JP2003074689A - 車輌の制御装置 - Google Patents

車輌の制御装置

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JP2003074689A JP2001265153A JP2001265153A JP2003074689A JP 2003074689 A JP2003074689 A JP 2003074689A JP 2001265153 A JP2001265153 A JP 2001265153A JP 2001265153 A JP2001265153 A JP 2001265153A JP 2003074689 A JP2003074689 A JP 2003074689A
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車輌の停車中におけるエンジン始動状態にあ
って、自動変速機の状態に基づき、クラッチを経時的変
化に対応して係合直前の状態に制御し得る車輌の制御装
置を提供する。 【解決手段】 車輌の停止状態において、エンジン停止
条件が成立し、エンジンが停止された状態から、発進要
求以外のエンジン始動条件が成立した場合(時点t4)
に、エンジンと駆動車輪との動力伝達を接・断するクラ
ッチの油圧PC1を低圧制御する。その後、エンジン回
転数Neと入力軸回転数との回転数差に基づいて該油圧
C1をクラッチ係合直前の状態の待機圧にするニュー
トラル(N)制御を開始し、経時的変化に対応して係合
直前の状態に制御する。ドライバによる発進要求があっ
た際には(時点t8)、該油圧PC1が係合直前の状態
の待機圧に制御されているので、該油圧PC1を上昇さ
せて、直ぐに該クラッチを係合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アイドルストップ
機能を有する車輌の制御装置に係り、特に自動変速機に
モータ(ジェネレータ機能をも含む)を付設したハイブ
リッド車輌に用いて好適であり、詳しくはアイドルスト
ップ時に、SOC(バッテリ残量)等の要求により運転
者の意志を表していない場合にエンジンが作動する際の
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、走行中において車輌が停止し、所
定の停止条件が成立したときにエンジンを自動停止さ
せ、燃料の節約、排気エミッションの低減及び騒音の低
減等を図る、いわゆるアイドルストップ機能を有する車
輌が多数提案されており、特に特開2000−2640
96号公報には、例えばバッテリの充電量が不足したと
き或いは室内温が上昇したためエアコンのコンプレッサ
を作動させるときのように、運転者が発進の意思を有し
ていない場合に、前進クラッチが係合することによるシ
ョックや振動等の不快感をドライバに与えることを防止
した、エンジン再始動時の制御装置が提案されている。
【0003】このものは、前進クラッチを有する自動変
速機を備えた車輌において、シフトポジションがDレン
ジ等の駆動ポジションであってもアクセルオフ、ブレー
キオン等の所定停止条件が成立したときにエンジンを自
動停止すると共に、アクセルオン等の所定再始動条件が
成立したときに該自動停止したエンジンを再始動し、か
つ該再始動を、前記前進クラッチを解放した状態で実施
するように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記エンジン再始動時
の制御装置は、アクセルオン等のドライバの発進意思を
検出した場合、例えバッテリの充電要求等によりエンジ
ンが回転して、自動変速機の油圧が発生して、かつ急速
増圧制御によりライン圧が直接前進クラッチの油圧サー
ボに供給されるとしても、該油圧サーボの油圧は、解放
状態から立ち上がるため、前進クラッチの係合遅れを生
じてドライバに違和感を与える可能性があり、また、切
換えバルブは、上記急速増圧制御指令により開状態とし
て、前進クラッチ用油圧サーボにライン圧を急速に供給
して比較的ゆっくりと油圧上昇して、前進クラッチの係
合を滑らかにしているが、このため切換えバルブのタイ
ミング等の制御が複雑で面倒になっている。
【0005】そこで本発明は、エンジンが再始動制御さ
れ、かつ油圧サーボの油圧が所定油圧に制御されている
際に、該油圧サーボの油圧を摩擦係合要素が係合直前の
状態にフィードバック制御し、もって上記課題を解決し
た車輌の制御装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本発明
は、停止条件に基づいてエンジン(2)を自動停止制御
し、始動条件に基づいて該エンジン(2)を再始動制御
する車輌の制御装置において、前記エンジン(2)の出
力と前記駆動車輪との動力伝達を係合自在な摩擦係合要
素(例えばC1)と、前記摩擦係合要素(例えばC1)
の係合状態を操作自在な油圧サーボと、前記摩擦係合要
素(例えばC1)の係合状態に基づき、前記油圧サーボ
の油圧(PC1)を前記摩擦係合要素(例えばC1)が
係合直前の状態にフィードバック制御するニュートラル
制御手段(20)と、を備え、前記ニュートラル制御手
段(20)は、前記エンジン(2)が前記再始動制御さ
れた際に、前記油圧サーボの油圧(PC1)が所定油圧
(PC1w)に制御された後、前記フィードバック制御
を開始する、ことを特徴とする車輌の制御装置にある。
【0007】請求項2に係る本発明は、前記エンジン
(2)の出力が入力される入力軸(37)と駆動車輪と
の間に介在し、流体伝動装置(4)と複数の摩擦係合要
素(例えばC1,C2,C3,B1,B2,B3,B
4,B5,F1,F2)により伝動経路を切換えられる
ギヤ伝動手段とを有し、前記複数の摩擦係合要素(例え
ばC1,C2,C3,B1,B2,B3,B4,B5,
F1,F2)の接・断により前記入力軸(37)の回転
(Ni)を変速して前記駆動車輪に出力する自動変速機
(10)を備え、前記摩擦係合要素は、前記複数の摩擦
係合要素(例えばC1,C2,C3,B1,B2,B
3,B4,B5,F1,F2)のうちの、すくなくとも
前進1速段に係合して前記入力軸(37)の回転(N
i)を接続する入力クラッチ(C1)である、請求項1
記載の車輌の制御装置にある。
【0008】請求項3に係る本発明は、前記エンジン
(2)の回転数(Ne)と前記入力軸(37)の回転数
(Ni)との回転数差(ΔN)を検出する回転数差検出
手段(18)を備え、前記ニュートラル制御手段(2
0)は、前記回転数差検出手段(18)の検出結果に基
づいて前記摩擦係合要素(例えばC1)の係合状態を検
知し、前記フィードバック制御をしてなる、請求項1ま
たは2記載の車輌の制御装置にある。
【0009】請求項4に係る本発明は、前記ニュートラ
ル制御手段(20)は、前記回転数差検出手段(18)
により検出される前記回転数差(ΔN)の変化率(ρ)
に基づきフィードバック制御してなる、請求項3記載の
車輌の制御装置にある。
【0010】請求項5に係る本発明は、前記ニュートラ
ル制御手段(20)は、前記回転数差検出手段(18)
により検出される前記回転数差(ΔN)が目標回転数差
になるようにフィードバック制御してなる、請求項3記
載の車輌の制御装置にある。
【0011】請求項6に係る本発明は、前記エンジン
(2)の始動条件を判定するエンジン始動条件判定手段
(13)と、前記エンジン始動条件判定手段(13)の
判定に基づいて前記エンジン(2)を始動するエンジン
始動手段(14)と、を備え、前記エンジン始動条件判
定手段(13)は、発進要求以外のエンジン(2)の始
動条件を判定し、前記再始動制御をしてなる、請求項1
ないし5のいずれか記載の車輌の制御装置にある。
【0012】請求項7に係る本発明は、前記エンジン始
動条件判定手段(13)は、バッテリ(28)の残量低
下、又はエアコン(29)の始動に基づいて前記発進要
求以外のエンジン(2)の始動条件を判定してなる、請
求項6記載の車輌の制御装置にある。
【0013】請求項8に係る本発明は、前記発進要求を
検出する発進要求検出手段(19)を備え、前記ニュー
トラル制御手段(20)は、前記発進要求検出手段(1
9)の検出に基づいて前記フィードバック制御を解除す
ると共に、前記油圧サーボの油圧(PC1)を上昇して
前記摩擦係合要素(例えばC1)を係合してなる、請求
項6または7記載の車輌の制御装置にある。
【0014】請求項9に係る本発明は、前記発進要求検
出手段(19)は、ブレーキペダルの操作状態(2
3)、又はスロットル開度(27)に基づいて前記発進
要求を検出してなる、請求項8記載の車輌の制御装置に
ある。
【0015】請求項10に係る本発明は、前記所定油圧
(PC1w)は、前記摩擦係合要素(例えばC1)が係
合直前の状態となる油圧からなる、請求項1ないし9の
いずれか記載の車輌の制御装置にある。
【0016】請求項11に係る本発明は、前記所定油圧
(PC1w)は、一定の目標油圧からなる、請求項1な
いし10のいずれか記載の車輌の制御装置にある。
【0017】請求項12に係る本発明は、前記ニュート
ラル制御手段(20)は、前記所定油圧(PC1w)を
前記フィードバック制御の開始油圧にしてなる、請求項
1ないし11のいずれか記載の車輌の制御装置にある。
【0018】請求項13に係る本発明は、前記エンジン
(2)の状態を検出するエンジン状態検出手段(16)
を備え、前記ニュートラル制御手段(20)は、前記エ
ンジン状態検出手段(16)により前記エンジン始動手
段(14)による前記エンジン(2)の始動が完了した
ことを検出した際に、前記フィードバック制御を開始し
てなる、請求項3ないし12のいずれか記載の車輌の制
御装置にある。
【0019】請求項14に係る本発明は、前記エンジン
(2)の状態を検出するエンジン状態検出手段(16)
を備え、前記ニュートラル制御手段(20)は、前記エ
ンジン状態検出手段(16)により前記エンジン(2)
が所定回転数以上であることを検出した際に、前記フィ
ードバック制御を開始してなる、請求項3ないし12の
いずれか記載の車輌の制御装置にある。
【0020】請求項15に係る本発明は、前記エンジン
(2)に連動して駆動し、前記油圧サーボの油圧(P
C1)を供給自在な機械式オイルポンプ(7)と、前記
油圧サーボの油圧(PC1)を供給自在な電動オイルポ
ンプ(8)と、前記エンジン(2)の自動停止制御、又
は前記エンジン(2)の再始動制御に基づき、前記エン
ジン(2)の自動停止制御中に前記電動オイルポンプ
(8)を駆動制御する電動オイルポンプ制御手段(1
5)と、を備え、前記機械式オイルポンプ(7)又は前
記電動オイルポンプ(8)により常に前記油圧サーボの
油圧(PC1)を供給してなる、請求項1ないし14の
いずれか記載の車輌の制御装置にある。
【0021】なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照
するためのものであるが、これは、発明の理解を容易に
するための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成
に何等影響を及ぼすものではない。
【0022】
【発明の効果】請求項1に係る本発明によると、ニュー
トラル制御手段が、エンジンが再始動制御された際に、
油圧サーボの油圧が所定油圧に制御された後、摩擦係合
要素の係合状態に基づき、該油圧サーボの油圧を該摩擦
係合要素が係合直前の状態になるようにフィードバック
制御を開始するので、例えばドライバの発進要求があっ
た際に摩擦係合要素の係合が遅れることを防止すること
ができるものでありながら、経時的変化にも対応するこ
とができる。
【0023】請求項2に係る本発明によると、摩擦係合
要素は、複数の摩擦係合要素のうちの、すくなくとも前
進1速段に係合して、エンジンの出力が入力される入力
軸の回転を接続する入力クラッチであるので、エンジン
と駆動車輪との動力伝達を断ち、かつ直ぐに接続し得る
ようにすることができる。
【0024】請求項3に係る本発明によると、ニュート
ラル制御手段が、エンジンの回転数と入力軸の回転数と
の回転数差を検出する回転数差検出手段の検出結果に基
づいて摩擦係合要素の係合状態を検知してフィードバッ
ク制御をするので、経時的変化に対応して的確に摩擦係
合要素を係合直前にすることができる。
【0025】請求項4に係る本発明によると、ニュート
ラル制御手段は、回転数差検出手段により検出される回
転数差の変化率に基づきフィードバック制御するので、
経時的変化に対応して的確に摩擦係合要素を係合直前に
することができる。
【0026】請求項5に係る本発明によると、ニュート
ラル制御手段は、回転数差検出手段により検出される回
転数差が目標回転数差になるようにフィードバック制御
するので、経時的変化に対応して的確に摩擦係合要素を
係合直前にすることができる。
【0027】請求項6に係る本発明によると、エンジン
始動条件判定手段が、発進要求以外のエンジンの始動条
件を判定し、再始動制御をするので、発進要求以外のエ
ンジンの再始動制御がされた際に、摩擦係合要素が係合
せずにドライバの意図しない車輌の発進を防ぐことがで
きるものでありながら、ドライバの発進要求がある際に
は直ぐに摩擦係合要素を係合させることができる。
【0028】請求項7に係る本発明によると、エンジン
始動条件判定手段は、バッテリの残量低下、又はエアコ
ンの始動に基づいて前記発進要求以外のエンジンの始動
条件を判定するので、バッテリの残量低下、又はエアコ
ンの始動により例えばドライバの意図しないエンジンの
始動が行われても、摩擦係合要素が係合せずにドライバ
の意図しない車輌の発進を防ぐことができる。
【0029】請求項8に係る本発明によると、発進要求
を検出する発進要求検出手段を備えており、ニュートラ
ル制御手段は、発進要求検出手段の検出に基づいてフィ
ードバック制御を解除すると共に、油圧サーボの油圧を
上昇して摩擦係合要素を係合するので、ドライバの発進
要求がある際には直ぐに摩擦係合要素を係合させること
ができ、直ぐに車輌を発進させることができる。
【0030】請求項9に係る本発明によると、発進要求
検出手段は、ブレーキペダルの操作状態、又はスロット
ル開度に基づいて発進要求を検出するので、ブレーキペ
ダルの操作状態、又はスロットル開度に基づき、ドライ
バの発進要求がある際には直ぐに摩擦係合要素を係合さ
せることができ、直ぐに車輌を発進させることができ
る。
【0031】請求項10に係る本発明によると、所定油
圧は、摩擦係合要素が係合直前の状態となる油圧である
が、ニュートラル制御手段がフィードバック制御を開始
するので、該摩擦係合要素を精度よく係合直前の状態に
することができる。
【0032】請求項11に係る本発明によると、所定油
圧は、一定の目標油圧であるが、ニュートラル制御手段
がフィードバック制御を開始するので、経時的変化に対
応することができる。
【0033】請求項12に係る本発明によると、ニュー
トラル制御手段は、所定油圧をフィードバック制御の開
始油圧にするので、比較的短時間で摩擦係合要素を精度
よく係合直前の状態にすることができる。
【0034】請求項13に係る本発明によると、エンジ
ンの状態を検出するエンジン状態検出手段を備えてお
り、ニュートラル制御手段は、エンジン状態検出手段に
よりエンジン始動手段によるエンジンの始動が完了した
ことを検出した際に、フィードバック制御を開始するの
で、始動が完了したエンジンの回転数と入力軸回転数と
の回転数差に基づいてフィードバック制御を行うことが
できる。
【0035】請求項14に係る本発明によると、エンジ
ンの状態を検出するエンジン状態検出手段を備えてお
り、ニュートラル制御手段は、エンジン状態検出手段に
よりエンジンが所定回転数以上であることを検出した際
に、フィードバック制御を開始するので、回転している
エンジンの回転数と入力軸回転数との回転数差に基づい
てフィードバック制御を行うことができる。
【0036】請求項15に係る本発明によると、エンジ
ンに連動して駆動し、油圧サーボの油圧を供給自在な機
械式オイルポンプと、油圧サーボに油圧を供給自在な電
動オイルポンプと、エンジンの自動停止制御、又はエン
ジンの再始動制御に基づき、エンジンの自動停止制御中
に電動オイルポンプを駆動制御する電動オイルポンプ制
御手段と、を備えており、機械式オイルポンプ又は電動
オイルポンプにより常に油圧サーボの油圧を供給するの
で、エンジンの始動状態又は停止状態に拘らず、常に油
