JP2003073972A - 光触媒加工糸、及びその製造方法、 - Google Patents

光触媒加工糸、及びその製造方法、

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JP2003073972A
JP2003073972A JP2001265769A JP2001265769A JP2003073972A JP 2003073972 A JP2003073972 A JP 2003073972A JP 2001265769 A JP2001265769 A JP 2001265769A JP 2001265769 A JP2001265769 A JP 2001265769A JP 2003073972 A JP2003073972 A JP 2003073972A
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yarn
fiber
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photocatalytic
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Nobuo Niwa
信夫 丹羽
Toshihide Arikawa
稔英 有川
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Shinshu Ceramics Co Ltd
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SHINSHU CERAMICS KK
Shinshu Ceramics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 「生地原反へ加工する方法」及び「製品へ後
加工する方法」をすることなく、光触媒加工された製品
を提供するために必要な光触媒加工糸を提供すること、
さらに当該加工糸の製造方法を提供することを主目的と
する。 【解決手段】 繊維本体部分と、その表面を覆う光触媒
被膜とからなる繊維1本、または複数本が束ねられて形
成されている光触媒加工糸であって、当該光触媒被膜
は、少なくとも光半導体粉末からなる光触媒機能体と、
バインダーとから形成されていることを特徴とする光触
媒加工糸を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒機能体を用
いた光触媒加工糸、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光半導体粉末を含有する光触媒機能体に
は優れた殺菌性、有機物の分解性があることが知られて
いる。本願出願人は、以前からこの性質に着目し、様々
な研究開発をしてきた。現在においては、例えば、光触
媒機能体を繊維に対して加工することにより、光触媒作
用(殺菌性、有機物の分解性等)を有する肌着、タオ
ル、寝具等を製造している。
【0003】これらを製造する際の光触媒加工は、主と
して生地原反に対して行うものであり、従ってこれらの
製品は、光触媒加工後の生地原反を裁断・縫製すること
により製造されている。また、生地原反には光触媒加工
を施さず、縫製済みの製品に対して後加工により光触媒
を付着する場合もある。
【0004】しかしながら、生地原反に光触媒加工する
方法や、製品に後加工する方法の場合には以下のような
問題が生じる場合がある。
【0005】つまり、靴下やサポーター等の袋型(若し
くは、筒型)の製品は、直接糸から編み上げることによ
り製造される場合が多く、この場合においては、原反は
存在しない。従って、原反に光触媒加工する方法を採る
ことができない。このような場合、製品を後加工するし
か方法がないが、光触媒を繊維上に強固に固定するため
には光触媒加工液を繊維上に付着させた後に熱処理をす
る必要があるところ、製品内にゴムが入っている靴下の
ような製品に対しては十分な熱処理を行うことができな
いという問題があった。
【0006】また、光触媒の後加工は、通常業務用洗濯
機による水洗いのような工程を行う必要があるため、後
加工した製品には若干の縮みが生じるといった問題もあ
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題に鑑
みなされたものであり、「生地原反へ加工する方法」及
び「製品へ後加工する方法」を用いることなく、光触媒
加工された製品を提供するために必要な光触媒加工糸を
提供すること、さらに当該加工糸の製造方法を提供する
