JP2003071338A - 塗装装置および塗装方法 - Google Patents

塗装装置および塗装方法

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JP2003071338A
JP2003071338A JP2001265866A JP2001265866A JP2003071338A JP 2003071338 A JP2003071338 A JP 2003071338A JP 2001265866 A JP2001265866 A JP 2001265866A JP 2001265866 A JP2001265866 A JP 2001265866A JP 2003071338 A JP2003071338 A JP 2003071338A
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coated
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Zenichi Yasuda
善一 安田
Nobuyuki Sasaki
信行 佐々木
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗装すべき基材の幅が種々異なる場合であっ
ても、これらの基材を単一の塗装装置で塗装でき、ま
た、基材の幅の塗装すべき一部分のみを容易に塗装する
ことができる塗装装置を提供する。 【解決手段】 幅方向および長さ方向を有する基材(1
6)に塗料を塗装する塗装装置は、少なくとも2つの塗
料出口(12)が一直線状に並んでいる塗料ノズルを有
する塗装機(10)、および塗料出口が並んでいる方向
を基材の幅方向に対して変えることができる塗装機位置
決め装置を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗装すべき基材が
種々異なる幅を有する場合であっても、そのような種々
の基材を塗装できる塗装装置および塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塗装は、種々の基材を被塗物とし、その
少なくとも1つの面を塗料で被覆することにより、基材
の表面に所望の外観および/または性能(例えば撥水
性)を付与するために実施される。塗装された基材は種
々の用途に適しており、特に化粧建材として有用なもの
である。
【0003】従来、建物内外壁に用いる建材としては、
天然石(例えば大理石)から成る建材が好んで用いられ
てきた。これは、天然石がその特有の透明感と深みのあ
る落ち着いた色調を有し、それにより高級感を醸成して
いることによる。しかし、天然石は、入手が困難であっ
て高価であり、また、加工しにくいという欠点を有す
る。そこで、天然石から成る建材に代えて、適当な塗料
(場合により骨材を含む)を用いて基材の表面に石材調
の塗膜を形成した化粧建材が、近年、広く使用されてい
る。
【0004】さらに、化粧建材としては、塗料を適宜変
更することにより、例えばタイル調またはレンガ調の外
観を呈するものもまた、製造され実用されている。その
ような化粧建材によれば、タイルまたはレンガを用いる
ことなく、タイル張り又は煉瓦造り調の外観を建造物に
付与できる。
【0005】かかる化粧建材の普及に伴い、化粧建材に
適した種々の塗料が開発されるとともに、より優れた外
観を呈する建材をより効率的に得るべく、種々の塗装装
置および塗装方法が検討されている。
【0006】例えば、セメントなどの無機質原料で成形
された基材を被塗物とし、これに水性エマルション塗料
を塗装した化粧窯業建材が提案され、実用に供されてい
る。かかる建材は、工場でライン塗装により得られ、塗
装は、基材を搬送しながら小型塗装機を用いてエアース
プレー方式で実施される。この塗装方法は、例えば特開
平11−128788号公報に記載されている。エアー
スプレー方式による塗装は、塗料を圧縮空気とともに塗
装機の1または複数の塗料ノズルの塗料出口から噴出さ
せ、霧状にした塗料を基材表面に塗着させることにより
実施する。
【0007】化粧建材は、建造物内外壁に用いられるも
のであるために、その幅は一般に大きく、また、幅の種
類も多様である。幅の大きい基材を塗装する方法として
は、例えば、塗装機(例えばスプレーガン)を、基材の
幅方向(基材の搬送方向に垂直な方向)に沿って、基材
の両縁間で往復移動させながら塗装する方法がある。こ
の方法は必ずしも効率の良い方法ではない。
【0008】別法としては、例えば、長手方向の寸法が
塗装すべき基材の幅と同じ又はそれよりも大きいスリッ
ト(またはスロット)状の塗料出口を有する塗料ノズル
を備えた塗装機を用い、スリットの長手方向を基材の幅
方向と一致させて塗装する方法がある。この方法によれ
ば、塗装機を固定して基材を移動させながら、基材の全
幅を塗装できるため、先の方法と比較して効率良く塗装
を実施できる。しかし、一般に塗料出口のスリットの長
さが長くなるほど、塗料出口全体から均一に塗料が排出
されにくくなり、均一に塗料を塗装することが困難とな
る。また、スリットが長い塗料出口を有する塗装機は、
より短いものと比較して製作が容易ではない、また、メ
ンテナンス作業に労力と時間を要するといった不都合を
有する。
【0009】これらの不都合を解消するべく、複数の塗
料ノズルを有し、塗料ノズルの塗料出口が一直線状に並
んた塗装機を用いて幅の大きい基材を塗装する方法が採
用されている。各塗料ノズルは塗料出口から塗料を排出
するが、各塗料出口は排出条件に応じて固有の塗装パタ
ーン幅を有する。ここで、「塗装パターン幅」とは、塗
