JP2003076735A - 配線設計方法 - Google Patents

配線設計方法

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JP2003076735A JP2001269205A JP2001269205A JP2003076735A JP 2003076735 A JP2003076735 A JP 2003076735A JP 2001269205 A JP2001269205 A JP 2001269205A JP 2001269205 A JP2001269205 A JP 2001269205A JP 2003076735 A JP2003076735 A JP 2003076735A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 配線設計時の自由度が高く、2つの格子配線
の交差部での単位面積当たりの配線占有率が最大配線占
有率以下となり、且つ、必要電流量を満たすことができ
る配線構造及び配線設計方法を提供する。 【解決手段】 まず、格子配線A及び格子配線Bを仮想
的に交差させる。これらの格子配線A,Bの素線11,
12の幅は、製造プロセス上の制約から決まる最大線幅
以下に設定されている。次に、格子配線A,Bの交差部
における素線11の長さと素線12の長さを比較し、長
いほうの素線を位置変更する素線11aとする。但し、
位置変更するのは、素線のうち交差部の部分のみであ
る。その後、格子配線A,Bの中心線X,Yの交点を基
準位置とし、素線11aを、基準位置から離れる方向
に、製造プロセス上の制約から決まる最大配線占有率以
下となる位置まで移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路の
配線設計方法に関し、特に一定の幅以下に制限された複
数の素線で構成される格子配線の交差部の構造及びその
設計方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路のより一層の高集
積化が促進されており、それに伴って従来のアルミニウ
ム配線に替わり銅配線が使用されるようになった。銅配
線は、同じ幅のアルミニウム配線に比べて抵抗値が小さ
く、エレクトロマイグレーション耐性が高いという利点
があり、微細な配線に適している。
【0003】銅配線は、通常、ダマシン法(又はデュア
ルダマシン法)と呼ばれる方法で形成される。ダマシン
法では、半導体基板上の絶縁膜に溝を形成し、めっき等
の方法で溝内に銅を埋め込んだ後、溝内の銅を残し、絶
縁膜上の銅をCMP(Chemical Mechanical Polishing
:化学的機械研磨)法で除去することによって銅配線
を形成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本願発明者らは、従来
の配線設計方法には以下に示す問題点があると考える。
すなわち、同一基板上に幅が狭い配線と幅が広い配線と
が混在すると、CMP法では均一に研磨することが困難
になる。例えば、幅が広い配線にあわせてCMP研磨す
ると、幅が狭い配線の厚さが薄くなってしまう。
【0005】このような問題点を回避するためには、配
線の幅を制限し、全ての配線の幅を制限値(以下、最大
線幅という)以下に設定する必要がある。また、同様の
理由により、単位面積当たりの配線占有率も、製造プロ
セス上の制約から決まる最大配線占有率を超えないよう
に設定する必要がある。具体的には、大きな電流が流れ
る配線は、図22に示すように、最大線幅よりも狭い複
数の配線に分割し、各配線間の間隔を、最大配線占有率
を超えないように設定する。以下、図22に示すように
並列接続される複数の配線をそれぞれ素線と呼び、これ
らの素線の集合体を格子配線と呼ぶ。
【0006】例えば、2つの格子配線が交差(接続)す
る部分では、単純に2つの格子配線を交差させると、図
23に示すようになり、2つの格子配線A,Bの交差部
では単位面積当たりの最大配線占有率を超えてしまう。
このため、従来は、図24に示すように、最大配線占有
率を超えないように交差部の素線を間引くか、又は、図
25に示すように、他の配線層に接続用配線53を形成
し、格子配線Aの素線51と格子配線Bの素線52とを
