JP2003081078A - 車輌用制動制御装置 - Google Patents
車輌用制動制御装置Info
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Abstract
ピン状態になった際の車輌の後進や車輌の登坂制動の際
のアンチスキッド制御時に於ける車輌のずり下がりを確
実に且つ効果的に防止する。 【解決手段】 全ての車輪がアンチスキッド制御中であ
るか否かの判別(S20)、全ての車輪の車輪速度が急
激に低下する状況であるか否かの判別(S30)、全て
の車輪のアンチスキッド制御の制御モードが減圧モード
であるか否かの判別(S40)が行われ、これらの判別
が所定の時間Tct以上に亘り継続して肯定判別である場
合に於いて(S50〜70)、アンチスキッド制御開始
後に全ての車輪がロックしたことが判定され(S8
0)、しかる後全ての車輪の回転方向が逆転した旨の判
別(S90)が行われた場合に、全ての車輪の制動力が
増大され、車輌の後進が阻止される(S100)。
Description
制動制御に係り、更に詳細には制動制御装置に係る。
して、例えば特開平8−48230号公報に記載されて
いる如く、アンチスキッド制御が行われている状況に於
いて少なくとも一つの車輪の車輪速度が零となった場合
に、車輌がスピン状態にあると判定し、制動力を増大さ
せるよう構成された制動制御装置が従来より知られてい
る。かかる制動制御装置によれば、車輌がスピン状態に
なり車輌が後進する状況になっても車輌を速やかに停止
させることができる。
制御が行われている状況に於いて少なくとも一つの車輪
の車輪速度が零となった場合であっても、その後車輌が
スピンにより後向き状態になり車輌が後進するか否かは
不明であるため、上述の従来の制動制御装置によっては
スピンに起因する車輌の後進を正確に判定することがで
きず、従ってスピンに起因する車輌の後進が生じたか否
かに応じた適正な対応を取ることが困難である。
は、アンチスキッド制御が行われている状況に於いて少
なくとも一つの車輪の車輪速度が零となったことが判定
された場合にも、当該車輪の車輪速度が零である旨の判
定が比較的長い所定の時間に亘り継続して行われるま
で、車輌のスピンに起因して車輌が後進する虞れがある
か否かを判定することができない。
の車輪速度が零である旨の判定が継続して行われたとし
ても、車輌が後進状態になったことを確実に判定するこ
とはできないので、車輌がスピン状態にはなったが後進
せず前進可能な状況にある場合には、制動力が不必要に
増大されることになり、そのため制動力の増大が車輌の
前進再開に支障となる虞れがある。
ド制御が行われると、坂道の傾斜角等によっては重力に
起因して車輌がずり下がる現象が生じることがあるが、
上述の従来の制動制御装置によってはかかる現象を特定
することができず、従って車輌の登坂状況に於いてアン
チスキッド制御が行われた際に生じる車輌のずり下がり
を防止することができない。
ける如上の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発
明の主要な課題は、車輌がスピン状態になった場合や車
輌の登坂状況に於いてアンチスキッド制御が行われた場
合には、車輪の回転方向の逆転の有無を判定することに
より、車輌がスピン状態になった際の車輌の後進や車輌
の登坂制動時に於ける車輌のずり下がりの有無を正確に
且つ速やかに判定し、これにより不必要な制動力の増大
を回避しつつ車輌がスピン状態になった際の車輌の後進
や車輌の登坂制動時に於ける車輌のずり下がりを確実に
且つ効果的に防止することである。
発明によれば、所定の車輪の回転方向を検出する車輪回
転方向検出手段と、所定の車輪についてアンチスキッド
制御が行われている状況に於いて前記所定の車輪がロッ
クしたか否かを判定する手段と、前記所定の車輪のロッ
クが判定された後に前記所定の車輪の回転方向が当該車
輪のロック前の回転方向に対し逆転したか否かを前記車
輪回転方向検出手段の検出結果に基づいて判定する手段
