JP2003074542A - スピンドルモータにおける軸支持方法 - Google Patents

スピンドルモータにおける軸支持方法

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JP2003074542A
JP2003074542A JP2001260655A JP2001260655A JP2003074542A JP 2003074542 A JP2003074542 A JP 2003074542A JP 2001260655 A JP2001260655 A JP 2001260655A JP 2001260655 A JP2001260655 A JP 2001260655A JP 2003074542 A JP2003074542 A JP 2003074542A
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thrust plate
sleeve
dynamic pressure
oil
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Satoru Sodeoka
覚 袖岡
Kaoru Uenosono
薫 上之園
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スラストプレート周辺における負圧の発生を
防止すると共に、安定した軸支持を可能とし、またスピ
ンドルモータの低コスト化が可能で損失の少ないな軸支
持方法を提供する。 【解決手段】 オイルを作動流体とするフルフィル構造
の動圧軸受を使用するスピンドルモータにおいて、シャ
フトの外周面及びスリーブの内周面の少なくとも一方の
面に形成される、軸線方向にアンバランスな形状のヘリ
ングボーングルーブと、スラストプレートの一方の面と
スリーブの端面の少なくとも一方の面に形成されるスパ
イラルグルーブのみによって動圧を誘起し、シャフト並
びにスラストプレートの浮上力は、ヘリングボーングル
ーブによって高められたオイル内圧を用いて発生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オイルに誘起され
る動圧を用いて軸支持するスピンドルモータの軸支持方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスク駆動用のスピンドルモー
タにおいて、オイルの動圧を利用して軸支持する動圧軸
受が採用されつつある。
【0003】スピンドルモータにおいて採用される動圧
軸受の概略構成を図1に示す。この従来の動圧軸受にお
いて、一端部側に半径方向外方に突設されるフランジ状
のスラストプレートbを備えたシャフトaと、これらシ
ャフトa並びにスラストプレートbが挿通される中空円
筒状のスリーブcと、スリーブcの開口部を閉塞しスラ
ストプレートbの下面と軸線方向に対向するスラストブ
ッシュdとを有している。シャフトa並びにスラストプ
レートbとスリーブc並びにスラストブッシュdとの間
には、それぞれ微小間隙が形成され、これら微小間隙中
には、潤滑流体としてオイルが途切れることなく、連続
して保持されている(このようなオイル保持構造を、以
下「フルフィル構造」と記す)。
【0004】このような動圧軸受において、シャフトa
の外周面とスリーブcの内周面との少なくとも一方に
は、動圧発生溝列e1,e2が軸線方向に離間して一対
形成され、一対のラジアル軸受部が構成される。また、
スラストプレートbの上側面とスリーブcの段部平面と
の少なくとも一方並びにスラストプレートbの下側面と
スラストブッシュdの内面の少なくとも一方にも、動圧
発生溝列f1,f2が形成されて一対のスラスト軸受部
が構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記動圧軸受では、各
軸受部の動圧発生溝列e1,e2,f1,f2におい
て、動圧発生溝として例えば反対方向に傾斜する一対の
スパイラルグルーブを連結して構成される「く」の字状
のヘリングボーングルーブを形成した場合、各軸受部で
は動圧が極大となる部位が現れ、比較的にオイルの内圧
が高く保たれるが、各軸受部間に位置する領域R1,R
2,R3に保持されるオイルは、ヘリングボーングルー
ブによって軸受部方向にポンピングされるため、オイル