配線53及びコンタクトホール54を介して電気的に接
続するか、のいずれかの方法がとられる。
【0007】しかし、図24に示すように、交差部の素
線を間引くと、一部の素線に過剰に電流が流れたり、格
子配線に流すことができる電流量が制限されて必要な電
流量を流すことができなくなることが考えられる。図2
5に示すように、他の配線層に接続用の配線53を形成
する場合は、電流量の制限はないが、他の配線層まで使
用するため、配線設計時の自由度が減少してしまう。
【0008】本発明の目的は、配線設計時の自由度が高
く、2つの格子配線の交差部での単位面積当たりの配線
占有率が最大配線占有率以下となり、且つ、必要電流量
を満たすことができる配線構造及び配線設計方法を提供
することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の配線設計方法
は、一定の幅以下に制限された複数の素線により構成さ
れた格子配線の交差部の設計方法であって、一定の幅以
下に制限された複数の素線により構成された第1の格子
配線及び第2の格子配線を仮想的に交差させる工程と、
前記第1の格子配線と前記第2の格子配線との交差部に
おける素線のうち、前記第1の格子配線及び前記第2の
格子配線のうちのいずれか一方の格子配線に属する素線
を位置変更する素線とする工程と、基準位置を決める工
程と、前記位置変更する素線を前記基準位置から離れる
方向に、前記交差部における第1の格子配線及び第2の
格子配線の配線占有率が少なくとも製造プロセス上の制
約から決まる最大配線占有率以下となる位置まで移動さ
せる工程とを有することを特徴とする。
【0010】本発明の他の配線設計方法は、一定の幅以
下に制限された複数の素線により構成される格子配線の
交差部の設計方法であって、第1の格子配線及び第2の
格子配線を仮想的に交差させる工程と、前記第1の格子
配線及び前記第2の格子配線のうち素線数の少ない格子
配線の素線を外側の素線から順番に他の格子配線の素線
と接続してL字形の素線を生成する工程と、前記L字形
の素線の角部から前記第1の格子配線及び前記第2の格
子配線の中心線に対し垂直に補助配線を生成する工程
と、基準位置を決める工程と、前記補助配線を、前記基
準位置から離れる方向に、製造プロセス上の制約から決
まる最大配線占有率以下となる位置まで移動させる工程
とを有することを特徴とする。
【0011】本発明の半導体装置は、一定の幅以下に制
限された複数の素線により構成された第1の格子配線
と、一定の幅以下に制限された複数の素線により構成さ
れ、前記第1の格子配線との交差部を有する第2の格子
配線とを有する半導体装置であって、前記交差部におけ
る素線のうち、前記第1の格子配線及び前記第2の格子
配線のうちのいずれか一方の格子配線に属する素線の間
隔は、同一の格子配線に属する前記交差部以外の部分に
おける素線の間隔よりも広いことを特徴とする。
【0012】本発明においては、第1の格子配線及び第
2の格子配線を仮想的に交差させ、単位面積当たりの配
線占有率が最大配線占有率以下となるように、第1の格
子配線及び第2の格子配線の交差部に配置された素線の
位置をずらしたり、一定の基準に従って交差部及びその
近傍に素線を生成する。
【0013】すなわち、本発明によれば、第1の格子配
線と第2の格子配線とを他の配線層を使用することなく
一つの配線層内で接続するので、配線設計時の自由度が
高くなる。また、本発明では、格子配線の交差部の素線
を間引くのではないので、一部の素線に過剰に電流が流
れたり、格子配線に流すことができる電流量が制限され
て必要な電流量を流すことができなくなることが防止さ
れ、配線の信頼性を確保することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付の図面を参照して説明する。
【0015】(第1の実施の形態)図1〜図4は本発明
の第1の実施の形態に係る配線設計方法を示す模式図で
ある。また、図5は本実施の形態の配線設計方法を示す
フローチャートである。
【0016】本実施の形態は、4本の素線11が相互に
並行してなる格子配線Aの端部に、5本の素線12が相
互に並行してなる格子配線Bが交差(接続)する部分の
設計に本発明を適用した例を示している。
【0017】また、格子配線Aの素線11及び格子配線
