JP2003080337A - 加圧成形方法および加圧成形部材 - Google Patents

加圧成形方法および加圧成形部材

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Abstract

(57)【要約】 【課題】環境負荷の低減を図りつつ、加圧成形体を効率
よく生産できる加圧成形方法を提供する。 【解決手段】金属素材の表面および/または成形金具の
成形面に高級脂肪酸系潤滑剤を付着させる付着工程と、
金属素材および/または成形金具を加熱する加熱工程
と、成形金具により金属素材を温間状態で加圧成形する
成形工程と、からなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、良好な加圧成形性
が得られる金属素材の加圧成形方法に関するものであ
る。また、その加圧成形方法により得られた加圧成形部
材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属素材を所望の形状にしたり、強度等
に優れた特性を発揮させるために、加圧成形による塑性
加工が行われる。例えば、金属塊を金型に載置して行う
鍛造や、焼結材の高密度化や高精度化等のために行われ
る再圧縮、コイニング、サイジング、さらにはロールを
用いた圧延やダイスを用いた押出し、引抜き、転造等で
ある。ところで、このような加圧成形を行う場合、金
型、ロール、ダイス等の成形金具と金属素材との接触面
(圧接面)間は高圧となる。このため、焼き付き等を防
止して良好な加圧成形性を確保するためには、その圧接
面に高圧等にも耐え得る潤滑性を確保する必要がある。
【0003】このような潤滑方法として、金属素材の表
面または金型等の成形面にオイルをスプレー等する油潤
滑法、金属素材の表面等にリン酸塩被膜を形成する化成
処理法(ボンデ処理:商標)等が行われている。また、
金属素材が比較的小さいときは、その金属素材の表面に
ステアリン酸亜鉛(ZnSt.)等の乾燥した潤滑剤粉
末を付着させることも行われる。これは、その金属素材
と潤滑剤粉末とをタンブリング・バレル中に入れて、そ
のタンブリング動作によって為される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、油潤滑または
化成処理を行う場合、その廃液処理に多くの費用が必要
となる。特に、環境規制の厳しい今日、環境負荷の大き
な廃液を排出する処理方法は、好ましい潤滑法ではな
い。また、油潤滑法を行った場合、成形品のべとつき等
により作業環境が悪化したり、脱脂工程が別途必要とな
ったりする。さらに、成形代(しごき代)が大きい場
合、油潤滑では潤滑性が不十分で、金型等の損傷やその
寿命低下を招く。
【0005】化成処理法を行った場合は、良好な潤滑性
が得られるものの、前処理工程等を必要とし、潤滑被膜
の被覆処理コストが高い。そして、この処理を行う場
合、油潤滑以上に厳しい廃液管理が必要となり、工数や
処理コストの点からも好ましくない。潤滑剤粉末を金属
素材の表面に付着させる方法は、適用できる金属素材が
小物の場合に限られ、また、タンブリング工程等が別途
必要となり、現実的ではない。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みて為され
たものである。つまり、環境負荷低減を図れる潤滑法を
採用して、良好な成形性が得られる加圧成形方法を提供
することを目的とする。また、表面性状や寸法精度等に
優れた加圧成形部材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者はこの
課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、
金属素材と成形金具との接触面間に高級脂肪酸系潤滑剤
を介在させ、温間状態で加圧成形すると、優れた加圧成
形性が得られることを見出し、本発明を完成させるに至
ったものである。 (加圧成形方法) (1)すなわち、本発明の加圧成形方法は、金属素材の
表面および/または成形金具の成形面に高級脂肪酸系潤
滑剤を付着させる付着工程と、金属素材および/または
成形金具を加熱する加熱工程と、成形金具により金属素
材を温間状態で加圧成形する成形工程と、からなること
を特徴とする。
【0008】金属素材と成形金具との接触面間に高級脂
肪酸系潤滑剤を介在させた状態で、温間加圧成形する
と、金属素材と成形金具との圧接面に新たな金属石鹸か
らなる潤滑被膜が形成されて、良好な潤滑性が得られ
る。特に、成形代(金属素材の変形量)が大きい場合、
つまり、高圧成形を行う場合でも、両者間に固着やかじ
り等を生じず、抜き圧力の低減も図れる。そして、この
優れた加圧成形性により、金型等の成形金具の高寿命化
も図ることができる。さらに、高級脂肪酸系潤滑剤を用
いているため、化成処理等の廃液処理が問題となること
もない。また、特別な前処理等をも必要としないため、
加圧成形の低コスト化を図れる。
【0009】本明細書でいう「金属素材」は、溶製材で
も焼結材でもよい。また、その形態は問わず、インゴッ
トでも、板材でも、線材でも、管材でも良い。但し、金
属粉末自体のように、マクロ的な外形を有しない原材料
等は、本発明でいう「金属素材」に含まれない。これに
関連して本発明でいう「成形」とは、マクロ的な有形状
の素材に対して、その外形状を所望の形状に整えるこ
と、つまりは、所望の形状に加工することを意味する。
従って、金属粉末等の原料粉末を加圧成形して、単に粉
末成形体とするような成形は、本発明でいう「成形」で