料出口に対向して基材を配置して所定の塗料排出条件下
にて塗装する場合、目的とする塗装状態を有する、基材
表面上に形成された塗膜領域における、塗料出口が並ん
でいる方向と平行な方向の長さを意味する。
【0010】この塗装パターン幅は、塗料の種類、塗料
ノズルの塗料出口の形状および寸法、塗料の排出(また
は吐出)圧力、基材と塗料出口との距離等の塗料排出条
件(以下、これらを単に「排出条件」と呼ぶ)によって
変わる。逆に、排出条件を決めると、塗装パターン幅は
一義的に決まる。一般的には、塗料出口が円形の場合
は、目的とする塗装状態を有する塗膜領域は略円形であ
り、塗装パターン幅は、そのような円形領域の直径に相
当し、塗料出口が矩形の場合は、目的とする塗装状態の
塗膜領域は略矩形であり、塗装パターン幅は、そのよう
な矩形領域の塗料出口が並んでいる方向と平行な方向の
長さである。また、塗装機の塗料出口が細長スロット形
状である場合、目的とする塗装状態の塗膜領域も略細長
スロット形状となり、塗装パターン幅は、細長スロット
領域のスロットの長さ方向に平行な長さとなる。
【0011】このような塗装機では、複数の塗料出口が
一直線状に並んでおり、隣接する各塗料出口の塗装パタ
ーン幅が実質的に隣接するように塗料出口が配置されて
いる。従って、塗装機全体としての塗装パターン幅は、
各塗料出口の塗装パターン幅に塗料ノズルの数を乗じた
長さとなる。即ち、塗装機の塗装パターン幅とは、塗装
機全体が1つの塗料出口を有する仮定した場合の、その
塗料出口の塗装パターン幅に相当し、塗装機を用いて形
成した有効な塗装状態の1つの塗膜領域の塗料出口が並
んでいる方向と平行な方向の長さを意味する。固定した
塗装機の下方を基材が通過する状態で塗装する場合、塗
装機の塗装パターン幅より大きい幅の塗膜領域を形成す
ることは実質的に不可能である。
【0012】尚、塗料ノズルの塗料出口から排出される
のは、塗料のみであっても、あるいは塗料とそれを霧化
する気体(通常、圧縮空気)の混合物であってもよい。
塗料のみが塗料ノズルから排出される場合、排出された
塗料が基材に達する前に、塗料に衝突して塗料を霧化す
るように気体が別途供給されるように塗装機が設計され
ていてもよい。塗装パターン幅なる用語は、上述のよう
に基板表面に形成される塗膜を基準に考える。従って、
塗料ノズルから気体が一緒に排出される場合、および塗
料ノズルとは別に気体が供給される場合については、そ
のような気体の影響の下に形成される塗膜領域を基準に
塗装パターン幅を考える。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述のような複数の塗
料出口を有する塗装機を用いて基材を塗装する場合、先
に説明したように、塗装機に対向する基材の表面全体を
塗装する場合(「基材の幅の全体を塗装する」場合とも
呼ぶ)、塗装機の塗装パターン幅より大きい幅を有する
基材を塗装することはできない;また、塗装機に対向す
る基材の一部分を塗装してストリップ状の塗膜を形成す
る場合(「基材の幅の塗装すべき一部分を塗装する」場
合とも呼ぶ、例えば基材の幅方向の中央部のみを基材の
長さ方向に沿って塗装する場合)、塗装機の塗装パター
ン幅より大きい幅のストリップ状塗膜を形成することは
できない。即ち、基材を長さ方向に搬送して、塗装機の
塗料出口が並ぶ方向と基材の幅方向を実質的に平行とな
るように配置して、塗装機を固定した状態で、その下で
基材が搬送される場合、塗装できる基材の幅は塗装機の
塗装パターン幅またはそれ以下となる、あるいは基材の
幅の一部分を塗装して形成できるストリップ塗膜の幅は
塗装機の塗装パターン幅となる。
【0014】従って、このような塗装機を用いて基材の
幅の全体を塗装する場合は、塗装機の塗装パターン幅よ
り小さい幅を有する基材である限り、塗装機の下方で基
材を搬送することによって、どのような幅を有する基材
であっても塗装することは可能である。しかしながら、
そのような場合、塗装機の塗装パターン幅より基材の幅
が小さいため、塗装機から排出される全ての塗料が基材
の塗装に使用されず、従って、基材の塗装に有効に使用
されない。
【0015】即ち、塗装機の塗装パターン幅をもたらす
塗料出口の内、少なくとも1つの下方に、あるいは塗料
出口が基材の幅方向に沿って長い場合には、塗料出口の
少なくとも1つの少なくとも一部分についてはその下方
に、基材が存在するように搬送されず、塗装機の塗装パ
ターン幅の一部分は基材表面上に存在し得ない。そのよ
うに塗装に使用されない塗料は、無駄になるだけでな
く、廃棄するに際しては余分な環境問題を引き起こす可
能性がある。
【0016】また、基材の幅全体にわたって塗装しては
いけない場合(即ち、基材の幅の塗装すべき一部分を塗
装して、基材表面上にストリップ状の塗膜領域(基材の
搬送方向がストリップの長さ方向となり、基材の幅方向
がストリップの幅方向となる)を形成する場合)場合、
例えば基材の幅の塗装すべき特定の一部分のみを塗装し
たい場合、上述のような塗装機を用いると、基材の幅の
塗装すべき特定の一部分の外側の上方にも塗料出口また
はその一部分が存在し、その結果、そのような外側部分
まで塗装されることになる。
【0017】尚、塗装機を、1またはそれ以上の塗料出
口を有する塗装モジュール(または塗装ユニット)を複
数連結することにより構成すれば、塗装すべき基材の幅
の違いに応じて、あるいは基材の幅の塗装すべき一部分
に幅(即ち、幅の長さ)の違い応じて、塗装モジュール
の数を変更して、(1)塗装すべき基材の幅と同じまた
はそれより大きい、または基材の幅の塗装すべき一部分
と同じまたはそれより大きい塗装パターン幅を有する塗
装機であって、かつ、(2)最小数の塗装モジュールで
