JP2003079468A - 転倒防止装置および転倒防止方法 - Google Patents

転倒防止装置および転倒防止方法

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JP2003079468A
JP2003079468A JP2001280628A JP2001280628A JP2003079468A JP 2003079468 A JP2003079468 A JP 2003079468A JP 2001280628 A JP2001280628 A JP 2001280628A JP 2001280628 A JP2001280628 A JP 2001280628A JP 2003079468 A JP2003079468 A JP 2003079468A
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Japan
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fall prevention
prevention device
casing
gap
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JP2001280628A
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Masato Watanabe
眞人 渡邊
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JIGYO SOZO KENKYUSHO KK
Jigyo Sozo Kenkyusho KK
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JIGYO SOZO KENKYUSHO KK
Jigyo Sozo Kenkyusho KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 既存の対象物に容易に後付でき、見栄えを損
なわず、安価で装備箇所の制約がない転倒防止装置およ
び転倒防止方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 振動を受けて揺れる対象物9とこの対象
物9の設置面91との間に、変位動作が可能な支柱部材
1が配置され、対象物9と設置面91との間に振動で空
隙94が発生すると、支柱部材1が前記空隙94により
変位して空隙94の少なくとも一部を維持することで、
上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、家具、OA機
器、展示物等の対象物の地震等による転倒の防止に係る
技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】 地震が発生した際に、屋内にて負傷す
る原因の大多数は、対象物(家具、OA機器、展示物
等)の転倒に伴うものであった。通常屋内では、対象物
は壁に沿って、あるいは対象物どうしを背中合わせにし
て配置することが多い。そのため、地震の発生時には、
対象物は、壁等の反対側の居住空間側に傾倒し易い。そ
して、居住空間へ、対象物そのものの転倒や、収納物の
落下、引出や扉の突出、ガラス片の飛散を引き起こし、
人的被害を拡大していた。そのため、家具の居住空間側
への傾倒を予防するための技術が幾つか開発されてき
た。
【0003】対象物の転倒防止技術としては、例えば、
対象物を突っ張り部材で固定する方法が知られている。
この技術は、突っ張り部材を天井と対象物との間の距離
に合わせて長さ調整して配置し、この突っ張り部材の軸
方向への押しつけ力により、常時対象物を下方へ押圧
し、転倒を防止しようとするものである。
【0004】また他には、特許第2916132号公報
に記載のものが知られている。この技術は、地震の際に
対象物の底部にスタピライザ(フロントパネル)を突出
させて、対象物の底部の面積を実質的に拡張することに
より、対象物の転倒を防止するものである。このスタピ
ライザには、スプリング、フックレバー、電磁石、感振
手段等が連結される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 突っ張り部材で固定
する技術は、突っ張り部材により、対象物への押しつけ
力が加えられと同時に、天井にも上方への押しつけ力が
常時加えられるため、天井のボード等に強度が必要とさ
