JP3012553B2 - 汚染水から重金属を除去する方法及びその装置 - Google Patents
汚染水から重金属を除去する方法及びその装置Info
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- JP3012553B2 JP3012553B2 JP9108439A JP10843997A JP3012553B2 JP 3012553 B2 JP3012553 B2 JP 3012553B2 JP 9108439 A JP9108439 A JP 9108439A JP 10843997 A JP10843997 A JP 10843997A JP 3012553 B2 JP3012553 B2 JP 3012553B2
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄、コバルト、ニ
ッケル、マンガンなどの重金属を多量に含有した地下
水、地表水及び廃水から重金属を除去処理する方法並び
にその装置に関する。
ッケル、マンガンなどの重金属を多量に含有した地下
水、地表水及び廃水から重金属を除去処理する方法並び
にその装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】一般に、水溶性二価鉄イオンを多量含有
する汚染水は、空気と接触して不溶性の三価鉄の酸化物
を形成するため、この鉄酸化物により飲料水の味が悪く
なり、また錆を誘発して水道管を腐食させるので、飲料
水としては不適切であるとされている。
する汚染水は、空気と接触して不溶性の三価鉄の酸化物
を形成するため、この鉄酸化物により飲料水の味が悪く
なり、また錆を誘発して水道管を腐食させるので、飲料
水としては不適切であるとされている。
【０００３】そこで、このような鉄分等の重金属を除去
する方法としては、空気酸化による機械的濾過法、塩素
などの化学物質の添加による酸化及び機械的濾過法、陽
イオン交換樹脂法、並びにマンガン青砂法が既知であ
る。
する方法としては、空気酸化による機械的濾過法、塩素
などの化学物質の添加による酸化及び機械的濾過法、陽
イオン交換樹脂法、並びにマンガン青砂法が既知であ
る。
【０００４】ここで、空気酸化の機械的濾過法は、空気
又は酸素により鉄を酸化した後、濾過法により沈殿物を
濾過するものであり、通常、砂及び無煙炭を混合して加
圧する濾過装置が利用される。この方法は、原水の特性
により差異はあるが、一般的に、完全に酸化するまで長
い時間要し、低いpH条件では酸化しにくく、また、装置
の設備コストが高いという欠点を有する。しかも、この
酸化反応の重要なファクタである原水のpHの調節のため
に生石灰を用いる場合には、生石灰は製造コストが高
く、また、水に対する溶解性が高いため処理工程中継続
して供給する必要があるという欠点も有する。
又は酸素により鉄を酸化した後、濾過法により沈殿物を
濾過するものであり、通常、砂及び無煙炭を混合して加
圧する濾過装置が利用される。この方法は、原水の特性
により差異はあるが、一般的に、完全に酸化するまで長
い時間要し、低いpH条件では酸化しにくく、また、装置
の設備コストが高いという欠点を有する。しかも、この
酸化反応の重要なファクタである原水のpHの調節のため
に生石灰を用いる場合には、生石灰は製造コストが高
く、また、水に対する溶解性が高いため処理工程中継続
して供給する必要があるという欠点も有する。
【０００５】また、化学物質の添加による機械的濾過法
は、化学物質を添加してpHを調節した後濾過するもので
あって、pHの調節のために苛性ソーダ（ＮａＯＨ）又は
消石灰〔Ｃａ（ＯＨ)2〕を用い、塩素ガス又はハイポク
ロリドなどを酸化剤に用いる。しかし、この方法は、化
学物質を定期的に供給する必要があり、また十分な酸化
接触時間を保証する必要があるという欠点を有してい
る。
は、化学物質を添加してpHを調節した後濾過するもので
あって、pHの調節のために苛性ソーダ（ＮａＯＨ）又は
消石灰〔Ｃａ（ＯＨ)2〕を用い、塩素ガス又はハイポク