の内圧が大気圧よりも低い負圧状態となる。オイルの内
圧が負圧状態となると、オイル中に溶け込んでいた空気
が膨張して気泡が発生する。
【0006】フルフィル構造の動圧軸受では、スリーブ
cの上端部側以外にオイルが外気と接しておらず、また
負圧領域の両側にはオイル内圧が高い軸受部が存在する
ため、オイル中に発生した気泡は軸受外部へは排出され
ず、そのまま各軸受間の領域R1,R2,R3に滞留す
ることとなる。このような気泡の滞留を放置すると、モ
ータの温度上昇や外部環境の圧力低下によって、気泡が
体積膨張し、オイルが微小間隙中から軸受外部へと漏れ
出してしまう。
【0007】このようなオイルの漏れ出しによって、オ
イルの保持量が低下すると、発生する動圧も低下して軸
受剛性が低下する。また、オイルの早期の枯渇を招き、
軸受としての耐久性、信頼性を低下させる原因となる。
加えて、気泡が拡大し、動圧発生溝の一部が空気中に露
出すると、NRRO(非繰り返し性振れ成分)が悪化
し、安定した軸支持が困難となる。
【0008】上記の如き問題に対して、一対のラジアル
軸受部間に位置する領域R1に保持されるオイルについ
ては、例えば上部側(オイル界面側)のラジアル軸受部
の動圧発生溝e1のうち、オイル界面側に形成されるス
パイラル溝部を下部側(下部ラジアル軸受部に向かう
側)のスパイラル溝部よりも大とすることにより、オイ
ル界面側から下部ラジアル軸受部側へと向かうオイルの
押し込み圧を発生することで解消可能である。しかしな
がら、スラストプレートb周辺では、一対のスラスト軸
受部間に位置するスラストプレートbの外周部の領域R
2の負圧を解消しようとして、各スラスト軸受部に保持
されるオイルに半径方向外方へ向かう動圧を誘起した場
合、スラストプレートbの半径方向内方側(各スラスト
軸受部の内周側)の領域R3が負圧となることから、気
泡の発生並びにこれに起因する種々の問題の解決が困難
である。
【0009】また、フルフィル構造の動圧軸受において
は、各動圧発生溝列において発生する動圧によってオイ
ル内圧が必要以上に高まり、シャフトa及びスラストプ
レートbがスラストブッシュdから所定量以上浮上する
過浮上が発生しやすい傾向にある。このような過浮上が
発生すると、スラストプレートbとスリーブcとの接触
による摩耗が発生し、軸受の耐久性を損なう原因とな
る。加えて、ハードディスク駆動用のスピンドルモータ
の場合、ハードディスクの高容量化にともない、ハード
ディスクの記録面と磁気ヘッドとが極めて近接配置され
ていることから、過浮上が発生すると、ハードディスク
と磁気ヘッドとの接触による破壊が発生する懸念があ
る。
【0010】更に、動圧軸受を形成するためには、軸受
を構成するシャフトaやスリーブc等の部材を高精度に
加工、組立する必要があり、スピンドルモータの低コス
ト化を阻害する原因となっている。また、動圧軸受で
は、オイルの粘性抵抗による損失が大きく、スピンドル
モータの消費電力量を抑制することが困難である。
【0011】本発明は、オイル動圧を利用して軸支持す
るスピンドルモータにおいて、スラストプレート周辺に
おける負圧の発生を防止すると共に、安定した軸支持を
可能とし、またスピンドルモータの低コスト化が可能で
損失の少ないな軸支持方法を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、中空円筒状のスリーブと、該スリーブの
内周面と隙間を介して半径方向に対向するシャフトと、
該シャフトの一方の端部において半径方向外方に延伸す
ると共に一方の面が該スリーブの一方の端面と隙間を介
して軸線方向に対向する円板状のスラストプレートと、
該スリーブに装着され該スラストプレートの他方の面並
びに該シャフトの端面と間隙を介して軸線方向に対向す
るブッシュと、該シャフト並びに該スラストプレートと
該スリーブ並びに該ブッシュとの間にそれぞれ形成され
る隙間内に途切れることなく連続して保持されるオイル
とを具備し、該シャフト並びに該スラストプレートと該
スリーブ並びに該ブッシュとの相対回転を該オイルに誘
起される動圧を用いて支持するスピンドルモータの軸支
持方法であって、前記動圧は、前記シャフトの外周面及
び前記スリーブの内周面の少なくとも一方の面に形成さ
れる、発生する動圧の極大部が前記スラストプレート側
に偏倚して現れるよう軸線方向にアンバランスな形状の
