JP2003073329A - アルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害剤 - Google Patents

アルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害剤

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JP2003073329A
JP2003073329A JP2001267775A JP2001267775A JP2003073329A JP 2003073329 A JP2003073329 A JP 2003073329A JP 2001267775 A JP2001267775 A JP 2001267775A JP 2001267775 A JP2001267775 A JP 2001267775A JP 2003073329 A JP2003073329 A JP 2003073329A
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aldehyde dehydrogenase
long
fatty acid
chain fatty
acid derivative
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JP2001267775A
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Yasushi Arimoto
靖 有本
Takahiro Inaguma
隆博 稲熊
Hirokazu Kawagishi
洋和 河岸
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Kagome Co Ltd
Original Assignee
Kagome Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易に得られ、かつ副作用の可能性の少ない
アルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害作用を有する新規な化
合物を含有するアルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害剤を提
供する。 【解決手段】 下記の式1で表される長鎖脂肪酸誘導体
を、アルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害剤の有効成分とす
る。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルデヒドデヒド
ロゲナーゼを阻害する作用(以下、「アルデヒドデヒド
ロゲナーゼ阻害作用」ともいう)を有する新規化合物、
及び該新規化合物を有効成分として含有するアルデヒド
デヒドロゲナーゼ阻害剤に関する。
【0002】
【従来の技術】飲酒を行なうと、体内でアルコール(エ
タノール)は、先ずアセトアルデヒドに代謝され、次い
で酢酸に代謝される。アルデヒドデヒドロゲナーゼは、
体内でアセトアルデヒドを酢酸に変換する酵素であり、
アルデヒドデヒドロゲナーゼの働きが阻害されると、血
中にアセトアルデヒドが蓄積し、悪心、嘔吐等の不快な
症状をもたらす。
【0003】アルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害作用を有
する物質を服用した後に、アルコールを摂取すると、上
記のような不快な症状が引き起こされることにより、ア
ルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害剤は、アルコール依存症
患者に断酒を行わせる嫌酒薬として用いられている。現
在、臨床に用いられている嫌酒薬としては、ジスルフィ
ラム[Kitson,T.M., Biochem.J.,175,83-90 (1978)]、シ
アナミド[DeMaster, E.G., Biochem. Biophys. Res. Co
mmun., 107, 1333-1339 (1982)]などの合成化合物があ
る。しかし、これらの化合物は、情緒不安定、めまい、
倦怠感などの副作用をもたらす場合がある。そこで、容
易に得られ、かつ副作用の可能性の少ない新たな物質の
提供が望まれていた。
【0004】一方、ホテイシメジは、アカマツやカラマ
ツなどの針葉樹や広葉樹の林内地上に群生する、キシメ
ジ科の食用キノコであるが、アルコールと同時に摂取す
ると顔面紅潮・吐き気といった悪酔いを起こすことが知
られている。しかし、その詳しい原因及び原因を引き起
こす物質に関しては、何ら解明されていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記観点から
