JP2003080858A - 平版印刷版用原板 - Google Patents

平版印刷版用原板

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JP2003080858A
JP2003080858A JP2001271993A JP2001271993A JP2003080858A JP 2003080858 A JP2003080858 A JP 2003080858A JP 2001271993 A JP2001271993 A JP 2001271993A JP 2001271993 A JP2001271993 A JP 2001271993A JP 2003080858 A JP2003080858 A JP 2003080858A
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JP
Japan
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acid
group
printing plate
lithographic printing
hydrophilic
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Application number
JP2001271993A
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English (en)
Inventor
Itaru Sakata
格 坂田
Satoshi Hoshi
聡 星
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 デジタル信号に基づいた赤外線走査露光後、
処理を行うことなくそのまま印刷機に装着して印刷可能
な機上現像型の平版印刷版用原板であって、高感度で、
かつ高耐刷な平版印刷版を安定に作製可能な平版印刷版
用原板を提供する。 【解決手段】 支持体上に、(a)疎水化前駆体、
(b)光熱変換剤、及び(c)自己発熱反応をおこなう
有機物質を含有する画像形成層を有する平版印刷版用原
板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平版印刷版用原板に
関する。詳しくは、ディジタル信号に基づいた赤外線走
査露光による画像記録が可能であり、画像記録したもの
はそのまま現像することなしに印刷機に装着して機上現
像による印刷版の作製と、それに引き続く印刷が可能な
平版印刷版用原板に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、平版印刷版は、印刷過程でイン
クを受容する親油性の画像部と湿し水を受容する親水性
の非画像部とから成る。このような平版印刷版は、従
来、親水性支持体上に、親油性の感光性樹脂層を設けた
PS版にリスフィルムを介してマスク露光した後、非画
像部を現像液によって溶解除去することにより作製して
いた。
【0003】近年、コンピュータを用いて画像情報を電
子的に処理、蓄積、出力する、ディジタル化技術が広く
普及し、その結果、レーザ光の様な指向性の高い光をデ
ィジタル化された画像情報に応じて走査し、リスフィル
ムを介することなく、平版印刷版用原板に対して直接画
像形成を行うコンピュータ・トゥ・プレート(CTP)
技術が切望されている。
【0004】他方、従来のPS版による印刷版の製造
は、露光の後、非画像部を溶解除去する行程が不可欠で
あり、さらに通常は、現像処理された印刷版を水洗した
り、界面活性剤を含有するリンス液、アラビアガム、澱
粉誘導体等を含む不感脂化液で処理する後処理行程も必
要であった。この様な付加的な湿式の処理が不可欠であ
るという点は、従来技術に対して改善の望まれてきたも
う一つの課題である。特に近年は、地球環境への配慮が
産業界全体の大きな関心事となっている。従って、処理
の簡素化、乾式化、無処理化は、この様な環境面と先述
のディジタル化に伴った工程のさらなる合理化の両方の
観点から、従来にも増して強く望まれるようになってき
ている。すなわち、画像記録後、湿式処理なしでそのま
ま印刷に使用できるCTPシステム向け印刷版用原板が
望まれている。
【0005】処理工程をなくす方法の一つに、露光済み
の印刷版用原板を印刷機のシリンダーに装着し、シリン
ダーを回転しながら湿し水とインキを供給することによ
って、印刷版用原板画像形成層の非画像部分を除去する
機上現像と呼ばれる方法がある。すなわち、印刷版用原
板を露光後、そのまま印刷機に装着し、通常の印刷過程
の中で処理が完了する方式である。
【0006】このような機上現像に適した平版印刷版用
原板は、湿し水やインキ溶剤に可溶な感光層を有し、し
かも、明室に置かれた印刷機上で現像されるのに適した
明室取り扱い性を有することが必要とされる。
【0007】例えば、日本特許2938397号には、
親水性バインダーポリマー中に熱可塑性疎水性重合体微
粒子を分散させた感光層を親水性支持体上に設けた平版
印刷版が記載されている。この公報には、該平版印刷版
において、赤外線レーザ露光して熱可塑性疎水性重合体
微粒子を熱により合体(融着)させて画像形成した後、
印刷機の版胴上に版を取り付け、湿し水及び/又はイン
キを供給することにより機上現像できることが記載され
ている。この平版印刷版用原板は感光域が赤外領域であ
ることにより明室取り扱い性も有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような高分子重合体粒子を露光によって生じる熱で融
着、合体させる画像形成方法では、粒子同士が完全に融
着することにより皮膜が形成され、印刷版として機能し
うるインキ受容性の画像部となるが、アルミニウム支持
体のような熱伝導性が高い金属基板を使用した場合、支
持体近傍は金属基板への熱拡散により、粒子を十分に融
着させるだけの熱を与えることができず、十分な耐刷性
を発現することができなかった。
【0009】従って、本発明の目的は、上記のような先
行技術の欠点を克服した平版印刷版用原板を提供するこ
とである。すなわち、高感度で、かつ高耐刷性を有する
平版印刷版を安定して作製できる平版印刷版用原板を提
供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
した結果、画像形成層に熱を吸収して自己発熱反応をお
こなう物質を含有させることによって上記目的を達成で
きることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発
明は以下の通りである。
【0011】1.支持体上に、(a)疎水性化前駆体、
(b)光熱変換剤、及び(c)自己発熱反応をおこなう
有機物質を含有する画像形成層を有する平版印刷版用原
板。
【0012】2.自己発熱反応をおこなう有機物質が、
硝酸エステル類であることを特徴とする前記1記載の平
版印刷版用原板。
【0013】本発明では、画像形成層に、光熱変換剤の
光・熱変換機構に加えて、熱を吸収して自己発熱反応を
おこなう物質を含有させることによって、自己発熱反応
エネルギーを画像の形成に利用することができる。すな
わち、露光エネルギーの一種の増幅を利用可能としてい
る。そのため、従来よりも、単位面積当たり、多くの熱
エネルギーを持続的に画像形成に利用でき、アルミニウ
ム支持体近傍においても、粒子が合体するのに必要な熱
を発生させることが可能となり、高い耐刷性能が得られ
ると推定している。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。
【0015】本発明の画像形成層に用いられる疎水性化
前駆体とは、熱が加えられたときに親水性の画像形成層
を疎水性に変換できる微粒子であって、例えば、親水性
画像形成層中に分散される熱可塑性ポリマー微粒子、熱
硬化性ポリマー微粒子、熱反応性官能基を有するポリマ
ー微粒子及び疎水性物質を内包したマイクロカプセルが
挙げられる。熱が加えられたときに、ポリマー微粒子で
は、微粒子同士が溶融もしくは反応合体することによ
り、マイクロカプセルでは、カプセル壁が破壊されて、
疎水性物質がカプセル外ににじみ出でることによって、
親水性の画像形成層を疎水性に変換できる。これらの微
粒子は、画像形成層中に単独又は二種以上の組み合わせ
で用いることができる。
【0016】本発明に好適な熱可塑性ポリマー微粒子と
しては、Research Disclosure No.33303(199
2年1月)、特開平9−123387号、同9−131
850号、同9−171249号、同9−171250
号及びEP931647号などに記載の熱可塑性ポリマ
ー微粒子を好適なものとして挙げることができる。かか
るポリマー微粒子を構成するポリマーの具体例として
は、エチレン、スチレン、塩化ビニル、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、ビニ
ルカルバゾールなどのモノマーのホモポリマー若しくは
コポリマー又はそれらの混合物を挙げることができる。
その中で、より好適なものとして、ポリスチレン、ポリ
メタクリル酸メチルを挙げることができる。
【0017】本発明の熱硬化性ポリマー微粒子に好適な
熱硬化性ポリマーとしては、フェノール骨格を有する樹
脂、尿素系樹脂(例えば、尿素又はメトキシメチル化尿
素など尿素誘導体をホルムアルデヒドなどのアルデヒド
類により樹脂化したもの)、メラミン系樹脂(例えば、
メラミン又はその誘導体をホルムアルデヒドなどのアル