圧サーボに油圧供給することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態を
図に沿って説明する。まず、本発明の車輌の制御装置を
適用し得る車輌の駆動系及びそこに設けられた自動変速
機構について図2及び図3に沿って説明する。図2は本
発明に係る車輌の駆動系を示すブロック模式図、図3は
本発明に適用される自動変速機構5を示す図で、(a)
は自動変速機構5のスケルトン図、(b)はその作動表
である。
【0038】図2に示すように、駆動源は、エンジン2
及びモータ・ジェネレータ(M/G)3により構成され
ており、その駆動力は自動変速機10に出力される。自
動変速機10は、流体伝動装置の一例であるトルクコン
バータ(T/M)4、自動変速機構5、油圧制御装置
6、機械式オイルポンプ7、及び電動オイルポンプ8か
ら構成されている。該自動変速機構5は、入力される駆
動力を所定の車輌走行状況に基づいて変速し、車輪等に
出力する。また、該自動変速機構5には、変速を行うた
めの複数の摩擦係合要素が配設されており、その摩擦係
合要素の係合を油圧制御して変速し、かつ上記トルクコ
ンバータ4を制御するための油圧制御装置6が備えられ
ている。そして、該油圧制御装置6に油圧を供給するた
めの機械式オイルポンプ7及び電動オイルポンプが、そ
れぞれ配設されている。該機械式オイルポンプ7は、ト
ルクコンバータ4と連動するように配設されており、エ
ンジン2及びモータ・ジェネレータ3の駆動力により駆
動される。また、電動オイルポンプ8は、エンジン2及
びモータ・ジェネレータ3の駆動力とは独立しており、
不図示のバッテリから電力供給されるモータにより駆動
される。
【0039】ついで、自動変速機構5について説明す
る。図3(a)に示すように、主自動変速機構30は、
エンジン出力軸に整列して配置される第1軸(以下、
「入力軸」とする。)37上に配置されており、エンジ
ン2(E/G)及びモータ・ジェネレータ(M/G)3
よりロックアップクラッチ36を有するトルクコンバー
タ4を介して上記入力軸37に駆動力が伝達される。該
入力軸37には、トルクコンバータ4に隣接する機械式
オイルポンプ7及び電動オイルポンプ8、ブレーキ部3
4、プラネタリギヤユニット部31、クラッチ部35が
順に配置されている。
【0040】プラネタリギヤユニット部31はシンプル
プラネタリギヤ32とダブルピニオンプラネタリギヤ3
3から構成されている。該シンプルプラネタリギヤ32
は、サンギヤS1、リングギヤR1、及びこれらギヤに
噛合するピニオンP1を支持したキャリヤCRからな
り、また、該ダブルピニオンプラネタリギヤ33は、サ
ンギヤS2、リングギヤR2、並びにサンギヤS1に噛
合するピニオンP2及びリングギヤR2に噛合するピニ
オンP3を互に噛合するように支持するキャリヤCRか
らなる。そして、サンギヤS1及びサンギヤS2は、そ
れぞれ入力軸37に回転自在に支持された中空軸に回転
自在に支持されている。また、キャリヤCRは、前記両
プラネタリギヤ32,33に共通しており、それぞれサ
ンギヤS1,S2に噛合するピニオンP1及びピニオン
P2は一体に回転するように連結されている。
【0041】ブレーキ部34は、内径側から外径方向に
向って順次ワンウェイクラッチF1、ブレーキB1そし
てブレーキB2が配設されており、また、カウンタドラ
イブギヤ39はスプラインを介してキャリヤCRに連結
している。更に、リングギヤR2にワンウェイクラッチ
F2が介在しており、該リングギヤR2外周とケースと
の間にはブレーキB3が介在している。また、クラッチ
部35は、入力クラッチ(摩擦係合要素)であるフォワ
ードクラッチ(以下、単に「クラッチ」とする。)C1
及びダイレクトクラッチC2を備えており、該クラッチ
C1は、リングギヤR1外周に介在しており、また、該
ダイレクトクラッチC2は、不図示の可動部材の内周と
中空軸先端に連結されたフランジ部との間に介在してい
る。
【0042】副変速機構40は、入力軸37に平行に配
置された第2軸43に配設されており、これら入力軸3
7及び第2軸43は、ディファレンシャル軸(左右車
軸)45l ,45rからなる第3軸と合せて、側面視3
角状に構成されている。そして、該副変速機構40は、
シンプルプラネタリギヤ41,42を有しており、キャ
リヤCR3とリングギヤR4が一体に連結すると共に、
サンギヤS3,S4同士が一体に連結して、シンプソン
タイプのギヤ列を構成している。更に、リングギヤR3
がカウンタドリブンギヤ46に連結して入力部を構成
し、またキャリヤCR3及びリングギヤR4が出力部と
なる減速ギヤ47に連結している。更に、リングギヤR
3と一体サンギヤS3,S4との間にUDダイレクトク
ラッチC3が介在し、また一体サンギヤS3(S4)が
ブレーキB4にて適宜係止し得、かつキャリヤCR4が
ブレーキB5にて適宜係止し得る。これにより、該副変
速機構40は、前進3速の変速段を得られる。
【0043】また、第3軸を構成するディファレンシャ
ル装置50は、デフケース51を有しており、該ケース
51には前記減速ギヤ47と噛合するギヤ52が固定さ
れている。更に、デフケース51の内部にはデフギヤ5
3及び左右サイドギヤ55,56が互に噛合してかつ回
転自在に支持されており、左右サイドギヤから左右車軸
45l,45rが延設されている。これにより、ギヤ5
2からの回転が、負荷トルクに対応して分岐され、左右
車軸45l,45rを介して左右の前輪に伝達される。
【0044】上記クラッチC1,C2及びブレーキB
1,B,2B,3,B4,B5のそれぞれには、前述の
油圧制御装置6により制御された油圧が供給されること
により駆動制御される油圧サーボ(不図示)が備えられ
ており、該油圧サーボは、それらクラッチやブレーキに
隙間を介在させて配設されている複数の内摩擦板と外摩
擦板とを押圧するためのピストンを有して、それらクラ
ッチやブレーキの係合状態を操作自在になっている。な
お、以下の説明において、クラッチC1の係合直前の状
態とは、上記ピストン、内摩擦板及び外摩擦板のそれぞ
れの間に介在する隙間を詰めているで、かつクラッチC
1が係合しない状態である。
【0045】ついで、本自動変速機構5の作動を、図3
(b)に示す作動表に沿って説明する。1速(1ST)
状態では、クラッチC1,ワンウェイクラッチF2及び
ブレーキB5が係合する。これにより、主変速機構30
は、1速となり、該減速回転がカウンタギヤ39,46
を介して副変速機構40におけるリングギヤR3に伝達
される。該副変速機構40は、ブレーキB5によりキャ
リヤCR4が停止され、1速状態にあり、前記主変速機
構30の減速回転は、該副変速機構40により更に減速
されて、そしてギヤ47,52及びディファレンシャル
装置50を介して車軸45l,45rに伝達される。
【0046】2速(2ND)状態では、クラッチC1の
外、ブレーキB2が係合すると共に、ワンウェイクラッ
チF2からワンウェイクラッチF1に滑らかに切換わ
り、主変速機構30は2速状態となる。また、副変速機
構40は、ブレーキB5の係合により1速状態にあり、
この2速状態と1速状態が組合さって、自動変速機構5
全体で2速が得られる。
【0047】3速(3RD)状態では、主変速機構30
は、クラッチC1、ブレーキB2及びワンウェイクラッ
チF1が係合した上述2速状態と同じであり、副変速機
構40がブレーキB4を係合する。すると、サンギヤS
3,S4が固定され、リングギヤR3からの回転は2速
回転としてキャリヤCR3から出力し、従って主変速機
構30の2速と副変速機構40の2速で、自動変速機構
5全体で3速が得られる。
【0048】4速(4TH)状態では、主変速機構30
は、クラッチC1、ブレーキB2及びワンウェイクラッ
チF1が係合した上述2速及び3速状態と同じであり、
副変速機構40は、ブレーキB4を解放すると共にUD
ダイレクトクラッチC3が係合する。この状態では、リ
ングギヤR3とサンギヤS3(S4)が連結して、両プ
ラネタリギヤ41,42が一体回転する直結回転とな
る。従って、主変速機構30の2速と副変速機構40の
直結(3速)が組合されて、自動変速機構5全体で、4
速回転が得られる。
【0049】5速(5TH)状態では、クラッチC1及
びダイレクトクラッチC2が係合して、入力軸37の回
転がリングギヤR1及びサンギヤS1に共に伝達され
て、主変速機構30は、ギヤユニット31が一体回転す
る直結回転となる。また、副変速機構40は、UDダイ
レクトクラッチC3が係合した直結回転となっており、
従って主変速機構30の3速(直結)と副変速機構40
の3速(直結)が組合されて、自動変速機構5全体で、
5速回転が得られる。
【0050】後進(REV)状態では、ダイレクトクラ
ッチC2及びブレーキB3が係合すると共に、ブレーキ
B5が係合する。この状態では、主変速機構30にあっ
ては、後進回転が取り出され、また副変速機構40は、
ブレーキB5に基づきキャリヤCR4が逆回転方向にも
停止され、1速状態に保持される。従って、主変速機構
30の逆転と副変速機構40の1速回転が組合されて、
逆転減速回転が得られる。
【0051】なお、図3(b)において、三角印は、エ
ンジンブレーキ時に作動することを示す。即ち、1速に
あっては、ブレーキB3が係合して、ワンウェイクラッ
チF2に代ってリングギヤR2を固定する。2速、3
速、4速にあっては、ブレーキB1が係合して、ワンウ
ェイクラッチF1に代ってサンギヤS2を固定する。
【0052】次に、本発明に係る車輌の制御装置につい
て図1に沿って説明する。図1は本発明の実施の形態に
係る車輌の制御装置を示すブロック図である。図1に示
すように、車輌の制御装置は制御部(ECU)Uを備え
ており、該制御部Uは上述したエンジン(E/G)2、
油圧制御装置6、電動オイルポンプ(EOP)8、及び
モータ・ジェネレータ(M/G)3(図2参照)に接続
されている。また、該制御部Uには、例えば運転席に配
設されているシフトレバー22、ブレーキペダル(及び
サイドブレーキ)に設けられているブレーキセンサ2
3、自動変速機10の出力軸である上記車軸45l,4
5r上に設けられている出力軸回転センサ24、上記入
力軸37上に設けられている入力軸回転センサ25、上
記エンジン2に設けられているエンジン回転数センサ2
6、スロットル開度センサ27、が接続されており、更
に、バッテリ28、(室内)エアコン29等が接続され
ている。
【0053】制御部Uには、エンジン停止条件検出手段
11と、エンジン停止手段12、エンジン始動条件判定
手段13、エンジン始動手段14、電動オイルポンプ
(EOP)制御手段15、エンジン状態検出手段16、
クラッチ低圧制御手段17、回転数差検出手段18、発
進要求検出手段19、ニュートラル(N)制御手段2
0、及び学習制御手段21、が備えられている。
【0054】エンジン停止条件検出手段11は、例えば
車速センサ24により車輌が停止状態で、かつブレーキ
センサ23によりブレーキがONで、かつスロットル開
度センサ27によりスロットル開度が0%で、かつエン
ジン回転数センサ26によりエンジン回転数Neがアイ
ドル回転数付近であることが検出され、更に、バッテリ
の残量が充分あり、エアコンの稼動されてない、等の条
件に該当する際に、エンジン2の停止条件として検出す
る。すると、エンジン停止手段12は、該検出に基づい
てエンジン2を停止する。また、EOP制御手段15
は、上述ように機械式オイルポンプ7がエンジン2に連
動して停止するため、電動オイルポンプ8を駆動制御し
て油圧制御装置6に油圧を供給する。
【0055】エンジン始動条件判定手段13は、上述し
たエンジン停止手段12によりエンジン2が停止されて
いる状態から、発進要求以外のエンジン始動条件、つま
りバッテリの残量が不足する状態になった場合、又はエ
アコンが稼動されてエンジン2に連動する不図示のコン
プレッサが駆動された場合、等の条件が成立すると、エ
ンジン2の始動条件として検出する。すると、エンジン
始動手段14は、該検出に基づいてエンジン2を始動す
る。また、EOP制御手段15は、上記機械式オイルポ
ンプ7がエンジン2に連動して駆動し、油圧制御装置6
に油圧を供給するため、電動オイルポンプ7を停止制御
する。
【0056】クラッチ低圧制御手段17は、車輌が停車
中で、かつエンジン停止手段12によりエンジン2が停
止されている状態で、エンジン始動条件判定手段13に
よりエンジン2の始動条件が検出されると、該エンジン
2の出力が入力される入力軸37の回転と自動変速機構
5との係合を行うクラッチC1(図3参照)の油圧P
C1を低圧(詳しくは後述する)に制御する。またこの
際、エンジン始動手段14は、エンジン2が始動する前
に、上記クラッチ低圧制御手段17によりクラッチC1
の油圧PC1を低圧に下げる必要があるため、所定時間
Ta後にエンジン2の始動を行う。
【0057】エンジン状態検出手段16は、クラッチ低
圧制御手段17によりクラッチC1の油圧PC1を低圧
に制御した状態で、エンジン始動手段14によりエンジ
ン2の始動が完了したこと検出すると、クラッチ低圧制
御手段17によるクラッチC1の低圧制御を終了し、ニ
ュートラル(N)制御手段20によるニュートラル制御
を開始させる。
【0058】ニュートラル制御手段20には、エンジン
回転数センサ26と入力軸回転数センサ25とにより、
エンジン回転数Neと入力軸回転数Niとの回転数の差
を検出する回転数差検出手段18が接続されており、回
転数差検出手段18の検出に基づき、クラッチC1の油
圧PC1を、該クラッチC1を係合直前の状態となるよ
うな所定油圧(以下、「待機圧」とする。)PC1w
制御するようなニュートラル制御(詳しくは後述する)
を行う。また、該ニュートラル制御手段20には、スロ
ットル開度センサ27ないしブレーキセンサ23等に基
づいてドライバの発進要求を検出する発進要求検出手段
19が接続されており、該発進要求検出手段19の検出
に基づいてニュートラル制御を終了する。なお、本実施
の形態において、ニュートラル制御手段20は、上述の
ようにエンジン回転数Neと入力軸回転数Niとの回転
数差に基づいてクラッチC1の係合直前の状態となる待
機圧PC1wを検出しているが、これに限らず、自動変
速機10の状態(例えば入力軸回転数Niの変化、クラ
ッチC1の回転数変化など)に基づいて上記待機圧P
C1wを検出するようにしてもよい。
【0059】学習制御手段21は、上述のようにニュー
トラル制御を終了した際のベース圧PC1mを記憶し
(詳しくは後述する)、クラッチ制御手段17に出力す
る。それを受けたクラッチ制御手段17は、上述のよう
にクラッチC1の油圧PC1を低圧制御する際(エンジ
ン始動条件が検出された際)に、該油圧PC1を該待機
圧PC1wになるように低圧制御する。
【0060】ここで、通常のニュートラル制御について
図14に沿って説明する。図14はニュートラル制御の
一例を示すタイムチャートである。例えばシフトレバー
22がDレンジに選択されており、かつエンジンが停止
していない状態で車輌が停止する場合においては、図1
4に示すように、エンジン回転数Neが略一定のアイド
ル回転数である。時点taから時点tbにおいて、車輌
の速度が下がると、クラッチC1が係合しているため、
不図示の車輪から自動変速機構5を介して入力軸37の
回転数Niも降下する。この際、ニュートラル制御手段
20は、該入力軸回転数Niの降下率に基づいて車速が
ゼロになるときを推定する。なお、この状態では、入力
軸37とエンジン2との間に介在するトルクコンバータ
4がその回転の相違を吸収している状態である。
【0061】時点tbにおいて、入力軸回転数Niがゼ
ロになると、例えばスロットル開度センサ27によりス
ロットル開度が所定値以下であること、ブレーキセンサ
23によりブレーキがONであること、不図示の油温セ
ンサにより油温が所定温度以上であること、などを条件
として検出し、ニュートラル制御開始の判断を行う。該
ニュートラル制御開始の判断がなされると、時点tbか
ら時点tcにおいて、ニュートラル制御手段20は、ク
ラッチC1の油圧PC1を徐々に下げる(スイープダウ
ンする)クラッチ解放制御を行い、詳しくは後述するク
ラッチC1が係合直前の状態となるように該油圧PC1
を制御する。なお、入力軸回転数Niは、クラッチC1
の係合が断たれるので、トルクコンバータ4からのトル
クを受けて回転を開始する。
