JP2003075592A - シンチレータ、放射線検出装置及びシステム - Google Patents
シンチレータ、放射線検出装置及びシステムInfo
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Abstract
を防止する。 【解決手段】 シンチレータパネル100に、放射線に
基づく光を発生する蛍光体層104と、蛍光体層104
を支持するための基材101と、蛍光体層104で変換
された光を反射する反射層103と、基材101と反射
層103との間に形成された絶縁層102と、反射層1
03と蛍光体層104との間に形成された接続防止層1
06と、蛍光体104等を外気から保護する保護層10
5とを備える。
Description
射線検出装置及びシステムに関し、特に、医療用診断装
置、非破壊検査装置などに用いられるシンチレータ、放
射線検出装置及びシステムに関する。
に、X線、α線、β線、γ線などの電磁波も含むものと
して説明する。
ており、レントゲン撮影の方式もコンベンショナルなフ
ィルムスクリーン方式からX線デジタルラジオグラフィ
ー方式へのパラダイムシフトが進んでいる。
トゲン撮影用のX線検出装置には、アモルファスシリコ
ンなどを用いたフォトセンサ及びTFTを有する光電変
換素子部を備えたセンサパネルと、柱状の蛍光体よりな
る蛍光体層及び蛍光体層で発光した可視光をセンサパネ
ル側へ反射させる金属薄膜などの反射膜を備えたシンチ
レータとを、透明な接着剤よりなる接着層によって接着
したものがある。
の素子構成やシンチレータの蛍光体材料の制約を受ける
ことなく、さまざまなものを用途に応じて組み合わせる
ことが可能である。
する。まず、装置本体にX線が入射されると、このX線
は、反射層を透過し、蛍光体層で吸収される。その後、
蛍光体層は吸収したX線に応じた強度の可視光を発光す
る。可視光は光電変換素子部のフォトセンサで電気信号
に変換され、TFTのオン/オフの切り替えに応じて外
部に出力される。こうして、入射したX線情報を2次元
のデジタル画像に変換している。
モルファスカーボンなどがよく用いられている。その理
由は、 (1)アモルファスカーボン等がガラスやアルミニウム
に比べ、X線の吸収が少ないため、より多くのX線を蛍
光体層側へ送ることができるからである。例えば、各材
料を実用的な厚み(日本電気硝子製OA−10ガラス
板:0.7mm、Al板:0.5mm、アモルファスカ
ーボン板:1mm)にした場合には、どの材料もフォト
ンエネルギー60keV以上ならば90%以上の透過率
を確保できるが、OA−10ガラス板は60keV以
下、Al板は35keV以下で、急激に透過率が低下す
る。一方、他の材料よりも厚いにもかかわらず、アモル
ファスカーボン板は20keVまで95%以上を確保す
るので、医療で使用されるX線のエネルギー領域では、
ほぼフラットな透過率特性を示すことが可能である。
に優れているからである。アモルファスカーボンは、フ
ッ酸などの強酸や、溶剤に対しても侵食されることはな
い。
優れているからである。アモルファスカーボンは、ガラ
スやアルミニウムよりも高い耐熱性を有する。
よいからである。アモルファスカーボンは、導電率がσ
=2.4×10-2Ω-1cm-1なので、電磁シールドとし
ても機能するし、製造時の静電気対策としても機能す
る。
数がガラスと近いため、貼り合わせ後の膨張率の差によ
る剥がれ等の心配が少ないからである。一般的に用いら
れるパネルガラスの熱膨張係数は、4.6×10-6だ
が、アモルファスカーボンはそれに近い2.0×10-6
である。
スカーボン等の反射率が対空気層では約20%と低いた
め、金属薄膜からなる反射層を設けることによって、光
の利用効率を向上させるためである。
料として用いる理由は、 (1)アルミニウム等が、可視光のほぼ全域に渡って高
い反射率を示すからである。なお、詳細は、Journal of
the optical society of America,vol45,no.11,p945,1
955に詳しい。
ので、乱反射による解像力の乱れを生じることが少ない
からである。
うな手法により製造する。まず、表面を鏡面に研磨され