ロリドなどを酸化剤に用いる。しかし、この方法は、化
学物質を定期的に供給する必要があり、また十分な酸化
接触時間を保証する必要があるという欠点を有してい
る。
【０００６】また、陽イオン交換樹脂法は、陽イオン交
換樹脂のイオン交換能力が低下するため、定期的に樹脂
を再生する操作が必要であるという問題点がある。
換樹脂のイオン交換能力が低下するため、定期的に樹脂
を再生する操作が必要であるという問題点がある。
【０００７】更に、マンガン青砂濾過法は、青砂の緩衝
作用により安定した水処理が可能であるが、定期的に過
マンガン酸カリウム又は次亜塩素酸ナトリウムを用いて
青砂を処理する必要がある。
作用により安定した水処理が可能であるが、定期的に過
マンガン酸カリウム又は次亜塩素酸ナトリウムを用いて
青砂を処理する必要がある。
【０００８】すなわち、このような従来の酸化−濾過工
程は、酸化処理の際長い接触時間を要すると共に運転コ
ストが高くなるので、濾過工程中に回収される沈殿物の
体積をできるだけ小さくせざるをえなかった。
程は、酸化処理の際長い接触時間を要すると共に運転コ
ストが高くなるので、濾過工程中に回収される沈殿物の
体積をできるだけ小さくせざるをえなかった。
【０００９】そして、典型的な鉄分除去方法は、空気酸
化工程、酸化剤の添加工程、凝集剤の添加工程、沈殿及
び濾過工程を含むが、例えば、米国特許第４，２８８，
３２８号明細書に示されている方法は、モンテゴメリ
（Montegomery)の酸化沈殿物の再循環による酸化、沈殿
及び濾過工程として、白斑添加、空気酸化、生石灰の添
加及び混合、塩素の添加及びイオン凝集沈殿、及び沈殿
物の再循環工程並びに濾過工程からなり、特に、酸化さ
れた沈殿物の再循環により、塩素の使用量を大幅に減ら
して運転コスト低減を達成している。
化工程、酸化剤の添加工程、凝集剤の添加工程、沈殿及
び濾過工程を含むが、例えば、米国特許第４，２８８，
３２８号明細書に示されている方法は、モンテゴメリ
（Montegomery)の酸化沈殿物の再循環による酸化、沈殿
及び濾過工程として、白斑添加、空気酸化、生石灰の添
加及び混合、塩素の添加及びイオン凝集沈殿、及び沈殿
物の再循環工程並びに濾過工程からなり、特に、酸化さ
れた沈殿物の再循環により、塩素の使用量を大幅に減ら
して運転コスト低減を達成している。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、酸化剤や凝
集剤を添加することなく、定期的に供給する必要のある
生石灰の代りに、生石灰よりも水に対する溶解度が低
く、安全かつ低廉な石灰石を充填筒に充填することによ
り、汚染水中の重金属が容易に酸化され、不溶化した重
金属酸化物が容易に濾過及び分離可能な、汚染水中の重
金属を除去する方法及び装置に関するものである。
集剤を添加することなく、定期的に供給する必要のある
生石灰の代りに、生石灰よりも水に対する溶解度が低
く、安全かつ低廉な石灰石を充填筒に充填することによ
り、汚染水中の重金属が容易に酸化され、不溶化した重
金属酸化物が容易に濾過及び分離可能な、汚染水中の重
金属を除去する方法及び装置に関するものである。
【００１１】すなわち、本発明の目的は、生石灰、酸化
剤及び凝集剤を別途添加することなく、連続的に汚染水
から重金属を除去する方法を提供するものである。
剤及び凝集剤を別途添加することなく、連続的に汚染水
から重金属を除去する方法を提供するものである。
【００１２】また、本発明の他の目的は、石灰石を充填
した充填筒と、濾過膜及び分離膜を内装した沈殿槽とを
含む、連続的に汚染水から重金属を除去する装置を提供
するものである。
した充填筒と、濾過膜及び分離膜を内装した沈殿槽とを
含む、連続的に汚染水から重金属を除去する装置を提供
するものである。
【００１３】
【課題を解決するための手段】本発明に係る汚染水から
重金属を除去する方法及びその装置は、石灰石が充填さ
れた充填筒に汚染水を空気と共に導入して汚染水中の重
金属を酸化する工程と、不溶化した重金属酸化物を濾過
膜で一次濾過し、分離膜で二次濾過する工程を順次行う
