JP2003081901A - ケタール及び/又はアセタールの製造方法 - Google Patents

ケタール及び/又はアセタールの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オレフィン類を分子状酸素により酸化する際、高
選択率で、且つ、触媒成分の析出を抑制しつつケタール及び
/又はアセタールを製造する方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも1個のエチレン性二重結合を
有するオレフィン類と、酸素及びアルコールとをパラジ
ウムを含む触媒の存在下で酸化反応させてケタール及び
/又はアセタールを製造する方法において、酸化反応後
の反応生成液から目的反応生成物を回収した後の触媒を
含むアルコール溶液を酸化反応系に再利用し、且つ、酸
化反応液中の水分量を20wt%以下に維持しつつ酸化
反応を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオレフィン類を分子状酸
素によって酸化し、ケタール及び/又はアセタールを製
造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オレフィン類を分子状酸素により酸化して得
られる対応するアルテ゛ヒト゛類又はケトン類は、工業的にも有用
な化合物であり、触媒反応によりこれらを合成すること
が古くから行われてきた。中でも有用な方法は、一般に
Wacker反応として知られている反応である。即ち、PdCl
2及びCuCl2を含む水溶液を触媒として、分子状酸素によ
り、エチレンからアセトアルテ゛ヒト゛、フ゜ロヒ゜レンからアセトンを製造する
方法が工業的にも採用された。しかしながら、この従来
のWacker反応においては、水溶液が強酸性条件下にあ
り、且つ腐食性の高い塩酸が存在する為、反応器及び周
辺機器に高級材質を必要とする点や、反応性のある基質
がエチレン、フ゜ロヒ゜レン等の低級炭化水素類に限定されている点
等、工業的に必ずしも有利なフ゜ロセスではなかった。
【0003】このような従来のWacker反応と類似の反応
として、Pdのヒト゛ロヘ゜ルオキシト゛錯体(Pd-OOH種)によるオレフィン
のケトン化反応も検討されてきた(特開昭57―1564
28(対応USP4400544)、特開昭60―92
236、特開昭61―60621)。この反応では、反
応の媒体として、従来のWacker反応で使用される水の代
わりにメタノール、エタノール等の一価のアルコールを用い、PdとCu及
び/又はFeの金属塩が触媒として用いられている。
【0004】また、J. Org. Chem . Vol..34 , 3949 (1
969)には、PdCl2とCuCl2を触媒として用い、エチレンク゛リコール
やク゛リセロール等の多価アルコールを反応溶媒とすることに
より、シクロヘキセンから1,4-シ゛オキソスヒ゜ロ[4,5]テ゛カンが高収率
で得られることが開示されているが、具体的な収率等の
詳細についての記載はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、オレフィ
ンから対応するアルテ゛ヒト゛類またはケトン類を合成する為の工
業的に有効な方法が種々検討されているが、従来法にお
いては、酸化反応系中でケタール及び/又はアセタール
の逐次酸化により生成する水により、ケタール及び/又
はアセタールの選択性が低下しやすく、且つ、触媒成分
が析出しやすい傾向にあるという問題点があることを本
発明者らは見出した。特に、反応後の触媒含有液を再度
酸化反応系に再利用する場合には、通常反応系中に水が
約30wt%以上溜まり込むと予想され、選択性の低下
や触媒成分の析出が顕著である点に本発明者らは着目し
た。
【0006】特に、カフ゜ロラクタムの前駆体として有用なシクロヘ
キサノンは、シクロヘキサンを必要に応じ触媒の存在下で酸化し、
得られるシクロヘキサノン-シクロヘキサノールの混合物を脱水素する方法
や、シクロヘキセンを水和して得られるシクロヘキサノールの脱水素反応
する方法等によって製造されている。しかし、前者の方
法は、シクロヘキサンの酸化の際、反応生成物が逐次酸化を受
けやすい為、転化率をかなり低いレヘ゛ルに抑えておく必要
があり、大過剰の未反応シクロヘキサンを循環させることが要
求され、その結果エネルキ゛ー効率の高くないフ゜ロセスとなって
いる。また、後者の方法では、水和反応の収率が十分で
ない点や、シクロヘキセンを沸点の極めて近いヘ゛ンセ゛ン、シクロヘキサン
の混合物と抽出分離する際や、沸点の高いシクロヘキサノン-シクロ
ヘキサノールの等モル程度の混合物からシクロヘキサノンのみを分離する
際に、大量のエネルキ゛ーを消費するという問題点があった。