デヒド類により樹脂化したもの)、アルキド樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂
等を挙げることができる。
【0018】これらの熱可塑性ポリマーの微粒子化は、
米国特許3,476,937号に記載の乳化重合や熱可
塑性ポリマーを水非混和性溶剤に溶かした溶液を水相中
に乳化分散する方法などで行うことができる。
【0019】好適なフェノール骨格を有する樹脂として
は、例えば、フェノール、クレゾールなどをホルムアル
デヒドなどのアルデヒド類により樹脂化したフェノール
樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、N−(p−ヒドロキシ
フェニル)メタクリルアミドなどのフェノール骨格を有
するメタクリルアミド又はアクリルアミド樹脂、及びp
−ヒドロキシフェニルメタクリレートなどのフェノール
骨格を有するメタクリレート又はアクリレート樹脂等を
挙げることができる。中でも、特に好ましいのは、フェ
ノール骨格を有する樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂及び
エポキシ樹脂である。
【0020】本発明に用いられる熱硬化性ポリマー微粒
子の平均粒径は0.01〜2.0μmが好ましい。この
ような微粒子の合成方法としては、これら化合物を非水
溶性の有機溶剤に溶解し、これを分散剤が入った水溶液
と混合乳化し、さらに熱をかけて、有機溶剤を飛ばしな
がら微粒子状に固化させる方法がある。また、熱硬化性
ポリマーを合成する際に微粒子化してもよい。しかし、
これらの方法に限らない。
【0021】本発明に用いる熱反応性官能基を有するポ
リマー微粒子の熱反応性官能基としては、化学結合が形
成されるならば、どのような反応を行う官能基でも良
く、例えば、重合反応を行うエチレン性不飽和基(例え
ば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、ア
リル基など)、付加反応を行うイソシアナート基又はそ
のブロック体及びその反応相手である活性水素原子を有
する官能基(例えば、アミノ基、ヒドロキシル基、カル
ボキシル基など)、同じく付加反応を行うエポキシ基及
びその反応相手であるアミノ基、カルボキシル基又はヒ
ドロキシル基、縮合反応を行うカルボキシル基とヒドロ
キシル基又はアミノ基、開環付加反応を行う酸無水物と
アミノ基又はヒドロキシル基などを挙げることができ
る。
【0022】これらの官能基のポリマー微粒子への導入
は、重合時に行ってもよいし、重合後に高分子反応を利
用して行ってもよい。
【0023】重合時に導入する場合は、これらの官能基
を有するモノマーを乳化重合又は懸濁重合することが好
ましい。そのような官能基を有するモノマーの具体例と
して、アリルメタクリレート、アリルアクリレート、ビ
ニルメタクリレート、ビニルアクリレート、グリシジル
メタクリレート、グリシジルアクリレート、2−イソシ
アネートエチルメタクリレート又はそのアルコールなど
によるブロックイソシアナート、2−イソシアネートエ
チルアクリレート又はそのアルコールなどによるブロッ
クイソシアナート、2−アミノエチルメタクリレート、
2−アミノエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、
アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、2官能ア
クリレート、2官能メタクリレートなどを挙げることが
できるが、これらに限定されない。
【0024】また、乳化重合又は懸濁重合の際に、上記
モノマーと共重合可能な、熱反応性官能基をもたないモ
ノマーを共存させてもよい。このようなモノマーとして
は、例えば、スチレン、アルキルアクリレート、アルキ
ルメタクリレート、アクリロニトリル、酢酸ビニルなど
を挙げることができるが、熱反応性官能基をもたないモ
ノマーであれば、これらに限定されない。
【0025】熱反応性官能基の導入を重合後に行う場合
に用いる高分子反応としては、例えば、WO96−34
316号に記載されている高分子反応を挙げることがで
きる。
【0026】これらの熱反応性官能基を有するポリマー
微粒子の凝固温度は、70℃以上が好ましいが、経時安
定性を考えると100℃以上がさらに好ましい。ポリマ
ー微粒子の平均粒径は、0.01〜20μmが好ましい
が、その中でも0.05〜2.0μmがさらに好まし
く、特に0.1〜1.0μmが最適である。この範囲内
で良好な解像度及び経時安定性が得られる。
【0027】本発明に用いられるマイクロカプセルは、
疎水性物質を内包している。疎水性物質としては、熱反
応性官能基を有する化合物が好ましい。かかる熱反応性
官能基としては、前記の熱反応性官能基を有するポリマ
ー微粒子に用いられるものと同じ官能基を挙げることが
できる。以下にさらに詳しく説明する。
【0028】重合性不飽和基を有する化合物としては、
エチレン性不飽和結合、例えばアクリロイル基、メタク
リロイル基、ビニル基、アリル基などを少なくとも1
個、好ましくは2個以上有する化合物が好ましく、この
様な化合物群は当該産業分野において広く知られるもの
であり、本発明においては、これらを特に限定なく用い
ることができる。これらは、化学的形態としては、モノ
マー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリ
ゴマー、又はそれらの混合物、あるいはそれらの共重合
体である。
【0029】例として、不飽和カルボン酸(例えば、ア
クリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イ
ソクロトン酸、マレイン酸など)、そのエステル及びア
ミドが挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪
族多価アルコールとのエステル及び不飽和カルボン酸と
脂肪族多価アミンとのアミドが挙げられる。
【0030】また、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカ
プト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エス
テル又は不飽和カルボン酸アミドと、単官能もしくは多
官能イソシアネート又はエポキシドとの付加反応物、及
び、単官能もしくは多官能のカルボン酸との脱水縮合反
応物等も好適に使用される。
【0031】また、イソシアナート基やエポキシ基など
の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又
はアミドと、単官能もしくは多官能のアルコール、アミ
ン及びチオールとの付加反応物、さらに、ハロゲン基や
トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボ
ン酸エステル又はアミドと、単官能もしくは多官能アル
コール、アミン及びチオールとの置換反応物も好適であ
る。また、別の好適な例として、上記の不飽和カルボン
酸を、不飽和ホスホン酸あるいはクロロメチルスチレン
に置き換えた化合物を挙げることができる。
【0032】不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール
とのエステルである重合性化合物の具体例としては、ア
クリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリ
レート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,
3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレング
リコールジアクリレート、プロピレングリコールジアク
リレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ト
リメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、トリメチロールプロパント
リス(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメ
チロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジ
アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアク
リレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、
ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
アクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトール
トリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、
ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサ
アクリレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イ
ソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー
等を挙げることができる。
【0033】メタクリル酸エステルとしては、テトラメ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオ
ールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタ
エリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジ
メタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタク
リレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビト
ールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリ
ロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕
ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリロイルオキシ
エトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等を挙げることが
できる。
【0034】イタコン酸エステルとしては、エチレング
リコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタ
コネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、
1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレ
ングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジ
イタコネート、ソルビトールテトライタコネート等を挙
げることができる。
【0035】クロトン酸エステルとしては、エチレング
リコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジ
クロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、
ソルビトールテトラジクロトネート等を挙げることがで
きる。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリ
コールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイ
ソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート
等を挙げることができる。
【0036】マレイン酸エステルとしては、エチレング
リコールジマレート、トリエチレングリコールジマレー
ト、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテ
トラマレート等を挙げることができる。
【0037】その他のエステルの例として、例えば、特
公昭46−27926号、特公昭51−47334号、
特開昭57−196231号記載の脂肪族アルコール系
エステル類や、特開昭59−5240号、特開昭59−
5241号、特開平2−226149号記載の芳香族系
骨格を有するもの、特開平1−165613号記載のア
ミノ基を含有するもの等を挙げることができる。
【0038】また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カ
ルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチ
レンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリル
アミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミ
ド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、
ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレ
ンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミ
ド等を挙げることができる。その他の好ましいアミド系
モノマーの例としては、特公昭54−21726号記載
のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができ
る。
【0039】また、イソシアネートと水酸基の付加反応
を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適
であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭4
8−41708号に記載されている1分子に2個以上の
イソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物
に、下記式(I)で示される水酸基を有する不飽和モノ
マーを付加させた1分子中に2個以上の重合性不飽和基
を含有するウレタン化合物等が挙げられる。
【0040】一般式(I) CH2=C(R1)COOCH2CH(R2)OH (ただし、R1及びR2は、H又はCH3を示す。)
【0041】また、特開昭51−37193号、特公平
2−32293号、特公平2−16765号に記載され
ているようなウレタンアクリレートや、特公昭58−4
9860号、特公昭56−17654号、特公昭62−
39417号、特公昭62−39418号記載のエチレ
ンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物も好適なも
のとして挙げることができる。
【0042】さらに、特開昭63−277653号、特
開昭63−260909号、特開平1−105238号
に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を
有するラジカル重合性化合物を好適なものとして挙げる
ことができる。
【0043】その他の好適なものの例としては、特開昭
48−64183号、特公昭49−43191号、同5
2−30490号の各公報に記載されているようなポリ
エステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アク
リル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能
のアクリレートやメタクリレートを挙げることができ
る。また、特公昭46−43946号、特公平1−40
337号、同1−40336号記載の特定の不飽和化合
物や、特開平2−25493号に記載のビニルホスホン
酸系化合物等も好適なものとして挙げることができる。
また、ある場合には、特開昭61−22048号記載の
ペルフルオロアルキル基を含有する化合物も好適に使用
される。さらに日本接着協会誌、20巻7号、300〜
308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオ
リゴマーとして紹介されているものも好適に使用するこ
とができる。
【0044】好適なエポキシ化合物としては、グリセリ
ンポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジ
グリシジルエーテル、ポリプロピレンジグリシジルエー
テル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテ
ル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ビスフェノ
ール類あるいはポリフェノール類もしくはそれらの水素
添加物のポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0045】好適なイソシアネート化合物としては、ト
リレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシア
ネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシ
アネート、シクロヘキサンフェニレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、ある
いは、それらをアルコールあるいはアミンでブロックし
た化合物を挙げることができる。
【0046】好適なアミン化合物としては、エチレンジ
アミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、プロピレンジアミン、ポ
リエチレンイミンなどが挙げられる。
【0047】好適なヒドロキシル基を有する化合物とし
ては、末端メチロール基を有する化合物、ペンタエリス
リトールなどの多価アルコール、ビスフェノール・ポリ
フェノール類などを挙げることができる。
【0048】好ましいカルボキシル基を有する化合物と
しては、ピロメリット酸、トリメリット酸、フタル酸な
どの芳香族多価カルボン酸、アジピン酸などの脂肪族多
価カルボン酸などが挙げられる。
【0049】好適な酸無水物としては、ピロメリット酸
無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物などが
挙げられる。
【0050】エチレン状不飽和基を有する共重合体の好
適な例として、アリルメタクリレートの共重合体を挙げ
ることができる。例えば、アリルメタクリレート/メタ
クリル酸共重合体、アリルメタクリレート/エチルメタ
クリレート共重合体、アリルメタクリレート/ブチルメ
タクリレート共重合体などを挙げることができる。
【0051】マイクロカプセル化する方法としては、公
知の方法が適用できる。例えばマイクロカプセルの製造