ことを主目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、請求項1に記載するように、繊維本体部
分と、その表面を覆う光触媒被膜とからなる繊維1本、
または複数本が束ねられて形成されている光触媒加工糸
であって、当該光触媒被膜は、少なくとも光半導体粉末
からなる光触媒機能体と、バインダーとから形成されて
いることを特徴とする光触媒加工糸を提供する。
【0009】本発明の光触媒加工糸は、糸を形成する繊
維1本1本の表面に光触媒被膜が形成されており、当該
光触媒被膜は、少なくとも光半導体粉末からなる光触媒
機能体と、バインダーとから形成されているので、生地
原反へ加工する必要もなく、また製品への後加工をする
必要もなく、本発明の光触媒加工糸を用いて直接編み上
げることにより、光触媒加工物(例えば、靴下やサポー
ター等)を製造することができる。これは糸が繊維1本
のみから形成されている場合も同様である。
【0010】また、本発明は、請求項2に記載するよう
に、加工前の糸を保持し、保持された糸を巻き取りなが
ら、当該糸を形成する繊維の表面に光触媒被膜を形成し
ていく光触媒加工糸の製造方法であって、糸を形成する
繊維表面に光触媒加工液を付着せしめるための付着工程
と、前記付着工程により繊維表面に付着した光触媒加工
液のうち、過剰な光触媒加工液を繊維表面から除去する
ための除去工程と、を有することを特徴とする光触媒加
工糸の製造方法を提供する。
【0011】本発明の製造方法によれば、加工前の糸を
保持し、保持された糸を巻き取りながら、当該糸を形成
する繊維表面に光触媒被膜を形成していくので、一連の
工程によって表面が光触媒被膜を有する光触媒加工糸を
製造することができる。
【0012】また、本発明の方法においては、糸を形成
する繊維表面に光触媒加工液を付着せしめるための付着
工程と、光触媒加工液付着後の繊維表面から光触媒加工
液の過剰分を除去するための除去工程が設けられている
ので、繊維表面に過剰に光触媒加工液が付着したままの
状態で巻き取られることがない。その結果、光触媒のム
ラ付きを防止することができるとともに、乾燥・熱処理
時に余分なエネルギーを浪費せずにすむ。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の光触媒加工糸、及
びその製造装置について詳しく説明する。
【0014】図1は、本発明の光触媒加工糸を説明する
ための概略斜視図である。
【0015】一般に糸は、複数本の繊維が束になって形
成されており、従って、図1に示すように本発明の光触
媒加工糸1にあっても、複数本の繊維2により形成され
ている。そして、繊維2は、それぞれ繊維本体部分3と
その表面を覆う光触媒被膜4とから構成されており、当
該光触媒被膜4は、少なくとも光半導体粉末からなる光
触媒機能体10と、バインダー20とから形成されてい
ることに特徴を有している。ここで、糸の種類によって
は繊維1本からなる糸も存在するが、このような糸であ
っても本発明の光触媒加工糸とすることは可能である。
以下の説明は、一般的な糸、つまり複数本の繊維が束に
なった糸について説明する。
【0016】以下に、本発明の光触媒加工糸1を構成す
るそれぞれについて説明する。
【0017】(1)繊維本体部分 繊維本体部分3とは、本発明の光触媒加工糸1における
繊維2において光触媒被膜4が形成されていない部分、
つまり、通常の繊維の部分のことをいう。本発明の加工
糸1は、従来から存在する糸における繊維表面に光触媒
被膜4が形成されていることに特徴を有しており、従っ
て、本発明の光触媒加工糸1における繊維2には、従来
からの糸をすべて用いることができる。
【0018】その中でも強度があるもの、特に引っ張り
強度のあるものが好ましい。繊維2を引っ張り強度のあ
るもので形成することにより、光触媒加工糸1全体に強
度を付与することができるからである。具体的には、例
えば、綿、麻、毛、シルク、等の天然素材を用いること
も可能であり、ナイロン、ポリプロピレン、レーヨン、
ポリエステル、等の化学繊維及びこれらの混紡を用いる
ことも可能である。
【0019】また、本発明の加工糸は、通常の糸と同様
に、繊維を束ねることにより形成されているものである
が、当該糸の太さ(番手)について特に限定することは
ない。具体的には、5〜80番手の糸を光触媒加工の対
象とすることが好ましく、10〜60番手の糸が特に好
ましい。
【0020】(2)光触媒被膜 本発明における光触媒被膜4とは、加工糸1を形成する
繊維2の表面に位置し、光触媒機能体10とバインダー