はない。「成形金具」は、鍛造等で使用する金型に限ら
ず、ロール、ダイス等でも良い。そして、本明細書でい
う加圧成形方法(成形工程)は、鍛造、圧延、押出し、
引抜き、転造、コイニング、サイジングまたは再圧縮等
を含むものである。また、付着工程と加熱工程とは記載
順に行われなくても良い。また、加熱工程と成形工程と
が実質的に一体的に行われても良い。すなわち、成形工
程中で加熱工程が行われても良い。成形工程が温間状態
で行われれば十分だからである。
【0010】(2)さらに、本発明者は、上記発明の完
成後も鋭意研究を継続したところ、必ずしも上記加熱工
程を行わずとも、優れた加圧成形性が得られることを新
たしく見出し、次の発明を完成させるに至った。すなわ
ち、本発明は、金属素材の表面および/または成形金具
の成形面に高級脂肪酸系潤滑剤を付着させる付着工程
と、成形金具による金属素材の加圧成形中に、金属素材
の表面と成形金具の成形面とが圧接する圧接面に金属石
鹸被膜からなる潤滑被膜が形成される成形工程とからな
ることを特徴とする加圧成形方法とすることもできるこ
とが新たに解った。このように、成形工程に際して予め
または成形工程と同時に為されていた成形金具等の加熱
工程を省略できるため、設備の簡素化、低コスト化、ラ
ンニングコスト低減等をより一層図れるようになった。
【0011】この理由は現在解明中であるが、現状次の
ように考えることができる。 (a)先ず、本発明を完成させるに至った経緯について
説明すると、本発明者が加熱工程を行わずに、鉄粉から
なる焼結材(鉄系焼結素材)にサイジング加工(成形工
程)を行ったところ、円筒状の押型(ダイス、成形金
具)にかじり等を生じず、抜圧も低いことが明らかとな
った。得られた加圧成形部材の表面を調べたところ、金
属石鹸被膜で被覆されていることも明らかとなった。な
お、このサイジング加工は、金属素材の外形をしごいて
圧縮し所望寸法とする加工である。このことから、加熱
工程を省略した場合でも、これまで考えられてきた温間
状態での加圧成形と同様のことが生じているのではない
かと考えられた。なぜなら、本発明者が種々の試験を繰
り返したところ、上記金属石鹸被膜は、温間状態にある
高圧下で、メカノケミカル反応によって形成されること
が明らかとなっているからである。
【0012】そこで、本発明者は、上記のサイジング加
工で生じている現象を次のように考えた。先ず、焼結材
の外表面が高圧状態となることについては問題はない。
次に、如何に温間状態が創出されているかが問題となる
が、これには摩擦熱が関与していると思われる。焼結材
は押型の内壁を摺動しつつ押し出されていく。特に、焼
結材が押型によってしごかれる縮径部分(サイジング
部)では、焼結材の外表面と押型の成形面(内壁面)と
が強く圧接し、相当な高圧となった状態で、両者が相対
移動をする。その結果、ごく局部的であるかもしれない
が、両者の圧接面部分では相当の摩擦熱が生じ得ると思
われる。そして、その圧接面部分において高級脂肪酸系
潤滑剤は、少なくとも温間状態かつ高圧状態にされ、そ
こに金属石鹸被膜が形成されると考えられる。しかも、
このような局部的な金属石鹸被膜であっても、現実に、
押型のかじり防止、押し出す駆動力若しくは抜圧の低減
効果は十分にあった。従って、前述したように、加熱工
程をわざわざ行わずとも、上記のような金属石鹸被膜が
成形されて、成形工程前または成形工程中の加熱工程を
省略できる場合もあることが確認された。
【0013】なお、ここでは成形金具を積極的に加熱せ
ず、室温状態で金属素材を加圧成形する場合について主
に説明したが、成形金具を緩やかに加熱しても勿論良
い。成形金具を100℃以上に加熱するには、多くのエ
ネルギや大型で高価の設備が必要であるとしても、10
0℃未満ならエネルギーの消費量も低減でき、加熱設備
の簡素化でき、全体として低コスト化を図れる。もっと
も、加圧成形設備を実際に稼働していると、成形金具の
全体的な温度(全体温度)は自ずと上昇し、敢えて加熱
せずとも、100℃未満、より具体的には50〜60℃
程度になるのが実情である。そして、このように成形金
具の温度が上昇すれば、金属石鹸被膜の形成は安定し、
より成形性が向上することも本発明者は確認している。
このような成形金具の自然な温度上昇も、本発明の範囲
内であることは言うまでもない。
【0014】このようなサイジング工程を行う場合、付
着工程で、成形金具ではなく焼結材へ高級脂肪酸系潤滑
剤を付着させておくことが好ましい。焼結材が成形金具
内を移動する場合でも、連続的かつ安定的に金属石鹸被
膜を形成させるためである。さらにより安定的に金属石
鹸被膜を形成するためには、加熱した焼結材へ水に分散
させた高級脂肪酸系潤滑剤を吹付けるスプレー法等によ
り、付着工程を行うと好適である。簡易にかつ均一な高
級脂肪酸系潤滑剤の皮膜を形成できるからである。勿
論、均一な高級脂肪酸系潤滑剤の皮膜を形成できる限
り、ディップ法で付着工程を行っても良い。
【0015】(b)本発明者がさらに鋭意研究したとこ
ろ、加工代が加圧成形中の金属石鹸被膜の形成に影響を
及ぼし得ることが明らかとなった。前述のサイジング加
工を行う場合を例にとれば、しごき代(成形代、加工
代)がある範囲内なら、金属石鹸被膜が形成されて、サ
イジング加工が良好になされる。しかし、押型の加熱等
を行わずに、通常のサイジング範囲を超えてしごき代を
過大にすると、駆動負荷や抜圧の増加等が激しくなり、
成形性が低下し得ることも明らかとなった。
【0016】このような事情から、例えば、サイジング
工程のしごき代は、0.01〜0.1mm以下、さらに
は、0.03〜0.07mmであると好適である。0.