たアモルファスカーボンなどの基材を洗浄し、スパッタ
等でアルミニウム薄膜を成膜する。アルミニウム薄膜は
厚すぎると表面の凹凸によって乱反射を起こし、薄すぎ
ると光が透過してしまうので、通常、厚みは100nm
〜500nmとしている。
ルミニウム薄膜上に蒸着する。この時のプロセス温度は
200℃を超える。つぎに、周りに保護層を形成し、シ
ンチレータを完成する。
は、アモルファスカーボンなどからなる導電性を有する
基材に形成した反射層の上にアルカリハライド蛍光体、
例えばCsIを形成すると、数日のうちに反射層に腐食
が開始することが我々の検討から判明した。この原因と
しては、CsI中のハロゲン、つまりヨウ素が、反射層
の材料であるアルミニウムを腐食させることが考えられ
る。
て、反射層の表面側に保護層を設けてみたが、反射層と
基材との接触がある限り、本件のような短期間で発生す
る腐食は抑制できないこともわかった。
ガラスを用い、反射層の材料としてアルミニウムを用い
た場合には発生が極端に抑制されることもわかった。従
って、反射層が腐食するもう一つの原因として、アモル
ファスカーボンなどカーボンを成分に有するものやシリ
コンなどと、アルミニウムなどをはじめとする金属とい
う異種の導電性材料とを積層したことによる電気化学的
腐食が考えられる。
には、基板の全面にアルミニウム蒸着膜を介して沃化セ
シウムよりなる蛍光体を設ける旨の記載があるが、この
公報に記載されている技術では、上記と同様の理由によ
り電気化学的腐食を防止することができない。
は、光反射層の蛍光体が設けられていない側に保護膜と
してPET (ポリエチレンテレフタレート)を設ける旨
が記載されているが、PETは200℃を超える蛍光体
形成プロセスに耐えうる材料でないので、アモルファス
カーボンやシリコン、アルミニウムという異種の導電性
材料を積層したことによる電気化学的腐食を抑制するも
のではなく、また基材にPETもしくはガラスなどの絶
縁体を用いた構成になっているのでそもそも電気化学的
腐食はほとんど起こらない。
電気化学的腐食を防止することを課題とする。
め、本発明は、放射線に基づく光を発生する蛍光体層
と、前記蛍光体層を支持するための導電性基材と、前記
蛍光体層で変換された光を外部へ出射するための反射層
とを備えたシンチレータパネルにおいて、前記導電性基
材と前記反射層との間にこれらの電気的接続を絶つ絶縁
層を形成し、前記反射層と前記蛍光体層との間にこれら
の接続を防止する接続防止層を形成することを特徴とす
る。
する蛍光体層と、前記蛍光体層を支持するための基材と
を備えたシンチレータパネルにおいて、前記基材の放射
線入射面と反対側の面に、前記蛍光体層で変換された光
を外部へ出射するための反射機能を備え、前記反射機能
を備えた面と前記蛍光体層との間にこれらの接続を防止
する接続防止層を備えることを特徴とする。
シンチレータパネルを備えることを特徴とする。
は、上記放射線検出装置を具備することを特徴とする。
図面を用いて説明する。
の原理について簡単に説明する。本実施形態のシンチレ
ータパネルは、導電性基材と反射層との間にこれらの電
気的接続を絶つ絶縁層を備えている。また、蛍光体層と
反射層との間にこれらの接続を防止する接続防止層を備
えている。
などの形成プロセス時に高温状態となるような場合には
耐熱性を有する必要がある。
成分として有するものが用いられ、特にアモルファスカ
ーボンが好適に利用される。
以上の熱に耐えられるようにしておけば、反射層やアル
カリハライドからなる柱状結晶蛍光体などの蛍光体層を
形成する際にかかる熱に耐えられるようになる。
多層でもよいが、少なくとも反射層との接触部での体積
抵抗率が1×1010Ωcm以上であることが必要であ
る。これは、体積抵抗率が、ほぼ1×108Ωcm以下
までは半導体の領域であり、この領域であれば、状態の
変化例えば、温度の上昇などによって、抵抗率が変化す
る可能性があり、完全な絶縁を得ることは難しいので、
これにマージンを含んだ値としたものである。ちなみ
に、半導体のシリコン単体の体積抵抗率は3×10 5Ω
cm、GaAsでは7×107Ωcmである。