なされたものであり、アルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害
作用を有する新規化合物、及び該アルデヒドデヒドロゲ
ナーゼ阻害作用を有する新規化合物を有効成分として含
有するアルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害剤を提供するこ
とを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、ホテイシメジ子
実体中の脂溶性画分にアルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害
作用があることを見出し、有効成分を単離、精製したと
ころ、新規な長鎖脂肪酸誘導体であることを同定し、本
発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、以下に示すものであ
る。 (1)下記の式1で表される長鎖脂肪酸誘導体。
【0008】
【化6】 (2)下記の式2で表される長鎖脂肪酸誘導体。
【0009】
【化7】 (3)下記の式3で表される長鎖脂肪酸誘導体。
【0010】
【化8】 (4)下記の式4で表される長鎖脂肪酸誘導体。
【0011】
【化9】 (5)下記の式5で表される長鎖脂肪酸誘導体。
【0012】
【化10】 (6)前記(1)〜(5)の何れかに記載の長鎖脂肪酸
誘導体又はその塩を有効成分として含有する、アルデヒ
ドデヒドロゲナーゼ阻害剤。 (7)前記(6)に記載のアルデヒドデヒドロゲナーゼ
阻害剤を含有する医薬用組成物。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 <1>本発明のアルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害剤 本発明のアルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害剤は、アルデ
ヒドデヒドロゲナーゼを阻害する作用を有する新規化合
物を有効成分として含有する。
【0014】該新規化合物は、上記式1〜5の構造式で
示される長鎖脂肪酸誘導体である。すなわち、式1で表
される化合物1(分子量296:C18H32O3)は、(E)-8-オ
キソ-9-オクタデセノイック アシッドであり、式2で表
される化合物2(分子量294:C18H30O3)は、(E,E)-9-
オキソ- 10,12-オクタデカジエノイック アシッドであ
り、式3で表される化合物3(分子量296:C18H32O3
は、(E)-10-オキソ-11-オクタデセノイック アシッド
であり、式4で表される化合物4(分子量370:C2 1H38O
5)は、2',3'-ジヒドロキシプロピル (E)-10-オキソ-8-
オクタデセノエイトであり、式5で表される化合物5
(分子量368:C21H36O5)は、2',3'-ジヒドロキシプロ
ピル (E,E)-13-オキソ-9,11-オクタデカジエノエイトで
ある。
【0015】この式1〜5で表される長鎖脂肪酸誘導体
は、構造式が明らかなため化学的に合成することにより
得ることもできるし、例えば下記に示す方法等により、
ホテイシメジ子実体から、溶媒抽出して単離精製するこ
とにより得ることもできる。
【0016】上記で記載したホテイシメジは、キシメジ
科のキノコである。
【0017】そして、このホテイシメジ又はホテイシメ
ジの処理物(粉砕、乾燥、濃縮等の処理を施したもの)
に対し溶媒抽出して単離精製を行うと、本発明の長鎖脂
肪酸誘導体を得ることができる。
【0018】抽出処理は、連続式、バッチ式等の方法
で、常法により、冷浸または温浸にて任意の時間行うこ
とができる。
【0019】本発明の長鎖脂肪酸誘導体の抽出例を以下
に例示するが、本発明はこの抽出例に限定されるもので
はない。 (1)有機溶媒による分画 ホテイシメジの生或いは乾燥子実体を水および水に可溶
な有機溶媒の混合液で抽出処理し、濾過や遠心分離等で
固液分離したその抽出液から有機溶媒を蒸発して水層を
得る。
【0020】ここで、水および水に可溶な有機溶媒の混
合液としては、80〜85%メタノールやエタノール、85%
アセトン等が使用できる。また、抽出は通常室温で行う
が、加熱還流してもよく、抽出時間は通常1〜72時間で
ある。ホテイシメジ子実体に加える混合液の量は1g当
たり、1〜200mlであるのが好ましく、5〜50mlであると
更に好ましい。
【0021】上記操作をさらに詳しく説明する。
【0022】ホテイシメジに上記した水及び水に可溶な
有機溶媒の混合液を加え、その後スターラー等でよく攪
拌し、混合液に可溶性の画分を抽出する。この操作を、
2回〜5回繰り返す。こうして得られた抽出画分に対
し、該抽出画分中の有機溶媒を除去し、水層を得る。
尚、有機溶媒の除去方法としては、常圧または減圧条件
下で溶媒を蒸発させる等の、通常に用いられる各種の除
去方法を用いることができる。