ものである。なお、ここで『一次濾過』とは、濾過膜を
介して汚染処理水を濾過することに限られず、汚染処理
水が沈殿槽中を移動する際に、濾過膜がフロー遮断壁と
して機能した結果、汚染処理水中の酸化物が沈殿する場
合をも含む。
重金属を除去する方法及びその装置は、石灰石が充填さ
れた充填筒に汚染水を空気と共に導入して汚染水中の重
金属を酸化する工程と、不溶化した重金属酸化物を濾過
膜で一次濾過し、分離膜で二次濾過する工程を順次行う
ものである。なお、ここで『一次濾過』とは、濾過膜を
介して汚染処理水を濾過することに限られず、汚染処理
水が沈殿槽中を移動する際に、濾過膜がフロー遮断壁と
して機能した結果、汚染処理水中の酸化物が沈殿する場
合をも含む。
【００１４】この場合、充填筒では、地下水又はその他
の汚染水を効率的に酸化させるため、石灰石によるアル
カリ化と曝気による酸化を同時に行う。汚染水中の重金
属の酸化はpHに大きく依存し、アルカリ性下で酸化が促
進される。また、本発明では、石灰石により、pHを７．
５〜８．０に維持する。従来はpHを調節するため生石灰
を用いていたが、生石灰は水に対する溶解度が大きく、
汚染水処理工程中定期的に生石灰を供給する必要がある
のに対して、本発明の石灰石は水に対する溶解度が低く
徐々に溶出するため、一度充填した後は操作中に追加供
給する必要がなく、また空気の流れにより石灰石表面に
酸化物が堆積することが防止されるので、長期的に石灰
石を利用することができる。
の汚染水を効率的に酸化させるため、石灰石によるアル
カリ化と曝気による酸化を同時に行う。汚染水中の重金
属の酸化はpHに大きく依存し、アルカリ性下で酸化が促
進される。また、本発明では、石灰石により、pHを７．
５〜８．０に維持する。従来はpHを調節するため生石灰
を用いていたが、生石灰は水に対する溶解度が大きく、
汚染水処理工程中定期的に生石灰を供給する必要がある
のに対して、本発明の石灰石は水に対する溶解度が低く
徐々に溶出するため、一度充填した後は操作中に追加供
給する必要がなく、また空気の流れにより石灰石表面に
酸化物が堆積することが防止されるので、長期的に石灰
石を利用することができる。
【００１５】すなわち、本発明は、汚染水から除去しよ
うとする重金属を効率的に酸化し、また重金属の酸化物
が石灰石層内に堆積することを防止するため、空気及び
汚染水を上向流（下方から上方向きへの流れ）として供
給し（場合により、空気を定期的に供給する）、石灰石
の存在と空気曝気により酸化を促進させて、別途酸化剤
を添加したり、酸化後に処理することなく、迅速に重金
属処理を行うものである。
うとする重金属を効率的に酸化し、また重金属の酸化物
が石灰石層内に堆積することを防止するため、空気及び
汚染水を上向流（下方から上方向きへの流れ）として供
給し（場合により、空気を定期的に供給する）、石灰石
の存在と空気曝気により酸化を促進させて、別途酸化剤
を添加したり、酸化後に処理することなく、迅速に重金
属処理を行うものである。
【００１６】その後、汚染処理水を沈殿槽３の濾過膜４
で一次濾過し、沈殿槽３の排出口近傍に設けられた分離
膜５で二次濾過することにより、汚染処理水から重金属
酸化物を除去する。
で一次濾過し、沈殿槽３の排出口近傍に設けられた分離
膜５で二次濾過することにより、汚染処理水から重金属
酸化物を除去する。
【００１７】また、本発明の方法では、長期的に稼働し
得るように、分離膜５に定期的に逆流を与えてもよい
（逆洗）。すなわち、図１に示すように、定期的に分離
膜５を逆洗し、膜の目づまりを防止し、分離膜５上の堆
積物を沈殿槽３の底面に効率的に落として処理効果を向
上させ、長期運転を可能にする。
得るように、分離膜５に定期的に逆流を与えてもよい
（逆洗）。すなわち、図１に示すように、定期的に分離
膜５を逆洗し、膜の目づまりを防止し、分離膜５上の堆
積物を沈殿槽３の底面に効率的に落として処理効果を向
上させ、長期運転を可能にする。
【００１８】例えば、液位調節筒６を利用して沈殿槽３
の分離膜５を逆洗したり、あるいは、分離膜５の下流側
分離膜５と沈殿槽３の排出口との間に直接空気を導入す
