成物] ・酸成分がテレフタル酸(90モル%)、イソフタル酸(6モル%)および5 −スルホイソフタル酸カリウム(4モル%)、グリコール成分がエチレングリコ ール(95モル%)およびネオペンチルグリコール(5モル%)から合成される Tgが68℃の共重合ポリエステル樹脂 :80重量% ・N,N’−エチレンビスカプリル酸アミド : 5重量% ・アクリル系樹脂微粒子(平均粒径0.03μm) :10重量% ・ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル : 5重量%
【0166】
【表3】
【0167】表1から明らかなように、実施例1〜4の
光学用二軸配向ポリエステルフィルムは透明性、映像の
コントラスト性、耐光劣化性に優れている。そして、こ
れらのフィルムに易接着性塗膜を塗設した易接着性二軸
配向ポリエステルフィルム(実施例5〜8)は、表2か
ら明らかなように、ガラス用接着剤およびハードコート
に対して良好な接着性を有しながら光学特性を損なわな
い、という特性を有している。しかも、これらの易接着
性二軸配向ポリエステルフィルムにハードコート層およ
び反射防止層を設けたフィルム積層体(実施例9〜1
2)は、映像のコントラストに加えて、耐摩耗性や反射
防止能にも優れるものであった。これに対して、本発明
の要件のいずれかを満たしていない比較例1〜4および
参考例2の二軸配向ポリエステルフィルムおよび比較例
5〜8および参考例3のフィルム積層体は、乏しい光学
特性のものであった。また、参考例1は押出し機口金付
近の発煙が多く、途中でフィルム製造の採取を断念し
た。
【0168】
【発明の効果】本発明によれば、透明性を損なうことな
く映像のコントラストが高く、長期間の使用によっても
特性の劣化がない二軸配向ポリエステルフィルムおよび
その積層体が提供できる。さらにまた、本発明によれ
ば、フィルム積層体の接着力の向上や裏面反射率の縮小
に優れ、表面硬度や耐摩耗性等が良好で、しかも十分な
透明性、防眩性および防爆性などを備えたフィルム積層
体を堤供することもでき、特にパソコンディスプレイの
表面保護板として有用である。また、本発明の二軸配向
ポリエステルフィルムおよびその積層体は、前述のパソ
コンディスプレイの表面保護板に加えて、窓ガラス、シ
ョーケース、眼鏡、計器類、写真、絵画、イラスト、看
板等の表面保護シートとしても好適に使用でき、工業的
価値の高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/35 C08K 5/35 C08L 67/00 C08L 67/00 C09K 3/00 104 C09K 3/00 104B G02B 1/10 B29K 67:00 // B29K 67:00 B29L 7:00 B29L 7:00 11:00 11:00 G02B 1/10 Z Fターム(参考) 2K009 AA07 AA08 AA15 BB24 CC01 CC03 CC12 CC24 CC34 CC35 DD01 DD04 EE01 4F071 AA45 AA46 AA84 AA88 AB17 AC12 AE05 AE09 AE11 AF14 AF28 AF29 AF30 AF31 AF58 AH12 BA01 BB06 BB08 BC01 4F100 AA20 AA37 AH07A AK41A AR00B AR00C AR00D BA01 BA02 BA03 BA07 BA10B BA10C CA07A CA13A EJ38A GB41 JA20A JK12C JK14C JK15B JK16B JL11B JN06 JN18C JN18D JN30A YY00 YY00A 4F210 AA24 AB06 AB19 AG01 AG03 AH73 QC06 QG01 QW11 4J002 CF031 CF041 CF051 CF061 CF071 CF081 CF091 EU027 EU206 EU236 FD047 FD056 FD170 GP00 GQ00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線吸収剤および可視光吸収剤を含有
    し、ヘーズ値が5%以下の二軸配向ポリエステルフィル
    ムであって、波長450〜650nmにおける光線の透
    過率の平均値(Tav)が0.40〜0.80であり、か
    つ該波長範囲における各波長iの光線の透過率(Ti)
    をTavで割った値が0.70〜1.30であることを特
    徴とする光学用二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 紫外線吸収剤が下記式(I) 【化1】 (ここで、X1は、上記式に表わされたX1からの2本の
    結合手が1位、2位の位置関係にある、2価の芳香族残
    基であり;nは1、2又は3であり;R1はn価の炭化
    水素残基で、これは更にヘテロ原子を含有していてもよ
    い、又はR1はn=2のとき直接結合であることができ
    る。)および下記式(II) 【化2】 (ここで、Aは下記式(II)-a 【化3】 で表わされる基であるか又は下記式(II)-b 【化4】 で表わされる基であり;R2およびR3は同一もしくは異
    なり1価の炭化水素残基であり;X2は4価の芳香族残
    基で、これは更にヘテロ原子を含有していてもよい。)
    で表わされる環状イミノエステルから選ばれる少なくと
    も1種の化合物である請求項1に記載の光学用二軸配向
    ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 可視光吸収剤が、平均粒径10〜500
    nmの顔料または染料である請求項1に記載の光学用二
    軸配向ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 少なくとも片面に易滑易接着層が設けら
    れている請求項1、2または3に記載の光学用二軸配向
    ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 二軸配向ポリエステルフィルム側から入
    射した光の、易滑易接着層と二軸配向ポリエステルフィ
    ルムの界面における反射率が0.4%以下である請求項
    4に記載の光学用二軸配向ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 両面に易滑易接着層を設けた請求項4ま
    たは5に記載の光学用二軸配向フィルムの片面にハード
    コート層を、他面に粘着剤層を積層した光学用フィルム
    積層体。
  7. 【請求項7】 ハードコート層の露出面に、屈折率を異
    にする2層以上の薄膜層からなる多層反射防止層が設け
    られている請求項6に記載の光学用フィルム積層体。
  8. 【請求項8】 映像表示面貼合せ用である請求項6また
    は7に記載の光学用フィルム積層体。
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