【0023】次に、該水層に有機溶媒を加えて液液分配
抽出処理した後、有機溶媒層を分取し、該有機溶媒層か
ら有機溶媒を蒸発して乾固物を得る。
【0024】ここで使用する有機溶媒としては、クロロ
ホルム、酢酸エチル、ジエチルエーテル等が挙げられ
る。但し、収率の点ではクロロホルムを使用するのが好
ましい。
【0025】上記操作をさらに詳しく説明する。
【0026】上記の水層にクロロホルムを加え、振とう
後、放置して分層したクロロホルム層を分取し、該クロ
ロホルム層を減圧下クロロホルムを蒸発させることによ
り、抽出物(乾固物)を得る。 (2)各クロマトグラフ分画 上述した抽出物に対し、吸着クロマトグラフィー、分配
クロマトグラフィー等の各種クロマトグラフィーを単独
あるいは組み合せて使用して、クロマトグラフ分画を行
う。これにより、アルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害作用
を有する物質を含む分画物が、さらに分離・精製され
る。
【0027】以下に、クロマトグラフ分画の例を示す。
【0028】上述した抽出物を溶出力の低い溶出液に溶
解し、吸着クロマトグラフィーとしてシリカゲルに供す
る。溶出力を段階的に高くした溶出液で溶出させ、経時
的に溶出液を採取することにより、分画して分離・精製
する。この分画した画分中の溶媒を除去し、アルデヒド
デヒドロゲナーゼ阻害作用を有する物質を含む分画物を
得る。
【0029】アルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害作用を有
する物質を含む分画物を、例えば、溶出液の組成を適宜
変更させた条件で、高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)により、更に分画する。
【0030】すると、上述した式1〜5で表される構造
からなる化合物の分画物が単離できる。
【0031】このようにして、上記各分画工程を得て、
本願発明の長鎖脂肪酸誘導体をホテイシメジから得るこ
とができる。尚、分画により単離精製した化合物の構造
決定は、以下実施例でも示しているように、1H-NMR、13
C-NMR、IRスペクトル、UVスペクトル等の定法に従って
行った。
【0032】上記の様にして得られた、式1〜5で表さ
れる構造からなる本願発明の長鎖脂肪酸誘導体又はその
塩は、本発明の効果を発揮するに有効な量含有させて、
アルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害剤として使用する。
【0033】尚、上記「その塩」としては、生理的に許
容されるものであれば特段の限定はされないが、例え
ば、ナトリウム塩やカリウム塩等のアルカリ金属塩、カ
ルシウム塩やマグネシウム塩などのアルカリ土類金属
塩、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩やトリエタノ
ールアミン塩等の有機アミン塩、又はリジン塩やアルギ
ニン塩等の塩基性アミノ酸塩が好適に例示できる。
【0034】本発明のアルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害
剤を実際ヒトに投与する場合には、そのままの状態で投
与することができるし、例えば食用油のような親油性溶
媒に混合させる又は界面活性剤を介して水に懸濁させる
等の方法で使用する事もできる。
【0035】また、本発明のアルデヒドデヒドロゲナー
ゼ阻害剤は、上記の式1〜5の化合物をそれぞれ単独で
含有させてもよいし、2種以上の化合物を組み合わせて
含有させてもよい。
【0036】尚、本発明において、アルデヒドデヒドロ
ゲナーゼ阻害作用を示すか否かを判断する方法として
は、例えば後記実施例に示す通り、公知のアルデヒドデ
ヒドロゲナーゼ阻害作用の評価方法を用いることができ
る。<2>本発明のアルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害剤
を含有する医薬用組成物本発明の医薬用組成物は、上記
のアルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害剤を、定法に従って
配合したものであり、アルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害
作用が期待できるものであれば特に限定されるものでは
ない。
【0037】本発明の医薬用組成物の剤型は、特に限定
されないが、一般に製剤上許容される1または2種類以
上の担体、賦型剤、統合剤、防腐剤、安定剤、香味剤等
と共に混合して、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、水薬、ド
リンク剤等の内服剤型とすることが好ましい。このよう
な製剤化は、通常、医薬品の製造に用いられる方法に従
って製剤化することができる。
