JP2003073341A - 4,5−ジヒドロキシペンチルアミン類の製造方法及び新規な4,5−ジヒドロキシペンチルアミン誘導体 - Google Patents

4,5−ジヒドロキシペンチルアミン類の製造方法及び新規な4,5−ジヒドロキシペンチルアミン誘導体

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JP2003073341A
JP2003073341A JP2001268730A JP2001268730A JP2003073341A JP 2003073341 A JP2003073341 A JP 2003073341A JP 2001268730 A JP2001268730 A JP 2001268730A JP 2001268730 A JP2001268730 A JP 2001268730A JP 2003073341 A JP2003073341 A JP 2003073341A
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hydrogen
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JP2001268730A
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English (en)
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Hitoshi Tokuyasu
仁 徳安
Takashi Onishi
孝志 大西
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アミン化合物の窒素原子に結合する1つのア
ルキル基に水酸基が2つ置換されている(ジヒドロキシ
アルキル)アミン類を工業的に有利に製造できるように
する。 【解決手段】 4,5−ジヒドロキシペンチルアミン類
は、水素添加触媒の存在下に、水酸基がアシル化されて
もよい4,5−ジヒドロキシペンタナール類と少なくと
も一つの活性水素を有するアミン類と水素とを反応さ
せ、必要に応じて更に脱アシル化させることにより製造
できる。あるいは、4,5−ジヒドロキシペンタナール
類と少なくとも一つの活性水素を有するアミン類とを予
め反応させた後に、得られた反応生成物を水素添加触媒
の存在下で水素と反応させ、必要に応じて更に脱アシル
化させることにより製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4,5−ジヒドロ
キシペンチルアミン類の製造方法、及びその製造方法に
より得られる新規な4,5−ジヒドロキシペンチルアミ
ン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、分子内に水酸基を2個有するアミ
ン化合物のうち、工業的に製造されているものとしてジ
エタノールアミン類が知られている。このジエタノール
アミン類は、その窒素原子に結合する2つのアルキル基
にそれぞれ一つの水酸基が置換している構造を有してい
る。
【0003】しかし、ジエタノールアミン類の水酸基を
有する置換基の構造は、2−ヒドロキシエチル基、2−
ヒドロキシプロピル基等のヒドロキシエチル基を基本骨
格とするものに限定されているため、アミン化合物の窒
素原子に結合するアルキル基のうち、構造上、比較的自
由度が高いアルキル置換基は一つだけという制約があ
る。
【0004】従って、アミン化合物の窒素原子に結合す
る一つのアルキル基に2個の水酸基を導入すれば、該窒
素原子に結合しうる残りの2つのアルキル基について
は、その構造上の自由度を必然的に高めることが可能と
なる。このような観点から、1つのアルキル基に2つの
水酸基を有する(ジヒドロキシアルキル)基を置換基と
して有するアミン類として、2−アミノ−1,3−プロ
パンジオールが上市されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、2−ア
ミノ−1,3−プロパンジオールは、天然物であるL−
セリンを原料として製造されているために、工業的に安
価かつ大量に合成することは困難であるという問題があ
った。このように(ジヒドロキシアルキル)アミン類の
効率的且つ工業的な製造方法は知られていないというの
が現状である。
【0006】本発明の目的は、アミン化合物の窒素原子
に結合する1つのアルキル基に水酸基が2つ置換されて
いる(ジヒドロキシアルキル)アミン類を工業的に有利
に製造できる方法を提供することにある。また、本発明
のもうひとつの目的は新規な(ジヒドロキシアルキル)
アミン化合物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、(ジヒド
ロキシアルキル)アミン類の一種である4,5−ジヒド
ロキシペンタナール誘導体を、水素添加触媒の存在下で
活性水素を有するアミン化合物と水素とに反応させるこ
とにより、あるいは4,5−ジヒドロキシペンタナール
誘導体を、アミン化合物と反応させた後に水素添加触媒
の存在下で水素と反応させることにより目的物を取得し
得ることを見出し、以下に説明する第1及び第2の本発
明を完成させた。
【0008】即ち、第1の本発明は、下記式(3)
【0009】
【化9】
【0010】(式中、R及びRは、それぞれ独立的
に水素原子、置換基を有していてもよい1価の飽和炭化
水素基もしくは置換基を有していてもよい1価の芳香族
基を表すか、又はR及びRが互いに結合して、置換
基を有していてもよい2価の飽和脂肪族基を表す)で示
される4,5−ジヒドロキシペンチルアミン類の製造方
法において、以下の工程(A): (A) 水素添加触媒の存在下で、式(1)
【0011】
【化10】
【0012】(式中、R及びRは、それぞれ独立的
に水素原子又は式[RC(=O)−](Rは水素原子、
炭素数1〜10の飽和脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜
14の芳香族炭化水素基を表す)のアシル基を表す)で
表されるアルデヒド化合物と、式(2)
【0013】
【化11】
【0014】(式中、R及びRは前記定義のとおり
である)で示される含窒素化合物と、水素とを反応させ
て式(3)の4,5−ジヒドロキシペンチルアミン類、
式(4)
【0015】
【化12】
【0016】(式中、R、R、R及びRは前記
定義のとおりである。但し式(4)においては、R
びRは同時に水素原子とはならない)で示されるアミ
ン化合物又はそれらの等価体を含む反応生成物を取得す
る工程を含むことを特徴とする製造方法を提供する。
【0017】また、第2の本発明は、前出の式(3)で
示される4,5−ジヒドロキシペンチルアミン類の製造
方法において、以下の工程(A−1)及び(A−2): (A−1) 前出の式(1)のアルデヒド化合物を、前
出の式(2)の含窒素化合物と反応させる工程; 及び (A−2) 工程(A−1)で得られた反応混合物に、
水素添加触媒の存在下で水素添加反応を施し、前出の式
(3)の4,5−ジヒドロキシペンチルアミン類、前出
の式(4)で示されるアミン化合物又はそれらの等価体
を含む反応生成物を取得する工程を含むことを特徴とす
る製造方法を提供する。
【0018】また、第1の本発明及び第2の本発明にお
いて、工程(A)又は工程(A−2)で得られた反応生
成物に該式(4)のアミン化合物又はそれらの等価体が
含まれている場合、その反応生成物に脱アシル化反応を
施すことにより式(3)の4,5−ジヒドロキシペンチ
ルアミン類を得る工程(B(又はB′))を更に実施す
ることが好ましい。
【0019】なお、本発明は、第1又は第2の本発明に
より得られた式(3)の4,5−ジヒドロキシペンチル
アミン類のうち、R及びRが共にメチル基である
