JPH057881A - 重金属含有廃水の処理方法 - Google Patents
重金属含有廃水の処理方法Info
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- JPH057881A JPH057881A JP3164425A JP16442591A JPH057881A JP H057881 A JPH057881 A JP H057881A JP 3164425 A JP3164425 A JP 3164425A JP 16442591 A JP16442591 A JP 16442591A JP H057881 A JPH057881 A JP H057881A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 リン酸と第一鉄イオンを含む廃水にアルカリ
を添加して精密濾過膜で分離することにより処理するに
あたり、精密濾過膜の濾過速度の改善を図る。 【構成】 MF膜分離装置6の濃縮液の一部を循環槽3
に循環する。循環槽3のpHは5〜8とする。 【効果】 循環槽3のpHを5〜8とするため、リン酸
を効率的に除去し、高い濾過効率を達成し得る。循環槽
3に循環される濃縮液と共に導入される空気中の酸素に
より第一鉄イオンが第2鉄イオンに酸化され、pH5〜
8の領域でも鉄イオンは溶出しない。膜の透過速度の向
上、汚泥の高濃度化、脱水性の向上が図れる。
を添加して精密濾過膜で分離することにより処理するに
あたり、精密濾過膜の濾過速度の改善を図る。 【構成】 MF膜分離装置6の濃縮液の一部を循環槽3
に循環する。循環槽3のpHは5〜8とする。 【効果】 循環槽3のpHを5〜8とするため、リン酸
を効率的に除去し、高い濾過効率を達成し得る。循環槽
3に循環される濃縮液と共に導入される空気中の酸素に
より第一鉄イオンが第2鉄イオンに酸化され、pH5〜
8の領域でも鉄イオンは溶出しない。膜の透過速度の向
上、汚泥の高濃度化、脱水性の向上が図れる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は重金属含有廃水の処理方
法に係り、特にリン酸と第一鉄イオンを含む重金属含有
廃水から重金属を効率的に除去し、優れた処理水質の処
理水を得ることができる重金属含有廃水の処理方法に関
する。
法に係り、特にリン酸と第一鉄イオンを含む重金属含有
廃水から重金属を効率的に除去し、優れた処理水質の処
理水を得ることができる重金属含有廃水の処理方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】重金属含有廃水の処理法として、最近に
なって、下記,の新技術が提案され、一部実用化さ
れている。 重金属含有廃水にマグネシウム化合物を
添加した後、pHをアルカリ性に調節し、生成した不溶
化物を精密濾過膜(MF膜)で膜分離する方法(特開平
2−157090号公報)。 重金属含有廃水にアル
カリ剤を直接添加せずに、後工程のシックナーの排泥の
一部と混合して添加する方法(特公昭61−156号公
報。以下「アルカリ汚泥法」と称す。)。
なって、下記,の新技術が提案され、一部実用化さ
れている。 重金属含有廃水にマグネシウム化合物を
添加した後、pHをアルカリ性に調節し、生成した不溶
化物を精密濾過膜(MF膜)で膜分離する方法(特開平
2−157090号公報)。 重金属含有廃水にアル
カリ剤を直接添加せずに、後工程のシックナーの排泥の
一部と混合して添加する方法(特公昭61−156号公
報。以下「アルカリ汚泥法」と称す。)。
【0003】上記の方法は、従来のシックナーに代
り、MF膜を用いるものであり、これにより装置設置面
積の低減、処理水質の向上を可能とするものである。
り、MF膜を用いるものであり、これにより装置設置面
積の低減、処理水質の向上を可能とするものである。
【0004】この方法は具体的には第2図に示す方法で
実施される。
実施される。
【0005】第2図において、21は原水(重金属含有
廃水)の導入管22及び薬剤の供給管23を備えるpH
調整槽、24は循環槽、25はMF膜26を備えるMF
膜分離装置、27は逆洗水槽、28はpH計、29は循
環ポンプであり、これらが、配管30,31,32で連
結されている。33は処理水の排出管である。
廃水)の導入管22及び薬剤の供給管23を備えるpH
調整槽、24は循環槽、25はMF膜26を備えるMF
膜分離装置、27は逆洗水槽、28はpH計、29は循
環ポンプであり、これらが、配管30,31,32で連
結されている。33は処理水の排出管である。
【0006】この方法では、pH調整槽21に導入管2
2より原水(重金属含有廃水)を導入すると共に、供給
管23よりマグネシウム化合物(例えばMg塩)及び必
要に応じてpH調整剤を供給してpHをアルカリ性に調
節し、重金属含有廃水を凝集処理する。凝集処理水は循
環槽24を経て、配管30にてポンプ29の動力でMF
膜分離装置25に供給される。MF膜分離装置25に
て、MF膜26を通過した処理水は配管32、逆洗水槽
27及び排出管33を経て系外に排出される。一方、M
F膜分離装置25の濃縮液は配管31を経て循環槽24
に循環される。
2より原水(重金属含有廃水)を導入すると共に、供給