【0062】その後、時点tcから時点tdの間におい
て、クラッチC1の油圧PC1がその係合を断つように
制御され、入力軸37と車輪との動力伝達が断たれてい
る状態、即ち略々ニュートラル状態となるインニュート
ラル制御(詳しくは後述する)を行う。またこの際に、
ニュートラル制御手段20は、油圧制御装置6に信号を
出力し、例えばクラッチC1、ブレーキB1,B2,B
5を係合して、ワンウェイクラッチF1を係合させると
共にワンウェイクラッチF2の逆回転阻止によりヒルホ
ールド制御を行う。なお、入力軸回転数Niは、トルク
コンバータ4からのトルクにより回転されている状態と
なる。
【0063】時点tdにおいて、ドライバによる発進要
求(例えばブレーキペダルが所定踏力が所定量以下とな
る等)を検出すると、ニュートラル制御手段20は、イ
ンニュートラル制御を終了し、また、ヒルホールド制御
を終了する(ブレーキB1、B2を解放して1速状態に
する。)と共に、クラッチC1の油圧PC1を上昇させ
るクラッチ係合制御を行い、エンジン回転数Neと入力
軸回転数Niとの回転数差に応じて該クラッチC1を徐
々に係合(スウィープアップ)させる。すると、入力軸
37と停止している車輪とが係合され、入力軸回転数N
iが0となる。更に時点teにおいて、クラッチC1が
係合状態となると、トルクコンバータ4からのトルクに
より入力軸回転数Niが上昇し、係合しているクラッチ
C1を介して車輪が回転して、つまり車輌が発進する。
【0064】ついで、上記インニュートラル制御中につ
いて図15ないし図17に沿って詳細説明する。図15
はインニュートラル制御中の油圧制御を詳示するタイム
チャート、図16は入力クラッチが引きずり領域にある
場合を示すタイムチャート、図17は入力クラッチがス
リップ領域にある場合を示すタイムチャートである。図
15に示すように、インニュートラル制御中(図14に
示す時点tcから時点td)においては、上述のように
クラッチC1の油圧PC1が、該クラッチC1が係合直
前になるような油圧に制御されている。この状態で、ニ
ュートラル制御手段20は、クラッチC1の油圧PC1
を1段階の増圧分ΔPUPだけ増圧させ、回転数差検出
手段18によりエンジン回転数センサ26及び入力軸回
転数センサ25からエンジン回転数Neと入力軸回転数
Niとの回転数差ΔNを検出する。そして、ニュートラ
ル制御手段20は、該回転数差検出手段18により検出
された回転数差ΔNに基づく変化率ρ、つまり該回転数
差ΔNの変化量δとその時間との関係によりフィードバ
ック制御を開始する。
【0065】この際、図16に示すように、ニュートラ
ル制御手段20は、開始時点tS0より終了時点tS3
までのサンプリングタイムTsamを設定し、該サンプ
リングタイムTsamを例えば3等分することにより得
られる開始時点tS0より時点tS1までの第1時間T
S1、開始時点tS0より時点tS2までの第2時間T
S2及び該サンプリングタイムTsamのそれぞれに対
応した回転数差ΔNの変化量閾値ΔNRiを、それぞれ
変化量閾値ΔNRA、ΔNRB、ΔNRCとして基準変
化量ΔNに対して設定する。例えば入力クラッチC1
が係合せず、僅かに接触するような引きずり領域である
場合、第1時間TS1、第2時間TS2及びサンプリン
グタイムTsamの間に、回転数差ΔNの変化量δがそ
れぞれ設定された変化量閾値ΔNRA、ΔNRB、ΔN
RCを超えることがなく、該サンプリングタイムTsa
mを終えて再度クラッチC1の油圧PC1を増圧分ΔP
だけ増圧させ、繰り返して同様のサンプリングタイ
ムTsamの設定を行って、以降この制御を繰り返す。
【0066】図17に示ように、例えば時点tS4にお
いて、回転数差ΔNの変化量δが上記変化量閾値ΔN
RA(ΔNRB、ΔNRCの場合も同様であるので説明
を省略する)を超えた場合には、クラッチC1が係合を
開始してスリップ領域にあるとして、クラッチC1の油
圧PC1を1段階の減圧分ΔPDOWNだけ減圧すると
共に、上記サンプリングタイムTsamの設定し、つま
り上述と同様に開始時点tS4より終了時点tS7まで
のサンプリングタイムTsamと、開始時点t より
時点tS5までの第1時間TS1と、開始時点tS4
り時点tS6までの第2時間TS2とに対応した回転数
差ΔNの変化量閾値ΔNRA、ΔNRB、ΔNRCを基
準変化量ΔNに対して設定する。この場合、クラッチ
C1の油圧PC1が1減圧分ΔPDOWNだけ減圧され
ているため、クラッチC1の係合状態は、スリップ領域
より引きずり領域に戻される形であるので、回転数差Δ
Nの変化量δは略々変化せず、開始時点tS4より終了
時点tS7までのサンプリングタイムTsamが終了す
る。すると、再度クラッチC1の油圧PC1を増圧分Δ
UPだけ増圧させるが、同様に変化量δが変化量閾値
ΔNRAを超えて、クラッチC1の油圧PC1が1段階
の減圧分ΔPDOWNだけ減圧される。これにより、エ
ンジン回転数Neと入力回転数Niとの回転数差ΔNの
変化率ρに基づくフィードバック制御が行われる。
【0067】つづいて、本発明に係る車輌の制御装置の
制御について図4ないし図12に沿って説明する。図4
及び図5は本発明に係る車輌の制御装置の制御を示すフ
ローチャート、図6はクラッチ解放制御S50を示すフ
ローチャート、図7はインニュートラル制御S130を
示すフローチャート、図8はクラッチ係合制御S150
を示すフローチャート、図9及び図10はインニュート
ラル制御におけるフィードバック制御S132を示すフ
ローチャート、図11はフィードバック制御における閾
値の更新処理S132dを示すフローチャート、図12
は電動オイルポンプ(EOP)制御を示すフローチャー
トである。なお、図4に示すは図7のに、図7に示
すは図4のに、図4に示すは図5のに、図4に
示すは図5のに、図4に示すは図5のに、図4
に示すは図5のに、図9に示すは図10のに、
図9に示すは図10のに、それぞれ接続されている
ことを示している。
【0068】まず、電動オイルポンプ(EOP)制御S
200について図12に沿って説明する。制御をスター
トすると(S201)、エンジン回転数Neが例えばア
イドリング回転数よりも低い値である第1の所定値以下
であるか否かを判定し(S202)、該第1の所定値以
下である場合には電動オイルポンプ8を駆動し(S20
3)、機械式オイルポンプ7がエンジン2と連動して停
止(ないし駆動力の低下)したことに伴う油圧供給の停
止(ないし低下)を該電動オイルポンプ8の油圧供給に
より補う。また、ステップS202において、エンジン
回転数Neが第1の所定値以下でない場合には、ステッ
プS204に進み、エンジン回転数Neが第2の所定値
以上であるか否かを判定する(S204)。エンジン回
転数Neが第2の所定値以上でない場合は、そのまま電
動オイルポンプ8を駆動又は停止状態に維持する。ま
た、エンジン回転数Neが第2の所定値以上である場合
には、電動オイルポンプ8を停止する(S205)。
【0069】以上のように、機械式オイルポンプ7の油
圧供給がエンジン回転数Neに比例して上下するので、
該機械式オイルポンプ7の油圧供給が下がった場合に
は、電動オイルポンプ8により油圧供給を行う。それに
より、クラッチC1の油圧P に常に油圧供給を行う
ことができる。なお、第1の所定値と第2の所定値との
値を相違させることにより、ハンチングを防止すること
ができる。また、以下の説明において、エンジン2の停
止は電動オイルポンプ8の駆動を意味し、エンジン2の
始動は電動オイルポンプ8の停止を意味するが、その説
明を省略する。
【0070】ついで、本発明に係る車輌の制御装置の制
御が制御部Uにより制御を開始されると(S10)、ま
ず上述した各センサ(図1参照)からの入力信号を処理
し(S20)、エンジン停止条件検出手段11により停
止条件が検出されてエンジン停止手段12によってエン
ジン2が自動停止中であるか否かを判定する(S3
0)。エンジン2が自動停止中でない、つまりエンジン
2が駆動中である場合は、ステップS40に進み、例え
ばブレーキON、スロットル開度が所定値以下、車速が
(推定)ゼロ、シフトレンジがDレンジ、などの条件に
基づくニュートラル制御開始の条件が成立しているか否
か判定する。該条件に該当しない場合は、車輌が走行中
であるか、又は発進要求があるような場合であるので、
を介して図5中のステップS170に進み、そのまま
リターンする。
【0071】ステップS40において、ニュートラル制
御開始の条件が成立すると(図14の時点tb参照)、
ステップS50に進み、ニュートラル制御手段20は上
述したようなニュートラル制御を開始する。該ニュート
ラル制御においては、図6に示すように、まず、クラッ
チC1の油圧PC1を下げてクラッチC1を解放制御
(図14の時点tbから時点tc参照)を開始し(S5
1)、クラッチC1の油圧PC1を待機圧PC1wにス
イープダウンする(S52)。そして、回転数差検出手
段18により検出されるエンジン回転数Neと入力軸回
転数Niとの回転数差ΔNが所定以内になったか否かを
判定する(S53)。該回転数差が所定以内になってい
ない場合は(ステップS53のNo)、つまりクラッチ
C1の油圧PC1が目標とする待機圧PC1wになって
いないため、上記スイープダウン(S53)を継続す
る。その後、該回転数差ΔNが所定以内になると(ステ
ップS53のYes)、上記スイープダウンを終了する
(S54)。
【0072】上記スイープダウンを終了すると(つまり
S50を終了すると)、該クラッチC1の解放制御が終
了したか否か判断する(S70)。該クラッチC1の解
放制御が終了していない場合は、ステップS50に戻
り、クラッチC1の解放制御を再度行う。そして、クラ
ッチC1の油圧PC1が待機圧PC1wになり、クラッ
チ解放制御が終了したことを判定すると(ステップS7
0のYes)、を介して図5中のステップS130に
進む。また、この間に、ニュートラル制御終了の条件、
つまりスロットル開度が所定値以上、ブレーキがOFF
などに基づく発進要求が発進要求検出手段19により検
出された場合、又はシフトレンジが非走行レンジ以外
(例えばN、Pレンジなど)に選択された場合、などの
条件が成立すると(S60)、該ニュートラル制御を終
了する。この際は、を介して図5中のステップS15
0に進み、クラッチC1の解放途中にある油圧PC1
再び上昇させて係合させるため、後述するクラッチ係合
制御を行う。なお、シフトレンジが非走行レンジに選択
された場合には、クラッチC1の係合(S150)は行
わずに、クラッチC1の油圧PC1を解放する。
【0073】上述のように、クラッチC1の解放制御が
終了すると(S70)、図5中のステップS130にお
いて、インニュートラル制御(図14の時点tcから時
点td参照)を開始する。該インニュートラル制御にお
いては、図7に示すように、まず、インニュートラル制
御を開始し(S131)、上述したエンジン回転数Ne
と入力軸回転数Niとの回転数差ΔNに応じたクラッチ
C1の油圧PC1の制御を行う(S132)。
【0074】図9に示すように、該回転数差ΔNに応じ
たクラッチC1の油圧PC1の制御を開始すると(S1
32a)、まず、回転数差ΔNをエンジン回転数Neと
入力回転数Niとの差より検出しつつ(S132b)、
上述したサンプリングタイムTsam(図16、図17
参照)が経過したか否かを判定する(S132c)。該
制御の初期状態では、サンプリングタイムTsamが経
過していないとして(S132のNo)、ステップS1
32dに進み、回転数差ΔNの変化量閾値を更新(設
定)の制御を開始する。
【0075】該ステップS132dに進むと、図11に
示すように、閾値更新処理を開始し(S132d−
1)、まず、サンプリングタイムTsamが第1時間T
S1を経過したか否かを判定し(S132d−2)、該
第1時間TS1が経過していない場合は(S132d−
2のNo)、変化量閾値ΔNRiを該第1時間TS1
対応した変化量ΔNRAに設定して(S132d−
3)、リターンする(S132d−7)。また、該該第
1時間TS1が経過している場合は(S132d−2の
Yes)、サンプリングタイムTsamが第2時間T
S2を経過したか否かを判定し(S132d−4)、該
第2時間TS2が経過していない場合は(S132d−
4のNo)、変化量閾値ΔNRiを該第2時間TS2
対応した変化量ΔN RBに設定して(S132d−
5)、リターンする(S132d−7)。そして、該該
第2時間TS2が経過している場合は(S132d−4
のYes)、変化量閾値ΔNRiをサンプリングタイム
Tsamに対応した変化量ΔNRCに設定して(S13
2d−6)、リターンし(S132d−7)、以上の制
御を繰り返し行う。
【0076】ついで、図9に示すように、上記ステップ
S132dにおいて変化量閾値の更新の制御を行いつ
つ、変化量δが変化量閾値ΔNRiを超えたか否かを判
定する(S132e)(図16、図17参照)。変化量
δが変化量閾値ΔNRiを超えていない場合には(S1
32eのYes)(図16参照)、つまりクラッチC1
が引きずり領域であるので、を介してステップS13
2mに進み、ステップS132aにリターンする。ま
た、変化量δが変化量閾値ΔNRiを超えている場合に
は(S132eのNo)(図17参照)、クラッチC1
がスリップ領域であると判断して、上述のようにクラッ
チC1の油圧サーボの油圧PC1を1段階の減圧分ΔP
DOWNだけ減圧し、後述するカウンタCを例えば
「1」加算して、サンプリングタイムTsamをリセッ
トする(S132f)。そして、該クラッチC1の油圧
C1がスリップ領域であると判断される前、即ち引き
ずり領域であった最後の段階の油圧PC1を待機圧P
C1mとして記憶し(S132g)、その後は、を介
してステップS132mに進んでステップS132aに
リターンする。なお、この際に記憶する待機圧PC1m
は、該クラッチC1の油圧P がスリップ領域である
と判断される前の油圧PC1であるが(即ち、一段階増
圧される前の油圧であるが)、1段階の減圧分ΔP
DOWNだけ減圧した後の油圧PC1であってもよい。
【0077】一方、上記ステップS132cにおいて、
サンプリングタイムTsamが経過していると判定され
た場合には(S132cのYes)、を介してステッ
プS132hに進み、変化量δの絶対量が該サンプリン
グタイムTsamに対する変化量閾値ΔNRCを超えて
いるか否かを判定する。上記ステップS132eにおい
て、変化量δが変化量閾値ΔNRCを超えていない場合
には(S132hのNo)、例えば図16に示すような
1段階増圧された場合に拘らず変化量δが変化量閾値Δ
RCを超えていない場合と、例えば図17に示すよう
な1段階減圧されて次回の増圧まで変化量δが変化量閾
値ΔNRCを超えない場合と、の2通りがある。そこ
で、カウンタ閾値Cを設定し、上述したサンプリング
タイムTsamがリセットされた場合に対して例えば
「1」加算されるカウンタCに基づいて、それらの判定
を行う。例えば図16に示すような1段階増圧された場
合に拘らず引きずり領域であって、変化量δが変化量閾
値ΔNRCを超えていない場合は、カウンタCがカウン
タ閾値CR以下であって(ステップS132iのYe
s)、クラッチC1の油圧PC1を1段階増圧すると共
に、カウンタCを例えば「1」減算して(S132
j)、リターンする(S132m)。また、図17に示
すような1段階減圧された後の引きずり領域であって、
変化量δが変化量閾値ΔNRCを超えていない場合は、
カウンタCがカウンタ閾値CR以上(即ち、サンプリン
グタイムTsamが繰り返しリセットされていくこと
で、カウンタCが繰り返し加算された状態)であって
(ステップS132iのNo)、そのままリターンし
(S132m)、つまり図17に示すようにサンプリン
グタイムTsamの間において、クラッチC1の油圧P
C1が増圧されることはない。
【0078】そして、図17に示すように、サンプリン
グタイムTsamが終了した場合に1段階増圧され、ス
テップS132hにおいて変化量δが変化量閾値ΔN
RCを超えると(S132hのYes)、この際のクラ
ッチC1はスリップ領域であるはずなので、1段階減圧
し(S132k)、上記ステップS132gと同様に、
該クラッチC1の油圧PC1がスリップ領域であると判
断される前、即ち引きずり領域であった最後の段階の油
圧PC1を待機圧PC1mとして記憶し(S132