20とから形成されるものである。当該光触媒被膜4を
設けることにより、本発明の加工糸に抗菌性・消臭性等
の光触媒作用を付与することができる。
【0021】図2は、本発明の加工糸1における光触媒
被膜4を示す拡大図(図1、符号Aの部分)である。以
下、光触媒被膜4を構成する光触媒機能体10とバイン
ダー20についてそれぞれ詳細に説明する。
【0022】(2−1)光触媒機能体 図2に示す光触媒被膜4における光触媒機能体10は、
少なくとも光半導体粉末10aから形成されており、金
属微粒子10b及び吸着材料11が含有せしめられてい
ることが好ましい。以下に、それぞれについて説明す
る。
【0023】光半導体粉末10aとしては、TiO2
他、CdS、CdSe、WO3、Fe 23、SrTi
3、KNbO3等を挙げることができる。この中でも、
TiO2は、ほとんどの酸、塩基、有機溶媒には侵され
ず化学的に安定であり、また、TiO2は中毒を起こす
ことはなく、また発ガン性もないことが動物実験等で確
認されており、この様な点からTiO2が最も好まし
い。
【0024】また、上記金属粉末4bは、光触媒機能体
中では電極として作用するが、この電極を形成する金属
粉末としては、銀の他、金、白金、銅等の種々の金属粉
末を用いることができる。光触媒が本来的な機能を発揮
するための不可欠な要素の一つとして水分が要求される
ため、電極を形成する金属粉末は、水の存在下で経時変
化が無く安定していることが必要となり、前記の金属粉
末の中でも白金が最も好ましいが、経済性を考慮し、更
に前記特性を具備しており、無毒でそれ自体も殺菌性を
有しているため銀が好ましい。
【0025】前記吸着材料11は、細菌、ウィルス、カ
ビの他、悪臭物質及び有害物質等の処理対象物を吸着、
保持するために用いられるものであり、本発明の光触媒
機能体に必ずしも必要なものではない。係る吸着材料1
1としては、アパタイト(リン灰石)ゼオライト又はセ
ピオライト等のセラミック粉末、活性炭及び絹繊維含有
物によりなる群から選ばれる1以上を挙げることがで
き、これらは必要に応じて2以上を組み合わせて用いる
ことができる。ここでアパタイトとしては、細菌、ウィ
ルス、カビ等の蛋白質を選択的に吸着するハイドロキシ
アパタイト[Ca 10(PO46(OH)2]が好まし
い。また、絹繊維含有物としては、絹繊維粉末の他、顆
粒状に成形したものやゲル状物等も含まれる。これらの
吸着材料(絹繊維含有物は粉末の場合)の粒径はより大
きな表面積を確保するとともに、良好な被着作業性を考
慮すると0.001〜1.0μmが好ましく、特に0.
01〜0.05μmが好ましい。光半導体粉末と吸着材
料の混合割合は、光半導体粉末100重量部に対して吸
着材料は1〜50重量部が好ましく、特に10〜30重
量部が好ましい。
【0026】なお、光半導体粉末及び金属粉末(Ag)
と吸着材料(ハイドロキシアパタイト)の重量比は、6
0〜98重量%対40〜2重量%が好適である。
【0027】(2−2)バインダー 次に本発明における光触媒被膜3を構成するバインダー
20について説明する。
【0028】図1、2に示すように、バインダー20は
光触媒機能体10を糸本体部分2に付着せしめるのに必
要なものである。従って、本発明においては、光触媒機
能体10を付着せしめることが可能なバインダーであれ
ば特に限定されるものではないが、中でも、水溶性バイ
ンダーまたは所定の溶剤に溶解するバインダーを用いて
いることが好ましい。
【0029】本発明における水溶性バインダーとして
は、水に溶解する性質を有するバインダーであればいか
なるバインダーでもよく、特に限定されるものではな
い。その中でも、セルロース誘導体、フタル酸樹脂、フ
ェノール樹脂、アルキド樹脂、アミノアルド樹脂、アク
リル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹
脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エマルジョン、水溶
性樹脂等の合成樹脂や、澱粉糊、ポリビニルアルコー
ル、リン系防炎剤、縮合硫酸カルパメート、スルファミ
ン酸アンモニウム、リン酸・尿素縮合物を挙げることが
でき、これらのバインダーの数種を混合して用いてもよ
い。リン系防炎剤をバインダーとして用いた場合におい
ては、光触媒加工糸に光触媒作用とともに防炎性をも付
与することができ好ましい。
【0030】また、本発明における所定の溶剤に溶解す
るバインダーとしては、ある所定の溶剤にのみ溶解する
性質を有するバインダーであればいかなるバインダーで
