JP2003071201A - 複数の金属を含む廃液の処理方法 - Google Patents

複数の金属を含む廃液の処理方法

Info

Publication number
JP2003071201A
JP2003071201A JP2001268923A JP2001268923A JP2003071201A JP 2003071201 A JP2003071201 A JP 2003071201A JP 2001268923 A JP2001268923 A JP 2001268923A JP 2001268923 A JP2001268923 A JP 2001268923A JP 2003071201 A JP2003071201 A JP 2003071201A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waste liquid
treating
metal hydroxide
metals
liquid containing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001268923A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuyuki Ono
信行 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2001268923A priority Critical patent/JP2003071201A/ja
Publication of JP2003071201A publication Critical patent/JP2003071201A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/30Wastewater or sewage treatment systems using renewable energies
    • Y02W10/37Wastewater or sewage treatment systems using renewable energies using solar energy

Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃液の中和処理によって沈殿する金属水酸化
物を種類毎に沈殿分離し、金属水酸化物の大きい粒子を
形成して脱水の処理効率を高めて低水分のスラジにして
有効利用を図ることができる複数の金属を含む廃液の処
理方法を提供する。 【解決手段】 複数の金属イオンを含む廃液11を連続
して容器16、20内に供給しながら、廃液11のpH
を複数段階に分けて調整を行ない、廃液11の調整され
たpHで析出させた金属水酸化物を分離して回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼板の酸洗廃液や
めっき廃液等の複数の金属を含む廃液の処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、鋼板の圧延やめっき処理等を施す
際に、鋼板の表面に生成したスケールを酸洗処理やアル
カリ処理を行って除去し、鋼板の表面に発生する疵やメ
ッキ表面の汚れ等を防止している。この処理は、鋼板で
は、塩酸、硝酸、硝弗酸等を含む酸性の液を用いるた
め、鋼板中の鉄、クロム、ニッケル等の金属を溶解した
酸性の廃液が発生し、めっき鋼板では、めっき液中に含
まれるクロム、ニッケル、亜鉛等の金属を溶解した洗浄
の廃液が発生する。この廃液は、酸、又はアルカリ液を
加えて中和処理してから、凝集剤を添加してシックナ等
の沈殿池を利用して金属水酸化物を沈殿させてスラリー
とし、このスラリーを脱水処理してスラジケーキに加工
する。しかし、これ等金属水酸化物は、粒子が小さくて
沈殿速度が遅く、スラリーを脱水処理した際に生成する
スラジケーキの含水量も高く、使用する際スラジケーキ
の乾燥が必要になる。しかも、スラジは、多量に水を含
んだ状態で搬送するため輸送費用が増加する等の問題が
ある。従って、特開平4−267994号公報に記載さ
れているように、アルカリ液と凝集剤を混合した液を沈
殿槽に供給し、この沈殿槽で沈殿した金属水酸化物を含
むスラリーを取り出し、このスラリーにアルカリ液を添
加したものを中和処理槽の金属イオンを含む廃液に添加
することが行われており、廃液の中和処理によって生成