【0007】従って、シクロヘキセン等のオレフィンから対応するアル
テ゛ヒト゛又はケトン、特にシクロヘキサノン等を選択性の低下を抑制し
つつ、触媒成分の析出を抑制して効率的に合成する手法
が可能であればその意義は極めて大きい。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、オレフィン類
の酸化反応におけるかかる問題点を解決すべく鋭意検討
を加えた結果、オレフィン類と酸素及びアルコールとを
反応させてケタール及び/又はアセタールを製造する際
に、酸化反応液中の水分量を特定量以下に維持しつつ酸
化反応を行うことにより、選択性の低下を抑制しつつ、
高収率で、且つ、触媒成分の析出を抑制してケタール及
び/又はアセタールを製造できることを見出し、本発明
に到達するに至った。
【0009】即ち、本発明の要旨は、少なくとも1個の
エチレン性二重結合を有するオレフィン類と、酸素及び
アルコールとをパラジウムを含む触媒の存在下で酸化反
応させてケタール及び/又はアセタールを製造する方法
において、酸化反応後の反応生成液から目的反応生成物
を回収した後の触媒を含むアルコール溶液を酸化反応系
に再利用し、且つ、酸化反応液中の水分量を20wt%
以下に維持しつつ酸化反応を行うことを特徴とするケタ
ール及び/又はアセタールの製造方法、に存する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明の詳細について述べ
る。本発明は、オレフィン類の酸化反応によりケタール
及び/又はアセタールを製造する際に、酸化反応後に反
応生成液から得られた触媒を含むアルコール溶液を酸化
反応系に再利用し、且つ、酸化反応系中の水分量を20
wt%以下に維持することにより、触媒成分の析出を抑
制しつつ、ケタール及び/又はアセタールを高選択的に
製造することを特徴とするものである。 (水分量)本発明においては、酸化反応系中の水分量を
常に20wt%以下に維持しつつ反応を行うが、目的物
の選択性を更に向上させ、触媒成分の析出を抑制するた
めには、好ましくは18wt%以下、より好ましくは1
5wt%以下、更には、12wt%以下、更に好ましく
は10wt%以下、特には8wt%以下、最も好ましく
は5wt%以下とするのがよい。水分量の特定法として
は、回分反応の場合には、通常反応終了時での水分量が
最大となるため、反応終了時での水分量を基準とするこ
とができる。また、連続反応の場合には、定常状態での
反応液中の水分量を上記特定範囲量とする必要がある。
水分量の特定は、カールフィッシャー法により測定する
ことが可能である水分量を本発明の特定量に維持する方
法としては、下記のような方法がある。 1)反応原料や触媒中の水含有量を予め除去する方法 2)反応系中で溜まり込む水を共沸により逐次除去する
方法 3)水の吸着物として、無水硫酸マグネシウム等の無水
金属塩やゼオライト等のモレキュラーシーブを反応液や
リサイクル触媒液中に共存させて吸着除去する方法 4)ケイ酸エチル等の有機珪素化合物を反応液やリサイ
クル触媒液中に添加し、その加水分解により水を除去す
る方法 5)リサイクル触媒液から水を蒸留除去する方法 6)リサイクル触媒液に酸素を含む、あるいは含まない
ガスを吹き込み、そのガスとともに水を同伴留去させる
方法 7)反応系で溜まり込んだ水が含まれているリサイクル
触媒液の一部を系外へパージし、反応系中の水含有量を
低下させる方法であり、必要に応じてパージで除去した
見合いの溶媒、触媒を補給する方法 上述した方法の中でも、系内にできるだけ不必要な成分
を加えないという観点から特に6)の方法が好ましい。
【0011】上述の4)の方法についての具体例を実施
例に記載した。 (触媒)本発明の触媒は、パラジウムを含む触媒であれ
ば特に制限はないが、好ましくは(a)ハ゜ラシ゛ウム、
(b)周期律表8,9,10,14族の中の少なくとも
1種のパラジウム以外の金属、及び(c)ハロゲンを含
む成分により構成される触媒を使用するのがよい。ここ
で、(a)〜(c)の成分は、反応系中において、解離
したイオン、塩又は分子等どのような形態で存在していて
もよい。
【0012】(a)ハ゜ラシ゛ウムは、二価〜四価の形態であ
ればよく、公知のもの、市販のもの等から任意に選定出
来る。例えば、塩化ハ゜ラシ゛ウム、臭化ハ゜ラシ゛ウム等のハロケ゛ン化ハ
゜ラシ゛ウム、硝酸ハ゜ラシ゛ウム、硫酸ハ゜ラシ゛ウム、酢酸ハ゜ラシ゛ウム、トリフ
ロロ酢酸ハ゜ラシ゛ウム、ハ゜ラシ゛ウムアセチルアセトナート等の無機酸又は有機
酸のハ゜ラシ゛ウム塩、酸化ハ゜ラシ゛ウム、水酸化ハ゜ラシ゛ウム等の無機ハ
゜ラシ゛ウムが挙げられる。また、これらの金属塩から誘導さ
れる塩基の配位した化合物、例えば、[Pd(en)2]Cl2,Pd