もよく、本発明においては特に限定されるものではな
い。
【0031】また、当該バインダー中には、希釈剤とし
ては、石油系溶剤、芳香族系溶剤、アルコール系溶剤、
エステル系溶剤、ケトン系溶剤、セルソルブ系溶剤、無
機シリコン系溶剤、水等を挙げることができる。その他
の成分としては、顔料、例えば、二酸化チタン、黄鉛、
ベンガラ、酸化クロム、カーボンブラック等の無機顔
料、ハンザイエロー、ノバパームオレンジ、キナクリド
ンバイオレット、銅フタロシアニン等の有機顔料、沈降
性炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、ホ
ワイトカーボン等の体質顔料、ジンククロメート、スト
ロンチウムクロメート、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウ
ム等の防食顔料に代表される特殊機能顔料等を挙げるこ
とができる。更に、上記成分以外にも、補助材料とし
て、被膜乾燥促進性の付与を目的とする乾燥剤、顔料分
散剤、フラッディング防止剤、顔料沈降防止剤、塗料の
流動性の調節を目的とする増粘剤、チキソトロピック
剤、たれ止め剤、被膜面の調整を目的とするレベリング
剤、泡消し剤、はじき防止剤、フローティング防止剤の
ほか、可塑剤、皮張り防止剤、静電塗装助剤、すり傷防
止剤、ブロッキング防止剤、紫外線防止剤、防染剤、防
腐剤、防かび剤等を配合することができ、さらには、糸
の改質を目的とする柔軟剤やオイリング剤などを配合す
ることもできる。これらの各成分の配合割合には特別な
ものはない。
【0032】光触媒機能体10をバインダー20中に配
合する割合は、殺菌、防臭等の作用を発揮し、適度な塗
装性を確保するため、塗料全量中3〜55重量%が好ま
しく、特に15〜35重量%が好ましい。
【0033】上述してきた本発明の光触媒加工糸1の製
造方法については、特に限定されず、上記の特徴を有す
る光触媒加工糸を製造することができれば、いかなる製
造方法であってもよい。しかしながら、以下に示す本発
明の製造方法により製造されることが好ましい。
【0034】本発明の光触媒加工糸製造方法は、加工前
の糸を保持し、保持された糸を巻き取りながらその表面
に光触媒被膜を形成していく方法であって、糸に光触媒
加工液を付着せしめるための付着工程と、前記付着工程
により糸に付着した光触媒加工液のうち、過剰な分を繊
維表面から除去するための除去工程と、を有することを
特徴とする。
【0035】以下、図3に示す本発明の方法を実施する
ための装置を用いて、本発明の方法を具体的に説明す
る。
【0036】図3に示す当該装置30は、加工前の糸を
保持するための保持手段S31と、保持されている糸を
巻き取るための巻き取り手段S32とを有し、保持手段
S31と巻き取り手段S32との間に、光触媒加工液を
繊維の表面に付着せしめるための付着手段S33と、光
触媒加工液の過剰分を繊維表面から除去するための除去
手段S34と、糸を乾燥させるための乾燥手段S35を
有している。
【0037】本発明の方法を実施する場合には、まず加
工前の糸を保持する必要がある。本発明の方法において
は、加工前の糸を保持する方法について特に限定するこ
とはなく、加工前の糸の状態等に応じて、いかなる保持
方法をも選択可能である。
【0038】しかしながら、糸は通常円筒形に巻かれた
コーン50と呼ばれる形態(コーン1個の重さは約1k
gで、糸の長さは番手により異なるが、32/Sの場合
は約50km)で流通されている。したがって、本発明
においては、図3に示す装置ような保持手段S31とし
ての保持用軸36を用いることが好ましい。このような
保持用軸36を用いることにより、コーン50をそのま
ま保持することが可能であり、糸を絡めることなくスム
ーズに解くことができるからである。
【0039】本発明の方法において用いることが可能な
保持手段S31としては、上記保持用軸36の他にも、
例えば加工する糸がコーン形態とは異なり「かせ(糸を
直径約60cm程度の円状に巻いて、数カ所を縛ってあ
るもの)」と呼ばれる形態である場合には、当該「か
せ」を糸車に取り付けることにより保持することが可能
である。
【0040】本発明の方法は、保持された糸を巻き取り
ながらその表面に光触媒被膜を形成していく方法であ
る。本発明の方法においては、保持された糸を巻き取る
方法について特に限定することはなく、保持された糸を
巻き取ることが可能であればいかなる方法をも用いるこ
とができる。
【0041】図3に示すように、コーン50状態の糸を
加工する場合においては、モーター37に接続された巻