する金属水酸化物の粒子を大きくし、沈殿池での沈殿速
度を高め、シックナ等の沈殿池の小型化や処理効率の向
上を図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
4−267994号公報に記載された方法では、金属水
酸化物の粒子をある程度大きくできるが、その結合は、
主に高分子凝集剤によって粒子と粒子を凝集させるた
め、攪拌等の弱い力が付与された際に、金属水酸化物の
塊が容易に分離し、大きい金属水酸化物の粒子を安定し
て形成することができず、凝集剤等の薬剤コストが上昇
する。しかも、粒子中の金属水酸化物の密度が小さく、
且つ、粒子が容易に壊れるため、沈殿した金属水酸化物
の粒子を含むスラリーを脱水処理した際に、スラジケー
キの含水量が55〜70重量%と高くなる。従って、粒
子の密度を差ほど高くできないことから、沈殿池(沈殿
槽)での沈殿速度も遅くなり、シックナ等の沈殿槽が大
きくなったり、沈殿や脱水処理等の効率が低下する。更
に、廃液中に含まれる金属は、中和処理によって、鉄や
亜鉛、クロム、ニッケル等の金属水酸化物が混合して沈
殿し、この金属水酸化物を資源として再利用する場合、
含まれる他の金属水酸化物が障害となって金属水酸化物
中の有価金属を有効に活用できない等の問題がある。
【0004】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で、廃液の中和処理によって沈殿する金属水酸化物を種
類毎に分離し、金属水酸化物の大きい粒子を形成して脱
水の処理効率を高めて低水分のスラジにして有効利用を
図ることができる複数の金属を含む廃液の処理方法を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明に
係る複数の金属を含む廃液の処理方法は、複数の金属イ
オンを含む廃液を連続して容器内に供給しながら、該容
器内で中和処理を行って前記廃液のpHを複数段階に分
けて調整を行ない、前記廃液の調整されたpH別に析出
させた金属水酸化物を分離して回収する。この方法によ
り、廃液の中和処理によって析出する金属水酸化物を種
類毎に分離して沈殿させて回収するので、含まれる成分
ごとに種別された金属水酸化物を製鉄原料等に再利用す
ることができ、金属水酸化物中の金属の有効活用が可能
になる。
【0006】ここで、前記容器内を攪拌して、析出した
前記金属水酸化物の粒子に前記金属イオンを接触させて
粒子径を大きくし、粒子径が大きくなった前記金属水酸
化物を脱水すると良い。これにより、金属水酸化物粒子
の表面に、廃液中の金属イオンを積極的に接触させるの
で、金属水酸化物の表面に金属を析出させたり、ある程
度大きくなった粒子が接触した際に、粒子と粒子の接触
面に金属が析出することにより、粒子結合を促進して金
属水酸化物の粒子を大きくし、その粒子の密度を高くで
き、金属水酸化物の沈殿速度を高め、脱水し易くするこ
とができる。
【0007】更に、前記廃液の中和処理を行った後に、
前記容器内の水の一部を分離膜を用いて濾過することも
できる。これにより、廃液中に含まれる過剰の水分を除
去できるので、金属水酸化物の粒子の含有量が高くな
り、金属水酸化物と金属イオンの接触を良好にすること
ができ、金属水酸化物の粒子の成長を図ることができ
る。しかも、処理液中の金属水酸化物の粒子の濃度を高
くしているので、金属水酸化物が濃化した処理液の脱水
処理を効率良く行うことができる。
【0008】ここで、前記分離膜の孔径を1〜100μ
mにすることもできる。これにより、容器内に中和処理
により生成した金属水酸化物の粒子を濃縮し、この金属
水酸化物の粒子による分離膜の目詰まりを防止して徐水
効果を高めることができる。分離膜の孔径が1μmより
小さいと、金属水酸化物の細かい粒子が詰って濾過が不
十分になる。一方、孔径が100μmより大きくなる
と、分離膜の孔をそのまま通過する粒子が増加し、脱水
処理後の排水の水質が悪化する。
【0009】更に、前記容器内の廃液に鉄酸化細菌を添
加して二価の鉄を酸化して三価の鉄にすると良い。これ
により、中和処理を行った際に、鉄を含む金属水酸化物
の生成が促進され、ニッケルや亜鉛等と異なるpHの領
域で鉄を含む金属水酸化物を形成でき、容易に分離する
ことができる。なお、鉄酸化細菌としては、中性領域で
育成する糸状細菌と酸性領域で育成する糸状細菌、非糸
状細菌を用いることができる。例えば、一般に使用され