l)、ステップS132mに進んでステップS132a
にリターンする。なお、この際も同様に記憶する待機圧
C1mは、該クラッチC1の油圧PC1がスリップ領
域であると判断される前の油圧PC1であるが(即ち、
一段階増圧される前の油圧であるが)、1段階の減圧分
ΔPDOWNだけ減圧した後の油圧P であってもよ
い。
【0079】以上のように回転数差に応じたクラッチC
1の油圧PC1の制御を行うと(S132)、まず、イ
ンニュートラル制御を終了するか否かを判断し(S13
4)、終了しない場合は(ステップS134のNo)、
インニュートラル制御を継続する。その後、発進要求検
出手段19によりドライバの発進要求(ブレーキがOF
F、スロットル開度が所定値以上、等)を検出した場
合、或いはシフトレンジが前進レンジ以外に選択された
場合には、インニュートラル制御を終了し(S134の
Yes)、上述のように待機圧PC1wを学習(記憶)
して(S135)、終了する(S136)。また、この
間に、エンジン回転数Neが所定回転数以下になったこ
とを検出すると、エンジン2が自動停止されたことを判
定し(S133)、を介してステップS9に進み、ク
ラッチ低圧待機指令(詳しくは後述する)を行う。
【0080】上記インニュートラル制御(S130)が
終了すると、ニュートラル制御終了の条件、つまり発進
要求検出手段19によりドライバの発進要求(ブレーキ
がOFF、スロットル開度が所定値以上、等)を検出し
た場合、或いはシフトレンジがDレンジ以外に選択され
た場合などの条件が成立しているか否かを判定し(S1
40)、該条件が成立していない場合は(ステップS1
40のNo)、再度インニュートラル制御(S130)
を行う。また、該条件が成立している場合は(ステップ
S140のYes)(図12、及び図14の時点td参
照)、クラッチ係合制御を行う(S150)。該クラッ
チ係合制御では、図8に示すように、まず、クラッチ係
合制御を開始し(S151)、上述のようにエンジン回
転数Neと入力軸回転数Niとの回転数差ΔNに応じて
クラッチC1の油圧PC1をスイープアップする(S1
52)。そして、クラッチC1の油圧PC1が所定圧以
上であるか否かを判定し(S153)、該クラッチC1
の油圧PC1が所定圧以上でない場合には(ステップS
153のNo)、上記スイープアップを継続する。その
後、該クラッチC1の油圧PC1が所定圧以上になると
(ステップS153のYes)、クラッチ係合制御を終
了し(S154)、ステップS160に進む。
【0081】ステップS160において、クラッチC1
の係合制御が終了しているか否かを判定し、該係合制御
が終了していない場合には(ステップS160のN
o)、再度クラッチ係合制御を行う。そして、上述のよ
うにクラッチC1の油圧PC1が所定圧以上になり、該
係合制御が終了している場合には(ステップS160の
Yes)、ステップS170に進み、ステップS10に
リターンする。
【0082】つづいて、本発明の要部である、車輌の停
止状態においてエンジン2の停止状態から発進要求以外
の始動条件によりエンジン2が再始動した際の制御につ
いて図4ないし図13にそって説明する。図13は車輌
の停止状態においてエンジン停止状態からエンジンの再
始動が行われた際を示すタイムチャートである。例えば
図13の時点t1に示すように、車輌が停車すると共に
エンジン停止条件が成立し、エンジン停止条件検出手段
11により検出されると、つまりエンジン制御指令が
「停止」となって、エンジン停止手段12によりエンジ
ン2の停止が開始される。なお、この際、モータ・ジェ
ネレータ3を逆駆動し、エンジン停止に伴うショックの
低減を行う。また、該エンジン停止に伴って、機械式オ
イルポンプ7が連動して停止するため、時点t2におい
て、EOP制御手段15により電動オイルポンプ8がO
Nされる。時点t3において、エンジン停止が完了する
と、モータ・ジェネレータ3も停止され、エンジン停止
が完了する。すると、図4中のステップS30におい
て、エンジン2が自動停止中であると判定され、まず、
エンジン2が自動再始動したか否かを判定する(S8
0)。エンジン2がそのまま停止している場合には(S
80のNo)、を介してステップS170に進み、つ
まり何れの制御も行わないので、クラッチC1は係合さ
れている状態(例えば通常のDレンジの状態)である。
【0083】時点t4において、上述したような発進要
求以外のエンジン始動条件(例えばバッテリ残量の不
足、エアコンのONなどに伴うエンジン始動条件)が成
立すると、エンジン制御指令が「始動」になると共に、
エンジン始動条件判定手段13により検出され、つまり
エンジン自動再始動の判定がなされる(ステップS80
のYes)。すると、まず、クラッチ低圧制御手段17
によりクラッチC1の油圧PC1を目標の一定圧である
待機圧PC1wになるように低圧制御が開始される(S
90)。一方、エンジン始動手段13は、不図示のタイ
マなどにより所定時間Taが経過するまでエンジン2の
始動を開始せず、該所定時間Ta後にエンジン2の始動
を開始する。つまり、クラッチC1の油圧PC1を低圧
制御する間、エンジン2を始動しないので、クラッチC
1が係合状態でエンジン2の始動することを防止するこ
とができる。即ち、発進要求以外の(つまりドライバの
予期しない)エンジン2の再始動によりショックや振動
等の不快感をドライバに与えることを防止することがで
きる。
【0084】時点t5において、所定時間Taが経過す
ると、エンジン始動手段14はエンジン2の始動を開始
する。一方、時点t6において、エンジン2の始動に連
動して機械式オイルポンプ7が駆動するので、EOP制
御手段15により電動オイルポンプ8がOFFされる。
そして、時点t7において、エンジン2の始動が完了
し、エンジン状態検出手段16により該エンジン2の始
動が検出されると(S100)、ニュートラル制御手段
20によりインニュートラル制御を開始する(S13
1)。なお、この間(時点t5から時点t7の間)にお
いて、発進要求検出手段19によりドライバの発進要求
が検出された場合には(S110)、クラッチC1を係
合させるため、上記低圧制御により下げられた油圧P
C1を再び上昇させてクラッチを係合し(S120)、
車輌を発進させて、上述の制御を繰り返す(S17
0)。なお、エンジン状態検出手段16により例えばエ
ンジン回転数Neが所定回転数以上であることなどが検
出された際に、ニュートラル制御手段20によりインニ
ュートラル制御を開始するようにしてもよい。
【0085】時点t7において、インニュートラル制御
を開始すると(S130)、上述のように回転数差検出
手段18により検出される回転数差ΔNに応じてクラッ
チC1の油圧PC1をフィードバック制御するので、ク
ラッチC1を的確に係合直前の状態にすることができ
る。その後、時点t8において、発進要求検出手段19
がドライバの発進要求を検出すると(或いはシフトレン
ジが前進レンジ以外に選択されたことを検出すると)、
ニュートラル制御手段20はインニュートラル制御を終
了してフィードバック制御を解除すると共に、学習制御
手段21が次回のクラッチC1の低圧制御を上述した待
機圧PC1wに基づいて行えるように解除する際の待機
圧PC1wを記憶する(S132g、S132l)。そ
して、クラッチC1の係合制御を行い(S150及びS
160)、車輌を発進させる。
【0086】このように、ニュートラル制御手段20
は、エンジン始動後にニュートラル制御を行ってクラッ
チC1を係合直前の状態にすることで、ドライバの発進
要求があった際にクラッチC1の係合が遅れることを防
止している。また、学習制御手段21は、次回のクラッ
チC1の低圧制御を待機圧PC1wに基づいて行えるよ
うに上記解除する際の待機圧PC1wを記憶すること
で、クラッチ低圧制御手段17により低圧制御を行う際
に、クラッチC1の油圧PC1を該クラッチC1が係合
直前の状態となる最適な油圧に低圧制御する。それによ
り、経時的変化等に対応する低圧制御を行うことを可能
とし、発進要求以外のエンジン2の再始動によりショッ
クや振動等の不快感をドライバに与えずに、経時的変化
等に対応している。
【0087】なお、本発明に係る実施の形態において、
電動オイルポンプ8及びEOP制御手段15により常に
クラッチC1の油圧サーボに油圧供給されているため、
上記クラッチ低圧制御手段17の行う制御は、エンジン
2の再始動制御の際に係合直前の油圧に下げる制御であ
るが、電動オイルポンプ8及びEOP制御手段15を備
えていないような車輌においては、クラッチ低圧制御手
段17の制御を、エンジン2の再始動制御によって駆動
された機械式オイルポンプ7によりクラッチC1の油圧
サーボの油圧供給が上昇してくる油圧を係合直前の油圧
に抑える制御としてもよい。
【0088】以上のように、本発明に係る車輌の制御装
置は、車輌が停車状態であり、かつエンジン2が自動停
止制御されている状態にて、該エンジン2が再始動制御
されると、クラッチ低圧制御手段17がクラッチC1の
油圧PC1をクラッチC1が係合直前の状態になるよう
な所定油圧である待機圧PC1wに低圧制御するため、
このままでは、例えば該クラッチC1の磨耗や供給され
る油圧の変化等により該クラッチC1の係合直前となる
油圧が変化する場合などの経時的変化に対応することが
できないが、ニュートラル制御手段20がエンジン始動
後にフィードバック制御を開始してクラッチC1の油圧
C1を係合直前の状態にするので、ドライバの発進要
求があった際にクラッチC1の係合が遅れることを防止
することができるものでありながら、上述のような経時
的変化にも対応することができる。また、ニュートラル
制御手段20は、クラッチ低圧制御手段17により低圧
制御された待機圧PC1wをフィードバック制御の開始
油圧にするので、比較的短時間でクラッチC1を精度よ
く係合直前の状態にすることができる。更に、ニュート
ラル制御手段20は、回転数差ΔNの変化率ρ(サンプ
リングタイムTsamにおける変化量δ)に基づいてフ
ィードバック制御を行うので、クラッチC1を的確に係
合直前の状態にすることができる。
【0089】なお、本実施の形態において、クラッチC
1の待機圧PC1wをエンジン回転数Neと入力軸回転
数Niとの回転数差に基づいて設定しているが、例えば
クラッチC1に回転数センサを設ける、入力軸37に加
速度センサを設ける、等でもよく、これらに限らず、ク
ラッチC1が係合直前の状態であることを検出できるも
のであれば何れのものでもよい。
【0090】また、本実施の形態においては、入力クラ
ッチの油圧におけるニュートラル制御よってエンジン2
と駆動車輪との動力伝達を断ち、かつ直ぐに係合し得る
ように制御しているが、その他のクラッチ、ブレーキ、
また、複数のクラッチ、複数のブレーキ、クラッチとブ
レーキとの組合せ、などの油圧におけるニュートラル制
御であってもよく、これに限らず、エンジン2と駆動車
輪との動力伝達を断ち、かつ直ぐに係合し得るようにニ
ュートラル制御できるものであればよい。
【0091】更に、本実施の形態において、ニュートラ
ル制御手段20は、回転数差検出手段18により検出さ
れた回転数差ΔNの変化率ρ(サンプリングタイムTs
amにおける変化量δ)に基づいてフィードバック制御
を行っているが、例えば回転数差ΔNを、クラッチC1
が係合直前の状態になるような予めきめられた目標回転
数差に対してフィードバック制御するようにしてもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る車輌の制御装置を示
すブロック図。
【図2】本発明に係る車輌の駆動系を示すブロック模式
図。
【図3】本発明に適用される自動変速機構を示す図で、
(a)は自動変速機構5のスケルトン図、(b)はその
作動表。
【図4】本発明に係る車輌の制御装置の制御を示すフロ
ーチャート。
【図5】本発明に係る車輌の制御装置の制御を示すフロ
ーチャート。
【図6】クラッチ解放制御を示すフローチャート。
【図7】インニュートラル制御を示すフローチャート。
【図8】クラッチ係合制御を示すフローチャート。
【図9】インニュートラル制御におけるフィードバック
制御を示すフローチャート。
【図10】インニュートラル制御におけるフィードバッ
ク制御を示すフローチャート。
【図11】フィードバック制御における閾値の更新処理
を示すフローチャート。
【図12】電動オイルポンプ(EOP)制御を示すフロ
ーチャート。
【図13】車輌の停止状態においてエンジン停止状態か
らエンジンの再始動が行われた際を示すタイムチャー
ト。
【図14】ニュートラル制御の一例を示すタイムチャー
ト。
【図15】インニュートラル制御中の油圧制御を詳示す
るタイムチャート。
【図16】入力クラッチが引きずり領域にある場合を示
すタイムチャート。
【図17】入力クラッチがスリップ領域にある場合を示
すタイムチャート。
【符号の説明】
2 エンジン 4 流体伝動装置(トルクコンバータ) 8 電動オイルポンプ 10 自動変速機 13 エンジン始動条件判定手段 14 エンジン始動手段 15 電動オイルポンプ制御手段 16 エンジン状態検出手段 17 クラッチ低圧制御手段 18 回転数差検出手段 19 発進要求検出手段 20 ニュートラル制御手段 23 ブレーキペダルの操作状態(ブレーキセンサ) 27 スロットル開度(センサ) 28 バッテリ 29 エアコン 37 入力軸 C1 クラッチ(入力クラッチ) Ne エンジン回転数 Ni 入力軸回転数 ΔN 回転数差 PC1 (入力クラッチの)油圧サーボの油圧 PC1w 所定油圧(待機圧) Ta 所定時間 ρ (回転数差の)変化率
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年9月6日(2001.9.6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 車輌の制御装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アイドルストップ
機能を有する車輌の制御装置に係り、特に自動変速機に
モータ(ジェネレータ機能をも含む)を付設したハイブ
リッド車輌に用いて好適であり、詳しくはアイドルスト
ップ時に、SOC(バッテリ残量)等の要求により運転
者の意志を表していない場合にエンジンが作動する際の
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、走行中において車輌が停止し、所
定の停止条件が成立したときにエンジンを自動停止さ
せ、燃料の節約、排気エミッションの低減及び騒音の低
減等を図る、いわゆるアイドルストップ機能を有する車
輌が多数提案されており、特に特開2000−2640
96号公報には、例えばバッテリの充電量が不足したと
き或いは室内温が上昇したためエアコンのコンプレッサ
を作動させるときのように、運転者が発進の意思を有し
ていない場合に、前進クラッチが係合することによるシ
ョックや振動等の不快感をドライバに与えることを防止
した、エンジン再始動時の制御装置が提案されている。
【0003】このものは、前進クラッチを有する自動変
速機を備えた車輌において、シフトポジションがDレン
ジ等の駆動ポジションであってもアクセルオフ、ブレー
キオン等の所定停止条件が成立したときにエンジンを自
動停止すると共に、アクセルオン等の所定再始動条件が
成立したときに該自動停止したエンジンを再始動し、か
つ該再始動を、前記前進クラッチを解放した状態で実施
するように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記エンジン再始動時
の制御装置は、アクセルオン等のドライバの発進意思を
検出した場合、例えバッテリの充電要求等によりエンジ
ンが回転して、自動変速機の油圧が発生して、かつ急速
増圧制御によりライン圧が直接前進クラッチの油圧サー
ボに供給されるとしても、該油圧サーボの油圧は、解放
状態から立ち上がるため、前進クラッチの係合遅れを生
じてドライバに違和感を与える可能性があり、また、切
換えバルブは、上記急速増圧制御指令により開状態とし
て、前進クラッチ用油圧サーボにライン圧を急速に供給
して比較的ゆっくりと油圧上昇して、前進クラッチの係
合を滑らかにしているが、このため切換えバルブのタイ
ミング等の制御が複雑で面倒になっている。
【0005】そこで本発明は、エンジンが再始動制御さ