N,N−ジメチル−4,5−ジヒドロキシペンチルアミ
ンを新規な化合物として提供する。
【0020】
【発明の実施の形態】第1及び第2の本発明の製造方法
の目的化合物は、式(3)
【0021】
【化13】
【0022】(式中、R及びRは、それぞれ水素原
子、置換基を有していてもよい1価の飽和炭化水素基も
しくは置換基を有していてもよい1価の芳香族基を表す
か、又はR及びRが互いに結合して置換基を有して
いてもよい2価の飽和脂肪族基を表す)であらわされる
4,5−ジヒドロキシペンチルアミン類である。
【0023】式(3)のR及びRに関し、「置換基
を有していてもよい1価の飽和炭化水素基」としては、
例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
イソプロピル基、イソブチル基、オクチル基、2−エチ
ルヘキシル基などの置換基を有していないアルキル基;
シクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、シク
ロオクチル基などの置換基を有していないシクロアルキ
ル基;上記例示のアルキル基又はシクロアルキル基の少
なくとも一部の水素原子がアルコキシ基、アセタール型
に保護されたホルミル基、水酸基等で置換された形の化
学構造を有する、置換基を有するアルキル基(例:2−
ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基など)
又は置換基を有するシクロアルキル基などが挙げられ
る。また、「置換基を有していてもよい1価の芳香族
基」としては、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチ
ル基などの置換基を有しないアリール基;ベンジル基な
どの置換基を有しないアラルキル基;上記例示のアリー
ル基又はアラルキル基の少なくとも一部の水素原子がア
ルコシキ基、アセタール型に保護されたホルミル基、水
酸基等で置換された形の化学構造を有する、置換基を有
するアリール基又は置換基を有するアラルキル基などが
挙げられる。なお、該芳香族基に含有される炭素数は6
〜14の範囲内であることが好ましい。
【0024】また、式(3)のR及びRに関し、
「互いに結合した形で表されることのある置換基を有し
てもよい2価の飽和脂肪族基」としては、例えば、エチ
レン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、3−メ
チルペンタメチレン基、1,5−ヘキサンジイル基等の
置換基を有しないアルキレン基;3−オキサペンタメチ
レン基(−CHCHOCHCH−)、3−アザ
−3−メチルペンタメチレン基(−CHCHN(C
)CHCH−)等の置換基を有しないヘテロ原
子含有アルキレン基;該アルキレン基又は該ヘテロ原子
含有アルキレン基の少なくとも一部の水素原子がアルコ
シキ基、アセタール型に保護されたホルミル基、水酸
基、ピリミジニル基等で置換された形の化学構造を有す
る、置換基を有するアルキレン基又は置換基を有するヘ
テロ原子含有アルキレン基などが挙げられる。なお、置
換基を有していてもよい2価の飽和脂肪族基における二
つの結合手間に介在する主鎖中の原子(側鎖中の原子を
除く)の数は2〜11の範囲内であることが好ましい。
【0025】以上説明した式(3)の4,5−ジヒドロ
キシペンチルアミン類を製造する第1の本発明の製造方
法は、式(1)のアルデヒド化合物と式(2)のアミン
化合物と水素とを水素添加触媒の存在下で同時に反応さ
せて式(3)の4,5−ジヒドロキシペンチルアミン
類、式(4)のアミン化合物又はそれらの等価体を取得
する工程(A)を有することを特徴とし、一方、第2の
本発明の製造方法は、式(1)のアルデヒド化合物と式
(2)のアミン化合物とを予め反応させて(工程(A−
1))、得られた反応生成物に水素を水素添加触媒の存
在下で反応させ式(3)の4,5−ジヒドロキシペンチ
ルアミン類、式(4)のアミン化合物又はそれらの等価
体を取得する工程(A−2)を有することを特徴とす
る。
【0026】また、工程(A)及び工程(A−2)で得
られた反応生成物に該式(4)のアミン化合物又はそれ
らの等価体が含まれている場合、その反応生成物に脱ア
シル化反応を施すことにより式(3)の4,5−ジヒド
ロキシペンチルアミン類を得る工程(B(B′))を更
に実施することが好ましい。
【0027】以下、工程毎に説明する。
【0028】工程(A) 水素添加触媒の存在下で、式(1)
【0029】
【化14】
【0030】(式中、R及びRは、それぞれ独立的
に水素原子又は式[RC(=O)−](Rは水素原子、
炭素数1〜10の飽和脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜
14の芳香族炭化水素基を表す)のアシル基を表す)で
表されるアルデヒド化合物と、式(2)
【0031】
【化15】
【0032】(式中、R及びRは前記定義のとおり
である)で示される含窒素化合物と、水素とを反応させ
て式(3)の4,5−ジヒドロキシペンチルアミン類、
式(4)
【0033】
【化16】
【0034】(式中、R、R、R及びRは前記
定義のとおりである。但し式(4)においては、R
びRは同時に水素原子とはならない)で示されるアミ
ン化合物又はそれらの等価体を含む反応生成物を取得す
る。
【0035】即ち、工程(A)は、式(1)のアルデヒ
ド化合物、式(2)の含窒素化合物及び水素を水素添加
触媒の存在下で反応させるものである。
【0036】水素添加触媒としては、一般に接触水素添
加反応に用いられるような触媒を使用することができ、
例えば、パラジウム、ロジウム、ニッケル、白金等の金
属を活性成分とする触媒を挙げることができる。これら
の水素添加触媒の形態としては、活性成分となる金属そ
のもの;その金属酸化物;その金属と他の金属との合
金;活性成分となる金属(酸化物、合金でもよい)を活
性炭、アルミナ、シリカゲル、ケイソウ土などの担体上
に担持させてなる担体付き触媒等のいずれであってもよ
い。水素添加触媒の使用量は、必ずしも限られるもので
はないが、通常は式(1)のアルデヒド化合物1重量部
に対して0.0001〜0.2重量部の範囲内であり、
反応速度及び目的とする式(3)の4,5−ジヒドロキ
シペンチルアミン類の製造コストの観点からは、式
(1)のアルデヒド化合物1重量部に対して0.005
〜0.1重量部の範囲内であることが好ましい。
【0037】工程(A)において、式(1)のアルデヒ
ド化合物と式(2)の含窒素化合物の使用割合は必ずし
も限定されないが、式(1)のアルデヒド化合物が、式
(2)の含窒素化合物と縮合反応する前に水素添加され
てしまう可能性もある。この意図しない水素添加反応を
抑制するために、式(2)の含窒素化合物を式(1)の
アルデヒド化合物に対して等モル以上反応させることが
好ましい。具体的には、式(2)の含窒素化合物の使用
量は、式(1)のアルデヒド化合物1モルに対して0.
9〜30モル使用することが好ましく、1〜10モルの
範囲内とすることがより好ましい。
【0038】工程(A)の縮合反応においては、溶媒の
使用は必ずしも必要ではないが、所定の反応に悪影響を
及ぼさない限り溶媒を使用しても差し支えない。使用可
能な溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノー
ル、プロパノール等のアルコール系溶媒;ジエチルエー
テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系
溶媒;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒などが挙げ
られ、1種を単独で又は2種以上を混合して使用するこ
とができる。溶媒を使用する場合、その使用量は、通
常、式(1)のアルデヒド化合物1重量部に対して0.