ドギャップが広くなり体積抵抗率が1×1010Ωcm以
上の絶縁物となる。ちなみに、SiOX、SiNXなどは
全てこれを満足する材料である。さらに、このようなシ
リコン化合物はカーボンと化学結合しやすく、SiCな
どは非常に硬い材料であることが知られている。
l合金薄膜が一般的に用いられており、シリコン化合物
との密着は半導体デバイスとして実績がある。一方、プ
ラズマ重合より得られるテトラアルキルシラン(Si−
OR、R=CH3、C2H5、C 3H7)は、1×1010Ω
cm以上の絶縁性があり、カーボンを主体とした有機材
料と金属とのカップリング層として実用化されているも
のである。
ので、アルキル基の炭素数が1〜3程度であれば、20
0℃以上の耐熱性も有するものである。つまり、シリコ
ンを含む材料は導電性基材と反射層との間、あるいは反
射層と蛍光体層と間の絶縁耐熱層として機能するし、密
着性もよい。
ほとんどは、1×1010Ωcm以上の体積抵抗率と20
0℃以上の耐熱性を有する。具体的には、SiOx、S
iNx、SiON、Al2O3、SiO2、TiO2、Mg
O、BeO、CeO、HfO2、ThO2、UO2、Zr
O2などを用いることができる。
半導体転移を示すものもあるため、組成比が変化しない
ようにすることが必要である。
スベンゾブテン系樹脂、メチルシルセスキオキサン系樹
脂、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエ
ーテルイミド、芳香族ポリエステルなどは、全て体積抵
抗率1×1010Ωcm以上で、200℃以上の耐熱性を
有する絶縁材料である。これらの耐熱性樹脂を使用する
場合は、シリコンを含む材料を用いる場合に比べ、厚さ
を厚くできるので、下地の粗れやゴミによる絶縁破壊を
起こす可能性が減少する。
合は自身の内部応力の影響から厚くしすぎることはでき
ないため、一般的には数10nm〜数100nmにする
のが適切であるが、耐熱性樹脂は数100nm〜数10
000nmの範囲で制御が可能である。さらに、これら
の樹脂はカーボンを含むため、カーボンとの密着性は良
好であるが、下地を凹凸差が0.02μm以上に粗らし
てアンカー効果をもたせることで、更に密着力を向上さ
せることが可能である。
反射層の平坦性を確保し、鏡面を維持することが可能で
ある。ただし、凹凸差が5μmを超えると、上記の平坦
化効果が減少してしまうので、0.02μmから5μm
に納まるようにするとよい。Alとの密着性に関して
は、弱い組み合わせもあるが、Al成膜前に何らかの表
面処理、例えば逆スパッタを行えば密着力が向上する。
及び耐熱性樹脂はどちらも密着力のよいものであるが、
更なる効果をもたせるために、これらから選ばれる複数
の材料を積層してもかまわない。この場合は、少なくと
も金属薄膜と接触する層に1×1010Ωcm以上の絶縁
性を持たせればよく、その下の層の抵抗率を問うもので
はない。
後に保護層を形成する場合は、温度の制約が緩和される
ので、上記以外の材料として、シリコーン樹脂、ポリパ
ラキシリレン樹脂、アクリル系樹脂、フェノール系樹
脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロ
ピレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース樹脂
などの透光性樹脂を用いることも可能となる。
できる限りアモルファスカーボンとの密着性の高い材料
を、Alとの接触層はできる限りAlとの密着性の高い
材料を選ぶとよい。もしも、積層する層同士の密着性が
悪くなる場合は、組成を漸進的に変化させるとよい。
出装置の模式的な断面図である。図1において、100
はシンチレータパネルで、アルカリハライドよりなる柱
状結晶化した蛍光体層104と、蛍光体層104を支持
するためのアモルファスカーボン等よりなる0.7mm
〜1mm程度の厚さの基材101と、蛍光体層104で
変換された光を後述するセンサパネル110側へ反射す
るアルミニウム薄膜よりなる反射層103と、基材10
1と反射層103との間に形成されこれらの電気的接続
を絶つSiNXなどからなる絶縁層102と、蛍光体1