【0038】上記医薬用組成物の投与量としては、症
状、患者の年齢、体重等により異なるが、成人1日当た
り、上記本発明の長鎖脂肪酸誘導体を10〜500mg含むア
ルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害剤を含有する医薬用組成
物を、1回ないし数回に分けて経口投与するのが好まし
い。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。
【0040】
【実施例1】<本発明の長鎖脂肪酸誘導体の単離精製>
本発明の長鎖脂肪酸誘導体は、以下の抽出方法を用いる
ことにより得た。図1に本発明で行った分画手順を説明
するため、分画方法の概略図を示す。 (1)有機溶媒による分画 細断したホテイシメジ子実体2kgに、10Lの85%エタノー
ルを加えた。十分に攪拌し、残渣を取り除いた上清をエ
タノール抽出液として得た。この操作を更に4回繰り返
し、計5回の操作により、50Lのエタノール抽出液を得
た。この抽出液からエバポレーターを用いて、エタノー
ルを留去し、得られた水層に、10Lのクロロホルムを加
えた。十分に攪拌し、クロロホルム層を分離した。この
操作を更に2回繰り返し、計3回の操作により、30Lの
クロロホルム抽出液を得た。この抽出液をエバポレータ
ーを用いて濃縮乾固させ、24.1gの油状の濃縮された抽
出物(乾固物)を得た。 (2)シリカゲルカラムによる分画 上記の操作(1)で得られた油状濃縮物24.1gをクロロ
ホルム100mlに再溶解し、シリカゲルカラム(メルク社
製シリカゲル60、8×73cm)に供し、組成を変化させた
溶媒により溶出させた。ここで使用した溶出溶媒は、ク
ロロホルム、クロロホルム/アセトン(9/1)、クロロホ
ルム/アセトン(7/3)、クロロホルム/メタノール(9/
1)、クロロホルム/メタノール(7/3)、メタノールで
あり、この順にカラムに供し、溶出液を経時的に採取
し、エバポレーターで溶媒を留去することにより、全33
画分を得た。各画分の中で、アルデヒドデヒドロゲナー
ゼ阻害作用を有した、画分(9)(2157mg)、画分(15)(1
80mg)、画分(18)(356mg)を用いて、さらに以下の方
法により、本発明の長鎖脂肪酸誘導体の単離を行なっ
た。 (3)高速液体クロマトグラフィーによる分画及び構造
決定 上記の操作(2)で得られた画分(9) 2157mgを、ODSカ
ラム(Wakosil-II5C18HG、和光純薬工業製)を用いた
高速液体クロマトグラフィー(80%メタノール、UV/VIS
検出器:220nm)に供し、化合物3を1.7mg得た。
【0041】上記の操作(2)で得られた画分(15) 180
mgを、ODSカラム(Wakosil-II5C18HG、和光純薬工業
製)を用いた高速液体クロマトグラフィー(80%メタノ
ール、UV/VIS検出器:220nm)に供し、化合物2を1.1m
g、化合物1を1.0mg、化合物4を1.0mg得た。
【0042】上記の操作(2)で得られた画分(18) 356
mgを、ODSカラム(Wakosil-II5C18HG、和光純薬工業
製)を用いた高速液体クロマトグラフィー(70%メタノ
ール、UV/VIS検出器:220nm)に供し、化合物5を2.1mg
得た。
【0043】上記、化合物1〜5の構造決定を行ったと
ころ、それぞれ以下のような結果を得た。 (3−1)化合物1 分子量:296 (C18H32O3) 赤外吸収スペクトル:2927, 1702, 1687, 1459, 1421
cm-1 核磁気共鳴スペクトル (1H-NMR,δ): 0.86 (3H, t,
J=6.9), 1.23-1.33 (14H, m), 1.44 (2H, quintet, J=
7.0), 1.60 (4H, m), 2.23 (2H, dd, J=15.0, 7.0), 2.
32 (2H, t, J=7.6), 2.50 (2H, t, J=7.6), 6.06 (1H,
d, J=15.0), 6.80(1H, dd, J=15.0, 7.0) 核磁気共鳴スペクトル (13C-NMR,δ):14.1, 22.6, 2
4.0, 24.6, 28.1, 28.8,28.9, 29.2, 29.3, 31.8, 32.
5, 33.8, 39.9, 130.3, 147.5, 177.2, 200.7 色および性状:無色油状 以上の分析結果から、化合物1は下記の式1の構造式を
有する新規長鎖誘導体と同定した。
【0044】
【化11】 (3−2)化合物2 分子量:294 (C18H30O3) 赤外吸収スペクトル: 2931, 1704, 1689, 1461 cm-1 核磁気共鳴スペクトル (1H-NMR,δ): 0.87 (3H, t,
J=6.9), 1.26-1.31 (10H, m), 1.42 (2H, quintet, J=
7.3), 1.60 (4H, m), 2.16 (2H, dd, J=12.8, 7.3), 2.