と、前記所定の車輪の回転方向が逆転したと判定された
ときには少なくとも左右一対の車輪の制動力を増大させ
る制動力制御手段とを有する車輌用制動制御装置(請求
項1の構成)、又は全ての車輪の回転方向を検出する車
輪回転方向検出手段と、全ての車輪についてアンチスキ
ッド制御が行われている状況に於いて全ての車輪がロッ
クしたか否かを判定する手段と、全ての車輪のロックが
判定された後に過半数の車輪の回転方向がそれらの車輪
のロック前の回転方向に対し逆転したか否かを前記車輪
回転方向検出手段の検出結果に基づいて判定する手段
と、前記過半数の車輪の回転方向が逆転したと判定され
たときには全ての車輪の制動力を増大させる制動力制御
手段とを有する車輌用制動制御装置(請求項2の構成)
によって達成される。
ンチスキッド制御が行われている状況に於いて車輌がス
ピン状態になり後進する場合には、アンチスキッド制御
中に全ての車輪がロックし、その状態がしばらく継続す
る間に車輌が後ろ向きになり、しかる後車輌が慣性によ
り後向きに移動し始める。従ってアンチスキッド制御中
に全ての車輪がロックし、ロックの前後に於いて全ての
車輪の回転方向が逆転したか否かを判定するにより、車
輌がスピン状態になり後進し始めたか否かを判定するこ
とができる。
ド制御が行われる状況に於いて車輌がずり下がる場合に
は、アンチスキッド制御中に全ての車輪がロックし、そ
の状態がしばらく継続した後に重力の作用により車輌の
後向きの移動が開始される。従ってこの場合にも、アン
チスキッド制御中に全ての車輪がロックし、ロックの前
後に於いて全ての車輪の回転方向が逆転したか否かを判
定するにより、車輌の登坂制動時に車輌がずり下がり始
めたか否かを判定することができる。
態になり後進し始める場合や車輌の登坂時にアンチスキ
ッド制御が行われる状況に於いて車輌がずり下がる場合
には、全ての車輪に於いて上述の現象が生じるので、車
輌がスピン状態になり後進し始めたか否かを判定したり
車輌がずり下がり始めたか否かを判定するに当り、必ず
しも全ての車輪について上述の現象が生じたか否かを判
定する必要はなく、全ての車輪のうちの一部について上
述の現象が生じたか否かを判定してもよい。
についてアンチスキッド制御が行われている状況に於い
て所定の車輪がロックしたか否かが判定され、所定の車
輪のロックが判定された後に所定の車輪の回転方向が当
該車輪のロック前の回転方向に対し逆転したか否かが車
輪回転方向検出手段の検出結果に基づいて判定され、車
輪回転方向の逆転が検出されたときには少なくとも左右
一対の車輪の制動力が増大されるので、アンチスキッド
制御が行われている状況に於いて車輌がスピン状態にな
り後進し始めた場合や、車輌の登坂時にアンチスキッド
制御が行われる状況に於いて車輌がずり下がり始めた場
合には、そのことを確実に判定することができる。
況に於いて車輌がスピン状態になり後進し始めた場合
や、車輌の登坂時にアンチスキッド制御が行われる状況
に於いて車輌がずり下がり始めた場合には、左右一対の
車輪の制動力が増大されることによって車輌の挙動を乱
すことなく車輌を確実に停止させることができ、また車
輌がスピン状態にはなったが後進してはいない場合や、
車輌の登坂時に於けるアンチスキッド制御中に所定の車
輪がロックしたが車輌は後退していない場合に、左右一
対の車輪の制動力が不必要に増大されること及びこれに
起因してその後の車輌の前進走行に支障をきたすことを
確実に防止することができる。
いては、車輪のロックが最初に判定された時点より比較
的長い時間に亘り車輪のロックが継続して判定されない
限り、車輌が後進するであろうと推定することができな
いが、上記請求項1の構成によれば、ロックの前後に於
ける所定の車輪の回転方向が逆転したか否かが判定され
ることによって車輌の後進が確実に判定されるので、所
定の車輪のロックが最初に判定された時点より所定の車
輪の回転方向の逆転を判定するまでの時間は短くてよ
く、従って従来の制動制御装置の場合に比して遅れなく