04等を外気から保護する有機樹脂よりなる保護層10
5と、反射層103と蛍光体層104との間に形成され
これらの接続を防止するポリイミドなどの接続防止層1
06とを備えている。
ルであり、ガラス基板111と、アモルファスシリコン
を用いたフォトセンサ及びTFTからなる光電変換素子
部112と、光電変換素子部112で変換された電気信
号を伝送する配線部113と、配線部113を伝送され
た電気信号を外部に取り出す電極取り出し部114と、
窒化シリコン等よりなる第1保護層115と、ポリイミ
ド等よりなる第2保護層116とを備えている。
100とは、接着剤121により貼り合わされ、その周
囲を封止材122によって封止されている。なお、光電
変換素子部112は、蛍光体層104からの可視光を検
知できるものであればよく、センサとしてはアモルファ
スシリコンなどからなるMIS型のものやPIN型のも
の、スイッチとしては、TFTやPIN型ダイオードス
イッチのものでもよい。
を用いてもかまわない。この場合、基材111はクリス
タルシリコンを用いることになる。なお、反射層103
は、アルミニウム薄膜に限定されず、蛍光体層104が
発光する波長によっては、アルミニウム合金、銀、銀合
金、銅、金などの他の金属層を用いてもよい。
で、接続防止層106を薄くしすぎると、製造段階で接
続防止層106の下部又は上部にゴミが付着したとき
に、このゴミによって接続防止層106がピンホールや
クラックなどのように部分的に破損したり、接続防止層
106が形成されない領域が生じて、反射層103と蛍
光体層104との絶縁性が保てない場合がある。接続防
止層106に形成ムラができる場合も同様である。
と、解像力が低下したり、輝度が低下したり、基材10
1にソリが生じるなどの問題もある。特に、基材101
にソリが生じると、シンチレータパネル100とセンサ
パネル110とを貼り合わせるときに、これらの間に気
泡が入り込み、充分な接着ができない場合がある。
薄すぎても厚すぎても種々の問題が生じることになる。
決定するための浸漬実験の様子を示す図である。図7に
は、絶縁層102,反射層103,接続防止層106を
備えた基材101を、2NのCsI水溶液211を充填
したビーカ222に浸漬した様子を示している。
て、反射層103が腐食し始めるまでに要する時間を求
めるというものである。この時間は、実体顕微鏡でサン
プルの反射層103表面を観察し、一箇所でも反射層1
03に穴が確認されるまでの時間とする。
で変化させている。ちなみに接続防止層106の厚さ
は、接続防止層106に段差を設け、段差部をレーザー
顕微鏡(キーエンスVK−8500)で観測することで確
認を行った。サンプルは実際のシンチレータパネル10
0を形成する環境と同じクリーンルーム内で形成した。
103の腐食開始時間との関係を示す図である。図8に
示すように、接続防止層106の厚さが、1μmを超え
て、大きく立ち上がり2μm以上で安定する。このこと
から、接続防止層106の厚さの下限は、2μmとする
と好ましいことが判明した。
が解像度に与える影響を、CTF(contrast transfer f
unction)という評価法を用いて調査した。
との関係を示す図である。図9の横軸には接続防止層1
06の厚さを示し、縦軸には接続防止層106の厚さを
0μmとしたときのCTF値を1とした相対的なCTF
値を示している。
さが0μm〜10μm程度のときにはCTFはほぼフラ
ットで、それ以上の厚さになるとCTFは、徐々に低下
してくる。このことから、接続防止層106をあまり厚
くしすぎると、充分な解像度が得られないことが判明し
た。
に与える影響を、シミュレーションと実験とによって調
査した。
との関係についての実験結果を示す図である。図10の
横軸には接続防止層106の厚さを示し、縦軸には接続
防止層106の厚さを0μmとしたときの輝度値を1と
した相対的な輝度値を示している。図10に示すよう
に、接続防止層106が厚くなると、輝度は僅かに低下
することが判明した。
との関係についてのシミュレーション結果を示す図であ
る。このシミュレーションは、蛍光体層104から接続
防止層106に入射し、反射層103で反射され、再び