れる。また、天井と距離の離れた比較的背の低い対象物
に適用するには、突っ張り部材を伸縮調整するにも限界
がある。そのため、設置箇所や対象物の高さが制約され
る点が問題であった。
【0006】また、突っ張り部材が対象物の上方に露出
し見栄えを損なうという点でも問題であった。
【0007】一方、特許第2916132号公報の技術
では、装置構成が複雑、大型であるため、製造コストが
高く、また既存の対象物に後付けすることができないと
いう問題があった。
【0008】本発明は、このような問題点を考慮してな
されたもので、既存の対象物に容易に後付でき、見栄え
を損なわず、安価で装備箇所の制約がない転倒防止装置
および転倒防止方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】 前述の課題を解決する
ため、本発明に係る転倒防止装置は、次のような手段を
採用する。
【0010】即ち、請求項1では、振動を受けて揺れる
対象物とこの対象物の設置面との間に、変位動作が可能
な支柱部材が配置され、対象物と設置面との間に振動で
空隙が発生すると、支柱部材が前記空隙により変位して
空隙の少なくとも一部を維持する。
【0011】この手段では、支柱部材によって、空隙の
任意の一部が支えられそのまま維持されて、空隙が維持
された側への転倒が防止される。
【0012】また、請求項2では、請求項1記載の転倒
防止装置において、支柱部材は、前記空隙の発生にとも
なって、起立を阻止された状態から起立する状態に変位
することを特徴とする。
【0013】この手段では、支柱部材は、空隙が生じた
時に初めて起立による変位を生じることで、対象物に対
してつっかえ棒のように機能する。
【0014】また、請求項3では、請求項1または2記
載の転倒防止装置において、支柱部材の変位動作はマグ
ネットにより促進されることを特徴とする。
【0015】この手段では、マグネットの吸着力あるい
は反発力に促されて、支柱部材が変位する。
【0016】また、請求項4では、請求項3記載の転倒
防止装置において、支柱部材の起立状態は、マグネット
の吸着力で保持されることを特徴とする。
【0017】この手段では、マグネットの吸着力が支柱
部材の起立状態の保持に作用する。
【0018】また、請求項5では、請求項1記載の転倒
防止装置において、支柱部材は、前記空隙の発生にとも
なって、収容された状態から引き出された状態に変位す
ることを特徴とする。
【0019】この手段では、支柱部材は、空隙が生じた
時に初めて引き出された状態に変位を生じることで、対
象物に対してつっかえ棒のように機能する。
【0020】また、請求項6では、請求項1から5のい
ずれかに記載の転倒防止装置において、支柱部材はケー
シングに収容されてユニット化され、ケーシングは、支
柱部材の起立が阻止された状態で対象物に装備されるこ
とを特徴とする。
【0021】この手段では、ユニット化により対象物へ
の装備が容易化される。
【0022】また、請求項7では、請求項6記載の転倒
防止装置において、ケーシングは、対象物の底部を支え
る底フレームの内部空間に装備されることを特徴とす
る。
【0023】この手段では、底フレームに隠蔽されて装
備される。
【0024】さらに、前述の課題を解決するため、本発
明に係る転倒防止方法は、次のような手段を採用する。
【0025】すなわち、請求項8では、振動で対象物が
揺れて対象物とこの対象物が設置されている支持面との
間に空隙が形成された際に、対象物の揺れの一方側に形
成された空隙の少なくとも一部を維持することにより、
対象物を傾倒させてその傾倒を保持する。
【0026】この手段では、地震等の際に対象物を積極
的に傾倒させることで、少なくとも傾倒の反対側への対
象物の転倒を確実に防止する。そして、対象物の傾倒を
振動で対象物が揺れて対象物と対象物が設置されている
支持面との間に形成されたスペースの少なくとも一部の
維持で実現することで、装置構成の複雑化、大型化を避
けている。
【0027】
【発明の実施の形態】 以下、本発明に係る転倒防止装
置および転倒防止方法の実施の形態を図面に基づいて説
明する。
【0028】図1〜図7は本発明に係る転倒防止装置お
よび転倒防止方法の実施の形態(1)を示すものであ
る。図1は実施の形態(1)の概念図、図2は図1のA
−A線での断面図、図3は図1のB−B線での断面図、
図4は実施の形態(1)の動作の断面説明図、図5は実
施の形態(1)の動作の側面説明図、図6は実施の形態
(1)の動作の外観図、図7は実施の形態(1)の他の