方法としては、米国特許2800457号、同2800
458号にみられるコアセルベーションを利用した方
法、英国特許990443号、米国特許3287154
号、特公昭38−19574号、同42−446号、同
42−711号にみられる界面重合法による方法、米国
特許3418250号、同3660304号にみられる
ポリマーの析出による方法、米国特許3796669号
に見られるイソシアネートポリオール壁材料を用いる方
法、米国特許3914511号に見られるイソシアネー
ト壁材料を用いる方法、米国特許4001140号、同
4087376号、同4089802号にみられる尿素
―ホルムアルデヒド系あるいは尿素ホルムアルデヒド−
レゾルシノール系壁形成材料を用いる方法、米国特許4
025445号にみられるメラミン−ホルムアルデヒド
樹脂、ヒドロキシセルロース等の壁材を用いる方法、特
公昭36−9163号、同51−9079号にみられる
モノマー重合によるin situ法、英国特許930
422号米国特許3111407号にみられるスプレー
ドライング法、英国特許952807号、同96707
4号にみられる電解分散冷却法などがあるが、これらに
限定されるものではない。
【0052】本発明に用いられる好ましいマイクロカプ
セル壁は、3次元架橋を有し、溶剤によって膨潤する性
質を有するものである。このような観点から、マイクロ
カプセルの壁材は、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエ
ステル、ポリカーボネート、ポリアミド、及びこれらの
混合物が好ましく、特に、ポリウレア及びポリウレタン
が好ましい。マイクロカプセル壁に熱反応性官能基を有
する化合物を導入しても良い。
【0053】上記のマイクロカプセルの平均粒径は、
0.01〜20μmが好ましいが、中でも0.05〜
2.0μmがさらに好ましく、0.10〜1.0μmが
特に好ましい。この範囲内で良好な解像度と経時安定性
が得られる。
【0054】このようなマイクロカプセルは、カプセル
同志が熱により合体してもよいし、合体しなくとも良
い。要は、マイクロカプセル内包物のうち、塗布時にカ
プセル表面あるいはマイクロカプセル外に滲み出したも
の、あるいは、マイクロカプセル壁に浸入したものが、
熱により化学反応を起こせば良い。添加された親水性樹
脂、あるいは、添加された低分子化合物と反応してもよ
い。また2種類以上のマイクロカプセルに、それぞれ異
なる官能基で互いに熱反応するような官能基をもたせる
ことによって、マイクロカプセル同士を反応させてもよ
い。従って、熱によってマイクロカプセル同士が、熱で
溶融合体することは画像形成上好ましいことであるが、
必須ではない。
【0055】上記疎水性化前駆体の画像形成層への添加
量は、いずれの微粒子においても固形分換算で、画像形
成層固形分の20%以上が好ましく、30%以上がより
好ましい。この範囲内で、良好な画像形成ができ、良好
な耐刷性が得られる。
【0056】本発明の画像形成層に用いる光を熱に変換
する光熱変換剤としては、赤外線、中でも近赤外線(波
長700〜2000nm)を吸収する物質であればよ
く、種々の顔料、染料及び金属微粒子を用いることがで
きる。
【0057】例えば、特開2001−162960号、
特開平11−235883号、日本印刷学会誌、38卷
35〜40頁(2001)や特開2001−21306
2号に記載の顔料、染料及び金属微粒子が好適に用いら
れる。
【0058】顔料としてはカーボンブラックが特に好ま
しい。金属微粒子としては、Si、Al、Ti、V、C
r、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、
Mo、Ag、Au、Pt、Pd、Rh、In、Sn、
W、Te、Pb、Ge、Re、Sbの単体又は合金、又
は、それらの酸化物もしくは硫化物の微粒子が挙げられ
る。中でも、Re、Sb、Te、Au、Ag、Cu、G
e、Pb及びSnがより好ましく、Ag、Au、Cu、
Sb、Ge及びPbが特に好ましい。染料としては以下
に例示する水溶性基を有する染料が特に好ましい。しか
し、これらに限定されない。
【0059】
【化1】
【0060】
【化2】
【0061】光熱変換剤をポリマー微粒子やマイクロカ
プセル内などに添加して用いる場合は、より親油性のも
のが好ましく、好適な例として以下の染料が挙げられ
る。
【0062】
【化3】
【0063】
【化4】
【0064】顔料及び染料の光熱変換剤を画像形成層に
添加する場合の添加割合は、画像形成層固形分の0.1
〜50%が好ましく、3〜40%がさらに好ましい。金
属微粒子を光熱変換剤として用いる場合は、好ましくは
画像形成層固形分の5%以上であり、より好ましくは1
0%以上で用いられる。これらの範囲内で、良好な感度
が得られる。
【0065】本発明の画像形成層には熱を吸収して自己
発熱反応をおこなう物質を用いる。このような物質とし
ては、熱を吸収して自己発熱反応を開始できる物質であ
ればいかなる物質を用いても良い。この自己発熱反応が
起こるかどうかは、示差走査熱量計(DSC)により容
易に確認することができる。示差熱天秤に、自己発熱反
応物質を挿入して、温度を一定速度で上昇させていく
と、ある温度で発熱ピークが出現して発熱反応が起こっ
たことが観測される。
【0066】本発明に使用される自己発熱性化合物は、
好ましくは、DSCによる測定において、昇温速度10
℃/分の条件で測定した時に、測定される発熱ピークが
400℃以下の温度範囲で観測される物質である。更に
好ましくは、300℃以下の温度範囲で発熱ピークが観
測される物質である。
【0067】より好適な自己発熱反応をおこなう物質と
しては、自己燃焼性を有し、燃焼速度が極めて速い物質
が挙げられる。このような物質の例として、過酸化ベン
ゾイルやメチルエチルケトンパーオキシドのような有機
過酸化物類、ニトロセルロースやセルロイド等のような
硝酸エステル類、ピクリン酸やトリニトロトルエン等の
ようなニトロ化合物類、その他、ニトロソ化合物類、ヒ
ドラジン誘導体類、金属アジ化物類、等が挙げられる。
中でも、より好ましい物質として、硝酸エステル類が挙
げられる。しかし、これらに限定されない。
【0068】自己発熱反応をおこなう物質は、直接、画
像形成層に添加しても良いが、ポリマー微粒子又はマイ
クロカプセルを合成する際に、これらの疎水性化前駆体
中に添加して使用することもできる。この物質の画像形
成層への添加量は、画像形成層固形分の0.1〜20%
が好ましく、0.2〜10%がより好ましい。
【0069】本発明の画像形成層は、機上現像性の向上
や画像形成層の皮膜強度のために親水性樹脂を添加する
ことができる。親水性樹脂としては3次元架橋していな
いものが機上現像性が良好で好ましい。
【0070】親水性樹脂としては、例えばヒドロキシル
基、カルボキシル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシ
プロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピ
ル基、カルボキシメチル基等の親水基を有するものが好
ましい。
【0071】親水性樹脂の具体例として、アラビアゴ
ム、カゼイン、ゼラチン、ソヤガム、澱粉及びその誘導
体、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース及びその塩及びセルロースアセテート等のセルロ
ース誘導体、アルギン酸及びそのアルカリ金属塩、アル
カリ土類金属塩又はアンモニウム塩、水溶性ウレタン樹
脂、水溶性ポリエステル樹脂、酢酸ビニル−マレイン酸
コポリマー類、スチレン−マレイン酸コポリマー類、ポ
リアクリル酸類及びそれらの塩、ポリメタクリル酸類及
びそれらの塩、ヒドロキシエチルメタクリレートのホモ
ポリマー及びコポリマー、ヒドロキシエチルアクリレー
トのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシプロピル
メタクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロ
キシプロピルアクリレートのホモポリマー及びコポリマ
ー、ヒドロキシブチルメタクリレートのホモポリマー及
びコポリマー、ヒドロキシブチルアクリレートのホモポ
リマー及びコポリマー、ポリエチレンオキシド類、ポリ
(プロピレンオキシド)類、ポリビニルアルコール(P
VA)類、ならびに加水分解度が少なくとも60%、好
ましくは少なくとも80%の加水分解ポリビニルアセテ
ート、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、
ポリビニルピロリドン、アクリルアミドのホモポリマー
及びコポリマー、メタクリルアミドのホモポリマー及び
ポリマー、N−メチロールアクリルアミドのホモポリマ
ー及びコポリマー、2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸及びその塩等を挙げることができる。
【0072】本発明に好適な別の親水性樹脂として、親
水性グラフトポリマーを挙げることができる。親水性グ
ラフトポリマーは、親水性基を有するモノマー(以下で
は親水性モノマーとも呼ぶ)を重合成分として含有する
重合体又は共重合体を側鎖として有するグラフトポリマ
ーを表す。側鎖の共重合体中の親水性モノマーの共重合
割合は、50モル%以上が好ましく、より好ましくは8
0モル%以上である。主鎖は、親水性モノマーから形成
されたものであっても、疎水性モノマーから形成された
ものであっても、さらに、親水性モノマー、疎水性モノ
マー両方から形成されたものであってもよい。