管23よりマグネシウム化合物(例えばMg塩)及び必
要に応じてpH調整剤を供給してpHをアルカリ性に調
節し、重金属含有廃水を凝集処理する。凝集処理水は循
環槽24を経て、配管30にてポンプ29の動力でMF
膜分離装置25に供給される。MF膜分離装置25に
て、MF膜26を通過した処理水は配管32、逆洗水槽
27及び排出管33を経て系外に排出される。一方、M
F膜分離装置25の濃縮液は配管31を経て循環槽24
に循環される。
【0007】これに対して、前記の方法は、第3図に
示す方法で実施される。第3図において、41は原水
(重金属含有廃水)の導入管42及び中和剤供給管43
を備える中和槽、44は凝集槽、45はシックナー、4
6はアルカリ剤供給管47及び汚泥返送管48が接続さ
れた中和剤の反応槽であり、49,50は被処理水の移
送配管、51は処理水の排出管である。この方法では、
反応槽46において、汚泥返送管48より返送された返
送汚泥と供給管47から供給されるアルカリ剤とが混合
されて調製された中和剤混合物(以下「アルカリ汚泥」
と称す。)が、供給管43より中和槽41に供給され、
導入管42からの原水と混合されて中和処理される。こ
の液は、次いで、配管49を経て凝集槽44に導入され
て凝集処理され、更に配管50を経てシックナー45に
導入され沈降分離される。シックナーの上澄水は配管5
1より処理水として排出される。一方、沈降した汚泥は
配管48より反応槽46に返送される。
示す方法で実施される。第3図において、41は原水
(重金属含有廃水)の導入管42及び中和剤供給管43
を備える中和槽、44は凝集槽、45はシックナー、4
6はアルカリ剤供給管47及び汚泥返送管48が接続さ
れた中和剤の反応槽であり、49,50は被処理水の移
送配管、51は処理水の排出管である。この方法では、
反応槽46において、汚泥返送管48より返送された返
送汚泥と供給管47から供給されるアルカリ剤とが混合
されて調製された中和剤混合物(以下「アルカリ汚泥」
と称す。)が、供給管43より中和槽41に供給され、
導入管42からの原水と混合されて中和処理される。こ
の液は、次いで、配管49を経て凝集槽44に導入され
て凝集処理され、更に配管50を経てシックナー45に
導入され沈降分離される。シックナーの上澄水は配管5
1より処理水として排出される。一方、沈降した汚泥は
配管48より反応槽46に返送される。
【0008】このアルカリ汚泥法は、汚泥濃度が高く、
その脱水性も高いという利点を有する。
その脱水性も高いという利点を有する。
【0009】即ち、通常、重金属含有廃水の処理にあた
り、中和後の重金属水酸化物の汚泥分離手段としてシッ
クナーを用いた場合のシックナー排泥濃度は20000
〜50000mg/lであり、しかも、通常の中和によ
り生成する汚泥は、下記のような水酸化ゲルとなってお
り、水分は水酸化物の高分子ゲルに包含されているた
め、濃縮が困難である。
り、中和後の重金属水酸化物の汚泥分離手段としてシッ
クナーを用いた場合のシックナー排泥濃度は20000
〜50000mg/lであり、しかも、通常の中和によ
り生成する汚泥は、下記のような水酸化ゲルとなってお
り、水分は水酸化物の高分子ゲルに包含されているた
め、濃縮が困難である。
【0010】
【化1】
【0011】これに対して、アルカリ汚泥法における中
和反応は、汚泥表面に吸着されたアルカリと金属イオン
との中和反応であるため、Fe(OH)3,Fe(O
H)2,Cu(OH)2 ,Zn(OH)2 などの単分子
水酸化物が汚泥表面に析出することから、水酸化ゲルと
ならず、30〜40重量%の高濃度かつ脱水性の良いシ
ックナー排泥が得られるのである。
和反応は、汚泥表面に吸着されたアルカリと金属イオン
との中和反応であるため、Fe(OH)3,Fe(O
H)2,Cu(OH)2 ,Zn(OH)2 などの単分子
水酸化物が汚泥表面に析出することから、水酸化ゲルと
ならず、30〜40重量%の高濃度かつ脱水性の良いシ
ックナー排泥が得られるのである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記従来法のうち、M
F膜を用いるの方法では、膜透過(濾過)速度が低い
ために、多数のMF膜が必要となり、設備費が高くなる
という欠点がある。また、循環濃縮水の汚泥濃度が高く
なると極端に透過速度が低下するため、高濃度汚泥が得
られないという欠点もある。因みに、の方法により、
孔径0.2μmのMF膜(チューブラー)を用いて、膜
入口圧2kg/cm2 、循環水量8.5リットル/mi
nで処理した場合の、汚泥(水酸化第二鉄汚泥)濃度に
対するフラックス(透過流束)の経時変化は第4図に示
す通りである。第4図より、汚泥濃度の上昇に併ない透
過速度は減少し、SS=50000mg/l以上では特
に低下が著しいことが明らかである。
F膜を用いるの方法では、膜透過(濾過)速度が低い
ために、多数のMF膜が必要となり、設備費が高くなる
という欠点がある。また、循環濃縮水の汚泥濃度が高く
なると極端に透過速度が低下するため、高濃度汚泥が得
られないという欠点もある。因みに、の方法により、
孔径0.2μmのMF膜(チューブラー)を用いて、膜
入口圧2kg/cm2 、循環水量8.5リットル/mi