1〜10重量部の範囲内である。なお、式(2)の含窒
素化合物(又はその塩)を反応系に仕込む際、該含窒素
化合物の形態は必ずしも限定されるものではなく、含窒
素化合物をそのまま仕込んでもよく、上述した溶媒で希
釈して仕込んでもよい。
【0039】工程(A)においては、水素を、式(1)
のアルデヒド化合物、式(2)の含窒素化合物及び水素
添加触媒を含有する混合物と接触させるが、その接触の
形態としては、例えば、該混合物を存在させた反応系の
雰囲気中に水素ガスを存在させることからなる形態、該
混合物中に水素ガスを導入(バブリング)することから
なる形態などが挙げられる。反応系中における水素の分
圧は、必ずしも限られるものではないが、通常は0.5
〜100気圧(絶対圧)の範囲内である。なお、所定の
反応に悪影響を及ぼさない限りにおいて、反応系の気相
部に水素以外の気体(例えば、窒素、アルゴン等)を含
有させてもよい。
【0040】反応温度は必ずしも限られるものではない
が、通常は20〜180℃の範囲内の温度が採用され、
反応速度の高さ及び目的とする式(4)のアミン化合物
もしくは式(3)の4,5−ジヒドロキシペンチルアミ
ン類への選択率の高さの観点からは、40〜140℃の
範囲内の温度を採用することが好ましい。
【0041】反応の所要時間は必ずしも限定されるもの
ではなく、例えば、ガスクロマトグラフィー等の定量分
析手段で求められた式(1)のアルデヒド化合物の転化
率及び/又は生成する式(4)のアミン化合物もしくは
式(3)の4,5−ジヒドロキシペンチルアミン類への
選択率に基づき、反応時間(連続式反応操作の場合には
滞留時間)を適宜設定することができる。ただし、通常
は、0.5〜20時間の範囲内である。
【0042】反応の操作としては、所望に応じて各種の
方法を採用することができる。該反応は特殊な装置(例
えば高温高圧釜)を使用しなくても行うことができ、例
えば、汎用的な装置を使用して、式(1)のアルデヒド
化合物、式(2)の含窒素化合物(その塩でもよい)及
び水素添加触媒を、水素ガス雰囲気下、かつ所定の温度
及び所定の水素圧力の条件下で、攪拌等の手段により混
合することによって、回分式、半回分式又は連続式で反
応を行うことができる。反応に際して、各成分の混合順
序や混合速度についての制限は特になく、反応に供する
液体又は固体の成分のすべて(即ち、式(1)のアルデ
ヒド化合物、式(2)の含窒素化合物及び水素添加触
媒)を一度に混合したうえで反応を開始させてもよく、
あるいは式(1)のアルデヒド化合物及び式(2)の含
窒素化合物のうち一方の成分と水素添加触媒を反応器に
仕込み、残りの成分を反応器内に添加しながら反応させ
てもよいし、水素添加触媒と溶媒を反応器に仕込み、式
(1)のアルデヒド化合物及び式(2)の含窒素化合物
をそれぞれ反応器内に添加しながら反応させてもよい。
反応器内に添加しながら反応させる場合、一部の成分を
添加する形態としては、連続的添加、複数回に分けての
断続的添加等の種々の形態を採用することができる。
【0043】前述したように、工程(A)では、式
(1)のアルデヒド化合物の置換基R及びRの種類
等に応じて、式(3)の4,5−ジヒドロキシペンチル
アミン類、式(4)のアミン化合物又はそれらの等価体
が得られる。
【0044】具体的には、式(1)におけるR及びR
が共に水素原子ではない場合(即ち、共に式[RC
(=O)−]のアシル基である場合)には、式(4)の
アミン化合物又はその等価体を含む反応生成物が主とし
て得られる。この場合、使用した式(1)のアルデヒド
化合物に対して使用した式(2)の含窒素化合物の当
量、種類及び採用した反応条件に応じて、R及びR
の一部が脱アシル化することがあり、また、脱離したア
シル基が式(4)のアミン化合物の窒素原子に結合した
形態の1種又は2種以上の化合物が形成される場合もあ
る。これらの化合物が式(4)のアミン化合物の等価体
に相当する。従って、R及びRの双方が脱アシル化
した場合の等価体には、式(3)の4,5−ジヒドロキ
シペンチルアミン類の等価体も含まれる場合がある。
【0045】式(1)におけるR及びRが共に水素
原子ではない場合の工程(A)における反応で得ること
のできる式(4)のアミン化合物の代表例としては、式
(1)のアルデヒド化合物として4,5−ジヒドロキシ
ペンタナールの二つの水酸基が共にアシル化された化合
物を使用することとなるため、N−(4,5−ジアシロ
キシペンチル)基を有する第1級、第2級もしくは第3
級のアミン化合物又はそのアシロキシ基の少なくとも一
部が脱アシル化されている化合物が挙げられる。
【0046】また、工程(A)における反応によって生
成し得る上記式(4)のアミン化合物の等価体の代表例
としては、式(1)のアルデヒド化合物として4,5−
ジアセトキシペンタナール(式(1)においてR及び
がいずれもアセチル基である化合物)を使用し、式
(2)の含窒素化合物としてアンモニア(式(2)にお
いてR及びRがいずれも水素原子である化合物)を
使用した場合には、式(4)のアミン化合物の等価体と
して、5−(N−アセチルアミノ)−1,2−ペンタン
ジオールが挙げられる。
【0047】また、工程(A)におけるR及びR
両方が水素である場合、もしくは反応中において、脱ア
シル化反応が実質的に完全に生起し、かつ脱離したアシ
ル基が式(3)の4,5−ジヒドロキシペンチルアミン
類と結合した形態の化合物の実質的な生成を伴わない場
合、得られる反応生成物の実質的に全量が本発明の製造
方法における最終目的物である式(3)の4,5−ジヒ
ドロキシペンチルアミン類に相当することになる。な
お、この場合には、後述する工程(B)を更に実施する
必要はない。
【0048】工程(A)の反応終了後、得られた反応混
合物に対し、必要に応じて濾過、遠心分離などの方法で
水素添加触媒除去操作を施した後、蒸留、抽出、カラム
クロマトグラフィー、晶析などの公知の分離手法を適用
することによって、目的とする式(3)の4,5−ジヒ
ドロキシペンチルアミン類、式(4)のアミン化合物又
はそれらの等価体を含む反応生成物を高純度で分離取得
することができる。但し、次の工程(B)(脱アシル化
反応工程)を設ける場合、該アシル化反応工程に係る反
応に供する式(4)のアミン化合物又はそれらの等価体
を含む反応生成物は高純度であることは必ずしも必要で
なく、工程(A)で得られた反応混合物をそのまま工程
(B)に供することもできるし、該反応混合物から例え
ば単蒸発操作などにより微量に混入する触媒残渣、無機
化合物等を分離除去して得られた粗精製物又はその溶液
を用いることもできる。
【0049】特に、R及びRが同時に水素原子でな
い式(1)のアルデヒド化合物と、Rが水素原子又は
置換基を有していてもよい1価の飽和炭化水素基もしく
は置換基を有していてもよい1価の芳香族基であり、R
が水素原子である式(2)の含窒素化合物とを工程
(A)に適用した場合、式(4)のアミン化合物及びそ
れらの等価体(例えば、N−アシル化物など)を含む複
数種の反応生成物からなる反応混合物が得られることが