(phen)2]Cl2,[Pd(CH3CN)2]Cl2,[Pd(C6H5CN)2]Cl2,[Pd(C
2O4)2]2,[PdCl2(NH3)2],[Pd(NO2)2(NH3)2]等があるが、
これらに限定される訳ではない(ここでen:エチレンジ
アミン、phen:1,10−フェナントロリンを表す)。
これらのハ゜ラシ゛ウ源の中でも、二価のハ゜ラシ゛ウム源を反応に
供するのがよく、塩化物又はニトリル化合物が配位した
化合物として反応に供するのが好ましい。
【0013】触媒系におけるハ゜ラシ゛ウムの役割は、鉄イオンや
多価アルコールとの相互作用によって発現し、その作用状態
は必ずしも明らかでない。ハ゜ラシ゛ウムが他の触媒成分と活
性種を構成することによって活性を発現することに本質
があり、その本質を誘導するに足りるハ゜ラシ゛ウム源が系中
に存在していれば十分である。 (b)周期律表8,9,10,14族(IUPAC無機
化学命名法 1990年規則)の中の少なくとも1種の
パラジウム以外の金属としては、鉄、コバルト、ニッケ
ル、ルテニウム、スズがあげられ、好ましくは鉄であ
る。
【0014】鉄源となる触媒化合物は、二価又は三価の
形態であれば良い。例えば、塩化鉄(II)、塩化鉄(II
I)等の塩化物、臭化鉄(II)、臭化鉄(III)等の臭化
物、硫酸鉄(II)、硫酸鉄(III)、硝酸鉄(II)、硝
酸鉄(III)等の無機酸塩、酢酸鉄(II)、酢酸鉄(II
I)、シュウ酸鉄(II)、シュウ酸鉄(III)、ギ酸鉄、
アセチルアセトン鉄等の各種の塩又は配位化合物の形態で反応に
供することができる。ハ゜ラシ゛ウムと同様に、鉄が他の成分
と活性種を構成することによって活性を発現することに
本質があり、その本質を誘導するに足りる鉄源が系中に
存在していれば十分である。
【0015】コバルト、ニッケル、ルテニウム、スズ源
となる触媒化合物は、二価、三価、又は四価の形態であ
ればよい。具体的には、これらの塩化物、臭化物等のハ
ロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、蓚
酸塩、ギ酸塩、アセチルアセトナト塩などの各種の塩、
配位化合物が利用でき、特には塩化物であるのがよい。
(b)成分が、コバルト、ニッケル、ルテニウム、スズ
の場合には、更に銅と組み合わせるのが好ましい。
【0016】このような(b)成分の添加によりPd析出
を著しく抑制することが可能であるが、これに更にCuCl
やCuCl2等の銅化合物を添加すると、反応速度が向上
し、ハロケ゛ン化物等の副生成物が減少するという工業フ゜ロセス
として更に有利な結果を得ることができる。 (c)ハロケ゛ンはクロル(Cl)及び/又はブロム(B
r)であるが、特にクロル(Cl)が好ましい。ハロゲ
ンはPd及び/又はFeの対アニオンとして反応系中に存在
してもよい。また、他の触媒成分のハロケ゛ン化物として反
応系に供給する方法や、あるいはHCl、HBr等の形態で反
応系に供給する方法も可能であるが、いずれの場合でも
反応系中にイオンの形で存在することが必要である。中で
も(c)ハロゲンとしてのクロルは、(a)又は(b)の
塩化物として使用するのが好ましい。
【0017】本発明では上述した触媒が溶存する液相中
で、オレフィン類と、酸素及び多価アルコールとを反応
させてケタール及び/又はアセタールを製造する。 (オレフィン類)本発明の対象となるオレフィン類とは、少
なくともエチレン性の二重結合を1個以上含む脂肪族又
は脂環式の有機化合物である。鎖状のオレフィン類として
は、エチレン、フ゜ロヒ゜レン、フ゛テン、ヘ゜ンテン、ヘキセン、オクテン等の、通常、
炭素数2以上、好ましくは炭素数2〜25、更に好まし
くは炭素数3〜10のオレフィン類が挙げられ、この場合2
重結合の位置は末端である場合、内部である場合のどち
らでも良く、末端オレフィンの場合は、アセタールまたはメチルケトン類
のケタールが主として生成し、内部オレフィンであれば、対応す
るケタールが主として得られる。
【0018】環状オレフィン類としては、炭素数4〜10、
好ましくは炭素数5〜8のエチレン性二重結合を一個以
上もつ化合物であり、シクロヘ゜ンテン、シクロヘキセン、シクロヘキサシ゛エ
ン、シクロヘフ゜テン、シクロオクテン等があるが、特にシクロヘ゜ンテン、シクロヘ
キセンは工業的に有用な化合物である。オレフィン類としてシクロヘ
キセンを用いた場合には、生成物としては、1,4-シ゛オキソスヒ゜ロ
[4,5]テ゛カン(以下、シクロヘキサノンケタールとする)が生成す
る。
【0019】これらオレフィン類の主鎖のいずれかの位置にア
ルキル基、アルコキシ基、アリール基、フェニル基、カルホ゛キシル基、ハロケ゛ン
基、ニトロ基等の置換基が1つ以上存在しても構わない。
例えばアクリロニトリル、アクロレイン、アクリル酸、塩化ヒ゛ニルといった官