き取りドラム38、及び巻き取り用軸46を巻き取り手
段S32として用いることが好ましい。このような構造
とすることにより、巻き取りドラム38の回転数をモー
ター37で制御することができるので、糸のスピードを
容易にコントロールできるからである。
【0042】ここで、本発明の方法は、糸に光触媒加工
液を付着せしめるための付着工程を有している。本発明
の方法においては、巻き取られる糸に光触媒加工液を付
着せしめる方法について特に限定することはない。
【0043】しかしながら、光触媒加工液を糸に付着せ
しめるための付着手段S33としては、図3に示すよう
に、光触媒加工液用タンク39を用いてディッピングに
より付着せしめるのが好ましい。光触媒加工液でタンク
39を満たし、この中にディッピング用ローラー40を
設けておく。そして、コーン50より巻き取られた糸
は、案内ローラー41とディッピング用ローラー40と
により当該タンク39へ導かれて光触媒加工液中に漬け
られる。
【0044】このような構造とすることにより、糸は巻
き取られる途中で弛むことなく、一定時間だけディッピ
ングされることになるので、糸を構成する繊維の表面に
光触媒加工液を均一に付着せしめることができる。な
お、ローラーの替わりに、ローラーと同等の滑りを有し
耐摩耗性を有する丸棒を用いてもよい。
【0045】ここで、用いられる光触媒加工液は、前述
した光触媒機能体およびバインダー、その他任意の添加
剤が付与された溶液である。
【0046】本発明において用いることが可能な付着手
段S33としては、図3に示すようなディッピング以外
にも、巻き取られる糸に向かって光触媒加工液をスプレ
ーすることにより付着せしめる手段、糸と接触するよう
に刷毛を設置して当該刷毛により光触媒加工液を付着せ
しめる手段、または光触媒加工液をかき上げるローラー
等に糸を接触させることにより光触媒加工液を付着せし
める手段、等を用いることができる。
【0047】本発明の方法は、前記付着工程により糸に
付着した光触媒加工液のうち、過剰な分を繊維表面から
除去するための除去工程を有している。当該除去工程を
行うことにより、光触媒加工液の無駄をなくすことがで
きるとともに、繊維の表面に均一な光触媒被膜を形成す
ることができる。
【0048】本発明の方法においては、過剰な光触媒加
工液を繊維の表面から除去する方法について特に限定す
ることはなく、当該工程の目的を達成することができる
いかなる方法をも用いることができる。
【0049】なかでも、図3に示すように、除去手段S
34としては、複数のプーリー42を用いることが好ま
しい。当該装置のようにプーリー42を複数設置し、当
該プーリー42の間を糸が蛇行して巻き取られるように
することにより、プーリー42により糸の進行方向が変
化するときに発生する遠心力で過剰な加工液を除去する
ことができるからである。
【0050】このようにプーリー42を用いて除去工程
を行う場合には、図3に示すようにディッピング用タン
ク39の上方にプーリー42を設け、これらを一つの容
器43内で行うことが好ましい。遠心力により飛ばされ
た光触媒加工液をタンク39内に戻すことができ、光触
媒加工液の無駄にすることがないからである。なお、プ
ーリーと同等の滑りを有する丸棒を用いることも可能で
ある。
【0051】また、図3に示すように、複数のプーリー
42の間を糸が蛇行する際に、糸同士が接触するような
構造を取ることにより(図3のXの部分参照)、乾いた
糸が光触媒加工液が付着した糸から過剰な加工液を拭き
取る効果を得ることができる。
【0052】本発明において用いることが可能な除去手
段S34としては、図3に示すようなプーリー42を用
いる手段の他にも、エアーを吹き付けることにより過剰
な光触媒加工液を除去する手段、糸と接触するようにス
ポンジを設置して当該スポンジにより過剰分を除去する
手段、またはヘラやナイフを用いて除去する手段、等を
用いることができる。
【0053】上述してきた方法により光触媒加工液が塗
布された糸は、案内ローラー44によって乾燥手段S3
5を行うための乾燥室45を通過する。ここで、糸に付
着せしめられた光触媒加工液が乾燥して光触媒被膜とな
る。当該乾燥手段S35は本発明の方法において必須の
構成ではないが、乾燥手段により乾燥することで光触媒
被膜と糸本体部との密着性を向上することができる。当
該乾燥手段S35は、巻き取られた後に行ってもよい。
【0054】そして、乾燥手段S35により乾燥された
糸は、前記で説明した巻き取りドラム38、及び巻き取
り用軸46によって巻き取られる。具体的には、巻き取
りドラム38には、幅が約0.5〜2cm、深さが0.
