JP2003073619A - コーティング用組成物および2液型コーティング剤 - Google Patents

コーティング用組成物および2液型コーティング剤

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JP2003073619A
JP2003073619A JP2001269123A JP2001269123A JP2003073619A JP 2003073619 A JP2003073619 A JP 2003073619A JP 2001269123 A JP2001269123 A JP 2001269123A JP 2001269123 A JP2001269123 A JP 2001269123A JP 2003073619 A JP2003073619 A JP 2003073619A
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coating
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Tetsuya Kojimoto
哲哉 柑本
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貯蔵安定性が良好であって、有機溶剤に対す
る耐性に優れた塗膜を形成することのできるコーティン
グ用組成物と、当該組成物からなる2液型コーティング
剤とを提供する。 【解決手段】 本発明のコーティング用組成物は、(a)
側鎖に加水分解性基を有する重量平均分子量400〜3
0000のオルガノポリシロキサンと、(b)シラノール
基を有する重量平均分子量400〜30000のオルガ
ノポリシロキサンと、(c) 触媒と、(d) シリコーンオイ
ルと、を含むものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コーティング用組
成物および2液型コーティング剤に関し、より詳しく
は、貯蔵安定性に優れ、しかも耐溶剤性が良好な塗膜を
形成することのできるコーティング用組成物および2液
型コーティング剤に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、鋼板、非鉄金属板、コンクリート等の各種成形体の
表面に保護被膜を形成する目的で、シリコーン系のポリ
マー組成物からなるコーティング用組成物が提案されて
おり、特開平4−175388号公報には、(A)一般
式(I) :
【0003】
【化3】
【0004】(式(I) 中、R1'は同一または異種の置換
もしくは非置換の炭素数1〜8の1価炭化水素基を示
し、n’は0〜3の整数、Xは加水分解性基を示す。)
で表される加水分解性オルガノシランを、有機溶媒また
は水に分散されたコロイダルシリカ中で部分加水分解し
てなる、オルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液
と、(B)平均組成式(II) :
【0005】
【化4】
【0006】(式(II)中、R1'は前記と同じである。a
およびbはそれぞれ0.2≦a≦2,0.0001≦b
≦3,a+b≦4の関係を満たす数である。)で表され
る、分子中にシラノール基(≡SiOH)を含有するポ
リオルガノシランと、(C)触媒と、を必須成分とする
コーティング用組成物が開示されている。
【0007】しかしながら、上記公報に開示のコーティ
ング組成物は、オルガノシランが既に部分的に加水分解
されており、そのことに起因して、貯蔵安定性が低くな
るという問題がある。通常、加水分解性オルガノシラン
と、分子中にシラノール基を含有するポリオルガノシロ
キサンとは別々の容器にて貯蔵されるものではあるが、
それぞれの合成後、実際に塗料として混合使用するまで
にある程度の期間が経過すると、混合することができな
い程度にまでゲル化が進行してしまう。また、上記公報
に開示のコーティング組成物には、塗膜の耐溶剤性、と
りわけ油性ペン等の溶剤に用いられる有機溶剤(例え
ば、炭化水素系溶剤)に対する耐性が極めて低く、例え
ば塗膜に油性ペンで落書きされると、前記有機溶剤が塗
膜に染み込んで、塗膜に落書きの痕が残るという問題も
ある。
【0008】一方、特公平7−86183号公報には、
表面改質コロイド状シリカとオルガノポリシロキサンと
を含有する被覆用塗料組成物が開示されている。しかし
ながら、この塗料組成物は、空気中の水分との反応を前
提とする1液型のコーティング剤であって、空気中の湿
気によって硬化が進行するため、その保管方法が難しい
という問題がある。
【0009】そこで、本発明の目的は、貯蔵安定性が良
好であって、有機溶剤に対する耐性に優れた塗膜を形成