蛍光体層104に戻る光の強度を反射率としてフレネル
法で求めたものである。
防止層106の厚さ、Z軸には接続防止層反射率を示し
ている。
がらのフラットになった領域がある。この領域では、接
続防止層106の消衰係数kはほぼ0であり、反射率が
多重反射の影響だけで接続防止層106の厚さにはほと
んど依存しない。
接続防止層106の厚さに拘わらず反射率は低下し始め
る。ただし、接続防止層106が厚いほど反射率の低下
は著しい。このように反射率が低下する領域では、接続
防止層106の消衰係数kは0でなく、反射率が接続防
止層106の厚さに依存することを意味する。
プしたものものを用いた。これの最大ピーク波長は59
0nmであり、図11からわかるように消衰係数kはほ
ぼ0であるため、輝度に対してはほとんど影響がないも
のと考えられる。
無視できるのである。ただし、図10の実測値が接続防
止層106の厚さと共に僅かに低下していくのは、発光
スペクトルのこの波長領域の僅かな成分が、消衰係数k
≠0の影響を僅かながら受けて吸収されるからと考えら
れる。
材101にはソリが生じる。同様に、絶縁層102が厚
くなっても基材101にはソリが生じる。基材101は
0.7mm〜1mm程度の厚さのものを用いると、この
ソリも絶縁層102と接続防止層106との厚さの和が
20μmを超えると目視で確認できる。
が生じると、シンチレータパネル100とセンサパネル
110との貼り合わせの際に、これらの間に気泡が入り
込む。
μmとしたときの解像度は、図9に示すように、この厚
さを半分の7.5μmとしたときからほぼ2割低下す
る。よって、高精度な画像が求められる分野でなけれ
ば、この程度の解像度の低下は問題ないと考える。
防止層106の厚さを半分の7.5μmとしたときとほ
ぼ同じであり、問題がないと考える。
上限は、基材101として0.7mm〜1mm程度の厚
さのアモルファスカーボンを材料としたものを用いる
と、15μmとすると好ましいことが判明した。
るアモルファスカーボンなどの鏡面を研磨し、その後こ
れを一度洗浄・乾燥し、スパッタ法、CVD法(化学気
相成長法)等により、絶縁層102となるSiNX薄膜を
約300nmの厚さで成膜する。
反射層103となるアルミニウム薄膜を約300nmの
厚さで成膜する。反射層103の成膜にあたっては、絶
縁層102であるSiNXとの密着性を更に強化するた
め、直前に逆スパッタ等の表面処理を施すとよい。反射
層103の成膜方法は、真空蒸着法や電子ビーム(E
B)法などによっても可能である。
ト、スリットコートなどによって接続防止層106とな
るポリイミドなどを塗布し、キュアして硬化する。
は、接続防止層106の厚さが2μm未満になることも
あるので、その場合は条件を見直すか、コーティングを
複数回行えばよい。
しても、歩留まり等の関係から、接続防止層106に微
小なピンホール等が生じることがあるので、コーティン
グを複数回行うようにした方が、このピンホール等を2
回目以降のコーティングで埋め込むことができるという
メリットがある。
ないので、クリーンルーム内で行わなければならない。
必要であれば、除電を行う必要がある。
成膜装置で連続的に行えば、それぞれの成膜ごとに成膜
チャンバーから取り出すよりは、ゴミ等の影響による不
良を防止することができるので望ましい。
ライドの蛍光体を接続防止層106上に200℃以上の
温度で柱状結晶させた後、全体を保護層105で被覆し
て図1のシンチレータパネル100ができる。
号公報にあるように、耐湿性の高いパリレン等のCVD
膜を用いるのが望ましい。
NXの例を示したが、SiNX以外にもSiOXなどのシ
リコン化合物やテトラアルキルシラン(Si−OR、R
=CH 3、C2H5、C3H7)などのシリコンを主体とし
た絶縁層や、金属酸化膜、ジビニルシロキサンビスベン
ゾブテン系樹脂、メチルシルセスキオキサン系樹脂、ポ
リアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテル
イミド、芳香族ポリエステル等を用いてもかまわない。
合には、厚さをできる限り厚くする方がよいが、厚すぎ
ると内部応力による剥がれを起こす場合があるので、好