ヘリングボーングルーブと、前記スラストプレートの一
方の面と前記スリーブの端面の少なくとも一方の面に形
成されるスパイラルグルーブのみによって誘起され、前
記シャフト並びに前記スラストプレートの前記ブッシュ
に対する浮上力は、該ヘリングボーングルーブの発生す
る動圧を用いて発生させる、ことを特徴とする(請求項
1)。
【0013】上記構成において、シャフトの外周面とス
リーブの内周面との間に構成されるラジアル軸受部の動
圧発生溝である軸線方向にアンバランスなヘリングボー
ングルーブによって、スラストプレート側に偏倚した位
置にラジアル荷重を支持する動圧の極大点を発生すると
同時に、ラジアル軸受部の作用で高められたオイル内圧
がスラストプレート側に伝播される。この圧力によっ
て、シャフト並びにスラストプレートはブッシュから浮
上することとなる。
【0014】すなわち、フルフィル構造の動圧軸受を備
えたスピンドルモータにおいて、スラストプレートの他
方の面とブッシュとの間には、特に動圧軸受を構成せず
とも、ラジアル軸受部で発生した高いオイル内圧を利用
する、いわゆる静圧軸受の如き軸受部(このような軸受
を、以下「静圧軸受部」と記す)が構成されることとな
り、シャフト並びにスラストプレートの浮上力を得るこ
とが可能となる。
【0015】尚、シャフト並びにスラストプレートが充
分に浮上していないスピンドルモータの低速回転時に
は、スラスト軸受部の隙間寸法が設定寸法以上となり、
スパイラルグルーブによるポンピング力が不十分である
ので、ラジアル軸受部で発生した高いオイル内圧は、ス
ラストプレートの一方の面とスリーブの端面との間に構
成されるスラスト軸受部の動圧発生溝であるスパイラル
グルーブによって若干相殺されるが依然として高い圧力
を保ち、スラストプレート外周部を経て、スラストプレ
ートの他方の面とブッシュとの間に形成される間隙内に
保持されるオイルへと伝播される。しかしながら、シャ
フト並びにスラストプレートが所定量浮上すると、スラ
スト軸受部の隙間寸法が設定量となることから、スパイ
ラルグルーブによるポンピング力が高まり、ラジアル軸
受部側からの圧力の伝播が抑制され、過浮上の発生が防
止される。
【0016】また、ラジアル軸受部で発生した高いオイ
ル内圧がスラストプレート周辺に保持されるオイルにも
伝播されることで、スラストプレート周辺における負圧
の問題が解消され、気泡の発生にともなうオイルの漏
出、耐久性並びに信頼性の低下及びNRROの悪化等の
問題が防止されると共に、動圧軸受部の削減による加工
工数の削減によって低コスト化が可能となる。
【0017】更に、本発明は、前記シャフト一方の端部
は、前記スラストプレートよりも前記ブッシュ側に突出
して形成されていることを特徴とする(請求項2)。
【0018】シャフトの端面をブッシュ側に突出させる
ことで、間隙が小となる領域がシャフトの端面部のみに
制限されるので、オイルの粘性抵抗が大となる領域を小
径化することができ、軸受で発生する損失を抑制するこ
とが可能となる。
【0019】また、万一シャフト端面とブッシュとの接
触摺動が生じた場合も、その接触する範囲がシャフトの
端面部分に限定されるため、周速を低減することがで
き、摩耗が最小限に抑制される。
【0020】加えて、軸受としての機能を高めるために
高精度な加工が要求される領域も小径化するため、加工
が容易となり、歩留まりが向上する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る軸支持方法を
用いたスピンドルモータの実施形態について図面を参照
して説明するが、本発明は以下に示す実施例に限定され
るものではない。
【0022】(1)スピンドルモータの構成 図2に図示されるスピンドルモータは、外周部にハード
ディスク(不図示)が保持されるロータハブ2と、この
ロータハブ2に取付けられるシャフト4と、シャフト4
の自由端部(ロータハブ2に取付けられる側とは反対側
の端部)の外周面から半径方向外方に延伸する円板状の
スラストプレート6とから構成されるロータと、ブラケ
ット8の設けられた円筒状ボス部8aに固着されたスリ
ーブ10とを有する。ロータハブ2の内面側には、ロー
タマグネット12が接着等の手段によって取付けられ、
ブラケット8にはこのロータマグネット12と半径方向
に対向してステータ14が配置される。
【0023】スリーブ10には、スリーブ10を軸線方