確実に車輌の後進を阻止することができる。
車輪についてアンチスキッド制御が行われている状況に
於いて全ての車輪がロックしたか否かが判定され、全て
の車輪のロックが判定された後に全ての車輪のうちの過
半数の車輪の回転方向がそれらの車輪のロック前の回転
方向に対し逆転したことが車輪回転方向検出手段の検出
結果に基づいて判定されたときには、全ての車輪の制動
力が増大されるので、上記請求項1の構成の場合と同様
の作用効果を得ることができると共に、上記請求項1の
構成の場合に比して一層確実に車輌の後進を判定し阻止
することができる。
い態様によれば、上記請求項1又は2の構成に於いて、
制動力制御手段は所定の制動力増大時間に亘り制動力を
増大させるよう構成される(好ましい態様1)。
ば、上記請求項1の構成に於いて、所定の車輪の回転方
向が逆転したか否か判定する手段は所定の車輪のロック
が判定された時点より所定の時間が経過した後に所定の
車輪の回転方向が逆転したか否かを判定するよう構成さ
れる(好ましい態様2)。
ば、上記請求項2の構成に於いて、過半数の車輪の回転
方向が逆転したか否かを判定する手段は全ての車輪のロ
ックが判定された時点より所定の時間が経過した後に過
半数の車輪の回転方向が逆転したか否か判定するよう構
成される(好ましい態様3)。
ば、上記請求項1又は2の構成に於いて、車輪回転方向
検出手段は車輪の回転方向を検出可能な車輪速度センサ
であるよう構成される(好ましい態様4)。
ば、上記好ましい態様4の構成に於いて、車輪がロック
したか否かを判定する手段は車輪速度センサにより検出
される車輪速度が零であるか否かにより車輪がロックし
たか否かを判定するよう構成される(好ましい態様
5)。
ば、上記請求項1の構成に於いて、車輌は左右前輪及び
左右後輪を有し、所定の車輪は車輌が旋回状態にあると
きには旋回外側後輪に設定され、車輌が直進状態にある
ときには左右前輪又は左右後輪に設定されるよう構成さ
れる(好ましい態様6)。
ば、上記請求項1の構成に於いて、車輌は左右前輪及び
左右後輪を有し、所定の車輪は車輌が旋回状態にあると
きには旋回外側前輪に設定され、車輌が直進状態にある
ときには左右前輪又は左右後輪に設定されるよう構成さ
れる(好ましい態様7)。
ば、上記請求項1の構成に於いて、制動力制御手段は全
ての車輪の制動力を増大させるよう構成される(好まし
い態様8)。
ば、上記請求項2の構成に於いて、車輪の回転方向が逆
転したか否かを判定する手段は全ての車輪の回転方向が
それらの車輪のロック前の回転方向に対し逆転したか否
かを判定するよう構成される(好ましい態様9)。
ば、上記請求項1の構成に於いて、所定の車輪がロック
したか否かを判定する手段は所定の車輪についてアンチ
スキッド制御が行われており且つ推定車体速度の低下率
が制限されている状況に於いて所定の車輪がロックした
か否かを判定するよう構成される(好ましい態様1
0)。
ば、上記好ましい態様10の構成に於いて、所定の車輪
がロックしたか否かを判定する手段は所定の車輪につい
てアンチスキッド制御が行われており且つ推定車体速度
の低下率が制限されており且つ全ての車輪の制御モード
が制動力低減モードである状況に於いて所定の車輪がロ
ックしたか否かを判定するよう構成される(好ましい態
様11)。
ば、上記請求項2の構成に於いて、全ての車輪がロック
したか否かを判定する手段は全ての車輪についてアンチ
スキッド制御が行われており且つ推定車体速度の低下率
が制限されている状況に於いて全ての車輪がロックした
か否かを判定するよう構成される(好ましい態様1
2)。
ば、上記好ましい態様12の構成に於いて、全ての車輪
がロックしたか否かを判定する手段は全ての車輪につい
てアンチスキッド制御が行われており且つ推定車体速度
の低下率が制限されており且つ全ての車輪の制御モード
が制動力低減モードである状況に於いて全ての車輪がロ
ックしたか否かを判定するよう構成される(好ましい態
様13)。
発明を好ましい実施形態について詳細に説明する。
い実施形態を示す概略構成図である。