することのできるコーティング用組成物および当該組成
物からなる2液型コーティング剤を提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】本発明
者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結
果、2成分系のコーティング剤における主剤(または硬
化剤)として、加水分解性基を有するオルガノポリシロ
キサンと、シラノール基を有するオルガノポリシロキサ
ンとを用いたときは、貯蔵安定性や油性インキ等の溶剤
に対する耐性に優れたコーティング用組成物を得ること
ができ、さらにはシリコーンオイルを配合したときは、
油性ペン等の溶剤(有機溶剤)に対する耐性を良好なも
のとすることができるという新たな事実を見出し、本発
明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明に係るコーティング用組
成物は、(a) 側鎖に加水分解性基を有する重量平均分子
量400〜30000のオルガノポリシロキサンと、
(b) シラノール基を有する重量平均分子量400〜30
000のオルガノポリシロキサンと、(c) 触媒と、(d)
シリコーンオイルと、を含むことを特徴とする。
【0012】また、本発明に係る2液型コーティング剤
は、(a) 側鎖に加水分解性基を有する重量平均分子量4
00〜30000のオルガノポリシロキサンと、(b) シ
ラノール基を有する重量平均分子量400〜30000
のオルガノポリシロキサンと、が別々に収容されてな
り、かつ、(c) 触媒と(d) シリコーンオイルとが、それ
ぞれ前記(a) の加水分解性ポリシロキサンと、前記(b)
のシラノール基を有するポリシロキサンとの少なくとも
いずれか一方とともに配合されてなるものである。
【0013】上記本発明に係るコーティング用組成物お
よびに2液型コーティング剤よれば、コーティング用組
成物の保存環境における水分の多寡にかかわらず、しか
も比較的高い気温の下で保管した場合でも、当該組成物
のゲル化を生じることがない。しかも、本発明のコーテ
ィング用組成物を用いて得られたコーティング被膜によ
れば、油性ペン等の溶剤に対する耐性(耐溶剤性)が高
いことから、例えば油性ペンによって表面に落書きがな
された場合でも、その痕跡を残すことなく削除すること
ができる。従って、本発明のコーティング用組成物は、
鋼板、非鉄金属板、コンクリート等の各種成形体の表面
に保護被膜を形成するためのコーティング用組成物、と
りわけ2液型コーティング剤用の組成物として好適であ
る。
【0014】本発明に係るコーティング用組成物におい
ては、(i) 前記(a) のオルガノポリシロキサンが、一般
式(1) :
【0015】
【化5】
【0016】(式(1) 中、R1 は炭素数1〜8の炭化水
素基を示し、R2 は水素原子または炭素数1〜8の炭化
水素基を示し、Xは加水分解性基を示し、nは1〜3の
整数を示す。)で表されるシロキサン結合単位を1〜1
000個有し、かつ当該結合単位からなる分子鎖の末端
に炭素数1〜8のアルキル基を有するものであること、
(ii)前記加水分解性基がアルコキシ基であること、また
は、(iii) 前記(b) のオルガノポリシロキサンが、平均
組成式(2) :
【0017】
【化6】
【0018】(式(2) 中、R1 は炭素数1〜8の炭化水
素基を示し、aおよびbはそれぞれ0.2≦a≦2,
0.0001≦b≦3,a+b<4の関係を満たす数を
示す。)で表されるものであること、が、コーティング
用組成物の貯蔵安定性をより一層優れたものとすること
ができるという点で好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係るコーティング
用組成物および2液型コーティング剤について詳細に説
明する。本発明に係るコーティング用組成物は、前述の
ように、(a) 側鎖に加水分解性基を有する重量平均分子
量400〜30000のオルガノポリシロキサンと、
(b) シラノール基を有する重量平均分子量400〜30
000のオルガノポリシロキサンと、(c) 触媒と、(d)
シリコーンオイルと、を含むものである。
【0020】〔加水分解性基を有するオルガノポリシロ
キサン;成分(a) 〕上記成分(a) のオルガノポリシロキ
サンは、ポリシロキサンの側鎖に加水分解性基を有する
ものであって、後述する成分(b) の、シラノール基を有
するオルガノポリシロキサンと加水分解反応を起こし
て、かかる反応によって硬化し、被膜を形成するもので
ある。前記成分(a) における加水分解性基としては、例
えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキ
シ、t−ブトキシ等の、炭素数1〜8のアルコキシ基;
アセトキシ等の、炭素数1〜8のアシルオキシ基(RC
OO−);オキシム基(−O−N=CRR’);エノキ
シ基(−O−CR=CR’R'');ジエチルアミノ基等
のアミノ基;アミノオキシ基(−O−NRR’);アミ
ド基(−NR’−COR)などが挙げられる。
【0021】前記成分(a) の分子量は、重量平均分子量
Mwで400〜30000の範囲に設定される。重量平
均分子量Mwが400を下回ると十分な貯蔵安定性が得
られなくなる。逆に、重量平均分子量Mwが30000
を超えるとコーティング用組成物の粘度が上昇して、コ
ーティング剤として十分なチキソトロピー性が得られな
くなる。前記成分(a) の重量平均分子量Mwは、上記範
囲の中でも特に600〜10000であるのが好まし
く、600〜2000であるのがより好ましい。
【0022】前記成分(a) 〔加水分解性基を有するオル
ガノポリシロキサン〕の具体例としては、例えば、一般
式(1) :
【0023】
【化7】
【0024】(式(1) 中、R1 は炭素数1〜8の炭化水
素基を示し、R2 は水素原子または炭素数1〜8の炭化
水素基を示し、Xは加水分解性基を示し、nは1〜3の
整数を示す。)で表されるシロキサン結合単位を1〜1
000個有し、かつ当該結合単位からなる分子鎖の末端
に炭素数1〜8のアルキル基を有するものが挙げられ
る。
【0025】一般式(1) の基R1 および基R2 における
炭素数1〜8の炭化水素基としては、例えば、メチル、
エチル、i−プロプル、n−ブチル、t−ブチル、n−
ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル
等のアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル等の
シクロアルキル基;フェニル、トリル、キシリル等のア
リール基;ベンジル、フェネチル等のアラルキル基;ク
ロロメチル、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリ
フルオロプロピル基等のハロゲン置換炭化水素基;γ−
グリシドキシプロピル基、γ−メタクリロイルオキシプ
ロピル基、γ−メルカプトプロピル基、γ−アミノプロ
ピル基、3,4−エポキシシクロヘキシル基等の置換炭
化水素基などが挙げられる。一般式(1) の基Xにおける
加水分解性基は、前記例示の加水分解性基と同じであ
る。一般式(1) で表されるオルガノポリシロキサンにお
いて、シロキサン結合単位の数は、上記範囲の中でも特
に1〜300であるのが好ましく、10〜100である
のがより好ましい。
【0026】〔シラノール基を有するオルガノポリシロ
キサン;成分(b) 〕上記成分(b) のオルガノポリシロキ
サンは、ポリシロキサンの分子鎖中にシラノール基(−
SiR2 OH)を有するものであって、前述の成分(a)
の、加水分解性基を有するオルガノポリシロキサンと加
水分解反応を起こして、かかる反応によって硬化し、被
膜を形成するものである。
【0027】前記成分(b) の分子量は、重量平均分子量
Mwで400〜30000の範囲に設定される。重量平
均分子量Mwが400を下回ると十分な貯蔵安定性が得
られなくなる。逆に、重量平均分子量Mwが30000
を超えるとコーティング用組成物の粘度が上昇して、コ
ーティング剤として十分な作業性が得られなくなる。前
記成分(b) の重量平均分子量Mwは、上記範囲の中でも
特に600〜10000であるのが好ましく、600〜
2000であるのがより好ましい。
【0028】前記(b) 〔シラノール基を有するオルガノ
ポリシロキサン〕の具体例としては、例えば、平均組成
式(2) :
【0029】
【化8】
【0030】(式(2) 中、R1 は炭素数1〜8の炭化水
素基を示し、aおよびbはそれぞれ0.2≦a≦2,
0.0001≦b≦3,a+b<4の関係を満たす数を
示す。)で表されるものが挙げられる。平均組成式(2)
の基R1 における炭素数1〜8の炭化水素基としては、
前記例示の炭化水素基と同じである。
【0031】〔(c) 触媒〕上記成分(c) の触媒は、前記
成分(a) のオルガノポリシロキサンと、前記成分(b) の
オルガノポリシロキサンとの縮合反応を促進して、本発
明のコーティング用組成物(コーティング剤)からなる
被膜を硬化させるためのものである。本発明のコーティ
ング用組成物および2液型コーティング剤に使用可能な
触媒としては、例えば、酢酸ジブチルスズ、ラウリン酸
ジブチルスズ、オクテン酸スズ、オクテン酸亜鉛、ナフ
テン酸鉛等の、スズ、亜鉛、鉛等についての有機カルボ