向に貫通する貫通孔10aが形成されており、シャフト
4は、この貫通孔10aとの間に微小間隙を形成して挿
通される。スリーブ10の貫通孔10aの一方の開口側
には、スラストプレート6に対応して第1の段部10a
1が形成され、貫通孔10aより内径が拡大すると共
に、第1の端部10a1に連続して内径が更に拡大する
第2の段部10a2が形成される。第1の段部10a1
の平坦面はスラストプレート6の上側面との間に微小間
隙を形成すると共に、第1の段部10a1の内周面はス
ラストプレート6の外周面との間に隙間を形成してい
る。第2の段部10a2には、貫通孔10aの開口を閉
塞するスラストブッシュ16が取付けられており、この
スラストブッシュ16は、スラストプレート6の下側面
並びにシャフト4の自由端部側端面との間に隙間を形成
している。尚、シャフト4の自由端部側端面は、スラス
トプレート4の下側面よりもスラストブッシュ16側に
幾分突出しており、この突出量分スラストブッシュ16
との間に形成される隙間は狭くなっている。
【0024】これら貫通孔10aの内周面とシャフト4
の外周面との間に形成される微小間隙、第1の段部10
a1の平坦面とスラストプレート6の上側面との間の微
小間隙並びに第1の段部10a1の内周面とスラストプ
レート4の外周面との間の隙間、更には、スラストブッ
シュ16とスラストプレート6の下側面並びにシャフト
4の自由端部側端面との間の隙間は、全て連続してお
り、これら連続する各隙間には、オイルが途切れること
なく連続して保持されている。シャフト4のロータハブ
2取付部側近傍の外周面には、貫通孔10aの内周面と
の間に形成される微小間隙の半径方向の隙間寸法が、ロ
ータハブ2側に向かって漸次拡大するよう構成された環
状溝4aが設けられており、この環状溝4aと貫通孔1
0aの内周面との間にオイルの界面が形成される。
【0025】(2)軸受部の構成 スリーブ10の貫通孔10aの内周面には、シャフト4
の環状溝4aの軸線方向内方側に、相反する方向に傾斜
する一対のスパイラル溝を連結して構成される略「く」
の字状のヘリングボーングルーブ18aによる動圧発生
溝列が形成されており、シャフト4の外周面との間に上
部ラジアル動圧軸受部18が構成されている。このヘリ
ングボーングルーブ18は、環状溝4a側のスパイラル
溝部が他方のスパイラル溝部よりも軸線方向寸法が大に
形成されており、シャフト4の回転に応じて、軸受部の
中心からスラストプレート6側に偏倚した部位で軸支持
力をなす動圧の極大点が発生すると同時に、オイルに対
して界面側からスラストプレート6側に向かって押し込
む押し込み圧が生じるよう形成されている。この押し込
み圧によって、上部ラジアル動圧軸受部18で高められ
たオイル内圧がスラストプレート6側に伝播される。
【0026】また、スリーブ10の貫通孔10aの内周
面には、第1の段部10a1に隣接して、相反する方向
に傾斜する一対のスパイラル溝を連結して構成される略
「く」の字状のヘリングボーングルーブ20aによる動
圧発生溝列が形成されており、シャフト4の外周面との
間に下部ラジアル動圧軸受部20が構成されている。こ
のヘリングボーングルーブ20aは、上部ラジアル動圧
軸受部18に形成されるヘリングボーングルーブ18a
と同様に、上部ラジアル動圧軸受部18側のスパイラル
溝部が他方のスパイラル溝部よりも軸線方向寸法が大に
形成されており、シャフト4の回転に応じて、軸受部の
中心からスラストプレート6側に偏倚した部位で軸支持
力をなす動圧の極大点が発生すると同時に、上部ラジア
ル動圧軸受部18のヘリングボーングルーブ18aによ
って高められたオイル内圧に、下部ラジアル動圧軸受部
20で発生する動圧を付加してスラストプレート6側に
伝播する押し込み圧が発生する。
【0027】スリーブ10に形成された第1の段部10
a1の平坦面には、スパイラルグルーブ22aが形成さ
れており、スラストプレート6の上側面との間にスラス
ト動圧軸受部22が構成されている。このスパイラルグ
ルーブ22aは、スラストプレート6の回転に応じてオ
イルを半径方向内方、つまりシャフト4側に作用する動
圧が発生するよう、ポンプイン形状を有しており、スパ
イラルグルーブ22aによって発生した動圧と下部ラジ
アル動圧軸受部20で発生する動圧との協働によって、
スラストプレート6が第1の段部10a1から離間する
方向に作用する軸支持力が得られる。