適には、数10nmから数100nmにするとよい。
検出装置の動作について説明する。
放射線は基材101、絶縁層102、反射層103及び
接続防止層106を透過し、蛍光体層104で吸収され
る。蛍光体層104は吸収した放射線量に応じた光量の
可視光を発光する。
気信号に変換され、TFTのオン/オフの切り替えに従
って、配線113に出力される。各配線113に出力さ
れた電気信号は、電極取り出し部114を通して外部に
読み出される。
表示等される2次元のデジタル画像を得るための処理が
される。こうして、放射線検出装置に入射された放射線
情報を変換して、外部で2次元のデジタル画像を得てい
る。
2の放射線検出装置に係るシンチレータパネル100の
断面図である。本実施形態では、絶縁層102にポリイ
ミドを用いており、基材101の表面を、絶縁層102
との密着性を良好にするために粗らして、絶縁層102
と基材101との間はアンカー効果による密着力が得ら
れるようにしている。
同一符号を付している。また、センサパネルについて
は、図1と同様である。
02の表面は、塗布した際、平坦化されるため、反射層
103を平坦に形成することが可能となり、反射層10
3の表面を鏡面反射にすることができる。絶縁層102
は、より平坦化させるために厚さを基材101表面の粗
さよりも充分に厚く取る必要がある。好適な厚さとして
は、1μm〜18μm程度である。絶縁層102は、ス
ピンコート法、スリットを設けたノズルからの噴出し法
や、スプレー法によって形成が可能である。
間は、反射層103を成膜する前に、逆スパッタ等の処
理を行っておけば、必要な密着力は確保できるものであ
る。当然、ポリイミドは耐熱性絶縁膜なので、導電性を
有する基材と反射層とを電気的に絶縁することができ
る。
は、図1に示すものに比べて、絶縁層102を厚く形成
することができるので、異物等による絶縁破壊に対して
は強い構造となるというメリットと、基材111を鏡面
研磨する必要がない分、コストが安いというメリットが
ある。
3の放射線検出装置に係るシンチレータパネル100の
断面図である。本実施形態では、絶縁層102を、ジビ
ニルシロキサンビスベンゾブテン系樹脂(以下、「BC
B」と称する。)とSiNX、SiOXなどのシリコン系
絶縁膜や、金属酸化膜等との2層構成としている。
同一符号を付している。また、センサパネルについて
は、図1と同様である。
示すものと同様に、基材101の表面を、絶縁層102
との密着性を良好にするために粗らしており、絶縁層1
02の表面も平坦である。絶縁層102の厚さも図2と
同様に決めればよく、好適な厚さは、1μm〜10μm
程度である。製造方法は、実施形態2と同様である。絶
縁層102のSiNX等は、CVD等によって成膜す
る。
間の密着度が高いとされているため、絶縁層102とし
てSiNX等を用いると、同じ絶縁層102の材料であ
るBCBとの接合を強固とすることができる。さらに、
SiNXは、耐湿性の高い膜であるため、耐湿層として
も機能する。BCBもSiNXも絶縁材料なので、導電
性を有する基材と反射層との間の電気的絶縁も確保され
る。当然両材料とも200℃以上の耐熱性を有している
ので、放射線検出装置の製造を困難とはしない。
触する層との密着力の高い材料を用いるとよい。例え
ば、絶縁層102のうち基材側の層を、基材101の材
料であるアモルファスカーボンとの結合では構造乱れを
最小限にすることができるSi−C結合を有するSiC
Xとする。反射層103側の層を、反射層103との密
着性のよいSiOXとする。ちなみに、SiOXとSiC
Xとは共にシリコン系材料なので密着力よい。
体分野では実績のある構成であるので、密着度に優れて
いる。さらに、SiCXとSiOXの組成を漸進的に変化
させれば、層間の界面を無くすことができ、密着力を一
層向上させることができる。
Ωcmと低いが、SiO2に絶縁性を有するため、Si
CとSiO2の2層を構成することで、絶縁層として機
能するものである。
+CH4のガスを流しながらプラズマで分解して基材1
01に形成し、SiOX層は、CVD法等でSiH4+H
2Oのガスを流しながらSiCX層状に成膜すればよい。