能基を2位に保有したオレフィン類、あるいは、スチレン、メチルスチ
レン類も良好に反応する。更には、3,4-シ゛ヒト゛ロナフタレン等の
縮合環を有する化合物であっても、エチレン性二重結合
を有する化合物であれば使用することができる。 (アルコール)本発明で使用するアルコールは、一価又
は多価アルコールが使用できるが、中でも多価アルコー
ルが好ましい。一価のアルコールとしては、メタノー
ル、エタノール、プロパノール等が挙げられる。多価ア
ルコールは、通常2価〜4価であり、中でもシ゛オール類が
好ましい。ジオールの場合には、通常、炭素数が2以上
であり、価格、安定性、アセタールやケタールの生成しやすさを
考慮すれば、好ましくは炭素数2〜10、好ましくは炭
素数2〜8のジオール類であり、具体的にはエチレング
リコール、1,3-プロパンジオール、1,2-ジヒドロキシブ
タン、1,2-ジヒドロキシプロパン、1,4−ブタンジオ
ール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−
シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、
1,2−トランスシクロペンタンジオール、2,4−ペ
ンタンジオール、スチレングリコール、1,5−ジヒド
ロキシシクロオクタン、1,4−ジヒドロキシシクロオ
クタン、2,5−ジヒドロキシノルボルナン、2,6−
ジヒドロキシノルボルナン、1,4−ジヒドロキシ−
2,3−ジメチルブタン、1,5−ジヒドロキシ−2,
4−ジメチルペンタン、シクロブタン−1,2−ジメタ
ノール、シクロヘキサン−1,3−ジメタノール、1,
4−ジヒドロキシ−2,3−ジクロロブタン、2,5−
ジヒドロキシヘキサンが好ましい。さらに好ましくは、
エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,
2−ジヒドロキシブタン、1,2−ジヒドロキシプロパ
ン、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、
ジエチレングリコール、1,2−トランスシクロペンタ
ンジオール、2,4−ペンタンジオール、スチレングリ
コールである。もちろんこれらを組み合わせて用いても
かまわない。
【0020】本発明においてアルコールの中でも多価アル
コールが好ましい理由は必ずしも明らかでないが、ハ゜ラシ゛ウム
が塩化物等の二価の形態から出発し、活性成分である二
価のヘ゜ルオキシ錯体を形成すると考えているが、これらの活
性成分にアルコールが関与して有効な活性種が導出されると
考えている。この役割に加え、生成したアルテ゛ヒト゛又はケトン
と反応して対応するアセタール又はケタールを生成することによ
り、遊離のアルテ゛ヒト゛やケトンに比較して、酸素酸化に対する
極めて高い安定性が確保される。これによって目的生成
物の選択率は極めて高いレヘ゛ルで維持することが可能とな
る。 (反応条件)本発明において反応は触媒が溶存する液相
中で行うのが好ましい。
【0021】本発明において、酸素を含むカ゛スを使用す
ることが必要条件であるが、酸素と有機化合物はある温
度、ある圧力領域、組成領域において、爆発性混合物を
作る可能性があるのでその危険性を回避することが必要
である。酸素の分圧は0.001Mpa以上であれば反応は進行
するが、酸素分圧が低いと反応速度が遅くなり、触媒が
失活する傾向がある。本発明においては、0.01〜10MPa
が好ましいく、更に0.05〜5Mpaが好ましいが、安全性、
経済性の観点からより好ましい圧力が選択される。
【0022】反応温度は、0度以上であれば反応が進行
するが、本発明では反応の温度依存性は大きいので、よ
り高温が好ましい。反応温度は、爆発性混合物の形成条
件や、ラシ゛カル自動酸化による副生物の増大を考慮して選
択するが、一般的には20度〜200度、好ましくは4
0度〜180度の温度において、経済的にも有為な反応
速度を得ることが出来る。反応の全圧は、酸素濃度によ
り異るが液相保持圧力以上であればよいが、通常0.1
〜20MPa、好ましくは0.1〜15MPaである。
また、反応時間(滞留時間)は、通常5秒〜20時間で
あり、好ましくは10秒〜10時間である。
【0023】触媒としての(a)ハ゜ラシ゛ウムの濃度は、全
反応液重量に対して、[Pd2+]として0.001wt%以上、10w
t%以下の範囲であり、好ましくは0.01wt%以上5wt%
以下である。高濃度条件下では、反応速度の濃度依存性
が、低濃度条件下とは異なる挙動を示し、触媒効率が悪
くなる傾向にある為、経済的な観点から効率的な濃度が
選択される。
【0024】(b)周期律表8,9,10,14族の中
の少なくとも1種のパラジウム以外の金属Mの濃度は