nで処理した場合の、汚泥(水酸化第二鉄汚泥)濃度に
対するフラックス(透過流束)の経時変化は第4図に示
す通りである。第4図より、汚泥濃度の上昇に併ない透
過速度は減少し、SS=50000mg/l以上では特
に低下が著しいことが明らかである。
【0013】一方、のアルカリ汚泥法では、高濃度で
脱水性の良好な汚泥が得られるが、シックナーを必要と
し、装置設置面積を低減することができず、工業的に不
利である。
脱水性の良好な汚泥が得られるが、シックナーを必要と
し、装置設置面積を低減することができず、工業的に不
利である。
【0014】しかも、アルカリ汚泥法により、特にリン
酸と第一鉄イオンを含む廃水を処理する場合には、次の
ような不具合がある。即ち、アルカリ汚泥法により凝縮
性、脱水性の良い汚泥を得るためには、中和槽(第3図
の41)のpHを第一鉄イオンの沈殿領域であるpH
9.5以上にする必要がある。しかし、このpH9.5
以上の領域では、リン酸の処理特性が悪化する。リン酸
の処理のためにはpH8以下とする必要があるが、この
pH8以下の領域では第一鉄イオンの溶解が始まる。な
お、pHをアルカリ域にするとリン酸の処理特性が悪化
することは、第二鉄イオンが共存する場合も同様である
(「用水と廃水」vol.20,No.1,P63〜6
9「3次処理としての脱リン」)。しかして、このよう
にリン酸の除去率が悪化した系では、一般に、通常の濾
過器(砂濾過、二層濾過など)での濾過特性も悪化す
る。
酸と第一鉄イオンを含む廃水を処理する場合には、次の
ような不具合がある。即ち、アルカリ汚泥法により凝縮
性、脱水性の良い汚泥を得るためには、中和槽(第3図
の41)のpHを第一鉄イオンの沈殿領域であるpH
9.5以上にする必要がある。しかし、このpH9.5
以上の領域では、リン酸の処理特性が悪化する。リン酸
の処理のためにはpH8以下とする必要があるが、この
pH8以下の領域では第一鉄イオンの溶解が始まる。な
お、pHをアルカリ域にするとリン酸の処理特性が悪化
することは、第二鉄イオンが共存する場合も同様である
(「用水と廃水」vol.20,No.1,P63〜6
9「3次処理としての脱リン」)。しかして、このよう
にリン酸の除去率が悪化した系では、一般に、通常の濾
過器(砂濾過、二層濾過など)での濾過特性も悪化す
る。
【0015】このように、リン酸と第一鉄イオンを含む
廃水をアルカリ汚泥法により処理する場合においては、
第一鉄イオンの沈殿のためのpH領域ではリン酸の除去
効率、濾過効率が悪化し、逆に、リン酸の除去効率及び
濾過効率の確保に有効なpH領域では、第一鉄イオンの
溶解が始まるという不具合がある。
廃水をアルカリ汚泥法により処理する場合においては、
第一鉄イオンの沈殿のためのpH領域ではリン酸の除去
効率、濾過効率が悪化し、逆に、リン酸の除去効率及び
濾過効率の確保に有効なpH領域では、第一鉄イオンの
溶解が始まるという不具合がある。
【0016】本発明は上記従来の問題点を解決し、リン
酸と第一鉄イオンを含む重金属含有廃水を効率的に処理
することができる重金属含有廃水の処理方法に関する。
酸と第一鉄イオンを含む重金属含有廃水を効率的に処理
することができる重金属含有廃水の処理方法に関する。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の重金属含有廃水
の処理方法は、リン酸と第一鉄イオンを含む重金属含有
廃水にアルカリを添加して不溶物を生成させた後、循環
槽を経て精密濾過膜分離装置で膜分離して、処理水と濃
縮液とに分離する重金属含有廃水の処理方法において、
分離された濃縮液の少なくとも一部を前記循環槽に導入
すると共に、該循環槽内の循環液のpHを5〜8とする
ことを特徴とする。
の処理方法は、リン酸と第一鉄イオンを含む重金属含有
廃水にアルカリを添加して不溶物を生成させた後、循環
槽を経て精密濾過膜分離装置で膜分離して、処理水と濃
縮液とに分離する重金属含有廃水の処理方法において、
分離された濃縮液の少なくとも一部を前記循環槽に導入
すると共に、該循環槽内の循環液のpHを5〜8とする
ことを特徴とする。
【0018】以下に本発明を図面を参照して詳細に説明
する。第1図は本発明の実施の一例を示す系統図であ
る。
する。第1図は本発明の実施の一例を示す系統図であ
る。
【0019】第1図において、1は原水(重金属含有
水)の導入管であり、中和層2に原水を導入する配管1
Aと循環槽3に原水を導入する配管1Bとに分岐してい
る。4は中和槽2内の液を循環槽3に送給する配管であ
り、5は循環槽3内の液をMF膜6Aを有するMF膜分
離装置6に送給する配管である。7は処理水の排出管、
8は濃縮液(汚泥)の排出管、9は濃縮液(汚泥)を循
環槽3へ送給する配管である。10は循環槽3内の液を
反応槽11に送給する配管であり、12はアルカリを反
応槽11に供給する配管である。13は反応槽11から
アルカリが混合されたアルカリ汚泥を中和槽2に送給す
る配管である。なお、中和槽2には曝気管2Aが設けら
れている。
水)の導入管であり、中和層2に原水を導入する配管1
Aと循環槽3に原水を導入する配管1Bとに分岐してい
る。4は中和槽2内の液を循環槽3に送給する配管であ
り、5は循環槽3内の液をMF膜6Aを有するMF膜分