Bの素線12の幅は、いずれも製造プロセス上の制約か
ら決まる最大線幅a(例えば、3μm)以下に設定され
ている。更に、格子配線A及び格子配線Bは、いずれも
単独では単位面積当たりの配線占有率が製造プロセス上
の制約から決まる最大配線占有率b(例えば、80%)
よりも小さくなるように、各素線11間の間隔及び各素
線12間の間隔がそれぞれ設定されている。
【0018】まず、図1に示すように、仮想的に、格子
配線Aと格子配線Bとを所定の位置で単純に交差させる
(ステップS11)。この状態では、交差部の配線占有
率が最大配線占有率bを超えている。
【0019】次に、交差部における格子配線Aの素線1
1の長さW1(図3参照)と格子配線Bの素線12の長
さW2(図4参照)とを比較し(ステップS12)、長
いほうの素線を、位置変更する素線とする(ステップS
13)。ここでは、格子配線Aの素線11の長さW1の
ほうが格子配線Bの素線12の長さW2よりも長いの
で、格子配線Aの素線11を位置変更する素線とする。
但し、素線11のうち位置変更する部分は格子配線A,
Bが交差する部分のみである。以下、素線11のうち位
置変更する部分を素線11aという(図3参照)。
【0020】交差部における格子配線Aの素線11の長
さW1と格子配線Bの素線12の長さW2とが同じ場合
は、任意に選択したいずれか一方の素線、又は両方の素
線を位置変更する素線とすればよい。
【0021】次に、位置変更するときの基準位置を決め
る。ここでは、図1に示すように、格子配線Aの中心線
Xと格子配線Bの中心線Yとの交点を基準位置Cとする
(ステップS14)。そして、図2に示すように、格子
配線A,Bの交差部及びその近傍の単位面積当たりの配
線占有率が最大配線占有率bよりも小さくなるまで、素
線11aの位置を基準位置Cから離れる方向にずらす
(ステップS15)。このとき、素線11aは格子配線
Bの中心線Yに沿ってずらし、素線11aが格子配線
A,Bの縁から外に出ないようにする。このようにし
て、格子配線A,Bの交差部における配線の設計が完了
する。図6に、本実施の形態により設計した半導体装置
の格子配線の交差部の配線構造を示す。
【0022】本実施の形態によれば、格子配線Aと格子
配線Bとを一つの配線層内で接続するので、これらの格
子配線A,Bの接続のために他の配線層まで使用して配
線設計時の自由度を下げてしまうことがない。また、最
大配線占有率を満たすように交差部の素線11aの位置
を決めるので、製造プロセス上の不具合も発生しない。
更に、本実施の形態では交差部の素線11aの位置をず
らすだけであり、素線を間引きしないので、一部の素線
に過剰に電流が流れたり、格子配線に流すことができる
電流量が制限されて必要な電流量を流すことができなく
なることが防止され、配線の信頼性を確保することがで
きる。
【0023】(第1の実施の形態の変形例)上記の例で
は格子配線Aの端部が格子配線Bに接続する三差路の場
合について説明したが、四差路(クロスした配線)の場
合にも適用できる。
【0024】図7,図8はクロスした格子配線Aと格子
配線Bとの交差部における配線設計方法を示す例であ
る。格子配線Aは相互に並行する4本の素線11により
構成され、格子配線Bは相互に並行する5本の素線12
により構成される。以下、図5のフローチャートを参照
して説明する。
【0025】まず、図7に示すように、仮想的に、格子
配線Aと格子配線Bとを所定の位置で単純に交差させる
(ステップS11)。この状態では、交差部の配線占有
率が最大配線占有率bを超えている。
【0026】次に、交差部における格子配線Aの素線1
1の長さと格子配線Bの素線12の長さとを比較し(ス
テップS12)、長いほうの素線を、位置変更する素線
とする(ステップS13)。この例では、格子配線Aの
素線11を位置変更する素線とする。但し、素線11の
うち位置変更するのは格子配線Aと格子配線Bとが交差
する部分のみである。以下、素線11のうち位置変更す
る部分を素線11aという。
【0027】次に、位置変更するときの基準位置を決め
る。ここでは、格子配線Aの中心線Xと格子配線Bの中
心線Yとが交差する位置を基準位置Cとする(ステップ
S14)。そして、図7に示すように、格子配線A,B
の交差部及びその近傍の単位面積当たりの配線占有率が
最大配線占有率bよりも小さくなるまで、素線11aの