(a)ハ゜ラシ゛ウムに対する相対濃度で記述することができ
る。即ち通常、0.1<[M]/[Pd]<100(モル比)であり、好
ましくは0.1<[M]/[Pd]<10(モル比)の範囲で選ぶことが
できる。これよりも低い濃度では、反応速度が低下する
傾向にあり、(b)金属の主たる効果であるPd析出の抑
制効果が小さくなる傾向にある。また多く添加すると反
応そのものは阻害しないが、反応系への溶解量に制限の
出る傾向がある。
【0025】触媒成分として銅を使用する場合には、
(b)周期律表8,9,10,14族の中の少なくとも
1種のパラジウム以外の金属に対して、0.1〜100
モル比の量使用するのが好ましい。 (c)ハロゲンのPdに対する相対濃度は、通常1<[Cl
and/or Br]/[Pd]<100(モル比)の範囲であり、好ましく
は0.3<[Cl and/or Br]/[Pd]<50である。ハロケ゛ン濃度が
高い状況においては、反応器中の水により反応器材質の
腐食の懸念があるので、ハロケ゛ン濃度は、なるべく低い領
域で触媒系が機能する様に選択するのがよい。また副生
成物の一部には、触媒系由来のハロケ゛ンを含む成分が生成
する場合があり、その場合には、連続的或いは定期的に
消費されたハロケ゛ンを、例えば金属塩の形で補給する方が
良い。
【0026】反応系中のアルコール類の存在量は、オレフィ
ンに対して理論量(1モル)であればよいが、本発明に
おいては、反応溶媒をかねて使用するのが好ましい。通
常反応容積全体に対して、1vol%以上99vol%以下であ
り、好ましくは5vol%以上99vol%以下の範囲内である。
また、アルコールはオレフィンに対して、通常1〜10
0モルであり、好ましくは2〜50モルである。反応系
中のオレフィン類の存在量は、1vol%以上99vol%以下、好ま
しくは1vol%以上50vol%以下の範囲で選ぶことができ
る。
【0027】アルコール類の濃度が相対的に低い、即ち、オレフ
ィン類の相対濃度が高すぎると、触媒成分の一部がオレフィン
相に分配し、ハ゜ラシ゛ウムの析出が起こりやすくなる傾向が
ある。逆にアルコール濃度が高いと、供給されるオレフィン濃度が
相対的に低くなり、生産性及び反応後の相分離しにくく
なる傾向がある。また反応系に酸化反応に不活性な第3
成分を添加して、アルコール類及びオレフィン類の相対濃度を調整
し、更には相分離特性を向上させることも可能である。
【0028】本発明においては、更に別の成分を加えて
活性及び反応性を上げることも可能である。例えば、酸
化反応の促進効果のある添加剤、例えば、銅化合物、アル
カリ、アルカリ土類及び希土類等を添加してもよい。また、ラシ
゛カルトラッフ゜剤を添加して副反応の抑制する方法を採用して
もよい。本発明の反応の中でも、特にシクロヘキセンからシクロヘキ
サノンを製造する方法の様に大量に生産される工業フ゜ロセスに
おいては、微量の不純物であっても、フ゜ロセス全体の物質
収支を考慮すると、効率的な分離が要求されるものがあ
る。例えば、シクロヘキセノン、シクロヘキセノール、
クロルシクロヘキサノン、シクロヘキセノンケタール等
の特に分離しにくく、また生成物に悪影響を与える可能
性のある不純物は極力生成を抑制すべきである。
【0029】本発明の反応形式は一般的な酸化反応に従
って行うことができる。触媒の各成分が溶液状態で存在
する場合は、回分反応器により特定の反応時間、オレフィン
類を酸素を含むカ゛スと接触させて酸化反応を進行させる
こともでき、連続相反応器により、酸素を含むカ゛ス及びオ
レフィン類を連続的に供給して酸化反応を進行させることも
できる。一方、本発明の触媒成分が、固定化されている
場合においては、前述の液相反応を使用することも出来
るし、固定床に触媒を充填し、液相状態として対応する
オレフィン類及び酸素を供給するいわゆるトリクルヘ゛ット゛方式を採
用することができる。本発明は特に連続流通系により反
応を行うのが、発明の効果が顕著であるという点で好ま
しい。
【0030】酸素の供給は、酸素を含むカ゛スを攪拌翼に
よって細かい気泡とする手法、更には反応器の内側に邪
魔板を設け、酸素カ゛スを細かい気泡とする手法、ノス゛ルよ
り高線速で系中に噴霧する手法等により、反応溶液系へ
の酸素の溶解に有効な手法を採用することができる。 (酸化反応後の処理)酸化反応後の反応生成液中には、
原料オレフィン、生成物であるケタール及び/又はアセタール、
触媒成分及びアルコールが含まれている。反応生成液が加圧
状態にある場合には、圧力をある程度解放し、低圧化さ
せてもよい。本発明においては、酸化反応後の反応生成
液から得られた触媒成分を含むアルコール溶液を酸化反
応系に再循環する。
【0031】反応生成液中のオレフィンとケタール及び/又はアセタ
ールの沸点がアルコール溶媒と大きく異なり低沸点である場合