離装置6に送給する配管である。7は処理水の排出管、
8は濃縮液(汚泥)の排出管、9は濃縮液(汚泥)を循
環槽3へ送給する配管である。10は循環槽3内の液を
反応槽11に送給する配管であり、12はアルカリを反
応槽11に供給する配管である。13は反応槽11から
アルカリが混合されたアルカリ汚泥を中和槽2に送給す
る配管である。なお、中和槽2には曝気管2Aが設けら
れている。
【0020】本実施例において、導入管1からの原水は
一部が配管1Aより中和槽2へ、残部は配管1Bより循
環槽3に供給される。中和槽2では、原水は反応槽11
から配管13を経て供給されるアルカリ汚泥により中和
された後、配管4、循環槽3、配管5を経てMF膜分離
装置6に導入され、膜分離処理される。しかして、膜分
離処理の透過水は処理水として配管7より排出される。
一方、濃縮液は、その一部が配管8より排出され、残部
は循環槽3に循環される。この循環槽3内の液は、配管
10を経て反応槽11に返送され、含有される汚泥が配
管12より供給されるアルカリと反応する。即ち、汚泥
表面にアルカリが吸着される。このアルカリ汚泥は配管
13より中和槽2に送給される。
一部が配管1Aより中和槽2へ、残部は配管1Bより循
環槽3に供給される。中和槽2では、原水は反応槽11
から配管13を経て供給されるアルカリ汚泥により中和
された後、配管4、循環槽3、配管5を経てMF膜分離
装置6に導入され、膜分離処理される。しかして、膜分
離処理の透過水は処理水として配管7より排出される。
一方、濃縮液は、その一部が配管8より排出され、残部
は循環槽3に循環される。この循環槽3内の液は、配管
10を経て反応槽11に返送され、含有される汚泥が配
管12より供給されるアルカリと反応する。即ち、汚泥
表面にアルカリが吸着される。このアルカリ汚泥は配管
13より中和槽2に送給される。
【0021】中和槽2においては、アルカリ汚泥によ
り、原水中の重金属イオンが効果的に不溶化され、脱水
性に優れた改質汚泥が生成する。即ち、廃水中の鉄等の
金属イオンは汚泥表面のアルカリと反応して単分子水酸
化物として汚泥表面に析出する。この改質汚泥は、濾過
性に優れ、後工程のMF膜分離装置6における膜透過流
束を低下させることがなく、透過速度を高く維持するこ
とができる。しかして、その際、中和槽2では、曝気管
2Aにより空気曝気がなされているため、空気酸化によ
り、汚泥表面の水酸化第一鉄(Fe(OH)2 )が水酸
化第二鉄(Fe(OH)3 )となるため、pHを下げて
も鉄イオンの溶出が起こらないものとなる。
り、原水中の重金属イオンが効果的に不溶化され、脱水
性に優れた改質汚泥が生成する。即ち、廃水中の鉄等の
金属イオンは汚泥表面のアルカリと反応して単分子水酸
化物として汚泥表面に析出する。この改質汚泥は、濾過
性に優れ、後工程のMF膜分離装置6における膜透過流
束を低下させることがなく、透過速度を高く維持するこ
とができる。しかして、その際、中和槽2では、曝気管
2Aにより空気曝気がなされているため、空気酸化によ
り、汚泥表面の水酸化第一鉄(Fe(OH)2 )が水酸
化第二鉄(Fe(OH)3 )となるため、pHを下げて
も鉄イオンの溶出が起こらないものとなる。
【0022】なお、この空気曝気は必ずしも必要とはさ
れず、廃水中の第一鉄イオン濃度が500ppm以下の
場合には、行なわなくても良い。即ち、後工程の循環槽
3には、MF膜分離装置6の濃縮液が配管9より循環さ
れており、この際、空気中の酸素が濃縮液中に溶け込ん
で導入される。しかして、循環槽3では、通常滞留時間
が2時間以上であるため、この滞留時間内において、該
導入された酸素により十分第一鉄イオンの酸化が行なわ
れる。
れず、廃水中の第一鉄イオン濃度が500ppm以下の
場合には、行なわなくても良い。即ち、後工程の循環槽
3には、MF膜分離装置6の濃縮液が配管9より循環さ
れており、この際、空気中の酸素が濃縮液中に溶け込ん
で導入される。しかして、循環槽3では、通常滞留時間
が2時間以上であるため、この滞留時間内において、該
導入された酸素により十分第一鉄イオンの酸化が行なわ
れる。
【0023】ところで、空気酸化により、廃水中のリン
酸第一鉄(Fe3(PO4 )2 )は解離して水酸化第二
鉄(Fe(OH)3 )とリン酸水素ナトリウム(NaH
2 PO4 又はNa2 HPO4 )となり、リン酸の処理効
率が悪化する場合がある。しかしながら、本実施例にお
いては、循環槽3にリン酸と第一鉄イオンを含む原水の
一部を配管1Bより導入し(以下、これを「分注」と称
す。)、かつ、循環槽3内のpHを5〜8とするため、
導入された原水中のリン酸及びリン酸第一鉄の空気酸化
で生成したリン酸はリン酸第一鉄(Fe3 (PO4 )
2 )となって不溶化し、一方、未反応の第一鉄イオンは
表面が酸化された改質汚泥に吸着される。このため、全
ての鉄イオン及びリン酸が不溶化し、後工程のMF膜分
離装置6における濾過速度は改善される。
酸第一鉄(Fe3(PO4 )2 )は解離して水酸化第二
鉄(Fe(OH)3 )とリン酸水素ナトリウム(NaH
2 PO4 又はNa2 HPO4 )となり、リン酸の処理効
率が悪化する場合がある。しかしながら、本実施例にお
いては、循環槽3にリン酸と第一鉄イオンを含む原水の