ている酸性領域で育成する糸状細菌であって化学合成独
立細菌であるThiobachillus・ferro
oxidansを用いることができる。
【0010】また、前記廃液は、製鉄工場の鋼板の酸洗
廃液、あるいはめっき廃液を用いることが好ましい。こ
れにより、金属イオンを多く含む廃液を中和処理するの
で、金属水酸化物の析出する粒子を多くでき、しかも、
多量に含まれる金属イオンを接触させて、金属水酸化物
の粒子の成長と粒子密度を高めることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。図1は本発明の一実施の形態に係る
複数の金属を含む廃液の処理方法に適用される廃液処理
装置の説明図、図2は廃液のpHと廃液中元素の残存比
率の関係を表すグラフ、図3は処理経過時間と金属水酸
化物の平均粒子径の関係を表すグラフ、図4は脱水時間
とケーキ中の固形分比率の関係を表すグラフである。図
1に示すように、本発明の一実施の形態に係る複数の金
属を含む廃液の処理方法に適用される廃液処理装置10
は、製鉄工場で圧延された薄鋼板を塩酸、硝酸、硝弗酸
等の酸液で酸洗処理した後の廃液の一例である酸洗廃液
11を一旦貯蔵する廃液タンク12と、廃液タンク12
からポンプ13を介して酸洗廃液11を受け入れて中和
処理する容器の一例である第1の廃液処理槽16と、カ
セイソーダあるいは石灰乳等の中和剤を入れたアルカリ
液タンク14と、第1の廃液処理槽16の出側に設けら
れ第1の廃液処理槽16で処理された後の廃液を吸引し
て圧送するポンプ17と、ポンプ17から圧送された廃
液を受け入れる容器の一例である第2の廃液処理槽20
と、カセイソーダあるいは石灰乳等の中和剤を入れたア
ルカリ液タンク18とを有している。
【0012】更に、第1の廃液処理槽16には、酸洗廃
液11にアルカリ液タンク14からの中和剤を添加した
後のpHを測定するpH計21と、第1の廃液処理槽1
6内の余剰水を濾過する分離膜の一例である膜モジュー
ル22と、図示しない空気圧力源に連通した供給管23
に接続され、多数の吹き出し孔24aから空気を吹き込
んで第1の廃液処理槽16内の廃液を攪拌する空気ヘッ
ダ24を有し、廃液処理槽16の底部16aには堆積し
た金属水酸化物の沈殿物を排出するスラジ排出管25を
備えている。また、第2の廃液処理槽20には、第1の
廃液処理槽16で処理された後の廃液にアルカリ液タン
ク18からの中和剤を添加してpHを測定するpH計2
6と、第2の廃液処理槽20内の余剰水を濾過する分離
膜の一例である膜モジュール27と、膜モジュール27
を介して余剰水を吸引して徐水する廃液ポンプ28と、
空気圧力源に連通した供給管23に接続された多数の吹
き出し孔29aから空気を吹き込んで第2の廃液処理槽
20内の廃液を攪拌する空気ヘッダ29を有し、第2の
廃液処理槽20の底部20aには堆積した金属水酸化物
の沈殿物を排出するスラジ排出管30を備えている。更
に、膜モジュール22、27は、ポリプロピレンからな
る素材を用い、孔径が1〜100μmで、通気量が12
00cm3 /cm2 ・分となる孔を有しており、膜モジ
ュール22、27の内部には、前記した廃液を吸引する
ポンプ17及び廃液ポンプ28がそれぞれ連通してい
る。
【0013】次に、本発明の一実施の形態に係る複数の
金属を含む廃液の処理方法について説明する。製鉄工場
で圧延された薄鋼板を酸洗処理した後の酸洗廃液11を
貯蔵した廃液タンク12からポンプ13を作動して酸洗
廃液11を第1の廃液処理槽(廃液処理槽ともいう)1
6内に600m3 /Hrで連続して供給を行う。この酸
洗廃液11は、pHが2以下で、総量でFe、Zn、C
r、Ni等を0.01〜1重量%溶解しており、これ等
の金属は、金属イオンとして存在している。酸洗廃液1
1の供給と同時に、初回の中和処理として、アルカリ液
タンク14に連通したポンプ15を作動して1〜2m3
/HrでNaOH溶液からなるアルカリ液を廃液処理槽
16内に添加して酸洗廃液11をpH3以上、pH6未
満の範囲に調整する。更に、廃液処理槽16に、酸性領
域で生育する非糸状細菌である前記した鉄酸化細菌を添
加して、金属イオンの内の鉄イオンを二価から三価に処
理しておき、pH3以上、pH6未満の範囲で鉄の金属
水酸化物が生成し易いようにする。ここで、初回に行っ
た中和処理のpHが3未満になると、クロムや三価の鉄
の金属水酸化物の析出が悪くなる。一方、pHが6を超
えると、ニッケルや亜鉛の金属水酸化物が析出し易くな