は、反応生成液から直接それらの低沸点成分(オレフィンとケ
タール及び/又はアセタール)を蒸留により分離することができ
る。この場合、蒸留の缶出液として得られる触媒成分を
含むアルコール溶液は、酸化反応工程に再循環する。また、オ
レフィンとケタール及び/又はアセタールの沸点がアルコール溶媒よりも高
沸点側にある場合は、触媒を含むアルコール相と反応生成物
及び未反応オレフィンを含む有機相とにそのまま相分離する
ことができる。或いは、アルコールと二相を形成する有機溶
媒等の抽出溶媒を添加して、抽出によりニ相分離を行
い、オレフィンとケタール及び/又はアセタールを含む抽出溶媒相と触
媒成分を含む多価アルコール相とに分離することができる。
【0032】抽出溶媒としては、水素結合を作れない化
合物、活性水素原子をもつが電子供与体をもたない化合
物が使用できる。具体的には、ベンゼン、n−ヘキサ
ン、シクロヘキサン、トルエン、1−ヘキセン、1,3
−ブタジエン、スチレンなどの炭化水素、クロロホル
ム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタンなどのハロ
ゲン化炭化水素、硫化物、メルカプタンなどがあげら
れ、好ましくは炭化水素化合物である。本発明の酸化反
応プロセスをベンゼンの部分水素化反応プロセスと組み
合わせる場合には、未反応のベンゼンや副生するシクロ
ヘキサンが抽出溶剤としても機能するため本発明に好都
合である。
【0033】抽出溶媒の量としては、オレフィンやアル
コールの種類によって異なるが、通常、アルコールも含
めた酸化反応後の混合物全量に対して、容積比で、0か
ら100倍、好ましくは0から50倍、さらに好ましく
は0から10倍である。抽出は、回分操作で行うのが簡
単であるが、場合によっては並流あるいは向流の多段抽
出で行ってもよい。また、連続的に抽出を行っても良
い。本発明では連続的に抽出を行うのが好ましい。
【0034】本発明では相分離又は蒸留分離後の触媒成
分含有アルコール相は、酸化反応系へ循環して再利用す
るが、場合によってはPdイオンの還元を防止するため
に酸素含有ガス(例えば空気)の存在下にリサイクルさ
せるのが好ましい。また反応によって一部還元状態にな
っている触媒を酸素含有ガス(例えば空気)により酸化
状態にもどしてから反応系へ循環させても良い。この場
合の条件は0から150℃、0.01から10MPaの
酸素分圧である。このリサイクル液中のシクロヘキセン
の量はPdの還元を促進するためできるだけ少ないのが
好ましい。シクロヘキセンの濃度としては、3wt%以
下、好ましくは2wt%以下、さらに好ましくは1wt%以下
である。
【0035】ニ相分離の際、オレフィンとケタール及び/又はアセタ
ールを含む抽出溶媒側に微量の触媒成分が混入した場合に
は、抽出溶媒相を更にアルコール溶媒で二回以上の抽出操作
を行うことによって、抽出溶媒相中の触媒成分の残存量
を無視できるレヘ゛ルまで低減させることもできる。また、
一回目のニ相分離の後、抽出溶媒相からオレフィンとケタール及
び/又はアセタールを蒸留により分離し、抽出溶媒相中の残
存触媒濃度をある程度高めてから、再度抽出操作を行う
といった手法も可能である。
【0036】生成物を含む抽出溶媒相又は有機相からは
通常オレフィンとケタール及び/又はアセタールを抽剤と分離して回収
し、次いでケタール及び/又はアセタール類を蒸留分離により取
り出すことができる。上述したように反応器内において
は、ケタール類の生成時に、微量ながら起こる逐次酸化によ
り水が生成する。生成した水は本発明の特定量以下に維
持することが好ましいが、それでもごく微量の水と共
に、系中にCl等のハロケ゛ン成分が存在していると、その反
応器腐食に関わる懸念は大きい。従って、塩化水素等の
腐食性の酸に対して、耐性の大きな材質を必要な箇所に
使用することが必要である。
【0037】反応圧力が余り高くない領域においては、
カ゛ラス、セラミック、テフロン(登録商標)等の材質を使用す
ることができるし、反応圧力が高い場合においては、一
般に耐腐食性反応容器とされるもの、即ち、各種のステンレ
ス合金、特に通称ハステロイと呼ばれているもの、チタンを含む
合金、シ゛ルコニウムを含む合金等の容器、あるいはこれらの
合金を表面に塗布、圧着した容器を使用することが好ま
しい。特に反応器は、腐食の可能性の高いところである
が、更に静置槽、分離槽を設ける場合には、この部位が
腐食の可能性が高い。更に、生成物を含む油相の蒸留等
では、触媒成分が残存している場合においては、ハロケ゛ン
成分が濃縮される可能性があり腐食の可能性が高い。こ
れらの主たる容器、それに付属する配管は腐食の可能性
の高さに応じて、経済的に許される範囲において耐腐食
性の材質を使用することが好ましい。
【0038】反応系中に必須の成分として存在するアルコー