ン酸塩;ジブチルアミン−2−ヘキソエート、ジメチル
アミンアセテート、エタノールアミンアセテート等のア
ミン塩;酢酸テトラメチルアンモニウム等のカルボン酸
第4級アンモニウム塩;テトラエチルペンタミン等のア
ミン類;N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン等のアミン系シランカ
ップリング剤;p−トルエンスルホン酸、フタル酸、塩
酸、酢酸、ギ酸、硫酸、リン酸等の酸類;アルミニウム
アルコキシド、アルミニウムキレート等のアルミニウム
化合物、水酸化カリウム等のアルカリ触媒;テトライソ
プロピルチタネート、テトラブチルチタネート、チタニ
ウムテトラアセチルアセトネート等のチタニウム化合
物、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラ
ン、トリメチルモノクロロシラン等のハロゲン化シラン
等が挙げられる。
【0032】〔(d) シリコーンオイル〕上記成分(d) の
シリコーンオイルは、本発明のコーティング用組成物か
らなる被膜についての油性ペン等の溶剤(有機溶剤)に
対する耐性、すなわち耐溶剤性を向上させることを目的
として配合されるものである。本発明に使用可能なシリ
コーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイ
ル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロ
ジェンシリコーンオイル等の、いわゆるストレートシリ
コーンオイルや、長鎖のアルキル基、ポリエーテル、ア
ミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、メルカプト基等
の変性基を導入した、いわゆる変性シリコーンオイルと
いった、従来公知の種々のシリコーンオイルを使用する
ことができる。シリコーンオイルの分子量は特に限定さ
れるものではないが、通常、300〜30000である
のが好ましい。
【0033】〔各成分の配合量・配合比〕前記成分(a)
のオルガノポリシロキサンと、前記成分(b) のオルガノ
ポリシロキサンとの配合割合は、特に限定されるもので
はないが、重量比で1:99〜99:1であるのが好ま
しい。かかる範囲の中でも特に5:95〜95:5であ
るのが好ましく、10:90〜90:10であるのがよ
り好ましい。前記成分(a) と前記成分(b) との総量10
0重量部に対して、前記成分(a) の配合量が1重量部を
下回ると、常温での硬化性が低下したり、被膜の硬度が
不十分になったりするおそれがある。逆に、前記成分
(a) の配合量が99重量部を超えると、硬化性が不安定
になって、被膜の品質が低下するおそれがある。
【0034】成分(c) の触媒の配合量は、特に限定され
るものではないが、成分(a) のオルガノポリシロキサン
と前記成分(b) のオルガノポリシロキサンとの総量10
0重量部に対して、0.0001〜10重量部であるの
が好ましい。かかる範囲の中でも特に0.0005〜8
重量部であるのが好ましく、0.0007〜5重量部で
あるのがより好ましい。前記成分(a) と成分(b) のオル
ガノポリシロキサンとの総量100重量部に対して、触
媒(成分(c) )の配合量が0.0001重量部を下回る
と、常温で硬化しなくなるおそれがある。逆に、触媒
(成分(c) )の配合量が10重量部を超えると、被膜の
耐熱性、耐候性が低下するおそれがある。
【0035】前記成分(d) のシリコーンオイルの配合割
合は、特に限定されるものではないが、前記成分(a) と
前記成分(b) との総量100重量部に対して、0.1〜
20重量部であるのが好ましい。
【0036】前記成分(a) と前記成分(b) との総量10
0重量部に対して、シリコーンオイル(成分(d) )の配
合量が0.1重量部を下回ると、油性ペンの溶剤といっ
た有機溶剤に対する耐性(耐溶剤性)が不十分になるお
それがある。逆に、シリコーンオイル(成分(d) )の配
合量が20重量部を超えると、塗膜表面に染み出す分が
多くなり、表面にブリードしたシリコーンオイルが汚れ
を固着して外観が汚くなるおそれがある。
【0037】〔被膜の形成〕前記成分(a) のオルガノポ
リシロキサンにおける加水分解性基と、前記成分(b) の
オルガノポリシロキサンにおけるシラノール基とは、前
記成分(c) の触媒存在下で、常温または低温域(通常、
100℃以下)での加熱によって縮合反応を起こし、前
記成分(d) のシリコーンオイルとともに硬化皮膜を形成
する。このように、本発明のコーティング用組成物は、
前記成分(a) と前記成分(b)との縮合反応により硬化が
進行するものであって、前述の特公平7−86183号