01mm未満では、加圧力が不足して金属石鹸被膜が安
定に形成されない。もっとも、かじりや抜圧等に関する
問題をあまり生じない範囲であるから、成形性は悪くな
い。一方、しごき代が0.1mmを超えると、良好な金
属石鹸被膜が安定的に形成されないと思われる。何故な
ら、しごき代が大きくなると、前述の圧接面における面
圧が大きくなり、ひいては摩擦力が大きくなり、局部的
に発生する摩擦熱が急激に増大する。すると、局部的に
しろ、圧接面では、良好な金属石鹸被膜が形成される温
間域を超越した高温域に突入するようになる。このよう
な高温域では、金属石鹸被膜が熱的に劣化したり破壊さ
れたりし得ると考えられる。仮に、そのような高温域に
まで到達していないとしても、本来の望ましい温間状態
で形成された金属石鹸被膜でないため、その金属石鹸被
膜は比較的薄く、圧接面に作用する高圧に耐え得ずに、
破壊されてしまうとも考えられる。理由は兎も角とし
て、加熱工程を行わずにサイジング工程を行う場合に
は、良好な金属石鹸被膜、ひいては良好な成形性を得る
ために、適切なしごき代を選択、設定することが推奨さ
れる。
【0017】(加圧成形部材)本発明は、加圧成形方法
のみならず、加圧成形部材としても把握できる。すなわ
ち、本発明は、金属素材の表面および/または成形金具
の成形面に高級脂肪酸系潤滑剤を付着させる付着工程
と、成形金具による金属素材の加圧成形中に、金属素材
の表面と成形金具の成形面とが圧接する圧接面に金属石
鹸被膜からなる潤滑被膜が形成される成形工程とを経て
得られることを特徴とする加圧成形部材と把握しても良
い。勿論、前記成形工程前または成形工程中に加熱工程
を行っても良い。例えば、本発明は、金属素材の表面お
よび/または成形金具の成形面に高級脂肪酸系潤滑剤を
付着させる付着工程と、金属素材および/または成形金
具を加熱する加熱工程と、成形金具により金属素材を温
間状態で加圧成形する成形工程とを経て得られることを
特徴とする加圧成形部材としても良い。
【0018】こうして得られた加圧成形部材は、摺動特
性に優れた金属石鹸被膜を介在させて成形されるため、
表面粗さ、外観等の表面性状に優れるたものである。ま
た、潤滑油を用いて加圧成形したものと異なり、潤滑油
が内部に含浸等しておらず、その脱脂等も不要であるた
め、取扱い性に優れ、後工程を簡素化できる。また、ボ
ンデ処理を用いて加圧成形したものとも異なり、表面に
リン(P)等が残存しないため、例えば、その後に表面
焼入れ等を行うような場合でも、良好な表面熱処理性が
得られる。前述の加圧成形方法と同様に、金属素材の一
例は鉄系焼結素材であり、成形工程の一例はサイジング
工程である。また、サイジング工程がなされる加圧成形
部材の一例として、歯形部材を挙げることができる。歯
形部材の具体例は、タイミングベルト(歯付きベルト)
が懸架されるタイミンングプーリ等である。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、実施形態を挙げ、本発明を
より詳細に説明する。なお、以下の内容は本発明の加圧
成形方法のみならず加圧成形部材にも適宜該当すること
である。 (1)付着工程 付着工程は、金属素材の表面および/または成形金具の
成形面に高級脂肪酸系潤滑剤を付着させる工程である。 高級脂肪酸系潤滑剤は、高級脂肪酸の他、高級脂肪酸
の金属塩であると、好適である。高級脂肪酸の金属塩に
は、リチウム塩、カルシウム塩又は亜鉛塩等があり、特
に、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、
ステアリン酸亜鉛が好ましいが、この他に、ステアリン
酸バリウム、パルミチン酸リチウム、オレイン酸リチウ
ム、パルミチン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム等
を用いることもできる。これらは、一種のみならず二種
以上を混合したものでも良い。
【0020】この高級脂肪酸系潤滑剤は、水に分散し
たステアリン酸リチウム等であると好ましい。高級脂肪
酸系潤滑剤が水に分散していると、金属素材の表面等に
高級脂肪酸系潤滑剤を、噴霧等により均一に付着させる
ことが可能となる。特に、加熱された金属素材や成形金
具にそれを噴霧すると、水分が素早く蒸発して、それら
に高級脂肪酸系潤滑剤を均一に付着させることができ
る。また、水に分散させた高級脂肪酸系潤滑剤を噴霧す
る場合の他、金属素材および/または成形金具を高級脂
肪酸系潤滑剤の水溶液に直接浸漬させても良い。この場
合も、金属素材が加熱されていると、水分が素早く蒸発
して、金属素材への高級脂肪酸系潤滑剤の均一な付着が
迅速に完了する。
【0021】まとめると、付着工程は、加熱した前記金
属素材および/または成形金具を前記高級脂肪酸系潤滑
剤の水溶液に浸漬するディップ法または加熱した該金属
素材および/または前記成形金具に水に分散させた該高
級脂肪酸系潤滑剤を吹付けるスプレー法により行われる
工程であると、好適である。特に、前記金属素材が焼結
材である場合は、焼結工程後の余熱を利用して、効率的
に付着工程を行うこともできる。つまり、前記金属素材