使用例の外観図である。まず、実施の形態(1)の転倒
防止装置の構成を説明する。
【0029】本発明の転倒防止装置100は、振動を受
けて揺れる対象物9とこの対象物9の設置面91との間
に、変位動作が可能な支柱部材1が配置され、対象物9
と設置面91との間に振動で空隙94が発生すると、支
柱部材1が前記空隙94により変位して空隙94の少な
くとも一部を維持する。
【0030】この実施の形態では、一例として家具から
なる対象物9に適用されるものを示しており、この対象
物9は、壁92に沿ってその前面に配置され、壁92の
反対側に居住空間93が備えられている。なお、壁92
の替えて、対象物9に背中合わせに配置された別体の対
象物9を設定しても良い。
【0031】転倒防止装置100は、図1に示すよう
に、対象物9の底フレーム95で囲まれる内部空間95
1の居住空間93側の一辺98に沿って、間隔を開けて
2箇所装備されている。底フレーム95は一般的に対象
物9(家具等)の底部を支えるために対象物9の下方に
配置された枠状のもので、底フレーム95と設置面91
と対象物9の底面97とで囲まれた内部空間95を有し
ている。外観上は、底フレーム95によって内部空間9
51は視認できない。
【0032】この転倒防止装置100は、支柱部材1、
マグネット2、回転軸3、磁性部材4、ケーシング5の
各部で構成されている。まず、支柱部材1は、非磁性の
材質、例えばアルミニウム等からなり、対象物9の荷重
の一部を支えることが可能な耐圧性を有した筒形に形成
されている。
【0033】マグネット2は、比較的比重の大きな材質
で盤形に形成された永久磁石で、支柱部材1の下端部1
1に固定されている。
【0034】回転軸3は、支柱部材1の下端部11側よ
りに偏倚して貫通固定され、ケーシング5の側面53、
55に回転可能に支持されている。そのため、支柱部材
1は回転軸3と一体で回転する。ケーシング5に支持さ
れる回転軸3の端部31は半円形に形成されている。
【0035】磁性部材4は、磁性材料、例えば鉄等から
なり、平坦部41と湾曲部42を有する変形の湾曲形状
に形成されケーシング5の内部に固定されている。平坦
部41は、ケーシング5の底面51に水平に配置され、
湾曲部42は、平坦部に41に連続して底面51の垂直
方向に配置されている。すなわち、湾曲部42はケーシ
ング5の側面53に交差する側面54に沿って配置され
ている。マグネット2と磁性部材4との距離は、マグネ
ット2と平坦部41が対向したときの距離Lが最も近
く、次いで、マグネット2と湾曲部42が対向したとき
の距離L+Δlが近くなるよう構成されている。そのた
め、外部からの制約がない状態では、マグネット2と平
坦部41との吸着力が最も強く働き、支柱部材1は垂直
に起立する。また、支柱部材1が起立を阻止された状態
では、マグネット2と湾曲部42との吸着力により、支
柱部材1は水平に保たれる。
【0036】ケーシング5は、上面52が開放された箱
形に形成されて設置面91に当接して底フレーム95の
内部空間951に設置されている。そして、ケーシング
5の内部には、支柱部材1、マグネット2、回転軸3、
磁性部材4の各部が収容されてユニット化されている。
また、ケーシング5の相対する側面53、55には、上
述した回転軸3の端部31と嵌合する軸受7が設けられ
ている。この軸受7は、丸孔部71と丸孔部71の下部
に連続された半丸孔部72とからなる形状を有してい
る。そして、ケーシング5の開放された上面52では、
支柱部材1が垂直に起立すると上側が大きく突出するよ
うになっている。
【0037】次に、本発明に係る転倒防止装置100の
使用例、動作に基づいて、本発明に係る転倒防止方法を
説明する。
【0038】この実施の形態によると、図1、2に示す
ように、転倒防止装置100は、既存の対象物9の底フ
レーム95の内部空間951に、間隔をあけて2つ配置
される。このとき、ケーシング5の側面54が壁92側
に位置するようケーシング5が装備され、さらに、支柱
部材1が水平に傾倒される格好となって設置される。即
ち、対象物9の底面97によって支柱部材1の起立が阻
止された状態で設置される。なお、対象物1に装備する
転倒防止装置100の数は、1つでも機能するが2つ以
上配置するほうが安定性の面から望ましい。なお、支柱
部材1が水平より多少起立して設置されても差支えない
ため、底フレーム95の内部空間951との関係で精密
な寸法設計が要求されることはない。
【0039】そして、地震等によって対象物9が揺れ
て、対象物9と設置面91との間に空隙94が形成され