【0028】更に、スラストプレート6の下側面よりス
ラストブッシュ16側に突出するシャフト4の自由端部
側端面と、スラストブッシュ16との間に形成される、
スラストプレート6の下側面とスラストブッシュ16と
の間に形成される隙間よりも軸線方向の隙間寸法が小で
ある隙間には、後に詳述するとおり、上部及び下部ラジ
アル動圧軸受部18,20で発生した動圧を利用する、
静圧軸受部24が構成される。
【0029】(3)軸支持方法 上記のとおり構成された各動圧軸受部による軸支持方法
について以下に詳述する。
【0030】スピンドルモータの低速回転時、上部及び
下部ラジアル動圧軸受18,20では、ヘリングボーン
グルーブ18a,20aによるポンピング力が高まり、
スラストプレート6側に作用する押し込み圧が生じる。
この状態で、ロータハブ2やシャフト4及びロータハブ
4に保持されるハードディスク(不図示)の自重で、ス
ラスト動圧軸受部22に形成される微小間隙の隙間寸法
は大となり、シャフト4及びスラストプレート6が回転
しても、スラスト動圧軸受部22では、微小間隙の寸法
が設定寸法以上であるので、スパイラルグルーブ22a
は、充分なポンピング力を発生していない。従って、ヘ
リングボーングルーブ18a,20aによって高められ
たオイル内圧は、スラスト軸受部22に形成されたスパ
イラルグルーブ22aの影響をさほど受けることなく、
スラスト動圧軸受部22及びスラストプレート6の外周
部を経てシャフト4の自由端部側端面とスラストブッシ
ュ16との間に形成される隙間内に保持されるオイルへ
と伝播され、そのオイル内圧が高められることによっ
て、静圧軸受部24としての機能が得られることとな
る。これにより、スピンドルモータが低速回転状態にあ
る低動圧時においても、シャフト4はスラストプッシュ
16に対して充分な浮上圧力を得ることができる。
【0031】スピンドルモータが徐々に加速していく
と、上部及び下部ラジアル軸受部18,20では、ヘリ
ングボーングルーブ18a,20aによるポンピング力
が強くなり、シャフト4の更に浮上させようとするが、
シャフト4の浮上にともない、スラスト軸受部22を構
成するスラストプレート6のシャフト4とともに浮上す
るので、スラスト軸受部22の隙間寸法が狭まり、スパ
イラルグルーブ22aによるポンピング力が高くなるの
で、半径方向内方に作用する動圧によって上部及び下部
ラジアル軸受部18,20による押し込み圧が相殺さ
れ、静圧軸受部24側へ向かう圧力は減少する。従っ
て、シャフト4が必要以上に浮上する過浮上の発生が抑
制される。
【0032】そしてスピンドルモータの定常回転時に
は、上部及び下部ラジアル動圧軸受部18,20によっ
て、ロータハブ2の姿勢を安定して保持するよう作用す
るラジアル方向の荷重支持圧を軸線方向に離間した2箇
所で発生し、また、スラスト動圧軸受部22と下部ラジ
アル動圧軸受部20との協働によって、ロータハブ2の
浮上を抑制し、過浮上の発生を防止するよう作用するア
キシャル方向の荷重支持力すると共に、静圧軸受部24
に保持される、上部及び下部ラジアル動圧軸受部18,
20によって充分に内圧が高められたオイルによる流体
潤滑によって、ロータハブ2等の自重に対向してシャフ
ト4及びスラストプレート6をスラストブッシュ16か
ら浮上させるよう作用するアキシャル方向の荷重支持力
を得ることができ、これら各軸受部の荷重支持力がバラ
ンスすることで、安定した軸支持が可能となる。
【0033】尚、各軸受部間に位置する、シャフト4の
外周面とスリーブ10の貫通孔10aの内周面との間に
形成される微小間隙のうち、上部及び下部ラジアル動圧
軸受部18,20間に位置する部位及びスラストプレー
ト6の外周面と第1の段部の内周面との間に形成される
隙間並びにスラストプレート6の下側面とスラストブッ
シュ16との間の隙間は、軸受としての機能を有さない
が、上部及び下部ラジアル動圧軸受部18,20で発生
するオイルの押し込み圧によって、これらラジアル動圧
軸受部18,20で発生した動圧が伝播されるため、こ
れら各軸受部間に位置する部位でオイルの内圧が大気圧
以下となることはない。
【0034】すなわち、負圧の発生による気泡の発生が
防止され、この気泡に起因する種々の問題が解消され
る。
【0035】以上、本発明に従う動圧軸受装置の一実施