一部を配管1Bより導入し(以下、これを「分注」と称
す。)、かつ、循環槽3内のpHを5〜8とするため、
導入された原水中のリン酸及びリン酸第一鉄の空気酸化
で生成したリン酸はリン酸第一鉄(Fe3 (PO4 )
2 )となって不溶化し、一方、未反応の第一鉄イオンは
表面が酸化された改質汚泥に吸着される。このため、全
ての鉄イオン及びリン酸が不溶化し、後工程のMF膜分
離装置6における濾過速度は改善される。
【0024】また、アルカリ改質汚泥は十分に改質が進
んだものでは、最大径5μm程度の粒子となる。このも
のは、MF膜分離装置への循環ポンプ(図示せず)で破
砕され粒径1μm以下の微細粒子となるものと推定され
る。この微細粒子の一部はMF膜の細孔を塞閉させ、膜
透過速度を低下させるものと考えられるが、これらの微
細粒子に無機凝集剤を作用させて粗粒子化を行なえば、
この透過速度の低下を防止することができる。本実施例
では、循環槽3に導入される原水中の重金属イオンが無
機凝集剤としても作用し、この点からも膜の透過速度の
改善が図られる。
んだものでは、最大径5μm程度の粒子となる。このも
のは、MF膜分離装置への循環ポンプ(図示せず)で破
砕され粒径1μm以下の微細粒子となるものと推定され
る。この微細粒子の一部はMF膜の細孔を塞閉させ、膜
透過速度を低下させるものと考えられるが、これらの微
細粒子に無機凝集剤を作用させて粗粒子化を行なえば、
この透過速度の低下を防止することができる。本実施例
では、循環槽3に導入される原水中の重金属イオンが無
機凝集剤としても作用し、この点からも膜の透過速度の
改善が図られる。
【0025】因みに、本実施例の方法によれば、透過速
度は第2図に示す方法に比べて、約2倍の高透過速度が
達成される。
度は第2図に示す方法に比べて、約2倍の高透過速度が
達成される。
【0026】本発明において、循環槽のpHは5〜8、
好ましくは5.5〜7とする。このようなpH領域であ
れば、リン酸の処理効率及び後工程のMF膜分離装置の
透過速度を高く維持することができる。なお、このよう
なpH領域においても、循環槽内の鉄イオンは、MF膜
分離装置3から配管9を経て循環される濃縮液と共に導
入される酸素等による酸化で安定な水酸化第二鉄となっ
ているため、鉄イオンの溶出は防止される。
好ましくは5.5〜7とする。このようなpH領域であ
れば、リン酸の処理効率及び後工程のMF膜分離装置の
透過速度を高く維持することができる。なお、このよう
なpH領域においても、循環槽内の鉄イオンは、MF膜
分離装置3から配管9を経て循環される濃縮液と共に導
入される酸素等による酸化で安定な水酸化第二鉄となっ
ているため、鉄イオンの溶出は防止される。
【0027】本実施例においては、酸性の原水の一部が
配管1Bより循環槽3に分注されているため、循環槽3
内のpHを容易に5〜8に調整することができる。
配管1Bより循環槽3に分注されているため、循環槽3
内のpHを容易に5〜8に調整することができる。
【0028】なお、本実施例において、循環槽3に導入
する原水の量(以下「分注量」と称する。)は、循環槽
3内のリン酸、即ち、前述の汚泥の空気酸化により溶出
したリン酸と導入された原水中に含有されるリン酸をF
e3 (PO4 )2 として固定するに必要な化学当量の鉄
イオンを供給するに十分な量であって、かつ、循環槽3
内のpHを5〜8の範囲とするに十分な量であることが
必要とされる。しかし、分注量が過度に多く、被処理原
水量(導入管1より導入される原水量)に対して20%
以上となると、アルカリ改質汚泥の特長が失われるた
め、分注量は被処理原水の2〜10%とするのが適当で
ある。なお、この原水の分注箇所は循環槽3の入口から
出口のいずれの箇所でも良い。この分注による原水中の
鉄イオン量では、すべてのリン酸からFe3 (PO4 )
2 を生成するためには鉄イオンが不足する場合には、別
途硫酸第一鉄、硫酸第二鉄等の鉄塩を循環槽に添加して
も良い。また、循環槽3内のpHが8以下とならない場
合にも、別途、上記酸性鉄塩を添加してpHを5〜8と
することができる。
する原水の量(以下「分注量」と称する。)は、循環槽
3内のリン酸、即ち、前述の汚泥の空気酸化により溶出
したリン酸と導入された原水中に含有されるリン酸をF
e3 (PO4 )2 として固定するに必要な化学当量の鉄
イオンを供給するに十分な量であって、かつ、循環槽3
内のpHを5〜8の範囲とするに十分な量であることが
必要とされる。しかし、分注量が過度に多く、被処理原
水量(導入管1より導入される原水量)に対して20%
以上となると、アルカリ改質汚泥の特長が失われるた
め、分注量は被処理原水の2〜10%とするのが適当で
ある。なお、この原水の分注箇所は循環槽3の入口から
出口のいずれの箇所でも良い。この分注による原水中の
鉄イオン量では、すべてのリン酸からFe3 (PO4 )
2 を生成するためには鉄イオンが不足する場合には、別
途硫酸第一鉄、硫酸第二鉄等の鉄塩を循環槽に添加して
も良い。また、循環槽3内のpHが8以下とならない場
合にも、別途、上記酸性鉄塩を添加してpHを5〜8と
することができる。
【0029】このような方法において、反応槽11への
アルカリの添加量は、中和槽2のpHが8.0〜11.