【0073】上記の親水性基としては、例えばカルボキ
シル基及びその塩、カルボン酸無水物基、スルホン酸基
及びその塩、アミド基、ポリエチレンオキシ基等が挙げ
られる。
【0074】側鎖に用いるモノマーとしては、上記親水
性基を有するモノマーであれば使用可能であるが、好ま
しくは、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、
イタコン酸、アクリルアミド、N−アルキルアクリルミ
ド(アルキル基の炭素数1〜6、好ましくは1〜3)、
スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸、ビニルピロリドン、ポリエチレン
オキシ基含有モノマー等が好ましい。酸は、その塩であ
っても良い。これらのモノマーのうち、合成のしやすさ
から、アクリルアミドが特に好ましい。
【0075】上記の側鎖親水性モノマー重合体の重量平
均分子量は、1,000〜50,000が好ましく、親
水性グラフトポリマーの重量平均分子量は、5,000
〜500,000が好ましい。この範囲内で良好な機上
現像性と耐刷性が得られる。
【0076】上記親水性グラフトポリマーは、親水性モ
ノマー重合体の片末端にラジカル重合性の官能基を有す
るマクロモノマー、例えばアクリルアミドマクロモノマ
ー、を用いて、重合するか、又はこのマクロモノマーと
共重合しうるモノマーと共重合することによって得られ
る。
【0077】本発明の画像形成層には、親水性樹脂とし
て上記親水性グラフトポリマーと前記の非グラフト型親
水性樹脂を必要に応じて混合して用いることができる。
【0078】親水性樹脂の画像形成層中への添加量は、
画像形成層固形分の2〜40%が好ましい。この範囲内
で良好な機上現像性と高耐刷性が得られる。
【0079】本発明の画像形成層には、上記の他に、感
度の向上、親水性の程度の制御、画像形成層の物理的強
度の向上、層を構成する組成物相互の分散性の向上、塗
布性の向上、印刷適性の向上、製版作業性の便宜上など
の種々の目的で、無機微粒子、界面活性剤、着色剤、可
塑剤、反応促進剤等を添加することができる。以下これ
らについて説明する。
【0080】本発明の画像形成層には無機微粒子を添加
してもよく、無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、
酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、ア
ルギン酸カルシウムもしくはこれらの混合物などが好適
な例として挙げられ、これらは光熱変換性でなくても皮
膜の強化や表面粗面化による界面接着性の強化などに用
いることができる。
【0081】無機微粒子の平均粒径は5nm〜10μm
のものが好ましく、より好ましくは10nm〜1μmで
ある。粒径がこの範囲内で、樹脂微粒子や光熱変換剤の
金属微粒子とも親水性樹脂内に安定に分散し、画像形成
層の膜強度を充分に保持し、印刷汚れを生じにくい親水
性に優れた非画像部を形成できる。
【0082】このような無機微粒子は、コロイダルシリ
カ分散物などの市販品として容易に入手できる。無機微
粒子の画像形成層への含有量は、画像形成層の全固形分
の1.0〜70%が好ましく、より好ましくは5.0〜
50%である。
【0083】本発明の画像形成層には、画像形成層の分
散安定性、製版及び印刷性能向上や塗布性の向上のた
め、ノニオン系及びアニオン系界面活性剤のほか、特開
平2−195356号に記載されているようなカチオン
界面活性剤、含フッ素界面活性剤、及び特開昭59−1
21044号及び特開平4−13149号に記載されて
いる両性界面活性剤を添加することができる。これらの
界面活性剤の好適な添加量は、親水層全固形物の0.0
05〜1%である。
【0084】ノニオン界面活性剤の具体例としては、ポ
リオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレ
ンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエー
テル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリ
オキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンア
ルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリ
オキシプロピレンブロックコポリマー類、さらにポリオ
キシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマ
ーの端末の水酸基に炭素数5〜24の脂肪族基がエーテ
ル結合した複合ポリオキシアルキレンアルキルエーテル
類、同じくアルキル置換アリール基がエーテル結合した
複合ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル
類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステア
レート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノ
パルミテート、ソルビタンモノオレート、ソルビタント
リオレートなどのソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオ
キシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエ
チレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレ
ンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソ
ルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビ
タントリオレートなどのポリオキシエチレンソルビタン
脂肪酸エステル類などが挙げられる。
【0085】両性界面活性剤の具体例としては、アルキ
ルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエ
チルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエ
チル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン
やN−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商
品名アモーゲンK、第一工業(株)製)等が挙げられ
る。
【0086】アニオン系活性剤の具体例としては、アル
キルスルホン酸類、アリールスルホン酸類、脂肪族カル
ボン酸類、アルキルナフタレンスルホン酸類、アルキル
ナフタレンスルホン酸又はナフタレンスルホン酸とホル
ムアルデヒドの縮合型のもの、炭素数9〜26の脂肪族
スルホン酸類、アルキルベンゼンスルホン酸類、ラウリ
ルポリオキシエチレン硫酸、セチルポリオキシエチレン
スルホン酸、オレイルポリオキシエチレンホスホン酸な
どのポリオキシエチレン含有硫酸やポリオキシエチレン
含有燐酸などが挙げられる。
【0087】カチオン活性剤の具体例としては、ラウリ
ルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウム
クロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロラ
イド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライ
ドなどが挙げられる。
【0088】フッ素系界面活性剤としては、パーフルオ
ロアルキル基を有する界面活性剤が好ましく、カルボン
酸、スルホン酸、硫酸エステル及びリン酸エステルのい
づれかを有するアニオン型の界面活性剤、又は、脂肪族
アミン、第4級アンモニウム塩のようなカチオン型の界
面活性剤、又はベタイン型の両性界面活性剤、又は、ポ
リオキシ化合物の脂肪族エステル、ポリアルキレンオキ
シド縮合型、ポリエチレンイミン縮合型のようなノニオ
ン型界面活性剤などが挙げられる。
【0089】本発明の画像形成層には、画像形成後、画
像部と非画像部の区別をつきやすくするため、可視光域
に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用する
ことができる。具体的には、オイルイエロー#101、
オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイ
ルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#
603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オ
イルブラックT−505(以上オリエント化学工業
(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイ
オレット(CI42555)、メチルバイオレット(C
I42535)、エチルバイオレット、ローダミンB
(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI4
2000)、メチレンブルー(CI52015)等、及
び特開昭62−293247号に記載されている染料を
挙げることができる。また、フタロシアニン系顔料、ア
ゾ系顔料、酸化チタンなどの顔料も好適に用いることが
できる。添加量は、画像形成層の全固形分に対し、0.
