JP2725438B2 - 恒温鍛造法および恒温鍛造用潤滑シート - Google Patents

恒温鍛造法および恒温鍛造用潤滑シート

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JP2725438B2 JP2113118A JP11311890A JP2725438B2 JP 2725438 B2 JP2725438 B2 JP 2725438B2 JP 2113118 A JP2113118 A JP 2113118A JP 11311890 A JP11311890 A JP 11311890A JP 2725438 B2 JP2725438 B2 JP 2725438B2
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通夫 角谷
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    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21KMAKING FORGED OR PRESSED METAL PRODUCTS, e.g. HORSE-SHOES, RIVETS, BOLTS OR WHEELS
    • B21K29/00Arrangements for heating or cooling during processing

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Forging (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、従来よりも低い鍛造力で成形することの
できる恒温鍛造法およびその恒温鍛造法で用いる潤滑シ
ートに関するものである。
〔従来の技術〕
一般に、Ti基合金、Ni基合金等の難加工材を成形する
方法として金型を被加工材と等温に保持して鍛造する恒
温鍛造法があることは良く知られているところである。
この恒温鍛造法は予備成形から最終成形まで同じ金型で
一工程で成形することができる可能性があるところから
盛んに研究がなされているが、金型の温度を難加工性被
加工材と同等の温度に保持して高温で鍛造するために、
金型にとっては非常に苛酷な条件での使用となり、かか
る苛酷な条件で使用できる金型の価格は非常に高価なも
のであるにもかかわらず使用寿命が短いので恒温鍛造製
品は一般に高価なものとなり、特殊な部品の製造にのみ
使用されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
さらに、上記恒温鍛造は恒温で低ひずみ速度で鍛造さ
れるために(例えば、Ni基超塑性合金を被加工材として
恒温鍛造するには、1000℃以上の温度で10-3s-1程度の
低ひずみ速度で鍛造する)、被加工材と金型との間に拡
散接合が極めて起こりやすく、かかる拡散接合が起こる
と恒温鍛造力の大幅な増加をもたらし、好ましくない。
かかる拡散接合の発生を防止するために、従来から金
型と被加工材の間にケイ酸ガラスなどの潤滑剤を介在さ
せて鍛造しているが、特に高温高圧下に比較的長時間保
持される恒温鍛造下においては、上記公知のケイ酸ガラ
スなどの潤滑剤では潤滑剤切れによる拡散接合が起こり
やすいという問題点があった。
また、上記拡散接合が防止されても、被加工材と金型
のせん断摩擦係数が恒温鍛造圧力に大きな影響を与える
ことが知られており、恒温鍛造力の増加を防止するため
に上記せん断摩擦係数を小さくする必要があるが、従来
のケイ酸ガラスなどを潤滑剤として用いる程度では十分
な効果が得られていない。
〔課題を解決するための手段〕
そこで、本発明者等は、かかる問題点を解決すべく研
究を行った結果、 被加工材と金型の間に、ケイ酸ガラスなどの潤滑剤と
ともに金属箔を介在させて恒温鍛造すると、従来よりも
被加工材と金型とが拡散接合することが少なく、かつせ
ん断摩擦係数も小さくなるために従来よりも低い恒温鍛