0程度となる量であることが好ましい。また、MF膜分
離装置6から循環槽3への濃縮液循環量、循環槽3から
反応槽11への液返送量は、次のような割合とするのが
好ましい。 濃縮液循環量 :原水量に対して20〜60倍 循環槽内液返送量:原水量に対して0.5〜3.0% なお、本発明において、処理対象となる重金属含有廃水
としては、リン酸及び第一鉄イオン、その他の重金属イ
オンや、重金属とキレート剤との重金属錯体等を含む廃
水であり、例えばメッキ廃水、鋼板の酸洗廃水などが挙
げられる。鉄以外の重金属としては、銅、亜鉛、ニッケ
ル、カドミウム、マンガン、鉛等がある。一般に、重金
属錯体を含む廃水は酸性のものが多いが、本発明におい
て、処理対象廃水のpHは4以下の酸性廃水であり、p
Hの高い廃水においてはpHを一旦2〜3に調整すれば
よい。
アルカリの添加量は、中和槽2のpHが8.0〜11.
0程度となる量であることが好ましい。また、MF膜分
離装置6から循環槽3への濃縮液循環量、循環槽3から
反応槽11への液返送量は、次のような割合とするのが
好ましい。 濃縮液循環量 :原水量に対して20〜60倍 循環槽内液返送量:原水量に対して0.5〜3.0% なお、本発明において、処理対象となる重金属含有廃水
としては、リン酸及び第一鉄イオン、その他の重金属イ
オンや、重金属とキレート剤との重金属錯体等を含む廃
水であり、例えばメッキ廃水、鋼板の酸洗廃水などが挙
げられる。鉄以外の重金属としては、銅、亜鉛、ニッケ
ル、カドミウム、マンガン、鉛等がある。一般に、重金
属錯体を含む廃水は酸性のものが多いが、本発明におい
て、処理対象廃水のpHは4以下の酸性廃水であり、p
Hの高い廃水においてはpHを一旦2〜3に調整すれば
よい。
【0030】また、これらの廃水に添加するアルカリと
しては、水酸化ナトリウム、消石灰等のアルカリ剤が挙
げられる。
しては、水酸化ナトリウム、消石灰等のアルカリ剤が挙
げられる。
【0031】本発明において、MF膜の材質としては特
に限定されず、その操作条件にも特に制限はない。MF
膜の孔径は処理効率、処理水質の向上の面から0.1〜
1μm程度とするのが好ましい。また、MF膜による膜
分離方式についても特に制限はなく、全量式、クロス・
フロー式のいずれでも良いが、膜分離装置への流入水の
濁質濃度が高い場合には、膜面に対して平行に原水を流
入させるクロス・フロー式とするのが好ましい。クロス
・フロー式によれば、濁質濃度の高い原水であっても膜
の目詰りを低減することができる。
に限定されず、その操作条件にも特に制限はない。MF
膜の孔径は処理効率、処理水質の向上の面から0.1〜
1μm程度とするのが好ましい。また、MF膜による膜
分離方式についても特に制限はなく、全量式、クロス・
フロー式のいずれでも良いが、膜分離装置への流入水の
濁質濃度が高い場合には、膜面に対して平行に原水を流
入させるクロス・フロー式とするのが好ましい。クロス
・フロー式によれば、濁質濃度の高い原水であっても膜
の目詰りを低減することができる。
【0032】なお、本発明の方法を実施する際、MF膜
分離装置への通水によりMF膜表面には不溶化物のケー
キ層が形成され、経時的に濾過速度が低下する。このた
め、一定時間毎に逆洗水槽(図示せず)から処理水を膜
の透過側からMF膜分離装置に返送して逆洗を行なうの
が好ましい。
分離装置への通水によりMF膜表面には不溶化物のケー
キ層が形成され、経時的に濾過速度が低下する。このた
め、一定時間毎に逆洗水槽(図示せず)から処理水を膜
の透過側からMF膜分離装置に返送して逆洗を行なうの
が好ましい。
【0033】
【作用】本発明の重金属含有廃水の処理方法において
は、循環槽内のpHを5〜8とするため、液中のリン酸
が効率的に処理され、後工程のMF膜分離装置における
濾過性も改善される。しかして、この循環槽にはMF膜
分離装置の濃縮液が循環されるため、この濃縮液に同伴
されて空気中の酸素が循環槽に導入される。この酸素に
より循環槽内の第一鉄イオンは酸化されて第二鉄イオン
となるため、pH5〜8の領域においても第一鉄イオン
の溶出がおこることはなく、鉄イオンも不溶化されたま
ま効率的に除去される。
は、循環槽内のpHを5〜8とするため、液中のリン酸
が効率的に処理され、後工程のMF膜分離装置における
濾過性も改善される。しかして、この循環槽にはMF膜
分離装置の濃縮液が循環されるため、この濃縮液に同伴
されて空気中の酸素が循環槽に導入される。この酸素に
より循環槽内の第一鉄イオンは酸化されて第二鉄イオン
となるため、pH5〜8の領域においても第一鉄イオン
の溶出がおこることはなく、鉄イオンも不溶化されたま
ま効率的に除去される。
【0034】
【実施例】以下に実験例、実施例及び比較例を挙げて本
発明をより具体的に説明する。
発明をより具体的に説明する。
【0035】実験例1 下記水質の重金属含有廃水にNaOH水溶液を加えてp
H10とした後、硫酸水溶液を加えて表1に示す各pH
にpH調整し、10分間撹拌した。この液を濾紙No.