ある。このような場合には、得られた式(4)のアミン
化合物を含む反応混合物(工程(A)に従う反応で得ら
れた反応混合物そのもの、又は、それを上記の簡単な分
離操作に付して得られた粗精製物)を、次の工程(B)
で加溶媒分解反応に供することによって、脱アシル化反
応(脱保護基反応)と等価体における脱N−アシル反応
の両方を生起させ、所望の式(3)の4,5−ジヒドロ
キシペンチルアミン類を取得することができる。
【0050】なお、工程(A)において出発物質として
使用する式(1)のアルデヒド化合物におけるR及び
に関し、「式[RC(=O)−](Rは水素原子、
炭素数1〜10の飽和脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜
14の芳香族炭化水素基を表す)のアシル基」は水酸基
の保護基として機能しており、その具体例としてはRが
水素原子である場合はホルミル基が挙げられ、Rが炭素
数1〜10の飽和脂肪族炭化水素基である場合はアセチ
ル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ヘキ
サノイル基、オクタノイル基、2−エチルヘキサノイル
基、シクロヘキサンカルボニル基、シクロオクタンカル
ボニル基等が挙げられ、Rが炭素数6〜14の芳香族炭
化水素基である場合はベンゾイル基、1−ナフタレンカ
ルボニル基、2−ナフタレンカルボニル基等が挙げられ
る。
【0051】式(1)のアルデヒド化合物の具体例とし
ては、4,5−ジヒドロキシペンタナール、4,5−ジ
アセトキシペンタナール、4,5−ジプロピオニルオキ
シペンタナール、4,5−ジバレリルオキシペンタナー
ル、4,5−ジベンゾイルオキシペンタナール等が挙げ
られる。
【0052】式(1)のアルデヒド化合物は、工業的に
入手できる3,4−ジアシロキシ−1−ブテンや3,4
−ジヒドロキシ−1−ブテンを、ロジウム化合物及び第
3級有機リン化合物の存在下に水素及び一酸化炭素と反
応(ヒドロホルミル化反応)させることによって工業的
規模で安価に製造することが可能である。
【0053】式(2)で表される含窒素化合物における
及びRは、式(3)において定義した通りであ
る。従って、式(2)の含窒素化合物は、R及びR
が共に水素原子である場合はアンモニアであり、R
びRのいずれか一方が水素原子である場合には1級ア
ミンであり、R及びRが同時に水素原子ではない場
合には2級アミンをあらわす。このような1級アミンの
具体例としては、メチルアミン、エチルアミン、イソプ
ロピルアミン、プロピルアミン、イソブチルアミン、ブ
チルアミン、t−ブチルアミン、オクチルアミン、(2
−エチルヘキシル)アミン、シクロヘキシルアミン、N
−(3−アミノプロピル)モルホリン、アニリン、o−
トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、p−フ
ェネチジン、メシチジン、4−アミノ−3−メチル−
N,N,−ジエチルアニリン、2−アミノピリジン、3
−アミノピリジン、4−アミノピリジン、α−ナフチル
アミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、エタノー
ルアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、3−
(ジメチルアミノ)プロピルアミン、3−メトキシプロ
ピルアミン等が挙げられる。また、2級アミンの具体例
としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプ
ロピルアミン、ジプロピルアミン、ジイソブチルアミ
ン、ジブチルアミン、ジオクチルアミン、ジ(2−エチ
ルヘキシル)アミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メ
チルシクロヘキシルアミン、ジフェニルアミン、N−メ
チルアニリン、N−メチル−o−トルイジン、N−メチ
ル−m−トルイジン、N−メチル−p−トルイジン、N
−メチル−α−ナフチルアミン、N−フェニル−α−ナ
フチルアミン、N−メチルベンジルアミン、ジベンジル
アミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールア
ミン、ジイソプロパノールアミン、N−メチルイソプロ
パノールアミン等の非環状アミン;アジリジン、ピロリ
ジン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、
4−ピペコリン、モルホリン、N−メチルピペラジン、
1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、2−(1−
ピペラジニル)ピリミジン等の環状アミンなどが挙げら
れる。
【0054】式(2)の含窒素化合物は塩の形態であっ
てもよい。使用可能な塩の例としては、例えば、1級ア
ミンと塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、プロピオン酸等のプロ
トン酸とから形成される塩などが挙げられる。該塩の代
表例としては、アンモニウムクロライド、硫酸アンモニ
ウム、硝酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、プロピオ
ン酸アンモニウム、メチルアンモニウムクロライド、硫
酸ジ(メチルアンモニウム)、硝酸(メチルアンモニウ
ム)、酢酸メチルアンモニウム、プロピオン酸メチルア
ンモニウム、ジメチルアンモニウムクロライド、硫酸ジ
メチルアンモニウムなどが挙げられる。
【0055】なお、式(2)の含窒素化合物として、プ
ロトン酸との塩を使用する場合、反応系中に塩基性化合
物を存在させると好結果が得られることがある。該塩基
性化合物の具体例としては、水酸化リチウム、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリ
ウム、酢酸カリウム、トリエチルアミン、トリブチルア
ミン、トリオクチルアミン、ピリジンなどが挙げられ
る。該塩基性化合物を使用する場合、その使用量は、通
常、1級アミンの塩1モルに対して10モル以下となる
割合であり、好ましくは2モル以下となる割合である。
【0056】工程(B) 工程(A)で得られた反応生成物中に、式(4)のアミ
ン化合物又はそれらの等価体が少なからず含まれている
場合、水酸基の脱アシル化反応を行うことによって、ア
シル化された水酸基を遊離の水酸基に変換する。
【0057】この脱アシル化反応は周知の方法に従って
行うことができる。たとえば、加溶媒分解法(例えば、
水及び/又はアルコールからなる溶媒中において、水酸
化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸
ナトリウム、ナトリウムメトキシドなどの塩基性物質/
又は塩化水素、臭化水素などの酸性物質を作用させるこ
とからなる方法)などが挙げられる。
【0058】次に、第2の本発明について説明する。
【0059】工程(A−1) 工程(A−1)における式(1)のアルデヒド化合物と