位置を基準位置Cから離れる方向にずらす(ステップS
15)。このとき、素線11aは格子配線Bの中心線Y
に沿ってずらし、素線11aが格子配線A,Bの縁から
外に出ないようにする。このようにして、格子配線Aと
格子配線Bとの交差部における配線の設計が完了する。
図9に、本実施の形態により設計した半導体装置の格子
配線の交差部の配線構造を示す。
【0028】(第2の実施の形態)図10,図11は本
発明の第2の実施の形態に係る配線設計方法を示す模式
図である。また、図12は本実施の形態の配線設計方法
を示すフローチャートである。
【0029】本実施の形態は、4本の素線21により構
成される格子配線Aの端部に、3本の素線22により構
成される格子配線Bが交差(接続)する部分の設計に本
発明を適用した例を示している。
【0030】また、本実施の形態においても、格子配線
Aの素線21の幅及び格子配線Bの素線22の幅は、い
ずれも製造プロセス上の制約から決まる最大線幅a(例
えば、3μm)以下に設定されている。更に、格子配線
A,Bは、いずれも単独では単位面積当たりの配線占有
率が製造プロセス上の制約から決まる最大配線占有率b
(例えば、80%)よりも小さくなるように、各素線2
1の間の間隔及び各素線22の間隔がそれぞれ設定され
ている。
【0031】まず、図10に示すように、仮想的に、格
子配線Aと格子配線Bとを所定の位置で単純に交差させ
る(ステップS21)。この状態では、交差部の配線占
有率が最大配線占有率bを超えている。
【0032】次に、交差部における格子配線Aの素線2
1の長さW1と格子配線Bの素線22の長さW2とを比
較し(ステップS22)、長いほうの素線を位置変更す
る素線とする(ステップS23)。ここでは、格子配線
Bの素線21の長さW2のほうが格子配線Aの素線21
の長さW1よりも長いので、格子配線Bの素線22を位
置変更する素線とする。但し、素線21のうち位置変更
する部分は格子配線A,Bが交差する部分のみである。
以下、素線22のうち交差部の部分を素線22aとい
う。
【0033】次に、位置変更するときの基準位置を決め
る。ここでは、格子配線Aの中心線Xと格子配線Bの中
心線Yとの交点を仮の基準位置Cとする(ステップS2
4)。そして、この仮の基準位置Cから離れる方向に、
単位面積当たりの配線占有率が最大配線占有率bよりも
小さくなるまで、素線22aの位置を格子配線Aの中心
線Xに沿ってずらす(ステップS25)。
【0034】その後、素線22aが格子配線A,Bの縁
から外に突出しないか否かを判定する(ステップS2
6)。ここで、位置変更した素線が格子配線A及び格子
配線Bの縁から外に突出していないときは、第1の実施
の形態のフローと同じになり、交差部の素線の位置を決
定して処理を終了する。しかし、本実施の形態では、素
線22aが格子配線Bの縁から外に突出してしまうの
で、基準位置を変更する必要がある。
【0035】この場合、位置を変更すべき3本の素線2
2aのうち最も外側に配置されている素線22a(C点
を基準位置としたときに格子配線Bの縁から外に突出す
る素線)の位置を基準位置とする(ステップS27)。
そして、図11に示すように、残りの2本の素線22a
を、基準位置から離れる方向に、単位面積当たりの配線
占有率が最大配線占有率bよりも小さくなるまで、格子
配線Aの中心線Xに沿ってずらす(ステップS28)。
このようにして、格子配線A,Bの交差部における配線
の設計が完了する。図13に、本実施の形態により設計
した半導体装置の格子配線の交差部を示す。
【0036】本実施の形態でも、第1の実施の形態と同
様に、格子配線Aと格子配線Bとを一つの配線層内で接
続するので、他の配線層まで使用して配線設計時の自由
度を下げてしまうことがない。また、最大配線占有率を
満たすように素線の位置を設定するので、製造プロセス
上の不具合も発生しない。更に、素線22aの位置をず
らすだけであり、素線を間引きしないので、一部の素線
に過剰に電流が流れたり、格子配線に流すことができる
電流量が制限されて必要な電流量を流すことができなく
なることが防止され、配線の信頼性を確保することがで
きる。
【0037】第1及び第2の実施の形態では、交差部の
素線のうち、長いほうの素線を位置変更する素線として
いるが、短いほうの素線を位置変更することも可能であ
る。