5Aで濾過して濾液の分析を行ない、結果を表1に示し
た。廃水水質 pH =2.0 Fe2+ =500mg/l PO4 −P=100mg/l 表1より、pH10では第一鉄イオンを処理できるがリ
ン酸が残留し、pHを酸性にするとリン酸を除去できる
ものの第一鉄イオンが溶出することが明らかである。
H10とした後、硫酸水溶液を加えて表1に示す各pH
にpH調整し、10分間撹拌した。この液を濾紙No.
5Aで濾過して濾液の分析を行ない、結果を表1に示し
た。廃水水質 pH =2.0 Fe2+ =500mg/l PO4 −P=100mg/l 表1より、pH10では第一鉄イオンを処理できるがリ
ン酸が残留し、pHを酸性にするとリン酸を除去できる
ものの第一鉄イオンが溶出することが明らかである。
【0036】実験例2 実験例1で用いた上記水質の廃水に、NaOH水溶液を
加えてpH10に調整した後、pHを10に維持したま
ま1時間曝気を行ない、その後、硫酸水溶液で表1に示
す各pHにpH調整した。その後10分間撹拌し、この
液を濾紙No.5Aで濾過して濾液の分析を行ない、結
果を表1に示した。表1より明らかなように、曝気によ
る酸化で、酸性域でも鉄イオンが溶出しなくなった。な
お、リン酸の残留量は実験例1の場合よりも多くなる
が、これは、前述のリン酸第一鉄の解離により生成する
リン酸水素ナトリウムによる。
加えてpH10に調整した後、pHを10に維持したま
ま1時間曝気を行ない、その後、硫酸水溶液で表1に示
す各pHにpH調整した。その後10分間撹拌し、この
液を濾紙No.5Aで濾過して濾液の分析を行ない、結
果を表1に示した。表1より明らかなように、曝気によ
る酸化で、酸性域でも鉄イオンが溶出しなくなった。な
お、リン酸の残留量は実験例1の場合よりも多くなる
が、これは、前述のリン酸第一鉄の解離により生成する
リン酸水素ナトリウムによる。
【0037】
【表1】
【0038】実験例3 実験例2において、処理する廃水の一部を表2に示す割
合で分取し、曝気後の液に、該分取した廃水を添加した
後、硫酸水溶液でpH調整したこと以外は同様に行なっ
て、濾液を分析し、結果を表2に示した。表2より、廃
水には第一鉄イオンが含有されているにもかかわらず、
廃水の一部を分注することにより酸性域でリン酸と鉄イ
オンを同時に処理可能であることが明らかである。
合で分取し、曝気後の液に、該分取した廃水を添加した
後、硫酸水溶液でpH調整したこと以外は同様に行なっ
て、濾液を分析し、結果を表2に示した。表2より、廃
水には第一鉄イオンが含有されているにもかかわらず、
廃水の一部を分注することにより酸性域でリン酸と鉄イ
オンを同時に処理可能であることが明らかである。
【0039】
【表2】
【0040】実施例1,2、比較例1 第1図に示す方法に従って実験例1で用いた廃水を処理
した。なお、中和槽容量は10リットル、循環槽容量は
40リットル、MF膜(チューブラー)の管径は5.5
mm、孔径は0.2μmとし、膜の入口圧は2kg/c
m2 で運転した。アルカリ汚泥反応槽(1リットル容
量)のアルカリは中和槽に設置したpH計に連動して注
入を行なった。濃縮液の循環量は8リットル/min、
被処理廃水量は24リットル/hrとした。その他の運
転条件は、表3に示す通りであり、比較例1においては
原水の循環槽への分注を行なわず、実施例1,2におい
ては被処理廃水の10%の割合で分注を行なった。
した。なお、中和槽容量は10リットル、循環槽容量は
40リットル、MF膜(チューブラー)の管径は5.5
mm、孔径は0.2μmとし、膜の入口圧は2kg/c
m2 で運転した。アルカリ汚泥反応槽(1リットル容
量)のアルカリは中和槽に設置したpH計に連動して注
入を行なった。濃縮液の循環量は8リットル/min、
被処理廃水量は24リットル/hrとした。その他の運
転条件は、表3に示す通りであり、比較例1においては
原水の循環槽への分注を行なわず、実施例1,2におい
ては被処理廃水の10%の割合で分注を行なった。
【0041】なお、被処理廃水の第一鉄イオン濃度は5
00mg/lであるため、中和槽における空気曝気は行
なわなかった。MF膜分離装置の透過速度の経時変化を
表3に示す。
00mg/lであるため、中和槽における空気曝気は行
なわなかった。MF膜分離装置の透過速度の経時変化を
表3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】表3より明らかなように、本発明の方法に
よれば、膜分離装置の透過速度が大幅に向上し、リン酸
及び第一鉄イオンを含む廃水を効率的に処理を行なうこ
とができる。なお、実施例1と実施例2において、分注
量は同じであるが、実施例2においては、中和槽のpH
をやや低めに設定したので、循環槽のpHが実施例1よ
りも低い値となっている。
よれば、膜分離装置の透過速度が大幅に向上し、リン酸
及び第一鉄イオンを含む廃水を効率的に処理を行なうこ
とができる。なお、実施例1と実施例2において、分注
量は同じであるが、実施例2においては、中和槽のpH
をやや低めに設定したので、循環槽のpHが実施例1よ
りも低い値となっている。
【0044】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の重金属含有
廃水の処理方法によれば、装置設置面積の大きいシック
ナーを用いることなく、MF膜分離装置を用いて、リン
酸と第一鉄イオンを含む廃水を、高透過速度にて効率的
に処理することができる。このため、膜の設置数を低減
し、設備コストの低廉化を図ることが可能とされる。ま
た、汚泥濃度を高くすることも可能とされ、しかも脱水
性の良好な汚泥を得ることもできるため、後工程の汚泥
脱水機への負荷を軽減し、処理コストの低廉化、処理効
率の向上を図ることができる。このようなことから、本
発明によれば、重金属含有廃水を、簡単な操作で、効率
的に処理し、著しく水質の高い高度処理水を、大量にか