ル類は、酸化反応に対して全く不活性ではない。また極
微量ではあるが、オレフィン類の逐次酸化による生成物で極
性がアルコール類に近いものもある。従って、長時間回分反
応を繰り返す場合や、連続反応においては、触媒成分を
含むアルコール相には、アルコール類やオレフィン類由来の本反応には
必ずしも好ましくない成分が蓄積していく。フ゜ロセスを安
定に運転する為には、全体の物質収支をきちんと制御す
ることが必要である。従って、これらの不純物の生成速
度及び、逐次酸化成分の生成速度見合いで、触媒を含む
アルコール相の一部を系外に除去し、新しく触媒原料液を補
給することが必要になる。この際、系外に除去された触
媒成分は、除去率が大きく、経済的負担が大きい場合に
は、触媒成分を回収することが必要である。その方法に
制限はないが、有機物の除去、洗浄、金属成分の回収と
いった手法が有効である。
【0039】また、ニ相分離した生成物(ケタール及び/又
はアセタール)を含む抽出溶媒相から有機溶媒などの抽出溶
媒を蒸留により回収する場合にも、同様に不純物の蓄積
が起こる場合があり、この場合にも、抽出溶媒の一部を
系外に除去し、新しい抽出溶媒を補給することができ
る。本発明において得られたケタール及び/又はアセタール類
は、水及び酸の存在下に加水分解反応させることにより
対応するケトン類及び/又はアルテ゛ヒト゛類に変換される。この
場合用いる酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱
酸、ヘテロホ゜リ酸等のホ゜リ酸、イオン交換樹脂、セ゛オライト、粘土等
の固体酸を使用することができる。得られたアルテ゛ヒト゛類
及び/又はケトン類に富む反応生成液から、水及び多価アルコ
ール類を回収し、目的物であるアルテ゛ヒト゛類やケトン類を分離、
精製することによって、目的とするアルテ゛ヒト゛類、ケトン類を
効率的に得ることができる。
【0040】また、本発明において得られたケタール及び/
又はアセタール類は、水、水素源及び水素化触媒の存在下に
おいて水素化反応させることにより、対応するアルコール類
に効率的に変換することができる。水素源としては、水
素、ホルマリン、ソシ゛ウムホ゛ロハイト゛ライト゛(NaBH4)等が挙げられ、
水素化触媒としては、ラネーNi、ラネーCo、Cu-Crを含む酸化
物、Pd,Pt,Ru等の第8族金属を各種担体に担持した触
媒、Ru、Pt、Pd等の第8族金属を中心金属とする錯体触
媒等が挙げられる。水素化反応により得られたアルコール類
に富む反応生成液から、水やアセタール及び/又はケタールを形
成していたアルコールを回収し、目的物であるアルコールを分離、
精製することによって、目的とするアルコール類を効率的に
得ることができる。
【0041】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。 (実施例1)マク゛ネチック攪拌子を備えた、内径40mm、高さ15
mmの円筒型テフロンヒ゛ーカーを、これが丁度はまる耐圧100kGの
SUS-316製オートクレーフ゛に装置し、これに、0.1ミリモルのPd(CH3
CN)2Cl2、0.1ミリモルのCuCl2、0.1ミリモルのFeCl3、エチレンク゛リコー
ル10g、シクロヘキセン20mmolを仕込み、反応温度80
度、酸素圧力7kGで1時間反応を行った。反応後、反応
生成液にヘキサン10mlを添加したところ、未反応の
シクロヘキセンと生成物(シクロヘキサノンケタール及びシクロヘキサノン)
を含むヘキセン相(有機相)と、触媒とエチレングリコ
ールを含むアルコール相に完全に相分離した。ヘキセン
相をGCにより分析したところ、シクロヘキセンの転化
率30%、シクロヘキサノンとシクロヘキサノンケター
ルの選択率96%であり、(シクロヘキサノンケタール
選択率が92.3%、シクロヘキサノン選択率が2.7
%)副生成物としては、シクロヘキセノンが主であっ
た。なお反応終了時の水の含有量は2wt%以下であった。
【0042】抽出により回収された触媒を含むエチレン
グリコール相に、ケタールとして消費された量に等しい
エチレングリコールと新たにシクロヘキセン20mmo
l加えた。次いで同じ条件で2回目の反応を行ったとこ
ろ、シクロヘキセンの転化率29%、シクロヘキサノン
とシクロヘキサノンケタールの選択率95%であり、1
回目の反応成績が維持されていた。2回目の反応により
水分は最大1wt%増加すると考えられる。
【0043】また、上記と同じく、マク゛ネチック攪拌子を備
えた、内径40mm、高さ15mmの円筒型テフロンヒ゛ーカーを、これ
が丁度はまる耐圧100kGのSUS-316製オートクレーフ゛に装置し、
これに、0.1ミリモルのPd(CH3CN)2Cl2、0.1ミリモルのCuCl2、0.