構成された塗装機を構成することによって、塗装パター
ン幅を調整して、それによって塗装すべき基材の幅また
は基材の幅の塗装すべき一部分の相違にある程度対応す
ることは可能である。しかしながら、このように塗装モ
ジュール数を変更する方式によって塗装機の塗装パター
ン幅を変える方式は、塗装パターン幅の変化がステップ
状となる、即ち、連続的に変化させることができず、塗
装すべき基材の幅または基材の幅の塗装すべき一部分の
相違に十分に対応できないという問題がある。
【0018】例えば、塗装すべき基材の幅(d)を、塗
装機を構成する各塗装モジュールの塗装パターン幅
(a)で割って(d/a)必要な塗装モジュール数を算
出すると、3.1個となる場合、塗装機を3個の塗装モ
ジュールで構成すると、塗装できない部分が生じるた
め、塗装モジュール数を4個とせざるを得ない。この場
合、0.9個分の塗装モジュールから排出される塗料が
無駄になり得る。また、基材の幅の一部分にわたっての
み塗装してストリップ塗膜を基材表面に形成したい場
合、形成できるストリップ塗膜の幅は、塗装モジュール
の塗装パターン幅の整数倍にすることしかできない。
【0019】従って、塗装すべき基材の幅が種々異なる
場合であっても、これらの基材を単一の塗装装置で塗装
できることが望まれ、しかも、塗装に際しては、塗料を
可及的に有効に使用できることが望まれる。また、基材
の幅の塗装すべき一部分のみを容易に塗装することがで
きる塗装装置を提供することが望まれる。
【0020】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、幅方
向および長さ方向を有する基材に塗料を塗装する塗装装
置であって、少なくとも2つの塗料出口が一直線状に並
んでいる塗料ノズルを有する塗装機、および塗料出口が
並んでいる方向を基材の幅方向に対して変えることがで
きる塗装機位置決め装置を含む塗装装置を提供する。
【0021】本発明の塗装装置を用いて基材を塗装する
場合、基材の長さ方向が基材の搬送方向となるように、
また、基材の塗装すべき被塗装面が塗装機の塗装出口に
対向するように、例えば基材が塗装機の下方を通過し、
その時、塗料出口が被塗装面に対向するように、搬送
し、その間に基材を塗装する。
【0022】本発明において、基材は、幅方向および長
さ方向を有し、これらは相互に実質的に垂直な関係にあ
る。そのような基材は、例えばシート状または板状の部
材であり、一般的に矩形のシートまたは板状部材であ
る。基材の被塗装面は、幅方向および長さ方向によって
規定される二次元領域に対応する。本発明の塗装装置を
使用する場合、塗装機に対して基材を相対的に移動させ
る。一般的には、基材を長さ方向に、被塗装面としての
一方の主表面(単に「基材の表面」とも呼ぶ)が塗装機
に対向するように搬送される。この搬送は、例えば搬送
手段(ベルトコンベア等)の上に基材を載置して行う。
【0023】塗装機は、複数(数は、特に限定されるも
のではないが、3〜8が一般的であり、4〜6であるの
が通常好ましい)の塗料出口を有する塗料ノズルを有す
る。塗料ノズルの各塗料出口は、塗料を排出するが、上
述のように、排出条件に応じて固有の塗装パターン幅を
有する。塗装パターン幅に関連した先の説明と同様に、
本発明の塗装装置において、塗料ノズルは、その塗料出
口から、塗料のみ、またはた塗料および気体を排出(ま
たは噴出)する。また、塗料ノズルとは別に気体が供給
され、その気体が塗料出口から排出される塗料を霧化す
る構造になっていてもよい。これらの3つの構造は、例
えば、それぞれエアーレススプレーガン、エアースプレ
ーガン、コントロールコートガンに対応する構造であっ
てよい。尚、塗料出口の形状は、いずれの適当な形状で
あってもよく、上述のような構造の塗装機に採用されて
いる形状であってよい。
【0024】本発明の塗装機において、複数の塗料出口
が一直線状に並んでおり、各塗料出口の塗装パターン幅
に応じて、塗装機の全体としての塗装パターン幅が決ま
り、これは、通常、各塗料出口の塗装パターン幅(a)
に塗料ノズルの数(N)を乗じた長さ(a×N)を有す
る。この塗装機の塗装パターン幅とは先に説明した通り
である。
【0025】尚、上述のような塗装機において、各塗料
ノズルは、隣接する塗料出口の塗装パターン幅が端部分
で隣接する代わりに、端部分で若干オーバーラップする
ように配置されて、塗料出口の間の下方で塗装されない
領域が確実に生じないようになっていてもよい。この場
合、塗装機全体の塗装パターン幅は、各塗料出口の塗装
パターン幅に塗料ノズルの数を乗じた長さよりオーバー
ラップの分だけ小さい長さとなる。
【0026】本発明の塗装装置は、塗装機の直線状に並
んでいる塗料出口の全部(または可能な場合には、連続
した所定数(即ち、連続して並んでいる一部分の塗料出
口))から塗料を排出でき、従って、塗料が排出される
塗料出口の数に応じて、塗装機の特定の塗装パターン幅
を有する。本発明の塗装装置において、塗装すべき基材
の幅に応じて、塗料出口が並んでいる方向を搬送される
基材の幅方向に対して(従って、基材の長さ方向に対し
ても)変えることによって(但し、塗料出口が並んでい
る方向は、搬送面に対して、従って、基材の被塗装面に
対して、実質的に平行な状態を常に維持する)、全部
(または連続した所定数)の塗料出口が塗装すべき基材
の幅全体にわたって対向し、その結果、塗装機の塗装パ
ターン幅をもたらす(全部または連続した所定数の)塗
料出口によって塗装される基材表面上の塗膜領域の、基
材の幅方向に平行なディメンション(または長さ)が、
塗装すべき基材の幅と実質的に同じになるように塗装を
実施できる。