式(2)の含窒素化合物との反応においては、水素及び
水素添加触媒が不必要である点を除き、第1の本発明に
おいて説明した工程(A)における水素添加触媒の存在
下、式(1)のアルデヒド化合物と式(2)の含窒素化
合物と水素との反応に準じて行うことができる。即ち、
式(1)のアルデヒド化合物と式(2)の含窒素化合物
(その塩でもよい)との使用割合、式(2)の含窒素化
合物(その塩でもよい)の使用形態(そのままの形態か
溶液の形態かの点)、任意に使用可能な溶媒の種類(た
だし水は使用しない方が望ましい)及び量、反応温度、
反応時間(すなわち、反応時間はアルデヒドの転化率な
どに基づいて設定可能)、反応装置、アルデヒド化合物
と含窒素化合物(その塩でもよい)の添加順序(一括添
加か、連続的又は断続的添加化の点)、反応様式(回分
式か半回分式か連続式かの点)などについての条件は、
第1の本発明の工程(A)における各条件と同様とする
ことができる。
【0060】ただし、工程(A−1)における式(1)
のアルデヒド化合物と式(2)の含窒素化合物との反応
は、生成する水を反応中に除去しながら行うことが、反
応を促進する点で好ましい場合がある。生成する水を反
応中に除去するための方法としては、水を系外に留出さ
せる方法、水を乾燥剤に物理的又は化学的に吸収させる
方法などを採用することができる。水を系外に留出させ
る方法を採用する場合、ベンゼン、トルエン、ペンタ
ン、シクロヘキサン、石油エーテル等の水と共沸混合物
の形態で水を留出させることが好ましい。また、水を乾
燥剤に吸収させる方法を採用する場合、乾燥剤として
は、モレキュラーシーブ、塩化カルシウム、硫酸マグネ
シウム、硫酸ナトリウム等の物理的乾燥剤;水素化カル
シウム、水素化アルミニウムリチウム等の化学的乾燥剤
などを使用することができる。なお、水を有機溶媒との
共沸混合物の形態で反応系から除去する場合、取得され
た共沸混合物を層分離、乾燥剤との接触などの処理に付
した後、回収された有機溶媒を反応系に供給し再使用す
ることができる。
【0061】なお、必ずしも明らかではないが、工程
(A−1)に従うアルデヒド化合物と含窒素化合物との
反応によって、下式(6)
【0062】
【化17】 CH2(OR2)−CH(OR1)−CH2−CH=CH−N(R3)R4 (6)
【0063】(式中、R、R、R及びRは前記
定義どおりである)のエナミン化合物又はその等価体が
生成するものと推定される。
【0064】工程(A−1)の反応の終了後、得られた
反応混合物を蒸留、晶析、カラムクロマトグラフィーな
どの分離・精製操作に供することにより、反応生成物を
分離取得することができる。しかしながら、得られた反
応混合物をそのまま、又は単蒸発などの簡便な分離操作
により未反応原料、生成した水、溶媒などの少なくとも
一部を除去した後に次の工程(A−2)に供するのが効
率的である。
【0065】工程(A−2) この工程(A−2)における反応操作としては、通常の
エナミンの水素添加において使用しうる水素添加反応操
作を採用することができるが、上記工程(A−1)で得
られた反応生成物(工程(A−1)で得られた反応混合
物の形態でもよい)を水素添加触媒の存在下において水
素と反応させることからなる方法が工業的に有利であ
る。
【0066】使用可能な水素添加触媒としては、例え
ば、パラジウム、ロジウム、ニッケル、白金等の金属を
活性成分とする触媒を挙げることができる。これらの水
素添加触媒の形態としては、活性成分となる金属そのも
の;その金属酸化物;その金属と他の金属との合金;活
性成分となる金属(酸化物、合金でもよい)を活性炭、
アルミナ、シリカゲル、ケイソウ土などの担体上に担持
させてなる担体付き触媒等のいずれであってもよい。水
素添加触媒の使用量は、必ずしも限られるものではない
が、通常は、前工程(A−1)において使用した式
(1)のアルデヒド化合物の1重量部に対して0.00
01〜0.2重量部の範囲内に相当する量であり、反応
速度及び目的とする式(3)の(ジヒドロキシアルキ
ル)アミン化合物の製造コストの観点からは、式(1)
のアルデヒド化合物1重量部に対して0.005〜0.
1重量部の範囲内であることが好ましい。
【0067】工程(A−2)における反応では、溶媒の
使用は必ずしも必要ではないが、所定の反応に悪影響を
及ぼさない限り溶媒を使用しても差し支えない。使用可
能な溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノー
ル、プロパノール等のアルコール系溶媒;ジエチルエー
テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系
溶媒;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒などが挙げ
られ、1種を単独で又は2種以上を混合して使用するこ
とができる。溶媒を使用する場合、その使用量は、通
常、前工程(A−1)で使用される式(1)のアルデヒ
ド化合物の1重量部に対して0.1〜10重量部の範囲
内である。
【0068】工程(A−2)における反応では、水素
を、工程(A−1)における反応生成物及び水素添加触
媒を含有する混合物と接触させる。その接触の形態とし
ては、例えば、該混合物を存在させた反応系の雰囲気中
に水素ガスを存在させることからなる形態、該混合物中
に水素ガスを導入(バブリング)することからなる形態
などが挙げられる。反応系中における水素の分圧は、必
ずしも限られるものではないが、通常は0.5〜100
気圧(絶対圧)の範囲内である。なお、所定の反応に悪
影響を及ぼさない限りにおいて、反応系の気相部に水素
以外の気体(例えば、窒素、アルゴン等)が含有されて
いてもよい。
【0069】工程(A−2)における反応において、反
応温度は必ずしも限られるものではないが、通常は20
〜180℃の範囲内の温度が採用され、反応速度の高さ
及び目的とする式(4)のアミン化合物もしくは式
(3)の4,5−ジヒドロキシペンチルアミン類への選
択率の高さの観点からは、40〜140℃の範囲内の温
度を採用することが好ましい。
【0070】工程(A−2)における反応において、反
応の所要時間は必ずしも限定されるものではなく、例え
ば、ガスクロマトグラフィー等の定量分析手段で求めら
れた式(1)のアルデヒド化合物の転化率及び/又は生
成する式(4)のアミン化合物もしくは式(3)の4,
5−ジヒドロキシペンチルアミン類への選択率に基づ
き、反応時間(連続式反応操作の場合には滞留時間)を
適宜設定することができる。ただし、通常は、0.5〜
20時間の範囲内である。
【0071】工程(A−2)における反応において、反
応の操作としては、所望に応じて各種の方法を採用する
ことができる。該反応は特殊な装置(例えば高温高圧
釜)を使用しなくても行うことができ、例えば、汎用的
な装置を使用して、工程(A−1)で得られた反応生成
物及び水素添加触媒を、水素ガス雰囲気下、かつ所定の
温度及び所定の水素圧力の条件下で、攪拌等の手段によ