が、粉末成形体を加熱して焼結させる焼結工程を経て得
られる焼結材であり、前記付着工程が、該焼結工程後の
冷却過程で該焼結材に前記ディップ法または前記スプレ
ー法を施す工程であると好適である。なお、成形金具の
形態や取扱性等によっては、成形金具を高級脂肪酸系潤
滑剤の水溶液に直接浸漬させ、その成形面上に高級脂肪
酸系潤滑剤を付着させることも可能である。
【0022】(2)加熱工程 加熱工程は、金属素材および/または成形金具を加熱す
る工程である。この加熱工程は、第一義的には、次工程
である成形工程の温間加圧成形に先立ち、金属素材また
は成形金具を暖めておくものである。もちろん、金属素
材と成形金具との両方を略同温度に加熱しておくと、よ
り好ましい。特に、寸法精度が要求される場合には、熱
膨張率を考慮して、成形金具等の温度管理を厳しく行う
必要がある。第二義的には、この加熱工程を前述した付
着工程における加熱として利用することもできる。すな
わち、加熱工程を付着用加熱工程(第一加熱工程)と成
形用加熱工程(第二加熱工程)とに分離して考えること
もできるし、両者を一体とみなして一つの加熱工程と考
えても良い。
【0023】ところで、このような加熱工程における加
熱温度は、100℃以上、前記高級脂肪酸系潤滑剤の融
点未満とすることが好ましい。前記付着用加熱工程の観
点からは、100℃以上とすることで、水に分散させた
高級脂肪酸系潤滑剤の水分を素早く蒸発させることがで
きる。また、その加熱温度を高級脂肪酸系潤滑剤の融点
未満とすることにより、付着した高級脂肪酸系潤滑剤の
垂れや流出を防止できる。
【0024】前記成形用加熱工程の観点からは、その範
囲内の温度とすることにより、潤滑性に優れた新たな潤
滑層が次工程である加圧成形時に形成される。この潤滑
層は、金属素材の表面または成形金具の成形面に高級脂
肪酸系潤滑剤が化学吸着して形成された、新たな金属石
鹸からなる潤滑被膜である。言換えるなら、金属素材と
成形金具との接触面間に、ステアリン酸リチウム(Li
St.)等の高級脂肪酸系潤滑剤が単に介在するだけの
ものではない。詳細は必ずしも定かではないが、LiS
t.等の金属石鹸潤滑剤が金属素材または成形金具の表
面との間で化学反応を生じて、それらの表面に、潤滑性
に優れた強固な金属石鹸潤滑膜が新たに形成されると考
えられる。なお、このような金属石鹸潤滑膜の形成に
は、温度以外にも、接触面間に作用する圧力が影響する
が、これについては後述する。
【0025】加熱温度は、100〜200℃程度が好ま
しい。高級脂肪酸系潤滑剤としてLiSt.を用いた場
合、100〜220℃とすると好ましい。生産性、高級
脂肪酸系潤滑剤の変質防止等を考慮して、加熱温度を1
20〜180℃とすると、より好適である。このような
加熱は、金属素材を加熱する場合、加熱炉等により行え
る。また、成形金具は、バンドヒータ等の電熱ヒーター
で加熱できる。なお、寸法精度が要求される場合には、
温度制御装置をさらに設けると良い。
【0026】(3)成形工程 成形工程は、成形金具により金属素材を温間状態で加圧
成形する工程である。 前述したように、この温間加圧により、金属素材また
は成形金具と、高級脂肪酸系潤滑剤とがいわゆるメカノ
ケミカル反応を生じる。この反応によって、金属素材ま
たは成形金具の表面に吸着した、新たな金属石鹸の潤滑
膜が化学的に形成される。この金属石鹸潤滑膜は、高級
脂肪酸系潤滑剤よりも優れた潤滑性能を発揮する。特
に、金属素材が鉄系素材であるときに、潤滑性に優れた
金属石鹸潤滑膜が形成される。その結果、成形金具の内
面と金属素材の外面との間の摩擦力が著しく減少する。
これにより、本発明の加圧成形方法は、種々の加圧成形
に利用でき、加工代(塑性変形量)が大きい場合でも、
つまり、高圧成形する場合でも、良好な成形性が得られ
る。しかも、成形体の抜き圧力等も低く、かじり等をも
生じないため、成形品の表面性状は極めて良好である。
【0027】この成形工程における「温間」は、金属
素材、高級脂肪酸系潤滑剤、成形圧力等を考慮した適切
な加熱条件の下で成形工程を行うことを意味する。もっ
とも、このときの成形温度は、前述した加熱温度と同程
度にするれば十分である。
【0028】成形工程における「加圧」の程度も、加
圧成形の種類、金属素材または高級脂肪酸系潤滑剤の種
類、成形金具の強度または材質等に応じて適宜決定され
る。但し、本発明の加圧成形方法の場合、従来の成形圧
力を超越した成形圧力下で成形することも可能である。
例えば、焼結材のサイジングを行う場合であれば、通常
のしごき代は0.05〜0.1mm程度であるが、本発
明ではしごき代0.2mm以上とすることも可能であ
る。また、コイニングを行う場合であれば、1600M
Pa以上とすることもできる。焼結材を再圧縮やサイジ
ング等する場合、成形圧力が大きい程、高密度で強度等
にも優れた焼結材が得られる。もっとも、本発明の加圧
成形方法によれば、抜出し圧力(抜圧)や押込み圧力等
を著しく低減できるため、必要な成形金具の駆動力は小
さくすることができる。
【0029】なお、水に分散させた高級脂肪酸系潤滑剤