ると、図4に示すように、空隙94によって支柱部材1
の上方が開放され支柱部材1の起立が許容される。この
結果、支柱部材1は、マグネット2と磁性部材4との吸
着力により振子構造となって、回転軸3を中心として回
転して速やかに垂直に起立する。従って、振動を検出す
る感振機構等を備えなくても、支柱部材1が自動的に起
立する。
【0040】支持部材1が起立すると、図5に示すよう
に、回転軸3の半円形の端部31が軸受7の丸孔部71
から半丸孔部72にスライド降下し嵌合する。この結
果、支柱部材1が降下してマグネット2が磁性部材4の
平坦部41を直接に吸着する。従って、支柱部材1の起
立状態がマグネット2による吸着力だけでなく、軸受7
によっても支持され、支持部材1が傾倒して不安定な状
態を招くことを確実に防止することができる。
【0041】起立した支柱部材1には、揺れた後に降下
する対象物9の底面97が当接する。この結果、図6に
示すように、対象物9の底面97が支柱部材1で支えら
れ、空隙94の一部が維持され、対象物9を積極的に壁
92側に傾倒させる。これにより、対象物9の矢印a方
向への転倒を抑止する。即ち、対象物9が大きく揺れて
空隙94が大きく形成されても、空隙94の全部を維持
する必要はなく、矢印b方向への傾倒が保持される隙間
が確保されればよい。維持すべき空隙94の高さは、対
象物9の高さ、重量、重心等を考慮して決定される。
【0042】なお、この実施の形態では、起立後の支持
部材1の傾倒を防止するために、回転軸3が起立時に垂
直方向にスライドして軸受7と嵌合するよう構成してい
るが、この構造に限定するものではない。例えば、回転
軸3の起立時に、側方から回転軸3を把持する部材を突
出させ、支持部材1の傾倒を固定して抑制してもよい。
【0043】実施の形態(1)の応用として、図7に示
すように積層式の家具からなる対象物9に適用してもよ
い。この場合、上層の対象物9に対して下層の対象物9
の天面96が設置面91の代替となっている。
【0044】このように、実施の形態(1)の転倒防止
装置100は、装置が簡略で、小型化しているため、上
層、下層の対象物9の間の隙間にでも容易に装備するこ
とができる。また対象物9の底フレーム9の内部空間9
51に装備されることで、既存の対象物3に容易に後付
ができ、また外観を損なうこともない。
【0045】次に、本発明に係る転倒防止装置および転
倒防止方法の実施の形態(2)を説明する。図8は実施
の形態(2)の断面図、図9は実施の形態(2)の動作
の説明図である。なお、実施の形態(1)と同様の説明
には同一符号を付し詳細を省略する。
【0046】この実施の形態では、前述の実施の形態
(1)の転倒防止装置100の回転軸3が除去され、支
柱部材1がケーシング5の内部に拘束されずに収容され
ている。但し、ケーシング5の四方の側面により、支柱
部材1の自由移動は制約されている。また、実施の形態
(1)の転倒防止装置100の磁性部材4が除去され、
永久磁石からなるマグネット8がケーシング5の底面5
1に埋設されている。そして、マグネット2とマグネッ
ト8との間で吸着力が働くように極性が配置されてい
る。
【0047】この実施の形態(2)では、地震等によっ
て対象物9が揺れて対象物9と設置面91の間に空隙9
4が形成されると、両マグネット2、8の吸着力によっ
て支柱部材1が跳起きて起立する。
【0048】また、実施の形態(1)と比べて回転軸3
が除去され磁性部材4がマグネット8で代替小型化され
ているため、構造がさらに簡素化、小型化される。ま
た、両マグネット2、8の吸着力による固着で支柱部材
1の起立状態が保持され、対象物9の底面91を支える
支柱部材1の傾倒が確実に防止される。
【0049】この実施の形態の他の作用、効果について
は、前述の実施の形態(1)と同様に奏される。
【0050】次に、本発明に係る転倒防止装置および転
倒防止方法の実施の形態(3)を説明する。図10は実
施の形態(3)の断面図、図11は実施の形態(3)の
動作の説明図である。なお、実施の形態(1)と同様の
説明には同一符号を付し詳細を省略する。
【0051】この実施の形態では、前述の実施の形態
(1)の転倒防止装置100の支柱部材1に設けられた
マグネット2と、ケーシング5に設けられた磁性部材4
が除去され、支柱部材1の加担部1に錘12が設けられ
ている。これにより支柱部材1は回転軸3を中心に回転
する際に何にも制約されない自由な状態では、錘12の
作用により起立した状態となる。そして、起立が阻止さ
れた状態で、対象物3に設置される。