車輌12の左右の前輪を示し、10RL及び10RRはそれ
ぞれ車輌の駆動輪である左右の後輪を示している。従動
輪であり操舵輪でもある左右の前輪10FL及び10FRは
運転者によるステアリングホイール14の転舵に応答し
て駆動されるラック・アンド・ピニオン式のパワーステ
アリング装置16によりタイロッド18L及び18Rを介
して操舵される。
22によりホイールシリンダ24FR、24FL、24RR、
24RLの制動圧が制御されることによって制御されるよ
うになっている。図には示されていないが、油圧回路2
2はオイルリザーバ、オイルポンプ、ホイールシリンダ
内の圧力を増減するための増減圧制御弁の如き種々の弁
装置等を含み、各ホイールシリンダの制動圧は通常時に
は運転者によるブレーキペダル26の踏み込み操作に応
じて駆動されるマスタシリンダ28内の圧力Pmに応じ
て電気式制御装置30により増減圧制御弁が制御される
ことによって制御され、また各車輪の制動圧は必要に応
じて電気式制御装置30により個別に制御される。
車輪の車輪速度Vwi(i=fr、fl、rr、rl)を検出する
車輪速度センサ32FR〜32RLが設けられており、車輪
速度センサ32FR〜32RLは車輌の前進方向を正として
対応する車輪の車輪速度Vwi(回転速度及び回転方向)
を検出し、車輪速度Vwiを示す信号を電気式制御装置3
0へ出力する。また電気式制御装置30には圧力センサ
34よりマスタシリンダ圧力Pmを示す信号及びアンチ
スキッド制御装置36よりアンチスキッド制御(ABS
制御)に関する情報を示す信号が入力される。
制御装置30及びアンチスキッド制御装置36は例えば
CPUとROMとRAMと入出力ポート装置とを有し、
これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された
一般的な構成のマイクロコンピュータを含んでいる。
示されたフローチャートに従い、各車輪の制動力を制御
する。特に電気式制御装置30は、全ての車輪について
アンチスキッド制御が行われている状況に於いて全ての
車輪がロックしたか否かを判定すると共に、全ての車輪
のロックが判定された時点より所定の時間が経過した後
に全ての車輪の回転方向が車輪ロック前の回転方向に対
し逆転したか否かを判定し、全ての車輪の回転方向の逆
転が判定されたときには全ての車輪の制動力を増大さ
せ、これにより車輌がスピン状態になった際の車輌の後
進や登坂の際のアンチスキッド制御時に於ける車輌のず
り下がりを防止する。
の如く図3に示されたフローチャートに従い、各車輪の
車輪速度Vwiに基づき当技術分野に於いて公知の要領に
て推定車体速度Vb及び各車輪の制動スリップ量SLi
(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、何れかの車輪の制動
スリップ量SLiがアンチスキッド制御(ABS制御)
開始の基準値よりも大きくなり、アンチスキッド制御の
開始条件が成立すると、アンチスキッド制御の終了条件
が成立するまで、当該車輪について制動スリップ量が所
定の範囲内になるようホイールシリンダ内の圧力を増減
するアンチスキッド制御を行う。
して図示の第一の実施形態に於ける制動制御について説
明する。尚図2に示されたフローチャートによる制御は
図には示されていないイグニッションスイッチがオンに
切り換えられることにより開始され、所定の時間毎に繰
返し実行される。
サ32FR〜32RLにより検出された車輪速度Vwiを示す
信号等の読み込みが行われ、ステップ20に於いては全
ての車輪についてアンチスキッド制御が行われているか
否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステ
ップ60へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ
30へ進む。
るアンチスキッド制御に於ける推定車体速度Vbがその
低下率を抑制するための推定車体速度Vb2に設定されて