造力で鍛造することができるという知見を得たのであ
る。
この発明は、かかる知見にもとづいてなされたもので
あって、 被加工材を金型に装入した恒温鍛造する方法におい
て、上記被加工材と金型との間に、潤滑剤とともに金属
箔を介在せしめる恒温鍛造法に特徴を有するものであ
る。
上記被加工剤と金型との間に潤滑剤とともに介在する
金属箔の枚数は、通常一枚であるが二枚以上であっても
よく、二枚以上の場合は、金属箔と金属箔の間に粘性の
低いホウ酸系ガラスの潤滑剤を介在させることが一層好
ましい。金属箔としては、Ti,Al,Feおよびその合金から
なり、被加工材と同等またはそれ以下の強度を有する金
属箔がよく、温度、使用条件により選択する必要があ
り、その厚さは10〜100μmが好ましい。
被加工材と金型の間に潤滑剤および金属箔を介在させ
るには、あらかじめ潤滑剤を両面に均一に塗布した金属
箔を鍛造用潤滑剤シートとして用意しておき、鍛造時に
その鍛造用潤滑シートを取出して被加工材と金属箔との
間に介在させて恒温鍛造すると鍛造作業が容易になり、
スプレーで潤滑剤を塗布する手間も省けるので作業能率
も一層向上する。
この発明を第1図および第2図を用いて、さらに具体
的に説明する。
第1図および第2図は、この発明の側面説明図であ
り、1は金型、2は離型剤、3は被加工材、4は潤滑
剤、5は金属箔、6はホウ酸系ガラス潤滑剤、7は高周
波加熱コイルである。
第1図に示されるように、この発明では、離型剤2を
塗布した金型1と被加工材3の間に、両面に潤滑剤4を
塗布した金属箔5を介在させて恒温鍛造する。また、第
2図に示されるように、金属箔5を二枚使用する場合に
は、二枚の金属箔5,5の間にホウ酸系ガラス潤滑剤6を
介在させると一層よい結果が得られる。
潤滑剤4は、離型剤2を塗布した金型1の表面にスプ
レー等で塗布してもよいが、不均一な塗布がなされて型
抜き性が悪くなることがあるので、あらかじめ潤滑剤4
を金属箔5の両面に塗布した鍛造用潤滑シートを作製し
て巻取っておき、使用時に必要量巻戻して切り出し、金
型1に敷いて使用する方がよい。
上記第1図および第2図に示されるようにセットされ
た被加工材は、高周波熱コイル7によって加熱され恒温
鍛造される。
〔実 施 例〕
つぎに、この発明を実施例にもとづいて詳細に説明す
る。
実施例1〜4および従来例1 被加工材として、外径:12mm、内径:6mm、高さ:4mmの
寸法を有し、リング面の表面粗さ:10μmRmaxを有するチ
タン合金(Ti−6%Al−4%V)製リング、 金属箔として、厚さ:30μmの純Ti箔、 離型剤として、BN、 潤滑剤として、ケイ酸ガラス、 ホウ酸系ガラス潤滑剤として、B2O3、98%B2C3−2%
Bi2O3、98%B2O3−2%PbO、 をそれぞれ用意し、これらを第1図および第2図に示す
ように、表面粗さ:10μmRmaxのニッケル合金(IN100)
製金型の間のセットし、上記 被加工材であるリングを、900℃に加熱恒温保持し、歪
速度:1×10-3/sで圧縮し、せん断摩擦係数値を求めて、
それらの値を第1表に示した。
一方、従来例1として、第3図に示されるように、ケ
イ酸ガラス潤滑剤4をBN離型剤2が塗布されている金型
1の上に塗布し、被加工材3をBN離型剤2およびケイ酸
ガラス潤滑材4の塗布された金型1,1の間に起き、金属
箔を用いることなく、ケイ酸ガラスのみを潤滑剤として
用い、全く同様にして圧縮してせん断摩擦係数値を求め
て、それらの値を第1表に示した。
実施例5〜8および従来例2 直径:200mm、高さ:20mmの寸法を有し、実施例1〜4
および従来例1で用いた合金と同一の組成のチタン合金
(Ti−6%Al−4%V)製円板を用意し、この円板を第
2表に示される潤滑剤を用いて第1図〜第3図のいずれ
かの方法でセットし、上記実施例1〜4および従来例1
と同一条件(恒温加熱温度:900℃、歪速度:1×10-3/s)
で高さ:10mmになるまで圧縮して実施例5〜8 および従来例2の恒温鍛造を実施し、この時圧縮に要す
る恒温鍛造力を測定し、その結果を第2表に示した。
第1表および第2表の結果から、この発明の恒温鍛造