り、クロムや鉄を分離することができない。この初回の
中和処理によって、図2に示すように、鉄(Fe)及び
クロム(Cr)を主体とした金属水酸化物が析出し、酸
洗廃液11中から鉄とクロムを分離することができる。
この鉄とクロムを主体とする金属水酸化物は、析出する
が、粒子が小さいため、空気ヘッダ24の吹き出し孔2
4aから空気を64Nm3 /Hr吹き込んで、廃液処理
槽16内を攪拌する。廃液処理槽16内で中和処理され
た廃液に、新たに(連続的に)、酸洗廃液11を供給し
ているので、析出した細かい金属水酸化物と酸洗廃液1
1中に含まれる金属イオンとが接触し、細かい粒子の表
面に金属イオンを析出させたり、粒子と粒子の間に析出
させて粒子と粒子を結合することができ、金属水酸化物
の粒子を成長させて大きい粒子にすることができる。ま
た、この粒子が鉄酸化細菌の担体として作用するため、
廃液処理槽16内に鉄酸化細菌を長時間にわたり滞留さ
せることができ、鉄イオンを二価から安定して三価にす
ることができる。
【0014】更に、廃液処理槽16には、連続して酸洗
廃液11が供給され、逐次pH調整が行われるため、廃
液処理槽16の中和処理液が増加する。従って、中和処
理液は、廃液処理槽16の出側に配置した吸引ポンプ1
7を作動して膜モジュール22内を負圧に吸引して余剰
水を濾過し、ニッケルや亜鉛等の金属イオンを含む濾過
液を第2の廃液処理槽20に供給する。余剰水が除去さ
れた廃液処理槽16内の金属水酸化物は、濃度が高めら
れ、前記した酸洗廃液11中に含まれる金属イオンとの
接触がより促進され、大きい粒子の金属水酸化物を形成
することができ、固形分として3〜50%にすることが
できる。
【0015】次に、廃液処理槽16の膜モジュール22
で濾過されニッケルや亜鉛の金属イオンを含み中和処理
された後の廃液である余剰水(濾過水)は、吸引ポンプ
17を介して第2の廃液処理槽20に供給される。この
第2の廃液処理槽20では、アルカリ液タンク18に連
通したポンプ19を作動して1〜2m3 /Hrのアルカ
リ液を添加して、pHが高くなる方、即ち、pH6超、
pH10以下の範囲になるように2回目のpH調整を行
う。この中和処理によって、図2に示すように、ニッケ
ル(Ni)及び亜鉛(Zn)を主体とする金属水酸化物
が析出する。この金属水酸化物は、粒子が小さいため、
前記した廃液処理槽16で行った攪拌と同様に、空気ヘ
ッダ29の吹き出し孔29aから空気を64Nm3 /H
r吹き込んで、第2の廃液処理槽20内を攪拌して中和
処理された後の廃液中に含まれるニッケルや亜鉛等の金
属イオンと粒子を接触させる。同時に、膜モジュール2
7内を吸引して余剰水を廃液ポンプ28で排水し、第2
の廃液処理槽20内のニッケルや亜鉛を主体とした金属
水酸化物の濃度を高め、金属水酸化物の粒子の成長を図
り、金属水酸化物の粒子の沈殿を行う。粒子が大きくな
った金属水酸化物は、その濃度が3〜50%になり、ス
ラジ排出管30から排出される。
【0016】そして、第1の廃液処理槽16を用いて鉄
(Fe)及びクロム(Cr)を主体とした金属水酸化物
を分離してその濃度を高めたスラジと、第2の廃液処理
槽20を用いてニッケル(Ni)及び亜鉛(Zn)を主
体とする金属水酸化物を分離させてその濃度を高めたス
ラジは、それぞれスラジ排出管25、30から排出され
る。そして、いずれのスラジも、それぞれ脱水されてス
ラジケーキが製造される。このスラジケーキは、クロム
あるいは鉄、又はニッケルあるいは亜鉛等の有価金属を
含み、水分が少ないので、使用が可能になり、資源とし
て有効活用することができる。
【0017】また、第1の廃液処理槽16と第2の廃液
処理槽20を用いた酸洗廃液11や酸洗廃液11を中和
処理した廃液の処理過程で、廃液処理槽16あるいは廃
液処理槽20に、液中の有機物、油脂等のCODの成分
を分解する微生物である好気性、且つ従属栄養性である
微生物を添加し、処理過程において、CODの成分を分
解することにより、濾過水中に含まれる有機物や油脂等
を低減し、系外に排出される濾過水による環境への悪影
響を防止することができる。更に、廃液処理槽16、2
0に、一般に使用する凝集剤を添加し、金属水酸化物の
粒子の成長の促進と、膜モジュール22、27の目詰ま
りの低減を図ることができ、しかも、膜モジュール2
2、27の下方に設置した空気ヘッダ24、29から空
気を吹き込んで、膜モジュール22、27の表面に付着
した金属水酸化物を除去することで、膜モジュール2