を用いて、100℃以上に加熱した金属素材にそれを被
覆した場合には、粉末潤滑剤をタンブリングにより被覆
したものよりも均一に、かつ、強固に付着する。このこ
とから、この時点で一部が金属素材表面に化学吸着した
新たな金属石鹸からなる被膜が少なくとも部分的に形成
されると考えられる。しごき代が比較的小さな焼結材の
サイジングを行う場合には、潤滑剤の付着工程において
のみ金属素材を加熱し、成形工程においては金属素材お
よび/または成形金具の加熱を省略することもできる。
加熱工程を省略できることについては、既に詳述した通
りである。
【0030】(4)高級脂肪酸系潤滑剤 前述したように、付着工程において、高級脂肪酸系潤滑
剤の均一な塗布を行うために、高級脂肪酸系潤滑剤を水
に分散させることが好ましい。このとき、原液を4倍に
希釈した水溶液を使用することを前提に、その原液は、
全体の重量を100質量%としたときに、高級脂肪酸系
潤滑剤が0.1〜10質量%、さらには、0.5〜5質
量%の割合で含まれるようにすると、均一な潤滑剤被膜
が形成されて好ましい。
【0031】また、その際、界面活性剤をその水に添加
しておくと、高級脂肪酸系潤滑剤がより均一に分散す
る。その界面活性剤として、例えば、アルキルフェノー
ル系の界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル(EO)6、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル(EO)10、アニオン性非イオン型界面活
性剤、ホウ酸エステルエマルボンT−80等を用いるこ
とができる。これらを2種以上組合わせて使用しても良
い。
【0032】例えば、高級脂肪酸系潤滑剤としてステア
リン酸リチウムを用いた場合、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル(EO)6、ポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル(EO)10及びホウ酸エステル
エマルボンT−80の3種類の界面活性剤を同時に用い
ると好ましい。複合添加すると、1種のみを添加する場
合に較べ、ステアリン酸リチウムの水への分散性が一層
活性化される。
【0033】噴霧に適した粘度の高級脂肪酸系潤滑剤の
水溶液を得るために、4倍に希釈して使用することを前
提に、その原液全体を100体積%とした場合、界面活
性剤の割合を1.5〜15体積%、さらには1.5〜5
体積%とすると好ましい。この他、少量の消泡剤(例え
ば、シリコン系の消泡剤等)を添加しても良い。水溶液
の泡立ちが激しいと、それを噴霧したときに、成形金具
の内面に、均一な高級脂肪酸系潤滑剤の被膜が形成され
にくいからである。消泡剤の添加割合は、その原液の全
体積を100体積%としたときに、0.1〜1体積%程
度であればよい。
【0034】水に分散した高級脂肪酸系潤滑剤の粒子
は、最大粒径が30μm未満であると、好適である。最
大粒径が30μm以上となると、水に分散した高級脂肪
酸系潤滑剤の粒子が沈殿し易く、成形金具の内面に高級
脂肪酸系潤滑剤を均一に付着することが困難となるから
である。
【0035】高級脂肪酸系潤滑剤の分散した水溶液の塗
布には、前述したディップ法やスプレー法により行え
る。スプレー法には、例えば、塗装用のスプレーガンや
静電ガン等を用いることができる。なお、本発明者が高
級脂肪酸系潤滑剤の付着量と加圧成形品の抜出圧力との
関係を実験により調べた結果によれば、膜厚が0.5〜
1.5μm程度となるように、金属素材の表面等に付着
させると、好ましいことが解っている。
【0036】
【実施例】次に、実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明する。 (1)第1実施例 (1−1)実施例 本実施例では、金属素材として試料No.1〜3の焼結
材(鉄系焼結素材)を用意し、これらに加圧成形加工の
一種であるサイジング加工を施した。また、使用した高
級脂肪酸系潤滑剤は、ステアリン酸リチウム(LiS
t.)である。以下、本発明の加圧成形方法に係る各工
程を詳細に説明する。
【0037】(a)試料No.1〜3の焼結材を次のよ
うに製作した。 原料粉末として、粒径−250μm以下のFe−2Cu
−0.9C+0.8Lub.組成からなる、へガネス社
製偏析防止処理粉末(STARMIX)を用意した。こ
の原料粉末を超硬製の成形用金型に充填し(充填工
程)、加圧成形して(粉末成形工程)、φ17x15m
mの円柱状の粉末成形体を製作した。但し、そのときの
成形圧力を調整することにより、密度が6.6g/c
3、6.8g/cm3、7.0g/cm3の3種の
粉末成形体を製作した。次にこれらの粉末成形体を窒素
雰囲気中で加熱(1150℃×30分)して、焼結させ
た(焼結工程)。その後、同雰囲気で毎分100℃で制
御冷却した。こうして上記の各粉末成形体からなる試料
No.1〜3の焼結材を得た。各径寸法は、それぞれ
17.038mm(試料No.1)、17.049m
m(試料No.2)、17.053mm(試料No.