【0052】地震等によって対象物9が揺れて対象物9
と設置面91の間に空隙94が形成されると、起立が阻
止された状態から、錘12の作用により自発的に起立す
る。また、回転軸3の端部31は実施の形態(1)と同
様に、ケーシング5に設けられた軸受7に支持されてい
るため、起立時には、丸孔部71から半丸孔部72にス
ライドし、起立状態が維持される。
【0053】この実施の形態(3)では、実施の形態
(1)と比べてマグネット2や磁性部材4が除去されて
いるため、部品点数も少ないため、構造がさらに簡素
化、小型化される。この実施の形態の他の作用、効果に
ついては、前述の実施の形態(1)と同様に奏される。
【0054】次に、本発明に係る転倒防止装置および転
倒防止方法の実施の形態(4)を説明する。図12は実
施の形態(4)の断面図、図13は実施の形態(4)の
動作の断面図である。なお、実施の形態(1)と同様の
説明には同一符号を付し詳細を省略する。
【0055】この実施の形態では、ケーシング5の内部
に、一方向のみの回転だけが可能となるラチェット構造
とこのラチェット構造に組み込まれた支柱部材1を備え
たことを特徴としている。実施の形態(4)の支柱部材
1は、スクリュー状を呈してその上端部13が対象物9
の底面97に適切な手段で固定されている。この支柱部
材1は、ケーシング5に収容された状態では、ラチェッ
ト構造の円筒部材6の中心孔61に螺合されている。こ
の円筒部材6の下端側62の中央は、ケーシング5と嵌
め合わされる嵌合凸部63が設けられ、この嵌合凸部6
3の周囲に、突起部64と平坦部65とが繰り返し複数
設けられている。一方、ケーシング5の底面51の内側
には嵌合凸部63に対応した嵌合受部511が設けら
れ、その周囲に突起部512と平坦部513が繰り返し
複数設けられている。
【0056】この実施の形態では、転倒防止装置100
が設置されている平常時には、円筒部材6の嵌合凸部6
3がケーシング5の嵌合受部511に嵌め込まれ、円筒
部材6の突起部64と平坦部65がケーシング5の平坦
部513と突起部512とに互い違いに嵌め合わされ
る。この嵌め合いは、微動できる程度に緩やかに嵌め合
わされているが、円筒部材6が回転できない状態でケー
シング5内に位置決めされている。また、このケーシン
グ5の上面52に、円筒部材6のケーシング5からの突
出を阻止するための縁部521を設けられている。そし
て、地震等によって対象物9が揺れて対象物9と設置面
91の間に空隙94が形成されると、対象物9の底面5
1の上昇に伴って支柱部材1を引き上げようとする力が
作用する。そして、円筒部材6が支柱部材1につられて
引き上げられ、ケーシング5との嵌め合いが外れ矢印方
向に回転するとともに、円筒部材6の突出はケーシング
5の縁部521で阻止される。円筒部材6は比較的重い
素材が用いられて円筒部材6の自重で重力方向に落下し
やすく形成されているため、矢印方向への回転が促進さ
れ支柱部材1の螺合が緩む。これにより支柱部材1は円
筒部材6から突出した状態が得られる。そして、支柱部
材1を引き上げるよう作用していた力が無くなり、対象
物9の重みにより支柱部材1を下方に押し付ける力が作
用すると、その状態のまま円筒部材6が押し付けられ、
ケーシング5の突起部512と平坦部513に再び平坦
部65と突起部64とが緩やかに嵌まり込む。この嵌め
合いにより、円筒部材6の回転が阻止されるので支柱部
材1が円筒部材6に螺合して入り込むことができず、円
筒部材6から突出した状態のままとなり、空隙94が維
持される。
【0057】また、ラチェット構造として円筒部材6と
ケーシング5の嵌め合い構造を示したが、これに替えて
円筒部材6の側面を歯車形状に形成し、ケーシング5内
に設けた爪部により逆方向の回転が阻止するようなラチ
ェット構造に構成してもよい。この場合、爪部と歯車と
の組み合わせを解除し逆回転を可能とする適切な機構を
設けて、転倒防止装置100を対象物9に装備する際
に、その取り付けを容易に行うために利用してもよい。
【0058】この実施の形態(4)では、実施の形態
(1)と比べて構造が単純で、部品点数も少ないため、
さらに簡素化、小型化される。この実施の形態の他の作
用、効果については、前述の実施の形態(1)と同様に
奏される。
【0059】
【発明の効果】 以上のように、本発明に係る転倒防止
装置および転倒防止方法は、地震等の際に対象物を積極
的に壁側へ傾倒させることで、居住空間側への対象物の
転倒を確実に防止する。また、この対象物の壁側への傾
倒を、対象物と設置面との間に形成された空隙の少なく