2、27の目詰まりをより抑制することができる。ま
た、膜モジュール22、27は、ポンプ17及び廃液ポ
ンプ28から酸、もしくは酸洗廃液11を膜モジュール
22、27の内部に供給し、目詰まりした金属水酸化物
を溶解して洗浄することもできる。
【0018】
【実施例】次に、本発明の複数の金属を含む廃液の処理
方法の実施例について説明する。圧延された薄鋼板を酸
洗処理した後のpHが2以下で、金属イオンを含む酸洗
廃液を第1の廃液処理槽内に10mL/分で連続して供
給を行いながら、第1の廃液処理槽にカセイソーダを添
加して、pHを3〜5の範囲に中和処理し、中和処理と
同時に、第1の廃液処理槽の底部から空気を6NL/分
吹き込んで、第1の廃液処理槽内を攪拌し、酸洗廃液の
連続供給による余剰水を膜モジュールを用いて濾過し
た。この濾過水を第2の廃液処理槽に供給し、第1の廃
液処理槽と同様に、カセイソーダを添加し、pHを6超
から9の範囲に中和処理し、中和処理と同時に、第2の
廃液処理槽の底部から空気を6NL/分吹き込んで、第
2の廃液処理槽を攪拌し、酸洗廃液の連続供給による余
剰水を膜モジュールを用いて濾過して系外に排出した。
そして、第1の廃液処理槽、及び第2の廃液処理槽内に
生成した金属水酸化物の粒子の成長を促進し、分離して
沈殿した金属水酸化物をそれぞれのスラジ排出管から排
出し、脱水処理してスラジケーキを製造した。その結果
を図3及び図4に示す。図3に示すように、第1の廃液
処理槽(◇で示す)、あるいは第2の廃液処理槽(□で
示す)内に生成した金属水酸化物は、いずれも処理時間
の経過と共に、平均粒子径が大きくなっている。しか
も、膜モジュールを用いた濾過の効果によって、第1の
廃液処理槽、あるいは第2の廃液処理槽内の金属水酸化
物濃度も高くすることができる。
【0019】更に、図4に示すように、第1の廃液処理
槽で分離して沈殿した鉄及びクロムを主体にした金属水
酸化物、第2の廃液処理槽内で分離して沈殿したニッケ
ル及び亜鉛を主体にした金属水酸化物のいずれも脱水性
が良好であるので、脱水後のケーキ中の固形分比率(脱
水効率)を高くすることができた。これに対し、酸洗廃
液を中和処理して生成した金属水酸化物の粒子の成長を
行わないで沈殿させたスラジを脱水処理した従来例で
は、鉄及びクロムを主体にした金属水酸化物と、ニッケ
ル及び亜鉛を主体にした金属水酸化物を、それぞれ本発
明の金属水酸化物と比較すると、粒子の成長状態が悪
く、粒子自体の密度も低くなり、脱水後のケーキ中の固
形分比率がいずれも悪くなった。
【0020】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨
を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲であ
る。例えば、金属水酸化物の粒子の濃度が高くなった中
和処理液は、脱水装置を用いた脱水の他に、ヤード等の
平地に搬送して天日乾燥を行うことができる。更に、酸
洗廃液の他に、めっき廃液を用いることができ、この場
合も酸洗廃液と同様の効果を得ることができる。また、
アルカリ液として、MgO、Mg(OH)2 等を含む液
を用いることもできる。更に、鉄酸化細菌を用いて鉄イ
オンを二価から三価に処理する専用の反応槽を廃液処理
槽の前段に配置し、この後に、廃液処理槽で中和処理を
行うこともできる。また、酸洗廃液のpH調整について
は、pH3以上、pH6未満の範囲とpH6超、pH1
0以下の範囲の2段階で調整する他に、酸洗廃液中に含
まれる金属が析出するpHに応じて複数回行うこともで
きる。
【0021】
【発明の効果】請求項1〜6記載の複数の金属を含む廃
液の処理方法おいては、複数の金属イオンを含む廃液を
連続して容器内に供給しながら、廃液のpHを複数段階
に分けて調整を行ない、廃液の調整されたpHで析出さ
せた金属水酸化物を分離して回収するので、廃液の中和
処理によって沈殿する金属水酸化物を種類毎に分離し、
しかも、低水分のスラジケーキにでき、廃液中に含まれ
る鉄やクロム、あるいはニッケルや亜鉛等の有価金属の
有効利用を図ることができる。
【0022】特に、請求項2記載の複数の金属を含む廃
液の処理方法おいては、容器内を攪拌して、析出した金
属水酸化物粒子に金属イオンを接触させて粒子径を大き
くした金属水酸化物を脱水するので、生成する金属水酸
化物の粒子を大きく、しかも、緻密にでき、金属水酸化
物の沈殿速度を高めて脱水処理を容易にし、スラジケー