1ミリモルのFeCl3、エチレンク゛リコール10g、シクロヘキセン20mmol
を仕込み、これへケイ酸エチルを10mmol添加し
て、反応温度80度、酸素圧力7kGで1時間反応を行っ
た。その結果、シクロヘキセンの転化率30%、シクロ
ヘキサノンケタール選択率が100%であり、シクロヘ
キサノンケタールが選択的に生成した。 (実施例2、3及び比較例1)実施例1と同様にして、
1回目の酸化反応を行った後に相分離した触媒を含むア
ルコール相を再利用して繰り返し反応を行い、水が蓄積
した場合を想定した実験を行った。下記表−1に示した
水分量(2回目の酸化反応液中の最大量)となるように
水を添加したこと以外は、実施例1と同様に2回目の酸
化反応を行った。その結果を表−1に示す。それぞれ反
応により増加する水は1wt%以下になる。
【0044】
【表1】
【0045】このように、反応系中の水分量が20wt
%以下であれば、Pdブラックの生成も無く、顕著な反
応成績の低下は見られない。20wt%以上になると、
Pdの析出が見られ、選択率も大きく低下する。また、
水分量が20wt%以下であっても、水分量の増加にと
もない、少しずつ活性、選択率は低下してくる。しか
し、実施例1に示したように、例えば、ケイ酸エチルを
添加し、生成してくる水を除去する事によりシクロヘキ
サノンケタールの選択率が上昇する。シクロヘキサノン
は追酸化を受け、シクロヘキセノン等に酸化されるおそ
れがあるため、シクロヘキサノンケタール選択率が高い
のが好ましい。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、Pd成分の析出を抑制し
つつ、高転化率且つ高選択率で、オレフィン類からケタール及び
/又はアセタールを製造することが可能となり、工業的な利
用価値が高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 35/08 C07C 35/08 43/30 43/30 45/42 45/42 49/403 49/403 A // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 武脇 隆彦 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 4G069 AA06 AA10 BA27A BA27B BB04A BB05A BB08A BB08B BB10A BB12A BC20A BC21A BC22A BC31A BC31B BC65A BC66A BC66B BC67A BC68A BC69A BC70A BC72A BC72B BD12A BD12B BD13A BE08A BE11A BE13A BE13B BE44A BE46A BE46B CB07 CB70 GA20 4H006 AA02 AC41 AC43 AC44 BA05 BA11 BA18 BA19 BA23 BA25 BA37 BA46 BA60 BA61 BA66 BB14 BC10 BC11 BC31 BC32 BD32 BD52 BE20 BE30 BE60 FC22 FE12 GN21 GP02 4H039 CA60 CA61 CA62 CB20 CC40 CE20

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1個のエチレン性二重結合を
    有するオレフィン類と、酸素及びアルコールとをパラジ
    ウムを含む触媒の存在下で酸化反応させてケタール及び
    /又はアセタールを製造する方法において、酸化反応後
    の反応生成液から目的反応生成物を回収した後の触媒を
    含むアルコール溶液を酸化反応系に再利用し、且つ、酸
    化反応液中の水分量を20wt%以下に維持しつつ酸化
    反応を行うことを特徴とするケタール及び/又はアセタ
    ールの製造方法。
  2. 【請求項2】 酸化反応液中の水分量を15wt%以下
    に維持しつつ酸化反応を行う請求項1に記載のケタール
    及び/又はアセタールの製造方法。
  3. 【請求項3】 酸化反応後に、ケタール及び/又はアセ
    タールと未反応オレフィン類を含む有機相と、触媒及び
    アルコールを含むアルコール相とに相分離し、次いで分
    離したアルコール相を酸化反応系に再循環する請求項1
    又は2に記載のケタール及び/又はアセタールの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 触媒として、(a)パラジウム、(b)
    周期律表8,9,10,14族の中の少なくとも1種の
    パラジウム以外の金属、及び(c)ハロゲンの存在下反
    応を行う請求項1〜3のいずれかに記載のケタール及び
    /又はアセタールの製造方法。
  5. 【請求項5】 触媒として更に銅を含有する請求項4に
    記載のケタール及び/又はアセタールの製造方法。
  6. 【請求項6】 オレフィン類が炭素数4〜10の環状オ
    レフィンである請求項1〜5に記載のケタール及び/又
    はアセタールの製造方法。
  7. 【請求項7】 オレフィン類が炭素数2〜25の末端オ
    レフィンである請求項1〜5に記載のケタール及び/又
    はアセタールの製造方法。
  8. 【請求項8】 オレフィン類が炭素数4〜25の内部オ
    レフィンである請求項1〜5に記載のケタール及び/又
    はアセタールの製造方法。
  9. 【請求項9】 多価アルコール類が脂肪族又は脂環式の
    ジオール類である請求項1〜8のいずれかに記載のケタ
    ール及び/又はアセタールの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の方法
    により得られたケタール及び/又はアセタールを、酸触
    媒の存在下加水分解させてケトン及び/又はアルデヒド
    を製造する方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9のいずれかに記載の方法
    により得られたケタール及び/又はアセタールを、水、
    水素源及び水素化触媒の存在下に水素と反応させること
    によりアルコール類を製造する方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022080751A1 (ko) * 2020-10-12 2022-04-21 주식회사 엘지화학 아크릴로니트릴 이량체의 제조 방법

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