【0027】換言すれば、本発明の塗装装置を用いて搬
送基材を塗装するに際して、塗料出口が並んでいる方向
を基材の幅方向に対して変えることによって、塗装機の
塗装パターン幅をもたらす塗料出口の実質的に全部の下
方で塗装すべき基材または基材の幅の塗装すべき一部分
が通過するようにできる。即ち、塗装機の塗装パターン
幅が実質的に全部基材の表面上に存在することを可能に
できる。
【0028】
【発明の実施の形態】図1に、搬送装置1上に載置され
て搬送される基板(14または16)をその上方から見
た様子を模式的に示す。図示した態様では、基板が塗装
機の下方で図面の上から下に、矢印Aで示すように、搬
送される様子を示す。従来の塗装装置では、塗装機10
(10−1の状態)は、その6つの塗料出口12が並ん
でいる方向(矢印B)が基板14の幅方向(矢印C)と
実質的に平行となるように固定的に配置されている。こ
の塗装機10は、幅d’を有する基板14(破線にて示
す)を塗装するのに適当である。
【0029】塗装機10の塗料出口12は、それぞれ特
定の塗装パターン幅aを有し、塗装機10としては、
(a×6)の塗装パターン幅(L)を有する。この塗装
パターン幅の概念を図1の上部に模式的に示す。この塗
料出口は例えば円形であり、この塗料出口を用いて所定
条件で塗装を実施すると、基材上には所定の塗装条件を
満足する、直径aの略円形の塗膜領域20が形成され
る。この直径aが塗料出口の塗装パターン幅に相当す
る。塗装機10は、塗料出口12を6個有し、この塗装
機10(10−1の状態)の塗料ノズルが並ぶ方向(矢
印B)と基材の幅方向(矢印C)が平行になるように、
塗装機10を配置して所定条件で塗装すると、基材の表
面に形成される目的の塗装状態を満足する塗膜領域は、
各塗料出口が形成する直径aの塗膜領域が連接された塗
膜領域22が得られる。この塗膜領域22の塗料出口が
並んでいる方向と平行な方向の長さL(=a×6)が塗
装機10の塗装パターン幅に相当し、これが実質的に基
材14の幅d’に等しい。
【0030】このような塗装機10を用いて、幅が異な
る別の基板16(幅d≠d’)を塗装しようとする場
合、10−1の状態では、右側の2つの塗料出口12か
ら排出される塗料は基板16の表面上に塗膜を形成する
のに有効に寄与せず、無駄となる。
【0031】ところが、本発明の塗装装置では、塗装機
10が上述のように固定的に配置されているのではな
く、塗料出口が並んでいる方向(矢印B)を基材の幅方
向(矢印C)に対して変えることができる、例えばある
点を中心軸にして回転することができる。その結果、図
示するように、塗装機の塗装パターン幅(L=a×6)
の実質的に全部が塗装すべき基材表面上に位置するよう
に、塗料出口が並んでいる方向(矢印B)と基材の幅方
向(矢印C)とが為す角度がθとなるように、塗装機1
0を配置する、例えば、塗装機10の端部を中心に角度
θだけ回転する(10−2の状態)。
【0032】このように塗装機10を配置することによ
って、全ての塗料出口12から排出される塗料が基材1
6の幅d全体にわたって有効に塗膜形成に寄与する。即
ち、角度θを為すように塗装機10の位置を変えること
によって、塗装パターン幅Lも同様に位置が変わり、そ
の結果、塗装パターン幅Lが実質的に全部基材16の表
面上に存在する。従って、図1に示すように、塗装機1
0が角度θを為す状態で基材を搬送しながら塗装を開始
して塗装を継続すると、形成される塗膜領域は略平行四
辺形の形状となり、塗装機10の塗装パターン幅Lをも
たらす全部の塗料出口12によって塗装される基材表面
の塗膜領域の、基材16の幅方向に平行なディメンショ
ン(または長さ)、即ち、平行四辺形の高さが、塗装す
べき基材の幅dと同じになるように調節できる。従っ
て、塗料出口12の下方に基材16が存在しない状態が
起こらないので、塗料出口から排出される塗料が有効に
塗装に使用されることになる。
【0033】尚、塗装機10の位置の10−2の状態へ
の変更は、塗装機位置決め装置により実施する。この装
置は、いずれの適当な方式によって塗装機の位置を変え
るものであってもよく、例えば、塗装機10の左端部を
中心として軸回転させることができる駆動手段を塗装機
10の位置決め装置として有してもよい。図示した態様
では、点Dを中心にして塗料出口が並んでいる方向(矢
印B)が基材の幅方向(矢印C)から角度θだけ右回り
に回転した様子を示している。尚、塗装機の位置の変更
に際しては、塗装機の塗料出口が並んでいる方向と搬送
面または基材の被塗装面が常に実質的に平行となるよう
に維持するのが好ましい。
【0034】本発明の塗装装置において、塗装機10の
塗料出口が並んでいる方向を変えることは、図1に示す
ように基板を上方から見た場合に、基板の幅方向と塗料
出口が並ぶ方向の為す角(θ)を適当に調節することに
よって、塗装機の塗装パターン幅(L)にcosθを乗
じた長さを塗装すべき基材の幅(または基材の幅の塗装
すべき部分)の長さ(d)とすることができることを意
味する。即ち、L×cosθ=d(式(1))となる
(但し、0°≦θ≦90°)ことを意味する。
【0035】従って、本発明は、上述のような本発明の
塗装装置を用いて基材を塗装する方法を提供する。その
方法は、少なくとも2つの塗料出口が一直線状に並んだ
塗料ノズルを有し、塗装パターン幅Lを有する塗装機、
および塗料出口が並んでいる方向を基材の幅方向に対し
て変えることができる塗装機位置決め装置を含む、幅d
を有する幅方向および長さ方向を有する基材に塗料を塗
装する塗装装置を使用し、基材を長さ方向に搬送して塗
装するに際して、塗料出口が並んでいる方向と基材の幅
方向とが為す角度θが、L×cosθ=d(但し、0°