り混合することによって、回分式、半回分式又は連続式
で反応を行うことができる。
【0072】以上説明した工程(A−1)での反応及び
工程(A−2)での反応を経ることにより、第1の本発
明の工程(A)と同様に、式(3)のジヒドロキシペン
チルアミン類、式(4)のアミン化合物又はそれらの等
価体を含む反応生成物が得られる。具体的には、式
(1)におけるR及びRが共に水素原子ではない場
合(即ち、共に式[RC(=O)−]のアシル基である
場合)には、式(4)のアミン化合物又はその等価体を
含む反応生成物が主として得られる。この場合、使用し
た式(1)のアルデヒド化合物に対して使用した式
(2)の含窒素化合物の当量、種類及び採用した反応条
件に応じて、R及びRの一部が脱アシル化すること
があり、また、脱離したアシル基が式(4)のアミン化
合物の窒素原子に結合した形態の1種又は2種以上の化
合物が形成される場合もある。これらの化合物が式
(4)のアミン化合物の等価体に相当する。従って、R
及びRの双方が脱アシル化した場合の等価体には、
式(3)の4,5−ジヒドロキシペンチルアミン類の等
価体も含まれる場合がある。
【0073】式(1)におけるR及びRが共に水素
原子ではない場合の工程(A−2)における反応で得る
ことのできる式(4)のアミン化合物の代表例として
は、式(1)のアルデヒド化合物として4,5−ジヒド
ロキシペンタナールの二つの水酸基が共にアシル化され
た化合物を使用することとなるため、N−(4,5−ジ
アシロキシペンチル)基を有する第1級、第2級もしく
は第3級のアミン化合物又はそのアシロキシ基の少なく
とも一部が脱アシル化されている化合物が挙げられる。
【0074】また、工程(A−2)における反応によっ
て生成し得る上記式(4)のアミン化合物の等価体の代
表例としては、式(1)のアルデヒド化合物として4,
5−ジアセトキシペンタナール(式(1)においてR
及びRがいずれもアセチル基である化合物)を使用
し、式(2)の含窒素化合物としてアンモニア(式
(2)においてR及びRがいずれも水素原子である
化合物)を使用した場合には、式(4)のアミン化合物
の等価体として、5−(N−アセチルアミノ)−1,2
−ペンタンジオールを挙げられる。
【0075】また、工程(A−1)におけるR及びR
の両方が水素である場合、もしくは工程(A−2)に
おける反応中において、脱アシル化反応が実質的に完全
に生起し、かつ脱離したアシル基が式(3)の4,5−
ジヒドロキシペンチルアミン類と結合した形態の化合物
の実質的な生成を伴わない場合、得られる反応生成物の
実質的に全量が本発明の製造方法における最終目的物で
ある式(3)の4,5−ジヒドロキシペンチルアミン類
に相当することになる。なお、この場合には、後述する
工程(B′)を更に実施する必要はない。
【0076】工程(A−2)での反応が少なくとも部分
的な脱アシル化反応を伴う可能性のある場合としては、
例えば、アルデヒド化合物を表す式(1)中においてR
及びRで表されるアシル基(保護基)としてホルミ
ル基、アセチル基、プロピオニル基などが挙げられる。
さらに、脱離したアシル基が式(4)のアミン化合物と
結合した形態の化合物の生成を伴う可能性のある場合と
しては、例えば、使用した含窒素化合物を表す式(2)
中におけるRが水素原子、置換基を有していてもよい
1価の飽和炭化水素基又は置換基を有していてもよい1
価の芳香族基であり、Rが水素原子である場合が挙げ
られる。
【0077】工程(A−1)における反応及びそれに引
き続く工程(A−2)における反応によって生成しうる
上記式(4)のアミン化合物の代表例としては、以下の
物が挙げられる。例えば工程(A−1)において式
(1)のアルデヒド化合物として4,5−ジヒドロキシ
ペンタナールを使用した場合には、工程(A−2)では
式(4)のアミン化合物としてN−(4,5−ジヒドロ
キシペンチル)基を有する第1級、第2級もしくは第3
級アミン化合物が生成する。工程(A−1)において式
(1)のアルデヒド化合物として4,5−ジアセトキシ
ペンタナールを使用した場合には、工程(A−2)では
式(4)のアミン化合物としてN−(4,5−ジヒドロ
キシペンチル)基を有する第1級、第2級もしくは第3
級アミン化合物又はその水酸基がアシル化(保護)され
た化合物が生成しうる。
【0078】工程(A−2)における反応によって生成
しうる上記式(4)のアミン化合物の代表例としては、
例えば工程(A−1)において式(1)のアルデヒド化
合物及び式(2)の含窒素化合物としてそれぞれ4,5
−ジアセトキシペンタナール、アンモニアを使用した場
合には工程(A−2)において式(4)のアミン化合物
の等価体として、5−(N−アセチルアミノ)−2−ア
セトキシ−1−ペンタノールが想定される。
【0079】工程(A−2)での反応終了後、目的物で
ある上記式(4)のアミン化合物又はその等価体を含む
反応生成物は、例えば得られた反応混合物から水素添加
触媒を濾過あるいは遠心分離などによって除き、次いで
得られた混合液を蒸留、晶析、カラムクロマトグラフィ
ーなどの分離・精製操作に供することにより、高純度で
得ることができる。ただし、次に独立の脱アシル化(脱
保護)反応工程(工程(B))を設ける場合、該脱保護
反応工程にかかる反応に供するアミン化合物又はその等
価体を含む反応生成物は高純度であることは必ずしも必
要ではなく、工程(A−2)で得られた反応混合物をそ
のまま工程(B′)に供することもできるし、該反応混
合物から例えば単蒸発操作などにより微量混入する触媒
残渣、無機化合物等を分離除去して得られた粗精製物又
はその溶液を用いることもできる。
【0080】本発明においては上記のように工程(A)
を経るか、又は上記の工程(A−1)及び(A−2)か
らなる一連の工程を経ることによって、式(1)のアル
デヒド化合物を用いて式(3)の4,5−ジヒドロキシ
ペンチルアミン類、式(4)のアミン化合物又はそれら
の等価体を含む反応生成物を得るが、操作の簡便化、装
置の簡略化等の観点において工程(A)を経る場合の方
が工業的により好適である。
【0081】工程(B′) 上記のように本発明においては、工程(A−1)又は工
程(A−2)を経て得られた式(4)のアミン化合物又
はそれらの等価体を含む反応生成物中に脱保護されてい
ない化合物が少なからず含まれている場合、必要に応じ
て、第1の本発明における工程(B)に従じ、水酸基の
脱アシル化を行うことによって、アシル化された水酸基
を遊離の水酸基に変換し、同様の分離操作により目的と
する式(3)のジヒドロキシペンチルアミン類を得るこ
とができる。
【0082】本発明の製造方法によって得られる式
(3)の4,5−ジヒドロキシペンチルアミン類は、2
つの水酸基と1つのアミノ基を分子内に有する。従って
その化学構造に由来して、農医薬中間体などの有機合成
原料や、染料原料、乳化剤、防錆剤、中和剤、pH調節
剤、靴墨原料、合成洗剤、繊維助剤、有機溶剤、切削
油、ワックス原料、塗料原料、印刷インキ原料、凝集剤
原料、接着剤原料、つやだし剤、ガス精製剤、潤滑油添