3)であった。
【0038】(b)高級脂肪酸系潤滑剤の調製 LiSt.粉末25gを、1.5体積%の界面活性剤を
添加した100ccの水へ分散させた。これをボールミ
ル(テフロンコート鋼球)を用いて、100時間の粉砕
処理を行い、微細化処理した。その後、4倍に希釈して
最終濃度5%の水溶液とした。なお、この水溶液中のL
iSt.の平均粒子径は3μmであった。また、界面活
性剤として、0.5体積%のポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル(EO)6、(EO)10及び0.5
体積%のホウ酸エステルエマルボンT−80を用いた。
【0039】(c)サイジング金型 成形金具として、超硬製のサイジング金型(押型、ダイ
ス)を用意した。その成形面の表面粗さは0.4Zであ
る。焼結材の導入部は、φ17.55mmで、サイジン
グ部(縮径部分)がφ16.85mmである。導入部と
サイジング部の曲率半径は10mmとした。前述した焼
結材の径寸法とこのサイジング部との径差を求めると、
0.203〜0.188mm、概して約0.2mmであ
る。この径差(素材径−サイジング部径)が本発明でい
うしごき代となる。この金型を、その外側に巻いたバン
ドヒータで加熱した。バンドヒータは温度制御装置で制
御され、サイジング金型の温度が150±5℃となるよ
うに調整した(成形用加熱工程)。
【0040】なお、この加熱装置では、サイジング金型
の加熱温度は、RT(室温)〜200℃の範囲で任意に
設定できる。そして、金型温度の変化による製品寸法の
精度低下を防止するために、(設定温度)±5℃以内に
温度調整が可能となっている。
【0041】(d)焼結材への高級脂肪酸系潤滑剤の付
着 前述の高級脂肪酸系潤滑剤の水溶液に、150℃に加熱
した(付着用加熱工程)焼結材を浸漬して(ディップ
法)、その表面にLiSt.の潤滑剤被膜を被覆した
(付着工程)。本実施例では、焼結材にのみ高級脂肪酸
系潤滑剤を付着させたが、サイジング金型にも高級脂肪
酸系潤滑剤の水溶液を噴霧等しても良い。前述のディッ
プ法に替えてスプレー法を用いても良い。 (e)サイジング加工 そのLiSt.を被覆した焼結材を再び150℃に加熱
して(成形用加熱工程)、上記サイジング金型を用いて
サイジング加工を施した(成形工程)。
【0042】(1−2)比較例 比較例として、上記試料No.1〜3と同じ焼結材に、
ボンデ処理を施し、それらに実施例と同様のサイジング
加工を施した。但し、その加工温度は、現行一般的な加
工条件である室温とした。
【0043】(1−3)評価 (a)実施例および比較例について、サイジング時の押
込み圧力を各試料毎に図1に示した。この押込み圧力
は、焼結材を金型中へ押込む際に発生する最大荷重をサ
イジング金型のサイジング部φ16.85mmの断面積
で除した値である。実施例の方法によると、比較例の方
法に対して、押込み圧力が1/3〜1/2に大幅に低減
していることが解る。なお、高密度の焼結材ほど、押込
み圧力が高くなっているのは、しごき代が0.188m
mから0.203mmと僅かに大きくなっていること
と、硬さもHv140からHv180へと高くなるから
であると考えられる。
【0044】(b)次に、実施例および比較例につい
て、そのサイジング加工後に、金型から各焼結材を抜出
す際の抜圧を図2に示した。この抜圧は、最大抜出し荷
重を金型と接触している焼結材の側面積で除した値であ
る。実施例の方法によると、比較例の方法に対して、抜
圧も約1/3程度に大幅に低減していることが解る。
【0045】(c)さらに、実施例の方法で加圧成形し
て得られた各焼結材は、表面状態が極めて良好であった
(表面粗さ:0.5z〜1z程度)。一方、比較例に係
る焼結材は、表面粗さは悪くないものの、表面が黒ずん
でいた。
【0046】(2)第2実施例 さらに、以下の第2〜4実施例を追加した。第2実施例
では、先ず、しごき代が約0.2mmとなる前述の試料
No.1〜3に替えて、しごき代が0.05mmとなる
焼結材(試料No.4)を用意した。この焼結材の製造
方法および条件は、試料No.1〜3の場合と同様であ
る。この試料No.4の大きさはφ16.9x15m
m、密度は6.8g/cm3であった。
【0047】この試料No.4に対して、第1実施例の
場合と同様に、LiSt.を表面に付着させて150℃
の温間サイジングを行った場合(実施例)と、ボンデ処
理を施した後に室温サイジングを行った場合(比較例)
とについて、前述の抜圧をそれぞれ調べた結果を図3に
示した。
【0048】これから、本発明に係る実施例の場合は、
抜圧がしごき代の大小にほとんど影響を受けずに、安定
して低い値を維持することが解った。一方、比較例の場
合は、しごき代の影響を大きく受けており、しごき代が