ることにより逆洗してもよい。液位調節筒６を用いる場
合、図２に示すように、沈殿槽３から排出された処理水
を液位調節筒６にしばらく貯め、ソレノイドバルブ７と
連結したタイマー８により、所定時間経過後に液位調節
筒６のソレノイド７を開放して空気を導入すると共に液
位調節筒６の排出口と連結したソレノイドバルブ７′を
閉鎖することにより、液位調節筒６中の処理水を沈殿槽
３へ押し戻し、分離膜６を逆洗する。すなわち、液位調
節筒６に貯められた汚染処理水は、沈殿槽３の排出口か
ら分離膜５に逆流し、分離膜５表面に付着した重金属酸
化物等を分離して再沈殿させる。
の分離膜５を逆洗したり、あるいは、分離膜５の下流側
分離膜５と沈殿槽３の排出口との間に直接空気を導入す
ることにより逆洗してもよい。液位調節筒６を用いる場
合、図２に示すように、沈殿槽３から排出された処理水
を液位調節筒６にしばらく貯め、ソレノイドバルブ７と
連結したタイマー８により、所定時間経過後に液位調節
筒６のソレノイド７を開放して空気を導入すると共に液
位調節筒６の排出口と連結したソレノイドバルブ７′を
閉鎖することにより、液位調節筒６中の処理水を沈殿槽
３へ押し戻し、分離膜６を逆洗する。すなわち、液位調
節筒６に貯められた汚染処理水は、沈殿槽３の排出口か
ら分離膜５に逆流し、分離膜５表面に付着した重金属酸
化物等を分離して再沈殿させる。
【００１９】また、分離膜５を逆洗する他の例として、
図３に示すように、液位調節筒６を用いず、沈殿槽３の
排出口と分離膜５との間に空気注入口１１を設け、空気
注入口１１から定期的に空気を導入すると、分離膜５の
排出口側の処理水が分離膜５を介して押し戻され、その
結果分離膜表面の堆積汚染物を除去することができる。
図３に示すように、液位調節筒６を用いず、沈殿槽３の
排出口と分離膜５との間に空気注入口１１を設け、空気
注入口１１から定期的に空気を導入すると、分離膜５の
排出口側の処理水が分離膜５を介して押し戻され、その
結果分離膜表面の堆積汚染物を除去することができる。
【００２０】以上説明したように、本発明は、汚染水か
ら重金属を効果的に除去する装置に関し、石灰石が充填
されている充填筒２と、配管を介して充填筒と連結し
た、濾過膜４及び分離膜５を有する沈殿槽３とを備え、
更に沈殿槽３の下端にバルブ９を設けて沈殿物を取出す
ように構成されている。分離膜５と排出口との間に空気
を供給する空気注入口１１を沈殿槽３に設けてもよい。
ら重金属を効果的に除去する装置に関し、石灰石が充填
されている充填筒２と、配管を介して充填筒と連結し
た、濾過膜４及び分離膜５を有する沈殿槽３とを備え、
更に沈殿槽３の下端にバルブ９を設けて沈殿物を取出す
ように構成されている。分離膜５と排出口との間に空気
を供給する空気注入口１１を沈殿槽３に設けてもよい。
【００２１】このような本発明の方法は、別途の添加物
を必要とせず、処理工程が簡単で、中小単位の浄水施設
をはじめ、大型浄水施設にも用いることができる。ま
た、既存のイオン交換樹脂及び逆浸透圧方式とは異な
り、ミネラルを除去することなく良質の飲料水が得ら
れ、副産物は全く発生しない。
を必要とせず、処理工程が簡単で、中小単位の浄水施設
をはじめ、大型浄水施設にも用いることができる。ま
た、既存のイオン交換樹脂及び逆浸透圧方式とは異な
り、ミネラルを除去することなく良質の飲料水が得ら
れ、副産物は全く発生しない。
【００２２】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、これら
実施例により本発明が限定されるものではない。
実施例により本発明が限定されるものではない。
【００２３】実施例１ 硫酸第一鉄を蒸留水に溶解させて、鉄分の濃度が２０mg
/l（２０ppm)である鉄分汚染水を準備した。直径１０cm
で高さ８０cmの充填筒１に直径１cmの天然石灰石２を
７．０kg程度充填し、汚染水を上方向に１００ml/minの
速度で供給した。次いで、酸化により不溶化した酸化鉄
を含む処理水を、直ちに幅７０cm、高さ５５cmの逆円錐
形の沈殿槽３に導入した。その後、この処理水を濾過膜