形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限
定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することな
く種々の変形乃至修正が可能である。
【0036】例えば、シャフトやスリーブといった軸受
の構成部材は、アルミニウム系の材料、銅系材料、ステ
ンレス綱といった無垢の金属材あるいは銅粉末や鉄粉末
等を焼結した焼結材等から適宜選択して使用可能であ
る。
【0037】
【発明の効果】請求項1のスピンドルモータの軸支持方
法によれば、フルフィル構造の動圧軸受を備えたスピン
ドルモータにおいて、負圧の発生による気泡の発生が防
止されると同時にNRRO等による回転精度の悪化が防
止されると同時に、過浮上の発生が防止される。加え
て、加工コストが削減され、スピンドルモータの低コス
ト化が可能となる。
【0038】請求項2に記載のスピンドルモータの軸支
持方法によれば、部材の歩留まりを改善してスピンドル
モータの更なる低コスト化が可能となり、またシャフト
とブッシュとの間に接触摺動が発生しても、摩耗の発生
を最小限に留めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来の動圧軸受構造を示す断面図であ
る。
【図2】図2は、本発明の軸支持方法を備えたスピンド
ルモータの実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
4 シャフト 6 スラストプレート 10 スリーブ 16 スラストブッシュ 18a,20a ヘリングボーングルーブ 22a スパイラルグルーブ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空円筒状のスリーブと、該スリーブの
    内周面と隙間を介して半径方向に対向するシャフトと、
    該シャフトの一方の端部において半径方向外方に延伸す
    ると共に一方の面が該スリーブの一方の端面と隙間を介
    して軸線方向に対向する円板状のスラストプレートと、
    該スリーブの一方の端部に装着され該スラストプレート
    の他方の面並びに該シャフトの端面と間隙を介して軸線
    方向に対向するブッシュと、該シャフト並びに該スラス
    トプレートと該スリーブ並びに該ブッシュとの間にそれ
    ぞれ形成される隙間内に途切れることなく連続して保持
    されるオイルとを具備し、該シャフト並びに該スラスト
    プレートと該スリーブ並びに該ブッシュとの相対回転を
    該オイルに誘起される動圧を用いて支持するスピンドル
    モータの軸支持方法であって、 前記動圧は、前記シャフトの外周面及び前記スリーブの
    内周面の少なくとも一方の面に形成される、発生する動
    圧の極大部が前記スラストプレート側に偏倚して現れる
    よう軸線方向にアンバランスな形状のヘリングボーング
    ルーブと、前記スラストプレートの一方の面と前記スリ
    ーブの端面の少なくとも一方の面に形成されるスパイラ
    ルグルーブのみによって誘起され、前記シャフト並びに
    前記スラストプレートの前記ブッシュに対する浮上力
    は、該ヘリングボーングルーブの発生する動圧を用いて
    発生させる、ことを特徴とするスピンドルモータの軸支
    持方法。
  2. 【請求項2】 前記シャフト一方の端部は、前記スラス
    トプレートよりも前記ブッシュ側に突出して形成されて
    いる、ことを特徴とする請求項1に記載のスピンドルモ
    ータの軸支持方法。
JP2001260655A 2001-08-30 2001-08-30 スピンドルモータにおける軸支持方法 Withdrawn JP2003074542A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005282692A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Daido Metal Co Ltd スラスト軸受装置
CN100406193C (zh) * 2004-06-28 2008-07-30 日本电产株式会社 制造止推板和制造用于动压轴承的轴的方法

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