0.2mmの場合の抜圧は、実施例の場合に比べて約4
倍にもなっている。
【0049】(3)第3実施例 第2実施例に係るサイジングを、実施例および比較例で
同じ金型温度にして行った場合の抜圧を図4に示した。
これより、金型温度の上昇に伴って抜圧が低下すると共
に、実施例の場合も比較例の場合もほぼ同様の傾向を示
すことが解った。
【0050】これは、本発明の加圧成形方法が、従来の
ボンデ処理を用いた加圧成形方法と同等以上の成形性を
発現していることを示すものである。前述したようにボ
ンデ処理を利用した加圧成形方法は、工程が複雑で廃液
処理が問題となることを考えると、本発明の加圧成形方
法は、十分にその代替となり得るといえる。
【0051】第3実施例の欄で比較例に挙げたボンデ処
理を、潤滑油浸漬処理に替えた場合の抜圧を図5に示し
た。ここで使用した潤滑油は、サイジング用に使用され
ている日本油脂製のユニスターH−381Rである。こ
の場合も、金型温度と試料温度は同じにして、サイジン
グを行い抜圧を測定した。室温(25℃)レベルでは、
実施例と比較例との抜圧に大差はないが、実施例の場合
は温度が上昇すると共に抜圧が低減するのに対し、比較
例の場合は逆に温度が上昇すると共に抜圧が増加してい
る。
【0052】実際に連続的にサイジング工程を行う場
合、金型温度は60℃以上にも達することから、油潤滑
による方法では、抜圧が増加して好ましくないことが解
る。しかも、油潤滑により加圧成形を行う場合、多量の
潤滑油を使用し作業環境が極めて悪くなる。さらに、そ
の工程後に別途脱脂工程を必要とするため、生産性の向
上も望めない。これに対し、実施例のような加圧成形方
法を用いると、連続操業により金型温度が上昇すればす
るほど、抜圧が低下する。また、成形後に脱脂工程等を
必要ともせず、生産性の向上を図れるので、非常に好適
である。
【0053】(5)最後に、図4および図5で金型温度
が25℃(室温)のときの抜圧を観ると、本発明の加圧
成形方法を用いた場合でも、従来使用されてきたボンデ
処理や油潤滑処理を伴う加圧成形方法と同等以上の抜圧
が得られていることが分かる。このことは、本発明の加
圧成形方法が、室温程度の冷間状態でサイジング加工が
なされる場合であっても、十分に、従来の加圧成形方法
の代替となることを示している。これは、前述したよう
に、サイジング部の圧接面で、摩擦熱等によって加熱さ
れて局部的に金属石鹸被膜が形成されているためである
と思われる。
【0054】
【発明の効果】本発明の加圧成形方法によれば、環境負
荷の低減を図りつつ、加圧成形部材を効率よく生産でき
る。また、得られた加圧成形部材は、表面性状等に優
れ、脱脂工程等の後加工を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る押込み圧力を示した
グラフである。
【図2】本発明の第1実施例に係る抜圧を示したグラフ
である。
【図3】本発明の第2実施例に係る抜圧を示したグラフ
である。
【図4】本発明の第3実施例に係る抜圧を示したグラフ
である。
【図5】本発明の第4実施例に係る抜圧を示したグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 幹夫 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 関口 章 愛知県春日井市大泉寺町438 東京焼結金 属株式会社内 (72)発明者 宮川 直樹 愛知県春日井市大泉寺町438 東京焼結金 属株式会社内 (72)発明者 竹本 恵英 愛知県春日井市大泉寺町438 東京焼結金 属株式会社内 (72)発明者 岡島 博司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 4E029 LA03 4E087 AA00 BA02 BA23 CA11 CA17 CA21 CB02 CB08 CB09 CB10 DB13 DB22 ED09 4E096 JA06 JA08 JA10 JA11

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属素材の表面および/または成形金具の
    成形面に高級脂肪酸系潤滑剤を付着させる付着工程と、 該金属素材および/または該成形金具を加熱する加熱工
    程と、 該成形金具により該金属素材を温間状態で加圧成形する
    成形工程と、 からなることを特徴とする加圧成形方法。
  2. 【請求項2】前記成形工程中に、前記成形金具の成形面
    に圧接される前記金属素材の表面に金属石鹸被膜からな
    る潤滑被膜が形成される請求項1記載の加圧成形方法。
  3. 【請求項3】前記付着工程は、加熱した前記金属素材を