32 (2H, t, J=6.7), 2.51 (2H, t, J=7.3), 6.05 (1H,
d, J=15.3), 6.15(2H, m), 7.11 (1H, m) 核磁気共鳴スペクトル (13C-NMR,δ):14.0, 22.5, 2
4.3, 24.6, 28.4, 28.9,29.0, 29.1, 31.4, 33.1, 33.
9, 40.4, 127.8, 128.8, 143.0, 145.8, 178.8,201.1 色および性状:白色固体 以上の分析結果から、化合物2は下記の式2の構造式を
有する新規長鎖誘導体と同定した。
【0045】
【化12】 (3−3)化合物3 分子量:296 (C18H32O3) 赤外吸収スペクトル: 2925, 1760, 1691, 1409 cm-1 核磁気共鳴スペクトル (1H-NMR,δ): 0.77 (3H, t,
J=6.7), 1.14-1.22 (14H, m), 1.35 (2H, quintet, J=
6.8), 1.48 (4H, m), 2.11 (2H, dd, J=15.8, 6.8), 2.
42 (4H, t, J=7.0), 5.97 (1H, d, J=15.8), 6.74 (1H,
dd, J=15.8, 6.8) 核磁気共鳴スペクトル (13C-NMR,δ):13.7, 22.4, 2
4.1, 27.9, 28.8, 28.9,31.5, 32.3, 39.7, 129.9, 14
8.2, 179.2, 201.9 色および性状:白色固体 以上の分析結果から、化合物3は下記の式3の構造式を
有する新規長鎖誘導体と同定した。
【0046】
【化13】 (3−4)化合物4 分子量:370 (C21H38O5) 赤外吸収スペクトル: 3485, 2929, 1720, 1702, 145
9 cm-1 核磁気共鳴スペクトル (1H-NMR,δ): 0.86 (3H, m),
1.24-1.34 (14H, m),1.45 (2H, quintet, J=7.0), 1.6
0 (4H, m), 2.19 (2H, dd, J=15.9, 7.0), 2.33(2H, t,
J=7.5), 2.50 (2H, t, J=7.5), 3.58 (1H, dd, J=11.
3, 6.0), 3.68 (1H, dd, J=11.3, 4.0), 3.92 (1H, m),
4.13 (1H, dd, J=11.6, 6.0), 4.19 (1H,dd, J=11.6,
4.4), 6.07 (1H, d, J=15.9), 6.79 (1H, ddd, J=15.9,
7.0, 7.0) 核磁気共鳴スペクトル (13C-NMR,δ):14.1, 22.6, 2
4.3, 24.7, 27.8, 28.7,28.8, 29.2, 29.3, 29.4, 31.
8, 32.3, 34.0, 40.2, 63.3, 65.2, 70.2, 130.4, 147.
0, 174.1, 201.2 色および性状:無色油状 以上の分析結果から、化合物4は下記の式4の構造式を
有する新規長鎖誘導体と同定した。
【0047】
【化14】 (3−5)化合物5 分子量:368 (C21H36O5) 赤外吸収スペクトル: 3485, 2927, 1722, 1704, 145
9 cm-1 核磁気共鳴スペクトル (1H-NMR,δ): 0.87 (3H, t,
J=6.9), 1.23-1.31 (10H, m), 1.41 (2H, m), 1.60 (4
H, m), 2.15 (2H, m), 2.32 (2H, t, J=7.6), 2.51 (2
H, t, J=7.5), 3.57 (1H, dd, J=11.0, 5.5), 3.67 (1
H, dd, J=11.0, 3.5), 3.90(1H, m), 4.12 (1H, dd, J=
11.6, 6.3), 4.17 (1H, dd, J=11.6, 4.6),6.06 (1H,
d, J=15.3), 6.14 (2H, m), 7.11 (1H, m) 核磁気共鳴スペクトル (13C-NMR,δ):13.9, 22.5, 2
4.1, 24.8, 28.6, 28.9,29.0, 31.5, 33.0, 34.1, 40.