01〜10%の割合である。
【0090】本発明の画像形成層には、必要に応じ、塗
膜の柔軟性等を付与するために可塑剤を加えることがで
きる。例えば、ポリエチレングリコール、クエン酸トリ
ブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル
酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジ
ル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン
酸テトラヒドロフルフリル等が用いられる。
【0091】マイクロカプセルを画像形成層に添加する
場合は、内包物が溶解し、かつ壁材が膨潤する溶剤をマ
イクロカプセル分散媒中に添加することができる。この
ような溶剤によって、内包された熱反応性官能基を有す
る化合物の、マイクロカプセル外への拡散が促進され
る。このような溶剤としては、マイクロカプセル分散
媒、マイクロカプセル壁の材質、壁厚及び内包物に依存
するが、多くの市販されている溶剤から容易に選択する
ことができる。例えば架橋ポリウレア、ポリウレタン壁
からなる水分散性マイクロカプセルの場合、アルコール
類、エーテル類、アセタール類、エステル類、ケトン
類、多価アルコール類、アミド類、アミン類、脂肪酸類
などが好ましい。
【0092】具体的化合物としては、メタノール、エタ
ノール、第3ブタノール、n−プロパノール、テトラヒ
ドロフラン、乳酸メチル、乳酸エチル、メチルエチルケ
トン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチ
レングリコールジエチルエーテル、エチレングリコール
モノメチルエーテル、γ−ブチルラクトン、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドな
どがあるが、これらに限られない。またこれらの溶剤を
2種以上用いても良い。
【0093】マイクロカプセル分散液には溶解しない
が、前記溶剤を混合すれば溶解する溶剤も用いることが
できる。添加量は、素材の組み合わせにより決まるもの
であるが、適性値より少ない場合は、画像形成が不十分
となり、多い場合は分散液の安定性が劣化する。通常、
塗布液の5〜95%が有効であり好ましい範囲は、10
〜90%、より好ましい範囲は15〜85%である。
【0094】本発明の画像形成層に、熱反応性官能基を
有するポリマー微粒子又はマイクロカプセルを用いる場
合は、必要に応じてこれらの反応を開始あるいは促進す
る化合物を添加することができる。反応を開始あるいは
促進する化合物としては、熱によりラジカルあるいはカ
チオンを発生するような化合物を挙げることができ、例
えば、ロフィンダイマー、トリハロメチル化合物、過酸
化物、アゾ化合物、ジアゾニウム塩あるいはジフェニル
ヨードニウム塩などを含んだオニウム塩、アシルホスフ
ィン、イミドスルホナートなどが挙げられる。また、こ
れらの化合物は、ポリマー微粒子中又はマイクロカプセ
ルに内包される化合物中に添加することもできる。これ
らの化合物の画像形成層への添加量は、画像形成層固形
分の0.1〜20%が好ましく、より好ましくは0.5
〜10%である。この範囲内で、機上現像性を損なわ
ず、良好な反応開始もしくは促進効果が得られる。
【0095】本発明の画像形成層は、必要な上記各成分
を水、又は必要に応じて有機溶剤を加えた混合溶剤に溶
解又は分散して塗布液を調製し、塗布される。塗布液の
固形分濃度は、好ましくは1〜50%である。
【0096】塗布する方法としては、種々の方法を用い
ることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗
布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エア
ーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げられ
る。塗布、乾燥後に得られる支持体上の画像形成層の塗
布量(固形分)は、用途によって異なるが、一般的に
0.5〜5.0g/m2が好ましく、0.5〜2.0g
/m2がより好ましい。
【0097】本発明に用いる支持体は、親水性表面を有
する基板、又は親水層の塗布などによって親水性表面を
付与された基板である。具体的には、紙、プラスチック
(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミ
ニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例え
ば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン
酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、
硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネ
ート、ポリビニルアセタール等)、上記の如き金属がラ
ミネート若しくは蒸着された紙又はプラスチックフィル
ム、又はこれらの基板に親水層を塗布されたものであ
る。特に好ましい支持体としては、アルミニウム板及び
親水層を塗布されたポリエステルフィルムが挙げられ
る。
【0098】該アルミニウム板は、純アルミニウム板及
びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金
板であり、さらにはアルミニウム又はアルミニウム合金
の薄膜にプラスチックがラミネートされているものであ
る。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、
鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビス
マス、ニッケル、チタン等がある。合金中の異元素の含
有量は高々10%以下である。また、DC鋳造法を用い
たアルミニウム鋳塊からのアルミニウム板でも、連続鋳
造法による鋳塊からのアルミニウム板であっても良い。
しかし、本発明に適用されるアルミニウム板は、従来よ
り公知公用の素材のアルミニウム板をも適宜に利用する
ことができる。
【0099】本発明で用いられる上記の支持体の厚みは
好ましくは0.05mm〜0.6mm、より好ましくは
0.1mm〜0.4mm、特に好ましくは0.15mm
〜0.3mmである。
【0100】アルミニウム板を使用するに先立ち、表面
の粗面化、陽極酸化等の表面処理をすることが好まし
い。表面処理により、親水性の向上及び画像形成層との
接着性の確保が容易になる。
【0101】アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々
の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する
方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学
的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的
方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト
研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができ
る。化学的方法としては、特開昭54−31187号に
記載されているような鉱酸のアルミニウム塩の飽和水溶
液に浸漬する方法が適している。また、電気化学的な粗
面化法としては塩酸又は硝酸等の酸を含む電解液中で交
流又は直流により行う方法がある。また、特開昭54−
63902号に開示されているように混合酸を用いた電
解粗面化方法も利用することができる。
【0102】上記の如き方法による粗面化は、アルミニ
ウム板の表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.2〜1.
0μmとなるような範囲で施されることが好ましい。
【0103】粗面化されたアルミニウム板は必要に応じ
て水酸化カリウムや水酸化ナトリウム等の水溶液を用い
てアルカリエッチング処理がされ、さらに中和処理され
た後、所望により耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理
が施される。
【0104】アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられ
る電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電
解質の使用が可能で、一般的には硫酸、塩酸、蓚酸、ク
ロム酸もしくはそれらの混酸が用いられる。それらの電
解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
【0105】陽極酸化の処理条件は、用いる電解質によ
り種々変わるので一概に特定し得ないが、一般的には電
解質の濃度が1〜80%溶液、液温は5〜70℃、電流
密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間1
0秒〜5分の範囲であれば適当である。形成される酸化
皮膜量は、1.0〜5.0g/m2、特に1.5〜4.
0g/m2であることが好ましい。
【0106】本発明で用いられる支持体としては、上記
のような表面処理をされ陽極酸化皮膜を有する基板その
ままでも良いが、上層との接着性、親水性、汚れ難さ、
断熱性等の一層の改良のため、必要に応じて、特願20
00−65219号や特願2000−143387号に
記載されている陽極酸化皮膜のマイクロポアの拡大処
理、マイクロポアの封孔処理、及び親水性化合物を含有
する水溶液に浸漬する表面親水化処理等を適宜選択して
行うことができる。
【0107】上記親水化処理のための好適な親水性化合
物としては、ポリビニルホスホン酸、スルホン酸基をも
つ化合物、糖類化合物、クエン酸、アルカリ金属珪酸
塩、フッ化ジルコニウムカリウム、リン酸塩/無機フッ
素化合物等を挙げることができる。
【0108】本発明の支持体としてポリエステルフィル
ムなど表面の親水性が不十分な支持体を用いる場合は、
親水層の塗布等により表面を親水性にする必要がある。
親水層としては、特願2000−10810号に記載
の、ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、珪素、
チタン、硼素、ゲルマニウム、スズ、ジルコニウム、
鉄、バナジウム、アンチモン及び遷移金属から選択され
る少なくとも一つの元素の酸化物又は水酸化物のコロイ
ドを含有する塗布液を塗布してなる親水層が好ましい。