いるか否かの判別、即ち全ての車輪の実際の車輪速度の
低下度合が非常に大きい状況であるか否かの判別が行わ
れ、否定判別が行われたときにはステップ60へ進み、
肯定判別が行われたときにはステップ40へ進む。
チスキッド制御に於ける制御モードが減圧モードである
か否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはタ
イマのカウント値TcがΔT(正の定数)インクリメン
トされた後ステップ70へ進み、否定判別が行われたと
きにはステップ60に於いてタイマのカウント値Tcが
0にリセットされた後ステップ110へ進む。
値Tcが基準値Tct(正の定数)以上であるか否かの判
別、即ち上記ステップ20〜40の条件が成立した状況
が所定の時間以上継続したか否かの判別が行われ、否定
判別が行われたときにはステップ110へ進み、肯定判
別が行われたときにはステップ80へ進む。
ッド制御の開始後に各車輪の車輪速度Vwiが0になった
ことがあるか否かの判別により、全ての車輪がロック状
態になったことがあるか否かの判別が行われ、否定判別
が行われたときにはステップ110へ進み、肯定判別が
行われたときにはステップ90へ進む。
ク前の回転方向に対し逆転したか否かの判別、全ての車
輪速度Vwiの符号が負になったか否かの判別が行われ、
肯定判別が行われたときには車輌が後進を開始したと判
定して全ての車輪の制動圧を予め設定された所定の増圧
勾配にて所定の時間に亘り増圧することにより全ての車
輪の制動力を増大させ、否定判別が行われたときにはス
テップ110に於いて通常の制動力制御が各車輪につい
て実行される。
して図示の第一の実施形態に於けるアンチスキッド制御
について説明する。尚図3に示されたフローチャートに
よるアンチスキッド制御も図には示されていないイグニ
ッションスイッチがオンに切り換えられることにより開
始され、例えば左前輪、右前輪、左後輪、右後輪の順に
繰り返し実行される。
ンサ32FR〜32RLにより検出された車輪速度Vwiを示
す信号等の読み込みが行われ、ステップ220に於いて
は車輌の状況及び車輌の駆動型式等に応じて各車輪の車
輪速度Vwiのうち実際の車体速度に最も近いと思われる
値が推定車体速度Vwbとして選択されると共に、Vbfを
前回の推定車体速度とし、αを正の定数としてそれぞれ
下記の式1及び2に従って推定車体速度の増加率を抑制
するための推定車体速度Vb1及び推定車体速度の低下率
を抑制するための推定車体速度Vb2が演算され、更に推
定車体速度Vwb、Vb1、Vb2のうちの中間の値が今回の
推定車体速度Vbとして演算される。 Vb1=Vbf−α ……(1) Vb2=Vbf+α ……(2)
推定車体速度Vb及び各車輪の車輪速度Vwiに基づきこ
れらの偏差として制動スリップ量SLi(i=fl、fr、r
l、rr)が演算される。
てアンチスキッド制御が行われているか否かの判別が行
われ、肯定判別が行われたときにはステップ260へ進
み、否定判別が行われたときにはステップ250へ進
む。
てアンチスキッド制御の開始条件が成立しているか否か
の判別、例えば推定車体速度Vbが制御開始基準値Vbs
(正の定数)以上であり且つ車輪の制動スリップ量SL
iが基準値SLo(正の定数)以上であるか否かの判別か
行われ、否定判別が行われたときにはそのまま図3に示
された制御ルーチンを一旦終了し、肯定判別が行われた
ときにはステップ270へ進む。
てアンチスキッド制御の終了条件が成立しているか否か
の判別が行われ、肯定判別が行われたときにはそのまま
図3に示された制御ルーチンを一旦終了し、否定判別が
行われたときにはステップ270へ進む。
Vwiの時間微分値として演算される車輪加速度及び車輪
の制動スリップ量SLiに基づき当技術分野に於いて公
知の要領にて制御モードが増圧モード、保持モード、減
圧モードの何れかに決定される。
後加速度Gxに基づき演算される車輌の減速度、制御モ
ード、車輪の制動スリップ量SLiに基づき各車輪の制