5, 63.3, 65.2, 70.2, 127.9, 129.0, 142.9, 145.4, 1
74.2, 201.3 色および性状:無色油状 以上の分析結果から、化合物5は下記の式5の構造式を
有する新規長鎖誘導体と同定した。
【0048】
【化15】
【0049】
【実施例2】<アルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害活性の
評価>次に、上記化合物1〜5のアルデヒドデヒドロゲ
ナーゼ阻害作用を、以下のように評価した。
【0050】試験管に80μlの緩衝液[0.1M Tris-HCl(p
H 8.0)、0.2M KCl、1.0mM NAD+]、10μlの酵母由来アル
デヒドデヒドロゲナーゼ(0.1IU、シグマ社製)、10μlの
評価物質溶液(化合物濃度200mM、メタノール溶液)を
入れ、37℃の恒温水槽中で5分間保温し、反応液とし
た。
【0051】980μlの緩衝液[30%グリセロール、0.1M
Tris-HCl(pH 8.0)、0.2M KCl、1.0mM EDTA、1.0mM NA
D+]に、20μlの上記反応液および基質として10μlのベ
ンズアルデヒド[600mM、0.1M Tris-HCl(pH 8.0)]を添加
し、25℃で10分間保温後、酵素反応によって生成される
還元型NADHを分光光度計を用いて波長340nmの吸光度と
して測定した。評価物質溶液の代わりにメタノールを加
えたときの吸光度を100%として、吸光度の減少率を阻
害活性とした。化合物1〜5の阻害活性を評価した。そ
の結果を図2に示す。
【0052】図2に示した通り、全ての化合物にアルデ
ヒドデヒドロゲナーゼ阻害活性が観察された。
【0053】この実験結果から明らかなように、本発明
の新規長鎖脂肪酸誘導体にはアルデヒドデヒドロゲナー
ゼ阻害作用が認められ、よってこれらを有効成分として
含有する剤は、アルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害剤とし
て有効に使用することができる。
【0054】また、本発明のアルデヒドデヒドロゲナー
ゼ阻害剤を含有する医薬用組成物は、嫌酒剤として有効
に使用することができる。
【0055】
【発明の効果】本発明により、容易に得られ、かつ副作
用の可能性の少ない新たなアルデヒドデヒドロゲナーゼ
阻害作用を有する化合物、及び該アルデヒドデヒドロゲ
ナーゼ阻害作用を有する新規化合物を含有するアルデヒ
ドデヒドロゲナーゼ阻害剤を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分画方法を説明する概略図。
【図2】実施例1で得られた化合物1〜5のそれぞれに
ついてのアルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害活性の測定結
果を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // A61K 31/201 A61K 31/201 35/84 35/84 A (72)発明者 河岸 洋和 静岡県静岡市大谷836静岡大学宿舎213号 Fターム(参考) 4C088 AA08 AC17 BA32 CA06 CA07 CA14 NA14 ZC20 ZC39 4C206 AA01 AA02 AA03 DA04 DA09 DB07 DB47 MA01 MA04 NA14 ZC20 ZC39 4H006 AA01 AA03 AB20 BR10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式1で表される長鎖脂肪酸誘導
    体。 【化1】
  2. 【請求項2】 下記の式2で表される長鎖脂肪酸誘導
    体。 【化2】
  3. 【請求項3】 下記の式3で表される長鎖脂肪酸誘導
    体。 【化3】
  4. 【請求項4】 下記の式4で表される長鎖脂肪酸誘導
    体。 【化4】
  5. 【請求項5】 下記の式5で表される長鎖脂肪酸誘導
    体。 【化5】
  6. 【請求項6】 前記請求項1〜5の何れか一項に記載の
    長鎖脂肪酸誘導体又はその塩を有効成分として含有す
    る、アルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害剤。
  7. 【請求項7】 前記請求項6に記載のアルデヒドデヒド
    ロゲナーゼ阻害剤を含有する医薬用組成物。
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