SiCX層とSiOX層との密着力を更に向上させるに
は、放電を続けながらガスの組成をSiH4+CH4から
SiH4+H2Oへと漸進的に変更すればよい。
4に係るシンチレータパネル100の断面図である。な
お、図4において、図1に示した部分と同様の部分には
同一符号を示している。また、センサパネルについて
は、図1と同様である。
ニウム合金からなる基材101の接続防止層106側に
鏡面加工を施することによって反射機能を備えている。
ルセスキオキサン系樹脂又はPIを用いている。BCB
の最適硬化温度は300℃以上であるが、本実施形態で
は、接続防止層106を基材101上に直接形成してい
るので、硬化温度の制約が大幅に緩和されるものであ
る。
ラスやアモルファスカーボンのそれに比べ樹脂に近いた
め、基材101の材料として用いると、基材101にソ
リが生じにくいというメリットがある。
5に係るシンチレータパネル100の断面図である。図
5には、接続防止層106を、0.03μmの厚さのS
iO2よりなるシリコンを含む無機層と、5μmの厚さ
のポリイミド層とからなる2層構成としている。
同様の部分には同一符号を示しているが、基材101の
材料をガラスとしている。また、センサパネルについて
は、図1と同様である。
る。無機層は、有機層に比べ不純物に対するブロッキン
グ性能に優れており、腐食防止効果が高い。
ホール、クラックなどを補修する役目も有することにな
る。
成した反射層103上に、同じチャンバーで連続的にス
パッタ法などの方法でSiO2を形成することによって
形成する。なお、SiO2の品質をより向上させるな
ら、CVD法で形成してもよい。
み合わせは、上記例に限定されるものではなく、各層に
割りあてる機能とプロセスの制約等で決めればよい。
ル100とセンサパネル110とを貼り合わせて放射線
検出装置を製造する場合を例に説明したが、センサパネ
ル110に蛍光体層104を蒸着し、その上に反射層1
03,絶縁層102,保護層105を順次形成するよう
にしてもよい。
6のX線診断システムへ模式的な構成を示すブロック図
である。X線チューブ6050で発生したX線6060
は患者あるいは被験者6061の胸部6062を透過
し、実施形態1空のいずれかで説明した放射線検出装置
6040に入射する。
部の情報が含まれている。X線の入射に対応して蛍光体
は発光し、これを光電変換して電気的情報を得る。この
情報は、ディジタルに変換されイメージプロセッサ60
70により画像処理され制御室のディスプレイ6080
で観察できる。
送手段により遠隔地へ転送でき、別の場所のドクタール
ームなどディスプレイ6081に表示もしくは光ディス
ク等の保存手段に保存することができ、遠隔地の医師が
診断することも可能である。またフィルムプロセッサ6
100によりフィルム6110に記録することもでき
る。
各絶縁層を形成したので、反射面の腐食を防止できる。
な断面図である。
ンチレータパネル100の断面図である。
ンチレータパネル100の断面図である。
100の断面図である。
100の断面図である。
的な構成を示すブロック図である。
の浸漬実験の様子を示す図である。
開始時間との関係を示す図である。
す図である。
いての実験結果を示す図である。
いてのシミュレーション結果を示す図である。
Claims (21)
- 【請求項1】 放射線に基づく光を発生する蛍光体層
と、前記蛍光体層を支持するための導電性基材と、前記
蛍光体層で変換された光を外部へ出射するための反射層
とを備えたシンチレータパネルにおいて、 前記導電性基材と前記反射層との間にこれらの電気的接
続を絶つ絶縁層を形成し、 前記反射層と前記蛍光体層との間にこれらの接続を防止
する接続防止層を形成することを特徴とするシンチレー
タパネル。 - 【請求項2】 放射線に基づく光を発生する蛍光体層
と、前記蛍光体層を支持するための基材とを備えたシン
チレータパネルにおいて、 前記基材の放射線入射面と反対側の面に、前記蛍光体層
で変換された光を外部へ出射するための反射機能を備
え、前記反射機能を備えた面と前記蛍光体層との間にこ
れらの接続を防止する接続防止層を備えることを特徴と