キの含水量を安定して低減でき、資源としての利用を可
能にすることができる。
【0023】請求項3記載の複数の金属を含む廃液の処
理方法おいては、廃液の中和処理を行った後に、容器内
の水の一部を分離膜を用いて濾過するので、金属水酸化
物の粒子の含有量が高くなり、金属水酸化物と金属イオ
ンの接触を良好に行うことができ、金属水酸化物の粒子
を安定して大きくできる。しかも、処理液中の金属水酸
化物の粒子の濃度を高くしているので、処理液の脱水処
理を効率良く行うことができる。
【0024】請求項4記載の複数の金属を含む廃液の処
理方法おいては、分離膜の孔径を1〜100μmにして
いるので、分離膜が目詰まりしたり、金属水酸化物が分
離膜を通過するのを抑制して安定して余剰水を濾過する
ことができ、分離膜の寿命の延長を図ることができる。
【0025】請求項5記載の複数の金属を含む廃液の処
理方法おいては、廃液に鉄酸化細菌を添加して二価の鉄
を酸化して三価の鉄にするので、鉄とクロムを同時に析
出させて金属水酸化物として他の金属と分離することが
でき、回収されたスラジケーキの資源化を可能にするこ
とができる。
【0026】請求項6記載の複数の金属を含む廃液の処
理方法おいては、廃液は、製鉄工場の鋼板の酸洗廃液あ
るいはめっき廃液を用いるので、金属水酸化物を生成し
易い廃液の中和処理に適用でき、処理後の排水の水質が
改善され、脱水処理後のスラジの水分を大幅に低くで
き、処理のコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る複数の金属を含む
廃液の処理方法に適用される廃液処理装置の説明図であ
る。
【図2】廃液のpHと廃液中元素の残存比率の関係を表
すグラフである。
【図3】処理経過時間と金属水酸化物の平均粒子径の関
係を表すグラフである。
【図4】脱水時間とケーキ中の固形分比率の関係を表す
グラフである。
【符号の説明】 10:廃液処理装置、11:酸洗廃液、12:廃液タン
ク、13:ポンプ、14:アルカリ液タンク、15:ポ
ンプ、16:第1の廃液処理槽、16a:底部、17:
ポンプ、18:アルカリ液タンク、19:ポンプ、2
0:第2の廃液処理槽、20a:底部、21:pH計、
22:膜モジュール、23:供給管、24:空気ヘッ
ダ、24a:吹き出し孔、25:スラジ排出管、26:
pH計、27:膜モジュール、28:廃液ポンプ、2
9:空気ヘッダ、29a:吹き出し孔、30:スラジ排
出管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 9/02 618 B01D 9/02 618A 619 619A 625 625Z C02F 1/44 C02F 1/44 E 1/62 1/62 B 1/64 ZAB 1/64 ZABZ 3/34 3/34 Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の金属イオンを含む廃液を連続して
    容器内に供給しながら、該容器内で中和処理を行って前
    記廃液のpHを複数段階に分けて調整を行ない、前記廃
    液の調整されたpH別に析出させた金属水酸化物を分離
    して回収することを特徴とする複数の金属を含む廃液の
    処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の複数の金属を含む廃液の
    処理方法において、前記容器内を攪拌して、析出した前
    記金属水酸化物の粒子に前記金属イオンを接触させて粒
    子径を大きくし、粒子径が大きくなった前記金属水酸化
    物を脱水することを特徴とする複数の金属を含む廃液の
    処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の複数の金属を含む
    廃液の処理方法において、前記廃液の中和処理を行った
    後に、前記容器内の水の一部を分離膜を用いて濾過する
    ことを特徴とする複数の金属を含む廃液の処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の複数の金属を含む廃液の
    処理方法において、前記分離膜の孔径を1〜100μm
    にしていることを特徴とする複数の金属を含む廃液の処
    理方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の複