れ、かつ油圧サーボの油圧が所定油圧に制御されている
際に、該油圧サーボの油圧を摩擦係合要素が係合直前の
状態にフィードバック制御し、もって上記課題を解決し
た車輌の制御装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本発明
は、停止条件に基づいてエンジン(2)を自動停止制御
し、始動条件に基づいて該エンジン(2)を再始動制御
する車輌の制御装置において、前記エンジン(2)の出
力と前記駆動車輪との動力伝達を係合自在な摩擦係合要
素(例えばC1)と、前記摩擦係合要素(例えばC1)
の係合状態を操作自在な油圧サーボと、前記摩擦係合要
素(例えばC1)の係合状態に基づき、前記油圧サーボ
の油圧(PC1)を前記摩擦係合要素(例えばC1)が
係合直前の状態にフィードバック制御するニュートラル
制御手段(20)と、を備え、前記ニュートラル制御手
段(20)は、前記エンジン(2)が前記再始動制御さ
れた際に、前記油圧サーボの油圧(PC1)が所定油圧
(PC1w)に制御された後、前記フィードバック制御
を開始する、ことを特徴とする車輌の制御装置にある。
【0007】請求項2に係る本発明は、前記エンジン
(2)の出力が入力される入力軸(37)と駆動車輪と
の間に介在し、流体伝動装置(4)と複数の摩擦係合要
素(例えばC1,C2,C3,B1,B2,B3,B
4,B5,F1,F2)により伝動経路を切換えられる
ギヤ伝動手段とを有し、前記複数の摩擦係合要素(例え
ばC1,C2,C3,B1,B2,B3,B4,B5,
F1,F2)の接・断により前記入力軸(37)の回転
(Ni)を変速して前記駆動車輪に出力する自動変速機
(10)を備え、前記摩擦係合要素は、前記複数の摩擦
係合要素(例えばC1,C2,C3,B1,B2,B
3,B4,B5,F1,F2)のうちの、すくなくとも
前進1速段に係合して前記入力軸(37)の回転(N
i)を接続する入力クラッチ(C1)である、請求項1
記載の車輌の制御装置にある。
【0008】請求項3に係る本発明は、前記エンジン
(2)の回転数(Ne)と前記入力軸(37)の回転数
(Ni)との回転数差(ΔN)を検出する回転数差検出
手段(18)を備え、前記ニュートラル制御手段(2
0)は、前記回転数差検出手段(18)の検出結果に基
づいて前記摩擦係合要素(例えばC1)の係合状態を検
知し、前記フィードバック制御をしてなる、請求項1ま
たは2記載の車輌の制御装置にある。
【0009】請求項4に係る本発明は、前記ニュートラ
ル制御手段(20)は、前記回転数差検出手段(18)
により検出される前記回転数差(ΔN)の変化率(ρ)
に基づきフィードバック制御してなる、請求項3記載の
車輌の制御装置にある。
【0010】請求項5に係る本発明は、前記ニュートラ
ル制御手段(20)は、前記回転数差検出手段(18)
により検出される前記回転数差(ΔN)が目標回転数差
になるようにフィードバック制御してなる、請求項3記
載の車輌の制御装置にある。
【0011】請求項6に係る本発明は、前記エンジン
(2)の始動条件を判定するエンジン始動条件判定手段
(13)と、前記エンジン始動条件判定手段(13)の
判定に基づいて前記エンジン(2)を始動するエンジン
始動手段(14)と、を備え、前記エンジン始動条件判
定手段(13)は、発進要求以外のエンジン(2)の始
動条件を判定し、前記再始動制御をしてなる、請求項1
ないし5のいずれか記載の車輌の制御装置にある。
【0012】請求項7に係る本発明は、前記エンジン始
動条件判定手段(13)は、バッテリ(28)の残量低
下、又はエアコン(29)の始動に基づいて前記発進要
求以外のエンジン(2)の始動条件を判定してなる、請
求項6記載の車輌の制御装置にある。
【0013】請求項8に係る本発明は、前記発進要求を
検出する発進要求検出手段(19)を備え、前記ニュー
トラル制御手段(20)は、前記発進要求検出手段(1
9)の検出に基づいて前記フィードバック制御を解除す
ると共に、前記油圧サーボの油圧(PC1)を上昇して
前記摩擦係合要素(例えばC1)を係合してなる、請求
項6または7記載の車輌の制御装置にある。
【0014】請求項9に係る本発明は、前記発進要求検
出手段(19)は、ブレーキペダルの操作状態(2
3)、又はスロットル開度(27)に基づいて前記発進
要求を検出してなる、請求項8記載の車輌の制御装置に
ある。
【0015】請求項10に係る本発明は、前記所定油圧
(PC1w)は、前記摩擦係合要素(例えばC1)が係
合直前の状態となる油圧からなる、請求項1ないし9の
いずれか記載の車輌の制御装置にある。
【0016】請求項11に係る本発明は、前記所定油圧
(PC1w)は、一定の目標油圧からなる、請求項1な
いし10のいずれか記載の車輌の制御装置にある。
【0017】請求項12に係る本発明は、前記ニュート
ラル制御手段(20)は、前記所定油圧(PC1w)を
前記フィードバック制御の開始油圧にしてなる、請求項
1ないし11のいずれか記載の車輌の制御装置にある。
【0018】請求項13に係る本発明は、前記エンジン
(2)の状態を検出するエンジン状態検出手段(16)
を備え、前記ニュートラル制御手段(20)は、前記エ
ンジン状態検出手段(16)により前記エンジン始動手
段(14)による前記エンジン(2)の始動が完了した
ことを検出した際に、前記フィードバック制御を開始し
てなる、請求項3ないし12のいずれか記載の車輌の制
御装置にある。
【0019】請求項14に係る本発明は、前記エンジン
(2)の状態を検出するエンジン状態検出手段(16)
を備え、前記ニュートラル制御手段(20)は、前記エ
ンジン状態検出手段(16)により前記エンジン(2)
が所定回転数以上であることを検出した際に、前記フィ
ードバック制御を開始してなる、請求項3ないし12の
いずれか記載の車輌の制御装置にある。
【0020】請求項15に係る本発明は、前記エンジン
(2)に連動して駆動し、前記油圧サーボの油圧(P
C1)を供給自在な機械式オイルポンプ(7)と、前記
油圧サーボの油圧(PC1)を供給自在な電動オイルポ
ンプ(8)と、前記エンジン(2)の自動停止制御、又
は前記エンジン(2)の再始動制御に基づき、前記エン
ジン(2)の自動停止制御中に前記電動オイルポンプ
(8)を駆動制御する電動オイルポンプ制御手段(1
5)と、を備え、前記機械式オイルポンプ(7)又は前
記電動オイルポンプ(8)により常に前記油圧サーボの
油圧(PC1)を供給してなる、請求項1ないし14の
いずれか記載の車輌の制御装置にある。
【0021】なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照
するためのものであるが、これは、発明の理解を容易に
するための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成
に何等影響を及ぼすものではない。
【0022】
【発明の効果】請求項1に係る本発明によると、ニュー
トラル制御手段が、エンジンが再始動制御された際に、
油圧サーボの油圧が所定油圧に制御された後、摩擦係合
要素の係合状態に基づき、該油圧サーボの油圧を該摩擦
係合要素が係合直前の状態になるようにフィードバック
制御を開始するので、例えばドライバの発進要求があっ
た際に摩擦係合要素の係合が遅れることを防止すること
ができるものでありながら、経時的変化にも対応するこ
とができる。
【0023】請求項2に係る本発明によると、摩擦係合
要素は、複数の摩擦係合要素のうちの、すくなくとも前
進1速段に係合して、エンジンの出力が入力される入力
軸の回転を接続する入力クラッチであるので、エンジン
と駆動車輪との動力伝達を断ち、かつ直ぐに接続し得る
ようにすることができる。
【0024】請求項3に係る本発明によると、ニュート
ラル制御手段が、エンジンの回転数と入力軸の回転数と
の回転数差を検出する回転数差検出手段の検出結果に基
づいて摩擦係合要素の係合状態を検知してフィードバッ
ク制御をするので、経時的変化に対応して的確に摩擦係
合要素を係合直前にすることができる。
【0025】請求項4に係る本発明によると、ニュート
ラル制御手段は、回転数差検出手段により検出される回
転数差の変化率に基づきフィードバック制御するので、
経時的変化に対応して的確に摩擦係合要素を係合直前に
することができる。
【0026】請求項5に係る本発明によると、ニュート
ラル制御手段は、回転数差検出手段により検出される回
転数差が目標回転数差になるようにフィードバック制御
するので、経時的変化に対応して的確に摩擦係合要素を
係合直前にすることができる。
【0027】請求項6に係る本発明によると、エンジン
始動条件判定手段が、発進要求以外のエンジンの始動条
件を判定し、再始動制御をするので、発進要求以外のエ
ンジンの再始動制御がされた際に、摩擦係合要素が係合
せずにドライバの意図しない車輌の発進を防ぐことがで
きるものでありながら、ドライバの発進要求がある際に
は直ぐに摩擦係合要素を係合させることができる。
【0028】請求項7に係る本発明によると、エンジン
始動条件判定手段は、バッテリの残量低下、又はエアコ
ンの始動に基づいて前記発進要求以外のエンジンの始動
条件を判定するので、バッテリの残量低下、又はエアコ
ンの始動により例えばドライバの意図しないエンジンの
始動が行われても、摩擦係合要素が係合せずにドライバ
の意図しない車輌の発進を防ぐことができる。
【0029】請求項8に係る本発明によると、発進要求
を検出する発進要求検出手段を備えており、ニュートラ
ル制御手段は、発進要求検出手段の検出に基づいてフィ
ードバック制御を解除すると共に、油圧サーボの油圧を
上昇して摩擦係合要素を係合するので、ドライバの発進
要求がある際には直ぐに摩擦係合要素を係合させること
ができ、直ぐに車輌を発進させることができる。
【0030】請求項9に係る本発明によると、発進要求
検出手段は、ブレーキペダルの操作状態、又はスロット
ル開度に基づいて発進要求を検出するので、ブレーキペ
ダルの操作状態、又はスロットル開度に基づき、ドライ
バの発進要求がある際には直ぐに摩擦係合要素を係合さ
せることができ、直ぐに車輌を発進させることができ
る。
【0031】請求項10に係る本発明によると、所定油
圧は、摩擦係合要素が係合直前の状態となる油圧である
が、ニュートラル制御手段がフィードバック制御を開始
するので、該摩擦係合要素を精度よく係合直前の状態に
することができる。
【0032】請求項11に係る本発明によると、所定油
圧は、一定の目標油圧であるが、ニュートラル制御手段
がフィードバック制御を開始するので、経時的変化に対
応することができる。
【0033】請求項12に係る本発明によると、ニュー
トラル制御手段は、所定油圧をフィードバック制御の開
始油圧にするので、比較的短時間で摩擦係合要素を精度
よく係合直前の状態にすることができる。
【0034】請求項13に係る本発明によると、エンジ
ンの状態を検出するエンジン状態検出手段を備えてお
り、ニュートラル制御手段は、エンジン状態検出手段に
よりエンジン始動手段によるエンジンの始動が完了した
ことを検出した際に、フィードバック制御を開始するの
で、始動が完了したエンジンの回転数と入力軸回転数と
の回転数差に基づいてフィードバック制御を行うことが
できる。
【0035】請求項14に係る本発明によると、エンジ
ンの状態を検出するエンジン状態検出手段を備えてお
り、ニュートラル制御手段は、エンジン状態検出手段に
よりエンジンが所定回転数以上であることを検出した際
に、フィードバック制御を開始するので、回転している
エンジンの回転数と入力軸回転数との回転数差に基づい
てフィードバック制御を行うことができる。
【0036】請求項15に係る本発明によると、エンジ
ンに連動して駆動し、油圧サーボの油圧を供給自在な機
械式オイルポンプと、油圧サーボに油圧を供給自在な電
動オイルポンプと、エンジンの自動停止制御、又はエン
ジンの再始動制御に基づき、エンジンの自動停止制御中
に電動オイルポンプを駆動制御する電動オイルポンプ制
御手段と、を備えており、機械式オイルポンプ又は電動
オイルポンプにより常に油圧サーボの油圧を供給するの
で、エンジンの始動状態又は停止状態に拘らず、常に油
圧サーボに油圧供給することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態を
図に沿って説明する。まず、本発明の車輌の制御装置を
適用し得る車輌の駆動系及びそこに設けられた自動変速
機構について図2及び図3に沿って説明する。図2は本
発明に係る車輌の駆動系を示すブロック模式図、図3は
本発明に適用される自動変速機構5を示す図で、(a)
は自動変速機構5のスケルトン図、(b)はその作動表
である。
【0038】図2に示すように、駆動源は、エンジン2
及びモータ・ジェネレータ(M/G)3により構成され
ており、その駆動力は自動変速機10に出力される。自
動変速機10は、流体伝動装置の一例であるトルクコン
バータ(T/M)4、自動変速機構5、油圧制御装置
6、機械式オイルポンプ7、及び電動オイルポンプ8か
ら構成されている。該自動変速機構5は、入力される駆
動力を所定の車輌走行状況に基づいて変速し、車輪等に
出力する。また、該自動変速機構5には、変速を行うた
めの複数の摩擦係合要素が配設されており、その摩擦係
合要素の係合を油圧制御して変速し、かつ上記トルクコ
ンバータ4を制御するための油圧制御装置6が備えられ
ている。そして、該油圧制御装置6に油圧を供給するた
めの機械式オイルポンプ7及び電動オイルポンプが、そ
れぞれ配設されている。該機械式オイルポンプ7は、ト
ルクコンバータ4と連動するように配設されており、エ
ンジン2及びモータ・ジェネレータ3の駆動力により駆
動される。また、電動オイルポンプ8は、エンジン2及
びモータ・ジェネレータ3の駆動力とは独立しており、
不図示のバッテリから電力供給されるモータにより駆動
される。
【0039】ついで、自動変速機構5について説明す
る。図3(a)に示すように、主自動変速機構30は、
エンジン出力軸に整列して配置される第1軸(以下、
「入力軸」とする。)37上に配置されており、エンジ
ン2(E/G)及びモータ・ジェネレータ(M/G)3
よりロックアップクラッチ36を有するトルクコンバー
タ4を介して上記入力軸37に駆動力が伝達される。該
入力軸37には、トルクコンバータ4に隣接する機械式
オイルポンプ7及び電動オイルポンプ8、ブレーキ部3
4、プラネタリギヤユニット部31、クラッチ部35が
順に配置されている。
【0040】プラネタリギヤユニット部31はシンプル
プラネタリギヤ32とダブルピニオンプラネタリギヤ3
3から構成されている。該シンプルプラネタリギヤ32
は、サンギヤS1、リングギヤR1、及びこれらギヤに
噛合するピニオンP1を支持したキャリヤCRからな
り、また、該ダブルピニオンプラネタリギヤ33は、サ
ンギヤS2、リングギヤR2、並びにサンギヤS1に噛
合するピニオンP2及びリングギヤR2に噛合するピニ
オンP3を互に噛合するように支持するキャリヤCRか
らなる。そして、サンギヤS1及びサンギヤS2は、そ
れぞれ入力軸37に回転自在に支持された中空軸に回転
自在に支持されている。また、キャリヤCRは、前記両
プラネタリギヤ32,33に共通しており、それぞれサ
ンギヤS1,S2に噛合するピニオンP1及びピニオン
P2は一体に回転するように連結されている。
【0041】ブレーキ部34は、内径側から外径方向に
向って順次ワンウェイクラッチF1、ブレーキB1そし
てブレーキB2が配設されており、また、カウンタドラ
イブギヤ39はスプラインを介してキャリヤCRに連結
している。更に、リングギヤR2にワンウェイクラッチ
F2が介在しており、該リングギヤR2外周とケースと
の間にはブレーキB3が介在している。また、クラッチ
部35は、入力クラッチ(摩擦係合要素)であるフォワ
ードクラッチ(以下、単に「クラッチ」とする。)C1
及びダイレクトクラッチC2を備えており、該クラッチ
C1は、リングギヤR1外周に介在しており、また、該
ダイレクトクラッチC2は、不図示の可動部材の内周と
中空軸先端に連結されたフランジ部との間に介在してい
る。
【0042】副変速機構40は、入力軸37に平行に配
置された第2軸43に配設されており、これら入力軸3
7及び第2軸43は、ディファレンシャル軸(左右車
軸)45l ,45rからなる第3軸と合せて、側面視3
角状に構成されている。そして、該副変速機構40は、