公報のように、空気中の湿気によって硬化が進行するも
のではなく、常温で硬化するときにも湿度の影響をほと
んど受けることなく硬化皮膜を形成することができる。
【0038】〔その他の添加剤〕本発明のコーティング
用組成物には、前記成分(a) 、成分(b) 、成分(c) およ
び成分(d) のほかに、必要に応じて、顔料、消泡剤、レ
ベリング剤、減粘剤、チキソトロピー性調整剤等の、一
般的に塗料に使用される添加剤を配合することができ
る。上記顔料としては、例えばカーボンブラック、キナ
クリドン、ナフトールレッド、シアニンブルー、シアニ
ングリーン、ハンザイエロー等の有機顔料;酸化チタ
ン、硫酸バリウム、ベンガラ、複合金属酸化物等の無機
顔料が挙げられる。これらの顔料は、硬化皮膜に要求さ
れる色調等に応じて適宜選択して用いられる。
【0039】〔コーティング用組成物の保存方法〕本発
明のコーティング用組成物の保存方法としては、前記成
分(a) 、成分(b)、成分(c) および成分(d) のそれぞれ
を別々に保存するのが、保存安定性の観点から最も好ま
しいが、実際の使用時に各成分を混合する煩雑さを解消
するためには、少なくとも成分(a) と成分(b) とを別々
の容器に収容して保存すればよく、成分(c) と成分(d)
については、成分(a) または成分(b) のいずれかに配合
されていればよい。
【0040】すなわち、本発明のコーティング用組成物
は、(a) 側鎖に加水分解性基を有する重量平均分子量4
00〜30000のオルガノポリシロキサンと、(b) シ
ラノール基を有する重量平均分子量400〜30000
のオルガノポリシロキサンと、を別々に収容し、かつ、
(c) 触媒と(d) シリコーンオイルとを、それぞれ前記
(a) の加水分解性ポリシロキサンと、前記(b) のシラノ
ール基を有するポリシロキサンとの少なくともいずれか
一方とともに配合してなる2液型コーティング剤として
実際に使用するのが最も好適である。
【0041】
〔コーティング用組成物の調整および被膜の形成〕
実施例1 (i) コーティング用組成物の調製 前記(a) 成分(側鎖に加水分解性基を有する重量平均分
子量Mw400〜30000のオルガノポリシロキサ
ン)としての、(株)三覚製の「MSH」〔重量平均分
子量Mwが600で、前記一般式(1) 中のnが3、基X
がメトキシ基、基R2 がメチル基であるオルガノポリシ
ロキサン〕を、単独で容器に収容して、これを硬化剤と
した。
【0042】次に、前記(b) 成分(シラノール基を有す
る重量平均分子量Mw400〜30000のオルガノポ
リシロキサン)としての、(株)三覚製の「MSC」
〔重量平均分子量Mwが20000、前記平均組成式
(2) 中のR1 がメチル基、aが0.5、bが2であるオ
ルガノポリシロキサン〕を、(c) の触媒としてのリン酸
と、(d) のシリコーンオイルとしてのメチルフェニルポ
リシロキサン(重量平均分子量Mw20000,(株)
三覚製の品番「MS20,000」)とともに、前記
(a) のオルガノポリシロキサンを収容したのとは別の容
器に収容して、これを主剤とした。ここで、上記触媒の
配合量は主剤全体の0.1%となるように、上記シリコ
ーンオイルの配合量は主剤全体の3%となるように、そ
れぞれ調整した。
【0043】(ii)被膜の形成 上記(i) で得られた主剤と硬化剤とを、2:1の重量比
で混合した後、室温にて、直ちにコンクリートの表面に
塗布したところ、形成被膜は翌日になって完全に硬化し
た。こうして得られた硬化被膜に対して、後述の耐溶剤
性試験を行った。
【0044】比較例1 (i) コーティング用組成物の調製 側鎖に加水分解性基を有するオルガノポリシロキサン
(前記(a) 成分に相当)としての、(株)三覚製の品番
「MSH3」〔重量平均分子量Mwが300で、前記一
般式(1) 中のnが3、基Xがメトキシ基、基R2 がメチ
ル基〕を、単独で容器に収容して、これを硬化剤とし
た。次に、実施例1と同様にして主剤を調整した。 (ii)被膜の形成 上記(i) で得られた主剤と硬化剤とを、2:1の重量比
で混合した後、室温にて、直ちにコンクリートの壁面に
塗布したところ、被膜は翌日になって完全に硬化した。
こうして得られた硬化被膜に対して、後述の耐溶剤性試
験を行った。
【0045】比較例2 (i) コーティング用組成物の調製 硬化剤として、実施例1と同様のものを調製した。主剤
として、実施例1における主剤からシリコーンオイルを
除去したものを調製した。 (ii)被膜の形成 上記(i) で得られた主剤と硬化剤とを、2:1の重量比
で混合した後、室温にて、直ちにコンクリートの壁面に
塗布したところ、被膜は翌日になって完全に硬化した。