とも一部を維持することで実現するため、装置構成の簡
略化、小型化ができ、製造コストが削減されるという効
果を有する。
【0060】また、本発明の転倒防止装置は小型で、対
象物の底フレームの内部空間に装備可能であるため、既
存の対象物に容易に後付でき、対象物の外観を損なうこ
とがないという効果も有する。
【0061】さらに、対象物の高さに拘わらず使用でき
るため、装備箇所が制約されることがない効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は実施の形態(1)の概念図である。
【図2】 図1のA−A線での断面図である。
【図3】 図1のB−B線での断面図である。
【図4】 実施の形態(1)の動作の断面説明図であ
る。
【図5】 実施の形態(1)の動作の側面説明図であ
る。
【図6】 実施の形態(1)の動作の外観図である。
【図7】 実施の形態(1)の他の使用例の外観図であ
る。
【図8】 実施の形態(2)の断面図である。
【図9】 実施の形態(2)の動作の説明図である。
【図10】 実施の形態(3)の断面図である。
【図11】 実施の形態(3)の動作の説明図である。
【図12】 実施の形態(4)の断面図である。
【図13】 実施の形態(4)の動作の断面図である。
【符号の説明】
100 転倒防止装置 1 支柱部材 11 下端部 12 錘 13 上端部 2 マグネット 3 回転軸 31 端部 4 磁性部材 41 平坦部 42 湾曲部 5 ケーシング 51 底面 511 嵌合受部 512 突起部 513 平坦部 52 上面 53〜56 側面 6 円筒部材 61 中心孔 62 下端側 63 嵌合凸部 64 突起部 65 平坦部 7 軸受 71 丸孔部 72 半丸孔部 8 マグネット 9 対象物 91 設置面 92 壁 93 居住空間 94 空隙 95 底フレーム 951 内部空間 96 天面 97 底面 98 一辺

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動を受けて揺れる対象物とこの対象物
    の設置面との間に、変位動作が可能な支柱部材が配置さ
    れ、対象物と設置面との間に振動で空隙が発生すると、
    支柱部材が前記空隙により変位して空隙の少なくとも一
    部を維持する転倒防止装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の転倒防止装置において、
    支柱部材は、前記空隙の発生にともなって、起立を阻止
    された状態から起立する状態に変位することを特徴とす
    る転倒防止装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の転倒防止装置に
    おいて、支柱部材の変位動作はマグネットにより促進さ
    れることを特徴とする転倒防止装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の転倒防止装置において、
    支柱部材の起立状態は、マグネットの吸着力で保持され
    ることを特徴とする転倒防止装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の転倒防止装置において、
    支柱部材は、前記空隙の発生にともなって、収容された
    状態から引き出された状態に変位することを特徴とする
    転倒防止装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載の転倒
    防止装置において、支柱部材はケーシングに収容されて
    ユニット化され、ケーシングは、支柱部材の起立が阻止
    された状態で対象物に装備されることを特徴とする転倒
    防止装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の転倒防止装置において、
    ケーシングは、対象物の底部を支える底フレームの内部
    空間に装備されることを特徴とする転倒防止装置。
  8. 【請求項8】 振動で対象物が揺れて対象物とこの対象
    物が設置されている支持面との間に空隙が形成された際
    に、対象物の揺れの一方側に形成された空隙の少なくと
    も一部を維持することにより、対象物を傾倒させてその
    傾倒を保持する転倒防止方法。
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