≦θ≦90°、d≦L)を満足するように塗装機を位置
決めすることを特徴とする。
【0036】本発明の好ましい態様では、塗装に際し
て、基材の塗装すべき幅dを予め検知しておく。この検
知は、搬送装置によって搬送される基材の幅を予め検知
できるものであれば、いずれの適当な装置を用いて実施
してもよい。例えば、超音波センサーを用いて得られる
信号を演算装置により処理して幅を求めることができ
る。別の態様では、カメラによって基材を撮影したり、
あるいは基材に設けたマーク(または記号、例えばバー
コード)を読み取って、マークまたは記号に対応する種
々の幅を蓄積したデータベースを参照して判別したマー
クに対応する幅を求める処理によって実施することがで
きる。
【0037】また、先に説明したように、塗装パターン
幅Lは、塗装機の構造および操作条件、使用する塗料等
に応じて予め決まっているので、角度θは、予め求めた
幅dから、θ=cos−1(d/L)によって求めるこ
とができる。この角度θの算出に当っては、いずれの適
当な演算処理装置を使用してもよい。角度θが求められ
ると、塗装機位置決め装置によって、塗料出口が並んで
いる方向と基材の幅方向とが角度θを為すように塗装機
を配置する。このような塗装機の配置は、基材が塗装機
に対向する位置関係に達する前までに済ましておく必要
がある。このように塗装機を位置決めした後、基材がそ
の下を通過するときに塗装を実施する。
【0038】従って、本発明の方法の1つの態様では、
塗装すべき基材の幅dを検知する工程、幅dおよび塗装
パターン幅Lから、θ=cos−1(d/L)によって
角度θを求める工程、塗料出口が並んでいる方向と基材
の幅方向とが角度θを為すように塗装機を配置する工
程、および塗料出口から塗料を排出して基材を塗装する
工程を含む。尚、基材の幅の検知は、搬送前であって
も、あるいは搬送中において実施してもよい。
【0039】上述のような本発明の塗装方法を実施する
塗装装置は、基材の塗装すべき幅dを検知する検知器、
幅dおよび塗装パターン幅Lから、θ=cos−1(d
/L)によって角度θを求める演算装置、塗料出口が並
んでいる方向と基材の幅方向との間の角度がθとなるよ
うに塗装機を配置する塗装機位置決め装置を有して成
り、塗装機位置決め装置は、適当な制御装置によって角
度θとなるように制御される。
【0040】今、塗装機がN個の塗料出口を有し、1つ
の塗料出口の塗装パターン幅がaであるとする。この場
合、塗装機の塗装パターン幅Lは、一般的にa×Nとな
る。上記式(1)から明らかなように、d≦a×N=L
である限り、塗装すべき基材の幅(d)がどのような値
であっても、式(1)を満足する角度θが必ず存在す
る。即ち、L×cosθは、θの変化に伴って連続的に
変化する量である。従って、塗装すべき基材の幅dがど
のような値であっても、理論的には、塗装機全体から排
出される塗料を目的とする幅dを有する基材(または基
材の塗装すべき幅の特定の一部分(dの幅部分))の塗
装に使用でき、その結果、塗料出口から排出される塗料
は、基材の塗装に有効に使用される。
【0041】尚、「理論的には」なる表現は、実際に塗
装する場合においては、塗装機全体から排出される塗料
の全てが常に有効に塗装に利用されるとは限らない場合
があってもよい(むしろ、これが一般的である)ことを
意味し、場合によっては、そのような塗料の一部分が無
駄になったり、あるいは、基材の幅(d)にわたって完
全に塗装できない場合がある(この場合は、角度θを少
し調節するのが好ましい)ことを意味する。そのような
場合であっても、先に説明した基材との位置的関係が固
定されている塗装機を用いる場合と比較して塗料の無駄
な使用という事項については、本発明は向上した効果を
提供できる。通常、塗装機を用いる塗装において、特に
気体を用いて塗料を霧化して塗装する場合、形成される
塗膜領域の縁部分、即ち、境界部分はクリアーな塗膜が
形成されない場合も多く有り得、そのような塗膜形成領
域が要求する塗装状態を満足しない場合には、角度θを
多少増減して調節してもよい。
【0042】尚、先の説明は、幅dを有する基材の表面
を塗装する場合について、主として説明しているが、基
材の幅の塗装すべき一部分を塗装する場合(即ち、基材
の幅全体を塗装するのではなく、基材の幅の一部分を塗
装する場合)についても同様の説明が当て嵌まる。
【0043】塗装機において、並んで配置されている塗
料出口(個数N)の一部分である連続して並んで存在す
る所定数N1(<N)の塗料出口のみから塗料を排出で
きるように設計されている別の態様では、塗装機の塗装
パターン幅L1がa×N1となる操作を実施することも
できる。その場合、N個の塗料出口を用いて角度θで幅
dの基材を塗装することもできるが、d≦a×N1であ
る限り、塗装すべき幅dをNより少ない塗料出口数N1
でより小さい角度θ1にて塗装できることにもなる。
【0044】即ち、d=a×N1×cosθ1(但し、
N1<N、θ1<θ)となる。このことは、塗料が排出
される塗料出口の数を減らすことができる場合には、基
材の搬送方向に対する塗装機の塗料出口が並んでいる方
向が平行に近づけることができる(即ち、θをより小さ
くできる)ことを意味する。一般的に、基材の搬送方向
に対する塗装機の塗料出口が並んでいる方向が平行に近
づくほうが、塗装機から排出される塗料により形成され
る塗膜が重なりにくく、従って、薄い均一な塗膜を形成
し易いので好都合である。
【0045】本発明の塗装装置において、上述のように
塗料が排出される塗料出口の数を変更できるようにする
ために、1またはそれ以上の塗料出口を有する塗装モジ
ュールを塗装ノズルに用いて塗装機を構成することが好