加剤、ウレタン発泡触媒、アゾ染料緩性揮発剤、アニオ
ン交換樹脂原料、燃料油スラッジ防止剤、燃料油スラッ
ジ分散剤、ワックス類乳化剤、繊維処理剤原料、エポキ
シ樹脂低温重合促進剤、エポキシ樹脂硬化促進剤、水溶
性塗料合成樹脂可溶化剤、エマルジョンペイントアルカ
リ安定化剤、ウレタンコーティング触媒、繊維の柔軟剤
原料、ゴム安定剤、ゴム強度向上剤、紙加工剤原料など
の幅広い用途に使用可能である。
【0083】以上の第1の本発明及び第2の本発明の製
造方法の目的化合物である式(3)の4,5−ジヒドロ
キシペンチルアミン類のうち、R及びRが共に水素
原子であり、R及びRが共にメチルであるN,N−
ジメチル−4,5−ジヒドロキシペンチルアミンは新規
な化合物であり、上述の用途に好ましく適用することが
できる。
【0084】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はかかる実施例により何ら制限されるもの
ではない。
【0085】実施例1 [4,5−ジアセトキシペンタナールとジメチルアミン
水溶液及び水素との反応(脱アシル化反応を伴う場
合)]ガス導入口、サンプリング口及び電磁攪拌装置を
備えた内容積1リットルのオートクレーブを窒素雰囲気
下に維持し、4,5−ジアセトキシペンタナール200
g(989ミリモル))、50重量%ジメチルアミン水
溶液402g(ジメチルアミン201g、4.5モ
ル)、ラネーニッケル(デグサ製BK113W(商品
名))6.0グラムを仕込んだ。0.8MPaの圧力の
水素ガス雰囲気の下で攪拌し、20分かけて110℃に
昇温した。このまま110℃に維持した状態で5時間攪
拌し反応を追い込んだ。なお、昇温中及び反応追い込み
期間中、反応により消費された量の水素ガスを常時反応
器内に供給することで、系内の水素圧をゲージ圧で0.
8MPaに維持した。
【0086】反応終了後、得られた反応混合物を抜き取
り、触媒を濾別した後、濾液から水、未反応ジメチルア
ミンをエバポレーターにより除去したところ、濃縮液が
321g得られた。この濃縮液をガスクロマトグラフィ
ーにより分析したところ、原料である4,5−ジアセト
キシペンタナールは確認されなかった(転化率:100
%)。
【0087】この液を、蒸留により精製したところ、5
−(ジメチルアミノ)−1,2−ペンタンジオールが1
17g(純度94%、748ミリモル、留出温度115
℃;0.13kPa)得られた(収率75.6%、使用
した4,5−ジアセトキシペンタナール基準)。 H−NMR(60MHz、CDCl、TMS) δ(ppm):0.99―2.80(m,15H)、
3.05−3.83(m,3H)、5.26(s,2
H)赤外吸収スペクトル(ν:cm−1 3700−2400(O−H)、2943(C−H)、
1375、1263、1107、1041、879
【0088】実施例2 (A)[4,5−ジアセトキシペンタナールとジメチル
アミンとの反応] 窒素雰囲気下に保ち、還留冷却器をそなえた1リットル
3口フラスコに4,5−ジアセトキシペンタナールを1
66g(822ミリモル)入れ、この混合物を0℃まで
冷却した。そこへ50重量%ジメチルアミン水溶液30
0g(ジメチルアミン150g、3.33モル)をゆっ
くり滴下した。0℃に維持したまま20分撹拌した後、
40℃で6時間加熱撹拌した。反応液をガスクロマトグ
ラフィーにて分析したところ、4,5−ジアセトキシペ
ンタナールは9.2g確認された(転化率94%)。
【0089】(B)[上記(A)で得られた反応生成物
と水素との反応(脱アシル化反応を伴う)] 上記(A)で得られた反応液全量及びラネーニッケル
2.3グラムを窒素雰囲気下に維持した1リットル耐圧
反応器に仕込み、0.8MPaの圧力の水素ガス雰囲気
の下で、80℃で2時間、次いで110℃で4時間攪拌
した。なお、この反応期間中、反応により消費された量
の水素ガスを常時反応器内に供給することで、系内の水
素圧をゲージ圧で0.8MPaに維持した。
【0090】反応終了後、得られた反応混合物を抜き取
り、触媒を濾別した後、得られた濾液をガスクロマトグ
ラフィーにて分析した結果、該濾液中に5−(ジメチル
アミノ)−1,2−ペンタンジオールが71.7g(4
88ミリモル、5−アセトキシ−3−メチルペンタナー
ルからの収率:90%)含まれていることが判明した。
【0091】実施例3 (A)[4,5−ジアセトキシペンタナールとジメチル
アミン水溶液及び水素との反応] ガス導入口、サンプリング口及び電磁攪拌装置を備えた
内容積1リットルのオートクレーブを窒素雰囲気下に維
持し、4,5−ジアセトキシペンタナール310g
(1.5モル)、パラジウムカーボン2.5グラムを仕
込み、0.8MPaの圧力の水素ガス雰囲気の下で攪拌
し、90℃へ昇温した。そこへ50重量%ジメチルアミ
ン水溶液155g(ジメチルアミン78g、1.7モ
ル)を4時間かけてフィードした。このまま90℃に維
持した状態で5時間攪拌し反応を追い込んだ。なお、昇
温中及び反応追い込み期間中、反応により消費された量
の水素ガスを常時反応器内に供給することで、系内の水
素圧をゲージ圧で0.8MPaに維持した。
【0092】反応終了後、得られた反応混合物を抜き取
り、触媒を濾別した後、濾液から水、未反応ジメチルア
ミンをエバポレーターにより除去したところ、濃縮液が
384g得られた。この濃縮液をガスクロマトグラフィ
ーにより分析したところ、原料である4,5−ジアセト
キシペンタナールは確認されなかった(転化率:100
%)。
【0093】(B)[脱アシル化反応] 上記(A)で得られた反応濃縮液50g、メタノール2
00ミリリットル、及びナトリウムメトキシド30gを
ガラス容器に入れ、50℃、10時間攪拌した。得られ
た反応混合液をガスクロマトグラフィーにより分析した
ところ、5−(ジメチルアミノ)−1,2−ペンタンジ
オールが11.3g(77ミリモル)含まれていること
がわかった。これは使用した4,5−ジアセトキシペン
タナール基準で収率39%に相当する。
【0094】参考例 [3,4−ジヒドロキシ−1−ブテンのヒドロホルミル
化反応]ガス導入口及びサンプリング口を備えた内容積
300mlの電磁攪拌式オートクレーブにRh(aca
c)(CO)20.6mg(0.08ミリモル)、ト
リス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト
518mg(0.8ミリモル)、3,4−ジヒドロキシ
−1−ブテン104g(1.18モル)、1,2−ジメ
トキシエタン43g及びトルエン44gを空気に触れな
いようにして仕込み、オートクレーブ内の圧力を水素/
一酸化炭素=1/1(モル比)の混合ガスでゲージ圧で
9.8MPa(100気圧)に保った。オートクレーブ
からの出ガス流量を1時間あたり10リットルに設定
し、毎分900回転の速度で攪拌しながら、オートクレ
ーブ内の混合液の温度を30分間かけて60℃に昇温さ
せ、この状態で6時間反応させた。なお、水素/一酸化
炭素=1/1(モル比)の混合ガスを常時供給してオー
トクレーブ内の圧力をゲージ圧で9.8MPa(100