    前記高級脂肪酸系潤滑剤の水溶液に浸漬するディップ
    法、または、加熱した該金属素材若しくは前記成形金具
    へ水に分散させた該高級脂肪酸系潤滑剤を吹付けるスプ
    レー法により行われる工程である請求項1に記載の加圧
    成形方法。
  4. 【請求項4】前記加熱工程は、加熱温度を100℃以上
    前記高級脂肪酸系潤滑剤の融点未満とする工程である請
    求項1記載の加圧成形方法。
  5. 【請求項5】前記高級脂肪酸系潤滑剤は、水に分散した
    リチウム塩、カルシウム塩および亜鉛塩の少なくとも一
    種以上である請求項1に記載の加圧成形方法。
  6. 【請求項6】前記リチウム塩は、ステアリン酸リチウム
    である請求項5に記載の加圧成形方法。
  7. 【請求項7】前記金属素材は、粉末成形体を加熱して焼
    結させる焼結工程を経て得られた焼結材であり、 前記付着工程は、該焼結工程後の冷却過程で該焼結材に
    前記ディップ法または前記スプレー法を施す工程である
    請求項3記載の加圧成形方法。
  8. 【請求項8】前記金属素材は、鉄系素材である請求項1
    記載の加圧成形方法。
  9. 【請求項9】前記成形工程は、鍛造、圧延、押出し、引
    抜き、転造、コイニング、サイジングまたは再圧縮のい
    ずれかの加工を行う工程である請求項1に記載の加圧成
    形方法。
  10. 【請求項10】金属素材の表面および/または成形金具
    の成形面に高級脂肪酸系潤滑剤を付着させる付着工程
    と、 該成形金具による該金属素材の加圧成形中に、該金属素
    材の表面と該成形金具の成形面とが圧接する圧接面に金
    属石鹸被膜からなる潤滑被膜が形成される成形工程と、 からなることを特徴とする加圧成形方法。
  11. 【請求項11】前記金属石鹸被膜は、前記成形工程中に
    前記圧接面が少なくとも局部的に温間状態となって形成
    されるものである請求項10記載の加圧成形方法。
  12. 【請求項12】前記成形工程中の前記成形金具の全体温
    度は、室温以上100℃未満である請求項10に記載の
    加圧成形方法。
  13. 【請求項13】前記金属素材は、焼結材であり、 前記成形工程は、該焼結材の外形をしごいて圧縮し所望
    寸法とするサイジング工程である請求項10〜12のい
    ずれかに記載の加圧成形方法。
  14. 【請求項14】前記成形金具は、筒状の押型であり、 前記付着工程は、前記焼結材の表面に前記高級脂肪酸系
    潤滑剤を付着させる工程であり、 前記サイジング工程は、該高級脂肪酸系潤滑剤が付着し
    た該焼結材を該押型内へ押し通す工程である請求項13
    に記載の加圧成形方法。
  15. 【請求項15】前記サイジング工程のしごき代は、0.
    01〜0.1mm以下である請求項13または14に記
    載の加圧成形方法。
  16. 【請求項16】前記付着工程は、加熱した前記焼結材を
    前記高級脂肪酸系潤滑剤の水溶液に浸漬するディップ
    法、または、加熱した該焼結材へ水に分散させた前記高
    級脂肪酸系潤滑剤を吹付けるスプレー法により行われる
    工程である請求項14に記載の加圧成形方法。
  17. 【請求項17】前記焼結材は、鉄を主成分とする鉄系粉
    末からなる粉末成形体を焼結させた鉄系焼結素材である
    請求項13または14に記載の加圧成形方法。
  18. 【請求項18】金属素材の表面および/または成形金具
    の成形面に高級脂肪酸系潤滑剤を付着させる付着工程
    と、 該成形金具による該金属素材の加圧成形中に、該金属素
    材の表面と該成形金具の成形面とが圧接する圧接面に金
    属石鹸被膜からなる潤滑被膜が形成される成形工程とを
    経て得られることを特徴とする加圧成形部材。
  19. 【請求項19】金属素材の表面および/または成形金具
    の成形面に高級脂肪酸系潤滑剤を付着させる付着工程
    と、 該金属素材および/または該成形金具を加熱する加熱工
    程と、 該成形金具により該金属素材を温間状態で加圧成形する
    成形工程とを経て得られることを特徴とする加圧成形部
    材。
  20. 【請求項20】前記金属素材は、鉄を主成分とする鉄系
    粉末からなる粉末成形体を焼結させた鉄系焼結素材であ
    り、 前記成形工程は、該鉄系焼結素材の外形をしごいて圧縮
    し所望寸法とするサイジング工程である請求項18また
    は19に記載の加圧成形部材。
  21. 【請求項21】歯形部材である請求項20に記載の加圧
    成形部材。
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