【0038】但し、交差部全体の面積を小さくできる
点、交差部にてその経路に折れ曲がりが生じる素線の本
数が少なくなる点、及び設計段階で位置変更する素線の
本数が少なくなり、配線設計が容易になる点などの観点
から、長いほうの素線を位置変更する素線とするほうが
好ましい。
【0039】(第3の実施の形態)図14〜図18は本
発明の第3の実施の形態に係る配線設計方法を示す模式
図である。また、図19は本実施の形態の配線設計方法
を示すフローチャートである。
【0040】本実施の形態は、4本の素線31が相互に
並行してなる格子配線Aの端部に、5本の素線32が相
互に並行してなる格子配線Bが交差(接続)する場合に
本発明を適用した例を示す。
【0041】また、格子配線Aの素線31及び格子配線
Bの素線32の幅は、いずれも製造プロセス上の制約か
ら決まる最大線幅a(例えば、3μm)以下に設定され
ている。更に、格子配線A及び格子配線Bは、いずれも
単独では、単位面積当たりの配線占有率が製造プロセス
上の制約から決まる最大配線占有率b(例えば、80
%)よりも小さくなるように、各素線31間の間隔及び
各素線32間の間隔がそれぞれ設定されている。
【0042】まず、図14に示すように、格子配線Aと
格子配線Bとを仮想的に交差させる(ステップS3
1)。
【0043】次に、素線数の少ない格子配線Aの外側の
素線31と格子配線Bの外側の素線32とにより、図1
5に示すようにL字形の素線41aを生成する。更に、
格子配線Aの外側から2番目の素線31と格子配線Bの
2番目の素線32とにより、図16に示すようにL字形
の素線41bを生成する。このようにして、素線数が少
ないほうの格子配線の素線31を外側のものから順番に
他の格子配線Bの素線32と接続して、L字形の素線4
1a,41bを生成する(ステップS32)。
【0044】その後、図16に示すように、格子配線A
の素線31と接続されない格子配線Bの仮想的な素線3
2の位置に、素線41c〜41eを生成する(ステップ
S33)。
【0045】次に、図17に示すように、L字形の素線
41a,41bの角部から中心線Xに垂直な方向、中心
線Yに垂直な方向にそれぞれ補助素線43a〜43dを
生成する(ステップS34)。
【0046】このとき、補助配線43a〜43dの始点
はL字形の素線41a,41bの角部とし、終点は中心
線X又は中心線Yに対し対称の位置にL字形の素線41
a,41bが存在するのならば中心線X又は中心線Yま
でとし、L字形の素線41a,41bが存在しないなら
ば格子配線A,Bの縁までとする。また、補助配線43
a〜43dは、格子配線Aの中心線Xと格子配線Bの中
心線Yとの交点Cから最も近いL字形の素線41aの角
部から順に生成する。
【0047】このようにして、補助素線43a〜43d
を配置した後、図18に示すように、単位面積当たりの
配線占有率が最大配線占有率bよりも小さくなるまで、
補助素線43a〜43dを交点Cから離れる方向に、中
心線X又は中心線Yに沿ってずらす(ステップS3
5)。これにより、格子配線Aと格子配線Bとの交差部
における配線の設計が完了する。図20に、本実施の形
態により設計した半導体装置の格子配線の交差部の配線
構造を示す。
【0048】本実施の形態においても、格子配線Aと格
子配線Bとを一つの配線層内で接続するので、これらの
格子配線A,Bの接続のために他の配線層まで使用して
配線設計時の自由度を下げてしまうことがない。また、
最大配線占有率を満たすように交差部の補助素線43a
〜43dの位置を決めるので、製造プロセス上の不具合
も発生しない。更に、本実施の形態では、一部の素線に
過剰に電流が流れたり、格子配線に流すことができる電
流量が制限されて必要な電流量を流すことができなくな
ることが防止され、配線の信頼性を確保することができ
る。
【0049】上記第3の実施の形態では、格子配線Aの
端部が格子配線Bに接続する三差路の場合について説明
したが、四差路(クロスした配線)の場合にも適用でき
る。図21に、第3の実施の形態を四差路の場合に適用
して設計した格子配線の交差部を示す。この場合も、図
19に示すフローチャートに従って格子配線の交差図の
設計を行えばよい。
【0050】(付記1)一定の幅以下に制限された複数
の素線により構成された格子配線の交差部の設計方法で