４により一次濾過して酸化物を沈殿させ、更に、この一
次濾過では沈殿しなかった酸化物を処理水から分離する
ために、処理水を分離膜５（２，０００メッシュ）によ
り二次濾過した。なお、５０分間隔で、沈殿槽３から出
た処理水を、直径５cm、高さ８０cmの円筒形液位調節筒
６にしばらく貯め、ソレノイドバルブ７と連結したタイ
マー８により、液位調節筒６の上部のソレノイド７を開
放して空気を導入する（３０秒間２５l/min)と共に、液
位調節筒６の排出口と連結したソレノイドバルブ７を閉
鎖することになり、液位調節筒６内の処理水を沈殿槽３
へ押し戻し、分離膜５を逆洗した。このように処理した
水の平均鉄分濃度は０．０３ppm で、飲料水の基準値
０．３ppm を大きく下回っており、またカルシウムイオ
ン濃度も２０〜２５ppm と、良質の洗浄水が得られた。
/l（２０ppm)である鉄分汚染水を準備した。直径１０cm
で高さ８０cmの充填筒１に直径１cmの天然石灰石２を
７．０kg程度充填し、汚染水を上方向に１００ml/minの
速度で供給した。次いで、酸化により不溶化した酸化鉄
を含む処理水を、直ちに幅７０cm、高さ５５cmの逆円錐
形の沈殿槽３に導入した。その後、この処理水を濾過膜
４により一次濾過して酸化物を沈殿させ、更に、この一
次濾過では沈殿しなかった酸化物を処理水から分離する
ために、処理水を分離膜５（２，０００メッシュ）によ
り二次濾過した。なお、５０分間隔で、沈殿槽３から出
た処理水を、直径５cm、高さ８０cmの円筒形液位調節筒
６にしばらく貯め、ソレノイドバルブ７と連結したタイ
マー８により、液位調節筒６の上部のソレノイド７を開
放して空気を導入する（３０秒間２５l/min)と共に、液
位調節筒６の排出口と連結したソレノイドバルブ７を閉
鎖することになり、液位調節筒６内の処理水を沈殿槽３
へ押し戻し、分離膜５を逆洗した。このように処理した
水の平均鉄分濃度は０．０３ppm で、飲料水の基準値
０．３ppm を大きく下回っており、またカルシウムイオ
ン濃度も２０〜２５ppm と、良質の洗浄水が得られた。
【００２４】実施例２ 前記の液位調節筒６の代わりに、図３に示すように、沈
殿槽３に直接空気を導入して分離膜５を逆洗するタイプ
の沈殿槽１０を用いて、実施例１と同様の試験をした。
但し、沈殿槽３の排出口と分離膜との間に空気注入口１
１を設け、タイマー８及びソレノイド７を用いて定期的
に空気を２０l/min の流量で３秒間吹き込み、分離膜５
表面の堆積物を逆洗により除去した。２０日間運転して
処理した結果、鉄分の平均濃度が０．０１ppm の浄水処
理能力を示した。
殿槽３に直接空気を導入して分離膜５を逆洗するタイプ
の沈殿槽１０を用いて、実施例１と同様の試験をした。
但し、沈殿槽３の排出口と分離膜との間に空気注入口１
１を設け、タイマー８及びソレノイド７を用いて定期的
に空気を２０l/min の流量で３秒間吹き込み、分離膜５
表面の堆積物を逆洗により除去した。２０日間運転して
処理した結果、鉄分の平均濃度が０．０１ppm の浄水処
理能力を示した。
【００２５】実施例３ 汚染水として韓国江原道三拓市五十川で採取した鉄分濃
度２９０ppm 、pH６．１８の弱酸性閉鉱産酸性汚染廃水
１５０リットルを用いた。流量を２０ml/minにした以外
は、実施例２と同様の試験をした。その結果、１２５時
間、２０ml/minの流量を処理した後の平均鉄分濃度は
０．２２ppm であり、汚染処理水のpHも７．１１とほぼ
中性であった。
度２９０ppm 、pH６．１８の弱酸性閉鉱産酸性汚染廃水
１５０リットルを用いた。流量を２０ml/minにした以外
は、実施例２と同様の試験をした。その結果、１２５時
間、２０ml/minの流量を処理した後の平均鉄分濃度は
０．２２ppm であり、汚染処理水のpHも７．１１とほぼ
中性であった。
【００２６】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る汚染水から
重金属を除去する方法及びその装置によれば、一次充填
した後は継続的な供給を必要としない石灰石を用いるこ