つ迅速に回収することができる、その工業的有用性は極
めて大である。
廃水の処理方法によれば、装置設置面積の大きいシック
ナーを用いることなく、MF膜分離装置を用いて、リン
酸と第一鉄イオンを含む廃水を、高透過速度にて効率的
に処理することができる。このため、膜の設置数を低減
し、設備コストの低廉化を図ることが可能とされる。ま
た、汚泥濃度を高くすることも可能とされ、しかも脱水
性の良好な汚泥を得ることもできるため、後工程の汚泥
脱水機への負荷を軽減し、処理コストの低廉化、処理効
率の向上を図ることができる。このようなことから、本
発明によれば、重金属含有廃水を、簡単な操作で、効率
的に処理し、著しく水質の高い高度処理水を、大量にか
つ迅速に回収することができる、その工業的有用性は極
めて大である。
【図1】第1図は本発明の重金属含有廃水の処理方法の
一実施例を示す系統図である。
一実施例を示す系統図である。
【図2】第2図は従来例を示す系統図である。
【図3】第3図は従来例を示す系統図である。
【図4】第4図はSS濃度に対するMF膜のフラックス
の経時変化を示すグラフである。
の経時変化を示すグラフである。
2 中和槽 3 循環槽 6 MF膜分離装置 11 反応槽
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 リン酸と第一鉄イオンを含む重金属含有
廃水にアルカリを添加して不溶物を生成させた後、循環
槽を経て精密濾過膜分離装置で膜分離して、処理水と濃
縮液とに分離する重金属含有廃水の処理方法において、 分離された濃縮液の少なくとも一部を前記循環槽に導入
すると共に、該循環槽内の循環液のpHを5〜8とする
ことを特徴とする重金属含有廃水の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3164425A JPH057881A (ja) | 1991-07-04 | 1991-07-04 | 重金属含有廃水の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3164425A JPH057881A (ja) | 1991-07-04 | 1991-07-04 | 重金属含有廃水の処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH057881A true JPH057881A (ja) | 1993-01-19 |
Family
ID=15792912
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3164425A Pending JPH057881A (ja) | 1991-07-04 | 1991-07-04 | 重金属含有廃水の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH057881A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000117270A (ja) * | 1998-10-09 | 2000-04-25 | Nippon Steel Corp | 金属含有排水の処理および有価金属の回収方法 |
JP2001276848A (ja) * | 2000-03-29 | 2001-10-09 | Kurita Water Ind Ltd | 水処理装置 |
KR100403412B1 (ko) * | 1999-01-07 | 2003-10-30 | 니폰 쇼쿠바이 컴파니 리미티드 | 배수 처리법 |
JP2006320862A (ja) * | 2005-05-20 | 2006-11-30 | Japan Organo Co Ltd | 無機性廃水の処理方法及び処理装置 |
CN101891280A (zh) * | 2010-05-14 | 2010-11-24 | 江西金达莱环保研发中心有限公司 | 一种处理重金属废水化学沉淀后的固液分离系统 |
CN104445555A (zh) * | 2014-03-17 | 2015-03-25 | 友达光电股份有限公司 | 废水除磷方法以及磷酸亚铁的制备方法 |
-
1991
- 1991-07-04 JP JP3164425A patent/JPH057881A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000117270A (ja) * | 1998-10-09 | 2000-04-25 | Nippon Steel Corp | 金属含有排水の処理および有価金属の回収方法 |
KR100403412B1 (ko) * | 1999-01-07 | 2003-10-30 | 니폰 쇼쿠바이 컴파니 리미티드 | 배수 처리법 |
JP2001276848A (ja) * | 2000-03-29 | 2001-10-09 | Kurita Water Ind Ltd | 水処理装置 |
JP2006320862A (ja) * | 2005-05-20 | 2006-11-30 | Japan Organo Co Ltd | 無機性廃水の処理方法及び処理装置 |
JP4482488B2 (ja) * | 2005-05-20 | 2010-06-16 | オルガノ株式会社 | 無機性廃水の処理方法及び処理装置 |
CN101891280A (zh) * | 2010-05-14 | 2010-11-24 | 江西金达莱环保研发中心有限公司 | 一种处理重金属废水化学沉淀后的固液分离系统 |
CN104445555A (zh) * | 2014-03-17 | 2015-03-25 | 友达光电股份有限公司 | 废水除磷方法以及磷酸亚铁的制备方法 |
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