あって、一定の幅以下に制限された複数の素線により構
成された第1の格子配線及び第2の格子配線を仮想的に
交差させる工程と、前記第1の格子配線と前記第2の格
子配線との交差部における素線のうち、前記第1の格子
配線及び前記第2の格子配線のうちのいずれか一方の格
子配線に属する素線を位置変更する素線とする工程と、
基準位置を決める工程と、前記位置変更する素線を前記
基準位置から離れる方向に、前記交差部における第1の
格子配線及び第2の格子配線の配線占有率が少なくとも
製造プロセス上の制約から決まる最大配線占有率以下と
なる位置まで移動させる工程とを有することを特徴とす
る配線設計方法。
【0051】(付記2)前記第1の格子配線と前記第2
の格子配線との前記交差部における素線の長さを比較す
る工程を更に有し、長いほうの素線を前記位置変更する
素線とすることを特徴とする付記1に記載の配線設計方
法。
【0052】(付記3)前記基準位置を、前記第1の格
子配線の中心線と前記第2の格子配線の中心線との交点
とすることを特徴とする付記1に記載の配線設計方法。
【0053】(付記4)前記基準位置を、前記交差部の
素線のうち最も外側の素線の位置とすることを特徴とす
る付記1に記載の配線設計方法。
【0054】(付記5)前記位置変更する素線を、その
素線が属する格子配線と異なるほうの格子配線の中心線
に沿って移動させることを特徴とする付記1に記載の配
線設計方法。
【0055】(付記6)一定の幅以下に制限された複数
の素線により構成された格子配線の交差部の設計方法で
あって、第1の格子配線及び第2の格子配線を仮想的に
交差させる工程と、前記第1の格子配線及び前記第2の
格子配線のうち素線数の少ない格子配線の素線を外側の
素線から順番に他の格子配線の素線と接続してL字形の
素線を生成する工程と、前記L字形の素線の角部から前
記第1の格子配線及び前記第2の格子配線の中心線に対
し垂直に補助配線を生成する工程と、基準位置を決める
工程と、前記補助配線を、前記基準位置から離れる方向
に、製造プロセス上の制約から決まる最大配線占有率以
下となる位置まで移動させる工程とを有することを特徴
とする配線設計方法。
【0056】(付記7)前記基準位置を、前記第1の格
子配線の中心線と前記第2の格子配線の中心線との交点
とすることを特徴とする付記6に記載の配線設計方法。
【0057】(付記8)前記補助配線は、前記基準位置
から近いL字形配線の角部から順番に生成することを特
徴とする付記6に記載の配線設計方法。
【0058】(付記9)一定の幅以下に制限された複数
の素線により構成された第1の格子配線と、一定の幅以
下に制限された複数の素線により構成され、前記第1の
格子配線との交差部を有する第2の格子配線とを有する
半導体装置であって、前記交差部における素線のうち、
前記第1の格子配線及び前記第2の格子配線のうちのい
ずれか一方の格子配線に属する素線の間隔は、同一の格
子配線に属する前記交差部以外の部分における素線の間
隔よりも広いことを特徴とする半導体装置。
【0059】(付記10)前記いずれか一方の格子配線
に属する素線は、前記第1の格子配線及び前記第2の格
子配線の前記交差部における素線のうち、長いほうの素
線であることを特徴とする付記9に記載の半導体装置。
【0060】(付記11)前記いずれか一方の格子配線
に属する素線は、前記第1の格子配線及び前記第2の格
子配線の前記交差部における素線のうち、本数の少ない
ほうの素線であることを特徴とする付記9に記載の半導
体装置。
【0061】(付記12)前記第1の格子配線及び前記
第2の格子配線のうち素線数の少ない一方の格子配線の
素線を外側から順番に他方の格子配線の素線と接続して
形成されたL字形素線を更に有することを特徴とする付
記9に記載の半導体装置。
【0062】(付記13)前記いずれか一方の格子配線
に属する素線の間隔は、前記交差部における前記第1の
格子配線及び前記第2の格子配線の配線占有率が、少な
くとも製造プロセス上の制約から決まる最大配線占有率
以下になるように決められた間隔であることを特徴とす
る付記9に記載の半導体装置。
【0063】(付記14)前記交差部は、前記第1の格
子配線の端部が前記第2の格子配線に接続する三差路を
構成することを特徴とする付記9に記載の半導体装置。
【0064】(付記15)前記交差部は、前記第1の格