    数の金属を含む廃液の処理方法において、前記容器内の
    廃液に鉄酸化細菌を添加して二価の鉄を酸化して三価の
    鉄にすることを特徴とする複数の金属を含む廃液の処理
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の複
    数の金属を含む廃液の処理方法において、前記廃液は、
    製鉄工場の鋼板の酸洗廃液あるいはめっき廃液であるこ
    とを特徴とする複数の金属を含む廃液の処理方法。
JP2001268923A 2001-09-05 2001-09-05 複数の金属を含む廃液の処理方法 Pending JP2003071201A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001268923A JP2003071201A (ja) 2001-09-05 2001-09-05 複数の金属を含む廃液の処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001268923A JP2003071201A (ja) 2001-09-05 2001-09-05 複数の金属を含む廃液の処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003071201A true JP2003071201A (ja) 2003-03-11

Family

ID=19094832

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001268923A Pending JP2003071201A (ja) 2001-09-05 2001-09-05 複数の金属を含む廃液の処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003071201A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006192370A (ja) * 2005-01-13 2006-07-27 National Institute Of Advanced Industrial & Technology ステンレス鋼酸洗廃液から有価資源の分離回収方法
JP2006212580A (ja) * 2005-02-04 2006-08-17 Nippon Steel Corp 鉄とクロムを含む酸性廃液の処理方法
JP2007237054A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Astec Irie Co Ltd 多成分系めっき廃液スラッジの再資源化処理方法
JP2008264687A (ja) * 2007-04-20 2008-11-06 Nippon Steel Corp 廃液からの鉄分の回収方法
CN102010102A (zh) * 2010-11-08 2011-04-13 兰溪市卓越电子有限公司 一种处理电镀废水的方法
KR101552037B1 (ko) 2014-02-11 2015-09-09 주식회사 포스코 폐액에 함유된 유가금속 회수방법

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000117270A (ja) * 1998-10-09 2000-04-25 Nippon Steel Corp 金属含有排水の処理および有価金属の回収方法
JP2000185289A (ja) * 1998-12-22 2000-07-04 Sumitomo Heavy Ind Ltd 廃水処理方法及び装置
JP2000317262A (ja) * 1999-05-17 2000-11-21 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 排煙脱硫排水の処理方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000117270A (ja) * 1998-10-09 2000-04-25 Nippon Steel Corp 金属含有排水の処理および有価金属の回収方法
JP2000185289A (ja) * 1998-12-22 2000-07-04 Sumitomo Heavy Ind Ltd 廃水処理方法及び装置