ましい。ここで、「塗装モジュール」とは、塗装機を構
成する単位であって、それ自体が1つの塗装機として作
用し得るものであって、他のモジュールから独立して個
々に塗装のon/off(例えば、塗料の排出のon/
off(エアーレススプレーガンの場合)、塗料および
気体の混合物の排出のon/off(エアースプレーガ
ンの場合)、または塗料の排出のon/offおよび気
体の排出のon/off(コントロールコートガンの場
合))を実施できるものをいう。塗装モジュールは塗装
機能を有する1つの部品ともいえ、互いに独立して取り
外すことができる。但し、各塗装モジュールに関連する
要素は、互いに完全に独立している必要は必ずしもな
い。例えば、各塗装モジュールに供給される塗料の塗料
源は1つであってよい。あるいは、各塗装モジュールが
コントロールコートガンまたはエアースプレーガンであ
る場合に、各塗装モジュールは共通した空気流路を有し
ていてよい。
【0046】塗装機を塗装モジュールによって構成する
と、塗料を排出する塗装モジュールを自由に選択して所
定の数の相互に隣り合う塗装モジュールのみから塗料を
排出させることができる、即ち、所定の数の塗装モジュ
ールを使用して塗装機の塗装パターン幅を達成すること
ができる。その結果、塗装すべき基材の幅(d)に応じ
て、塗料を排出すべき最小数限の塗装モジュールだけを
作動させて、基材の搬送方向に対する塗装機の塗料出口
が並んでいる方向を可及的に平行に近づけて塗装するこ
とができる。
【0047】例えば、上記式から明らかなように、dが
十分に小さい場合(即ち、d≪(a×N)の場合)、塗
装すべき基材の幅(長さd)を満たすLとθの組み合わ
せは複数存在し得る。例えば、塗装パターン幅Lをより
大きくして(例えば塗料出口数:n個)角度θをより大
きくする場合と、塗装パターン幅Lをより小さくして
(例えば塗料出口数:n−1個)角度θをより小さくす
る場合とで、同じdを達成することができる。具体的に
は、d=a×N×cosθ=a×n×cosθ=a×
(n−1)cosθ(但し、n<N)となる場合があ
る。
【0048】このような場合、一般的には、角度θが小
さくなる塗料出口数を選択するのが好ましい。即ち、塗
装機の直線状に並んでいる塗料出口の方向と基材の塗装
すべき幅の方向が平行に近づくように、即ち、基板を上
方から見た場合に、基板の幅方向と塗料出口が並ぶ方向
の為す角度(θ)が0°に近づくように、塗装機を配置
するのが好ましい。
【0049】従って、塗装すべき基材の幅が小さい場合
には、使用する塗料出口の数を最小限に減らして角度
(θ)が0°に近づくように、塗装機を配置するのが好
ましい。使用する塗料出口の最小限数mは、理論的に
は、d/a≦mを満足する最も小さい整数である。も
し、実際に塗装してみた場合に、この最小限数mで塗装
が不十分となり所定の領域に塗膜を形成できない場合に
は、使用する塗料出口の数を(m+1)とする(この場
合、必要に応じて角度(θ)を大きくする)か、あるい
は角度(θ)を小さくすればよい。
【0050】尚、塗装機を複数の塗装モジュールによっ
て構成する場合、各塗装モジュール毎に塗装のon/o
ffをコントロールできるようにするのが好ましく、そ
れによって、連続する塗装モジュールの塗装開始/停止
時期を個々に変えることができる。本発明の塗装装置を
用いて矩形の基材を塗装するに際して、基材の幅方向と
塗料出口が並んでいる方向と実質的に平行でない場合
(即ち、θ>0°の場合)で基材を搬送すると、各塗装
モジュールの下方に基材が存在し始める時期および存在
しなくなりはじめる時期が異なる。
【0051】例えば、図1に示すように塗装機10が、
塗料出口が並んでいる方向(矢印B)が斜め右下向きと
なるように、配置されている場合(10−2の状態)、
塗装機10の最も左端の塗料出口12の下方に、基材1
6が最初に存在し始める。その後、順に右隣の塗料出口
の下方に基材が存在し始め、最後に最も右端の塗料出口
12の下方を基材が通過し始める。
【0052】このように、塗料出口に応じて基材が通過
し始める時期および通過し終わる時期が異なるので、各
塗料出口の塗料の排出開始を同時に行うのではなく、基
材の搬送速度を考慮して、塗料出口の直下を基材が通過
し始める直前に各塗料出口からの塗料の排出を開始する
のが塗料の経済的使用の観点から好ましい。尚、最初に
塗料の排出を開始した塗料出口の下方では一番最初に基
材が存在しなくなるので、最初に塗料の排出を停止す
る。その後、順に隣接する塗料出口の排出を停止する。
【0053】本発明の塗装装置または塗装方法の特に好
ましい態様において、塗装機またはそれを構成する塗装
モジュールとしてコントロールコートガンと呼ばれるも
のを使用する。コントロールコートガンは、本来接着剤
の塗布に使用する目的で、例えばノードソン(社)から
市販されているものである。
【0054】この塗装機は、塗料出口として塗料を排出
する細長の塗料スロット出口を有する、塗料ノズルとし
てのスロット・ノズルと、空気を排出または吐出してス
ロット・ノズルから排出または吐出される塗料に空気流
を衝突させる、上記スロット出口に近接配置された空気
出口を有する空気チャンネルとを有して成るコーティン
グヘッドにより構成され、このコーティングヘッドは、
基材上の所定領域を塗装するために、スロット出口から
の塗料の排出と空気スロットからの空気の排出とを予め
選択した時期に開始および停止させるコントローラを更
に有して成る。
【0055】この塗装機では、塗料スロット出口から排
出される塗料が、空気出口から排出される空気によって
基材に到達する直前に霧化され、そのように霧化された
塗料が基材に到達して均一な塗膜領域を形成するように