中でも、珪素の酸化物又は水酸化物のコロイドを含有す
る塗布液を塗布してなる親水層が好ましい。
【0109】本発明においては、画像形成層を塗布する
前に、必要に応じて、特願2000−143387号に
記載の、例えばホウ酸亜鉛等の水溶性金属塩のような無
機下塗層、又は例えばカルボキシメチルセルロース、デ
キストリン、ポリアクリル酸などの含有する有機下塗層
が設けられてもかまわない。又、この下塗層には、前記
光熱変換剤を含有させてもよい。
【0110】本発明の平版印刷版用原板は、保存時の親
油性物質による汚染や取り扱い時の手指の接触による指
紋跡汚染等から親水性の画像形成層表面を保護するた
め、画像形成層上に親水性オーバーコート層を設けるこ
とができる。
【0111】本発明に使用される親水性オーバーコート
層は印刷機上で容易に除去できるものであり、水溶性樹
脂、又は水溶性樹脂を部分的に架橋した水膨潤性樹脂か
ら選ばれた樹脂を含有する。
【0112】かかる水溶性樹脂は、水溶性の天然高分子
及び合成高分子から選ばれ、水溶性樹脂単独もしくは架
橋剤とともに用いて、塗布乾燥された皮膜がフィルム形
成能を有するものである。
【0113】本発明に好ましく用いられる水溶性樹脂の
具体例としては、天然高分子では、アラビアガム、水溶
性大豆多糖類、繊維素誘導体(例えば、カルボキシメチ
ルセルローズ、カルボキシエチルセルローズ、メチルセ
ルローズ等)、その変性体、ホワイトデキストリン、プ
ルラン、酵素分解エーテル化デキストリン等、合成高分
子では、ポリビニルアルコール(ポリ酢酸ビニルの加水
分解率65%以上のもの)、ポリアクリル酸、そのアル
カリ金属塩もしくはアミン塩、ポリアクリル酸共重合
体、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリメタク
リル酸、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ビニル
アルコール/アクリル酸共重合体及びそのアルカリ金属
塩もしくはアミン塩、ポリアクリルアミド、その共重合
体、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリビニルピ
ロリドン、その共重合体、ポリビニルメチルエーテル、
ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、ポリ
−2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスル
ホン酸、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリ−
2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホ
ン酸共重合体、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、
等を挙げることができる。目的に応じて、これらの樹脂
を二種以上混合して用いることもできる。しかし、本発
明はこれらの例に限定されるものではない。
【0114】水溶性樹脂の少なくとも1種以上を部分架
橋し、画像形成層上にオーバーコート層を形成する場
合、架橋は、水溶性樹脂の有する反応性官能基を用いて
架橋反応することにより行われる。架橋反応は、共有結
合性の架橋であっても、イオン結合性の架橋であっても
よい。
【0115】架橋により、オーバーコート層表面の粘着
性が低下して平版印刷版用原板の取り扱い性がよくなる
が、架橋が進み過ぎるとオーバーコート層が親油性に変
化して、印刷機上におけるオーバーコート層の除去が困
難になるので、適度な部分架橋が好ましい。好ましい部
分架橋の程度は、25℃の水中に印刷版用原板を浸した
ときに、30秒〜10分間では親水性オーバーコート層
が溶出せず残存しているが、10分以上では溶出が認め
られる程度である。
【0116】架橋反応に用いられる化合物(架橋剤)と
しては、架橋性を有する公知の多官能性化合物が挙げら
れ、ポリエポキシ化合物、ポリアミン化合物、ポリイソ
シアナート化合物、ポリアルコキシシリル化合物、チタ
ネート化合物、アルデヒド化合物、多価金属塩化合物、
ヒドラジン等が挙げられる。
【0117】架橋剤は単独又は2種以上を混合して使用
することが可能である。架橋剤のうち特に好ましい架橋
剤は、水溶性の架橋剤であるが、非水溶性のものは分散
剤によって水に分散して使用することができる。
【0118】特に好ましい水溶性樹脂と架橋剤の組み合
わせとしては、カルボン酸含有水溶性樹脂/多価金属化
合物、カルボン酸含有水溶性樹脂/水溶性エポキシ樹
脂、水酸基含有樹脂/ジアルデヒド類を挙げられる。
【0119】架橋剤の好適な添加量は、水溶性樹脂の2
〜10%である。この範囲内で印刷機上でのオーバーコ
ート層の除去性を損なうことなく、良好な耐水性が得ら
れる。
【0120】上記オーバーコート層には、感度を向上さ
せるため光熱変換剤を含有させることができる。好まし
い光熱変換剤としては、水溶性の赤外線吸収色素が挙げ
られる。具体例として、前記の画像形成層の説明中に示
した水溶性基を有する赤外線吸収色素が挙げられる。
【0121】その他、オーバーコート層には塗布の均一
性を確保する目的で、水溶液塗布の場合には主に非イオ
ン系界面活性剤を添加することができる。この様な非イ
オン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステ
アレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタント
リオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
ドデシルエーテル等を挙げることが出来る。上記非イオ
ン界面活性剤のオーバーコート層の全固形物中に占める
割合は、0.05〜5%が好ましく、より好ましくは1
〜3%である。
【0122】本発明のオーバーコート層の厚みは、水溶
性樹脂が架橋されていない場合は、0.1μmから4.
0μmが好ましく、更に好ましい範囲は0.1μmから
1.0μmであり、水溶性樹脂が部分架橋されている場
合は、0.1〜0.5μmが好ましく、0.1〜0.3
μmがより好ましい。この範囲内で、印刷機上でのオー
バーコート層の除去性を損なうことなく、親油性物質に
よる画像形成層の汚染を防止できる。
【0123】本発明の平版印刷版用原板は熱により画像
形成される。具体的には、熱記録ヘッド等による直接画
像様記録、赤外線レーザによる走査露光、キセノン放電
灯などの高照度フラッシュ露光や赤外線ランプ露光など
が用いられるが、波長700〜1200nmの赤外線を
放射する半導体レーザ、YAGレーザ等の固体高出力赤
外線レーザによる露光が好適である。
【0124】本発明の平版印刷版用原板は、レーザー出
力が0.1〜300Wのレーザーで照射をすることがで
きる。また、パルスレーザーを用いる場合には、ピーク
出力が1000W、好ましくは2000Wのレーザーを
照射するのが好ましい。この場合の露光量は、印刷用画
像で変調する前の面露光強度が0.1〜10J/cm 2
の範囲であることが好ましく、0.3〜1J/cm2
範囲であることがより好ましい。支持体が透明である場
合は、支持体の裏側から支持体を通して露光することも
できる。
【0125】画像露光された本発明の平版印刷版用原板
は、それ以上の処理なしに印刷機の圧胴に取り付けられ
た後、湿し水とインキを供給し、さらに紙を供給する通
常の印刷開始操作によって機上現像され、続いて印刷す
ることができる。
【0126】また、本発明の平版印刷版用原板は、印刷
機の版胴上に取りつけた後に、印刷機に搭載されたレー
ザーにより露光し、続いて機上現像し、印刷するシステ
ムにも用いられる。
【0127】また、本発明の平版印刷版用原板は、露光
後、水又は適当な水溶液を現像液とする液体現像処理を
した後、印刷に用いることも可能である。
【0128】
【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0129】(アクリルアミドマクロモノマーの合成)
アクリルアミド30gと3−メルカプトプロピオン酸
3.8gをエタノール70gに溶解後、窒素雰囲気下6
0℃に昇温し、熱重合開始剤2,2´−アゾビスイソブ
チロニトリル300mgを加えて6時間反応した。反応
後白色沈殿を濾過し、メタノールで十分洗浄して、末端
カルボン酸プレポリマー30.8gを得た(酸価0.7
87meq/g、重量平均分子量1.29×103)。
【0130】得られたプレポリマー20gをジメチルス
ルホキシド62gに溶解し、グリシジルメタクリレート
6.71g、N,N−ジメチルドデシルアミン(触媒)
504mg、ハイドロキノン(重合禁止剤)62.4m
gを加え、窒素雰囲気下140℃で7時間反応した。反
応溶液をアセトンに加えてポリマーを沈殿させ、よくア
セトンで洗浄して末端メタクリレートアクリルアミドマ
クロモノマー23.4gを得た(重量平均分子量:14
00)。H1−NMR(D2O)6.12ppmと5.7
0ppmのメタクリロイル基オレフィンピーク、及び酸
価(0.057meq/g)の減少から、末端に重合性
基が導入できたことを確認した。
【0131】(親水性グラフトポリマー(1)の合成)
蒸留水5gの入ったフラスコに、上記マクロモノマー4
g、メタクリル酸ナトリウム6g、2,2´−アゾビス
[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン](商
品名:VA061、和光純薬工業(株)製)100mg
を蒸留水17gに溶解した水溶液を窒素雰囲気下65℃
で2時間かけて滴下した。滴下終了後、引き続き6時間
加熱を続けた。反応溶液をアセトンに加えてポリマーを
沈殿させ、アセトンでよく洗浄して、親水性グラフトポ
リマー(1)6.95gを得た(重量平均分子量1.3
0×105、収率92.7%)。
【0132】(親水性グラフトポリマー(2)の合成)
ジメチルスルホキシド40gの入ったフラスコに、上記
マクロモノマー13.5gを混合し、窒素気流下65℃
に加熱した。この溶液中にメタクリル酸メチル1.5
g、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)(商品名:V―65、和光純薬工業(株)製)1
50mgをジメチルスルホキシド20gに溶解した溶液
を窒素雰囲気下65℃で2時間かけて滴下した。滴下終
了後、引き続き4時間加熱を続けた。室温まで冷却後反
応溶液をメタノールに加えてポリマーを沈殿させた。沈
殿を吸引ろ過し、メタノールで洗浄後、室温で一昼夜、
真空乾燥を行い親水性グラフトポリマー(2)13.7
gを得た(重量平均分子量1.50×105、収率91
%)。
【0133】(微粒子(1)の合成)酢酸エチル21.