シンプルプラネタリギヤ41,42を有しており、キャ
リヤCR3とリングギヤR4が一体に連結すると共に、
サンギヤS3,S4同士が一体に連結して、シンプソン
タイプのギヤ列を構成している。更に、リングギヤR3
がカウンタドリブンギヤ46に連結して入力部を構成
し、またキャリヤCR3及びリングギヤR4が出力部と
なる減速ギヤ47に連結している。更に、リングギヤR
3と一体サンギヤS3,S4との間にUDダイレクトク
ラッチC3が介在し、また一体サンギヤS3(S4)が
ブレーキB4にて適宜係止し得、かつキャリヤCR4が
ブレーキB5にて適宜係止し得る。これにより、該副変
速機構40は、前進3速の変速段を得られる。
【0043】また、第3軸を構成するディファレンシャ
ル装置50は、デフケース51を有しており、該ケース
51には前記減速ギヤ47と噛合するギヤ52が固定さ
れている。更に、デフケース51の内部にはデフギヤ5
3及び左右サイドギヤ55,56が互に噛合してかつ回
転自在に支持されており、左右サイドギヤから左右車軸
45l,45rが延設されている。これにより、ギヤ5
2からの回転が、負荷トルクに対応して分岐され、左右
車軸45l,45rを介して左右の前輪に伝達される。
【0044】上記クラッチC1,C2及びブレーキB
1,B,2B,3,B4,B5のそれぞれには、前述の
油圧制御装置6により制御された油圧が供給されること
により駆動制御される油圧サーボ(不図示)が備えられ
ており、該油圧サーボは、それらクラッチやブレーキに
隙間を介在させて配設されている複数の内摩擦板と外摩
擦板とを押圧するためのピストンを有して、それらクラ
ッチやブレーキの係合状態を操作自在になっている。な
お、以下の説明において、クラッチC1の係合直前の状
態とは、上記ピストン、内摩擦板及び外摩擦板のそれぞ
れの間に介在する隙間を詰めているで、かつクラッチC
1が係合しない状態である。
【0045】ついで、本自動変速機構5の作動を、図3
(b)に示す作動表に沿って説明する。1速(1ST)
状態では、クラッチC1,ワンウェイクラッチF2及び
ブレーキB5が係合する。これにより、主変速機構30
は、1速となり、該減速回転がカウンタギヤ39,46
を介して副変速機構40におけるリングギヤR3に伝達
される。該副変速機構40は、ブレーキB5によりキャ
リヤCR4が停止され、1速状態にあり、前記主変速機
構30の減速回転は、該副変速機構40により更に減速
されて、そしてギヤ47,52及びディファレンシャル
装置50を介して車軸45l,45rに伝達される。
【0046】2速(2ND)状態では、クラッチC1の
外、ブレーキB2が係合すると共に、ワンウェイクラッ
チF2からワンウェイクラッチF1に滑らかに切換わ
り、主変速機構30は2速状態となる。また、副変速機
構40は、ブレーキB5の係合により1速状態にあり、
この2速状態と1速状態が組合さって、自動変速機構5
全体で2速が得られる。
【0047】3速(3RD)状態では、主変速機構30
は、クラッチC1、ブレーキB2及びワンウェイクラッ
チF1が係合した上述2速状態と同じであり、副変速機
構40がブレーキB4を係合する。すると、サンギヤS
3,S4が固定され、リングギヤR3からの回転は2速
回転としてキャリヤCR3から出力し、従って主変速機
構30の2速と副変速機構40の2速で、自動変速機構
5全体で3速が得られる。
【0048】4速(4TH)状態では、主変速機構30
は、クラッチC1、ブレーキB2及びワンウェイクラッ
チF1が係合した上述2速及び3速状態と同じであり、
副変速機構40は、ブレーキB4を解放すると共にUD
ダイレクトクラッチC3が係合する。この状態では、リ
ングギヤR3とサンギヤS3(S4)が連結して、両プ
ラネタリギヤ41,42が一体回転する直結回転とな
る。従って、主変速機構30の2速と副変速機構40の
直結(3速)が組合されて、自動変速機構5全体で、4
速回転が得られる。
【0049】5速(5TH)状態では、クラッチC1及
びダイレクトクラッチC2が係合して、入力軸37の回
転がリングギヤR1及びサンギヤS1に共に伝達され
て、主変速機構30は、ギヤユニット31が一体回転す
る直結回転となる。また、副変速機構40は、UDダイ
レクトクラッチC3が係合した直結回転となっており、
従って主変速機構30の3速(直結)と副変速機構40
の3速(直結)が組合されて、自動変速機構5全体で、
5速回転が得られる。
【0050】後進(REV)状態では、ダイレクトクラ
ッチC2及びブレーキB3が係合すると共に、ブレーキ
B5が係合する。この状態では、主変速機構30にあっ
ては、後進回転が取り出され、また副変速機構40は、
ブレーキB5に基づきキャリヤCR4が逆回転方向にも
停止され、1速状態に保持される。従って、主変速機構
30の逆転と副変速機構40の1速回転が組合されて、
逆転減速回転が得られる。
【0051】なお、図3(b)において、三角印は、エ
ンジンブレーキ時に作動することを示す。即ち、1速に
あっては、ブレーキB3が係合して、ワンウェイクラッ
チF2に代ってリングギヤR2を固定する。2速、3
速、4速にあっては、ブレーキB1が係合して、ワンウ
ェイクラッチF1に代ってサンギヤS2を固定する。
【0052】次に、本発明に係る車輌の制御装置につい
て図1に沿って説明する。図1は本発明の実施の形態に
係る車輌の制御装置を示すブロック図である。図1に示
すように、車輌の制御装置は制御部(ECU)Uを備え
ており、該制御部Uは上述したエンジン(E/G)2、
油圧制御装置6、電動オイルポンプ(EOP)8、及び
モータ・ジェネレータ(M/G)3(図2参照)に接続
されている。また、該制御部Uには、例えば運転席に配
設されているシフトレバー22、ブレーキペダル(及び
サイドブレーキ)に設けられているブレーキセンサ2
3、自動変速機10の出力軸である上記車軸45l,4
5r上に設けられている出力軸回転センサ24、上記入
力軸37上に設けられている入力軸回転センサ25、上
記エンジン2に設けられているエンジン回転数センサ2
6、スロットル開度センサ27、が接続されており、更
に、バッテリ28、(室内)エアコン29等が接続され
ている。
【0053】制御部Uには、エンジン停止条件判定手段
11と、エンジン停止手段12、エンジン始動条件判定
手段13、エンジン始動手段14、電動オイルポンプ
(EOP)制御手段15、エンジン状態検出手段16、
クラッチ低圧制御手段17、回転数差検出手段18、発
進要求検出手段19、ニュートラル(N)制御手段2
0、及び学習制御手段21、が備えられている。
【0054】エンジン停止条件判定手段11は、例えば
車速センサ24により車輌が停止状態で、かつブレーキ
センサ23によりブレーキがONで、かつスロットル開
度センサ27によりスロットル開度が0%で、かつエン
ジン回転数センサ26によりエンジン回転数Neがアイ
ドル回転数付近であることが検出され、更に、バッテリ
の残量が充分あり、エアコンの稼動されてない、等の条
件に該当する際に、エンジン2の停止条件として判定す
る。すると、エンジン停止手段12は、該判定に基づい
てエンジン2を停止する。また、EOP制御手段15
は、上述ように機械式オイルポンプ7がエンジン2に連
動して停止するため、電動オイルポンプ8を駆動制御し
て油圧制御装置6に油圧を供給する。
【0055】エンジン始動条件判定手段13は、上述し
たエンジン停止手段12によりエンジン2が停止されて
いる状態から、発進要求以外のエンジン始動条件、つま
りバッテリの残量が不足する状態になった場合、又はエ
アコンが稼動されてエンジン2に連動する不図示のコン
プレッサが駆動された場合、等の条件が成立すると、エ
ンジン2の始動条件として判定する。すると、エンジン
始動手段14は、該判定に基づいてエンジン2を始動す
る。また、EOP制御手段15は、上記機械式オイルポ
ンプ7がエンジン2に連動して駆動し、油圧制御装置6
に油圧を供給するため、電動オイルポンプ7を停止制御
する。
【0056】クラッチ低圧制御手段17は、車輌が停車
中で、かつエンジン停止手段12によりエンジン2が停
止されている状態で、エンジン始動条件判定手段13に
よりエンジン2の始動条件が判定されると、該エンジン
2の出力が入力される入力軸37の回転と自動変速機構
5との係合を行うクラッチC1(図3参照)の油圧P
C1を低圧(詳しくは後述する)に制御する。またこの
際、エンジン始動手段14は、エンジン2が始動する前
に、上記クラッチ低圧制御手段17によりクラッチC1
の油圧PC1を低圧に下げる必要があるため、所定時間
Ta後にエンジン2の始動を行う。
【0057】エンジン状態検出手段16は、クラッチ低
圧制御手段17によりクラッチC1の油圧PC1を低圧
に制御した状態で、エンジン始動手段14によりエンジ
ン2の始動が完了したこと検出すると、クラッチ低圧制
御手段17によるクラッチC1の低圧制御を終了し、ニ
ュートラル(N)制御手段20によるニュートラル制御
を開始させる。
【0058】ニュートラル制御手段20には、エンジン
回転数センサ26と入力軸回転数センサ25とにより、
エンジン回転数Neと入力軸回転数Niとの回転数の差
を検出する回転数差検出手段18が接続されており、回
転数差検出手段18の検出に基づき、クラッチC1の油
圧PC1を、該クラッチC1を係合直前の状態となるよ
うな所定油圧(以下、「待機圧」とする。)PC1w
制御するようなニュートラル制御(詳しくは後述する)
を行う。また、該ニュートラル制御手段20には、スロ
ットル開度センサ27ないしブレーキセンサ23等に基
づいてドライバの発進要求を検出する発進要求検出手段
19が接続されており、該発進要求検出手段19の検出
に基づいてニュートラル制御を終了する。なお、本実施
の形態において、ニュートラル制御手段20は、上述の
ようにエンジン回転数Neと入力軸回転数Niとの回転
数差に基づいてクラッチC1の係合直前の状態となる待
機圧PC1wを検出しているが、これに限らず、自動変
速機10の状態(例えば入力軸回転数Niの変化、クラ
ッチC1の回転数変化など)に基づいて上記待機圧P
C1wを検出するようにしてもよい。
【0059】学習制御手段21は、上述のようにニュー
トラル制御を終了した際のベース圧PC1mを記憶し
(詳しくは後述する)、クラッチ制御手段17に出力す
る。それを受けたクラッチ制御手段17は、上述のよう
にクラッチC1の油圧PC1を低圧制御する際(エンジ
ン始動条件が判定された際)に、該油圧PC1を該待機
圧PC1wになるように低圧制御する。
【0060】ここで、通常のニュートラル制御について
図14に沿って説明する。図14はニュートラル制御の
一例を示すタイムチャートである。例えばシフトレバー
22がDレンジに選択されており、かつエンジンが停止
していない状態で車輌が停止する場合においては、図1
4に示すように、エンジン回転数Neが略一定のアイド
ル回転数である。時点taから時点tbにおいて、車輌
の速度が下がると、クラッチC1が係合しているため、
不図示の車輪から自動変速機構5を介して入力軸37の
回転数Niも降下する。この際、ニュートラル制御手段
20は、該入力軸回転数Niの降下率に基づいて車速が
ゼロになるときを推定する。なお、この状態では、入力
軸37とエンジン2との間に介在するトルクコンバータ
4がその回転の相違を吸収している状態である。
【0061】時点tbにおいて、入力軸回転数Niがゼ
ロになると、例えばスロットル開度センサ27によりス
ロットル開度が所定値以下であること、ブレーキセンサ
23によりブレーキがONであること、不図示の油温セ
ンサにより油温が所定温度以上であること、などを条件
として検出し、ニュートラル制御開始の判断を行う。該
ニュートラル制御開始の判断がなされると、時点tbか
ら時点tcにおいて、ニュートラル制御手段20は、ク
ラッチC1の油圧PC1を徐々に下げる(スイープダウ
ンする)クラッチ解放制御を行い、詳しくは後述するク
ラッチC1が係合直前の状態となるように該油圧PC1
を制御する。なお、入力軸回転数Niは、クラッチC1
の係合が断たれるので、トルクコンバータ4からのトル
クを受けて回転を開始する。
【0062】その後、時点tcから時点tdの間におい
て、クラッチC1の油圧PC1がその係合を断つように
制御され、入力軸37と車輪との動力伝達が断たれてい
る状態、即ち略々ニュートラル状態となるインニュート
ラル制御(詳しくは後述する)を行う。またこの際に、
ニュートラル制御手段20は、油圧制御装置6に信号を
出力し、例えばクラッチC1、ブレーキB1,B2,B
5を係合して、ワンウェイクラッチF1を係合させると
共にワンウェイクラッチF2の逆回転阻止によりヒルホ
ールド制御を行う。なお、入力軸回転数Niは、トルク
コンバータ4からのトルクにより回転されている状態と
なる。
【0063】時点tdにおいて、ドライバによる発進要
求(例えばブレーキペダルが所定踏力が所定量以下とな
る等)を検出すると、ニュートラル制御手段20は、イ
ンニュートラル制御を終了し、また、ヒルホールド制御
を終了する(ブレーキB1、B2を解放して1速状態に
する。)と共に、クラッチC1の油圧PC1を上昇させ
るクラッチ係合制御を行い、エンジン回転数Neと入力
軸回転数Niとの回転数差に応じて該クラッチC1を徐
々に係合(スウィープアップ)させる。すると、入力軸
37と停止している車輪とが係合され、入力軸回転数N
iが0となる。更に時点teにおいて、クラッチC1が
係合状態となると、トルクコンバータ4からのトルクに
より入力軸回転数Niが上昇し、係合しているクラッチ
C1を介して車輪が回転して、つまり車輌が発進する。
【0064】ついで、上記インニュートラル制御中につ
いて図15ないし図17に沿って詳細説明する。図15
はインニュートラル制御中の油圧制御を詳示するタイム
チャート、図16は入力クラッチが引きずり領域にある
場合を示すタイムチャート、図17は入力クラッチがス
リップ領域にある場合を示すタイムチャートである。図
15に示すように、インニュートラル制御中(図14に
示す時点tcから時点td)においては、上述のように
クラッチC1の油圧PC1が、該クラッチC1が係合直
前になるような油圧に制御されている。この状態で、ニ
ュートラル制御手段20は、クラッチC1の油圧PC1
を1段階の増圧分ΔPUPだけ増圧させ、回転数差検出
手段18によりエンジン回転数センサ26及び入力軸回
転数センサ25からエンジン回転数Neと入力軸回転数
Niとの回転数差ΔNを検出する。そして、ニュートラ
ル制御手段20は、該回転数差検出手段18により検出
された回転数差ΔNに基づく変化率ρ、つまり該回転数
差ΔNの変化量δとその時間との関係によりフィードバ
ック制御を開始する。
【0065】この際、図16に示すように、ニュートラ
ル制御手段20は、開始時点tS0より終了時点tS3
までのサンプリングタイムTsamを設定し、該サンプ
リングタイムTsamを例えば3等分することにより得
られる開始時点tS0より時点tS1までの第1時間T
S1、開始時点tS0より時点tS2までの第2時間T
S2及び該サンプリングタイムTsamのそれぞれに対
応した回転数差ΔNの変化量閾値ΔNRiを、それぞれ
変化量閾値ΔNRA、ΔNRB、ΔNRCとして基準変
化量ΔNに対して設定する。例えば入力クラッチC1
が係合せず、僅かに接触するような引きずり領域である
場合、第1時間TS1、第2時間TS2及びサンプリン
グタイムTsamの間に、回転数差ΔNの変化量δがそ
れぞれ設定された変化量閾値ΔNRA、ΔNRB、ΔN
RCを超えることがなく、該サンプリングタイムTsa
mを終えて再度クラッチC1の油圧PC1を増圧分ΔP
だけ増圧させ、繰り返して同様のサンプリングタイ
ムTsamの設定を行って、以降この制御を繰り返す。
【0066】図17に示ように、例えば時点tS4にお
いて、回転数差ΔNの変化量δが上記変化量閾値ΔN
RA(ΔNRB、ΔNRCの場合も同様であるので説明
を省略する)を超えた場合には、クラッチC1が係合を
開始してスリップ領域にあるとして、クラッチC1の油
圧PC1を1段階の減圧分ΔPDOWNだけ減圧すると
共に、上記サンプリングタイムTsamの設定し、つま
り上述と同様に開始時点tS4より終了時点tS7まで
のサンプリングタイムTsamと、開始時点t より
時点tS5までの第1時間TS1と、開始時点tS4
り時点tS6までの第2時間TS2とに対応した回転数