動圧の目標増減圧勾配ΔPti(i=fl、fr、rl、rr)が
演算される。
ΔPtiに応じて各車輪の増減圧制御弁がデューティ比制
御されることにより、各車輪の制動圧が目標増減圧勾配
にて増減するよう制御される。
ステップ20〜70に於いて (1)全ての車輪についてアンチスキッド制御が行われ
ている (2)推定車体速度Vbが推定車体速度Vb2に設定され
ている (3)アンチスキッド制御の制御モードが減圧モードで
ある の三つの条件が充足されていることが所定の時間Tct以
上継続して判定されると、ステップ70に於いて肯定判
別が行われる。
ド制御の開始後に全ての車輪がロック状態になったこと
がある旨の判別が行われると、ステップ90に於いて全
ての車輪がロック前の回転方向に対し逆転したか否かの
判別が行われ、肯定判別が行われたときには車輌が後進
を開始したと判定され、全ての車輪の制動圧が予め設定
された所定の増圧勾配にて所定の時間に亘り増圧される
ことにより全ての車輪の制動力が増大される。
向きになって移動し始めた場合や、車輌の登坂制動の際
にアンチスキッド制御が実行され車輌がずり下がり始め
た場合には、その時点に於いて全ての車輪の制動力を確
実に増大させることができ、これにより車輌の後進を確
実に阻止することができる。
ろ向きになって移動しない限り、また車輌の登坂制動の
際にアンチスキッド制御が実行されても車輌がずり下が
らない限り、ステップ90の判別は肯定判別にならない
ので、車輌がスピン状態になったが車輌が後ろ向きに移
動しない状況や車輌の登坂制動の際にアンチスキッド制
御が実行されたが車輌はずり下がっていない状況に於い
て、全ての車輪に不必要な制動力が付与されること及び
これに起因して車輌の前進再開に支障が出ることを確実
に防止することができる。
0に於ける全ての車輪がアンチスキッド制御中であるか
否かの判別に加えて、ステップ30に於いて推定車体速
度Vbがその低下率を抑制するための推定車体速度Vb2
に設定されているか否かの判別が行われ、またステップ
40に於いて全ての車輪のアンチスキッド制御の制御モ
ードが減圧モードであるか否かの判別が行われるので、
ステップ30若しくは40の判別が行われない場合に比
して、車輌がその後進を伴うほどのスピン状態になる虞
れ又は登坂制動時に車輌のずり下がりを生じるようなア
ンチスキッド制御が行われる虞れがあるか否かを確実に
判定することができる。
0〜40に於ける判別が継続して所定の時間Tct以上に
亘り肯定判別である場合にステップ80が実行されるの
で、ステップ20〜40の判別が肯定判別がある場合に
そのままステップ80が実行される場合に比して、車輌
がスピン状態になって後進する虞れがあるか否か又は車
輌の登坂制動の際のアンチスキッド制御の実行に伴う車
輌のずり下がりが生じる虞れが高いか否かを一層正確に
判定することができる。
態に於ける制動制御ルーチンを示す図2と同様のフロー
チャートである。尚図4に示されたフローチャートによ
る制御も図には示されていないイグニッションスイッチ
の閉成により開始される。また図には示されていない
が、この第二の実施形態に於いても上述の第一の実施形
態の場合と同様の要領にて必要に応じてアンチスキッド
制御が行われる。
プ312に於いては、図1には示されていない操舵角セ
ンサにより検出された操舵角若しくはヨーレートセンサ
により検出された車輌のヨーレート若しくは横加速度セ
ンサにより検出された車輌の横加速度に基づき車輌が旋
回状態にあるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われ
たときにはステップ314に於いて所定の車輪が旋回外
側後輪に設定され、否定判別が行われたときにはステッ
プ316に於いて所定の車輪が左右後輪に設定される。
は、車輌が旋回状態にあり、旋回に伴う車輌横方向の荷
重移動により旋回内輪の接地荷重は低下するが旋回外輪
の接地荷重は増大するので、旋回外輪は旋回内輪よりも
ロック状態になりにくく、従って車輪速度が急激に低下
する状況にて旋回外輪についてアンチスキッド制御が行