0gに、重量平均分子量1500のフェノールノボラッ
ク樹脂(メタ/パラ比=60/40)6.75g、ニト
ロセルロース(n−プロパノール30%含有)0.75
g、アニオン界面活性剤パイオニンA−41C(竹本油
脂(株)製)0.1gを溶解し、油相を作製した。これに
4%のポリビニルアルコール(クラレ(株)製PVA2
05)水溶液36.0gの水相を加え、ホモジナイザー
で10000rpmで10分間乳化させた。水24.0
gを加えた後、この液を50℃で3時間、有機溶剤を飛
ばしながら加熱した。固形分濃度を測定したところ1
5.0%であった。また平均粒径は0.3μmであっ
た。
【0134】(微粒子(2)の合成)油相成分として、
キシレンジイソシアネート40g、トリメチロールプロ
パンジアクリレート10g、アリルメタクリレートとブ
チルメタクリレート(モル比7/3)の共重合体9.0
g、ニトロセルロース(n−プロパノール30%含有)
1.0g、パイオニンA41C(竹本油脂製)0.1
g、ヨードニウム塩(下記構造)2gを酢酸エチル60
gに溶解した。水相成分として、PVA205(クラレ
製)の4%水溶液を120g作製した。次に油相成分及
び水相成分をホモジナイザーを用いて10000rpm
で乳化した。その後、水を40g添加し、室温で30
分、さらに40℃で3時間攪拌した。このようにして得
られた微粒子分散液の固形分濃度は20%、平均粒径は
0.5μmであった。
【0135】
【化5】
【0136】(比較用微粒子(1)の合成)微粒子
(1)の合成において、フェノールノボラック樹脂の量
を7.5gとし、ニトロセルロースを無添加とした変更
以外は微粒子(1)の合成と同様にして、比較用微粒子
(1)を合成した。固形分濃度は15.0%であり、微
粒子の平均粒径は0.3μmであった。
【0137】(比較用微粒子(2)の合成)微粒子
(2)の合成において、アリルメタクリレートとブチル
メタクリレート(モル比7/3)共重合体の量を10g
とし、ニトロセルロースを無添加とした変更以外は微粒
子(2)の合成と同様にして、比較用微粒子(2)を合
成した。固形分濃度は20%であり、微粒子の平均粒径
は0.5μmであった。
【0138】実施例1〜2及び比較例1〜2 アルミニウム板(材質JISA1050、厚さ0.24
mm)を公知の方法を用いて、硝酸浴で電解砂目立て、
硫酸浴で陽極酸化した後、ケイ酸塩水溶液による処理を
行った。支持体のRa(中心線表面粗さ)は0.25μ
m、陽極酸化皮膜量は2.5g/m2、ケイ素付着量は
10mg/m2であった。
【0139】上記のアルミニウム支持体上に下記組成の
画像形成層塗布液を作製し、ロッドバーを用いて塗布
し、60℃で3分間乾燥して、乾燥塗布量0.8g/m
2の平版印刷版用原板を作製した。微粒子は上記のよう
に合成した分散物を、10%になるように蒸留水で希釈
して用いた。
【0140】 (画像形成層塗布液組成) 微粒子分散物(表1に微粒子の番号で示す) 10g 親水性樹脂(表1に使用樹脂名を示す) 0.1g 光熱変換剤(上記IR−10) 0.1g メガファックF−177(大日本インキ化学工業(株)製、 フッ素系界面活性剤)の20%水溶液 0.05g 蒸留水(塗布液濃度が7%になるように添加)
【0141】得られた平版印刷版用原板を、水冷式40
Wの赤外線半導体レーザーを搭載したクレオ社製トレン
ドセッター3244VFSにて、出力9W、外面ドラム
回転数210rpm、版面エネルギー300mJ/m2
又は500mJ/m2、解像度2400dpiの条件で
露光した後、現像処理することなく、ハイデルベルグ社
製印刷機SOR―Mの版胴に取り付け、湿し水を供給し
た後、インキを供給し、さらに紙を供給して印刷を行っ
た。表1に露光エネルギー量及び印刷可能枚数(耐刷枚
数)を示した。
【0142】
【表1】
【0143】本発明の平版印刷版用原板は、何れも良好
な機上現像性を示した。また、得られた平版印刷版から
は、汚れのない良好な印刷物が得られた。この結果か
ら、本発明の平版印刷版用原板は、低い露光量でも良好
な耐刷性を示すことが分かる。
【0144】
【発明の効果】本発明によれば、デジタル信号に基づい
た赤外線走査露光後、処理を行うことなくそのまま印刷
機に装着して印刷可能な機上現像型の平版印刷版用原板
であって、高感度で、かつ高耐刷な平版印刷版を安定に
作製可能な平版印刷版用原板を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA12 AB03 AC08 AD01 BH03 BJ03 CB54 CC11 CC20 2H096 AA06 BA01 EA04 EA23 2H114 AA04 AA24 BA01 BA10 DA21 DA31 EA01 EA03 EA04 EA08 GA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、(a)疎水性化前駆体、
    (b)光熱変換剤、及び(c)自己発熱反応をおこなう
    有機物質を含有する画像形成層を有する平版印刷版用原
    板。
  2. 【請求項2】 自己発熱反応をおこなう有機物質が硝酸
    エステル類であることを特徴とする請求項1記載の平版
    印刷版用原板。
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