差ΔNの変化量閾値ΔNRA、ΔNRB、ΔNRCを基
準変化量ΔNに対して設定する。この場合、クラッチ
C1の油圧PC1が1減圧分ΔPDOWNだけ減圧され
ているため、クラッチC1の係合状態は、スリップ領域
より引きずり領域に戻される形であるので、回転数差Δ
Nの変化量δは略々変化せず、開始時点tS4より終了
時点tS7までのサンプリングタイムTsamが終了す
る。すると、再度クラッチC1の油圧PC1を増圧分Δ
UPだけ増圧させるが、同様に変化量δが変化量閾値
ΔNRAを超えて、クラッチC1の油圧PC1が1段階
の減圧分ΔPDOWNだけ減圧される。これにより、エ
ンジン回転数Neと入力回転数Niとの回転数差ΔNの
変化率ρに基づくフィードバック制御が行われる。
【0067】つづいて、本発明に係る車輌の制御装置の
制御について図4ないし図12に沿って説明する。図4
及び図5は本発明に係る車輌の制御装置の制御を示すフ
ローチャート、図6はクラッチ解放制御S50を示すフ
ローチャート、図7はインニュートラル制御S130を
示すフローチャート、図8はクラッチ係合制御S150
を示すフローチャート、図9及び図10はインニュート
ラル制御におけるフィードバック制御S132を示すフ
ローチャート、図11はフィードバック制御における閾
値の更新処理S132dを示すフローチャート、図12
は電動オイルポンプ(EOP)制御を示すフローチャー
トである。なお、図4に示すは図7のに、図7に示
すは図4のに、図4に示すは図5のに、図4に
示すは図5のに、図4に示すは図5のに、図4
に示すは図5のに、図9に示すは図10のに、
図9に示すは図10のに、それぞれ接続されている
ことを示している。
【0068】まず、電動オイルポンプ(EOP)制御S
200について図12に沿って説明する。制御をスター
トすると(S201)、エンジン回転数Neが例えばア
イドリング回転数よりも低い値である第1の所定値以下
であるか否かを判定し(S202)、該第1の所定値以
下である場合には電動オイルポンプ8を駆動し(S20
3)、機械式オイルポンプ7がエンジン2と連動して停
止(ないし駆動力の低下)したことに伴う油圧供給の停
止(ないし低下)を該電動オイルポンプ8の油圧供給に
より補う。また、ステップS202において、エンジン
回転数Neが第1の所定値以下でない場合には、ステッ
プS204に進み、エンジン回転数Neが第2の所定値
以上であるか否かを判定する(S204)。エンジン回
転数Neが第2の所定値以上でない場合は、そのまま電
動オイルポンプ8を駆動又は停止状態に維持する。ま
た、エンジン回転数Neが第2の所定値以上である場合
には、電動オイルポンプ8を停止する(S205)。
【0069】以上のように、機械式オイルポンプ7の油
圧供給がエンジン回転数Neに比例して上下するので、
該機械式オイルポンプ7の油圧供給が下がった場合に
は、電動オイルポンプ8により油圧供給を行う。それに
より、クラッチC1の油圧P に常に油圧供給を行う
ことができる。なお、第1の所定値と第2の所定値との
値を相違させることにより、ハンチングを防止すること
ができる。また、以下の説明において、エンジン2の停
止は電動オイルポンプ8の駆動を意味し、エンジン2の
始動は電動オイルポンプ8の停止を意味するが、その説
明を省略する。
【0070】ついで、本発明に係る車輌の制御装置の制
御が制御部Uにより制御を開始されると(S10)、ま
ず上述した各センサ(図1参照)からの入力信号を処理
し(S20)、エンジン停止条件判定手段11により停
止条件が判定されてエンジン停止手段12によってエン
ジン2が自動停止中であるか否かを判定する(S3
0)。エンジン2が自動停止中でない、つまりエンジン
2が駆動中である場合は、ステップS40に進み、例え
ばブレーキON、スロットル開度が所定値以下、車速が
(推定)ゼロ、シフトレンジがDレンジ、などの条件に
基づくニュートラル制御開始の条件が成立しているか否
か判定する。該条件に該当しない場合は、車輌が走行中
であるか、又は発進要求があるような場合であるので、
を介して図5中のステップS170に進み、そのまま
リターンする。
【0071】ステップS40において、ニュートラル制
御開始の条件が成立すると(図14の時点tb参照)、
ステップS50に進み、ニュートラル制御手段20は上
述したようなニュートラル制御を開始する。該ニュート
ラル制御においては、図6に示すように、まず、クラッ
チC1の油圧PC1を下げてクラッチC1を解放制御
(図14の時点tbから時点tc参照)を開始し(S5
1)、クラッチC1の油圧PC1を待機圧PC1wにス
イープダウンする(S52)。そして、回転数差検出手
段18により検出されるエンジン回転数Neと入力軸回
転数Niとの回転数差ΔNが所定以内になったか否かを
判定する(S53)。該回転数差が所定以内になってい
ない場合は(ステップS53のNo)、つまりクラッチ
C1の油圧PC1が目標とする待機圧PC1wになって
いないため、上記スイープダウン(S53)を継続す
る。その後、該回転数差ΔNが所定以内になると(ステ
ップS53のYes)、上記スイープダウンを終了する
(S54)。
【0072】上記スイープダウンを終了すると(つまり
S50を終了すると)、該クラッチC1の解放制御が終
了したか否か判断する(S70)。該クラッチC1の解
放制御が終了していない場合は、ステップS50に戻
り、クラッチC1の解放制御を再度行う。そして、クラ
ッチC1の油圧PC1が待機圧PC1wになり、クラッ
チ解放制御が終了したことを判定すると(ステップS7
0のYes)、を介して図5中のステップS130に
進む。また、この間に、ニュートラル制御終了の条件、
つまりスロットル開度が所定値以上、ブレーキがOFF
などに基づく発進要求が発進要求検出手段19により検
出された場合、又はシフトレンジが非走行レンジ以外
(例えばN、Pレンジなど)に選択された場合、などの
条件が成立すると(S60)、該ニュートラル制御を終
了する。この際は、を介して図5中のステップS15
0に進み、クラッチC1の解放途中にある油圧PC1
再び上昇させて係合させるため、後述するクラッチ係合
制御を行う。なお、シフトレンジが非走行レンジに選択
された場合には、クラッチC1の係合(S150)は行
わずに、クラッチC1の油圧PC1を解放する。
【0073】上述のように、クラッチC1の解放制御が
終了すると(S70)、図5中のステップS130にお
いて、インニュートラル制御(図14の時点tcから時
点td参照)を開始する。該インニュートラル制御にお
いては、図7に示すように、まず、インニュートラル制
御を開始し(S131)、上述したエンジン回転数Ne
と入力軸回転数Niとの回転数差ΔNに応じたクラッチ
C1の油圧PC1の制御を行う(S132)。
【0074】図9に示すように、該回転数差ΔNに応じ
たクラッチC1の油圧PC1の制御を開始すると(S1
32a)、まず、回転数差ΔNをエンジン回転数Neと
入力回転数Niとの差より検出しつつ(S132b)、
上述したサンプリングタイムTsam(図16、図17
参照)が経過したか否かを判定する(S132c)。該
制御の初期状態では、サンプリングタイムTsamが経
過していないとして(S132のNo)、ステップS1
32dに進み、回転数差ΔNの変化量閾値を更新(設
定)の制御を開始する。
【0075】該ステップS132dに進むと、図11に
示すように、閾値更新処理を開始し(S132d−
1)、まず、サンプリングタイムTsamが第1時間T
S1を経過したか否かを判定し(S132d−2)、該
第1時間TS1が経過していない場合は(S132d−
2のNo)、変化量閾値ΔNRiを該第1時間TS1
対応した変化量ΔNRAに設定して(S132d−
3)、リターンする(S132d−7)。また、該該第
1時間TS1が経過している場合は(S132d−2の
Yes)、サンプリングタイムTsamが第2時間T
S2を経過したか否かを判定し(S132d−4)、該
第2時間TS2が経過していない場合は(S132d−
4のNo)、変化量閾値ΔNRiを該第2時間TS2
対応した変化量ΔN RBに設定して(S132d−
5)、リターンする(S132d−7)。そして、該該
第2時間TS2が経過している場合は(S132d−4
のYes)、変化量閾値ΔNRiをサンプリングタイム
Tsamに対応した変化量ΔNRCに設定して(S13
2d−6)、リターンし(S132d−7)、以上の制
御を繰り返し行う。
【0076】ついで、図9に示すように、上記ステップ
S132dにおいて変化量閾値の更新の制御を行いつ
つ、変化量δが変化量閾値ΔNRiを超えたか否かを判
定する(S132e)(図16、図17参照)。変化量
δが変化量閾値ΔNRiを超えていない場合には(S1
32eのYes)(図16参照)、つまりクラッチC1
が引きずり領域であるので、を介してステップS13
2mに進み、ステップS132aにリターンする。ま
た、変化量δが変化量閾値ΔNRiを超えている場合に
は(S132eのNo)(図17参照)、クラッチC1
がスリップ領域であると判断して、上述のようにクラッ
チC1の油圧サーボの油圧PC1を1段階の減圧分ΔP
DOWNだけ減圧し、後述するカウンタCを例えば
「1」加算して、サンプリングタイムTsamをリセッ
トする(S132f)。そして、該クラッチC1の油圧
C1がスリップ領域であると判断される前、即ち引き
ずり領域であった最後の段階の油圧PC1を待機圧P
C1mとして記憶し(S132g)、その後は、を介
してステップS132mに進んでステップS132aに
リターンする。なお、この際に記憶する待機圧PC1m
は、該クラッチC1の油圧P がスリップ領域である
と判断される前の油圧PC1であるが(即ち、一段階増
圧される前の油圧であるが)、1段階の減圧分ΔP
DOWNだけ減圧した後の油圧PC1であってもよい。
【0077】一方、上記ステップS132cにおいて、
サンプリングタイムTsamが経過していると判定され
た場合には(S132cのYes)、を介してステッ
プS132hに進み、変化量δの絶対量が該サンプリン
グタイムTsamに対する変化量閾値ΔNRCを超えて
いるか否かを判定する。上記ステップS132eにおい
て、変化量δが変化量閾値ΔNRCを超えていない場合
には(S132hのNo)、例えば図16に示すような
1段階増圧された場合に拘らず変化量δが変化量閾値Δ
RCを超えていない場合と、例えば図17に示すよう
な1段階減圧されて次回の増圧まで変化量δが変化量閾
値ΔNRCを超えない場合と、の2通りがある。そこ
で、カウンタ閾値Cを設定し、上述したサンプリング
タイムTsamがリセットされた場合に対して例えば
「1」加算されるカウンタCに基づいて、それらの判定
を行う。例えば図16に示すような1段階増圧された場
合に拘らず引きずり領域であって、変化量δが変化量閾
値ΔNRCを超えていない場合は、カウンタCがカウン
タ閾値CR以下であって(ステップS132iのYe
s)、クラッチC1の油圧PC1を1段階増圧すると共
に、カウンタCを例えば「1」減算して(S132
j)、リターンする(S132m)。また、図17に示
すような1段階減圧された後の引きずり領域であって、
変化量δが変化量閾値ΔNRCを超えていない場合は、
カウンタCがカウンタ閾値CR以上(即ち、サンプリン
グタイムTsamが繰り返しリセットされていくこと
で、カウンタCが繰り返し加算された状態)であって
(ステップS132iのNo)、そのままリターンし
(S132m)、つまり図17に示すようにサンプリン
グタイムTsamの間において、クラッチC1の油圧P
C1が増圧されることはない。
【0078】そして、図17に示すように、サンプリン
グタイムTsamが終了した場合に1段階増圧され、ス
テップS132hにおいて変化量δが変化量閾値ΔN
RCを超えると(S132hのYes)、この際のクラ
ッチC1はスリップ領域であるはずなので、1段階減圧
し(S132k)、上記ステップS132gと同様に、
該クラッチC1の油圧PC1がスリップ領域であると判
断される前、即ち引きずり領域であった最後の段階の油
圧PC1を待機圧PC1mとして記憶し(S132
l)、ステップS132mに進んでステップS132a
にリターンする。なお、この際も同様に記憶する待機圧
C1mは、該クラッチC1の油圧PC1がスリップ領
域であると判断される前の油圧PC1であるが(即ち、
一段階増圧される前の油圧であるが)、1段階の減圧分
ΔPDOWNだけ減圧した後の油圧P であってもよ
い。
【0079】以上のように回転数差に応じたクラッチC
1の油圧PC1の制御を行うと(S132)、まず、イ
ンニュートラル制御を終了するか否かを判断し(S13
4)、終了しない場合は(ステップS134のNo)、
インニュートラル制御を継続する。その後、発進要求検
出手段19によりドライバの発進要求(ブレーキがOF
F、スロットル開度が所定値以上、等)を検出した場
合、或いはシフトレンジが前進レンジ以外に選択された
場合には、インニュートラル制御を終了し(S134の
Yes)、上述のように待機圧PC1wを学習(記憶)
して(S135)、終了する(S136)。また、この
間に、エンジン回転数Neが所定回転数以下になったこ
とを検出すると、エンジン2が自動停止されたことを判
定し(S133)、を介してステップS9に進み、ク
ラッチ低圧待機指令(詳しくは後述する)を行う。
【0080】上記インニュートラル制御(S130)が
終了すると、ニュートラル制御終了の条件、つまり発進
要求検出手段19によりドライバの発進要求(ブレーキ
がOFF、スロットル開度が所定値以上、等)を検出し
た場合、或いはシフトレンジがDレンジ以外に選択され
た場合などの条件が成立しているか否かを判定し(S1
40)、該条件が成立していない場合は(ステップS1
40のNo)、再度インニュートラル制御(S130)
を行う。また、該条件が成立している場合は(ステップ
S140のYes)(図12、及び図14の時点td参
照)、クラッチ係合制御を行う(S150)。該クラッ
チ係合制御では、図8に示すように、まず、クラッチ係
合制御を開始し(S151)、上述のようにエンジン回
転数Neと入力軸回転数Niとの回転数差ΔNに応じて
クラッチC1の油圧PC1をスイープアップする(S1
52)。そして、クラッチC1の油圧PC1が所定圧以
上であるか否かを判定し(S153)、該クラッチC1
の油圧PC1が所定圧以上でない場合には(ステップS
153のNo)、上記スイープアップを継続する。その
後、該クラッチC1の油圧PC1が所定圧以上になると
(ステップS153のYes)、クラッチ係合制御を終
了し(S154)、ステップS160に進む。
【0081】ステップS160において、クラッチC1
の係合制御が終了しているか否かを判定し、該係合制御
が終了していない場合には(ステップS160のN
o)、再度クラッチ係合制御を行う。そして、上述のよ
うにクラッチC1の油圧PC1が所定圧以上になり、該
係合制御が終了している場合には(ステップS160の
Yes)、ステップS170に進み、ステップS10に
リターンする。
【0082】つづいて、本発明の要部である、車輌の停
止状態においてエンジン2の停止状態から発進要求以外
の始動条件によりエンジン2が再始動した際の制御につ
いて図4ないし図13にそって説明する。図13は車輌
の停止状態においてエンジン停止状態からエンジンの再
始動が行われた際を示すタイムチャートである。例えば
図13の時点t1に示すように、車輌が停車すると共に
エンジン停止条件が成立し、エンジン停止条件判定手段
11により判定されると、つまりエンジン制御指令が
「停止」となって、エンジン停止手段12によりエンジ
ン2の停止が開始される。なお、この際、モータ・ジェ
ネレータ3を逆駆動し、エンジン停止に伴うショックの
低減を行う。また、該エンジン停止に伴って、機械式オ
イルポンプ7が連動して停止するため、時点t2におい
て、EOP制御手段15により電動オイルポンプ8がO
Nされる。時点t3において、エンジン停止が完了する
と、モータ・ジェネレータ3も停止され、エンジン停止
が完了する。すると、図4中のステップS30におい
て、エンジン2が自動停止中であると判定され、まず、
エンジン2が自動再始動したか否かを判定する(S8
0)。エンジン2がそのまま停止している場合には(S
80のNo)、を介してステップS170に進み、つ
まり何れの制御も行わないので、クラッチC1は係合さ