われる場合には旋回内輪についてもアンチスキッド制御
が行われていることが多い。従ってステップ312に於
いて車輌が旋回状態にあると判定されたときには、ステ
ップ314に於いて所定の車輪が旋回外側後輪に設定さ
れる。
の傾斜による車輌前後方向の荷重移動に起因して前輪の
接地荷重は減少するが後輪の接地荷重は増大するので、
車輪速度が急激に低下する状況にて後輪についてアンチ
スキッド制御が行われている状況に於いては前輪につい
てもアンチスキッド制御が行われていることが多い。従
ってステップ312に於いて車輌が実質的に直進状態に
あると判定されたときには、ステップ316に於いて所
定の車輪が左右後輪に設定される。
実施形態に於いては、ステップ320、340、38
0、390に於いて全ての車輪ではなくステップ314
又は316に於いて設定された所定の車輪についてのみ
それぞれ対応する判別が行われる点を除き、ステップ3
20〜410はそれぞれ第一の実施形態に於けるステッ
プ20〜110と同様に実行される。
述の第一の実施形態の場合と同様の作用効果を得ること
ができ、車輌がスピン状態になり後進することや車輌の
登坂制動の際にアンチスキッド制御が実行され車輌がず
り下がることを確実に且つ効果的に防止することができ
る。
0、340、380、390の各判別ステップは全ての
車輪についてではなく所定の車輪についてのみ行われる
が、ステップ400に於いては全ての車輪の制動力が増
大されるので、所定の車輪の制動力のみが増大される場
合に比して、車輌の後進を確実に阻止することができる
と共に、車輌にヨーモーメントが付与されることに起因
して車輌の後進挙動が不自然になる虞れを確実に低減す
ることができる。
0、340、380、390の各判別ステップは全ての
車輪についてではなく所定の車輪についてのみ行われる
ので、上述の第一の実施形態の場合に比して車輌の後進
を防止するための制動制御を簡便に実行することができ
る。
の実施形態のステップ30及び40に対応するステップ
330及び340が実行されるので、第一の実施形態の
場合と同様、これらのステップ実行されない場合に比し
て、車輌がその後進を伴うほどのスピン状態になる虞れ
又は登坂制動時に車輌のずり下がりを生じるようなアン
チスキッド制御が行われる虞れがあるか否かを確実に判
定することができ、また車輌がスピン状態になって後進
する虞れがあるか否か又は車輌の登坂制動の際のアンチ
スキッド制御の実行に伴う車輌のずり下がりが生じる虞
れが高いか否かを一層正確に判定することができる。
ついて詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限
定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の
実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであ
ろう。
いては、それぞれステップ30及び330に於いて車体
速度が急激に低下する状況であるか否かの判別が行わ
れ、またそれぞれステップ40及び340に於いてアン
チスキッドの制御モードが減圧モードであるか否かの判
別が行われるようになっているが、ステップ30若しく
は40又はステップ330若しくは340が省略されて
もよい。
テップ90に於いて全ての車輪の回転方向が逆転したか
否かの判別が行われるようになっているが、四輪のうち
の三輪について回転方向が逆転したか否かの判別が行わ
れるよう修正されてもよい。その場合車輌のスピンに伴
う車輌の後進開始時には、一般に旋回内側後輪の回転方
向の逆転が最も早く生じ、旋回外側後輪の回転方向の逆
転が最も遅く生じるので、特に車輌が旋回状態にあると
きには、所定の車輪として三輪が設定される場合には左
右前輪及び旋回外側後輪に設定されることが好ましい。
輌が旋回状態にあるときにはステップ314に於いて所
定の車輪が旋回外側後輪に設定され、車輌が実質的に直
進状態にあるときにはステップ316に於いて所定の車