コントローラにより制御される。このような塗装機とし
て、例えば日本国特許第2713542号公報に開示さ
れているホットメルト接着剤用のコーターを使用でき
る。この公報に記載されている内容は、上記引用によっ
て、本発明に基づく塗料による塗装に悪影響が出ない限
り、本明細書の本発明の塗装装置および後述の塗装方
法、ならびにその他の本発明に関する説明に含まれるも
のとする。
【0056】本発明において、塗料は、基材に塗装して
乾燥することによって基材の表面に塗膜を形成する材料
であれば、特に限定されるものではない。塗料は、好ま
しくは水性エマルジョン塗料と呼ばれるものであり、種
々の樹脂が水または親水性有機溶剤を含む水にエマルジ
ョン形態で含まれているものである。
【0057】本発明において、塗料は、骨材を含有する
ものであってよい。骨材は、塗料に用いられるものであ
れば特に限定されず、ホタル石、珪砂、石英等の通常の
天然素材や、陶磁器粉砕粒子、炭酸カルシウム粒子、雲
母片、プラスチックビーズ等を挙げることができる。ま
た、骨材は着色した着色骨材であってもよい。
【0058】塗料は、展色剤を含んでいてもよい。この
展色剤は、無色透明な乾燥塗膜を形成するためのもので
あり、例えばアクリル樹脂、シリコンアクリル樹脂、ア
クリルウレタン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂を挙げること
ができる。水分散性または水溶性の水性樹脂が、環境面
より好ましい。また、塗料は、透明度を損なわない量の
着色顔料を配合したカラークリアー塗料であってもよ
い。
【0059】また、塗料は、塗面の平滑性が得られ、か
つ透明性を保てることから、無機粒子を含んでいてもよ
い。無機粒子としては、特に限定されないが、例えば珪
石粉、炭酸カルシウム粉、シリカ粉、タルク粉、クレー
粉等が挙げられる。
【0060】本発明において、基材とは、塗料を塗布す
るすべき対象であれば特に限定されるものではなく、例
えば塗料を塗装すべき窯業建材であり、通常、厚さが比
較的薄いシート状または板状の形態である。窯業建材の
場合、凹凸加工された窯業建材を塗装する場合に本発明
の塗装方法および塗装装置が好適に用いられる。そのよ
うな加工された窯業建材としては、例えば住宅の内外壁
に用いる窯業建材であって、石綿スレート板、木片セメ
ント板、珪酸カルシウム板、炭酸マグネシウム板、スラ
グ石膏板、軽量気泡コンクリート板およびそれらを用い
たパネルを例示できる。凹凸加工された窯業建材の表面
には、エンボス加工、溝加工等の加工がなされていても
よい。
【0061】図2に、本発明の塗装装置を上から見た様
子を、図1と同様に、模式的に示す。図2において表面
を全幅にわたって塗装すべき基材16(幅d)は、矢印
で示すように上から下方向に搬送され、塗装装置は、搬
送される基材の上方に位置する。また、図3に、図2の
下側から上方を見上げた場合の立面図を模式的に示す。
尚、これらの図においては、塗料出口が並ぶ方向と基材
の幅方向が平行である状態(10−1の状態)を点線に
て示す。
【0062】図示した態様では、塗装装置は、それぞれ
が1つの塗料ノズル12を有する4つの塗装モジュール
30、32、34および36が直線状に並んで配置され
て塗装機10を有する。図示した態様では、これらの塗
装モジュールは、先に説明したいわゆるコントロールコ
ートガンと呼ばれるタイプのものであり、細長のスロッ
ト形状の塗料出口を有する。
【0063】各塗装モジュールには、塗料供給ライン4
0が設けられ、塗料スロット出口から排出される。ま
た、空気供給ライン42もそれぞれに設けられ、排出さ
れた塗料に衝突して霧化するように空気が供給される。
これらのラインはそれぞれ独立してコントロールでき、
従って、各塗装モジュールの塗装のon/offを独立
して制御できる。例えば、先に説明したように、いずれ
の塗装モジュールに対してもそれらの下方に同時に基板
が存在することはないので、塗装モジュール36による
塗装を最初に開始して、基材の搬送につれて、次々と隣
接するモジュールによる塗装を開始し、最後に、塗装モ
ジュール30による塗装を開始する。基材の長さに応じ
て、全ての塗装モジュールによって塗装が実施される時
間が異なるのは当然である。また、塗装の停止は、最初
に塗装を開始した塗装モジュールから順に停止する。基
板の被塗装面が矩形である場合、基本的には、いずれの
塗装モジュールも同じ時間だけ塗装を実施する。
【0064】尚、図示した態様では、塗装機10は回転
軸31の回りで回転でき、角度θを為すように塗装機1
0を配置した場合、塗装モジュール30の下方には基材
が存在しないので、基材16を塗装する場合には、塗装
モジュール30による塗装を実施する必要がない。この
ような場合、塗装機10を塗装モジュールによって構成
しておくと、塗装モジュール30のみの運転停止を容易
に実施できる。角度θを図示した状態より更に大きくす
ると、塗装モジュール30も稼動させて、基材16を塗
装する必要がある。
【0065】各塗装モジュールは、先に説明したよう
に、その塗装パターン幅が実質的にオーバーラップが生
じないように、丁度隣接するように並べられていても、
あるいは、若干のオーバーラップが生じるように並べら
れていてもよいが、図3で示した態様では、隣接する塗
料出口のパターン幅(b)同士の間に隙間38が存在し
得るように配列されている。即ち、図3に各塗装モジュ
ールから排出される塗料40の様子を示すように、隙間
38の下方部分では基材は塗装されないことになる。こ
の場合、塗料出口が並んでいる方向(矢印E)に塗装機
10を繰り返し往復運動させることによって、塗装され