れている状態(例えば通常のDレンジの状態)である。
【0083】時点t4において、上述したような発進要
求以外のエンジン始動条件(例えばバッテリ残量の不
足、エアコンのONなどに伴うエンジン始動条件)が成
立すると、エンジン制御指令が「始動」になると共に、
エンジン始動条件判定手段13により判定され、つまり
エンジン自動再始動の判定がなされる(ステップS80
のYes)。すると、まず、クラッチ低圧制御手段17
によりクラッチC1の油圧PC1を目標の一定圧である
待機圧PC1wになるように低圧制御が開始される(S
90)。一方、エンジン始動手段13は、不図示のタイ
マなどにより所定時間Taが経過するまでエンジン2の
始動を開始せず、該所定時間Ta後にエンジン2の始動
を開始する。つまり、クラッチC1の油圧PC1を低圧
制御する間、エンジン2を始動しないので、クラッチC
1が係合状態でエンジン2の始動することを防止するこ
とができる。即ち、発進要求以外の(つまりドライバの
予期しない)エンジン2の再始動によりショックや振動
等の不快感をドライバに与えることを防止することがで
きる。
【0084】時点t5において、所定時間Taが経過す
ると、エンジン始動手段14はエンジン2の始動を開始
する。一方、時点t6において、エンジン2の始動に連
動して機械式オイルポンプ7が駆動するので、EOP制
御手段15により電動オイルポンプ8がOFFされる。
そして、時点t7において、エンジン2の始動が完了
し、エンジン状態検出手段16により該エンジン2の始
動が検出されると(S100)、ニュートラル制御手段
20によりインニュートラル制御を開始する(S13
1)。なお、この間(時点t5から時点t7の間)にお
いて、発進要求検出手段19によりドライバの発進要求
が検出された場合には(S110)、クラッチC1を係
合させるため、上記低圧制御により下げられた油圧P
C1を再び上昇させてクラッチを係合し(S120)、
車輌を発進させて、上述の制御を繰り返す(S17
0)。なお、エンジン状態検出手段16により例えばエ
ンジン回転数Neが所定回転数以上であることなどが検
出された際に、ニュートラル制御手段20によりインニ
ュートラル制御を開始するようにしてもよい。
【0085】時点t7において、インニュートラル制御
を開始すると(S130)、上述のように回転数差検出
手段18により検出される回転数差ΔNに応じてクラッ
チC1の油圧PC1をフィードバック制御するので、ク
ラッチC1を的確に係合直前の状態にすることができ
る。その後、時点t8において、発進要求検出手段19
がドライバの発進要求を検出すると(或いはシフトレン
ジが前進レンジ以外に選択されたことを検出すると)、
ニュートラル制御手段20はインニュートラル制御を終
了してフィードバック制御を解除すると共に、学習制御
手段21が次回のクラッチC1の低圧制御を上述した待
機圧PC1wに基づいて行えるように解除する際の待機
圧PC1wを記憶する(S132g、S132l)。そ
して、クラッチC1の係合制御を行い(S150及びS
160)、車輌を発進させる。
【0086】このように、ニュートラル制御手段20
は、エンジン始動後にニュートラル制御を行ってクラッ
チC1を係合直前の状態にすることで、ドライバの発進
要求があった際にクラッチC1の係合が遅れることを防
止している。また、学習制御手段21は、次回のクラッ
チC1の低圧制御を待機圧PC1wに基づいて行えるよ
うに上記解除する際の待機圧PC1wを記憶すること
で、クラッチ低圧制御手段17により低圧制御を行う際
に、クラッチC1の油圧PC1を該クラッチC1が係合
直前の状態となる最適な油圧に低圧制御する。それによ
り、経時的変化等に対応する低圧制御を行うことを可能
とし、発進要求以外のエンジン2の再始動によりショッ
クや振動等の不快感をドライバに与えずに、経時的変化
等に対応している。
【0087】なお、本発明に係る実施の形態において、
電動オイルポンプ8及びEOP制御手段15により常に
クラッチC1の油圧サーボに油圧供給されているため、
上記クラッチ低圧制御手段17の行う制御は、エンジン
2の再始動制御の際に係合直前の油圧に下げる制御であ
るが、電動オイルポンプ8及びEOP制御手段15を備
えていないような車輌においては、クラッチ低圧制御手
段17の制御を、エンジン2の再始動制御によって駆動
された機械式オイルポンプ7によりクラッチC1の油圧
サーボの油圧供給が上昇してくる油圧を係合直前の油圧
に抑える制御としてもよい。
【0088】以上のように、本発明に係る車輌の制御装
置は、車輌が停車状態であり、かつエンジン2が自動停
止制御されている状態にて、該エンジン2が再始動制御
されると、クラッチ低圧制御手段17がクラッチC1の
油圧PC1をクラッチC1が係合直前の状態になるよう
な所定油圧である待機圧PC1wに低圧制御するため、
このままでは、例えば該クラッチC1の磨耗や供給され
る油圧の変化等により該クラッチC1の係合直前となる
油圧が変化する場合などの経時的変化に対応することが
できないが、ニュートラル制御手段20がエンジン始動
後にフィードバック制御を開始してクラッチC1の油圧
C1を係合直前の状態にするので、ドライバの発進要
求があった際にクラッチC1の係合が遅れることを防止
することができるものでありながら、上述のような経時
的変化にも対応することができる。また、ニュートラル
制御手段20は、クラッチ低圧制御手段17により低圧
制御された待機圧PC1wをフィードバック制御の開始
油圧にするので、比較的短時間でクラッチC1を精度よ
く係合直前の状態にすることができる。更に、ニュート
ラル制御手段20は、回転数差ΔNの変化率ρ(サンプ
リングタイムTsamにおける変化量δ)に基づいてフ
ィードバック制御を行うので、クラッチC1を的確に係
合直前の状態にすることができる。
【0089】なお、本実施の形態において、クラッチC
1の待機圧PC1wをエンジン回転数Neと入力軸回転
数Niとの回転数差に基づいて設定しているが、例えば
クラッチC1に回転数センサを設ける、入力軸37に加
速度センサを設ける、等でもよく、これらに限らず、ク
ラッチC1が係合直前の状態であることを検出できるも
のであれば何れのものでもよい。
【0090】また、本実施の形態においては、入力クラ
ッチの油圧におけるニュートラル制御よってエンジン2
と駆動車輪との動力伝達を断ち、かつ直ぐに係合し得る
ように制御しているが、その他のクラッチ、ブレーキ、
また、複数のクラッチ、複数のブレーキ、クラッチとブ
レーキとの組合せ、などの油圧におけるニュートラル制
御であってもよく、これに限らず、エンジン2と駆動車
輪との動力伝達を断ち、かつ直ぐに係合し得るようにニ
ュートラル制御できるものであればよい。
【0091】更に、本実施の形態において、ニュートラ
ル制御手段20は、回転数差検出手段18により検出さ
れた回転数差ΔNの変化率ρ(サンプリングタイムTs
amにおける変化量δ)に基づいてフィードバック制御
を行っているが、例えば回転数差ΔNを、クラッチC1
が係合直前の状態になるような予めきめられた目標回転
数差に対してフィードバック制御するようにしてもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る車輌の制御装置を示
すブロック図。
【図2】本発明に係る車輌の駆動系を示すブロック模式
図。
【図3】本発明に適用される自動変速機構を示す図で、
(a)は自動変速機構5のスケルトン図、(b)はその
作動表。
【図4】本発明に係る車輌の制御装置の制御を示すフロ
ーチャート。
【図5】本発明に係る車輌の制御装置の制御を示すフロ
ーチャート。
【図6】クラッチ解放制御を示すフローチャート。
【図7】インニュートラル制御を示すフローチャート。
【図8】クラッチ係合制御を示すフローチャート。
【図9】インニュートラル制御におけるフィードバック
制御を示すフローチャート。
【図10】インニュートラル制御におけるフィードバッ
ク制御を示すフローチャート。
【図11】フィードバック制御における閾値の更新処理
を示すフローチャート。
【図12】電動オイルポンプ(EOP)制御を示すフロ
ーチャート。
【図13】車輌の停止状態においてエンジン停止状態か
らエンジンの再始動が行われた際を示すタイムチャー
ト。
【図14】ニュートラル制御の一例を示すタイムチャー
ト。
【図15】インニュートラル制御中の油圧制御を詳示す
るタイムチャート。
【図16】入力クラッチが引きずり領域にある場合を示
すタイムチャート。
【図17】入力クラッチがスリップ領域にある場合を示
すタイムチャート。
【符号の説明】 2 エンジン 4 流体伝動装置(トルクコンバータ) 7 機械式オイルポンプ 8 電動オイルポンプ 10 自動変速機 13 エンジン始動条件判定手段 14 エンジン始動手段 15 電動オイルポンプ制御手段 16 エンジン状態検出手段 17 クラッチ低圧制御手段 18 回転数差検出手段 19 発進要求検出手段 20 ニュートラル制御手段 23 ブレーキペダルの操作状態(ブレーキセンサ) 27 スロットル開度(センサ) 28 バッテリ 29 エアコン 37 入力軸 C1 クラッチ(入力クラッチ) Ne エンジン回転数 Ni 入力軸回転数 ΔN 回転数差 PC1 (入力クラッチの)油圧サーボの油圧 PC1w 所定油圧(待機圧) Ta 所定時間 ρ (回転数差の)変化率
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 45/00 362 F02D 45/00 362H 364 364Z // F16H 59:24 F16H 59:24 59:42 59:42 59:54 59:54 59:74 59:74 63:12 63:12 (72)発明者 犬塚 武 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 久保 孝行 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 Fターム(参考) 3G084 BA03 FA05 FA06 FA10 FA33 3G092 AA01 AC02 AC03 BA03 GA01 GA04 GB10 HA06Z HF02Z HF03X HF13X HF21Z HF26Z 3G093 AA05 AA07 CA04 CB01 DA01 DA06 DA12 DA13 DB05 DB15 EA03 EB03 EC04 3J552 MA02 MA12 NA01 NB01 NB08 PA20 PA52 RB17 RC01 SA53 TA01 UA05 UA07 VA32Y VA52W VC01W VC03W VD11W

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 停止条件に基づいてエンジンを自動停止
    制御し、始動条件に基づいて該エンジンを再始動制御す
    る車輌の制御装置において、 前記エンジンの出力と前記駆動車輪との動力伝達を係合
    自在な摩擦係合要素と、 前記摩擦係合要素の係合状態を操作自在な油圧サーボ
    と、 前記摩擦係合要素の係合状態に基づき、前記油圧サーボ
    の油圧を前記摩擦係合要素が係合直前の状態にフィード
    バック制御するニュートラル制御手段と、を備え、 前記ニュートラル制御手段は、前記エンジンが前記再始
    動制御された際に、前記油圧サーボの油圧が所定油圧に
    制御された後、前記フィードバック制御を開始する、 ことを特徴とする車輌の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記エンジンの出力が入力される入力軸
    と駆動車輪との間に介在し、流体伝動装置と複数の摩擦
    係合要素により伝動経路を切換えられるギヤ伝動手段と
    を有し、前記複数の摩擦係合要素の接・断により前記入
    力軸の回転を変速して前記駆動車輪に出力する自動変速
    機を備え、 前記摩擦係合要素は、前記複数の摩擦係合要素のうち
    の、すくなくとも前進1速段に係合して前記入力軸の回
    転を接続する入力クラッチである、 請求項1記載の車輌の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記エンジンの回転数と前記入力軸の回
    転数との回転数差を検出する回転数差検出手段を備え、 前記ニュートラル制御手段は、前記回転数差検出手段の
    検出結果に基づいて前記摩擦係合要素の係合状態を検知
    し、前記フィードバック制御をしてなる、 請求項1または2記載の車輌の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記ニュートラル制御手段は、前記回転
    数差検出手段により検出される前記回転数差の変化率に
    基づきフィードバック制御してなる、 請求項3記載の車輌の制御装置。
  5. 【請求項5】 前記ニュートラル制御手段は、前記回転
    数差検出手段により検出される前記回転数差が目標回転
    数差になるようにフィードバック制御してなる、 請求項3記載の車輌の制御装置。
  6. 【請求項6】 前記エンジンの始動条件を判定するエン
    ジン始動条件判定手段と、 前記エンジン始動条件判定手段の判定に基づいて前記エ
    ンジンを始動するエンジン始動手段と、を備え、 前記エンジン始動条件判定手段は、発進要求以外のエン
    ジンの始動条件を判定し、前記再始動制御をしてなる、 請求項1ないし5のいずれか記載の車輌の制御装置。
  7. 【請求項7】 前記エンジン始動条件判定手段は、バッ
    テリの残量低下、又はエアコンの始動に基づいて前記発
    進要求以外のエンジンの始動条件を判定してなる、 請求項6記載の車輌の制御装置。
  8. 【請求項8】 前記発進要求を検出する発進要求検出手
    段を備え、 前記ニュートラル制御手段は、前記発進要求検出手段の
    検出に基づいて前記フィードバック制御を解除すると共
    に、前記油圧サーボの油圧を上昇して前記摩擦係合要素
    を係合してなる、 請求項6または7記載の車輌の制御装置。
  9. 【請求項9】 前記発進要求検出手段は、ブレーキペダ
    ルの操作状態、又はスロットル開度に基づいて前記発進
    要求を検出してなる、 請求項8記載の車輌の制御装置。
  10. 【請求項10】 前記所定油圧は、前記摩擦係合要素が
    係合直前の状態となる油圧からなる、 請求項1ないし9のいずれか記載の車輌の制御装置。
  11. 【請求項11】 前記所定油圧は、一定の目標油圧から
    なる、 請求項1ないし10のいずれか記載の車輌の制御装置。
  12. 【請求項12】 前記ニュートラル制御手段は、前記所
    定油圧を前記フィードバック制御の開始油圧にしてな
    る、 請求項1ないし11のいずれか記載の車輌の制御装置。
  13. 【請求項13】 前記エンジンの状態を検出するエンジ
    ン状態検出手段を備え、 前記ニュートラル制御手段は、前記エンジン状態検出手
    段により前記エンジン始動手段による前記エンジンの始
    動が完了したことを検出した際に、前記フィードバック
    制御を開始してなる、 請求項3ないし12のいずれか記載の車輌の制御装置。
  14. 【請求項14】 前記エンジンの状態を検出するエンジ
    ン状態検出手段を備え、 前記ニュートラル制御手段は、前記エンジン状態検出手
    段により前記エンジンが所定回転数以上であることを検
    出した際に、前記フィードバック制御を開始してなる、 請求項3ないし12のいずれか記載の車輌の制御装置。
  15. 【請求項15】 前記エンジンに連動して駆動し、前記
    油圧サーボの油圧を供給自在な機械式オイルポンプと、 前記油圧サーボの油圧を供給自在な電動オイルポンプ
    と、 前記エンジンの自動停止制御、又は前記エンジンの再始
    動制御に基づき、前記エンジンの自動停止制御中に前記
    電動オイルポンプを駆動制御する電動オイルポンプ制御
    手段と、を備え、 前記機械式オイルポンプ又は前記電動オイルポンプによ
    り常に前記油圧サーボの油圧を供給してなる、 請求項1ないし14のいずれか記載の車輌の制御装置。
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