JP2000317262A (ja) * 1999-05-17 2000-11-21 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 排煙脱硫排水の処理方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006192370A (ja) * 2005-01-13 2006-07-27 National Institute Of Advanced Industrial & Technology ステンレス鋼酸洗廃液から有価資源の分離回収方法
JP2006212580A (ja) * 2005-02-04 2006-08-17 Nippon Steel Corp 鉄とクロムを含む酸性廃液の処理方法
JP4589748B2 (ja) * 2005-02-04 2010-12-01 新日本製鐵株式会社 鉄とクロムを含む酸性廃液の処理方法
JP2007237054A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Astec Irie Co Ltd 多成分系めっき廃液スラッジの再資源化処理方法
JP2008264687A (ja) * 2007-04-20 2008-11-06 Nippon Steel Corp 廃液からの鉄分の回収方法
CN102010102A (zh) * 2010-11-08 2011-04-13 兰溪市卓越电子有限公司 一种处理电镀废水的方法
KR101552037B1 (ko) 2014-02-11 2015-09-09 주식회사 포스코 폐액에 함유된 유가금속 회수방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2002220093B2 (en) Method and apparatus for treatment of water and wastewater
JP4589748B2 (ja) 鉄とクロムを含む酸性廃液の処理方法
JP4235094B2 (ja) 金属鉱山排水の処理方法および有価金属の回収方法
US4772400A (en) Method and facility for removing sludge from water
CN100588626C (zh) 重金属废水连续处理方法及其处理装置
EP0087268B1 (en) Process for treating sludge
TW589284B (en) Liquid treatment method and apparatus
JP2003071201A (ja) 複数の金属を含む廃液の処理方法
JP2012082458A (ja) 亜鉛めっき廃液からの亜鉛の分離回収方法
CN112897730A (zh) 一种对高砷高氟污酸处理回用系统及处理回用方法
JP3213045B2 (ja) 地下熱水中含有ヒ素の除去方法
JP4369793B2 (ja) 廃液からの鉄含有脱水ケーキの製造方法
CN115403049A (zh) 一种石英砂的提纯方法及提纯系统
JP4173988B2 (ja) 複数の金属を含む廃液の処理方法および有価金属の回収方法
JP4482220B2 (ja) 金属を含む酸性廃液の処理方法
JP2007083179A (ja) 銅粒子含有水の処理方法及び装置
CN114538693A (zh) 一种用于防锈表面清洗工艺的清洗剂再生方法
JP3225777B2 (ja) 廃水の処理方法
CN209065501U (zh) 一种脱硫废水处理系统
CN109574320A (zh) 一种电镀废水固液快速分离方法
JPH057880A (ja) 重金属含有廃水の処理方法
JPH057881A (ja) 重金属含有廃水の処理方法
CN213060448U (zh) 一种处理含铊、砷污酸的装置
CN218232143U (zh) 一种双膜+mvr蒸发结晶电镀废水处理装置
JP2861370B2 (ja) 排水処理法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080306

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110531

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120403

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130205