輪が左右後輪に設定されるようになっているが、ステッ
プ314に於いて所定の車輪が旋回外側前後輪に設定さ
れてもよく、またステップ316に於いて所定の車輪が
左右前輪、左側前後輪、右側前後輪に設定されてもよ
い。
テップ400に於いて全ての車輪の制動力が増大される
ようになっているが、所定の車輪が左右の車輪に設定さ
れる場合には、それらの車輪の制動力のみが増大されて
もよく、所定の車輪が何れの車輪に設定されるかに拘わ
らず、左右前輪又は左右後輪の制動力のみが増大されて
もよい。
ては、それぞれステップ100及び400に於いて車輪
の制動力が所定の時間に亘り所定の増大率(所定の増圧
勾配)にて増大されるようになっているが、例えばステ
ップ70及び370に於いて最初に肯定判別が行われた
時点よりステップ90及び390に於いて肯定判別が行
われるまでの時間が短いほど一般に早く車輌の後進が開
始するので、この時間が短いほど所定の時間が長くなる
よう若しくは所定の増大率が大きくなるよう、所定の時
間若しくは所定の増大率が可変設定されてもよい。
しい実施形態を示す概略構成図である。
すフローチャートである。
示すフローチャートである。
すフローチャートである。
Claims (2)
- 【請求項1】所定の車輪の回転方向を検出する車輪回転
方向検出手段と、所定の車輪についてアンチスキッド制
御が行われている状況に於いて前記所定の車輪がロック
したか否かを判定する手段と、前記所定の車輪のロック
が判定された後に前記所定の車輪の回転方向が当該車輪
のロック前の回転方向に対し逆転したか否かを前記車輪
回転方向検出手段の検出結果に基づいて判定する手段
と、前記所定の車輪の回転方向が逆転したと判定された
ときには少なくとも左右一対の車輪の制動力を増大させ
る制動力制御手段とを有する車輌用制動制御装置。 - 【請求項2】全ての車輪の回転方向を検出する車輪回転
方向検出手段と、全ての車輪についてアンチスキッド制
御が行われている状況に於いて全ての車輪がロックした
か否かを判定する手段と、全ての車輪のロックが判定さ
れた後に過半数の車輪の回転方向がそれらの車輪のロッ
ク前の回転方向に対し逆転したか否かを前記車輪回転方
向検出手段の検出結果に基づいて判定する手段と、前記
過半数の車輪の回転方向が逆転したと判定されたときに
は全ての車輪の制動力を増大させる制動力制御手段とを
有する車輌用制動制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001276034A JP4774658B2 (ja) | 2001-09-12 | 2001-09-12 | 車輌用制動制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001276034A JP4774658B2 (ja) | 2001-09-12 | 2001-09-12 | 車輌用制動制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003081078A true JP2003081078A (ja) | 2003-03-19 |
JP4774658B2 JP4774658B2 (ja) | 2011-09-14 |
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JP (1) | JP4774658B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020055407A (ja) * | 2018-10-01 | 2020-04-09 | 本田技研工業株式会社 | カスケードロック防止装置 |
-
2001
- 2001-09-12 JP JP2001276034A patent/JP4774658B2/ja not_active Expired - Fee Related
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