とにより、汚染水を中性に近いpH７〜８の範囲にし、か
つ酸化に適した条件を維持し得る。また、本発明の方法
によれば、処理工程が簡単で、副産物の発生がほとんど
なく、既存のイオン交換樹脂及び逆浸透圧方式とは異な
り、ミネラルの除去を必要としない良質の飲料水程度の
洗浄水が得られる。
重金属を除去する方法及びその装置によれば、一次充填
した後は継続的な供給を必要としない石灰石を用いるこ
とにより、汚染水を中性に近いpH７〜８の範囲にし、か
つ酸化に適した条件を維持し得る。また、本発明の方法
によれば、処理工程が簡単で、副産物の発生がほとんど
なく、既存のイオン交換樹脂及び逆浸透圧方式とは異な
り、ミネラルの除去を必要としない良質の飲料水程度の
洗浄水が得られる。
【図１】本発明に係る重金属汚染水処理の工程図であ
る。
る。
【図２】本発明に係る逆洗可能な汚染水処理装置の概略
図である。
図である。
【図３】本発明に係る別のタイプの逆洗可能な汚染水処
理装置の概略図である。
理装置の概略図である。
１ 充填筒 ２ 石灰石 ３、１０ 沈殿槽 ４ 濾過膜 ５ 分離膜 ６ 液位調節筒 ７ ソレノイド ８ タイマー ９ バルブ １１ 空気注入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 呉 在 春 大韓民国ソウル特別市城北区下月谷洞39 −１番地 財団法人韓国科学技術研究院 化工研究部内 (72)発明者 崔 光 眞 大韓民国ソウル特別市城北区下月谷洞39 −１番地 財団法人韓国科学技術研究院 化工研究部内 (72)発明者 金 永 大 大韓民国ソウル特別市城北区下月谷洞39 −１番地 財団法人韓国科学技術研究院 化工研究部内 (56)参考文献 特開 平８−243559（ＪＰ，Ａ) 特開 昭49−34153（ＪＰ，Ａ) 特公 昭56−31151（ＪＰ，Ｂ２) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C02F 1/58 - 1/64 C02F 1/72 - 1/78
Claims (8)
- 【請求項１】 汚染水を空気と共に石灰石の充填された
充填筒（２）に導入して汚染水中の重金属を酸化して不
溶化する工程と、汚染処理水の濾過に加えてフロー遮断
壁として機能する濾過膜（４）と、分離膜（５）とによ
り、該不溶化した重金属酸化物を汚染処理水から分離す
る工程とを順次行なうことを特徴とする汚染水から重金
属を除去する方法。 - 【請求項２】 汚染水及び空気を、充填筒（２）に上向
流の形で導入する、請求項１記載の方法。 - 【請求項３】 空気を定期的に供給する、請求項２記載
の方法。 - 【請求項４】 分離膜（５）の閉塞を防止するため、定
期的に分離膜（５）を逆洗する、請求項１記載の方法。 - 【請求項５】 充填筒（２）内の汚染水のpHを７〜８の
範囲に維持する、請求項１記載の方法。 - 【請求項６】 その中で重金属を酸化するための空気曝
気が行なわれる、石灰石が充填されている充填筒
（２）；及び配管を介して充填筒（２）と連結してお
り、その内部に充填筒（２）から流入する汚染処理水を
一次濾過するための汚染処理水の濾過に加えてフロー遮
断壁として機能する濾過膜（４）と二次濾過するための
分離膜（５）とを備えた沈殿槽（３）を含むことを特徴
とする汚染水から重金属を除去する装置。 - 【請求項７】 沈殿槽（３）の排出口と分離膜（５）と
の間に、空気注入口（１１）が設けられている、請求項
６記載の装置。 - 【請求項８】 配管を介して沈殿槽（３）と連結してい
る、分離膜（５）を逆洗するための液位調節筒（６）を
更に有する、請求項６記載の装置。
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| JP9108439A Expired - Fee Related JP3012553B2 (ja) | 1997-02-10 | 1997-04-25 | 汚染水から重金属を除去する方法及びその装置 |
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