するシンチレータパネル。 - 【請求項3】 前記接続防止層は、2μm以上の厚さで
あって、更に前記絶縁層との厚さの和が20μm以下の
厚さとなるようにしていることを特徴とする請求項1記
載のシンチレータパネル。 - 【請求項4】 前記接続防止層は、前記蛍光体の最大ピ
ーク波長での消衰係数が1×10-5以下であることを特
徴とする請求項1記載のシンチレータパネル。 - 【請求項5】 前記絶縁層と前記接続防止層との少なく
とも一方は、複数層からなることを特徴とする請求項1
から4のいずれか1項記載のシンチレータパネル。 - 【請求項6】 前記絶縁層と前記接続防止層との少なく
とも一方は、前記蛍光体層を形成する際に必要な温度に
耐えられるように耐熱性を有していることを特徴とする
請求項1から5のいずれか1項記載のシンチレータパネ
ル。 - 【請求項7】 前記絶縁層と前記接続防止層との少なく
とも一方は、有機樹脂を含むことを特徴とする請求項1
から6のいずれか1項記載のシンチレータパネル。 - 【請求項8】 前記絶縁層と前記接続防止層との少なく
とも一方は、シリコンを含む材料からなることを特徴と
する請求項1から6のいずれか1項記載のシンチレータ
パネル。 - 【請求項9】 前記絶縁層と前記接続防止層との少なく
とも一方は、金属酸化層であることを特徴とする請求項
1から6のいずれか1項記載のシンチレータパネル。 - 【請求項10】 前記絶縁層と前記接続防止層との少な
くとも一方は、ポリイミド、ジビニルシロキサンビスベ
ンゾブテン系樹脂、メチルシルセスキオキサン系樹脂、
ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテ
ルイミド、又は芳香族ポリエステルよりなることを特徴
とする請求項1から6のいずれか1項記載のシンチレー
タパネル。 - 【請求項11】 前記接続防止層は少なくとも2層から
なり、前記反射層の接する層が無機層であり、前記蛍光
体層に接する層が有機層であることを特徴とする請求項
1から6のいずれか1項記載のシンチレータパネル。 - 【請求項12】 前記絶縁層と前記接続防止層との少な
くとも一方は、前記反射層との接触面の体積抵抗率が1
×1010Ωcm以上であることを特徴とする請求項1か
ら11のいずれか1項記載のシンチレータパネル。 - 【請求項13】 前記絶縁層と前記接続防止層との少な
くとも一方は、少なくとも200℃の温度に耐えられる
ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項記載
のシンチレータパネル。 - 【請求項14】 前記導電性基材は、アモルファスカー
ボンを含む材料としていることを特徴とする請求項1か
ら13のいずれか1項記載のシンチレータパネル。 - 【請求項15】 前記導電性基材の前記放射線の入射面
と反対側の面を、凹凸差が0.02μmから5μmとな
るように粗らしていることを特徴とする請求項1から1
4のいずれか1項記載のシンチレータパネル。 - 【請求項16】 少なくとも前記いずれかの絶縁層は、
スパッタ法、化学気相成長法、真空蒸着法、プラズマ重
合法、スピンナー法又はスプレー法によって形成するこ
とを特徴とする請求項1から15のいずれか1項記載の
シンチレータパネル。 - 【請求項17】 前記反射層は、アルミニウム、銀、銅
又は金を含む材料であることを特徴とする請求項1から
16のいずれか1項記載のシンチレータパネル。 - 【請求項18】 前記光電変換素子はアモルファスシリ
コン又はクリスタルシリコンにより形成されることを特
徴とする請求項1から17のいずれか1項記載のシンチ
レータパネル。 - 【請求項19】 前記導電性基材は、体積抵抗率が1×
1010Ωcm以下の材料からなることを特徴とする請求
項1から18のいずれか1項記載のシンチレータパネ
ル。 - 【請求項20】 請求項1から19のいずれか1項記載
のシンチレータパネルを備えることを特徴とする放射線
検出装置。 - 【請求項21】 請求項20記載の放射線検出装置を具
備することを特徴とする放射線検出システム。
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