ない部分が生じないようにできる。往復運動させる幅
は、隙間38の幅より大きい必要がある。
【0066】従って、図2および図3に示す塗装機10
の塗装パターン幅L’は、b×4+αとなる。αの値
は、隙間の幅×隙間の数+往復運動の幅となり、塗装機
の位置決めに際して、先の式においてLをこのような
L’を用いて角度θを算出すればよい。
【0067】
【発明の効果】従来の塗装装置(10−1の状態)にお
いては、塗装機が並んでいる方向が基材の搬送方向に対
して固定的に垂直である。各塗装モジュールの塗装パタ
ーン幅をaとして、塗装パターン幅は丁度隣接している
と仮定すると、塗装できる基材の幅d’は図2に示すよ
うに4×a(=4a)となる。従って、塗装すべき基材
の幅または基材の幅の塗装すべき一部分が4aである場
合、従来の塗装装置を用いて基材を好適に塗装できる。
【0068】しかしながら、塗装すべき基材の幅が4a
より小さい場合(例えば図2に示すようにd’の左側約
3/5の幅部分のみの幅を基材が有する場合)、従来の
塗装装置を用いて塗装する場合、塗装パターン幅4aの
下方に基材が存在せず(例えば図2に示すようにd’の
右側約2/5の幅部分の下方には基材が存在しない)、
排出される塗料の一部分が無駄となる(例えば、図2に
示すように塗装パターン幅4aをもたらす塗料の右側約
2/5が無駄となる)。
【0069】また、図2に示すように、基材の幅がd’
であり、d’の左側約3/5の幅部分のみを塗装する場
合も、従来の塗装装置を用いて塗装すると、塗装する必
要がないd’の右側約2/5の幅部分も塗装されること
になり、その塗装に使用される塗料は無駄になるし、ま
た、その部分を他の塗色とする予定がある場合には、非
常に不都合である。
【0070】ところが、本発明の塗装装置では、塗装機
の塗料出口が並んでいる方向を基材の幅方向に対して変
えることによって、塗装機の並んでいる塗料出口の全
て、または連続するそれらの一部分によりもたらされる
塗装パターン幅の下方全体にわたって、基材の塗装すべ
き部分が存在するようにできるので、塗料出口から排出
される塗料は、塗装すべき部分のみに塗膜を形成するこ
とになり、塗料の無駄を最大限に抑制でき、また、不必
要な部分が塗装されることもなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、搬送装置上に載置されて、塗装機の
に対向して搬送される基板をその上方から見た様子を模
式的に示す。
【図2】 本発明の塗装装置を上から見た様子を模式的
に示す。
【図3】 図3は、図2の塗装装置を図2の下側から上
方を見上げた場合の立面図を模式的に示す。
【符号の説明】
1…搬送装置、10…塗装機、12…塗料出口、14,
16…基材、20,22…塗膜領域、30…塗装モジュ
ール,31…回転軸、32,34,36…塗装モジュー
ル、38…隙間部分、40…塗料ライン、42…空気ラ
イン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B05D 7/24 301 B05D 7/24 301F Fターム(参考) 4D075 AA01 AA21 AA38 AA39 AA43 AA81 AA82 AA85 BB14X BB91X CA36 DA06 DB11 DB12 DC02 EA13 EB16 EB22 EB42 4F033 AA01 BA03 CA01 DA02 DA05 EA02 EA05 LA01 4F035 AA03 BC00 CA02 CA05 CB13 CC01 CC04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 幅方向および長さ方向を有する基材に塗
    料を塗装する塗装装置であって、 少なくとも2つの塗料出口が一直線状に並んでいる塗料
    ノズルを有する塗装機、および塗料出口が並んでいる方
    向を基材の幅方向に対して変えることができる塗装機位
    置決め装置を含む塗装装置。
  2. 【請求項2】 塗装機は、コントロールコートガンによ
    り構成されている請求項1に記載の塗装装置。
  3. 【請求項3】 塗装機は、少なくとも2つの塗装モジュ
    ールによって構成されている請求項1または2に記載の
    塗装装置。
  4. 【請求項4】 塗装機の塗装パターン幅がLである請求
    項1〜3のいずれかに記載の塗装装置を用いて幅dを有
    する基材を塗装する方法であって、 基材を長さ方向に搬送して塗装するに際して、塗料出口
    が並んでいる方向と基材の幅方向とが為す角度θが、L
    ×cosθ=d(但し、0°≦θ≦90°、d≦L)を
    満足するように塗装機を位置決めすることを特徴とする
    塗装方法。
  5. 【請求項5】 塗装すべき基材の幅dを検知する工程、 幅dおよび塗装パターン幅Lから、θ=cos−1(d
    /L)によって角度θを求める工程、 塗料出口が並んでいる方向と基材の幅方向とが角度θを
    為すように塗装機を配置する工程、ならびに塗料出口か
    ら塗料を排出して基材を塗装する工程を含む請求項4に
    記載の塗装方法。
  6. 【請求項6】 塗料は、水性エマルションであり、基材
    は窯業建材である請求項4または5に記載の塗装方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012143664A (ja) * 2011-01-07 2012-08-02 Asahi Sunac Corp 粉体塗装装置
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