法によると、従来よりもせん断摩擦係数が小さく、かつ
恒温鍛造力を小さくすることができ、さらに金属箔を一
枚用いる場合よりも、金属箔を二枚用いる方が一層せん
断摩擦係数および恒温鍛造力を小さくすることができる
こともわかる。
なお、この実施例では、単純な圧縮加工を伴う恒温鍛
造について述べているが、この発明の恒温鍛造法は、こ
れに限定されるものではなく、押出例えば静水圧押出に
準ずる押出加工などにも適用することができるものであ
る。
〔発明の効果〕
この発明の請求項1および2に係わる恒温鍛造法で
は、潤滑剤とともに被加工材と金型の間にこれらより表
面の滑らかな金属箔を挿入することにより、流体潤滑の
寄与が大きくなり、被加工材と金属箔、金型と金属箔の
金属接触面積が減少するのでせん断摩擦係数が減少し、
さらに金属箔自体が柔軟性を有する場合においては固体
潤滑材として作用するので被加工材と金型の摩擦抵抗を
大幅に低減することができる。
また、この発明の請求項3に係る恒温鍛造法では、被
加工材と金型の間に潤滑剤とともに複数の金属箔を挿入
し、この金属箔の間にホウ酸系ガラスの潤滑剤を配する
ことにより流体潤滑の寄与が大きくなり、せん断摩擦係
数がさらに減少するとともに、これら金属箔同士が疑似
的な平行面を形成し、その間の潤滑剤層がより完全な流
体潤滑条件に近ずくために摩擦抵抗を大きく低減するこ
とができる。
さらに、この発明の請求項4および5に係る潤滑シー
トでは、上記この発明の効果を与えるものを簡便に提供
することができ、また使用が容易になる。
かかる作用を有するこの発明の恒温鍛造方法を用いる
と、 上記被加工材と金型との間に拡散接合を生ずることな
くせん断摩擦係数を小さくすることができるので恒温鍛
造圧力を大幅に小さくすることができ、したがって金型
への負荷を低減して金型寿命を延長することが可能とな
り、さらに型抜性も向上させることができるので恒温鍛
造コストを従来よりも大幅に減少させることができるな
ど産業上すぐれた効果をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、この発明の恒温鍛造法を示す側
面説明図、 第3図は、従来の恒温鍛造法を示す側面説明図である。 1……金型、2……離型剤、 3……被加工材、4……潤滑剤、 5……金属箔、 6……ホウ酸系ガラス潤滑剤、 7……高周波加熱コイル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 敏郎 埼玉県大宮市北袋町1―297 三菱金属 株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−207528(JP,A) 特開 平3−109491(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被加工材を恒温鍛造する方法において、上
    記被加工材と恒温鍛造用金型の間に潤滑剤とともに金属
    箔を存在せしめることを特徴とする恒温鍛造法。
  2. 【請求項2】一枚の金属箔を存在せしめるに際し、上記
    一枚の金属箔の両面に潤滑剤を存在せしめることを特徴
    とする請求項1記載の恒温鍛造法。
  3. 【請求項3】被加工材を恒温鍛造する方法において、被
    加工材と恒温鍛造用金型の間に潤滑剤とともに金属箔を
    二枚以上介在せしめ、さらに上記金属箔と金属箔の間に
    はホウ酸系ガラスを潤滑剤として介在せしめることを特
    徴とする恒温鍛造法。
  4. 【請求項4】金属箔の両面に潤滑剤を塗布してなること
    を特徴とする恒温鍛造用潤滑シート。
  5. 【請求項5】二枚以上の金属箔と潤滑剤からなり、金属
    箔と金属箔の間にはホウ酸系ガラス潤滑剤が介在し、上
    記二枚以上の金属箔のうち最外層の金属箔の外面には通
    常の潤滑剤が塗布されていることを特徴とする恒温鍛造
    用潤滑シート。
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