子配線と前記第2の格子配線とが所定の位置で交差する
四差路を構成することを特徴とする付記9に記載の半導
体装置。
【0065】(付記16)前記第1の格子配線及び前記
第2の格子配線は同一の配線層内で接続されたことを特
徴とする付記9に記載の半導体装置。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
第1の格子配線及び第2の格子配線を仮想的に交差さ
せ、単位面積当たりの配線占有率が最大配線占有率以下
となるように、第1の格子配線及び第2の格子配線の交
差部に配置された素線の位置をずらしたり、一定の基準
に従って交差部及びその近傍に素線を生成する。すなわ
ち、本発明によれば、第1の格子配線と第2の格子配線
とを他の配線層を使用することなく一つの配線層内で接
続するので、配線設計時の自由度が高くなる。また、本
発明では、格子配線の交差部の素線を間引くのではない
ので、一部の素線に過剰に電流が流れたり、格子配線に
流すことができる電流量が制限されて必要な電流量を流
すことができなくなることが防止され、配線の信頼性を
確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る配線
設計方法を示す模式図(その1)である。
【図2】図2は、第1の実施の形態に係る配線設計方法
を示す模式図(その2)である。
【図3】図3は、第1の実施の形態に係る配線設計方法
を示す模式図(その3)である。
【図4】図4は、第1の実施の形態に係る配線設計方法
を示す模式図(その4)である。
【図5】図5は、第1の実施の形態の配線設計方法を示
すフローチャートである。
【図6】図6は、第1の実施の形態により設計した格子
配線の交差部を示す図である。
【図7】図7は、第1の実施の形態の変形例に係る配線
設計方法を示す模式図(その1)である。
【図8】図8は、第1の実施の形態の変形例に係る配線
設計方法を示す模式図(その2)である。
【図9】図9は、第1の実施の形態の変形例により設計
した格子配線の交差部を示す図である。
【図10】図10は、本発明の第2の実施の形態に係る
配線設計方法を示す模式図(その1)である。
【図11】図11は、第2の実施の形態に係る配線設計
方法を示す模式図(その2)である。
【図12】図12は、第2の実施の形態の配線設計方法
を示すフローチャートである。
【図13】図13は、第2の実施の形態により設計した
格子配線の交差部を示す図である。
【図14】図14は、本発明の第3の実施の形態に係る
配線設計方法を示す模式図(その1)である。
【図15】図15は、第3の実施の形態に係る配線設計
方法を示す模式図(その2)である。
【図16】図16は、第3の実施の形態に係る配線設計
方法を示す模式図(その3)である。
【図17】図17は、第3の実施の形態に係る配線設計
方法を示す模式図(その4)である。
【図18】図18は、第3の実施の形態に係る配線設計
方法を示す模式図(その5)である。
【図19】図19は、第3の実施の形態の配線設計方法
を示すフローチャートである。
【図20】図20は、第3の実施の形態により設計した
格子配線の交差部を示す図である。
【図21】図21は、第3の実施の形態を四差路の場合
に適用して設計した格子配線の交差部を示す図である。
【図22】図22は、幅広の配線を、最大線幅よりも狭
い複数の配線に分割した例を示す模式図である。
【図23】図23は、2つの格子配線を単純に交差させ
た例を示す模式図である。
【図24】図24は、2つの格子配線の交差部の素線を
間引いたときの例を示す模式図である。
【図25】図25は、2つの格子配線を、他の配線層に
形成した接続用配線及びコンタクトホールを用いて接続
したときの例を示す模式図である。
【符号の説明】
A,B…格子配線、 11,12,21,22,31,32,51,52…素
線、 11a,22a…素線(素線のうち位置変更する部
分)、 41a,41b…L字形の素線、 43a〜43d…補助素線、 53…接続用配線、 54…コンタクトホール。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定の幅以下に制限された複数の素線に
    より構成された格子配線の交差部の設計方法であって、 一定の幅以下に制限された複数の素線により構成された