こうして得られた硬化被膜に対して、後述の耐溶剤性試
験を行った。
【0046】〔コーティング用組成物および被膜の物性
評価〕 (1) 貯蔵安定性の評価 上記実施例1および比較例1で得られたコーティング用
組成物について、主剤と硬化剤とを別々の容器に収容し
た状態で、かつ40℃の室内にて3ヶ月間保管した。
【0047】その結果、実施例1および比較例1のコー
ティング剤は、あらかじめトルエンを加えて、主剤の粘
度を5000mPa・sに、硬化剤の粘度を500mP
a・sにそれぞれ調整しておいたのに対し、保管後に
は、主剤の粘度が5000mPa・s、硬化剤の粘度が
510mPa・sと、いずれも大きな変動がなった。そ
れゆえ、貯蔵安定性に優れることが分かった。一方、比
較例1のコーティング剤は、あらかじめトルエンを加え
て、主剤の粘度を5000mPa・s、硬化剤の粘度を
500mPa・sにそれぞれ調整しておいたのに対し、
保管後には、硬化剤にゲルが生じてしまい、コーティン
グ剤としての使用が不可能となった。従って、貯蔵安定
性が極めて低いことが分かった。
【0048】(2) 耐溶剤性の評価 実施例1および比較例2で得られた硬化被膜の表面に、
黒と赤の油性インキ(溶剤:ヘキサン)で直径約5cm
の円を書き込み、10分間経過してから綿布で拭き取っ
て、硬化物の表面に残留する汚れを除去した。その結
果、実施例1のコーティング剤を用いて得られた被膜で
は、書き込まれた円を完全に消去することができ、拭き
取り後に油性インキの痕跡を確認することはできなかっ
た。従って、油性インキの溶剤に対する耐性に優れてい
ることが分かった。
【0049】これに対し、比較例2のコーティング剤を
用いて得られた被膜では、書き込まれた円を完全に消去
することができず、拭き取り後も油性インキの痕跡を目
視で容易に確認することができた。従って、油性インキ
の溶剤に対する耐性が不十分であることが分かった。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 DL031 DL032 DL041 DL061 GA01 GA02 GA09 HA376 HA416 JA37 JA43 JB01 JB02 JB09 JC13 JC31 JC38 JC39 KA04 MA14 MA15 NA04 NA25 PC02 PC04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 側鎖に加水分解性基を有する重量平均
    分子量400〜30000のオルガノポリシロキサン
    と、 (b) シラノール基を有する重量平均分子量400〜30
    000のオルガノポリシロキサンと、 (c) 触媒と、 (d) シリコーンオイルと、を含むコーティング用組成
    物。
  2. 【請求項2】前記(a) のオルガノポリシロキサンが、一
    般式(1) : 【化1】 (式(1) 中、R1 は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、
    2 は水素原子または炭素数1〜8の炭化水素基を示
    し、Xは加水分解性基を示し、nは1〜3の整数を示
    す。)で表されるシロキサン結合単位を1〜1000個
    有し、かつ当該結合単位からなる分子鎖の末端に炭素数
    1〜8のアルキル基を有するものである請求項1記載の
    コーティング用組成物。
  3. 【請求項3】前記加水分解性基がアルコキシ基である請
    求項1または2記載のコーティング用組成物。
  4. 【請求項4】前記(b) のオルガノポリシロキサンが、平
    均組成式(2) : 【化2】 (式(2) 中、R1 は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、
    aおよびbはそれぞれ0.2≦a≦2,0.0001≦
    b≦3,a+b<4の関係を満たす数を示す。)で表さ
    れるものである請求項1記載のコーティング用組成物。
  5. 【請求項5】(a) 側鎖に加水分解性基を有する重量平均
    分子量400〜30000のオルガノポリシロキサン
    と、 (b) シラノール基を有する重量平均分子量400〜30
    000のオルガノポリシロキサンと、が別々に収容され
    てなり、かつ、 (c) 触媒と(d) シリコーンオイルとが、それぞれ前記
    (a) の加水分解性ポリシロキサンと、前記(b) のシラノ
    ール基を有するポリシロキサンとの少なくともいずれか
    一方とともに配合されてなる2液型コーティング剤。
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