気圧)に維持した。
【0095】得られた反応混合液の一部をガスクロマト
グラフィー〔カラム:化学品検査協会製、G−300
(商品名)、検出器:FID検出器〕で分析したとこ
ろ、反応混合液中に残存する原料の3,4−ジヒドロキ
シ−1−ブテンは0.8gであった(転化率:99
%)。冷却後、反応液を抜き取ったところ217gであ
った。
【0096】実施例4 [4,5−ジヒドロキシペンタナールとジメチルアミン
及び水素との反応]ガス導入口、サンプリング口及び電
磁攪拌装置を備えた内容積300ミリリットルのオート
クレーブを窒素雰囲気下に維持し、参考例で得られたヒ
ドロホルミル化反応液50g、イソプロパノール50ミ
リリットル、50重量%ジメチルアミン水溶液37g
(ジメチルアミン18g、408ミリモル)、ラネーニ
ッケル(デグサ製BK113W(商品名))2.0グラ
ムを仕込んだ。0.8MPaの圧力の水素ガス雰囲気の
下で攪拌し、15分かけて90℃に昇温した。このまま
90℃に維持した状態で7時間攪拌し反応を追い込ん
だ。なお、昇温中及び反応追い込み期間中、反応により
消費された量の水素ガスを常時反応器内に供給すること
で、系内の水素圧をゲージ圧で0.8MPaに維持し
た。
【0097】反応終了後、得られた反応混合物を抜き取
り、触媒を濾別した後、濾液からトルエン、イソプロパ
ノール、水、未反応ジメチルアミンをエバポレーターに
より除去したところ、濃縮液が41g得られた。この濃
縮液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、
5−(ジメチルアミノ)−1,2−ペンタンジオールが
15.2g(103ミリモル)溶存していることが分か
った(3,4−ジヒドロキシ−1−ブテンからの収率3
8%)。
【0098】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、アミン化合
物の窒素原子に結合する1つのアルキル基に水酸基が2
つ置換されている(ジヒドロキシアルキル)アミン類を
工業的に有利に製造できる。また、本発明の製造方法に
より得られるN,N−ジメチル−4,5−ジヒドロキシ
ペンチルアミンは新規化合物であり、従ってその化学構
造に由来して、農医薬中間体などの有機合成原料や、染
料原料、乳化剤などの幅広い用途に使用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA02 AC41 AC52 BA21 BE20 BN10 BU32 4H039 CA71 CB40

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(3) 【化1】 (式中、R及びRは、それぞれ独立的に水素原子、
    置換基を有していてもよい1価の飽和炭化水素基もしく
    は置換基を有していてもよい1価の芳香族基を表すか、
    又はR及びRが互いに結合して、置換基を有してい
    てもよい2価の飽和脂肪族基を表す)で示される4,5
    −ジヒドロキシペンチルアミン類の製造方法において、
    以下の工程(A): (A) 水素添加触媒の存在下で、式(1) 【化2】 (式中、R及びRは、それぞれ独立的に水素原子又
    は式[RC(=O)−](Rは水素原子、炭素数1〜1
    0の飽和脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜14の芳香族
    炭化水素基を表す)のアシル基を表す)で表されるアル
    デヒド化合物と、式(2) 【化3】 (式中、R及びRは前記定義のとおりである)で示
    される含窒素化合物と、水素とを反応させて式(3)の
    4,5−ジヒドロキシペンチルアミン類、式(4) 【化4】 (式中、R、R、R及びRは前記定義のとおり
    である。但し式(4)においては、R及びRは同時
    に水素原子とはならない)で示されるアミン化合物又は
    それらの等価体を含む反応生成物を取得する工程を含む
    ことを特徴とする製造方法。
  2. 【請求項2】 工程(A)で得られた反応生成物に該式
    (4)のアミン化合物又はそれらの等価体が含まれてい
    る場合、更に、以下の工程(B): (B) その反応生成物に脱アシル化反応を施すことに
    より式(3)の4,5−ジヒドロキシペンチルアミン類
    を得る工程を含む請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 下記式(3) 【化5】 (式中、R及びRは、それぞれ独立的に水素原子、
    置換基を有していてもよい1価の飽和炭化水素基もしく
    は置換基を有していてもよい1価の芳香族基を表すか、
    又はR及びRが互いに結合して、置換基を有してい
    てもよい2価の飽和脂肪族基を表す)で示される4,5
    −ジヒドロキシロペンチルアミン類の製造方法におい
    て、以下の工程(A−1)及び(A−2): (A−1) 式(1) 【化6】 (式中、R及びRは、それぞれ独立的に水素原子又
    は式[RC(=O)−](Rは水素原子、炭素数1〜1
    0の飽和脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜14の芳香族
    炭化水素基を表す)のアシル基を表す)であらわされる
    アルデヒド化合物を式(2) 【化7】 (式中、R及びRは前記定義のとおりである)で示
    される含窒素化合物と反応させる工程; 及び (A−2) 工程(A−1)で得られた反応混合物に対
    し、水素添加触媒の存在下で水素添加反応を行い、式
    (3)の4,5−ジヒドロキシペンチルアミン類、式
    (4) 【化8】 (式中、R、R、R及びRは前記定義のとおり
    である。但し式(4)においては、R及びRは同時
    に水素原子とはならない)で示されるアミン化合物又は
    それらの等価体を含む反応生成物を取得する工程を含む
    ことを特徴とする製造方法。
  4. 【請求項4】 工程(A−2)で得られた反応生成物に
    該式(4)のアミン化合物又はそれらの等価体が含まれ
    ている場合、更に、以下の工程(B′):(B′) そ
    の反応生成物に脱アシル化反応を施すことにより式
    (3)の4,5−ジヒドロキシペンチルアミン類を得る
    工程を含む請求項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 N,N−ジメチル−4,5−ジヒドロキ
    シペンチルアミン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006160732A (ja) * 2004-11-11 2006-06-22 Air Products & Chemicals Inc N,n−ジアルキルポリヒドロキシアルキルアミン

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