5〜2cmの溝が掘ってあり、当該溝により糸が案内さ
れることにより、当該巻き取りドラム38と協働して回
転する巻き取り用軸46に巻き取られる。
【0055】本発明の光触媒加工糸を用いて様々な製品
を製造することにより、当該製品に光触媒作用、つまり
殺菌性、防臭性、有機物の分解性等を付与することがで
きる。
【0056】
【発明の効果】本発明の加工糸は、繊維本体部分と、そ
の表面を覆う光触媒被膜からなる繊維1本、または複数
本が束ねられて形成されている光触媒加工糸であって、
当該光触媒被膜は、少なくとも光半導体粉末からなる光
触媒機能体と、バインダーとから形成されているので、
生地原反へ光触媒加工する必要もなく、また製品への後
加工をする必要もなく、本発明の光触媒加工糸を用いて
任意の光触媒加工物を形成することができる。
【0057】また、本発明の方法は、加工前の糸を保持
し、保持された糸を巻き取りながら、当該糸を形成する
繊維表面に光触媒被膜を形成していく光触媒加工糸製造
方法であって、繊維表面に光触媒加工液を付着せしめる
ための付着工程と、前記付着工程により繊維表面に付着
した光触媒加工液のうち、過剰な分を繊維表面から除去
するための除去工程と、を有しているので、一連の工程
によって糸を形成する繊維表面に光触媒被膜を有する光
触媒加工糸を製造することができる。また、本発明の方
法においては、糸に光触媒加工液を付着せしめるための
付着工程と、光触媒加工液付着後の糸から光触媒加工液
の過剰分を除去するための除去工程が設けられているの
で、光触媒加工糸の繊維に過剰に光触媒加工液が付着し
たままの状態で巻き取られることがない。その結果、光
触媒のムラ付きを防止することができるとともに、乾燥
・熱処理時に余分なエネルギーを浪費せずにすむ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光触媒加工糸の概略斜視図である。
【図2】図1に示す光触媒加工糸のA部分の拡大図であ
る。
【図3】本発明の方法を実施するための装置の概略図で
ある。
【符号の説明】
1…光触媒加工糸 2…繊維 3…繊維本体部分 4…光触媒被膜 10…光触媒機能体 10a…光半導体粉末 10b…金属微粒子 11…吸着材料 20…バインダー 30…光触媒加工装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 BA04A BA04B BA22C BA48A BB02A BB04A BB06A BB09A BC03A BC12A BC36A BC50A BC55A BC60A BC66A BD09A CA01 CA10 CA11 EA03X EA03Y FA03 FB23 FB69 FC05 4L031 BA04 BA09 BA17 DA00 DA12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維本体部分と、その表面を覆う光触媒
    被膜とからなる繊維1本、または複数本が束ねられて形
    成されている光触媒加工糸であって、 当該光触媒被膜は、少なくとも光半導体粉末からなる光
    触媒機能体と、バインダーとから形成されていることを
    特徴とする光触媒加工糸。
  2. 【請求項2】 加工前の糸を保持し、保持された糸を巻
    き取りながら、当該糸を形成する繊維の表面に光触媒被
    膜を形成していく光触媒加工糸の製造方法であって、 糸を形成する繊維表面に光触媒加工液を付着せしめるた
    めの付着工程と、 前記付着工程により繊維表面に付着した光触媒加工液の
    うち、過剰な光触媒加工液を繊維表面から除去するため
    の除去工程と、を有することを特徴とする光触媒加工糸
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005273068A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Teijin Fibers Ltd 機能性繊維構造体およびその製造方法
JP2009240990A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Admatechs Co Ltd 光触媒微粒子、光触媒分散液及び光触媒加工繊維
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CN107653499A (zh) * 2017-08-29 2018-02-02 新金塔集团有限公司 生产复合涤纶丝的方法及螺杆挤出机

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