    第1の格子配線及び第2の格子配線を仮想的に交差させ
    る工程と、 前記第1の格子配線と前記第2の格子配線との交差部に
    おける素線のうち、前記第1の格子配線及び前記第2の
    格子配線のうちのいずれか一方の格子配線に属する素線
    を位置変更する素線とする工程と、 基準位置を決める工程と、 前記位置変更する素線を前記基準位置から離れる方向
    に、前記交差部における第1の格子配線及び第2の格子
    配線の配線占有率が少なくとも製造プロセス上の制約か
    ら決まる最大配線占有率以下となる位置まで移動させる
    工程とを有することを特徴とする配線設計方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の格子配線と前記第2の格子配
    線との前記交差部における素線の長さを比較する工程を
    更に有し、長いほうの素線を前記位置変更する素線とす
    ることを特徴とする請求項1に記載の配線設計方法。
  3. 【請求項3】 前記基準位置を、前記第1の格子配線の
    中心線と前記第2の格子配線の中心線との交点とするこ
    とを特徴とする請求項1に記載の配線設計方法。
  4. 【請求項4】 前記基準位置を、前記交差部の素線のう
    ち最も外側の素線の位置とすることを特徴とする請求項
    1に記載の配線設計方法。
  5. 【請求項5】 一定の幅以下に制限された複数の素線に
    より構成される格子配線の交差部の設計方法であって、 第1の格子配線及び第2の格子配線を仮想的に交差させ
    る工程と、 前記第1の格子配線及び前記第2の格子配線のうち素線
    数の少ない格子配線の素線を外側の素線から順番に他の
    格子配線の素線と接続してL字形の素線を生成する工程
    と、 前記L字形の素線の角部から前記第1の格子配線及び前
    記第2の格子配線の中心線に対し垂直に補助配線を生成
    する工程と、 基準位置を決める工程と、 前記補助配線を、前記基準位置から離れる方向に、製造
    プロセス上の制約から決まる最大配線占有率以下となる
    位置まで移動させる工程とを有することを特徴とする配
    線設計方法。
  6. 【請求項6】 一定の幅以下に制限された複数の素線に
    より構成された第1の格子配線と、 一定の幅以下に制限された複数の素線により構成され、
    前記第1の格子配線との交差部を有する第2の格子配線
    とを有する半導体装置であって、 前記交差部における素線のうち、前記第1の格子配線及
    び前記第2の格子配線のうちのいずれか一方の格子配線
    に属する素線の間隔は、同一の格子配線に属する前記交
    差部以外の部分における素線の間隔よりも広いことを特
    徴とする半導体装置。
  7. 【請求項7】 前記いずれか一方の格子配線に属する素
    線は、前記第1の格子配線及び前記第2の格子配線の前
    記交差部における素線のうち、長いほうの素線であるこ
    とを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
  8. 【請求項8】 前記いずれか一方の格子配線に属する素
    線は、前記第1の格子配線及び前記第2の格子配線の前
    記交差部における素線のうち、本数の少ないほうの素線
    であることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
  9. 【請求項9】 前記第1の格子配線及び前記第2の格子
    配線のうち素線数の少ない一方の格子配線の素線を外側
    から順番に他方の格子配線の素線と接続して形成された
    L字形素線を更に有することを特徴とする請求項6に記
    載の半導体装置。
  10. 【請求項10】 前記いずれか一方の格子配線に属する
    素線の間隔は、前記交差部における前記第1の格子配線
    及び前記第2の格子配線の配線占有率が、少なくとも製
    造プロセス上の制約から決まる最大配線占有率以下にな
    るように決められた間隔であることを特徴とする請求項
    6に記載の半導体装置。
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